4502 武田薬 2019-05-14 15:00:00
2019年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

                       2019年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
                                決算短信       連結)
                                                                                        2019年5月14日
上 場 会 社 名 武田薬品工業株式会社                                                  上場取引所                東・名・札・福
コ ー ド 番 号 4502                                              URL http://www.takeda.com/jp
代   表   者
        (役職名) 代表取締役社長CEO                                  (氏名) クリストフ ウェバー
               グローバルファイナンス
問合せ先責任者 (役職名)               (氏名) 大久保 隆                                                      (TEL) (03)3278-2306
               IR グローバルヘッド
定時株主総会開催予定日     2019年6月27日 配当支払開始予定日                                                        2019年6月28日
有価証券報告書提出予定日 2019年6月27日
決算補足説明資料作成の有無      : 有
決算説明会開催の有無         : 有
 
                                                                                               (百万円未満四捨五入)
1.2019年3月期の連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)
(1)連結経営成績                                                                                   (%表示は対前期増減率)
                                                                                    親会社の所有者に 当期包括利益
                   売上収益             営業利益              税引前利益             当期利益        帰属する当期利益   合計額
                   百万円      %      百万円        %       百万円       %     百万円       %     百万円          %   百万円          %
    2019年3月期    2,097,224 18.5 204,969 △15.2 94,896 △56.3 109,014 △41.6 109,126 △41.6 99,192 △59.1
    2018年3月期    1,770,531 2.2 241,789 55.1 217,205 51.5 186,708 61.6 186,886 62.6 242,664 160.5

                基本的1株当たり             希薄化後1株               親会社所有者帰属               資産合計                   売上収益
                  当期利益               当たり当期利益               持分当期利益率              税引前利益率                 営業利益率
                           円 銭                    円 銭                     %                    %                    %
  2019年3月期                113.50              112.86                     3.0                 1.1                  9.8
 
  2018年3月期                239.35              237.56                     9.6                 5.1                 13.7
(参考) 持分法による投資損益           2019年3月期            △43,627百万円                2018年3月期            △32,199百万円
(2)連結財政状態
                                                          親会社の所有者に              親会社所有者             1株当たり親会社
                    資産合計                資本合計
                                                           帰属する持分               帰属持分比率             所有者帰属持分
                           百万円                    百万円                   百万円                    %                 円 銭
    2019年3月期          13,872,322            5,163,588            5,159,582                  37.2           3,318.53
    2018年3月期           4,106,463            2,017,409            1,997,424                  48.6           2,556.51
 
(3)連結キャッシュ・フローの状況
                   営業活動による                  投資活動による                     財務活動による                現金及び現金同等物
                   キャッシュ・フロー                キャッシュ・フロー                   キャッシュ・フロー                 期末残高
                                  百万円                       百万円                      百万円                        百万円
    2019年3月期                  328,479                 △2,835,698                2,946,237                      702,093
    2018年3月期                  377,854                   △93,342                 △326,226                       294,522
     (注)(1)連結経営成績 および(3)連結キャッシュ・フローの状況には、 Shire社の3ケ月実績(2019年1月8日-3月31日)が含まれて
         おります。
2.配当の状況
                                                                                                          親会社所有者
                                            年間配当金                                   配当金総額      配当性向
                                                                                                         帰属持分配当率
                  第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                      期末           合計          (合計)       (連結)
                                                                                                            (連結)
                     円 銭    円 銭    円 銭                          円 銭           円 銭     百万円              %         %
  2018年3月期                -         90.00             -      90.00        180.00     142,672        75.2                7.2
  2019年3月期                -         90.00             -      90.00        180.00     212,344       158.6                6.1
 
  2020年3月期(予想)            -         90.00             -      90.00        180.00                      -
3.2020年3月期の連結業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)
                                                                                    (%表示は、 通期は対前期増減率)
                                                                                          親会社の所有者に              基本的1株当
                   売上収益            Core Earnings          営業利益           税引前利益            帰属する当期利益              たり当期利益
                   百万円        %      百万円          %       百万円       %     百万円         %     百万円   %                  円 銭
    通      期  3,300,000 57.4 883,000 92.2 △193,000                  - △369,000       - △383,000            -     △246.34
     2019年度マネジメントガイダンス(事業の売却影響を除く)
     実質的な売上収益の成長(試算ベース)            横ばいから僅かに減少
     実質的なCore Earningsの対売上収益比率     20%台半ば
     実質的なCore EPS                  350~370円
     (注)「実質的な成長」については7ページをご参照ください。
       本業績予想は、 現時点で入手可能な情報と前提条件に基づく見込みであり、 その実現を約束する趣旨ではございません。実際の
       業績は事業環境の変化や為替変動など様々な要因により変動し、 異なる結果を招きうる不確実性を含んでいます。実績予想を修
       正すべき重大な要因が発生した場合には、 速やかにご報告いたします。
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                                                       : 有
 

    シャイアー・ファーマシューティカル・ホールディングス・アイルランド Limited、 シャイアー・ファーマシューティカル
    ズ ・ イ ン タ ー ナ シ ョ ナル Unlimited Company、 シ ャ イ アー plc、 バ ク ス ア ル タ Incorporated、 ダ イ ア ッ ク ス
    Corp.、 シャイアー・アイルランド・ファイナンス・トレーディング Limited


(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
  ① IFRSにより要求される会計方針の変更                                         : 有
     ②    ①以外の会計方針の変更                                           : 無
     ③    会計上の見積りの変更                                            : 無
 
     (注) 詳細は、 添付資料25ページ「4.連結財務諸表[IFRS]及び主な注記(6)連結財務諸表に関する注記事項(連結財務諸表作成のための
         基本となる重要な事項)」をご参照ください。
 
(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)                          2019年3月期       1,565,005,908株    2018年3月期       794,688,295株

     ②    期末自己株式数                              2019年3月期         10,225,845株     2018年3月期        13,379,133株

     ③    期中平均株式数                              2019年3月期        961,476,993株     2018年3月期       780,811,628株
 

 
(参考)      個別業績の概要
1.2019年3月期の個別業績(2018年4月1日~2019年3月31日)
(1)個別経営成績                                                                              (%表示は対前期増減率)
                         売上高                営業利益                   経常利益                    当期純利益
                         百万円         %       百万円         %          百万円           %         百万円            %
    2019年3月期           651,347    △1.2      73,865      9.0       17,514       △86.1        88,231    △52.8
    2018年3月期           659,462   △10.6      67,736     △3.6      125,944        53.7       187,004     72.6

                       1株当たり               潜在株式調整後
                       当期純利益              1株当たり当期純利益
                                  円 銭                  円 銭
    2019年3月期                      91.76               91.72
    2018年3月期                     239.47              239.18

(2)個別財政状態
                         総資産                 純資産                自己資本比率                  1株当たり純資産
                                 百万円                   百万円                        %                     円 銭
  2019年3月期                9,534,645          4,647,171                           48.7                2,987.94
  2018年3月期                2,948,562          1,565,913                           53.1                2,002.29
(参考) 自己資本
 
                   2019年3月期      4,645,844百万円       2018年3月期                   1,564,581百万円
 
 


 
    ※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、 その他特記事項
        ・当社は、 国際会計基準(IFRS)を適用し、 IFRSに準拠して開示しております。
        ・本資料に記載の「業績予想」は、 現時点で入手可能な情報と前提条件に基づく見込みであり、 その実現を約
         束する趣旨ではございません。実際の業績は事業環境の変化や為替変動など様々な要因により変動し、 異な
         る結果を招きうる不確実性を含んでいます。業績予想を修正すべき重大な要因が発生した場合には、 速やか
         にご報告いたします。
        ・「業績予想」の内容については、 添付資料11ページの「1.経営成績等の概況 (4)今後の見通し」をご参
         照下さい。
        ・決算補足説明資料である決算説明会(5/14(火)開催)におけるプレゼンテーション資料等、 説明内容(動
         画)および主な質疑応答については、 速やかに当社のホームページに掲載致します。

        (当社ホームページ)
        https://www.takeda.com/jp/investors/reports/
                                        武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


○添付資料の目次

  1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
   (1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
   (2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………9
   (3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………10
   (4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………11
   (5)資本配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 …………………………………………14
  2.経営方針 ………………………………………………………………………………………………15
   (1)会社の経営の基本方針 …………………………………………………………………………15
   (2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題 …………………………………………15
  3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………16
  4.連結財務諸表[IFRS]及び主な注記 …………………………………………………………………17
   (1)連結純損益計算書 ………………………………………………………………………………17
   (2)連結純損益及びその他の包括利益計算書 ……………………………………………………18
   (3)連結財政状態計算書 ……………………………………………………………………………19
   (4)連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………………21
   (5)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………23
   (6)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………25
    (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………25
    (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) …………………………………………25
    (セグメント情報) …………………………………………………………………………………29
    (1株当たり情報) …………………………………………………………………………………29
    (企業結合関係) ……………………………………………………………………………………30
    (重要な後発事象) …………………………………………………………………………………32


  【補足資料】
    1    地域別売上収益
    2    地域別医療用医薬品売上収益
    3    旧武田薬品 地域別主要品目売上高
    4    ビジネスエリア別売上収益
    5    主要品目売上高
    6    主要品目2019年度見込
    7    為替レート
    8    資本的支出、減価償却費及び償却費、減損損失
    9    主要な経営指標
    10   連結 - 財務ベースからCoreへの調整表 - 18年度と17年度
    11   旧武田薬品 - 財務ベースからCore/Underlying Core(実質ベース)への調整表 - 18年度と17年度
    12   当期利益からEBITDA/調整後EBITDAへの調整




