4503 アステラス薬 2021-03-26 15:00:00
抗体-薬物複合体 エンホルツマブ ベドチン 欧州医薬品庁が承認申請を受理 [pdf]
2021 年 3 月 26 日
各位
会 社 名 ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
代 表 者 代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
(コード:4503、東証第一部)
(URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
決 算 期 3月
問 い 合 わ せ 先 コーポレート・アドボカシー&リレーション部長
藤井 郁乃
(Tel:03-3244-3201)
抗体-薬物複合体 エンホルツマブ ベドチン
欧州医薬品庁が承認申請を受理
- 局所進行性または転移性尿路上皮がん患者の治療として、迅速審査に指定 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、
「Seagen 社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:
ADC)エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え)(以下、「エンホルツマブ ベドチン」)につ
いて、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)から販売承認申請を受理した
旨の通知を受領しました。このたびの承認申請は迅速審査の指定を受けており、当局によ
る審査期間が短縮されます。
今回の承認申請はグローバルで実施された第 III 相試験(EV-301 試験)の結果に基づく
もので、白金製剤を含む化学療法および PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴のある
局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象としています。承認された場合、エンホ
ルツマブ ベドチンは、この対象患者層に対する欧州初の ADC として、新たな治療手段と
なることが期待されます。
エンホルツマブ ベドチンは、米国において 2019 年 12 月に迅速承認を取得しており、
PADCEV®の製品名で販売されています。また、2021 年 3 月には、日本において承認申請
しました。
アステラス製薬は、患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカル
ニーズの高い局所進行性または転移性尿路上皮がんの治療に一層の貢献をしていきます。
以上
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尿路上皮がんについて
尿路上皮がんは、膀胱で最も多く発生するがんです(90%)。腎盂、尿管および尿道にもみられます*1。世界で
は 2018 年に約 549,000 人が膀胱がんと診断され、約 200,000 人が死亡しています*2。欧州では年間
118,000 人の患者が膀胱がんと診断され、52,000 人が膀胱がんで死亡すると推定されています*3。
局所進行性または転移性尿路上皮がんは、生存率が低く、高額な医療費がかかる疾患です *4。転移性疾患の
5 年相対生存率は約 7%と推定されています*5。
EV-301 試験について
EV-301 試験(NCT03474107)は国際共同、多施設、非盲検、無作為化第 III 相試験です。本試験は、白金製
剤を含む化学療法および PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮
がん患者約 600 名を対象に、エンホルツマブ ベドチン投与群を、医師の選択する化学療法(ドセタキセル、パ
クリタキセルあるいはビンフルニン)群と比較しています。主要評価項目は全生存期間です。副次的評価項目に
は、無増悪生存期間、奏効期間、全奏効率のほか、安全性/忍容性、QOL(Quality-of-Life)パラメータの評価
が含まれます*6。本試験の結果は、The New England Journal of Medicine に掲載されました。
エンホルツマブ ベドチンについて
エンホルツマブ ベドチンは、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質で
あるネクチン-4 を標的とするファーストインクラスの ADC です*7,8。非臨床試験データから、エンホルツマブ ベ
ドチンの抗腫瘍活性は、がん細胞上でエンホルツマブ ベドチンがネクチン-4 に結合して標的細胞内に取り込
まれると細胞障害性物質であるモノメチルアウリスタチン E(MMAE)が放出され、細胞増殖抑制(細胞周期停
止)および細胞死(アポトーシス)が生じることによることが示唆されています *8。
*1: American Society of Clinical Oncology. Bladder cancer: introduction. Published October 2017.
https://www.cancer.net/cancer-types/bladder-cancer/introduction. Accessed January 27, 2021.
*2: Cancer today: data visualization tools for exploring the global cancer burden in 2020.
https://gco.iarc.fr/today/home. Accessed January 27, 2021.
*3: Wong MC, Fung FD, Leung C, et al. Scientific Reports. 2018;8(1):1129.
*4: Shah MV, McGovern A, Hepp Z. Targeted Literature Review of the Burden of Illness in UC
(PCN108). Value Health. 2018;21(3):S32-S33.
*5: von der Maase H, Sengelov L, Roberts J, Ricci S, et al. Long term survival results of a randomized
trial comparing gemcitabine plus cisplatin, with methotrexate, vinblastine, doxorubicin, plus cisplatin in
patients with bladder cancer. J Clin Oncol. 2005;23(21):4602 8.
*6: Powles T, Rosenberg JE, Sonpavde GP, et al. Enfortumab Vedotin in Previously Treated Advanced
Urothelial Carcinoma. N Engl J Med. 2021; 10.1056/NEJMoa2035807.
*7: PADCEV [package insert]. Northbrook, IL: Astellas Pharma Inc.
*8: Challita-Eid P, Satpayev D, Yang P, et al. Enfortumab Vedotin Antibody-Drug Conjugate Targeting
Nectin-4 Is a Highly Potent Therapeutic Agent in Multiple Preclinical Cancer Models. Cancer Res
2016;76(10):3003-13.
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界 70 カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダ
リティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品
の創出に取り組んでいます(Focus Area アプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベース
に、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦してい
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ます。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。ア
ステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。
注意事項
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ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可
能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さ
まざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、
(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の
遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬
を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情
報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
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