4503 アステラス薬 2019-01-09 08:30:00
イベニティ皮下注10mgシリンジ 骨折の危険性の高い骨粗鬆症の治療薬として世界初の製造販売承認を日本で取得 [pdf]
2018 年 1 月 9 日
各位
会 社 名
ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
代 表 代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
者
(コード:4503、東証第一部)
(URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
決 算 期 3月
問 い 合 わ せ 先 広報部長 緒方 スティグ
(Tel:03-3244-3201)
イベニティ®皮下注 105 ㎎ シリンジ
骨折の危険性の高い骨粗鬆症の治療薬として
世界初の製造販売承認を日本で取得
- 骨粗鬆症を有する閉経後女性及び男性の骨密度を増加し、骨折リスクを低下 -
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:スティー
ブ・スギノ、以下「アステラス・アムジェン・バイオファーマ」)とアステラス製薬株式会社(本
社:東京、代表取締役社長 CEO:安川健司、以下「アステラス製薬」)及びユーシービー
ジャパン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:菊池加奈子、以下「ユーシービージャパ
ン」)は、このほど、アステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬が日本において
共同開発を進めてきたヒト抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤イベニティ®(一般名:ロ
モソズマブ(遺伝子組換え)、以下「イベニティ®」)について、骨折の危険性の高い骨粗鬆症
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の治療薬 として、世界各国に先駆けて、厚生労働省から製造販売承認を取得しましたの
で、お知らせします。
イベニティ®は骨形成促進剤であり、骨形成促進と骨吸収抑制の両作用により、骨密度
(BMD)を増加させ、骨折リスクを低下させます。この度の承認は、閉経後骨粗鬆症の女性
患者 7,180 例を対象とした FRAME 試験 2、及び骨粗鬆症の男性患者 245 例を対象とした
BRIDGE 試験 3 の 2 つの第 III 相試験の結果に基づいています。また、独立行政法人医薬
品医療機器総合機構(PMDA)は、海外で実施されたアレンドロネートとの比較試験
(ARCH 試験)で観察された心血管系所見を踏まえ、イベニティ®の安全性プロファイルにつ
いても審査を行いました。
アムジェン社の Vice President でアステラス・アムジェン・バイオファーマの代表取締役
社長であるスティーブ・スギノは、「骨粗鬆症に起因する骨折は、要介護の状態に繋がる主
な要因の一つです。超高齢社会の日本において、このような骨折を予防することは、最優
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先課題であると考えています。骨形成を促進し、同時に骨吸収を抑制することにより、骨折
リスクを低下させるエビデンス 4 をもつイベニティ®を、骨粗鬆症の新たな治療選択肢として、
世界に先駆けて日本の患者さんにお届けできることを大変嬉しく思います」と述べています。
徳島大学名誉教授で、同大学藤井節郎記念医科学センター顧問を務める松本俊夫医
師(医学博士)は、「骨折の既往を有する患者さんは、次の骨折を起こすリスクに直面して
おり、このような患者さんこそ、この新たな骨形成促進剤の恩恵を受けることができると考
えられており、待ち望まれていた薬剤です。イベニティ®は患者さんの骨折リスクを低下させ
る有望な選択肢になると期待しています」と述べています。
世界の中でも長寿大国の一つである日本では、2050 年には 60 歳以上の人口の割合が
37%を超えると予想されています 5。骨量は年齢に伴って減少していくため、加齢は骨粗鬆
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症を発症する主なリスク因子の一つと言えます 。現在、日本の骨粗鬆症患者数は約
1,200 万人です。75 歳以上の最高齢群では大腿骨近位部骨折の発症率は男女ともに劇
的に上昇します 8。
アムジェン社の研究開発 Executive Vice President である David M. Reese M.D.は、
「日本におけるイベニティ®の承認取得は、骨粗鬆症に苦しむ多くの患者さんに効果的な治
療薬をお届けする当社の取り組みの中でも重要な節目であると考えています。骨粗鬆症に
よる骨折の既往歴のある患者さんは、診断を受けずに適切な治療が行われないままでい
ると、次の骨折を起こす可能性が 2 倍になるという報告もあります 9。この度の承認を受け
て、日本の医師は、骨折リスクを低下させる新薬を患者さんに提供できるようになります」と
述べています。
この度、イベニティ®は世界に先駆けて日本で承認されました。アステラス・アムジェン・バ
イオファーマが承認を取得した 3 剤目の新たな薬剤です。
本剤は、アステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬が共同でプロモーション
を行います。ユーシービージャパンは、親会社であるユーシービー社とアムジェン社の両社
の契約に基づき、日本においては製品プロモーションには関与せず、骨粗鬆症の疾患の認
知や理解、治療率向上のための活動を支援します。
