4503 アステラス薬 2021-04-20 08:30:00
抗体-薬物複合体PADCEV FDAが2つの生物学的製剤一部変更承認申請を受理 [pdf]
2021 年 4 月 20 日
各位
会 社 名 ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
代 表 者 代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
(コード:4503、東証第一部)
(URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
決 算 期 3月
問 い 合 わ せ 先 コーポレート・アドボカシー&リレーション部長
藤井 郁乃
(Tel:03-3244-3201)
抗体-薬物複合体 PADCEV ®(エンホルツマブ ベドチン)
FDA が 2 つの生物学的製剤一部変更承認申請を受理
- 局所進行性または転移性尿路上皮がんの治療薬として優先審査指定 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、
「Seagen 社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:
ADC)である PADCEV®(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))について、米
国食品医薬品局(FDA)が Real-Time Oncology Review pilot program として、2 つの生
物学的製剤一部変更承認申請(supplemental Biologic License Application: sBLA)を受
理した旨の通知を受領しました。また、両申請は優先審査の指定を受け、FDA による審査
終了目標日(PDUFA date)は 2021 年 8 月 17 日と定められました。
両申請の審査は、FDA Oncology Center of Excellence が主導する Project Orbis の下
で実施されます。Project Orbis とは、複数の加盟国において、抗がん剤の承認申請および
審査を同時に行うことを可能とする枠組みです。
第 III 相試験(EV-301 試験)に基づく1つ目の sBLA は、PADCEV®の迅速承認を正規
承認へ変更することを目的としています。第 II 相試験(EV-201 試験)コホート 2 に基づく 2
つ目の sBLA は、PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴があり、シスプラチン不適応の
局所進行性または転移性尿路上皮がん患者への適応追加を目的としています。EV-301
試験と EV-201 試験コホート 2 の結果は、2021 年米国臨床腫瘍学会 泌尿生殖器がんシ
ンポジウムで発表され、EV-301 試験の結果は The New England Journal of Medicine で
も発表されています。
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オーストラリアおよびカナダの規制当局も、Project Orbis の下で、エンホルツマブ ベド
チンの初回承認申請として EV-301 試験および EV-201 試験の結果を審査することとなり
ます。
エンホルツマブ ベドチンは、米国において 2019 年 12 月に迅速承認を取得し、
PADCEV®の製品名で販売されています。日本と欧州においては、2021 年 3 月に承認申
請しました。
アステラス製薬は、患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカル
ニーズの高い局所進行性または転移性尿路上皮がんの治療に一層の貢献をしていきます。
本件については、米国において現地時間 4 月 19 日に対外発表しています。
以上
Real-Time Oncology Review pilot program について
FDA の制度であり、安全で有効な治療法をできる限り早く患者さんが受けられるように、審査プロセスの迅速化
を図ることを目的としています。
EV-301 試験について
EV-301 試験(NCT03474107)は国際共同、多施設、非盲検、無作為化第 III 相試験です。本試験は、白金製
剤を含む化学療法および PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮
がん患者約 600 名を対象に、PADCEV®投与群を、医師の選択する化学療法(ドセタキセル、パクリタキセルあ
るいはビンフルニン)群と比較しています*1。主要評価項目は全生存期間です。副次的評価項目には、無増悪
生存期間、客観的奏効率、奏効期間、病勢コントロール率のほか、安全性/忍容性、QOL(Quality-of-Life)パ
ラメータの評価が含まれます。
EV-201 試験について
EV-201 試験(NCT03219333)はエンホルツマブ ベドチンの第 II 相単群試験です。PD-1 または PD-L1 阻害
剤による治療歴がある局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象としており、白金製剤を含む化学療
法による治療歴もある患者群(コホート 1)および白金製剤を含む化学療法未治療かつシスプラチン不適応の患
者群(コホート 2)の 2 つの患者群を含みます。本試験は国際共同多施設試験であり、コホート 1 には 128 名の
患者を、また、コホート 2 には 91 名の患者を組み入れました*2。主要評価項目は、盲検下独立中央評価により
確認された客観的奏効率です。副次評価項目には、奏効期間、病勢コントロール率、無増悪生存期間、全生存
期間、安全性および忍容性などが含まれます。
尿路上皮がんについて
尿路上皮がんは膀胱に最も多く(90%)発生するがんであり、腎盂、尿管および尿道にもみられます*3。世界で
は毎年、約 573,000 人が膀胱がんと新規診断され、212,000 人以上が死亡しています*4。
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Seagen 社とのライセンス契約について
Seagen 社とアステラス製薬は、エンホルツマブ ベドチンの共同開発に関するライセンス契約を 2007 年に締
結し、2009 年にライセンス範囲を拡大する修正契約を締結しました。この契約に基づき、全世界でのエンホル
ツマブ ベドチンに関わる費用および利益を両社で折半します。
*1: Powles T, Rosenberg JE, Sonpavde GP, et al. Enfortumab Vedotin in Previously Treated Advanced
Urothelial Carcinoma. N Engl J Med. 2021; 10.1056/NEJMoa2035807.
*2: Balar AV, McGregor BA, Roseberg JE, et al. EV-201 Cohort 2: Enfortumab vedotin in cisplatin-
ineligible patients with locally advanced or metastatic urothelial cancer who received prior PD-1/PD-L1
inhibitors [abstract]. In 2021 Genitourinary Cancer Symposium; 2021 Feb 11-13; Alexandria, VA. ASCO
GU; 2021. Abstract 394.
*3: American Society of Clinical Oncology. Bladder cancer: introduction (5-2019).
https://www.cancer.net/cancer-types/bladder-cancer/introduction. Accessed January 27, 2021.
*4: World Health Organization, International Agency for Research on Cancer. Globocan 2020 world fact
sheet. https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf. Accessed April 13,
2021.
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界 70 カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダ
リティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品
の創出に取り組んでいます(Focus Area アプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベース
に、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦してい
ます。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。ア
ステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。
注意事項
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ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可
能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さ
まざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、
(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の
遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬
を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情
報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
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