4503 アステラス薬 2019-01-31 12:00:00
2019年3月期 第3四半期 決算説明会資料 [pdf]
2018年度第3四半期決算概況
2019年1月31日
アステラス製薬株式会社
上席執行役員 財務担当(CFO)
武田 睦史
注意事項 2
この資料に記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述及びそ
の他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の
見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想
定によるものであり、既知及び未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。
様々な要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性が
あります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化及び関係
法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品及び
既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のあ
る新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産
の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、この資
料に含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医
学的アドバイスを目的としているものではありません。
本日の内容 3
I 2018年度第3四半期 連結業績
II 新薬パイプライン
III 持続的な成長に向けた取り組み
2018年度第3四半期業績(コアベース) 4
18年度 為替の影響を
(億円) 17年度3Q 18年度3Q 増減率 進捗率 除いた増減率
予想*
売上高 9,994 10,050 +0.6% 13,000 77.3% +0.6%
売上原価 2,389 2,277 -4.7%
売上高比率 23.9% 22.7%
販売費及び一般管理費 3,500 3,558 +1.6%
売上高比率 35.0% 35.4%
研究開発費 1,616 1,500 -7.2% 2,160 69.4%
売上高比率 16.2% 14.9% 16.6%
無形資産償却費 270 265 -1.9%
持分法による損益 - 14 - 11 -
コア営業利益 2,205 2,440 +10.7% 2,700 90.4% +7.4%
コア四半期純利益 1,679 2,179 +29.8% 2,210 98.6%
1株当たりコア四半期純利益 (円) 82.22 112.20 +36.5% 114.11 98.3%
*2018年10月公表業績予想
売上高の前年同期比較 5
XTANDI/イクスタンジ、ミラベグロンが伸長し増収
(億円)
17年度3Q 9,994
XTANDI/イクスタンジ
OAB製品
その他の増減 ・ミカルディスほか長期収載品、
タルセバの減少
為替の影響 -3
18年度3Q 10,050
OAB:過活動膀胱
OAB製品:ベシケア+ミラベグロン (製品名:ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ) 日本の薬価改定の影響:-139億円
コア営業利益の前年同期比較 6
主力製品の売上増加に加え、経営資源配分の最適化も奏功し、
コア営業利益は11%増加
(億円)
17年度3Q 2,205
売上総利益*
・米国XTANDI 共同販促費用増加
販管費* ・経費の効率的使用と最適なリソース配分の推進
・重点後期開発品や新領域・技術への投資拡充
R&D費* ・Agensys社の研究活動終了などによる減少
その他*
為替の影響 +71
18年度3Q 2,440
*各項目の増減は為替の影響を除いたもの
2018年度第3四半期業績(フルベース) 7
(億円) 17年度3Q 18年度3Q 増減率 18年度予想* 進捗率
コア営業利益 2,205 2,440 +10.7% 2,700 90.4%
その他の収益 104 131 +25.8%
その他の費用 512 478 -6.6%
営業利益 1,798 2,094 +16.5% 2,340 89.5%
税引前四半期利益 1,846 2,128 +15.3% 2,360 90.2%