米国食品医薬品局(FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)においても、現在イベニティの販売
許可申請について審査中であり、各規制当局との連携も継続中です。
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本件については、米国において、現地時間 1 月 8 日に対外発表しています。
イベニティ®の重要な第 III 相臨床試験について
FRAME(FRActure Study In Postmenopausal WoMen With OstEoporosis)試験は、閉
経後骨粗鬆症女性患者 7,180 例を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比
較試験です。本試験では、イベニティ®(210 mg)を 12 ヵ月間投与した群のプラセボ投与群
に対する有効性を、新規椎体骨折のリスク低下を指標として評価しました。さらに、本試験
では、12 ヵ月間イベニティ®を投与した後にデノスマブを 12 ヵ月間投与した群の、12 ヵ月間
プラセボを投与した後にデノスマブを 12 ヵ月間投与した群に対する有効性も、24 ヵ月間に
おける新規椎体骨折のリスク低下を指標として評価しました。
BRIDGE ( PlaceBo-ContRolled Study EvaluatIng The Efficacy AnD Safety Of
Romosozumab In TreatinG MEn With Osteoporosis)試験は、脆弱性骨折(大腿骨近位
部骨折を除く)または椎体骨折の既往歴がある 55~90 歳の男性骨粗鬆症患者 245 例を
対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験です。本試験では、腰椎、
大腿骨頚部及び大腿骨近位部の BMD の増加について、イベニティ®を 12 ヵ月間投与した
群の有効性をプラセボ投与群と比較して評価しました。
ARCH ( Active-ContRolled FraCture Study In Postmenopausal Women With
Osteoporosis At High Risk Of Fracture)試験は、骨折の既往歴があり骨折リスクの高い
閉経後骨粗鬆症女性患者 4,093 例を対象としたイベニティ®の無作為化アレンドロネート対
照二重盲検並行群間比較試験です。本試験では、臨床骨折(非椎体骨折及び臨床椎体骨
折)及び新規椎体骨折の発生率の低下について、アレンドロネートのみを継続して投与し
た群と比較し、12 ヵ月間イベニティ®(210 mg)を投与した後に継続して少なくとも 12 ヵ月間
アレンドロネート(70 mg)を投与した群の有効性を評価しました。
脆弱性骨折について
世界的に、50 歳以上の女性 3 人に 1 人、男性 5 人に 1 人が骨粗鬆症による脆弱性骨折
を発症するとされており、高齢化に伴いこの数はさらに増加する見込みです 9。こうした状況
にもかかわらず、現在、骨粗鬆症の診断・治療は十分に行き届いていません。特に骨折を
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起こした後も、5 人に 4 人の患者は診断や治療を受けていないと推定されています 。適
切な治療または効果的な介入選択肢が利用できない場合、患者には将来、痛みを伴い日
常生活に支障をきたす骨折のリスクが残ります。
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イベニティ®(ロモソズマブ)について
イベニティ®は世界で最初に日本で承認された骨形成促進作用を持つモノクローナル抗体
で、スクレロスチンの活性を阻害する作用を持ち、骨形成を速やかに促進し、同時に骨吸
収を抑制します。大規模な国際共同第 III 相試験において、イベニティ®の骨折リスクを低下
させる可能性が検討されました。これらの試験には、イベニティ®とプラセボまたは実薬対照
のいずれかとの比較で骨折抑制効果を検討した大規模な 2 つの試験が含まれ、合計
10,000 例を超える閉経後骨粗鬆症患者が対象になりました。イベニティ®はアムジェン社と
ユーシービー社によって共同開発されています。
重要な製品情報
販売名: イベニティ®皮下注 105 mg シリンジ
一般名: ロモソズマブ(遺伝子組換え)
効能・効果: 骨折の危険性の高い骨粗鬆症
用法・用量: 通常、成人にはロモソズマブ(遺伝子組換え)として 210 mg を 1 ヵ月に
1 回、12 ヵ月皮下投与する。
※詳細は最新の添付文書をご覧ください。
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社について
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(http://www.aabp.co.jp/jp/)は、世界最大の独立バイオテクノ
ロジー企業のひとつであるアムジェン社と、研究開発型グローバル企業あるアステラス製薬による合弁会社で
あり、ブレークスルー・サイエンスに基づく医薬品を提供し、日本の患者さんのアンメット・メディカル・ニーズに応
えるために 2013 年 10 月に業務を開始しました。 アステラス・アムジェン・バイオファーマの従業員数は現在
400 名を超え、2013 年の設立より本日までに製造販売業者として十分な機能を備える総合的な製薬企業へと
成長しました。来る 2020 年にはアムジェン社の完全子会社になる予定です。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬株式会社は、東京に本社を置き、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを
経営理念に掲げる製薬企業です。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧く
ださい。
アムジェン社について
アムジェン社は、重篤な疾患に苦しむ患者のために、生物学的に革新的な治療を探索・開発・製造・提供する
可能性を切り開いていきます。このアプローチは、疾患の複雑性の解明と人体の生物学上の基本を理解するた
めに、先進的なヒト遺伝学などの手法を活用することから始まります。
アムジェン社はアンメット・メディカル・ニーズが大きい領域に焦点を絞り、生物製剤の製造に関する専門知識を
活用して医療効果の向上と人々の生活に画期的な改善をもたらすソリューションを追求しています。1980 年に
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創業したバイオテクノロジーのパイオニアであるアムジェン社は、世界最大の独立バイオテクノロジー企業に成
長し、世界中の多くの患者に貢献しており、革新的な可能性が期待されるパイプラインを開発しています。
詳細については www.amgen.com をご覧になるか、ツイッターアカウント(www.twitter.com/amgen)をフォ
ローしてください。
ユーシービーグループについて
ユーシービーグループ(www.ucb.com)は、ベルギーのブリュッセルに本社を置くグローバルバイオファーマで、
ニューロロジーや免疫・炎症、骨領域の重篤な疾患と共に生きる患者さんのより良い生活の実現を目指して、
革新的な医薬品の研究開発や創薬ならびに ソリューションの提供に力を注いでいます。世界約 40 ヵ国に拠点
を置き、従業員数は約 7,500 名を擁しており、2017 年の収益は 45 億ユーロ(約 5,700 億円)でした。ユーシー
ビーはユーロネクスト・ブリュッセル証券市場に上場しています(シンボル:UCB)。
ユーシービージャパンは 1988 年に設立され、抗てんかん薬「イーケプラ®」、「ビムパット®」、関節リウマチ治療
薬「シムジア ®」を中心に事業を展開しています。これからも、患者さんの価値を創造するバイオファーマリー
ダーとして、従来の治療で十分な改善が得られなかった患者さんに新たな治療の選択肢を提供することを目指
して、日本の医療・健康へ更に貢献することを使命として参ります。
注意事項(アステラス製薬)
このニュースリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述及びその他の過去の事実
ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可
能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知及び未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。様々
な要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医
薬品市場における事業環境の変化及び関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、
(iv)新製品及び既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続
的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定される
ものではありません。また、このニュースリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、
宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
注意事項(アステラス・アムジェン・バイオファーマ)
このニュースリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバ
イスを目的とするものではありません。
References
1. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医療用医薬品情報データベース
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/39994C7G1022_1_02/
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sis (FRAME).Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01575834?term=NCT01575834&
rank=1.Accessed November 2018.
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3. A Double-blind Study to Compare the Safety and Efficacy of Romosozumab (AMG 785) Ver
sus Placebo in Men With Osteoporosis (BRIDGE). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/sho
w/NCT02186171?term=NCT02186171&rank=1. Accessed November 2018, 2016.
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