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                                       武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
① 事業の概況
当社は、 バリュー(価値観)、 すなわち当社の経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考える、 グローバルな研究開発
型のバイオ医薬品企業です。当社は、 革新的な医薬品のポートフォリオを有し、 研究、 開発、 製造、 および販売を主要な事
業としております。また、 グローバルな事業活動の基盤として約80カ国に拠点を有しており、 100カ国以上にわたり医療用医薬
品を販売しています。
当社は、 既存事業の自立的な伸長と企業買収を通じて成長してまいりました。これまで複数の企業買収を実施したことにより、
疾患領域、 地理的拠点、 パイプラインの拡大を推進してまいりました。特に2019年1月に6兆2千億円でShire plc(以下、
「Shire社」)を買収したことにより、 当社の消化器系疾患およびニューロサイエンス(神経精神疾患)の領域が強化され、 希
少疾患と血漿分画製剤の主導的地位を獲得しました。また、 研究開発エンジンのさらなる強化と相互補完的で強固かつ多様な
モダリティ(創薬手法)のパイプラインの構築を実現しました。さらに、 販売においては、 本買収は米国におけるプレゼンスを
飛躍的に向上させました。
当社は、 オンコロジー(がん)、 消化器系疾患 、 希少疾患およびニューロサイエンス(神経精神疾患)の4つの重点疾患
領域と血漿分画製剤およびワクチンに対して注力しています。
当社のビジネスおよび経営成績は、 世界各国における製薬業界を取り巻く変化や経済動向および買収や事業等の売却の結果
に影響を受けます。これらの要因の例は以下のとおりです。
  •   Shire社をはじめとするその他の企業買収。当社の業績は、 これらの買収による事業領域の拡大や統合の成否による影
      響を受けますが、 加えて、 取得した無形資産の償却費、 棚卸資産の公正価値調整の費用化、 買収のための借入金に
      係る支払利息の増加による影響等を受けます。当社は、 当第4四半期において、 買収に伴う無形資産の償却費992億
      円、 棚卸資産の公正価値調整の売上原価への計上822億円、 支払利息を含む金融費用413億円を計上しました。
  •   低所得国や中所得国を中心とするヘルスケアへのアクセス拡大によってもたらされるヘルスケア市場への世界的な需要
      の増加
  •   イノベーションを促進しアンメットニーズに対応する政府の方針とともに、 医療費抑制の取り組みを主たる背景とした医薬
      品の価格低下への圧力
  •   多くの主要先進国における継続的な経済成長の停滞および多くの新興国での経済成長スピードの鈍化


② 当年度における業績の概要
当年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。
                                                           (単位:億円)
                                      前年度              当年度

 売上収益                                       17,705            20,972

 売上原価                                       △4,959           △6,597

 販売費及び一般管理費                                 △6,281           △7,176

 研究開発費                                      △3,254           △3,683

 製品に係る無形資産償却費及び減損損失                         △1,221           △2,034

 その他の営業収益                                    1,694             1,599

 その他の営業費用                                   △1,266           △1,032

 営業利益                                        2,418             2,050

 金融収益                                          395               168

 金融費用                                        △319              △833

 持分法による投資損失                                  △322              △436

 税引前当期利益                                     2,172               949

 法人所得税費用                                     △305                141

 当期利益                                        1,867             1,090




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                                                       武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


当年度の連結業績には、 Shire社買収に伴う影響および同社の2019年1月8日から3月31日における業績が含まれており、 当
社の業績に大きく影響を及ぼしております。当年度の業績に与えるShire社買収影響および前年度の業績からの推移は以下のと
おりです。
                                                                                  (単位:億円、 %以外)
                                                                               Shire社買収影響を除く
                          連結業績                        Shire社買収影響
                                                                                     連結業績
                                                                  買収及び
                                             Shire社     企業結合
                 当年度         対前年度                                 事業統合      当年度         対前年度
                                              業績        会計影響
                                                                  関連費用
                 20,972    3,267     18.5%     3,092          -         -   17,880      175     1.0%
売上収益

                △6,597    △1,638     33.0%   △1,016       △817          -   △4,764      196   △3.9%
売上原価

                △7,176     △895      14.2%     △985         △6      △238    △5,947      334   △5.3%
販売費及び一般管理費

                △3,683     △429      13.2%     △430           -      △16    △3,237      17    △0.5%
研究開発費

製品に係る無形資産償却費    △2,034     △812      66.5%         -      △992          -   △1,041      180   △14.7%
及び減損損失
                  1,599     △95     △5.6%       △14           -         -    1,612     △82    △4.8%
その他の営業収益

                △1,032       234   △18.5%       △49           -     △596     △386       880   △69.5%
その他の営業費用

                  2,050    △368    △15.2%        598     △1,816     △850     4,118    1,700    70.3%
営業利益

                    168    △227    △57.4%          -          2         -      166    △229    △57.9%
金融収益

                  △833     △514     160.9%     △106        △42      △413     △271       48    △15.1%
金融費用

                  △436     △114      35.5%         3          -         -    △439     △117     36.4%
持分法による投資損失

                    949   △1,223   △56.3%        494     △1,856    △1,263    3,574    1,402    64.5%
税引前当期利益

                    141      446   △146.3%     △113         440       261    △446     △141     46.3%
法人所得税費用

                  1,090    △777    △41.6%        381     △1,417    △1,002    3,128    1,261    67.5%
当期利益




 〔売上収益〕
 売上収益は、 Shire社買収影響の3,092億円を含め、 3,267億円増収(+18.5%)の20,972億円となりました。
 Shire社買収影響を除く売上収益は、 事業等の売却による減収影響、 および為替の円高による減収影響があったものの、 3
 つのビジネスエリア(消化器系疾患、 オンコロジー(がん)、 ニューロサイエンス(神経精神疾患))の継続的な伸長により
 175億円の増収(+1.0%)となりました。各ビジネスエリアの増収に寄与した品目は以下のとおりです。


 ‐消化器系疾患
 当社のトップ製品である潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」(国内製品名:「エンタイビオ」)の売上が伸長し、
 678億円増収(+33.7%)の2,692億円となり、 売上成長を牽引しました。「エンティビオ」は生物学的製剤の新規患者シェア
 を順調に拡大しました。日本でも、 2018年7月に中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎に対する治療剤として製造販売承
 認を取得し、 2018年11月に販売を開始しました。酸関連疾患治療剤「タケキャブ」も、 逆流性食道炎や低用量アスピリン投与
 時における胃潰瘍の再発抑制等の効能を中心として、 日本において新規処方が拡大し、 売上は98億円増収(+20.1%)の
 582億円となりました。




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                                      武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信




‐オンコロジー
多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」の売上が、 米国をはじめとした各国で力強く伸長し、 157億円増収(+33.9%)の622億
円となりました。「ニンラーロ」は、 高い有効性、 安全性、 利便性を有する週1回経口投与のプロテアソーム阻害剤です。また、
悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」は、 日本およびブラジルでの伸長により44億円の増収(+11.4%)となりました。2017年2
月のアリアド・ファーマシューティカルズ Inc.の買収により獲得した白血病治療剤「アイクルシグ」と肺がん治療剤「ALUNBRIG」
は、 それぞれ56億円増収(+24.1%)および24億円の増収(+84.0%)となりました。なお、 多発性骨髄腫治療剤「ベルケ
イド」は前年度に米国における独占販売期間満了を迎えましたが、 94億円の減収(△6.9%)に留まっています。


‐ニューロサイエンス
大うつ病治療剤「トリンテリックス」の売上は、 処方医および患者さんによる同疾患に対する包括的な治療アプローチに同剤の
組み入れが拡大したことにより、 92億円増収(+19.0%)の576億円となりました。


(注) 売上収益の品目別情報の詳細につきましては、 補足資料をご参照下さい。


なお、 主な事業等の売却影響としては、 2017年5月に当社の日本の長期収載品7製品を武田テバファーマ株式会社の子会
社である武田テバ薬品株式会社に売却したことによる減収影響187億円、 2018年5月に当社の連結子会社であった広東テック
プール・バイオファーマCo., Ltd.の株式を売却したことに伴う減収影響116億円、 および2018年3月に経口関節リウマチ治療
薬JAK阻害剤「ゼルヤンツ」の日本におけるコ・プロモーションおよび当社による仕入販売を終了したことによる減収影響110億円
がありました。

買収日以降のShire社の売上収益は、 3,092億円となりました。統合の一環として、流通チャネルにかかる武田薬品の方針
をShire社にも適用することに伴い、卸における流通在庫の回転日数が複数の品目において大幅に改善し、売上収益に
一時的な影響が発生しました。
売上収益の主な内訳は以下のとおりです。


 ‐消化器系疾患
消化器系疾患の売上収益は、 主に短腸症候群治療剤「GATTEX」の売上128億円により、 215億円となりました。


 ‐希少疾患
希少疾患の売上収益は1,112億円となりました。血友病A治療剤「アディノベイト」、 遺伝性血管浮腫予防剤「TAKHZYRO」および
副甲状腺機能低下症治療剤「NATPARA」の売上は、 それぞれ107億円、 97億円および71億円となりました。


 ‐血漿分画製剤
血漿分画製剤の売上収益は963億円となりました。主に原発性免疫不全症や多巣性運動ニューロパチーの治療に用いられる
免疫グロブリン製剤および血液量減少症や低タンパク血漿の治療に用いられるアルブミン製剤の売上は、 それぞれ622億円お
よび107億円となりました。


 ‐ニューロサイエンス
ニューロサイエンスの売上収益は、 注意欠陥/多動性障害・過食性障害治療剤「バイバンス」の494億円の売上収益を含め、
601億円となりました。




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                                       武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信




〔地域別売上収益〕
各地域の売上収益は以下のとおりです。
                                                    (単位:億円、 %以外)
   売上収益:                        前年度                   当年度
     日本                       5,803       32.8%     5,710      27.2%
     米国                       5,983       33.8%     8,290      39.5%
     欧州およびカナダ                 3,137       17.7%     4,056      19.3%
     ロシア/CIS                    682        3.9%       597       2.8%
     中南米                        757        4.3%       881       4.2%
     アジア                      1,040        5.9%     1,054       5.0%
     その他                        302        1.7%       383       1.8%
     合計                      17,705      100.0%    20,972     100.0%