四半期純利益 1,426 1,915 +34.3% 1,950 98.2%
1株当たり四半期純利益(円) 69.84 98.63 +41.2% 100.69 98.0%
*2018年10月公表業績予想
主要製品の売上高 8
主要製品は堅調に推移し、増収に貢献
17年度 18年度 為替の影響を 18年度
(億円) 増減率 除いた増減率 進捗率
3Q 3Q 予想*
XTANDI/イクスタンジ 2,199 2,534 +15.2% +15.3% 3,259 77.7%
泌尿器OAB製品 1,716 1,843 +7.4% +7.5% 2,457 75.0%
ベシケア 785 744 -5.2% -5.2% 961 77.4%
ミラベグロン 931 1,099 +18.0% +18.3% 1,496 73.5%
プログラフ 1,502 1,500 -0.1% -0.2% 1,960 76.5%
プログラフ (アドバグラフ/グラセプター/アスタグラフXLを含む)
ミラベグロン (製品名:ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ) *2018年10月公表業績予想
XTANDI/イクスタンジ 9
早期ステージの前立腺がんでの浸透により、全ての地域で増収
地域別売上高 1,227 (+17.4%)
251 (+25.3%)
1,045
200
日本 米州 ex-US
(億円) (百万ドル)
1,135 US
968
672 (+9.3%) 48 (+18.4%)
615
1,168 40
EMEA アジア・
1,056 +21.2%
(百万ユーロ) オセアニア (為替の影響を除く)
(億円)
17年度3Q 18年度3Q 17年度3Q 18年度3Q
泌尿器OABフランチャイズ 10
ミラベグロンが成長し、OABフランチャイズの売上をけん引
新規作用機序に基づくバランスのとれた有効性と忍容性を訴求
四半期売上高の推移 (グローバル)
(億円)
800
ベシケア ミラベグロン OAB total
700
600
500
400 61%
300
39%
200
100
0
ミラベグロン (製品名:ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ)
本日の内容 11
I 2018年度第3四半期 連結業績
II 新薬パイプライン
III 持続的な成長に向けた取り組み
4品目で製造販売承認を取得 12
2018年度第2四半期決算発表(2018年10月)以降
継続的に患者さんへ価値を届けていく
新規分子成分 新規分子成分
ギルテリチニブ イプラグリフロジン ロモソズマブ デガレリクス
2018年11月(米国) 2018年12月(日本) 2019年1月(日本) 2019年1月(日本)
再発又は難治性のFLT3 1 型糖尿病 骨折の危険性の高い 前立腺がん(12週製剤)
遺伝子変異陽性の 骨粗鬆症
急性骨髄性白血病(AML)
再発又は難治性のAMLに 治療薬がインスリン、 新規の作用機序の治療薬 前立線がん患者さんの
対する初めての a-GIに限られていた として、世界に先駆けて 治療の負担を軽減
FLT3阻害剤 1型糖尿病に対する 日本で製造販売承認を
初めてのSGLT2阻害剤 取得
*適応症の詳細は添付文書参照.
FLT3 mut+: FMS様チロシンキナーゼ3遺伝子変異陽性、α-GI: α-グルコシターゼ阻害剤、SGLT2:ナトリウム/グルコース共輸送体2
ギルテリチニブ:再発又は難治性の急性骨髄性白血病を 13
適応症として承認された初のFLT3阻害剤
経営計画2018に沿って重要なマイルストンを達成
• 再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)に対する
治療薬として2018年11月に米国で承認取得、同年12月に日本と米国で発売
• この患者層に対する初のFLT3阻害剤として承認
• 日本の先駆け審査指定制度、米国の優先審査やファストトラック指定等、
開発を加速させる薬事制度を活用
• FLT3活性化変異を有するAML患者は予後が悪く、再発率が高い。また、化学療法に対する
反応性が低い。再発又は難治性FLT3遺伝子変異陽性AMLに対する治療法は確立されていない。
• ギルテリチニブは、予後に影響を与えることが明らかである1
FLT3-ITDとFLT3-TKDの両方のFLT3変異を阻害する。
• 第Ⅲ相 ADMIRAL試験で全生存期間の主要評価項目を達成。
今後の学会で結果を発表予定。
• 血液内科専門医/がん専門医を通じ、
患者さんに価値を届けていく。
