4503 アステラス薬 2021-03-25 12:00:00
メディアセミナー「Astellas Rx+ Day」資料 [pdf]

Astellas Rx+® DAY
~治療薬ビジネスのその先~
                                               2
注意事項


この資料に記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実
ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現
在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素
を含んでいます。様々な要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があ
ります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為
替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成
果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三
者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、この資料に
含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的とし
ているものではありません。
                                             3
本日の内容

1   はじめに
    岡村 直樹 (代表取締役副社長 経営戦略・財務担当役員)


2   Rx+®プログラムへの挑戦の成果と今後の展望
    渡辺 勇太 (Rx+事業創成部 部長)


3   各プログラムのトピックス
    スフィア:手術・診断精度向上による患者アウトカム最大化
    ・薬で手術はできないが、薬で手術をサポートはすることはできる   諏訪 旭
    スフィア:慢性疾患の重症化予防
    ・楽しみながら、健康になれる社会へ                金山 基浩
    ・デジタルが行動を変える、医療を変える              神田 直幸
    ・心房細動の早期発見からはじめる健康寿命延伸への貢献       荻野 淳
    スフィア:横断
    ・Beyond the pill~極小医療機器が薬を超える~   阿部 邦威


4   まとめ
    岡村 直樹 (代表取締役副社長 経営戦略・財務担当役員)
PART 1

はじめに




         代表取締役副社長 経営戦略・財務担当役員
                      岡村 直樹
                                   5
アステラスのVISION




     Vision
                  持続的な成長のために

    変化する医療の最先端に
                  最先端のサイエンスを追求し、
     立ち、科学の進歩を    患者さんに価値をもたらす医療
     患者さんの価値      ソリューションの創出を目指す
       に変える
                   6
アステラスにおける「価値」の定義
                                         7
アステラスにおける「価値」の定義




                       アウトカムを
                       2倍にすると

               アウトカム             価値は2倍


                コスト
                                 価値は3倍
                       コストを1/3
                        にすると
                                  8
技術革新と産業構造の急激な変化



     2005年        2013年




                          Photo:AP/アフロ
                                      9
アステラスがRX+®に挑戦する理由
         【VISIONと「価値」の共通定義】




        【技術革新と産業構造の急激な変化】
         2005年        2013年
                      2013年




                              Photo:AP/アフロ
                           10




         PART 2

Rx+®プログラムへの挑戦の成果と今後の展望



                  Rx+事業創成部 部長
                     渡辺 勇太
                                                                                                    11
Rx+®:医療用医薬品の枠を超えたヘルスケアソリューション

⚫ Rx事業で培った強みをベースに、異分野の技術・知見を融合した製品・サービス
⚫ 自社Rx製品に付随するものではなく、単独で収益を産む事業性を持つ


                            Patient Journey全体に新たな        バイオエレクトロニクス     極小埋め込み型医療機器
                  診断/治療支援




                            価値を提供し治療成績向上に貢献
                            する医療ソリューション
                                                         デジタルヘルス・デジタルセラピューティクス
Patient Journey




                                                                                 ゲーミフィケーションと3D
                                                             疾患マネジメント
                                                                                 加速度センサー技術を
                                                             デジタルプラット
                                                                                 連携した運動支援ス
                                                             フォーム
                                                                                 マートフォンアプリ
                  予防/治療




                                           + 治療ソリューション
                                                         自社技術と新たな医療技術融合
                                        従来の治療手段に置き換                            Antibody
                                        わる、もしくは新たな価値を                          Chemicals
                                        付加する治療ソリューション                                      Cancer


                            医療用医薬品              新技術
                                                         自社技術 (抗体など) と新たな医療技術 (光学、放射線、ナノマテリアル
                                ヘルスケア テクノロジー             など) の融合により創出
                                                         12
Rx+ Story®策定のアプローチ

Rx+®における対象ビジネス範囲の幅広さや市場の不確実性などに鑑みて、
独自のアプローチを取り入れた



        1      Start from our ASPIRATIONS
               :「Rx+®によって実現したい社会」の設定




      2      FUTURE-DRIVEN and OUT-OF-THE-BOX thinking
             :従来の医薬品ビジネスの考えからの脱却




      3       AGILE and ITERATIVE
              :仮説思考ベース
                                                    13
Rx+ Story®:Rx+®事業創出の戦略的方向性



Rx+®によって   科学的根拠に基づくヘルスケアソリューションによって、
実現したい社会    心身ともに健康に、自分らしく生きることができる社会


提供価値
         パーソナルデータを    既存の医療手段が     身体機能を支えて
          活用して発症や     利用できない人の     活動的な暮らしを
                                                 随時更新
         重症化を予防する      選択肢を広げる      可能にする

スフィア
                                        手術・診断
           身体・運動     デジタル×
 慢性疾患の                       薬が届きにくい
                                       精度向上による   感覚機能の
            機能の       ニューロ             患者アウトカム
 重症化予防                        患者さん               補完・代替
           補完・代替     サイエンス               最大化
                                                         14
現行のスフィア

慢性疾患の重症化予防          身体・運動機能の補完・          デジタル×
                    代替                   ニューロサイエンス




個々人の体質や生活習慣に応じた     身体・運動機能に関連する生活上の     中枢神経関連疾患に起因する生活上の
重症化予防               困りごとからの患者・介護者の解放     困りごとからの患者・介護者の解放


薬が届きにくい患者さん         手術・診断精度向上によ          感覚機能の補完・代替
                    る患者アウトカム最大化




産前産後の女性や小児、更年期の女性   手術や診断の精度向上による医療手段    感覚機能に関連する生活上の困りごと
における健康上の問題の身体を侵襲し   の最適化および治療アウトカムの最大化   からの患者・介護者の解放
ない手段による解決
                                                                                                          15
異分野の技術、ノウハウへのアプローチ