〔売上原価〕
売上原価は、 Shire社で発生した売上原価1,016億円および棚卸資産の公正価値調整にかかる非資金性の費用などの企業結
合会計の影響817億円を含む、 1,638億円増加(+33.0%)の6,597億円となりました。なお、 Shire社買収影響を除く売上原
価は、 製品構成の改善等により196億円(△3.9%)減少しております。


〔販売費及び一般管理費〕
販売費及び一般管理費は、895億円増加(+14.2%)の7,176億円となりました。 Shire社で発生した販売費及び一般管
理費985億円、およびShire社買収に係る買収関連費用238億円が発生しましたが、これらの増加は、対前年度334億円
減少したShire社買収影響を除く販売費及び一般管理費と一部相殺されております。グローバル経費削減イニシアチブ
による削減効果と株式報酬費用の減少等によるものです。


〔研究開発費〕
研究開発費は、 Shire社で発生した研究開発費により429億円増加(+13.2%)し3,683億円となりました。 Shire社買収影響
を除く研究開発費は、 前年度からほぼ横ばいとなりました。


〔製品に係る無形資産償却費及び減損損失〕
製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、 Shire社買収に伴い取得した無形資産の償却費992億円の発生、 および前年
度において「コルクリス」の販売見通し改善による減損損失の戻入226億円を計上したことにより、 対前年度812億円増加(+
66.5%)の2,034億円となりました。上記増加は、 「ベルケイド」の無形資産の償却が前年度中に終了したことによる減少影響
367億円と一部相殺されております。


〔その他の営業収益〕
その他の営業収益は、 当年度、 旧東京本社ビルを含む有形固定資産の売却益503億円および不動産事業の譲渡に伴う連結
子会社株式譲渡益382億円を計上したものの、 前年度に計上した和光純薬工業株式会社の株式売却益1,063億円の影響によ
り、 対前年度95億円減少(△5.6%)の1,599億円となりました。



〔その他の営業費用〕
その他の営業費用は、 対前年度234億円減少(△18.5%)の1,032億円となりました。この減少は、 Shire社買収に関連した統
合費用596億円を計上したものの、 R&D Transformation等の事業構造再編費用が対前年度228億円減少したこと、 および前
年度に計上された在外営業活動体の清算損415億円等により、 その他の営業費用が880億円減少したことよるものです。




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                                      武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


〔営業利益〕
営業利益は、 上記の要因を反映し、 前年度から368億円減益(△15.2%)の2,050億円となりました。


〔金融損益〕
金融収益と金融費用をあわせた金融損益は664億円の損失となり、 対前年度741億円の減益となりました。この減益は主に、 当
年度においては、 Shire社買収に関連する財務費用413億円を金融費用に計上したこと、 また、 前年度においては上場株式
等にかかる有価証券売却益304億円を金融収益に計上していたものの、 新たな国際会計基準の適用により当年度からは当該
売却益が金融収益に計上されないことによります。


〔持分法による投資損失〕
持分法による投資損失は、 対前年度114億円増加の436億円となりました。長期収載品事業およびジェネリック医薬品事業を営
む武田テバファーマ株式会社において、 事業環境の変化に伴い保有する資産の評価を見直した結果、 減損損失が認識され
たことなどによるものです。


〔法人所得税費用〕
法人所得税費用は、前年度の305億円から446億円減少(△146.3%)の△141億円となりました。これは主にShire社買
収に伴う税金費用の減少影響587億円によるものであります。 Shire社買収影響を除く法人所得税費用は、当年度に子
会社再編に伴い計上された税務上の損失があったものの、税引前当期利益の増加および前年度における米国の税制改
革法の成立による影響により、全体では前年度から141億円の増加となりました。


〔当期利益〕
当期利益は、 上記の要因を反映し、 前年度から777億円減益(△41.6%)の1,090億円となりました。




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                                                 武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


③ 当年度における実質的な成長の概要 
当社は、 事業の計画策定および業績評価において、 「実質的な成長」(Underlying Growth)の概念を採用しております。前
年度との比較を可能にするため、 Shire社買収影響を除いた「実質的な成長」を示しております。

「実質的な成長」は、 当年度と前年度(四半期もしくは年間)の業績を共通の基準で比較するものであり、 マネジメントによる業
績評価に使用されています。これら共通の基準で比較される業績は、 為替レートを一定として、 事業等の売却影響およびその
他の非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、 本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を控除し算定されます。当社
は、 この「実質的な成長」が、 事業活動のパフォーマンスを表す共通の基準を提供するため、 投資家に有用であると考え、
「Underlying Revenue Growth」(実質的な売上収益(1)の成長)、 「Underlying Core Earnings Growth」(実質的なCore
Earnings(2)の成長)および「Underlying Core EPS Growth」(実質的なCore EPS(3)の成長)を重要な財務指標としていま
す。なお、 本指標は、 国際会計基準(IFRS)に準拠したものではありません。

当年度の実質的な成長は、 以下のとおりとなりました。

  旧武田薬品の実質的な成長
  旧武田薬品の実質的な成長

  売上収益(1)                                  +5.3%        [ 対前年度           +891億円 ]


  Core   Earnings(2)                      +38.7%        [    〃         +1,095億円 ]


  Core   EPS(3)                           +29.0%        [    〃          +77円88銭 ]


 (1) Shire社買収影響を除く実質的な売上収益は、為替レートを一定として、財務ベースの売上収益に、報告期間に
    おける非定常的な事象に基づく影響および事業等の売却影響を調整して計算します。
     当年度の実質的な売上収益の成長を算定するにあたっての調整項目の主な内容は、武田テバファーマ株式会社の
     子会社である武田テバ薬品株式会社に当社の日本の長期収載品7製品を売却したことに伴う影響およびMultilab
     Indústria e Comércio de Produtos Farmacêuticos Ltda.、広東テックプール・バイオファーマCo,.Ltd.にかか
     る事業等の売却影響であります。
 (2) Shire社買収影響を除くCore Earningsは、 純利益から、 法人所得税費用、 持分法にかかる投資損益、 金融損益、 そ
    の他の営業収益およびその他の営業費用、 製品に係る無形資産償却費及び減損損失を控除して算出します。その他、
    企業買収に係る会計処理の影響や買収関連費用など、 本業に起因しない(ノン・コア)とマネジメントが判断した事象に
    よる影響を調整します。
    当年度のCore Earningsを算定するにあたっての重要性のあるその他の調整項目の主な内容は、 Shire社買収に向けた
    買収関連費用です。
    実質的なCore Earningsは、 為替レートを一定として、 Core Earningsに、 報告期間における事業等の売却影響を調整
    して計算します。
    当年度の実質的なCore Earningsの成長を算定するにあたっての事業等の売却影響の主な内容は、 武田テバファーマ
    株式会社の子会社である武田テバ薬品株式会社に当社の日本の長期収載品7製品を売却したことに伴う影響および
    Multilab Indústria e Comércio de Produtos Farmacêuticos Ltda.、 広東テックプール・バイオファーマCo,.Ltd.
    にかかる事業等の売却影響であります。
 (3) Shire社買収影響を除く実質的なCore EPSの算定にあたっては、 為替レートを一定として、 純利益から、 事業等の売却
    影響、 およびCore Earningsの算出において控除された項目と営業利益以下の各科目のうち、 重要性のある、 非定常
    的もしくは特別な事象に基づく影響、 本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を調整します。これらには、 条件付
    対価に係る公正価値変動(時間的価値の変動を含む)影響などが含まれます。さらに、 これらの調整項目に係る税金影
    響を控除した後、 比較年度末の自社株式控除後の発行済株式総数で除して算定します。
    当年度の実質的なCore EPSの成長を算定するにあたっての営業利益以下の調整項目の主な内容は、 Shire社買収に向
    けた財務費用および条件付対価に係る公正価値変動(時間的価値の変動を含む)影響であります。


旧武田薬品における実質的な売上収益の成長率は、 潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」+34.8%、 多発性骨髄
腫治療剤「ニンラーロ」+36.1%、 白血病治療剤「アイクルシグ」+24.6%、 酸関連疾患治療剤「タケキャブ」+20.1%、 大うつ
病治療剤「トリンテリックス」+19.4%をはじめとしたタケダの成長ドライバーの製品が力強く伸長したことにより、 対前年度+5.3
%となりました。タケダの成長ドライバー全体では+11.1%の伸長となり、 実質的な売上収益の63.3%を占めております。




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                                         武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信




旧武田薬品における実質的なCore Earningsの成長率は、 実質的な売上収益の力強い成長や、 グローバル経費削減イニシ
アチブ(4)による削減効果により前年度から大きく伸長し+38.7%となりました。実質的な売上原価は、 製品構成の改善により、
対売上収益比率が1.4pp向上しました。実質的な営業経費は、 グローバル経費削減イニシアチブの削減効果により、 対売上収
益比率が3.9pp向上しました。上記の要因の組み合わせにより、 実質的なCore Earningsの対売上収益比率は5.4pp向上し、
22.3%となりました。
 (4) 消費量の削減、 購買価格低減による経費削減、および組織の最適化によって実質的なCore Earningsの売上収益比率の向上を目指す、当
   社グループのイニシアチブ


旧武田薬品における実質的なCore EPSの成長率は、 実質的なCore Earningsの力強い成長(+38.7%)を反映し、 前年同
期から+29.0%となりました。




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                                           武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信



(2)当期の財政状態の概況
[資産]
 当期末における資産合計は、前年度末から9兆7,659億円増加し、13兆8,723億円となりました。のれんおよび無形
 資産は、主にShire社買収影響により、それぞれ3兆1,322億円および3兆8,461億円増加しました。

[負債]
 当期末における負債合計は、前年度末から6兆6,197億円増加し、8兆7,087億円となりました。 Shire社の買収に必
 要な資金を調達するために社債の発行および借入を実行したことにより社債及び借入金が4兆7,653億円増加し、5
 兆7,510億円(注)となったことによるものです。また、繰延税金負債もShire社買収影響により7,763億円増加の8,671
 億円となりました。

