4503 アステラス薬 2021-02-19 08:30:00
抗体-薬物複合体PADCEV (エンホルツマブ ベドチン)米国において2つの生物学的製剤一部変更承認を申請 [pdf]

                                                                               2021 年 2 月 19 日

各位
                       会       社         名   ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
                       代       表         者   代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
                                             (コード:4503、東証第一部)
                               (URL          h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
                       決    算    期           3月
                       問 い 合 わ せ 先           コーポレート・アドボカシー&リレーション部長
                                                                            藤井 郁乃
                                                                  (Tel:03-3244-3201)

       抗体-薬物複合体 PADCEV ®(エンホルツマブ ベドチン)
       米国において 2 つの生物学的製剤一部変更承認を申請
          - EV-301 試験および EV-201 試験コホート 2 の結果に基づく -
                    - Real‐Time Oncology Review を適用 -

  アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、
「Seagen 社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:
ADC)である PADCEV®(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))について、2 つ
の生物学的製剤一部変更承認申請(supplemental Biologic License Application:sBLA)を
米国食品医薬品局(FDA)に提出しました。

  第 III 相試験(EV-301 試験)に基づく1つ目の sBLA は、PADCEV®の迅速承認を正規
承認へ変更することを目的としています。第 II 相試験(EV-201 試験)コホート 2 に基づく 2
つ目の sBLA は、PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴があり、シスプラチン不適応の
局所進行性または転移性尿路上皮がん患者への適応拡大を目的としています。

  FDA は、両申請に対し Real-Time Oncology Review pilot program を適用します。この
制度は、安全で有効な治療法をできる限り早く患者さんが受けられるように、審査プロセス
の迅速化を図ることを目的としています。

  1 つ目の sBLA は EV-301 試験に基づくものです。本試験は、白金製剤を含む化学療法
および PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮
がんの患者を対象に PADCEV®投与群を化学療法群と比較しており、主要評価項目は全
生存期間でした。本試験の結果は、2021 年米国臨床腫瘍学会 泌尿生殖器がんシンポジ
ウ ム ( American Society of Clinical Oncology Genitourinary Cancers Symposium :
ASCO GU)および New England Journal of Medicine*1 で発表されました。




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  2 つ目の sBLA は EV-201 試験コホート 2 に基づくものです。本試験は、PD-1 または
PD-L1 阻害剤による治療歴があり、シスプラチン不適応の局所進行性または転移性尿路
上皮がん患者を対象に PADCEV®を評価しており、主要評価項目は盲検下独立中央評価
により確認された客観的奏効率でした。本試験の結果は、2021 年米国臨床腫瘍学会 泌
尿 生 殖 器 がん シ ン ポジ ウ ム ( American Society of Clinical Oncology Genitourinary
Cancers Symposium:ASCO GU)*2 で発表されました。

  PADCEV®は 2019 年に、PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴があり、かつ、術前
または術後の補助化学療法として、あるいは局所進行または転移した状態において白金
製剤を含む化学療法による治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮がんを適応
として米国で迅速承認を取得しました。PADCEV®は現在、米国でのみ承認されています。
なお、日本と欧州において、エンホルツマブ べドチンは承認申請に向けた開発段階にあり
ます。

  アステラス製薬は、患者さんに新たな治療選択肢を提供することでアンメットメディカル
ニーズの高い局所進行性または転移性尿路上皮がんの治療に一層の貢献をしていきます。

  本件については、米国において現地時間 2 月 18 日に対外発表しています。

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EV-301 試験について
EV-301 試験(NCT03474107)は国際共同、多施設、非盲検、無作為化第 III 相試験です。本試験は、白金製
剤を含む化学療法および PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮
がん患者約 600 名を対象に、PADCEV®投与群を、医師の選択する化学療法(ドセタキセル、パクリタキセルあ
るいはビンフルニン)群と比較しています。主要評価項目は全生存期間です。副次的評価項目には、無増悪生
存期間、客観的奏効率、奏効期間、病勢コントロール率のほか、安全性/忍容性、QOL(Quality-of-Life)パラ
メータの評価が含まれます。
エンホルツマブ ベドチンの臨床試験の詳細については http://www.clinicaltrials.gov をご覧ください。