Co-Creation: 最先端の課題・知見・技術・Capabilityへアクセスと協働


          Venture Capitals                                                      External Network/BD活動

                                                                            •   コンソーシアム      大学Workshop
                                                                            •   業界活動
                                                                            •   異分野交流
                                                                            •   実証実験




          Open Innovation                           Accelerator program             Internal Capability

                                                                                   • 異分野人材登用
                                                                                   • 社内アイデアチャレンジ
                                                                                   • 越境体験
                                                                                   • 社会課題Workshop
                                                                                   • Leadership Training
Astellas Rx+® Healthcare Innovation Challenge   Tech ARINA: 東京工業大学との理工学技術          etc…….
新規事業のアイデアを世界中のスタートアップ                           を用いたヘルスケア研究テーマとしたアイデア
企業および学生から募集し、事業化を目指す                            コンテストと共同研究
                                                                    16
MAJOR EVENTS (FY18 ~ FY20)


       1    ⚫ バンダイナムコエンターテインメント 「Project ABCパックマン スクワットチャレンジ」の無料提供を開始
            ⚫ Actinium Pharmaceuticals: 分子標的型放射線治療に関する共同研究を開始
       10 ⚫ 米国 iota社買収
            ⚫ 精密手術をガイドする蛍光造影剤 ASP5354 米国FDAからファストトラック指定を取得
FY20
       8    ⚫ 科学的根拠に基づいたフィットネスサービス Fit-eNce開始
       6    ⚫ 横浜市、横浜市立大学 産官学連携により、科学的根拠のある運動プログラムを開発
       4    ⚫ バンダイナムコエンターテインメント :運動支援アプリの共同開発、試験販売等に関する契約締結


       12   ⚫ Rx+Story® 発表
       11   ⚫ Welldoc社:デジタルセラピューティクスに関する戦略的提携
FY19   8    ⚫ iota社: 共同研究開発契約を締結
            ⚫ 横浜市立大学、東京藝術大学、アステラス製薬 ゲーミフィケーションを用いた新たなデジタルヘルスケア
             ソリューション創出へ向けHealth Mock Lab. 発足


       10   ⚫ バンダイナムコエンターテインメント: 運動支援アプリの共同開発契約を締結
FY18
       4    ⚫ Rx+事業創成部 新設
                                                                           17
 本日の発表者




  Rx+事業創成部      Rx+事業創成部        Rx+事業創成部         Rx+事業創成部      Rx+事業創成部
ビジネスプロデューサー   ビジネスプロデューサー   プリンシパル プロジェクトリード   ビジネスプロデューサー   ビジネスプロデューサー
                                デジタルヘルス
  諏訪 旭         金山 基浩            神田 直幸            荻野 淳         阿部 邦威
スフィア:
手術・診断精度向上による
患者アウトカム最大化




               PART 3


         薬で手術はできないが、
      薬で手術のサポートをすることはできる


                        Rx+事業創成部 ビジネスプロデューサー
                                      諏訪 旭
Image-guided                  Key point                                                       19
precision surgery /           ➢光イメージング技術で手術患者をサポート
光イメージガイド精密手術                  ➢医療機器技術と製薬技術による精密手術手技の実現


もっと精密で、
もっと安全な                                                        Smart Surgery
                                                                      merged with
手術法を確立する。                                                        advanced technologies

                                                      先端科学    ➢AI Artificial Intelligence
                                    未来               技術に基づく   ➢VR/AR
                                                                Virtual Reality/Augmented Reality
                                  光イメージング
                                                      精密手術
                                                              ➢3D Hologram
                           現在             ドラッグデバイス
                                          コンビネーション            ➢PM Projection Mapping
                         ロボット手術
                                                              ➢HMD Head Mounted Displays
                                    ロボット技術
                       過去
                      内視鏡手術
                                 医療機器

                                                      光イメージガイド手術は、
                                                      医療機器技術と製薬技術の
                      外科医の経験・スキル                      融合によって達成される
                        に基づく手術
                                            20
現在の外科治療の課題

リスク因子
         外科医の
         スキル・
          経験
 疾患・患者
                  手術アウトカム低下
 背景因子

                   再手術
                  追加手術
           手術関連                患者アウトカム低下
            合併症
                   長時間                医療費
                   手術                 高騰

                              患者QOL
                               低下
⚫ 手術技術の改善により
  手術・患者アウトカムを改善する
                                                                                                      21
 現在の外科治療の課題 - 着目点


    医 原 性 尿 管 損 傷 ( iatrogenic ureteric injury: I U I )
   ●     腹部および骨盤内手術の際、誤って尿管を傷
         つけてしまうことにより発生

   ●     IUIは死亡率が高く、入院期間の延長や医療費
         の増加とも関連した、ニーズの高い外傷*1


   ●     IUIの発生を防ぐには術中に尿管を可視化することが有用*2
         非侵襲的な尿管可視化を可能にする当局に承認された方法は存在しない




*1. Halabi WJ et al., Dis Colon Rectum. 2014;57:179-86. *2. The International Urological Guidelines
                                              22
 医原性尿管損傷 - 現行法の課題


    現在の尿管同定法
    基本的には医師の経験により尿管を同定するが、術前
    に尿管ステントを挿入する方法がある。ステントにより、
    触覚的(一部視覚的)に尿管の位置を把握する。


    尿管ステント法の課題
    ⚫ 低い有効性:効果的に尿管を同定できない場合がある
    ⚫ 専門医のサポート:尿管ステント挿入は難しく泌尿器科医のサポートが必要
    ⚫ 手術時間延長:追加で尿管ステント挿入手技が必要
    ⚫ 副作用リスク:血尿、尿管損傷、腎機能障害など
    ⚫ 医療費:ステント費用と間接費も含めておよそ$1,500 (米国)*1