 (注)当期末における社債、 借入金の帳簿価額はそれぞれ3兆1,964億円および2兆5,546億円です。なお、 社債および
    借入金の内訳は以下の通りです。

   社債:
     銘柄 (外貨建発行額)          発行時期             償還期限        帳簿価額
   14回 無担保社債            2013年7月       2019年7月              600億円

   15回 無担保社債            2013年7月       2020年7月             600億円

   米ドル建無担保普通社債                        2020年6月~
                        2015年6月                          2,119億円
         (1,925百万米ドル)                    2045年6月
   米ドル建無担保普通社債                        2019年9月~
                        2016年9月                        1兆2,785億円
        (12,100百万米ドル)                    2026年9月
   米ドル建無担保普通社債
                        2017年7月       2022年1月              551億円
          (500百万米ドル)
   ユーロ建無担保普通社債                        2020年11月~
                        2018年11月                         9,256億円
         (7,500百万ユーロ)                    2030年11月
   米ドル建無担保普通社債                        2020年11月~
                        2018年11月                         6,053億円
         (5,500百万米ドル)                    2028年11月
   合計                                                  3兆1,964億円

   借入金:
     名称 (外貨建借入額)          借入時期           返済期限          帳簿価額
                                     2019年7月~
   シンジケートローン            2013年7月                          1,200億円
                                       2020年7月
                                     2023年4月~
   〃                    2016年4月                          2,000億円
                                       2026年4月

   〃                    2017年4月      2027年4月             1,135億円

   〃
                        2017年4月      2027年4月             1,656億円
         (1,500百万米ドル)

   〃                    2019年1月      2019年7月             5,000億円

   〃
                        2019年1月      2024年1月             4,411億円
         (3,987百万米ドル)
   〃
                        2019年1月      2024年1月             3,783億円
         (3,047百万ユーロ)
   株式会社国際協力銀行
                        2019年1月      2025年12月            4,093億円
        (3,700百万米ドル)

   その他                                                   2,268億円
   合計                                                  2兆5,546億円


[資本]
 当期末における資本合計は、前年度末から3兆1,462億円増加の5兆1,636億円となりました。資本金および資本剰
 余金は、Shire社買収の影響により発行した総額3兆1,313億円の普通株式により、それぞれ、1兆5,657億円および
 1兆5,595億円増加しました。



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                                   武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信




(3)当期のキャッシュ・フローの概況
                                                        (単位:億円)
                             前年度                    当年度
営業活動によるキャッシュ・フロー                        3,779               3,285
投資活動によるキャッシュ・フロー                        △933              △28,357
財務活動によるキャッシュ・フロー                      △3,262               29,462
現金及び現金同等物の増減額                           △417                4,390
現金及び現金同等物の期首残高                          3,195               2,945
売却目的で保有する資産からの振戻額                         218                   5
現金及び現金同等物に係る換算差額                         △46                △313
売却目的で保有する資産への振戻額                          △5                  △6
現金及び現金同等物の期末残高                          2,945               7,021


  営業活動によるキャッシュ・フローは前年度3,779億円のプラスから494億円減少し3,285億円のプラスとなりまし
 た。これは、当期利益が777億円減少したことや主にShire社買収に伴う企業結合会計に係る非資金性の税金費用の
 減少影響により法人所得税費用が446億円減少したこと、また前年度に計上した在外営業活動体の清算損415億円等
 のマイナスの調整項目の影響によります。これらの影響は、主にShire社買収に伴い計上した製品に係る無形資産償
 却費により減価償却費及び償却費が903億円増加したこと、また、Shire社買収に関連する財務費用を含む金融費用
 (純額)664億円等のプラスの調整項目の影響により一部相殺されております。


  投資活動によるキャッシュ・フローは、主にShire社買収に伴い2兆8,919億円(取得した現預金控除後)を支出
 したことにより、前年度933億円のマイナスに対して当年度は2兆8,357億円のマイナスとなりました。


  財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度3,262億円のマイナスに対して当年度は2兆9,462億円のプラスと
 なりました。これは、主にShire社買収のための資金調達において、短期借入金が3,673億円増加したこと、また、
 長期借入れ及び社債の発行による収入2兆7,959億円を計上したことによります。




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                                           武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


(4)今後の見通し
 2019年度の業績予想

                         2018年度            2019年度           対前年度

  売上収益                   20,972億円          33,000億円    +12,028億円   (+57.4%)

  営業利益                    2,050億円          △1,930億円     △3,980億円     (-%)

  税引前当期利益                  949億円           △3,690億円     △4,639億円     (-%)

  当期利益
                          1,091億円          △3,830億円     △4,921億円     (-%)
 (親会社の所有者帰属分)

  EPS                     113円50銭          △246円34銭     △359円84銭     (-%)

  Core Earnings           4,593億円           8,830億円     +4,237億円   (+92.2%)


 (1) Shire社買収関連費用による影響

                         2018年度            2019年度           対前年度

  売上収益                      -億円               -億円          -億円       (-%)

  営業利益                    △850億円           △1,540億円      △690億円    (△81.3%)

  税引前当期利益                △1,263億円          △2,410億円     △1,147億円   (△90.8%)


 (2) Shire社買収に係る企業結合会計による影響

                         2018年度            2019年度           対前年度

  売上収益                      -億円               -億円          -億円       (-%)

  営業利益                   △1,816億円          △6,930億円     △5,114億円     (-%)

  税引前当期利益                △1,856億円          △7,090億円     △5,234億円     (-%)


 (1)と(2)の影響除きの2019年度の業績予想

                         2018年度            2019年度           対前年度

  売上収益                   20,972億円          33,000億円    +12,028億円   (+57.4%)

  営業利益                    4,715億円           6,540億円     +1,825億円   (+38.7%)

  税引前当期利益                 4,068億円           5,810億円     +1,742億円   (+42.8%)

  当期利益
                          3,510億円           4,130億円      +620億円    (+17.7%)
 (親会社の所有者帰属分)

  EPS                     365円05銭           265円63銭     △99円42銭    (△27.2%)

  Core Earnings           4,593億円           8,830億円     +4,237億円   (+92.2%)


本業績予想には、2019年5月9日に公表した、ドライアイの兆候・症状の治療薬「Xiidra®5%」(lifitegrast点眼
剤)および手術用パッチ剤「TachoSil®」の譲渡にかかる業績影響を織り込んでおりません。当社は、現時点におい
て、これら譲渡が本業績予想に対して重要性ある影響を与えるとは見込んでおりません。当社は、これら譲渡の完了
時期に依拠する影響額の合理的な見積もりが得られましたら、本業績予想にその影響を織り込む予定です。




                                  ― 11 ―
                                                     武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


[売上収益]
2019年度は、 Shire社買収完了後、 同社の年間の業績を連結する最初の年度となるため、 売上収益は当年度から1兆2,028
億円増収(+57.4%)の3兆3,000億円を見込んでいます。5つの主要ビジネスエリアのうち、 消化器系疾患では「エンティビ
オ」や「タケキャブ」、 オンコロジーでは「ニンラーロ」や「アドセトリス」、 ニューロサイエンスでは「トリンテリックス」など、 旧武田薬
品の主力製品が引き続き伸長することを見込んでいます。 Shire社買収によって拡大した希少疾患のビジネスエリアでは、
「TAKHZYRO」「アディノベイト」「NATPARA」など、 血漿分画製剤では「GAMMAGARD」や「FLEXBUMIN」などの製品が増収に寄与します。
一方、 「ベルケイド」をはじめ、 複数の製品が競合品の参入影響や独占販売期間満了に伴う影響を受けることが予測されていま
す。また、 Shire社との統合の一環として、 Shire社製品の流通在庫の回転日数を改善する取り組みを継続するため、 一時的
な減収影響を見込んでいます。


[営業利益]
営業利益は、 当年度から3,980億円減益の1,930億円の損失を見込んでいます。 Shire社買収関連費用として、 2019年度は統
合費用1,540億円の計上を見込んでおり、 当年度から690億円の減益要因となります。また、 Shire社買収に係る企業結合会計
による影響として、 2019年度は棚卸資産の公正価値調整2,530億円の売上原価の計上および製品等に係る無形資産償却費
4,390億円の計上など、 営業利益への影響額として合計で6,930億円を見込んでおり、 当年度からは5,114億円の減益要因と
なります。
これらの一時的な費用および非資金性の費用による影響を除きますと、 営業利益は、 当年度から1,825億円増益(+38.7
%)の6,540億円になります。なお、 2019年度は、 不動産・不動産事業に係る売却益の発生は見込んでおらず(当年度は旧
武田薬品で886億円発生)、 また、 製品等に係る減損損失については、 Shire社買収に伴い増加した無形資産残高に過去の
減損損失の発生確率を乗じて計算した見積額1,210億円を確保していますが、 現時点で特定の製品やパイプラインに減損損失
の兆候が認められるものではありません。


[税引前利益]
税引前利益は、 当年度から4,639億円減益の3,690億円の損失を見込んでいます。 Shire社買収関連費用としては、 営業利益
の690億円の減益要因に加え、 2019年度は、 Shire社買収の資金調達に係った新規負債の利息費用870億円を見込んでいる
ため、 金融費用が457億円増加し、 当年度から1,147億円の減益要因となります。また、 Shire社買収に係る企業結合会計によ
る影響は、 金融費用で108億円増加の150億円を見込んでいることなどにより、 当年度からは5,234億円の減益要因となります。
これらの影響を除きますと、 税引前利益は、 当年度から1,742億円増益(+42.8%)の5,810億円になります。