1: Yanada M et al. Leukemia. 2005;19:1345-9
FLT3: FMS様チロシンキナーゼ3、ITD: 遺伝子内縦列重複変異、TKD: チロシンキナーゼドメイン変異
ロモソズマブ:日本において世界で初の承認 14
骨粗鬆症治療におけるパラダイムシフトを目指す
• 「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果として2019年1月に日本で承認
• 骨粗鬆症患者において、骨折の既往はさらなる骨折の大きなリスク。
特に骨折後1年以内の二次骨折のリスクは高く1、早期の治療効果が望まれる。
• ロモソズマブは骨形成促進作用と骨吸収抑制作用の両方を有し、骨量を急速に増加させ、
骨の微細構造を保持・強化しながら強度を向上することで骨折リスクを低下させる。
• 12ヵ月間の投与により骨折リスクを軽減
• 月1回、12ヵ月間投与する薬剤で、患者さんの利便性の向上を期待
ロモソズマブ
骨粗鬆症治療薬の作用2
BP製剤、
ロモソズマブ PTH製剤
抗RANKL抗体
ロモソズマブは骨芽細胞を活性化する ロモソズマブは破骨細胞の活性を抑制する
ロモソズマブ投与により、 ロモソズマブ投与により、
sCTX(骨吸収マーカー)が低下する
P1NP(骨形成マーカー)が上昇する
骨形成
骨吸収
1: van Geek TA et al. Ann Rheum Dis 2009, 68:99, 2: Gennari L et al. Expert Opin Pharmacother. 2016 ;17:1141-52,
P1NP:1型プロコラーゲン-N-プロペプチド、sCTX:血清Ⅰ型コラーゲン架橋C-テロペプチド、BP:ビスフォスフォネート、RANKL:NFκB活性化受容体リガンド、
PTH: 副甲状腺ホルモン
6つのPOC取得済みプロジェクトの進捗 15
2018年度第2四半期決算発表(2018年10月)以降
後期開発品が着実に進展し、多くのマイルストンを達成
エンザルタミド ギルテリチニブ エンホルツマブ ベドチン
M1 HSPC 再発又は難治性FLT3 mut+ AML CPI治療歴のある
ADMIRAL試験: 最終解析において 転移性尿路上皮がん
• ARCHES試験: 主要評価項目 主要評価項目(OS)を達成
(rPFS)を達成 • 第Ⅱ相試験コホート1(プラチナ製剤
• 米国: 2018年11月に承認取得
• 2019年半ばまでに日米欧で 治療歴あり)の結果を2019年1-3月
• 欧州: 2019年1-3月に申請予定
申請予定 に入手予定
• OSデータを添付文書に追加予定
• 結果が良好な場合、2019年に米国
(米国:2019年1-3月申請、
で申請予定
日本:2019年7-9月)
zolbetuximab ロキサデュスタット fezolinetant
胃腺がんおよび 慢性腎臓病に伴う貧血 更年期に伴う血管運動神経症状
食道胃接合部腺がん • 欧州: 第Ⅲ相全6試験の結果を入手 • 後期第Ⅱ相試験のほぼすべての
2019年半ばに申請予定 投与群で、4つすべての主要評価
GLOW試験(CAPOXとの併用療
• 日本: 透析期患者を対象として2018年9 項目を達成
法):患者組み入れ開始
月に申請。保存期患者を対象とした残り • ENDO2019で後期第Ⅱ相試験の
1 試験の結果を2019年に入手予定 結果を発表予定
M1 HSPC: 転移性ホルモン感受性前立腺がん、rPFS: 画像診断による無増悪生存期間、FLT3 mut+: FMS様チロシンキナーゼ3遺伝子変異陽性、
AML: 急性骨髄性白血病、OS: 全生存期間、CPI: 免疫チェックポイント阻害剤、ENDO: 米国内分泌学会
エンザルタミド 16
M1 HSPC患者を対象としたARCHES試験で主要評価項目を達成
本適応症での申請を日米欧で 2019年半ばまでに予定
M1 HSPC ARCHES試験
M1 HSPC患者(n=1,150)
疾患について 以下を含む
• 腫瘍体積の大きい患者層と小さい患者層
• 米国では、毎年38,000人の男性がM1 • M1 HSPCに対してドセタキセルの治療を受け、その後進行がみられない
患者
HSPCを発症する。1 • 新規診断のM1 HSPC患者と根治療法を受けた後に再発転移した患者
• 現在、アンドロゲン除去療法(ADT)が
無作為化
第一選択薬とされている。
ADT + エンザルタミド ADT + プラセボ
満たされていない医療ニーズ
• 遠隔転移がみられる前立腺がん患者は 主要評価項目:rPFS
予後が悪く、より良い治療薬が待ち望まれ
• 主要評価項目であるrPFSを有意に延長