*1. Chahin F et al,. JSLS. 2001;6(1):49-52.
                                     23
光イメージガイド精密手術

 精密手術ガイド使用イメージ
                                蛍光造影剤
                                ASP5354
                                (静脈内投与)




 臨床試験でのASP5354を用いた
 術中尿管イメージング          検出デバイス
                     近赤外蛍光カメラ


光イメージング技術により、同定が困難な臓器や組織を簡便、安全かつ正確に
可視化することができ、術後も含めた手術全体のアウトカムを改善する
                                                                                                                                       24
 パートナーとのコラボレーションによる価値の提供
 ASP5354を用いた尿管イメージング

                                                                                                        ASP5354による
 ASP5354の特徴                                                                                             尿管イメージング結果
●    近赤外光により蛍光を発するインドシアニングリーン誘導体、
     水溶性が高く製剤中にヨードを含まない

●    三重大学・名古屋大学が発見し、アステラス製薬が全世界に
     おける独占的な開発・販売権を取得

●    検出デバイスとのコンビネーションにより(医療機器メーカーと
     の開発)、手術中に尿管を同定でき、これによりIUIのリスク低                                                                          非臨床試験(ブタ)
     減が期待される
●    非臨床試験及び臨床試験初期データにおいて現在までに良
     好な忍容性が報告されており、ASP5354由来の副作用は報
     告されていない
     非臨床試験で、ASP5354が腹腔鏡手術と開腹手術いずれの
     条件でも近赤外光により十分に尿管を可視化できることが示
     されており、初期臨床試験でも同様の結果が得られている                                                                              臨床試験(患者)



The safety and efficacy of this investigational agent has not been established. ASP5354 is not approved for use in any jurisdiction.
                                                                                                                                       25
 ASP5354の現況と今後の展望


 ASP5354を用いた尿管イメージング法により、簡便で追加手技や追加手術
 時間を必要とせず、効果的に尿管を可視化できるかを臨床試験にて検討中

⚫ 第Ⅱ相試験(米国)において、最初の
  コホートの投与が完了(2020年10月)

⚫ 米国FDAからファストトラック指定を取
  得(2020年10月)

⚫ 2023年度中の承認取得を目指す

⚫ 米国に加えてグローバル事業展開を
  検討中(日本、中国、欧州)




The safety and efficacy of this investigational agent has not been established. ASP5354 is not approved for use in any jurisdiction.
                                                                                                                                        26
  将来展望

光イメージガイドによりアウトカムの向上が期待できる複数のニーズが存在する

                                                  ASP5354                                 対象手術
                                                                                          ~年間200万件
                                           アステラス                 尿管
                                                                                          ⚫    消化器外科手術
                                                                                          ⚫    子宮全摘手術 等




                                                                                                                                ICG*1
                                                                                                                                        既存薬
              神経                                                                                         血管・リンパ管

                                                                                                                対象手術
    対象手術
                                                                                                                ~年間100万件
    ~年間100万件
                                                                                                                ⚫    乳癌手術
     ⚫    前立腺癌手術                                                                                                ⚫    皮膚癌手術 等
     ⚫    消化器外科手術 等
                                                                   癌             対象手術
                                                                                 ~年間100万件
                                                     5-ALA*2
                                                                                 ⚫    乳癌手術
                                                既存薬                              ⚫    消化器癌手術 等

*1:indocyanine green, *2: 5-aminolevulinic acid
 The safety and efficacy of this investigational agent has not been established. ASP5354 is not approved for use in any jurisdiction.
スフィア:
慢性疾患の重症化予防




             PART 4

      楽しみながら、健康になれる社会へ




                      Rx+事業創成部 ビジネスプロデューサー
                                   金山 基浩
Connecting Medical to Exercise /     Key point   ➢「アステラス×エンターテインメント×医療」                28
医療と健康行動をつなぐ。                                     ➢「アステラス×フィットネス×医療」
                                                 による価値創出と提供                             医療

                                            運動やトレーニングに関するソリューション創成
 楽しみながら、
 健康になれる社会へ。
                                                           アステラス
                                    エンターテインメント                             フィットネスクラブ
                                                        ➢ 疾患、医療、
                                                          患者ニーズの理解
                                   ➢ 楽しみに関する                              ➢ 運動に関する知見・
                                     ニーズ理解              ➢ 科学的根拠を            指導ノウハウ
                                   ➢ 実践を促す                構築する強み
                                                                          ➢ 運動設備の保有
                                     ゲーミフィケーション         ➢ 医療従事者との
                                                          広いネットワーク



                                                           医療
                                                       ➢ 治療方針の確立
                                                       ➢ 医療の提供

                                                            医療



                                                 科学的根拠に立脚した健康行動の実践

                                      心身ともに健康に、自分らしく生きることができる社会
                                             29
課題:マクロな視点

“メタボ” “ロコモ” “認知症”の予防や重症化予防は、健康寿命延伸のための重要課題


          介護が必要※となった主な原因            健康寿命延命伸の課題




※65歳以上の要介護者等において介護が必要となった主な原因。
 要介護者等とは、要支援又は要介護と認定された者のうち、在宅の者。
                                                                      30
課題:運動への着目

運動による健康づくりを支援する仕組みは、より一層の充実が期待される。

<予防的な観点>
 •    家事や仕事の自動化、交通手段の発達により身体活動量が低下してきたことは明
      らかであり、食生活の変化とともに、近年の生活習慣病増加の一因となっている。
 •    身体活動や運動の健康に対する効果についての知識は国民の間に普及しつつあ
      るものの、運動を実際に行っている者の割合は少ない。
                                                     出典:厚生労働省ホームページ

