4503 アステラス薬 2020-11-27 15:00:00
欧州、中東、アフリカ、CISの一部地域においてディフィクリア錠をTillotts Pharmaへ譲渡 [pdf]

                                                                         2020 年 11 月 27 日

各位
                      会          社           名
                                   ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
                      代          表 代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
                                             者
                                   (コード:4503、東証第一部)
                              (URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
                      決    算    期 3月
                      問 い 合 わ せ 先 コーポレート・アドボカシー&リレーション部長
                                                                           藤井 郁乃
                                                        (Tel:03-3244-3201)


          欧州、中東、アフリカ、CIS の一部地域において
            ディフィクリア錠を Tillotts Pharma へ譲渡

     アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、 英国子会社の
Astellas Pharma Europe Ltd. (以下、「Astellas Europe」)が保有するクロストリジウム・
ディフィシル*1(以下、「CD」)感染症治療剤「ディフィクリア錠」(製品名、英名:DIFICLIRTM、
一般名:fidaxomicin(フィダキソマイシン、以下「ディフィクリア」)の欧州、中東、アフリカおよ
び独立国家共同体(CIS)*2 の一部地域における製造販売承認を Tillotts Pharma AG (以
下、「Tillotts Pharma」)へ譲渡すること(以下「本資産譲渡」)を、両社間において合意し、
資産譲渡契約(以下、「本資産譲渡契約」)を締結したことをお知らせします。

     本資産譲渡契約のクロージング後、対象国・地域においてディフィクリアに関する事業は
Tillotts Pharma に承継され、同社が製造販売することになります。アステラス製薬は、引き
続き本製品を安定的に患者さんへお届けできるよう、Tillotts Pharma と協力して迅速に製
造販売承認を移管します。

     ディフィクリアは、Merck & Co., Inc. Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外では
MSD)から導入した選択的な抗菌スペクトルを有する経口の大環状抗菌剤 *3 で、Astellas
Europe が 2012 年から欧州において販売を開始し、その後、中東やアフリカなどへと販売
地域を広げていきました。日本では、感染性腸炎(偽膜性大腸炎 *4 を含む)(適応菌種:本
剤に感性の CD)治療薬として「ダフクリア®錠」の製造販売承認を取得しており、引き続きア
ステラス製薬が販売を継続します。

1.    本資産譲渡の目的

         アステラス製薬は、急速に変化する事業環境に対応し持続的な成長を実現するた
       め、オペレーションの質の向上と効率化に継続的に取り組んでいます。本資産譲渡


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      はその一環として行うものであり、経営資源配分の最適化を通じて、対象地域にお
      ける事業基盤を強化していきます。

2.    本資産譲渡の対価

      1.09 億ユーロ

3.    本資産譲渡スケジュール

      2020 年 11 月 24 日:本資産譲渡契約の締結
      2020 年度第 3 四半期:本資産譲渡契約のクロージング(予定)
      クロージング後、対象国にて製造販売承認の移管を開始

4.    本譲渡対象製品の対象国・地域での売上

      2,800 万ユーロ (2020 年 3 月期)


     なお、本資産譲渡に伴う業績への影響は、通期(2021 年 3 月期)連結業績予想に織り
込んでいません。譲渡対価の一部を当期中に収益認識することから、売上収益および営業
利益にプラスの影響を見込んでいます。

                                                                 以上


*1 クロストリジウム・ディフィシル:大腸内部に感染し毒素を産生する細菌です。感染・増殖により大腸炎や重篤
な下痢を発症し、最悪の場合は死に至ります。腸内細菌が正常に発育している環境ではクロストリジウム・ディ
フィシルが感染しても増殖は抑制されています。しかし、他疾患の治療のために抗菌スペクトルの広い抗菌剤を
服用すると腸内細菌のバランスが崩れ、クロストリジウム・ディフィシルが異常増殖することがあります。クロスト
リジウム・ディフィシル感染症は有効な治療法が限られ、再発率も高いため、アンメットメディカルニーズが存在
しています。

*2 独立国家共同体(Commonwealth of Independent States: CIS):ソビエト社会主義共和国連邦を構成し
ていた主権国家で構成される自由連合体。


*3 大環状抗菌剤:抗菌剤(抗生物質)を化学構造により分類したカテゴリーの一つ。


*4 偽膜性大腸炎:健康な人の大腸内には、様々な細菌がバランスを保って生息し、健康維持に役立っています
が、抗生物質の服用により正常な腸内細菌のバランスが崩れ、ある種の菌が異常に増えて大腸に炎症を起こ
すことがあります。偽膜性大腸炎とは、大腸の壁に小さい円形の膜(偽膜)が見られる病態で、そのほとんどが
CD によるものといわれています。




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アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界 70 カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダ
リティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品
の創出に取り組んでいます(Focus Area アプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベース
に、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦してい
ます。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。ア
ステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。


Tillotts Pharma AG について
Tillotts Pharma AG は日本のゼリア新薬グループの一員であり、300 名以上の従業員を有し急成長を遂げて
いるスイスのスペシャリティーファーマです。Tillotts Pharma は消化器系の革新的な医薬品の開発、ライセンス
活動、販売に特化し事業を展開しています。 また、Tillotts Pharma は自社の保有する IBD 治療薬とその他の
製品を、欧州の子会社と消化器領域に注力するパートナーのネットワークを使って、世界約 65 の国々で事業を
展開しています。


注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実
ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可
能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さ
まざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、
(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の
遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬
を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情
報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。




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