[当期利益(親会社の所有者帰属分)]
当期利益(親会社の所有者帰属分)は、 当年度から4,921億円減益の3,830億円の損失を見込んでいます。
Shire社買収関連費用による影響および Shire社買収に係る企業結合会計による影響を除きますと、 当期利益(親会社の所
有者帰属分)は、 当年度から620億円増益(+17.7%)の4,130億円になります。
な お、 EPS の 計 算 に 使 用 し て い る 株 式 数 は、 2018 年 度 は 発 行 済 株 式 の 期 中 平 均 株 式 数 ( 自 己 株 式 を 除 く ) で あ る
961,476,993株であり、 2019年度は当年度末の株式数(自己株式を除く)である1,554,780,063株です。当社は、 Shire社の
買収の対価の一部として2019年1月8日に当社普通株式770,303,013株を発行しました。


[Core Earnings]
Core Earnings(為替影響と事業等の売却影響調整前)は、 当年度から4,237億円増益(+92.2%)の8,830億円を見込ん
でいます。この大幅な増益は、 Shire社の年間の業績が2019年度に貢献することによります。また、 利益率の高いShire社を統
合し、 さらに、 コストシナジーの実現やグローバル経費削減イニシアチブの推進を通じて営業経費使用の効率化を進めることに
よってCore Earningsの対売上収益比率は4.9pp改善し、 26.8%となる見込みです。




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    [2019年度の主な見通しの前提条件]

                                           2018年度                    2019年度

    為替レート                               1米ドル=111円                     1米ドル=111円
                                        1ユーロ=129円                     1ユーロ=124円
                                   1ロシアルーブル=1.7円                 1ロシアルーブル=1.7円
                                   1ブラジルレアル=29.5円                1ブラジルレアル=28.4円
                                       1中国元=16.5円                    1中国元=16.4円
    研究開発費                                     △3,683億円                  △4,910億円

    Shire社買収関連費用

      営業経費(買収費用等)                               △253億円                        -億円

      その他の営業費用(統合費用)                            △596億円                  △1,540億円

      金融費用(利息費用等)                               △413億円                    △870億円
    Shire社買収に係る主な企業結合会計
    による影響
      売上原価
                                                △822億円                  △2,530億円
      (棚卸資産の公正価値調整)
      製品等に係る無形資産償却費
                                                △992億円                  △4,390億円
      (Shire社買収影響)
    その他の非資金性の費用
      製品等に係る無形資産償却費
                                                △954億円                    △990億円
      (旧武田薬品)
      製品等に係る減損損失                                △87億円                   △1,210億円


    重要な財務指標(マネジメントガイダンス、 事業の売却影響を除く)

                                             2019年度   マネジメントガイダンス
                            *1
            実質的な売上収益の成長
                                                    横ばいから僅かに減少
              (試算ベース)*2
      実質的なCore Earningsの対売上収益比率                       20%台半ば

             実質的なCore EPS                             350~370円

             1株当たり年間配当金                                 180円
*1 同一為替レート(2018年度の年間平均レート)を適用しています。
*2 旧武田薬品とShire社の2018年4月から2019年3月までの12ヶ月間の売上収益を合算した試算であり、 2019年度の成長率
   のベースラインとなる2018年度の売上収益は3兆3,000億円です。
本マネジメントガイダンスには、 2019年5月9日に公表した、 ドライアイの兆候・症状の治療薬「Xiidra®5%」(lifitegrast点
眼剤)および手術用パッチ剤「TachoSil®」の譲渡にかかる業績影響を織り込んでおりません。当社は、 現時点において、 これ
ら譲渡が本マネジメントガイダンスに対して意味ある影響を与えるものとは考えておりません。

5つの主要ビジネスエリアにおける主力の成長製品の伸長により、 「ベルケイド」 *をはじめとする製品の独占販売期間満了に伴
う減収影響を相殺します。また、 Shire社が年間を通じて業績に貢献すること、 コストシナジーや規律ある営業経費管理を推進
することによって実質的なCore EPSは350~370円になる見込みです。
*
    米国の「ベルケイド」については、 治療上の同等性が認められない、 静脈投与と皮下投与が可能な競合品一つが、 2019年
    7月に市場に追加参入してくることを業績予想上の前提としています。競合品の追加参入がない場合、 実質的な売上収益の
    成長(試算ベース)は、 「横ばいから僅かに増加」になる見込みです。

[見通しに関する注意事項]
本資料に記載の「業績予想」は、 現時点で入手可能な情報と前提条件に基づく見込みであり、 その実現を約束する趣旨ではご
ざいません。実際の業績は事業環境の変化や為替変動など様々な要因により変動し、 異なる結果を招きうる不確実性を含んで
います。業績予想を修正すべき重大な要因が発生した場合には、 速やかにご報告いたします。




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(5)資本配分に関する基本方針及び当期・次期の配当

① 資本配分に関する基本方針
 当社の資本配分に関する優先事項は次の通りです。
 レバレッジの速やかな低下

    ‐純有利子負債/調整後EBITDA倍率を3年から5年以内に2倍にすることを目標

    ‐投資適格格付の維持にコミット

 成長ドライバーへの投資

    ‐自社研究開発と新製品上市に対する戦略的な投資

    ‐規律ある領域を絞った研究開発の提携

 株主還元

    ‐1株当たり年間配当金180円の確立された配当方針を維持


②当期・次期の配当
 当社は株主還元を重視し、 配当を重要な還元策として位置付けております。


 〔2018年度〕1株当たり年間配当金:180円
 当期の期末配当金は、 1株当たり90円を予定しております。

 この結果、 当期の年間配当金は中間配当金 (1株当たり90円) と合わせ、 180円となる予定です。

 〔2019年度(予定)〕1株当たり年間配当金:180円




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2.経営方針
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」というミッションを追求しています。
また、当社は、「誠実:公正・正直・不屈」を企業活動の根幹に据え、「Patient(常に患者さんを中心に) 」、
「Trust(社会との深い信頼関係を築く)」、「Reputation(当社の評価をさらに高める)」、「Business(ビジネス
を成長させる)」を優先順位とする価値観に従います。


(2)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
過去4年にわたって、 当社は、 世界中の患者さんに画期的な医薬品と革新的な治療法をお届けし得る、 機動的でグローバル
な研究開発型のバイオ医薬品企業の実現に注力し、 変革を続けています。当社は、 その価値観を守りながら、 製品とイノベー
ションにより、 その評価をさらに確固たるものとしています。


当社は、 2018年のタイジェニクスNVの買収、 2017年のアリアド・ファーマシューティカルズInc.の買収、 2011年のナイコメッドA/S
の買収、 そして2008年のミレニアム・ファーマシューティカルズInc.の買収をはじめとする、 国境を越えたM&Aおよび買収後の統
合に成功してきた優れた実績を有しています。


直近では、2019年1月にShire社の買収を完了させました。この買収は、バリュー(価値観)、すなわち当社の経営の
基本精神に基づき患者さんを中心に考える、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業を誕生させる大きな一歩と
なりました。本買収は、当社に魅力的な地域別事業構成をもたらし、また、当社の3つの重点疾患領域のうちの2領
域(消化器系疾患およびニューロサイエンス)における当社の地位を強化し、希少疾患および血漿分画製剤の領域に
おける主導的地位をもたらします。さらに、強固かつモダリティ(創薬手法)の多様な、高度に補完的なパイプライ
ンを創出し、イノベーションにフォーカスしたR&Dエンジンを強化します。財務面においては、キャッシュフロー
プロファイルの向上、シナジー創出および株主還元に対する経営陣のコミットメントを通じて、統合後の新会社に経
済的利益を提供することになります。


当社の経営陣は、 経験豊富で多様性に富み、 複雑な事業の統合と、 大規模な変革を実行する確かな実績を有しています。当
社は、 当社の価値観を尊重しながら、 統合に向けた努力を実行することに真摯に取り組んでまいります。


当社は、 持続可能で中長期的な成長を促進するため、 以下の3つの明確な戦略的優先事項を掲げております。


 1)    ビジネスエリアのフォーカス
      消化器系疾患、 希少疾患、 血漿分画製剤、 オンコロジー(がん)、 ニューロサイエンス(神経精神疾患)の5つの
      主要ビジネスエリアにフォーカスします。


 2)    R&Dエンジン
      疾患領域の絞り込み、 先進的なパートナーシップモデルの推進、 患者さんを中心に捉えたサイエンス主導のイノベーシ
      ョン文化に基づき、 R&Dエンジンを強化します。具体的には、 オンコロジー、 消化器系疾患、 希少疾患、 ニューロサ
      イエンスの4つの重点疾患領域と血漿分画製剤およびワクチンに研究開発分野を絞り込み、 研究開発体制の変革に引
      き続き取り組みます。また、 アンメットメディカルニーズの高い領域において意義のある価値を提供するため、 革新性の
      高い医薬品にフォーカスしてパイプラインを推進します。


 3)    強固な財務プロファイル
      当社は、利益率の中長期的な向上にフォーカスし、事業投資や負債の返済、株主へのキャッシュの還元のため、
      キャッシュフローを創出します。また、ノンコア資産の選択的な売却を引き続き推進し、資金を得て、負債返
      済を加速させてまいります。


Shire社の買収により、地理的な事業領域が拡大し、特に、イノベーションを推進する重要な市場である米国における
プレゼンスが向上しました。当社は、地域戦略を実行するため、これらの国々を「米国」、「日本」、「ヨーロッパ



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                                       武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


及びカナダ」、並びに中国、中南米、中東、アジア太平洋、ロシア及びCIS(独立国家共同体)から構成される「成長
新興国」の4つの地域グループに分け、それぞれに対応する地域体制を構築しました。


Shire社との統合は進捗しており、優れた戦略的・地理的合致のある統合であるため、事業やパイプラインに与えるネ
ガティブな影響は最低限にとどまる見込みです。統合にあたっては、(i)患者さん中心(より革新的な医薬品を開発
することとともに、サービスとサポートを提供する)、(ⅱ)機動性とシンプルさ(複雑なプロセスを最小限にし、現
地の判断を現地のリーダーに委譲する)、(ⅲ)効率性と集中(5つの主要ビジネスエリアに注力する)、の3つの
原則を掲げ、これに従って統合を引き続き推進してまいります。