<糖尿病診療の観点>

           診察時の指導頻度                      食事療法指導(%)    運動療法指導(%)
          ほぼ毎回受けている                         11.4          11.1
 しばしば受けている (2 ~ 5 回に1 回程度)                  16.8          14.5
     受けることがある (6 ~ 10 回に1 回程度)              25.1          19.0
     ほとんど受けていない (1年に1 回程度)                  36.7          25.4
           受けたことがない                         9.9           30.0

糖尿病診療における食事療法・運動療法の現状 -糖尿病患者の全国調査集計成績-
〔糖尿病58(4):265~278,2015〕を参照して作成
                                                                   31
課題:各プレーヤーの視点

“科学的根拠に立脚した運動による健康づくり”が実践される社会となるためには、
いくつかの満たされていないニーズがある。


  プレイヤー                 共通的な課題                          個々の課題
                        医学的根拠
運動サービス
提供者
                   医学的な根拠を構築する                            -
                    ことは簡単ではない

                           機会                            時間
医師                  運動サービスの情報を                        運動指導を実施する
                    得る機会が僅少である                        時間の確保が難しい

患者さん、                                                   感情/実行
健康で                          -                         心理面での課題や
ありたい人                                                 実行面での課題がある



Source: 運動サービス提供者へのインタビュー、医師へのインタビュー、Web調査の結果から弊社作成
                                             32
 課題:エンドユーザ-の視点

運動して健康に                                 適切な運動を
 なりたい人                                  継続する人
                         心理的な壁   実行の壁




                          障壁      障壁
                     モチベーション     身体機能

                     変革への抵抗感     知識不足

                         煩わしさ    準備不足

                          諦め     周辺環境




Source: Web調査の結果から弊社作成
                                             33
課題解決の方向性




運動して健康に    描いたサービス像                     適切な運動を
 なりたい人    科学的根拠を有しており、                  継続する人
                             科学的根拠に
                            基づくサービスを
           医師の承認を得て、
           定期的にフィットネスクラブで
           運動する運動支援サービス      適切な提供
                             チャネルで
           ゲーミフィケーションと
           IoT技術を活用した
           適切な運動を楽しく        新たなヘルスケアの
           継続できる運動支援アプリ      手段として提供
フィットネスクラブとの取り組み                                                                                34

サービス概要
                                 ⚫ 医学系研究で用いた運動設計ロジックで、個々人の体力に
                                   合った運動を提供。
                                 ⚫ かかりつけの医師に運動記録を共有することができる。
       Fit-eNce(フィットエンス)とは
                                 ⚫ アプリでサービス開始手続き、運動の記録などができ、開始
      フィットネス×サイエンス                 と継続を支援。


                            アステラスが提供する
                                                             第13週におけるHbA1cの変化量
                            科学的エビデンスに基づいた運動メニューと                      (医学系研究結果)
                                                               (%)
                            運動実行を支援するシステム
                                                               0.2
                                                            ベ        最小二乗平均値
                                                            ー
                                                            ス                           0.13
                                                            ラ
                                                            イ 0.0
                                                            ン
      入館/運動記録を参考に             利用者             医学系研究で用いた     か
        運動療法指導                                ロジックで運動設計     ら
                             入館/運動記録                        の −0.2
        外来                                         パーソナル    変          −0.31
                                                   トレーニング   化
                                                            量
                    入館/運動                                     −0.4
                                       入館記録                              -0.44 (p<0.001*)
                     記録
                                                                               運動実施群(n=97)
             医師                               パーソナルトレーナー                       運動不実施群(n=108)
                             データベース




*:   解析対象症例:最大解析対象集団
     反復測定混合効果モデル(説明変数は試験群、評価時点、第0週の値、評価時点と試験群の交互作用、評価時点と第0週の値の交互作用)
                                               35
Fit-eNce(フィットエンス)
今後の展望
小さい試行を繰り返しながら、最適なサービスの形を探索していく。
科学的根拠に基づいた運動を共通価値として、サービス開発に取り組む。

         健
         康
        企保
        業険    ビジネススキームの
        向組    観点からの展開性
    ビ   け合
    ジ    /
    ネ
    ス
    の
    形   個
        人      Fit-eNce              利便性向上の
        向      (オリジナル)              観点からの展開性
        け



              限られた運動施設          より多くの運動施設/自宅

                          運動を行う場所
                                                              36
バンダイナムコエンターテインメントとの取り組み事例①
ゲームノウハウを活用した運動支援アプリ
“楽しみながら適切な運動を継続することで、メタボを予防あるいは肥満を改善できる”とい
う価値提供を目指す。

                     ⚫   科学的根拠がある運動を指南
                 ①
                     ⚫   運動と融合した形でゲームを提供




                                                  ② ゲームと運動の
                                                    実行
                                      装着
                 ③ 動きと心拍を
                                                  ⑤ 楽しく運動を継続
                   認識

                             ウェアラブル
     スマホ/タブレット                デバイス         ユーザー



             ④ ゲームと運動実行に対するフィードバック
バンダイナムコエンターテインメントとの取り組み事例②                                               37

Project ABC パックマン スクワットチャレンジ
運動による健康づくりのきっかけを提供し、皆で昨今の情勢を乗り越える一体感や
明るさを生み出すことを目指して、 Project ABCを発足。




 ⚫    2021年1月26日-2月23日の期間、
      WEBアプリを提供しました
 ⚫    149,429回のスクワットを、皆で実施
      しました!
                             PAC-MAN™&©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.


https://abc.asobistore.jp/
Project ABC パックマン スクワットチャレンジ                                                       38

本日公開中!(12時~22時)

        パックマン スクワットチャレンジ、本日限定でお楽しみ頂けます。

          ●   Project ABC パックマン スクワットチャレンジ 特設ホームページ
              https://abc.asobistore.jp/
          ●   推奨環境
              【推奨OS】 iOS:iOS 10以上、Android:Android 6.0以上
              【推奨ブラウザ】 iOS:Safari 最新版、Android:Chrome 最新版


過去のお題
アオハルなスクワットシチュエーションは?                 あなたにとって、義理チョコや友チョコは・・・
                                                                現在の『お題』は、
                                                                WEBアプリ内で
                                                                ご確認頂けます。


                                                              https://abc.asobistore.jp/
                                       嬉しい!          いらない!

  ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
                                                  39
ありたい姿

                  運動やトレーニングに関するソリューション創成
楽しみながら、
健康になれる社会へ。                   アステラス
                           ➢疾患、医療、
             エンターテインメント     患者ニーズの理解
                                        フィットネス
             ➢楽しさに関する      ➢科学的根拠を
                            構築する強み     ➢運動に関する知見・
              ニーズ理解
                                        指導ノウハウ
             ➢実践を促す        ➢医療従事者との
                            広いネットワーク   ➢運動設備の保有
              ゲーミフィケーション


                              医療
                           ➢治療方針の確立
                           ➢医療の提供
                               医療


                    科学的根拠に立脚した健康行動の実践

                心身ともに健康に、自分らしく生きることができる社会
スフィア:
慢性疾患の重症化予防




             PART 5


    デジタルが行動を変える、医療を変える



                                 Rx+事業創成部
                プリンシパル プロジェクトリード デジタルヘルス
                                 神田 直幸
Clinically Relevant Holistic Solutions   Key point
Mobile Healthcare Application /          ➢医学的・臨床的に有用な情報をデジタルを活用し収集・分析
モバイルヘルスケアソリューション                         ➢患者・医療従事者の個々に合わせて最適化して提供


 患者と医療をデジタルで
 つなげ、新たな治療を
                                     Welldoc            新しい機能とアルゴリズムの追加                                       デジタルモバイルで情報にアクセス
 提供する。
                                                                          Medications
                                                                        (Adherence, Insights)
                                                     Symptoms
                                                     (Surveys, Notes)                              Labs
                                                                                                  (BG, BP,
                                                                                                  Weight)
                                                                                                                Chronic
                                                                                                                                   Chronic
                                                                                                                disease
                                                                                                                                   disease
                                                                                                                 Mobile
                                                                                                                                    Mobile
                                                                                                                  Non-
                                                                                                                                 Prescription
                                                                                                              Prescription
                                                                                                                                   Therapy
                                                      Psycho-                                                   Therapy
                                                      social                                     Activity
                                                      (Distress,                                  (Sleep/
                                 ➢BlueStar           Disability,                                 Exercise)    Log In   Sign Up   Log In   Sign Up
                                  薬事承認 (Class 2)     Economic
                                                                              Diet
                                 ➢HIPAA 準拠           Conditions)
                                                                        (Carbs, Calories,
                                 ➢SOC2 認定                                Sodium, Water)
                                 ➢ISO 13485
                                 ➢サイバーセキュリティ                                                                 ➢薬事承認
                                                                                                              (もしくは各当局での適切な承認等)
                                                                                                             ➢臨床的・医療経済的な価値の提供
                                                         新しい DTx としてのソフトウェアと                                 ➢治療参画への意識向上
                                                         ハードウェアのコンビネーション
                                                                                                             ➢個々の製品に合わせたビジネスモデル
                                                                           DTx : Digital Therapeutics
                                          42
現状の医療の課題


 医療における課題                    ありたい社会

                             デジタルを活用した
   医療費の高騰
                     簡単に     医療費の抑制できる
                     つながれる
             デジタル
                              地域・時間問わず
   医療格差の進展                    標準化した医療が
                              受けられる
              データに   医学的
             基づく提案   エビデンス

                              データによる個別化
   治療の継続や
   強化が困難                      された治療・目標が
                              提供される
                                                               43
Welldocとのコラボレーション




プラットフォーム         品質                薬事    エビデンス           販売

              • 品質・安全性情    • 医薬品
• 革新的な技術                                              • 価値を医療従事
                報のコントロール                • 臨床試験
• 人工知能                     • 医療機器                       者・患者に届ける
              • 個人情報保護                  • 医療経済効果
• 機械学習アルゴ                  • DTx                      • 医師・医療従事
              • サイバーセキュリ                • リアルワールドの      者へのプロモー
  リズム                      • 規制当局の承認/
                ティ                        エビデンス・データ     ション
• 継続的なモニタリ                   認証
              • ユーザーフレンド                              • 使用方法の確立
  ングとトラッキング                • 保険償還
                リーデザイン


         DTx事業で培った                           Rx事業で培った
          Welldocの強み                         アステラスの強み
                                      44
 Welldoc プラットフォームの価値



  FDAクリアランス            実証された臨床的価値
  510(k)認証を8つ取得した      50以上の論文で価値が実
  クラスIIの医療機器           証されている




個別化された                     シームレスな情報連携
デジタルコーチング                  300以上のデバイスと
リアルタイムのフィード                接続することができる
バックを時間・場所を問
わずに受けられる




 特許取得済みの技術             包括的なプラットフォーム
 人工知能とアルゴリズムに          7つの慢性疾患に対応
 関する18件の特許
                                                        45
パイプライン