ている。
• 予備的な安全性解析において、エンザルタミドの安全性プロファ
• M1 HSPCには様々な患者層が含まれ、腫 イルはCRPCを対象に実施したこれまでの試験結果と一致
瘍体積の小さい患者や再発患者における • ASCO-GUで結果を発表予定
データは少ない。
1: Scher HI et al. PLoS One. 2015; 10: e0139440, 2: Siegel RL et al. CA Cancer J Clin. 2018;68:7–30
M1 HSPC: 転移性ホルモン感受性前立腺がん、rPFS: 画像診断による無増悪生存期間、CRPC: 去勢抵抗性前立腺がん、
ASCO-GU: 米国臨床腫瘍学会 泌尿器がんシンポジウム
FEZOLINETANT 17
後期第Ⅱ相試験はほぼすべての投与群で4つの主要評価項目を達成
試験結果を2019年3月のENDO2019で発表予定
試験デザイン 結果
中等度から重度のVMSを少なくとも 有効性
週50回以上有する閉経後の更年期の女性
• ほぼすべての投与群において、4つすべての主要評価項
目で統計的に有意な改善が示された。
スクリーニング:4週間
• 1日1回投与と1日2回投与では、ホットフラッシュの頻度と
重症度に対する有効性とその効果量は同程度であった。
無作為化: n=352
安全性
fezolinetant fezolinetant • 死亡または治験薬に関連したSAEは報告されていない。
プラセボ 1日1回 1日2回
• TEAE発現率は投与群間で同等であり、多くは軽度も
n=44 3用量 4用量
n=44/群 n=44/群 しくは中等度だった。
投与期間:12週間 • 無症候性の肝酵素上昇が、高用量群のごく少数の
主要評価項目(Co-primary): 症例において報告された。
• 中等度および重度のホットフラッシュの平均回数に
おけるベースラインからの変化* 今後の予定:
• 中等度および重度のホットフラッシュの重症度にお 第Ⅲ相試験で用いる用量を含む試験デザインについての
けるベースラインからの変化* 当局相談を準備中
* 投与4週後および投与12週目後
ENDO: 米国内分泌学会、VMS:更年期に伴う血管運動神経症状(ホットフラッシュ)、SAE:重篤な有害事象、TEAE:治験薬投与後に発現した有害事象
ロキサデュスタット 18
慢性腎臓病に伴う貧血に対するファーストインクラスの経口剤を目指す
通常の酸素量
期待するプロファイル
HIF-PH 酵素 HIF-α は急速に分解される
分解 新規の作用機序
HIF-α
経口投与
HIF-α
患者の治療負担を軽減する新たな
低酸素量
(例:高地) HIF-α HIF-α HIF-β 治療選択肢となる可能性
あるいは
ロキサデュスタット
✕ 遺伝子の転写
既存治療(例:ESA)と同等の有効性
HIF-PH 酵素 静脈投与の鉄剤の使用を最小限に
する。
ロキサデュスタットはHIF-α を安定化させる
生理的範囲内でエリスロポエチン値
生理的範囲内又はそれに近いエリスロポエチンの産生
を維持することにより、既存治療での
へプシジン値 懸念を回避できる可能性
骨髄への鉄輸送とヘモグロビン合成
既存治療においてコントロールが
鉄吸収
不十分な患者層(例:炎症のある
患者)でも有効性を示す。
赤血球産生
HIF: 低酸素誘導因子、PH: プロリン水酸化酵素、 ESA: 赤血球造血刺激因子製剤
ロキサデュスタット 19
欧州での申請に向けた第Ⅲ相全6試験の結果を入手
欧州で2019年半ばに申請予定
欧州での申請・保険償還に向けた 第Ⅲ相全6試験の結果を入手
第Ⅲ相試験プログラム
• すべての試験で主要評価項目を達成した。
透析期 • ロキサデュスタットは良好な忍容性を示した。
HIMALAYAS試験 予備的な安全性解析において、全般的な安全性
新規透析導入患者、エポエチンアルファ対照、n=1,043 プロファイルは、これまでの臨床試験結果と
SIERRAS試験 一致した。
安定期透析患者、エポエチンアルファ対照、n=741
PYRENEES試験
安定期透析患者、
エポエチンアルファ又はダルベポエチンアルファ対照、 n=836
安全性統合解析:2019年前半に予定
保存期
DOLOMITES試験*:
ダルベポエチンアルファ対照、n=616
ALPS試験:プラセボ対照、n=594 欧州での申請を2019年半ばに予定
ANDES試験:プラセボ対照、n=922
*中間解析の結果
重点後期開発品の価値最大化 20
zolbetuximabの適応拡大に向けた開発に着手し、
より多くの患者さんへの貢献を目指す
対象疾患:膵臓腺がん 前期第Ⅱ相試験