3.会計基準の選択に関する基本的な考え方

当社は、 欧米同業他社との財務情報の比較可能性の向上、 資金調達の選択肢の拡大、 およびグループ内での会計処理の統
一等を目的とし、 2014年3月期末より国際会計基準(IFRS)を適用しております。




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                                武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


4.連結財務諸表[IFRS]及び主な注記
(1)連結純損益計算書
                                                         (単位:百万円)
                                前年度                    当年度
                         (自   2017年4月1日         (自   2018年4月1日
                          至   2018年3月31日)        至   2019年3月31日)
 売上収益                               1,770,531             2,097,224
 売上原価                               △495,921              △659,690
 販売費及び一般管理費                         △628,106              △717,599
 研究開発費                              △325,441              △368,298
 製品に係る無形資産償却費及び減損損失                 △122,131              △203,372
 その他の営業収益                             169,412              159,863
 その他の営業費用                           △126,555              △103,159
 営業利益                                 241,789              204,969


 金融収益                                  39,543               16,843
 金融費用                                △31,928               △83,289
 持分法による投資損益                          △32,199               △43,627
 税引前当期利益                              217,205               94,896
 法人所得税費用                             △30,497                14,118
 当期利益                                 186,708              109,014


当期利益の帰属
 親会社の所有者持分                            186,886              109,126
 非支配持分                                  △178                 △112
 合計                                   186,708              109,014


1株当たり当期利益(円)
 基本的1株当たり当期利益                          239.35               113.50
 希薄化後1株当たり当期利益                         237.56               112.86




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                                 武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


(2)連結純損益及びその他の包括利益計算書
                                                          (単位:百万円)
                                 前年度                    当年度
                          (自   2017年4月1日         (自   2018年4月1日
                           至   2018年3月31日)        至   2019年3月31日)
 当期利益                                 186,708                109,014
その他の包括利益
 純損益に振り替えられることのない項目
  その他の包括利益を通じて公正価値で測
                                             -                6,000
  定される金融資産の公正価値の変動
  確定給付制度の再測定                              724               △11,665
                                          724                △5,665
 純損益にその後に振り替えられる可能性の
 ある項目
  在外営業活動体の換算差額                         46,611                34,639
  売却可能金融資産の公正価値の変動                      4,714                    -
  キャッシュ・フロー・ヘッジ                         1,919               △33,793
  ヘッジコスト                                1,606                △4,909
  持分法適用会社におけるその他の包括利
                                          382                  △94
  益に対する持分
                                       55,232                △4,157
 その他の包括利益合計                            55,956                △9,822
 当期包括利益合計                             242,664                99,192


当期包括利益の帰属
 親会社の所有者持分                            242,444                99,456
 非支配持分                                    220                 △264
 合計                                   242,664                99,192




                        ― 18 ―
                            武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


(3)連結財政状態計算書
                                                 (単位:百万円)
                           前年度                   当年度
                      (2018年3月31日)          (2019年3月31日)
資産
非流動資産
 有形固定資産                           536,801            1,316,531
 のれん                            1,029,248            4,161,403
 無形資産                           1,014,264            4,860,368
 持分法で会計処理されている投資                  107,949             114,658
 その他の金融資産                         196,436             192,241
 その他の非流動資産                         77,977              87,472
 繰延税金資産                            64,980              88,991
 非流動資産合計                        3,027,655           10,821,664


流動資産
 棚卸資産                             212,944             986,744
 売上債権及びその他の債権                     420,247             741,907
 その他の金融資産                          80,646              23,276
 未収法人所得税等                           8,545               7,212
 その他の流動資産                          57,912             109,666
 現金及び現金同等物                        294,522             702,093
 売却目的で保有する資産                        3,992             479,760
 流動資産合計                         1,078,808            3,050,658


 資産合計                           4,106,463           13,872,322




                   ― 19 ―
                                武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


                                                     (単位:百万円)
                               前年度                   当年度
                          (2018年3月31日)          (2019年3月31日)
負債及び資本
負債
非流動負債
 社債及び借入金                              985,644            4,766,005
 その他の金融負債                              91,223             235,786
 退職給付に係る負債                             87,611             156,513
 未払法人所得税                                   -               61,900
 引当金                                   28,042              35,364
 その他の非流動負債                             68,300              75,174
 繰延税金負債                                90,725             867,061
 非流動負債合計                            1,351,545            6,197,803


流動負債
 社債及び借入金                                   18             984,946
 仕入債務及びその他の債務                         240,259             327,394
 その他の金融負債                              29,613              47,340
 未払法人所得税                               67,694             119,485
 引当金                                  132,781             392,733
 その他の流動負債                             263,930             437,888
 売却目的で保有する資産に直接関連する負
                                        3,214             201,145
 債
 流動負債合計                               737,509            2,510,931
 負債合計                               2,089,054            8,708,734


資本
 資本金                                   77,914            1,643,585
 資本剰余金                                 90,740            1,650,232
 自己株式                                △74,373             △57,142
 利益剰余金                              1,557,307            1,569,365
 その他の資本の構成要素                          350,631             353,542
 売却目的で保有する資産に関連するその他
                                      △4,795                   -
 の包括利益
     親会社の所有者に帰属する持分                 1,997,424            5,159,582
 非支配持分                                 19,985               4,006
     資本合計                           2,017,409            5,163,588


 負債及び資本合計                           4,106,463           13,872,322




                       ― 20 ―
                                                   武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


(4)連結持分変動計算書
前年度(自2017年4月1日   至2018年3月31日)
                                                                                    (単位:百万円)
                                        親会社の所有者に帰属する持分
                                                             その他の資本の構成要素
                                                                  その他の包括
                                利益                                利益を通じて 売却可能
                     資本金               自己株式 利益剰余金 在外営業 公正価値で測 金融資産の
                               剰余金                       活動体の
                                                                  定される金融 公正価値の
                                                         換算差額
                                                                  資産の公正価   変動
                                                                   値の変動
2017年4月1日残高           65,203    74,972 △48,734 1,511,817  221,550      -   67,980
当期利益                                             186,886
その他の包括利益                                                   46,252           5,057
  当期包括利益                  -         -       -    186,886   46,252      -    5,057
新株の発行                 12,711    12,609
自己株式の取得                                △41,545
自己株式の処分                              0       1
配当                                             △142,120
持分変動に伴う増減額
その他の資本の構成要素
                                                             724
からの振替
株式報酬取引による増加                     18,610
株式報酬取引による減少
                               △15,452      15,905
(権利行使)
売却目的で保有する資産に
関連するその他の包括利益                                                          4,795
への振替
  所有者との取引額合計          12,711    15,767    △25,639     △141,396       4,795          -       -
2018年3月31日残高          77,914    90,740    △74,373     1,557,307    272,597          -   73,037


                      親会社の所有者に帰属する持分
                        その他の資本の構成要素                       売却目的で
                                                          保有する資           非支配
                     キャッシ     確定給付                                                資本合計
                          ヘッジ                             産に関連す    合計      持分
                     ュ・フロ     制度の再                 合計 るその他の
                          コスト
                    ー・ヘッジ      測定                          包括利益
2017年4月1日残高            1,472      -          -    291,002     - 1,894,261 54,704 1,948,965
当期利益                                                   -          186,886  △178    186,708
その他の包括利益               1,919   1,606        724    55,558          55,558    398    55,956
  当期包括利益               1,919   1,606        724    55,558     -   242,444    220   242,664
新株の発行                                                  -           25,320           25,320
自己株式の取得                                                -         △41,545          △41,545
自己株式の処分                                                -                1                1
配当                                                     -        △142,120 △2,189 △144,309
持分変動に伴う増減額                                             -               - △32,750 △32,750
その他の資本の構成要素
                                          △724       △724                      -            -
からの振替
株式報酬取引による増加                                             -               18,610          18,610
株式報酬取引による減少
                                                        -                     453          453
(権利行使)
売却目的で保有する資産に
関連するその他の包括利益                                         4,795   △4,795            -            -
への振替
  所有者との取引額合計              -       -       △724  4,071        △4,795 △139,281 △34,939 △174,220
2018年3月31日残高           3,391   1,606        - 350,631        △4,795 1,997,424 19,985 2,017,409




                                         ― 21 ―
                                                       武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


当年度(自2018年4月1日   至2019年3月31日)
                                                                                            (単位:百万円)
                                          親会社の所有者に帰属する持分
                                                               その他の資本の構成要素
                                                                   その他の包括
                                 資本                                利益を通じて 売却可能
                     資本金                自己株式 利益剰余金 在外営業 公正価値で測 金融資産の
                                剰余金                       活動体の
                                                                   定される金融 公正価値の
                                                          換算差額
                                                                   資産の公正価   変動
                                                                    値の変動
2018年4月1日残高            77,914    90,740 △74,373 1,557,307  272,597       -   73,037
会計方針の変更による累積
                                                          15,401                         84,672    △73,037
的影響額
会計方針の変更を反映した
                       77,914    90,740    △74,373 1,572,708          272,597            84,672         -
期首残高
当期利益                                                     109,126
その他の包括利益                                                               29,964             5,938
  当期包括利益                   -         -             -     109,126       29,964             5,938         -
新株の発行               1,565,671 1,565,671
自己株式の取得                                     △1,172
自己株式の処分                             △0           3
配当                                                     △142,697
持分変動に伴う増減額                                              △2,337            230
その他の資本の構成要素
                                                          32,565                    △44,230
からの振替
株式報酬取引による増加                      20,102
株式報酬取引による減少
                                △26,281     18,400
(権利行使)
非金融資産への振替
  所有者との取引額合計        1,565,671 1,559,492     17,231 △112,469               230       △44,230             -
2019年3月31日残高        1,643,585 1,650,232    △57,142 1,569,365          302,791        46,380             -