  製品          対象疾患    対象国    研究開発   製品開発   臨床試験    販売


                      日本                    FY21
BlueStar      糖尿病
                     アジア*


New DTx       慢性疾患   グローバル



New DTx       慢性疾患   グローバル




*日本以外のアジア諸国
                                                                                                                                                                                46
  プラットフォームの更なる拡大



                                                                                                                   糖尿病:日本
                                                                                                                • 1000万人:糖尿病が強く疑われる者
                                                                                                                • 1000万人:糖尿病の可能性を否定できない者


                                     Chronic                      Chronic
                                     Disease                      Disease

                                                                                                                   心血管疾患:アメリカ
                                    Log In    Sign Up           Log In     Sign Up                              • 2035年までにアメリカの人口の約半分は、
                                                                                                                  心血管疾患を発症すると予測
                                                                                                                • 45歳までに心血管疾患のリスクは50%と
BlueStar                         New DTx New DTx                                                                  なり、65歳で80%に上がる




Sources: 1) Cardiovascular Disease: A Costly Burden for America Study, AHA; 2) Heart Disease and Stroke Statistics—2019 Update: A Report From the American Heart Association;
3) 2014 AHA/ACC/HRS Guideline for the Management of Patients With Atrial Fibrillation; 4) 厚生労働省健康局「平成28年国民健康・栄養調査
スフィア:
慢性化疾患の重症化予防




              PART 6

       心房細動の早期発見からはじめる
         健康寿命延伸への貢献


                       Rx+事業創成部 ビジネスプロデューサー
                                     荻野 淳
Innovation of Heart Disease Patient   Key point                             48
Management /                          ➢ 心疾患の患者さんをサポートするエコシステム
心疾患患者サポートエコシステム                       ➢ 新しい技術を取り入れたシンプルで費用対効果の高いソリューション


心疾患の患者さんのた
めの、サポートエコシス                                       在宅              医療機関
テム
      これまでの課題:
   在宅管理は患者さんまかせで、
    十分なツールがなかった
                                                       重症化する前に受診




                                              患者さん      タイムリーな       ドクター
                                                        フォローアップ
        簡便な測定機器
                                      コミュニケーション
                                         ツール
                                                         データ連携
              心疾患の患者さんをサポートするツール
                                                    49
心疾患が社会に与えるインパクト


          循環器系疾患の医科診療医療費は
          6兆782億円(19.7%)と最多
                              平成 29(2017)年度「国民医療費」(厚生労働省)



       介護が必要となった主な原因に占める割合は、
       脳血管疾患が 16.1%、心疾患が 4.5%であり、
          両者を合わせると   20.6%と最多
                            令和元(2019)年「国民生活基礎調査」(厚生労働省)



     心疾患は死亡原因の第2位、脳血管疾患は第4位であり、
        両者を合わせると、悪性新生物(がん)に次ぐ
          死亡原因2位となっており、
        年間 31 万人以上の国民が亡くなっている。
                            令和元(2019)年「国民生活基礎調査」(厚生労働省)
                                                           50
着目点 ー心房細動の早期発見ー

●   脳卒中の約6割が脳梗塞(血管が詰まるタイプ)
●   心臓にできた血の塊(血栓)が脳や頸の動脈に詰まることによって起こる脳梗塞
    (心原性脳塞栓症)は、脳梗塞の2-3割を占める
●   心原性脳塞栓症はその梗塞のサイズが大きいために死亡率が高く(2割)、寝たき
    りなどの重い後遺症が残る場合が多い(4割)
●   心原性脳塞栓症の原因の3/4は心房細動で、心房細動からの心原性脳塞栓症の
    発症予防は極めて重要
                                   心房細動週間ホームページより




心房細動全患者数は世界で男性3350万人・女性1260万人と推定 (2010年)
                               Circulation 2014; 129: 837-847




                                  Rx+ Story®実現
    心房細動の早期発見は大きな                 に向けて注力す
    社会課題解決の起点の一つ                  る事業領域
                                          51
心房細動の早期発見 ーホルター心電図検査ー

ホルター心電図検査は主に、
約24時間心電図をとる検査で不整脈などの発見に役立っている。



【ホルター心電図検査の課題】
● 約24時間分の心拍数は約10万拍にもおよぶことから、検査結果の解析には臨床
  検査技師などの多くの人手が必要とされている
●   現在の自動解析は、さらなる精度向上が望まれている


自動解析の効率や精度がもっと向上すれば、より気軽に多くのホルター心電図検査
が実施可能に

    心房細動の早期発見・適切な医療介入へ⇒健康寿命延伸への貢献
パートナーとのコラボレーションによる価値提供                   52

AIを用いたホルター解析装置用プログラムの開発

ホルター心電図検査のデータをより効率的に解析できるよう、
AI(人工知能)を用いた解析アルゴリズムにより
データ解析するプログラムを、株式会社エムハートとの共同研究で開発




【開発における特長】
AIを使うだけでなく、コンピュータへの負荷が小さく、動作が軽い、より効率的な
解析アルゴリズムの独自開発に成功(特許出願中)

 プログラム医療機器(クラスII)として薬事認証を取得
 製品名          マイホルターII
 医療機器認証番号     303AGBZX00015000

AIを用いたホルター解析装置用プログラムとして薬機法認証を2021年3月に取得
                                                                                          53
パートナーとのコラボレーションによる価値提供
株式会社エムハートのご紹介


                                              https://www.emheart.co.jp/

 株式会社エムハート(岩手県盛岡市)
 2016年設立のMedTechベンチャー

 クラウド型ホルター心電図解析システム「マイホルター」を中核にビジネス
 を展開する一方、「より身近に、より手軽に」心電図検査が受診できる社会
 の実現に向け、医療サービスのDX:Digital Transformationを推進中