• 膵臓がんは、がんによる死亡の原因と • 対象となる患者層:
して世界で7番目に多い。1 CLDN 18.2陽性の転移性膵臓腺がん
• 5年生存率は、米国で8%、世界で4%と • ファーストライン治療として、
未だに低い。1 nab-パクリタキセルとゲムシタビンと併用
• 膵臓がん患者の50〜70%では • 2019年4-6月に試験開始予定
Claudin 18.2(CLDN18.2)が顕著に
発現している。2,3,4
1: Ilic, M & Ilic I. World J Gastroenterol. 2016; 22, 9694-705, 2: Lee JH et al, Oncol Rep. 2011;25:971-8, 3: Sanada et al, Clin Cancer Res.2008;14:7624-34,
4: Karanjawala ZE et al, Am J Surg Pathol. 2008;32:188-96
臨床入りから申請までのパイプライン全体の進展 21
2018年度第2四半期決算発表(2018年10月)以降の進捗
開発パイプラインが着実に進展
P1入り P2入り P3入り 申請
ASP3772 zolbetuximab
肺炎球菌感染症の予防 膵臓腺がん
ASP1128/MA-0217
急性腎障害
*適応症の詳細は添付文書参照
reldesemtiv:慢性閉塞性肺疾患 (P2)
(一部適応での) ASP4070/JRC2-LAMP-vax:スギ花粉症(P2)
開発中止等 ASP7713:低活動膀胱(P1)
ASP1807/CC8464:神経障害性疼痛 (P1)
注)開発段階の進展の定義 第Ⅰ相入り:治験許可申請(IND)/治験届の承認、次相への進展:社内の意思決定機関における決定、
申請:当局への申請書類の提出、開発中止:社内の意思決定機関における決定
1年以内に期待される主なイベント 22
POC試験から承認取得までの重要なマイルストン
データ判明 第Ⅱ相 (POC) 試験
reldesemtiv (CK-2127107) 筋萎縮性側索硬化症
第Ⅱ相試験
エンホルツマブ ベドチン 転移性尿路上皮がん
(CPI治療歴/プラチナ製剤治療歴あり)
申請* ロキサデュスタット 透析期/保存期の慢性腎臓病に伴う貧血 (欧州)
ギルテリチニブ 再発又は難治性のFLT3mut+ AML(欧州)
エンホルツマブ ベドチン 転移性尿路上皮がん
(CPI治療歴/プラチナ製剤治療歴あり)
エンザルタミド M1 HSPC
当局判断 ペフィシチニブ 関節リウマチ(日本)
ロキサデュスタット 透析期の慢性腎臓病に伴う貧血 (日本)
エボロクマブ スタチン不耐性患者における高コレステロール血症(日本)
学会発表 エンザルタミド ASCO-GU (ARCHES)
ギルテリチニブ 近日開催予定の学会 (ADMIRAL OS)
エンホルツマブ ベドチン ASCO-GU (P1)
fezolinetant ENDO 2019 (P2b)
* 試験結果判明、社内での評価・決定、必要に応じ当局との相談後に実施。当局への申請書類の提出
適応症等の詳細はパイプラインリストをご参照ください。
POC (Proof of Concept): 臨床での有効性の確認、CPI: 免疫チェックポイント阻害剤、M1 HSPC: 転移性ホルモン感受性前立腺がん、 FLT3mut+: FLT3遺伝子
変異陽性、AML: 急性骨髄性白血病、ASCO-GU: 米国臨床腫瘍学会 泌尿器がんシンポジウム、OS: 全生存期間、ENDO: 米国内分泌学会
本日の内容 23
I 2018年度第3四半期 連結業績
II 新薬パイプライン
III 持続的な成長に向けた取り組み
FOCUS AREA アプローチによる取り組み: 24
POTENZA社の買収
がん領域ポートフォリオを拡充
戦略 3つのプログラムのがん免疫制御機序
• 臨床段階にある新規がん免疫 NK cell
療法プログラムの獲得
3つのプログラムがP1入り
既存のがん免疫療法では効果
不十分な患者層が対象
アステラスの抗がん剤
パイプラインとの併用が可能
抑制性シグナルの解除 T細胞応答性の向上 Treg細胞の不安定性誘導
抗TGIT抗体 GITR作動性抗体
(免疫チェック 抗NRP1抗体
(T細胞プライミング
ポイント阻害剤) (Treg機能阻害剤)
および共刺激)
・ASP8374/PTZ-201 ・ASP1951/PTZ-522 ・ASP1948/PTZ-329
OPERATIONAL EXCELLENCEの追求 25
2018年度における経営資源再配分の主要な取り組み
IN OUT
