4503 アステラス薬 2019-10-25 16:00:00
FLT3阻害剤XOSPATA 欧州で販売承認を取得-単剤療法による再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病の新たな治療薬- [pdf]
2019 年 10 月 25 日
各位
会 社 名
ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
代 表 代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
者
(コード:4503、東証第一部)
(URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
決 算 期 3月
問 い 合 わ せ 先 広報部長 緒方 スティグ
(Tel:03-3244-3201)
FLT3 阻害剤 XOSPATA®
欧州で販売承認を取得
- 単剤療法による再発または難治性の FLT3 遺伝子変異陽性
急性骨髄性白血病の新たな治療薬 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」) は、FLT3(FMS-like
tyrosine kinase 3)阻害剤 XOSPATA®(製品名、一般名:gilteritinib、以下「ギルテリチニ
ブ」)について、10 月 24 日に 1 日 1 回経口投与による成人の再発または難治性の FLT3
遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia: AML)の治療薬として欧州
委員会(European Commission: EC)から販売承認を取得しました。
XOSPATA®は、AML における最も一般的な遺伝子変異(FLT3 ITD および FLT3 TKD*1, 2)
を伴う患者さんの転帰を改善する可能性を有しています*3。なお、XOSPATA®は、2018 年
1 月に EC からオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けているほか*4、本年 2
月の承認申請時に欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)から迅速審査の指
定を受けており*5、承認までの審査期間が短縮されました。
このたびの販売承認は、再発または難治性の FLT3 遺伝子変異陽性 AML 患者を対象
にギルテリチニブと救援化学療法を比較した第 III 相 ADMIRAL 試験の結果に基づいてい
ます。本試験における全生存期間(中央値)は、救援化学療法群の 5.6 カ月に対し、ギル
テリチニブ投与群は 9.3 カ月と有意な延長が認められました(ハザード比=0.64(95%信
頼区間 0.49, 0.83), P=0.0004)。1 年生存率は、救援化学療法群の 17%に対し、ギルテ
リチニブ投与群は 37%でした*6, 7。
イタリア S.Orsola-Malpighi 大学病院 Institute of Hematology の Giovanni Martinelli,
M.D.は、「希少がんである AML において、特に FLT3 遺伝子変異陽性の患者さんの予後
は不良であり、標準治療である救援化学療法による全生存期間の中央値は 6 カ月未満で
1
す。XOSPATA®は、欧州における FLT3 遺伝子変異陽性 AML の治療をさらに前進させる、
臨床上重要な新規の治療選択肢です」と述べています。
AML 患者さんにおける FLT3 遺伝子変異陽性の状態は、AML 治療の過程で、再発後
においても変化する可能性があります*8。FLT3 遺伝子変異陽性 AML の予後は不良のた
め、患者さんの FLT3 遺伝子変異の状態を確認することは、最善の治療を行うための情報
となります*8, 9, 10。
なお、本件による業績への影響は、2020 年 3 月期連結業績予想に織り込み済みです。
以上
XOSPATA®(ギルテリチニブ)について
ギルテリチニブは、アステラス製薬と寿製薬株式会社の共同研究により見出されました。アステラス製薬はギル
テリチニブについて、全世界での開発、製造、ならびに商業化に関する独占的な権利を有します。2018 年 12 月
に「再発又は難治性の FLT3 遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病」を効能・効果として、日本では「ゾスパタ®錠
40mg」、米国では「XOSPATA®」の製品名でアステラス製薬が発売しました。欧州では 2019 年 2 月に同様の
効能・効果に関する販売承認申請を行い*5、2019 年 9 月に欧州医薬品委員会(The Committee for Medicinal
Products for Human Use: CHMP)が販売承認勧告を採択しました*11。また、ADMIRAL 試験から得られた全
生存期間のデータを追加する添付文書改訂が行われました(米国;2019 年 5 月*7、日本;2019 年 8 月*12)。
現在、アステラス製薬は、様々な FLT3 遺伝子変異陽性 AML 患者を対象とした複数の第 III 相試験を実施し、
ギルテリチニブの有効性および安全性を検証しています。現在進行中のギルテリチニブの臨床試験の詳細に
ついては http://www.clinicaltrials.gov をご覧ください。
ADMIRAL 試験*13 について
第 III 相 ADMIRAL 試験(NCT02421939)は、AML に対する一次治療後に再発した、または一次治療抵抗性
の FLT3 遺伝子変異陽性の成人 AML 患者を対象として、ギルテリチニブと救援化学療法を比較する非盲検多
施設共同無作為化試験です。本試験の主要評価項目は全生存期間および完全寛解(CR)と部分的血液学的
回復を伴う完全寛解(CRh)の割合(CR/CRh 率)です。本試験では骨髄あるいは全血において FLT3 遺伝子変
異陽性と判定された患者 371 名が組み入れられました。患者は 2:1 の割合でギルテリチニブ(120 mg)または
救援化学療法のいずれかを投与する群に無作為に割付けられました。
*1: ITD(Internal Tandem Duplication):遺伝子内縦列重複変異、TKD:(Tyrosine Kinase Domain):チロシ