このホルター心電図解析システムは、MFERという国際規格で記述されたデータであれば、
ホルター心電計の種類を選ばずにクラウド上でデータ解析が可能




 Medical waveform Format Encoding Rules(医用波形記述規約)
 ISO 22077-1:2015 Health informatics — Medical waveform format — Part 1: Encoding rules
                                           54
AIを用いたホルタ-解析装置用プログラムの開発
今後の展開

プログラム医療機器認証を取得した「マイホルターII」は
株式会社エムハートのホルター心電図解析サービスに実装され、
2021年度中にビジネス化を予定しています


⚫ クラウドを活用し、医療者が自宅や外出先から
  リモートで解析作業を行える環境を構築
                               クラウド
⚫ 「マイホルターII」のさらなる精度向上と効率化
  を目指して、次のバージョンの開発を開始

⚫ ホルター心電計メーカーとの協業についても              AI解析
                            デバイス
  ディスカッションを開始                      プログラム
  デバイスとデータ解析をセットにした
  トータルソリューションとしての提供を検討中
                                                       55

将来展望:AI-心電図(ECG)の可能性
                       AI-ECGは、臨床ケアの変革をもたらすと期待されます*1
●    長時間記録型のホルター心電計への対応
     発作性の脈の乱れを検出できると考えられることから、今後、より長い時間の記録が
     可能な心電計が求められてくる。
     → さらに大量のデータ解析が必要となるため、AI-ECGが活躍する。

●    リアルタイム解析ECG
     ウェアラブル心電計が進歩し、その場である程度解析できる性能が期待されてくる。
     → スマートフォンでも動作可能な省電力のAI解析ソフトの実装が求められる。

●    12極ECGへの応用
     いわゆる心電図検査のデータ解析へのAIの応用の研究がされてきている。
     → 脈の乱れだけでなく心機能の評価の一部もECGで可能になることが期待され、
       12極ECGへの応用に向けた研究が進められている。


          AI-ECGの可能性を最大化し、心房細動の早期発見に貢献していきます

    *1 Nat Rev Cardiol. 2021 Feb 1;1-14
スフィア:横断


                 PART 7

             Beyond the pill
          ~極小医療機器が薬を超える~



                          Rx+事業創成部 ビジネスプロデューサー
                                       阿部 邦威
SmartDust Program /   Key point                                                                  57
超小型埋め込み医療機器プロジェクト     ➢iota Biosciences社の超小型デバイス技術の医療機器への活用
                      ➢3つのステップで将来のコアビジネスを創出


バイオエレクトロニクスで
医療に新たな価値を                                  バイオエレクトロニクスを将来のコアビジネスへ
提供する。                                           closed-loop control for Organ
                  iota社の技術とは?                      Brain-Machine-Interface
                                                                                   Future step
                      現状 10mm3                                                     複数の デ バ イ ス を 同時に
                                                                                   自動制御して、「クスリの要ら
                                                                                   ない」世界を目指す



                ➢バッテリー・ケーブル不要
                                           closed-loop modulation
                ➢体外から無線で給電・通信                                                   2nd step
                ➢各種センサー接続可                 sensing and                          埋め込みデバイスによる
                                           stimulation
                ➢電気刺激可                                                          センシングと刺激の自動制御




                           sensing         stimulation
                                                                        1st step
                                                                        センシング・刺激デバイスを
                                                                        個別のプロジェクトとして技術評価


                                     現在地
                                          58
なぜiota社なのか? ー背景ー
背景1
 あらゆるものが測定され、データの価値が増大する時代においても、
 社会に価値を提供し続けたい
 ⚫ 2022年には、年間1兆個のセンサーが使われるとの予測(2013年)
 ⚫ 多くのIT企業などの異業種が、ヘルスケアデータの取得とその活用を目指して
   ヘルスケア産業に参入している
 →生体深部の情報の取得と利活用は、製薬会社の強みを生かせば、優位性を持てる

背景2
 新技術を用いた新たな治療ソリューションとは?
⚫ Rx :化合物、抗体、遺伝子、細胞、ウイルス
⚫ Rx+®:ソフトウェアモダリティ(アプリ、映像、ゲーム、コンテンツ)
       物理モダリティ    (放射能、熱、電磁波、磁場、電気)

iota社の技術は、Rx+Story®のすべてのスフィアを横断したRx+®事業
の基盤となるプラットフォーム技術となりうる
                                               59
バイオエレクトロニクスとは?

                            ● 生物学と電子工学の融
                              合技術
                            ● 電子工学の手法を用い
                              て生体情報を取得した
                              り、また生体に情報を付
    bio       electronics     加したりすることにより、
                              障害や病気を持つ人々
    生物学         電子工学          の生活改善に役立てら
                              れる
                            ●例として、心臓ペース
                              メ ーカ 、脳深 部 刺激装
                              置、迷走神経刺激装置
                              や神経補綴器具などが
                              挙げられる
                            ● 埋め込み神経刺激装置
                              の市場は、年率12.5%
          生体電子工学              の成長率を示している
                                               60
iota社の持つ技術とは?

基幹技術
埋め込みデバイス と体外のインテロゲーターにより超音波を用いて無線で情報をやり取りできる
電力を体外から供給できるため、埋め込み部分にバッテリーが不要で、デバイスを小型化できる
超音波は筋肉・脂肪・血液などで減衰しにくいため、体深部にデバイスを設置できる


                            外部超音波送受信機
                            (インテロゲーター)

       電力供給・作動指令

                         電力供給・作動指令・電気刺激
       読み取り・情報抽出


センシング:アウトプット          刺激:インプット
各種センター を連結させることにより、    電気刺激機能を搭載させることにより、
デバイスを埋め込んだ局所のパラメータを   デバイスを埋め込んだ局所に電気刺激ができる
読み取ることができる            ※応用刺激箇所例
※応用センサー例               局所筋肉、局所神経、臓器・・・
 酸素濃度、pH、圧力、温度・・・      埋め込み箇所次第で可能性が広がる
 センサーの種類次第で可能性が広がる
                                            61
iota社の技術によるセンシングは何をもたらすのか?