EV-201 試験について
EV-201 試験(NCT03219333)はエンホルツマブ ベドチンの第 II 相単群試験です。PD-1 または PD-L1 阻害
剤による治療歴がある局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象としており、白金製剤を含む化学療
法による治療歴もある患者群(コホート 1)および白金製剤を含む化学療法未治療かつシスプラチン不適応の患
者群(コホート 2)の 2 つの患者群を含みます。本試験は国際共同多施設試験であり、コホート 1 には 128 名の
患者を、また、コホート 2 には 91 名の患者を組み入れました。主要評価項目は、盲検下独立中央評価により確
認された客観的奏効率です。副次評価項目には、奏効期間、病勢コントロール率、無増悪生存期間、全生存期
間、安全性および忍容性などが含まれます。
エンホルツマブ ベドチンの臨床試験の詳細については http://www.clinicaltrials.gov をご覧ください。




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尿路上皮がんについて
尿路上皮がんは膀胱に最も多く(90%)発生するがんであり、腎盂、尿管および尿道にもみられます*3。世界で
は毎年、約 549,000 人が膀胱がんと新規診断され、約 200,000 人が死亡しています*4。


エンホルツマブ ベドチン(PADCEV®)について
PADCEV®は、米国食品医薬品局(FDA)により 2019 年 12 月に承認され、PD-1 または PD-L1 阻害剤による
治療歴があり、かつ、術前または術後の補助化学療法として、あるいは局所進行または転移した状態において
白金製剤を含む化学療法による治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮がんを適応としています。
PADCEV®は、FDA から奏効率に基づいて迅速承認を取得しました。検証試験において臨床的な有用性が確
認されることが承認継続の条件となっています*5。
PADCEV®は、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質であるネクチン-4
を標的とするファーストインクラスの ADC です*5、6。非臨床試験データから、PADCEV® の抗腫瘍活性は、が
ん細胞上で エンホルツマブ ベドチンがネクチン-4 に結合して標的細胞内に取り込まれると細胞傷害性物質
であるモノメチルアウリスタチン E(MMAE)が放出され、細胞増殖抑制(細胞周期停止)および細胞死(アポ
トーシス)が生じることによると示唆されています*5。アステラス製薬と Seagen 社は PADCEV®の共同開発を
行っています。


Seagen 社とのライセンス契約について
Seagen 社とアステラス製薬は、エンホルツマブ ベドチンの共同開発に関するライセンス契約を 2007 年に締
結し、2009 年にライセンス範囲を拡大する修正契約を締結しました。この契約に基づき、全世界でのエンホル
ツマブ ベドチンに関わる費用および利益を両社で折半します。


*1: Powles T, Rosenberg J, Sonpavde G, et al. Primary Results of EV-301: A Phase 3 Trial of
Enfortumab Vedotin vs Chemotherapy in Patients With Previously Treated Locally Advanced or
Metastatic Urothelial Carcinoma. ASCO Meeting Library 2021.
https://meetinglibrary.asco.org/record/194738/abstract. Accessed February 11, 2021

*2: Balar AV, McGregor B, Rosenberg J, et al. EV-201 Cohort 2: Enfortumab vedotin in cisplatin-
ineligible patients with locally advanced or metastatic urothelial cancer who received prior PD-1/PD-L1
inhibitors. ASCO Meeting Library 2021. https://meetinglibrary.asco.org/record/194731/abstract.
Accessed February 11, 2021.

*3: American Society of Clinical Oncology. Bladder cancer: introduction (5-2019).
https://www.cancer.net/cancer-types/bladder-cancer/introduction. Accessed January 27, 2021.

*4: Cancer today: data visualization tools for exploring the global cancer burden in 2020.
https://gco.iarc.fr/today/home. Accessed January 27, 2021.

*5: PADCEV [package insert] Northbrook, IL: Astellas Pharma Inc.

*6: Challita-Eid P, Satpayev D, Yang P, et al. Enfortumab Vedotin Antibody-Drug Conjugate Targeting
Nectin-4 Is a Highly Potent Therapeutic Agent in Multiple Preclinical Cancer Models. Cancer Res
2016;76(10):3003-13.




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アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界 70 カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダ
リティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品
の創出に取り組んでいます(Focus Area アプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベース
に、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦してい
ます。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。ア
ステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。


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(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の
遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬
を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情
報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。




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