新技術への設備投資 組織体制の見直し:
国内での新棟建設(富山、つくば) 欧州での組織体制の最適化
米国AIRMの設備増強 国内事業再編
Focus Areaへの投資 生産体制の見直し:
遺伝子治療: 西根工場の医薬品製造事業を譲渡
Quethera買収
遺伝子治療研究所との提携
Juventasとの提携
新規がん免疫療法:
Potenza買収
下線部:この四半期に実施した取り組み
キャピタルアロケーション 26
成長を実現するための事業投資を最優先
中長期的な利益成長に基づき、配当は安定的かつ持続的に向上
自己株式取得は機動的に実施
事業投資 株主還元
2018年度~2020年度の期間中、
企業買収 増配を目指す
機動的な自己株式取得
提携 当期の配当(予想): 38円(2円増配)
当期の自己株式取得実績: 1,000億円(55百万株)
参考資料
2018年度第3四半期実績:地域別売上高 28
(億円) 17年度3Q 18年度3Q 増減率
日本 3,373 3,127 -7.3%
米州 3,268 3,520 +7.7%
EMEA 2,600 2,618 +0.7%
アジア・オセアニア 753 785 +4.3%
為替レート(実績) 29
期中平均レート
通貨 17年度3Q 18年度3Q 変動
ドル 112円 111円 1円高
ユーロ 129円 129円 1円安
期首‐期末レートの変動
通貨 17年度3Q 18年度3Q
ドル 1円安 5円安
ユーロ 15円安 4円高
未実現利益消去に係る為替の影響: 売上原価率 -0.6ppt
2018年度通期業績修正予想:為替感応度 30
2018年10月以降の為替レートの想定:1ドル110円、1ユーロ130円
2018年度修正予想の為替感応度(10月以降)の概算値*
期中平均レート 期末日レート
予想前提より1円高 予想前提より1円高
通貨
売上高 コア営業利益 コア営業利益
ドル 約26億円減少 約6億円減少 約6億円増加
ユーロ 約13億円減少 約6億円減少 約3億円増加
* 海外グループ会社の業績連結時の換算レートが、 2018年10月以降、 2018年度3Q以降の想定為替レートから変動した場合の
影響額を試算したもの
バランスシート/キャッシュ・フローのハイライト 31
(億円) 18年3月末 18年12月末
総資産 18,582 19,283
現金及び現金同等物 3,317 3,313
親会社所有者帰属持分 12,683 12,922
親会社所有者帰属持分比率(%) 68.3% 67.0%
(億円) 17年度3Q 18年度3Q 17年度
営業CF 2,153 2,037 3,126
投資CF △938 △285 △1,218
フリーCF 1,215 1,752 1,908
財務CF △1,431 △1,733 △2,034
自己株式取得 △707 △1,004 △1,307
配当金支払額 △716 △721 △716
株主還元の推移 32
(円) (億円)
40 2,500
一株配当*(左軸) 当期純利益**(右軸)
2,000
30
1,500
20
38
1,000
36
10
500
0 0
FY05 FY06 FY07 FY08 FY09 FY10 FY11 FY12 FY13 FY14 FY15 FY16 FY17 FY18
(億円) (予想)
配当総額 393 423 552 569 582 577 577 594 606 660 685 713 721 730
自己株取得 462 2,199 818 1,234 270 - - 494 300 582 1,193 914 1,299 1,000
総還元性向(%) 82 200 77 106 70 85 74 118 100 92 97 74 123
*2014年4月1日を効力発生日として5分割の株式分割を実施(2005年度の期首に株式分割が実施されたものとして調整した数値を表示)
**2013年度(2014年3月期)以降の会計年度は国際財務報告基準(IFRS)
成長の基盤となる開発パイプライン 33
第Ⅰ相試験 第Ⅱ相試験 第Ⅲ相試験 申請
zolbetuximab (IMAB362) ペフィシチニブ (ASP015K)
ASP1235/AGS62P1 (膵臓腺がん) エンザルタミド
(M0 HSPC:米欧亜、 (関節リウマチ:日)
AGS-16C3F (腎細胞がん) M1 HSPC:米欧日亜)
ASP8374/PTZ-201 ASP1650 (精巣がん) ソリフェナシン*
ギルテリチニブ(ASP2215) (小児神経因性膀胱:米)
bleselumab (ASKP1240) (R/R AML:欧亜,
(rFSGS) AMLの他の患者層:米欧日亜)
