4503 アステラス薬 2020-11-06 16:00:00
前立腺がん治療剤XTANDIカプセル 中国で追加適応に関する承認取得 [pdf]
2020 年 11 月 6 日
各位
会 社 名
ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
代 表 代表取締役社長 CEO 安 川
者 健 司
(コード:4503、東証第一部)
(URL h t t p s : / / w w w . a s t e l l a s . c o m / j p / )
決 算 期 3月
問 い 合 わ せ 先 コーポレート・アドボカシー&リレーション部長
藤井 郁乃
(Tel:03-3244-3201)
前立腺がん治療剤 XTANDI®カプセル
中国で追加適応に関する承認取得
- 転移性去勢抵抗性前立腺がんに加え、
非転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療薬として NMPA が承認 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米
国ニューヨーク州)と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体伝達阻害剤
である XTANDI®カプセル(一般名:エンザルタミド)について、非転移性去勢抵抗性前立腺
がん(non-metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer: nmCRPC)の追加適応に
関する承認を、中国の国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration:
NMPA)から取得しました。このたびの承認により、XTANDI®は中国において、既に承認を
取得している、化学療法施行歴のないアンドロゲン除去療法( Androgen Deprivation
Therapy: ADT)が無効の無症状または軽度の症状を有する転移性去勢抵抗性前立腺が
ん(metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer: mCRPC)に加え、2 つ目の適応症
を取得したこととなります。
このたびの承認は、主に、前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen: PSA)値が急激
に上昇した nmCRPC 患者 1,401 名を対象として、ADT とエンザルタミド併用投与群を、
ADT とプラセボ併用投与群と比較した第 III 相無作為化プラセボ対照二重盲検試験である
PROSPER 試験の結果に基づいています。PROSPER 試験の主要評価項目である無転
移生存期間(Metastasis-Free-Survival: MFS)は、ADT とエンザルタミド併用投与群では
36.6 カ月(中央値)であったのに対し、ADT とプラセボ併用群では 14.7 カ月(中央値)でし
た。ADT とエンザルタミド併用投与群では、ADT とプラセボ併用群と比べて、画像診断上
の病勢進行または死亡のリスクが 71%減少しました(ハザード比=0.29 [95%信頼区間:
0.24-0.35]、p <0.001)。
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最も多く見られた有害事象のうち、ADT とプラセボ併用投与群と比較して ADT とエンザ
ルタミド併用投与群で頻度の高い有害事象(10%以上)は、疲労(33% vs 14%)、ほてり
(13% vs 8%)、高血圧(12% vs 5%)、悪心(11% vs 9%)、転倒(11% vs 4%)、浮動性め
まい(10% vs 4%)、食欲減退(10% vs 4%)でした。
これらの結果は、2018 年に New England Journal of Medicine 誌に掲載されました*1。
2020 年には、副次評価項目である全生存期間(OS)の解析結果が New England Journal
of Medicine 誌に掲載されました*2。
前立腺がんは、全世界で男性が罹患するがんの中で 2 番目に多く*3、また、中国では男
性の泌尿器科領域のがんの中で最も多い疾患です*4。アステラス製薬は、このたびの承認
取得により、nmCRPC に対する新たな治療選択肢として XTANDI®を提供することで、中国
における前立腺がん治療に一層の貢献をしていきます。
なお、本件によるアステラス製薬の業績への影響は、通期(2021 年 3 月期)連結業績予
想に織り込み済みです。
以上
非転移性去勢抵抗性前立腺がんについて
去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)は、アンドロゲン除去療法によってテストステロン(男性ホルモン)が去勢レベ
ル(50ng/dl 未満)に抑えられているにも関わらず進行する前立腺がんです*5。非転移性去勢抵抗性前立腺が
ん(nmCRPC)とは、がんが身体の他の部位に転移していることを示すエビデンスが臨床的に認められず、
PSA 値が上昇している病態のことを示します*6。nmCRPC で、PSA 値が急速に上昇する男性患者の多くが、
転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に進行します*7。
PROSPER 試験について
PROSPER 試験は第 III 相無作為化プラセボ対照二重盲検試験です。米国、カナダ、欧州、南米、アジア太平
洋地域(日本は不参加)の医療機関において、nmCRPC 患者約 1,400 名が組み入れられました。ADT 治療
後に PSA が上昇し病勢進行が確認された患者のうち、無症候性で、組み入れ時点まで転移が確認されていな
い患者が登録されました。本試験では、ADT とエンザルタミド(160 ㎎、1 日 1 回経口投与)併用投与群と、ADT
とプラセボ併用投与群が評価されました。
PROSPER 試験の主要評価項目である無転移生存期間(MFS)は、無作為化以降、画像診断上の病勢進行あ
るいは画像診断上の病勢進行を伴わない治療中止から 112 日以内の死亡、どちらかが確認されるまでの期間
を示します。主な副次的評価項目は、PSA 進行までの期間、新たな抗がん治療の開始までの期間、および全
生存期間です。PROSPER 試験の詳細については、www.clinicaltrials.gov をご参照ください。
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*1 Hussain M, Fizazi K, Saad F, et al. Enzalutamide in men with nonmetastatic, castration-resistant
prostate cancer. N Engl J Med 2018; 378: 2465-2474.
*2 Sternberg C, Fizazi K, Saad F, et al. Enzalutamide and survival in nonmetastatic, castration-resistant
prostate cancer. N Engl J Med 2020; 382: 2197-2206.
*3 Rawla P. Epidemiology of Prostate Cancer. World J Oncol. 2019; 10(2): 63-89.
*4 Chinese guidelines for diagnosis and treatment of prostate cancer 2018. Chin J Cancer Res. 2019
Feb; 31(1): 67–83.
*5 Kirby M, Hirst C, Crawford ED. Characterizing the castration-resistant prostate cancer population: a
systematic review. Int J Clin Pract 2011;65(11):1180-92.
*6 Luo J, Beer T, Graff J. Treatment of nonmetastatic castration-resistant prostate cancer. Oncology
2016;30(4):336-44.
*7 Smith MR, Kabbinavar F, Saad F, et al. Natural history of rising serum prostate-specific antigen in
men with castrate nonmetastatic prostate cancer. J Clin Oncol 2005;23(13):2918-25.
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界 70 カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダ
リティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品
の創出に取り組んでいます(Focus Area アプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベース
に、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦してい
ます。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。ア
ステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。
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