4503 アステラス薬 2021-09-27 16:00:00
抗体-薬物複合体「パドセブ点滴静注用 30mg」がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌の治療薬として日本で製造販売承認取得 [pdf]
2021 年 9 月 27 日
各位
会 社 名
ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
代 表 者
代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
(コード:4503、東証第一部)
(URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
決 算 期 3月
問 い 合 わ せ 先 コーポレート・アドボカシー&リレーション部長
藤井 郁乃
(Tel:03-3244-3201)
抗体-薬物複合体「パドセブ®点滴静注用 30mg」
がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌の
治療薬として日本で製造販売承認取得
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、
「Seagen 社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:
ADC)であるパドセブ®点滴静注用 30mg(製品名、一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝
子組換え))について、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」を効能・
効果として、日本において製造販売承認を取得しました。今回の製造販売承認申請は、厚
生労働省から優先審査の指定を受けていました。
根治切除不能な尿路上皮がんとは、腫瘍の増殖により、膀胱や腎臓、尿管の切除によ
る治療が見込めない尿路上皮がんです。
今回の承認は、日本を含むグローバルで実施された第 III 相試験(EV-301 試験)の結果
等に基づくものです。この試験では、白金製剤を含む化学療法および PD-1 または PD-L1
阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象に、エンホ
ルツマブ ベドチン投与群を化学療法群と比較評価しました。
日本では年間推定 24,300 人以上が膀胱がんと診断され、9,500 人が死亡しています1。
アステラス製薬は、尿路上皮がんの患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アン
メットメディカルニーズの高い局所進行性または転移性尿路上皮がんの治療に一層の貢献
をしていきます。
本件によるアステラス製薬の業績への影響は、通期(2022 年 3 月期)連結業績予想に
織り込み済みです。
以上
1
製品情報
製品名 パドセブ®点滴静注用 30 mg
一般名 エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え)
効能・効果 がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌
通常、成人にはエンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え)として 1 回 1.25
mg/kg(体重)を 30 分以上かけて点滴静注し、週 1 回投与を 3 週連続
用法・用量 し、4 週目は休薬する。これを 1 サイクルとして投与を繰り返す。ただし、1
回量として 125 mg を超えないこと。なお、患者の状態により適宜減量す
る。
承認取得日 2021 年 9 月 27 日
尿路上皮がんについて
尿路上皮がんは、膀胱で最も多く発生するがんです(90%)。腎盂、尿管および尿道にもみられます。世界では
年間約 573,000 人が膀胱がんと診断され、年間約 212,000 人が死亡しています2。
EV-301 試験について
EV-301 試験(NCT03474107)は国際共同、多施設、非盲検、無作為化第 III 相試験です。本試験は、白金製
剤を含む化学療法および PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮
がん患者約 600 人を対象に、エンホルツマブ ベドチン投与群を、医師の選択する化学療法(ドセタキセル、パ
クリタキセルあるいはビンフルニン)群と比較しています 3。主要評価項目は全生存期間です。副次的評価項目
には、無増悪生存期間、客観的奏効率、奏効期間、病勢コントロール率のほか、安全性/忍容性、QOL
(Quality-of-Life)パラメータの評価が含まれます。本試験において事前に設定されていた中間解析の時点で、
全生存期間(Overall Survival: OS)の中央値はエンホルツマブ ベドチン投与群で 12.9 カ月、化学療法群で
9.0 カ月であり(ハザード比:0.70、95%信頼区間: 0.56, 0.89、p=0.001)、エンホルツマブ ベドチン投与群は
化学療法群に比べ、中央値で 3.9 カ月長い生存期間を示しました。なお、患者の 5%以上で認められた頻度の
高いグレード 3 以上の治療と関連のある有害事象は、斑状丘疹状発疹、疲労および好中球数減少症でした。な
お、本試験結果は New England Journal of Medicine に掲載されています。
エンホルツマブ ベドチンについて
エンホルツマブ ベドチンは、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質で
あるネクチン-4 を標的とするファーストインクラスの ADC です3,4。非臨床試験データから、エンホルツマブ ベ
ドチンの抗腫瘍活性は、がん細胞上でエンホルツマブ ベドチンがネクチン-4 に結合して標的細胞内に取り込
まれると細胞障害性物質であるモノメチルアウリスタチン E(MMAE)が放出され、細胞増殖抑制(細胞周期停
止)および細胞死(アポトーシス)が生じることによることが示唆されています 4。
2
Seagen 社との提携について
Seagen 社とアステラス製薬は、全世界でエンホルツマブ ベドチンを共同開発しています。米国では、Seagen
社とアステラス製薬が PADCEV®というブランド名でエンホルツマブ ベドチンを共同販促しています。Seagen
社は、米国以外の南北アメリカにおいて、製品化にかかわる活動および規制当局への薬事申請に責任を負っ
ています。アステラス製薬は、南北アメリカ以外において、製品化にかかわる活動および規制当局への薬事申
請に責任を負っています。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界 70 カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダ
リティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品
の創出に取り組んでいます(Focus Area アプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベース
に、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦してい
ます。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。ア
ステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。
注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実
ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可
能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さ
まざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、
(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の
遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬
を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情
報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
1 Cancer Information Service, Projected cancer statistics. Published 2021.
https://ganjoho.jp/en/public/statistics/short_pred.html. Accessed June 30, 2021
2 American Society of Clinical Oncology. Bladder cancer: introduction (9-2020).
https://www.cancer.net/cancer-types/bladdercancer/introduction. Accessed June 30, 2021.
3 PADCEV [package insert]. Northbrook, Ill.: Astellas Pharma US, Inc.
4 Challita-Eid P, Satpayev D, Yang P, et al. Enfortumab Vedotin Antibody-Drug Conjugate Targeting
Nectin-4 Is a Highly Potent Therapeutic Agent in Multiple Preclinical Cancer Models. Cancer Res
2016;76(10):3003-13.
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