                       親会社の所有者に帰属する持分
                         その他の資本の構成要素                       売却目的で
                                                           保有する資                          非支配
                    キャッシ     確定給付                                                                  資本合計
                         ヘッジ                               産に関連す       合計                  持分
                    ュ・フロ     制度の再                   合計     るその他の
                         コスト
                   ー・ヘッジ      測定                            包括利益
2018年4月1日残高            3,391    1,606         -    350,631   △4,795 1,997,424              19,985 2,017,409
会計方針の変更による累
                     △1,378                            10,257                   25,658       △10     25,648
積的影響額
会計方針の変更を反映し
                       2,013    1,606         -    360,888         △4,795 2,023,082        19,975 2,043,057
た期首残高
当期利益                                            -                           109,126  △112    109,014
その他の包括利益            △33,793 △4,909 △11,665 △14,465                  4,795   △9,670   △152    △9,822
  当期包括利益            △33,793 △4,909 △11,665 △14,465                  4,795    99,456  △264     99,192
新株の発行                                           -                         3,131,342        3,131,342
自己株式の取得                                         -                           △1,172           △1,172
自己株式の処分                                         -                                 3                3
配当                                              -                         △142,697   △169 △142,866
持分変動に伴う増減額                                     230                          △2,107 △15,536 △17,643
その他の資本の構成要素
                                          11,665 △32,565                            -                    -
からの振替
株式報酬取引による増加                                                -                    20,102               20,102
株式報酬取引による減少
                                                           -                △7,881                  △7,881
(権利行使)
非金融資産への振替             34,739    4,715               39,454                  39,454            39,454
  所有者との取引額合計          34,739    4,715     11,665     7,119             - 3,037,044 △15,705 3,021,339
2019年3月31日残高           2,959    1,412         -    353,542             - 5,159,582   4,006 5,163,588




                                          ― 22 ―
                                    武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


(5)連結キャッシュ・フロー計算書
                                                                (単位:百万円)
                                           前年度                  当年度
                                    (自   2017年4月1日       (自   2018年4月1日
                                     至   2018年3月31日)      至   2019年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 当期利益                                         186,708              109,014
 減価償却費及び償却費                                   182,127              272,446
 減損損失                                          13,544               10,120
 持分決済型株式報酬                                     18,610               20,084
 有形固定資産の処分及び売却に係る利益                             △434              △45,220
 事業譲渡及び子会社株式売却益                              △134,100             △82,975
 在外営業活動体の清算損益(△は益)                             41,465              △2,669
 条件付対価に係る公正価値変動額                               10,523              △5,966
 金融収益及び費用(純額)                                 △7,615                66,446
 持分法による投資損益(△は益)                               32,199               43,627
 法人所得税費用                                       30,497             △14,118
 資産及び負債の増減額
  売上債権及びその他の債権の増加額                               △647             △13,382
  棚卸資産の減少額                                      13,719             58,678
  仕入債務及びその他の債務の増減額(△は減少)                         6,862            △16,413
   引当金の増減額(△は減少)                               △6,530               47,063
 その他(純額)                                        20,809            △73,347
  営業活動による現金生成額                                 407,737             373,388
 法人所得税等の支払額                                   △54,874             △51,536
 法人所得税等の還付及び還付加算金の受取額                           24,991               6,627
営業活動によるキャッシュ・フロー                               377,854             328,479
投資活動によるキャッシュ・フロー
 利息の受取額                                         2,412               6,305
 配当金の受取額                                        7,699               2,739
 有形固定資産の取得による支出                               △67,005             △77,677
 有形固定資産の売却による収入                                 2,965              50,717
 無形資産の取得による支出                                 △61,257             △56,437
 投資の取得による支出                                   △16,883             △17,099
 投資の売却、償還による収入                                 40,743              65,035
 事業取得による支出
                                              △28,328           △2,958,684
 (取得した現金及び現金同等物控除後)
 事業売却による収入
                                                85,080              85,131
 (処分した現金及び現金同等物控除後)
 拘束性預金の預入による支出                                △71,774                   -
 拘束性預金の払戻による収入                                     -                71,844
 その他(純額)                                       13,006              △7,572
投資活動によるキャッシュ・フロー                              △93,342           △2,835,698




                           ― 23 ―
                                武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


                                                            (単位:百万円)
                                       前年度                  当年度
                                (自   2017年4月1日       (自   2018年4月1日
                                 至   2018年3月31日)      至   2019年3月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
 短期借入金の純増減額(△は減少)                        △403,931               367,319
 長期借入れ及び社債の発行による収入                         393,453            2,795,926
 長期借入金の返済及び社債の償還による支出                    △140,000                    -
 自己株式の取得による支出                             △18,756               △1,172
 利息の支払額                                    △8,365              △34,914
 配当金の支払額                                 △141,893             △142,952
 連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による
                                                -              △2,392
 支出
 ファイナンス・リース債務の返済による支出                      △2,658               △1,741
 借入契約に係るファシリティー・フィー                            -               △19,507
 その他(純額)                                   △4,076              △14,330
財務活動によるキャッシュ・フロー                         △326,226             2,946,237
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                       △41,714               439,018

 現金及び現金同等物の期首残高
                                           319,455             294,522
(連結財政状態計算書計上額)
 売却目的で保有する資産からの振戻額                          21,797                 451
現金及び現金同等物の期首残高                             341,252             294,973


現金及び現金同等物に係る換算差額                           △4,565             △31,269
現金及び現金同等物の期末残高                             294,973             702,722
売却目的で保有する資産への振替額                             △451                △629
現金及び現金同等物の期末残高
                                           294,522             702,093
(連結財政状態計算書計上額)
 




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                                    武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


(6)連結財務諸表に関する注記事項

(継続企業の前提に関する注記)
  該当事項はありません。


(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)

 1.作成の基礎

 (1)準拠する会計基準
   当社グループの連結財務諸表は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令
   第 28号。以下、“連結財務諸表規則”)第1条の2に規定する「特定会社」の要件をすべて満たすことから、
   連結財務諸表規則第93条の規定により、国際会計基準(以下、“IFRS”)に準拠して作成しております。

 (2)測定の基礎
   連結財務諸表は、投資、デリバティブおよび条件付対価等の公正価値で測定される特定の資産および負債を
   除き、取得原価を基礎として作成しております。

 (3)機能通貨および表示通貨

   当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に記載のない限り、百万
   円未満を四捨五入して表示しております。


 2.重要な会計方針

  当社グループが連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、IFRS第9号およびIFRS第15号による変更を除
  き、前年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。


 (会計方針の変更)
  IFRS第9号「金融商品」

  2014年7月にIFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)の基準の最終確定が行われ、当社グルー
  プは2018年4月1日より適用を開始しております。IFRS第9号は、IAS第39号の要求事項を大幅に置き換え、金融
  資産および金融負債の分類、認識、測定、および認識の中止を規定しております。また、発生損失ではなく予想損
  失に基づく金融資産の新たな減損モデルならびに新たなヘッジ会計モデルを導入しています。
  IFRS第9号の適用による当社グループへの主たる影響は、適用開始日において特定の売却可能金融商品を公正価値
  で再測定することであります。また、適用の結果、当社グループは資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公
  正価値で測定される金融資産として分類することを選択しております。なお、この分類に関する指定は、適用開始
  日現在の事実及び状況に基づいて行っております。公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、清算また
  は売却等により資本性金融商品の認識を中止した場合はその他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えており
  ます。
  また、IFRS第9号に基づく金融資産の分類は、原則として金融資産を管理している事業モデルおよび金融資産の契
  約上のキャッシュ・フローの特徴に基づいて行われます。なお、金融資産が保有されている事業モデルの判定は、
  適用開始日現在の事実および状況に基づいて行っております。
  償却原価で測定される金融資産の減損損失は、以前は発生損失モデルを用いて測定しておりましたが、現在は予想
  信用損失モデルを用いて測定しています。当社グループの金融資産の性質を考慮すると、新基準の適用により貸倒
  引当金および減損損失の金額に重要な影響はありません。
  IFRS第9号の適用による、当社グループの金融負債およびデリバティブへの重要な影響はありません。
  当該基準により導入された新たなヘッジ会計モデルは、ヘッジ関係が当社グループのリスク管理目的および戦略に
  基づいていること、ヘッジ有効性の評価にあたりより定性的かつ将来予測的なアプローチを適用すること、ヘッジ
  関係が適格要件を満たさなくなった場合にのみヘッジ会計を中止することを要求しています。なお、2018年3月31
  日時点においてIAS第39号に基づき指定されていたすべてのヘッジ関係は、2018年4月1日時点においてIFRS第9


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                                            武田薬品工業(株)(4502) 2019年3月期 決算短信


 号のヘッジ会計の要件を満たしていたため、ヘッジ関係の継続とみなされております。
 当社グループは、分類および測定(減損を含む)に関して過年度の比較情報を修正再表示せずに遡及的にIFRS第9
 号を適用しております。適用による累積的な影響額はIFRS第9号の適用日(2018年4月1日)時点で資本に認識し
 ております。この結果、当期首の利益剰余金およびその他の資本の構成要素がそれぞれ14,073百万円および10,257
 百万円増加しております。また、その他の金融資産(非流動)が32,809百万円、その他の金融資産(流動)が856百万
 円、繰延税金負債が9,345百万円それぞれ増加しており、非支配持分が10百万円減少しております。また当社グル
 ープが選択した通り、2018年3月期の情報はIFRS第9号の要求事項を反映しておりません。
 さらに、IAS第39号では通貨のベーシス・スプレッドはキャッシュ・フロー・ヘッジに含めてその他の資本の構成
 要素に計上しておりましたが、IFRS第9号ではヘッジコストとして区分して会計処理され、その結果、その他の資
 本の構成要素の独立項目であるヘッジコストに計上されます。当社グループは、通貨のベーシス・スプレッドをヘ
 ッジコストとして会計処理するアプローチの遡及適用について比較期間を修正再表示しております。2018年3月31
 日において、遡及修正によりヘッジコストが1,606百万円計上され、キャッシュ・フロー・ヘッジが同額減少して
 おります。