ASP1948/PTZ-329 ASP5094(関節リウマチ)
ロキサデュスタット
reldesemtiv(CK-2127107) エンホルツマブ ベドチン (透析期の慢性腎臓病に伴う貧血:日)
(SMA, ALS)
(ASG-22ME)
ASP1951/PTZ-522 ASP7317 (萎縮型加齢黄斑変性等) (尿路上皮がん:米欧日亜)
ASP6294 エボロクマブ
(膀胱痛症候群/間質性膀胱炎) (スタチン不耐性患者における
ASP0892 zolbetuximab 高コレステロール血症:日)
(胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん:
ASP8302 (低活動膀胱) 米欧日亜)
ASP1128/MA-0217 * 2017年8月にFDAから
ASP0367/MA-0211 (急性腎障害) ミラベグロン Complete Response Letter を受領
(小児神経因性膀胱:欧)
fezolinetant (ESN364)
(更年期に伴う血管運動神経症状) ロキサデュスタット
MucoRice-CTB (ASP1517/FG-4592)
ASP0819 (線維筋痛症) (慢性腎臓病に伴う貧血、
ASP4345 欧:透析期/保存期、日:保存期)
(統合失調症に伴う認知障害)
ASP3772 フィダキソマイシン
isavuconazole(小児:米) (小児:欧)
がん 免疫科学・筋疾患・眼科疾患 泌尿器・腎疾患 その他
プロジェクトの記載は概要を示したものです。詳細はパイプラインリストをご参照ください。
rFSGS: 再発性巣状糸球体硬化症、SMA:脊髄性筋萎縮症、ALS:筋萎縮性側索硬化症、M0 HSPC: 非転移性ホルモン感受性前立腺がん、M1 HSPC: 転移性ホルモン
感受性前立腺がん、R/R: 再発又は難治性、AML: 急性骨髄性白血病
6つの重点後期開発品の申請予定 34
申請済み/申請予定
2018年度 2019年度-2020年度 2021年度以降
ギルテリチニブ エンザルタミド エンザルタミド
(再発又は難治性急性骨髄性白血病:欧州) (転移性ホルモン感受性前立腺がん) (非転移性ホルモン感受性前立腺がん)
エンホルツマブ ベドチン ギルテリチニブ
ロキサデュスタット (転移性尿路上皮がん)
(急性骨髄性白血病の他の患者層)
(透析期の慢性腎臓病に伴う貧血:日本)
ロキサデュスタット zolbetuximab
(胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん)
(慢性腎臓病に伴う貧血
保存期:日本
透析期/保存期:欧州) fezolinetant
(更年期に伴う血管運動神経症状)
申請は試験結果判明、社内での評価・決定、必要に応じ当局との相談後に実施
適応症等の詳細はパイプラインリストをご参照ください。
エンザルタミド 35
根治治療 ホルモン療法または 去勢抵抗性
去勢感受性
ARCHES
M1 HSPC
診断 手術 新規診断 PREVAIL AFFIRM
M1 CRPC M1 CRPC
M1 HSPC (一次治療) (二次治療
救済療法 再発 以降)
監視療法
放射線
EMBARK
EMBARK PROSPER
M0 HSPC M0 CRPC
第Ⅲ相 2018年12月に結果入手
M1 HSPC プラセボ対照、ADT併用、n=1,150 ASCO-GUで結果を発表予定
ARCHES 試験 転移性ホルモン感受性前立腺がん 2019年半ばまでに日米欧で 申請予定
第Ⅲ相 M0 HSPC プラセボ対照、ADT併用、n=1,068 患者組み入れ終了
EMBARK 試験 非転移性ホルモン感受性前立腺がん
下線部:前回の決算発表時(2018年10月31日)からの進捗
M1 HSPC: 転移性ホルモン感受性前立腺がん、M0 HSPC:非転移性ホルモン感受性前立腺がん、M0 CRPC: 非転移性去勢抵抗性前立腺がん、
M1 CRPC: 転移性去勢抵抗性前立腺がん、ADT:アンドロゲン除去療法、ASCO-GU: 米国臨床腫瘍学会 泌尿器がんシンポジウム
ギルテリチニブ 36
第Ⅰ相試験
維持療法
地固め療法
寛解導入療法 GOSSAMER 救援療法
/地固め療法
移植 維持療法 ADMIRAL
FLT3 mut+
急性骨髄性 MORPHO
白血病患者 米国・日本で発売
低強度
化学療法 欧州で申請予定
(2019年1-3月)
LACEWING
最終解析のOS データを入手
第Ⅲ相 OSデータの添付文書への追加
再発又は治療抵抗性 単独療法と救援療法との比較(2:1)、n=371
