4503 アステラス薬 2020-10-13 08:30:00
抗体‐薬物複合体PADCEV(エンホルツマブ ベドチン)進行性尿路上皮がんを対象とした第II相試験コホート2での良好な結果が判明 [pdf]

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各位
                会          社           名
                             ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
                代          表 代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
                                       者
                             (コード:4503、東証第一部)
                        (URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
                決    算    期 3月
                問 い 合 わ せ 先 コーポレート・アドボカシー&リレーション部長
                                                                     藤井 郁乃
                                                  (Tel:03-3244-3201)


  抗体‐薬物複合体 PADCEV®(エンホルツマブ ベドチン)
進行性尿路上皮がんを対象とした第 II 相試験コホート 2 での
                    良好な結果が判明
  - 免疫療法の治療歴がありシスプラチン治療が不適応の局所進行性または
         転移性尿路上皮がん患者における継続的な有効性を確認 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、
「Seagen 社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:
ADC)である PADCEV®(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))の第 II 相単群
試験(EV-201 試験)において、2 つ目の患者群(コホート 2)で良好な結果が得られたことを
発表しました。コホート 2 では、抗 PD-1 抗体薬または抗 PD-L1 抗体薬による治療歴があ
り、白金製剤による化学療法未治療かつシスプラチン不適応の局所進行性または転移性
尿路上皮がん患者を対象に、PADCEV®を評価しています。この試験では、独立画像判定
機関により評価された客観的奏効率(ORR)が 52%(95%信頼区間:40.8, 62.4)であり、奏
効期間の中央値は 10.9 ヶ月でした。患者の 5%以上で発生した頻度の高いグレード 3 以
上の有害事象は好中球数減少、発疹、疲労、リパーゼ増加、下痢、食欲減退、貧血、高血
糖でした。本試験コホート 2 のデータは、今後開催される学会で発表する予定です。また、
規制当局との協議を含め、今後の方針について検討する予定です。

 PADCEV®は、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し細胞間の接着に関連するタンパ
ク質であるネクチン-4 を標的とするファーストインクラスの ADC です*1, *2。米国食品医薬品
局(FDA)は、白金製剤を含む化学療法および抗 PD-1 抗体薬または抗 PD-L1 抗体薬に
よる治療中または治療後に病勢の進行が認められた局所進行性または転移性尿路上皮
がん患者を対象とした本試験コホート 1 の結果に基づき、2019 年に PADCEV®を迅速承
認しました。


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  尿路上皮がんは膀胱がん全体の 90%を占めており、腎盂、尿管および尿道にもみられ
ます*3。2020 年には全世界で約 58 万人が膀胱がんと診断され、約 21 万人が亡くなると
推定されています*4。

  局所進行性または転移性尿路上皮がんでは、腎機能の低下やその他の医学的理由に
より、シスプラチン投与が適用されない場合があります。本試験はシスプラチンによる治療
が適用されない免疫療法後の患者さんにとって有望な結果を示しました。

  なお、日本において、エンホルツマブ べドチンは承認申請に向けた開発段階にあります。

  本件については、米国において現地時間 10 月 12 日に対外発表しています。

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EV-201 試験について
EV-201 試験(NCT03219333)はエンホルツマブ ベドチンの第 II 相単群試験です。抗 PD-1 抗体薬または抗
PD-L1 抗体薬による治療歴がある局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象としており、白金製剤に
よる治療歴もある患者群(コホート 1)および白金製剤による化学療法未治療かつシスプラチン不適応の患者群
(コホート 2)の 2 つの患者群を含みます。本試験は国際共同多施設試験であり、コホート 1 には 128 名の患者
を、また、コホート 2 には 91 名の患者を組み入れました*5。主要評価項目は、独立画像判定機関により評価さ
れた客観的奏効率です。副次評価項目には、奏効期間、病勢コントロール率、無増悪生存期間、全生存期間、
安全性および忍容性などが含まれます。エンホルツマブ ベドチンの臨床試験の詳細については
http://www.clinicaltrials.gov をご覧ください。


エンホルツマブ ベドチン(PADCEV®)について
PADCEV®は、米国食品医薬品局(FDA)により 2019 年 12 月に承認され、抗 PD-1 抗体薬または抗 PD-L1
抗体薬による治療歴があり、かつ、術前または術後の補助化学療法として、あるいは局所進行または転移した
状態において白金製剤を含む化学療法による治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮がんを適応と
しています。PADCEV®は、FDA から奏効率に基づいて迅速承認を取得しました。実施中の検証試験において
臨床的な有用性が確認されることが承認継続の条件となっています。
PADCEV®は、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質であるネクチン-4
を標的とするファーストインクラスの ADC です。非臨床試験データから、PADCEV®の抗腫瘍活性は、がん細胞
上で PADCEV®がネクチン-4 に結合して標的細胞内に取り込まれると細胞殺傷物質であるモノメチルアウリス
タチン E(MMAE)が放出され、細胞増殖抑制(細胞周期停止)および細胞死(アポトーシス)が生じることによる
ことが示唆されています。アステラス製薬と Seagen 社は PADCEV®の共同開発を行っています。なお、エンホ
ルツマブ ベドチンは日本国内では未承認です。


Seagen 社とのライセンス契約について
Seagen 社とアステラス製薬は、エンホルツマブ ベドチンの共同開発に関するライセンス契約を 2007 年に締
結し、2009 年にライセンス範囲を拡大する修正契約を締結しました。この契約に基づき、全世界でのエンホル
ツマブ ベドチンに関わる費用および利益を両社で折半します。



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アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界 70 カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダ
リティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品
の創出に取り組んでいます(Focus Area アプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベース
に、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦してい
ます。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。ア
ステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。


注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実
ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可
能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さ
まざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、
(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の
遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬
を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情
報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。




1
  PADCEV® [package insert]. Northbrook, IL: Astellas, Inc.
2
  Challita-Eid P, Satpayev D, Yang P, et al. Enfortumab Vedotin Antibody-Drug Conjugate Targeting
Nectin-4 Is a Highly Potent Therapeutic Agent in Multiple Preclinical Cancer Models. Cancer Res
2016;76(10):3003-13.
3 American Society of Clinical Oncology. Bladder cancer: introduction (10-2017).

https://www.cancer.net/cancertypes/bladder-cancer/introduction. Accessed 05-09-2019.
4 International Agency for Research on Cancer. Cancer Tomorrow: Bladder. http://gco.iarc.fr/tomorrow.

Accessed 07-31-2020.
5 ClinicalTrials.gov Identifier: NCT03219333. A Study of Enfortumab Vedotin for Patients With Locally

Advanced or Metastatic Urothelial Bladder Cancer (EV-201).
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03219333. Accessed on 08-03-2020.




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