ンキナーゼドメイン変異
*2: Patel J, et al. Prognostic Relevance of Integrated Genetic Profiling in Acute Myeloid Leukemia. N
Engl J Med. 2012; 366:1079-89
*3: Lim SH et al. Molecular targeting in acute myeloid leukemia. J Transl Med. 2017 Aug 29;15(1):183.
*4: European Medicines Agency. Public summary of opinion on orphan designation. Available at:
https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/orphan-designations/eu3171961. Last accessed
October 2019.
2
*5: Astellas Pharma Inc. Astellas Announces Acceptance of XOSPATA (gilteritinib) for Regulatory
Review by the European Medicines Agency (02-28-2019). https://www.astellas.com/us/news/14631.
Last accessed October 2019.
*6: Perl, A et al. Gilteritinib significantly prolongs overall survival in patients with FLT3-mutated
(FLT3mut+) relapsed/refractory (R/R) acute myeloid leukemia (AML): Results from the Phase III
ADMIRAL trial. Presented as abstract CT184 at the AACR Annual Meeting 2019, April 2 2019.
*7: US Food and Drug Administration. XOSPATA Highlights of Prescribing Information. Available at:
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2019/211349s001lbl.pdf. Last accessed October 2019.
*8: Nazha A, et al. Activating internal tandem duplication mutations of the fms-like tyrosine kinase-3
(FLT3-ITD) at complete response and relapse in patients with acute myeloid leukemia. Haematologica
2012;97(8):1242-5.
*9: Warren M, et al. Clinical impact of change of FLT3 mutation status in acute myeloid leukemia
patients. Mod Pathol. 2012;25(10):1405-12.
*10: McCormick SR, et al. FLT3 mutations at diagnosis and relapse in acute myeloid leukemia:
cytogenetic and pathologic correlations, including cuplike blast morphology. Arch Pathol Lab Med
2010;134(8):1143-51.
*11: European Medicines Agency. Meeting highlights from the Committee for Medicinal Products for
Human Use (CHMP) 16-19 September 2019. Available at:
https://www.ema.europa.eu/en/news/meeting-highlights-committee-medicinal-products-human-use-
chmp-16-19-september-2019. Last accessed October 2019.
*12: XOSPATA (gilteritinib) Tablets® 40 mg Package Insert. Tokyo; Astellas Pharma Inc.: 2019.
*13: ClinicalTrials.gov. A Study ofASP2215 Versus Salvage Chemotherapy in Patients with Relapsed
or Refractory Acute Myeloid Leukemia (AML) With FMS-like Tyrosine Kinase (FLT3) Mutation. Available
at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02421939. Last accessed October 2019.
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、東京に本社を置き、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念
に掲げる製薬企業です。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。
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を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情
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