ADMIRAL試験 米国: 2019年1-3月申請予定
日本: 2019年7-9月予定
第Ⅲ相 アザシチジン併用療法とアザシチジン単独療法
初回寛解導入療法不適応患者 患者組み入れ開始:2016年11月
LACEWING試験 の比較 (2:1)、n=323
第Ⅲ相
化学療法後の維持療法 単独療法とプラセボとの比較(2:1)、n=354 患者組み入れ開始:2017年4月
GOSSAMER試験
第Ⅲ相 患者組み入れ開始:2017年7月
造血幹細胞移植後の維持療法 単独療法とプラセボとの比較 (1:1)、n=346
MORPHO試験 BMT-CTNと共同
下線部:前回の決算発表時(2018年10月31日)からの進捗
FLT3 mut+: FMS様チロシンキナーゼ3遺伝子変異陽性、OS: 全生存期間、BMT-CTN: Blood and Marrow Transplant – Clinical Trial Network
エンホルツマブ ベドチン 37
治療状況のまとめ *標準治療・承認されている薬剤は地域・国ごとに違う点もあるが、基本的な治療の流れは同じ
1次治療 2次治療 3次治療
シスプラチン
EV-201 (コホート 1)
適応
Gem-Cis EV-301
• CPI
• Gem-Carbo • 単剤化学療法
• 単剤化学療法 • 臨床試験
シスプラチン
• CPI • 緩和ケア
不適応
• Gem-Carbo
EV-201 (コホート 2)
EV-103
第Ⅲ相
CPI治療歴のある患者(プラチナ製剤治療歴あり) n=550 患者組み入れ開始: 2018年7月
EV-301 試験
CPI治療歴のある患者 患者組み入れ開始: 2017年10月
第Ⅱ相
コホート1:プラチナ製剤治療歴あり n=200 コホート1:2019年1-3月に結果判明予定
EV-201 試験 コホート2:プラチナ製剤治療歴なし/シスプラチン不適応 コホート2:患者組み入れ中
第Ⅰb相
CPI併用 n=159 患者組み入れ開始: 2017年11月
EV-103 試験
Part A: 転移性尿路上皮がん患者
第Ⅰ相 患者組み入れ開始: 2014年6月
Part B: 腎不全患者、転移性非小細胞肺がん、転移性卵巣がん n=215
EV-101 試験 Part C: 転移性尿路上皮がん患者(CPI治療歴あり)
Matured dataをASCO-GUで発表予定
下線部:前回の決算発表時(2018年10月31日)からの進捗
CPI:免疫チェックポイント阻害剤、Gem-Cis:ゲムシタビン-シスプラチン療法、Gem-Carbo:ゲムシタビン-カルボプラチン療法
ZOLBETUXIMAB 38
ターゲット:Claudin18.2 胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん
タイトジャンクションの主要な構成因子で、 対象となる患者層:
上皮細胞層の細胞間の隙間をふさぐ。 Claudin18.2高発現の局所進行性または転移性
様々ながん種において広範囲に発現 胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん
• 胆管がん、すい臓がん、胃がん、 世界でがんによる死因の4番目を占める。
ムチン性卵巣がん:約70-90%1 転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの
• 卵巣がんと非小細胞肺がん:約10%1 5年生存率は20%未満2, 3
ステージ4の胃がんの全生存期間の中央値は
10-15ヵ月4, 5
第Ⅲ相 患者組み入れ開始:2018年10月
mFOLFOX6との併用療法 プラセボ対照、n=550
SPOTLIGHT
胃腺がんおよび 第Ⅲ相 患者組み入れ開始:2019年1月
CAPOXとの併用療法 プラセボ対照、n=500
食道胃接合部腺がん GLOW
第Ⅱ相 単剤および
n= 102 患者組み入れ開始:2018年9月
ILUSTRO mFOLFOX6との併用療法
nab-パクリタキセルと
膵臓腺がん 第Ⅱ相 n=141 試験開始予定:2019年4-6月
ゲムシタビンとの併用
下線部:前回の決算発表時(2018年10月31日)からの進捗
1: Al-Batran et al., ASCO2016, 2: Pennathur et al., 2013, 3: Sahin et al., 2008, 4: 2017 RDPAC survey, 5: Iizumi, S, et al., 2018
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