 適用開始日におけるIAS第39号およびIFRS第9号に従った金融資産の測定区分および帳簿価額は以下の通りです。
 資本性金融商品への投資について、当社グループは、当初認識時に資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公
 正価値で測定するという取消不能な選択をしております。なお、金融負債の測定区分および帳簿価額に変更はあり
 ません。
                                                                 (単位:百万円)
                    IAS第39号             帳簿価額          IFRS第9号      帳簿価額
                                                   償却原価で測定される金
現金及び現金同等物      貸付金および債権                    294,522                    294,522
                                                   融資産
               純損益を通じて公正価値                         純損益を通じて公正価値
デリバティブ                                         762                        762
               で測定される金融資産                          で測定される金融資産
ヘッジ会計を適用している   ヘッジ会計を適用してい                         ヘッジ会計を適用してい
                                             2,527                      2,527
デリバティブ         るデリバティブ                             るデリバティブ
売上債権およびその他の債                                       償却原価で測定される金
               貸付金および債権                    516,853                    516,853
権、その他の金融資産                                         融資産
                                                   その他の包括利益を通じ
資本性金融商品        売却可能金融資産                    169,814 て公正価値で測定される        203,276
                                                   金融資産

               貸付金および債権                      5,303
                                                   純損益を通じて公正価値
転換社債           純損益を通じて公正価値                                              7,576
                                             2,070 で測定される金融資産
               で測定される金融資産
合計                                         991,851                  1,025,516


 適用開始日における金融資産の帳簿価額の変動は以下の通りです。
                                                                 (単位:百万円)
     IAS第39号   帳簿価額        分類変更            再測定         IFRS第9号     帳簿価額
                                                     償却原価で測定される金
貸付金および債権         816,678      △ 5,303            ―                    811,375
                                                     融資産
純損益を通じて公正価値                                          純損益を通じて公正価値
                   2,832        5,303            203                    8,338
で測定される金融資産                                           で測定される金融資産
ヘッジ会計を適用してい                                          ヘッジ会計を適用してい
                   2,527           ―              ―                     2,527
るデリバティブ                                              るデリバティブ
                                                    その他の包括利益を通じ
売却可能金融資産         169,814           ―         33,462 て公正価値で測定される       203,276
                                                    金融資産

合計               991,851           ―         33,665                 1,025,516




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金融商品の測定
負債性金融商品
・償却原価で測定される金融資産:契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的
 とする事業モデルの中で保有されており、契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキ
 ャッシュ・フローが所定の日に生じる売上債権及びその他の債権等の金融資産は、償却原価で測定される資産に
 分類しております。当初認識時、売上債権は消費税等を含んだ請求書金額から売上割戻、現金値引等の見積控除
 金額を差し引いた金額で認識されます。貸倒引当金は予想信用損失モデルを用いて計算しております。引当金の
 見積りは将来予測的な予想信用損失モデルに基づいており、売上債権の保有期間にわたって起こりうる債務不履
 行事象を含んでおります。当社グループは売上債権およびリース債権の貸倒引当金について、全期間の予想信用
 損失で測定することを選択しております。当社グループは引当マトリクスを用いて全期間の予想信用損失を算定
 しております。これらの引当金の金額は、連結財政状態計算書における売上債権およびリース債権の帳簿価額と
 見積回収可能額との差額を表しております。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産:契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方に
 よって目的が達成される事業モデルの中で保有されており、契約条件により、元本および元本残高に対する利息
 の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる金融資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測
 定される金融資産に分類しております。金融資産の認識が中止された場合、その他の包括利益で認識された評価
 損益の累積額は、その他の包括利益から純損益に組替調整されます。
・純損益を通じて公正価値で測定される金融資産:償却原価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公
 正価値で測定される金融資産の要件を満たさない金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に
 分類しております。純損益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品にかかる利得および損失は純損益に計
 上されます。

資本性金融商品
・資本性金融商品は純損益を通じて公正価値で測定されます。ただし、当社グループは、当初認識時において、金
 融商品ごとに行われる、資本性金融商品の公正価値の事後変動をその他の包括利益で表示するという取消不能の
 選択をしております。当社グループは、報告日時点において、全ての資本性金融商品をその他の包括利益を通じ
 て公正価値で測定される金融資産として分類しております。

デリバティブおよびヘッジ会計
・デリバティブは、デリバティブ契約がヘッジ手段に指定されていない限り、純損益を通じて公正価値で測定され
 ます。デリバティブにかかる利得および損失は純損益に計上されます。デリバティブ契約がキャッシュ・フロ
 ー・ヘッジ関係のヘッジ手段として指定されている場合、デリバティブの公正価値の変動のうちの有効部分は、
 その他の包括利益に累積されます。通貨のベーシス・スプレッドは、キャッシュ・フロー・ヘッジからは区分し
 て会計処理され、その他の資本の構成要素の独立項目であるヘッジコストに計上されます。

IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」

当社グループはIFRS第15号の適用を2018年4月1日に開始しております。IFRS第15号は、顧客とのあらゆる契約か
ら生じる収益の認識について、原則に基づく単一のアプローチを定めております。IFRS第15号は契約上の履行義務
の識別に重点を置いており、履行義務が充足された時点で、または充足されるにつれて、収益を認識することを要
求しています。また、IFRS第15号はより詳細な収益の開示要求を定めています。

新基準の適用による影響の要約は以下の通りです。
・当社グループは医薬品の販売およびその他のサービスにかかる収益を計上しております。これらの取引では、製
 品の出荷時または顧客による受領時点もしくはサービスが履行された時点で、顧客が支配を獲得し、履行義務が
 充足されます。
・当社グループは、知的財産の導出にかかるロイヤルティについて、基礎となる売上が発生した時点で収益を認識
 しております。また、導出した化合物の研究開発等のその他のサービスについて、サービスの提供期間に応じて
 収益を認識しております。
・当社グループの収益は、知的財産権の導出および付与にかかる収益を含んでおり、対価は契約一時金およびマイ
 ルストンとして受領します。契約一時金にかかる収益は、一般的にはライセンスの使用権を付与した時点で認識
 されます。マイルストンにかかる収益は、一般的にはマイルストンの支払条件が達成される可能性が非常に高く、
 認識した収益の額の重大な戻入が生じない可能性が非常に高くなった時点で認識されます。




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 これらの新基準の適用による影響に重要性はありません。当社グループは修正遡及アプローチを選択しておりま
 す。修正遡及アプローチを適用する場合のIFRS第15号の要求事項に従い、2018年4月1日現在の資本に対して累積
 的影響額を調整し、過年度実績の修正再表示は行いません。
 IFRS第15号の適用により、履行義務への収益配分の基礎が異なることから、適用日時点のその他の非流動負債、そ
 の他の流動負債、および繰延税金資産がそれぞれ1,247百万円、495百万円、および414百万円減少し、利益剰余金
 が1,328百万円増加しております。
 なお、当年度において、IAS第18号を適用した場合と比較し、IFRS第15号の適用が連結財務諸表に与える影響は軽
 微であります。

 IFRS第15号の適用の結果、当社グループは関連する会計方針を次のとおり更新、改訂しております。

 製品販売、サービス提供にかかる売上収益は、約束した財およびサービスの支配が顧客に移転し、顧客との契約上
 の約束(履行義務)が充足された時点で認識しております。一般的には、出荷時または顧客による受領時点もしく
 はサービスが履行された時点で収益は認識されます。収益の認識額は、当社グループが財およびサービスと交換に
 受け取ると見込んでいる対価に基づいております。契約に複数の履行義務が含まれる場合、対価は独立販売価格の
 比率で各履行義務に配分しております。
 当社グループが財およびサービスと交換に受け取る対価は固定金額または変動金額の場合があります。変動対価は
 重要な戻入れが生じない可能性が非常に高い場合のみ認識しております。変動対価の最も一般的な要素は次の通り
 です。
・政府機関、卸売業者、小売業者、医療機関およびその他の顧客に対する割戻および値引に関する見積りは、関連
 する売上収益が計上された時点で収益の金額から控除されます。これらは過去の経験および個々の契約の条項を
 基に算定しております。
・現金値引は、関連する売上収益が計上された時点で収益の控除項目として認識されます。
・返品調整引当金は、当社グループの過去の経験から将来の返品見込額を合理的に見積ることができる場合に収益
 の控除項目として認識されます。その際、顧客からの返品に関する過去の経験およびその他の関連する要因を考
 慮して決定された返品見込率が使用されます。返品見込率を請求額に乗じて将来の返品見込額を見積ります。

 当社グループは、知的財産の導出にかかるロイヤルティ、契約一時金およびマイルストンにかかる収益を計上して
 おります。知的財産にかかるロイヤルティ収益は、基礎となる売上が発生した時点で認識しております。契約一時
 金にかかる収益は、一般的にはライセンスの使用権を付与した時点で認識されます。マイルストンにかかる収益
 は、一般的にはマイルストンの支払条件が達成される可能性が非常に高く、認識した収益の額の重大な戻入が生じ
 ない可能性が非常に高くなった時点で認識しております。導出した化合物の研究開発等のその他のサービスにかか
 る収益については、サービスの提供期間に応じて認識しております。


(表示方法の変更)
 当社グループは、当年度の連結財務諸表および主な注記について、より有用な情報を提供することを目的として、
 表示方法の見直しを行いました。これに伴い、比較情報である前年度の連結財務諸表および連結財務諸表注記につ
 いても、本資料において同様の情報を追加して開示するとともに、重要性の低い情報の開示を省略しております。




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(セグメント情報)
 当社グループの報告セグメントは「医薬品事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。


(1株当たり情報)
 当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は以下のと
 おりであります。
                                          前年度              当年度
                                     (自 2017年4月1日      (自 2018年4月1日
                                      至 2018年3月31日)    至 2019年3月31日)

親会社の普通株主に帰属する当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益 (百万円)                       186,886           109,126

1株当たり当期利益の算定に使用する当期利益(百万円)                   186,886           109,126

普通株式の加重平均株式数(千株)                             780,812           961,477
希薄化効果の影響(千株)