● 病院でないと測定できない生体のパラメータをもっと簡単に測定できないか?

● 病院でも測定できない、ましてやウェアラブルデバイスでも測定できない、疾
  患の進展に伴って変動する生体深部のパラメータがあるのではないか?


 例えば・・・                  ● 血中の酸素濃度と臓器局所の
                         酸素濃度は一定か?
● 特定の臓器の温度を測定する
 ことで、疾患をモニタリングでき
 ないか?


● 全身どこも圧力は一緒か?
                   ? !   ● 炎症箇所周辺などでpHが変動
                         することは知られているが、モ
                         ニタリングできるか?




● これまでにない画期的なデータが取得できる可能性があり、新たな治療
  手段や疾患モニタリングの方法の創出も期待できる
● デバイスの埋め込みに伴う侵襲性をいかに低減するかは重要なポイント
                                                62
iota社の技術によるセンシングは何をもたらすのか?

             3か月に一度の定期健診
                                  :monitoring

                                  :insertion
          家庭で手軽にパラメータをモニタリング
                                  :Hospital visit
                    ?

● 病院での検査値と同程度以上の精度で、自宅で自分で値がわかれば、頻回の
  測定により、疾患の急変にも自ら対応できる
● 自分で測定した値が病院の電子カルテで確認できるようになれば、病院に行く
  頻度も減らすことが可能になるかもしれない
● 病院で処方された薬が本当に効いているのか、患者が自分で確認することが
  できる。医師も治療手段の判断に活用できる
  将来的には、個人情報保護を徹底した上で、データの二次利用などのビジネス
  へつなげる可能性も検討する
                                           63
電気刺激により何ができるのか?

        神経              筋肉




              デバイスを埋め込んだ箇所の電気刺激


          神経活動の興奮・抑制
                        筋肉の収縮・弛緩を制御
             臓器の活動の制御


●   医薬品とは異なるアプローチで、医薬品と同様に疾患の治療や制御を目指す
●   「価値を創造し提供する方法は、アステラスはもはや医薬品には限定されない」
                                                 64
電気刺激により何ができるのか?

iotaの埋め込みデバイス    一般的なこれまでの埋め込み医療機器
            局所で作用するので、全身性の副作用は少ない

 無線で操作            リードが必要で、MRIが禁忌な場合がある
 バッテリー不要          バッテリーが必要で、電池交換のために再手術が必要な場合
 超小型              がある
                  デバイスが大きいと、体内への設置のために医師・患者ともに
                  大きな労力を要する


iotaの埋め込みデバイス    一般的な医薬品
 自宅で患者自らが操作       毎日飲むだけで有効性が得られる
 毎日1~数回の操作を想定     自宅で服用できる
                  全身を循環するので、一定の副作用が生じる




 iotaの埋め込みデバイスは、医療機器と医薬品のメリットを兼ね備えた、
 これまでより利便性の高い治療手段となりうる
                                                                                                                                        65
外部専門家インタビューにてわかったこと

どんな疾患に適応可能か、外部専門家にインタビューを実施
Neuro
•PD                    •Trauma                                                                    Ophthalmology
•AD                    •Schizophrenia                                                             •Glaucoma (monitoring)
•ET OCD                •ED                                                                        •AMD
•ALS                   •Brain pressure sensing                                                    •Intraocular (monitoring)
•PTSD                  •MS                                                                        •Blindness
•Depression            •Memory storage (“time machine”)                                           •Presbyopia
•Pain                  •Spleen neuro paralysis
•Anxiety               •Autonomic failure
•BMI                   •Epilepsy                                                                  Ear
•Sleep apnea           •Motor Dysfunction                                                         •Tinnitus
•Phantom pain                                                                                     •Cochlear implant
•Obesity                                                                                          •Hearing loss, difficulty


Respiratory                                                                                       Cardiovascular
•COPD
                                                                                                  •Heart diseases (pacemaker)
•Airway pressure sensor
                                                                                                  •Chronic heart failure (monitoring)
                                                                                                  •Abdominal aneurysm (monitoring)
Urology                                                                                           •Intracardiac pressure (monitoring)
•Neurogenic bladder / Urination disorder (stimulation)
•Reflux esophagitis (monitoring)
                                                                                                  Digestive/ metabolic
                                                                                                  •CD
Locomotive / Muscular                                     Others            Oncology              •FI/GERD
•RA                                                       •Alcoholism       •Immuno-Oncology      •NASH
•Muscular dystrophy                                       •Drug addiction   •Tumor (monitoring)   •Diabetes (Glucose monitoring)




      iotaの技術は、当初の我々の想定以上に適応できる可能性を有する
                                                       66
アステラスのコアビジネスとなることを目指して

2020                   2030                    2040?
  sensing

  stimulation

                closed-loop

                              multiple-auto control


 ● 既存のセンシング・電気刺激プロジェクトは2020年代後半に上市予定
 ● コンセプトの検証ができ次第、closed-loop化を想定
 ● 複数のclosed-loopで構成される多重化・同時自動制御のプロジェクトに挑戦




     アステラスのコアビジネスとしてバイオエレクトロニクス分野を成長させ、
     より多くの価値を患者様のもとへお届けします
PART 8

まとめ




         代表取締役副社長 経営戦略・財務担当役員
                      岡村 直樹
                   68
アステラスにおける「価値」の定義