4503 アステラス薬 2019-09-20 16:00:00
HIF-PH阻害薬「エベレンゾ錠」透析施行中の腎性貧血の治療薬として日本で製造販売承認取得 [pdf]

                                                                      2019 年 9 月 20 日

各位
                     会      社       名
                                ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
                     代      表   代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
                                    者
                                (コード:4503、東証第一部)
                           (URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
                     決    算     期 3月
                     問 い 合 わ せ 先 広報部長 緒方 スティグ
                                           (Tel:03-3244-3201)


             HIF-PH 阻害薬「エベレンゾ®錠」
          透析施行中の腎性貧血の治療薬として
               日本で製造販売承認取得
          -経口投与が可能なファーストインクラスの治療薬-

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:安川 健司、以下「アステ
ラス製薬」)は、FibroGen, Inc.(NASDAQ:FGEN、本社:米国カリフォルニア州サンフラン
シスコ、暫定 CEO:James A Schoeneck、以下「FibroGen 社」)と共同で開発を進めてい
るエベレンゾ®錠(製品名、一般名:ロキサデュスタット)について、「透析施行中の腎性貧血」
を効能・効果として、アステラス製薬が日本において製造販売承認を取得しましたので、お
知らせします。

 今回の承認は、日本で実施した透析期の慢性腎臓病に伴う貧血患者を対象とした 4 つ
の第 III 相試験のデータに基づいています*1,2,3,4。それらの試験では、ロキサデュスタットの
有効性および安全性が確認されました。

 ロキサデュスタットは、低酸素誘導因子(HIF)プロリン水酸化酵素(PH)阻害薬であり、
赤血球造血刺激因子製剤とは異なる働きで、腎性貧血を改善するファーストインクラスの
経口投与による治療薬です。ロキサデュスタットは、本来、生体が低酸素状態におかれたと
きに持つ生理学的反応を誘導します。すなわち、正常酸素状態においても、生体内で複数
の経路を調節することで赤血球の生成を活性化し、血液の酸素運搬能力を増強します。

 腎性貧血は、腎不全への病態進行を早めたり*5、心血管系合併症の発症リスクを高め
る*6 など、腎疾患の転帰を著しく悪化させるほか、患者さんの QOL(生活の質)や認知機能
の著しい低下を引き起こします*7。




                                1
 アステラス製薬と FibroGen 社は、依然としてアンメットメディカルニーズが存在する透析
期において、腎性貧血の新たな治療選択肢としてエベレンゾ®錠を提供することで、患者さ
んとその治療に携わる医療関係者に一層の貢献をしていきます。

                                                    以上



製品情報

製品名          エベレンゾ® 錠 20mg、同錠 50mg、同錠 100mg

一般名          ロキサデュスタット

効能・効果        透析施行中の腎性貧血

             赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合

               通常、成人には、ロキサデュスタットとして 1 回 50mg を開始用量と
             し、週 3 回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜
             増減するが、最高用量は 1 回 3.0mg/kg を超えないこととする。
用法・用量


             赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合

               通常、成人には、ロキサデュスタットとして 1 回 70mg 又は 100mg を
             開始用量とし、週 3 回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投
             与量を適宜増減するが、最高用量は 1 回 3.0mg/kg を超えないこととす
             る。


承認取得日        2019 年 9 月 20 日


慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)および腎性貧血について
CKDは、腎機能が損なわれていく疾患で、高血圧、糖尿病、免疫異常による炎症等による腎臓の障害が原因
です*8。世界では、10人に1人以上がCKDに罹患しているとの報告があり*9、特に日本では、CKDの罹患率が
年々著しく増加しています*10。年齢を問わずに発症しますが、一般的に高齢者に多く見られ罹患率も増加して
います。CKDには、依然として大きなアンメットメディカルニーズが存在し、世界的に重要な医療上の課題となっ
ています。


腎性貧血は、CKDの初期に見られる一般的な合併症で*11、CKD患者の約20%が腎性貧血を発症します*12。
骨髄による赤血球の生成を刺激する腎臓の機能低下により引き起こされますが、透析患者または保存期患者

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(透析導入前)のいずれにおいても高い有病率と死亡リスクの増加が認められ、CKDの進行とともに発症率お
よび重症度のいずれも増加することが報告されています*13。
現在、腎性貧血の標準治療には、赤血球を生成する働きを促進させる赤血球造血刺激因子製剤や鉄剤が用
いられています。


ロキサデュスタットについて
ロキサデュスタットは、透析施行中の腎性貧血の治療薬として、日本でこのたびの承認取得に加え、保存期の
腎性貧血の治療薬として、第 III 相試験段階にあります。また、透析期および保存期の腎性貧血の治療薬とし
て、中国で承認を取得しているほか、欧州、米国では、承認申請の準備中です。さらに、ロキサデュスタットは、
骨髄異形成症候群に伴う貧血治療薬として、米国および欧州において第 III 相臨床試験が、中国において第
II/III 相試験が行われています。このほか、化学療法に伴う貧血治療薬として、第 II 相臨床試験段階にあります。
試験の詳細は以下のリンク先の clinicaltrials.gov をご参照ください:
https://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=roxadustat&Search=Search


アステラス製薬と FibroGen 社は、日本、欧州、独立国家共同体(CIS)、中東、南アフリカ等において上述の貧
血患者を対象としたロキサデュスタットの開発を共同で行っています。また FibroGen 社は AstraZeneca 社と共
同で、米国、中国を含む他の地域において、上述の貧血の治療薬としてロキサデュスタットの開発・商業化を
行っています。


*1: 1517-CL-0302: Announced on a press release issued on October 31, 2017. Available at:
https://www.astellas.com/jp/ja/news/10591

*2: 1517-CL-0308: Announced on slide no. 29 of presentation material at Astellas FY2017 business
announcement on April 26, 2018. Available at: https://sw4503.swcms.net/ja/ir-library/business-
results/inframe1/main/00/teaserItems1/0/linkList/02/link/4q2018_pre2_jp_0.pdf

*3: 1517-CL-0312: Announced on slide no. 29 of presentation material at Astellas FY2017 business
announcement on April 26, 2018. Available at: https://sw4503.swcms.net/ja/ir-library/business-
results/inframe1/main/00/teaserItems1/0/linkList/02/link/4q2018_pre2_jp_0.pdf

*4: 1517-CL-0307: Announced on a press release issued on May 31. Available at:
https://www.astellas.com/jp/ja/news/11951

*5: Mohanram A, Zhang Z, Shahinfar S,ET AL. Anemia and end-stage renal disease in patients with
type 2 diabetes and nephropathy. Kidney Int. 2004 Sep;66(3):1131-8.

*6: Weiner DE , Tighiouart H, Stark PC et al. Kidney disease as a risk factor for recurrent cardiovascular
disease and mortality. Am J Kidney Dis. 2004 Aug;44(2):198-206.

*7: Eriksson D et al. Cross-sectional survey in CKD patients across Europe describing the association
between quality of life and anaemia. BMC Nephrology. 2016;17:97.

*8: Ojo, A. Addressing the Global Burden of Chronic Kidney Disease Through Clinical and Translational
Research. Transactions of the American Clinical and Climatological Association. 2014, No. 125, p. 229-
246.

*9: The Global Kidney Health Atlas. International Society of Nephrology (ISN). Available at:
https://www.kidneycareuk.org/news-and-campaigns/news/estimated-1-10-people-worldwide-have-
chronic-kidney-disease/. Last accessed August 2019.

                                                    3
*10: Nagata M, Ninomiya T, Doi Y, Yonemoto K, Kubo M, Hata J, Tsuruya K, Iida M, Kiyohara Y.
Nephrol Dial Transplant. 2010, Aug, vol. 25, no.8, 2557-2564.

*11: McClellan W, Aronoff SL, Bolton WK, et al. The prevalence of anemia in patients with chronic
kidney disease. Curr.Med.Res.Opin. 2004;20:1501–1510.

*12: Dmitrieva O, De Lusignan S, Macdougall, IC, et al. Association of anaemia in primary care patients
with chronic kidney disease: cross sectional study of quality improvement in chronic kidney disease
(QICKD) trial data. BMC Nephrology. 2013:25;14:24.

*13: KDOQINational Kidney Foundation: KDOQI Clinical Practice Guidelines and Clinical Practice
Recommendations for Anemia in Chronic Kidney Disease. Am J Kidney Dis 47 [Suppl 3]: S11–S145,
2006.



アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、東京に本社を置き、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念
に掲げる製薬企業です。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。


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を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
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