4502 武田薬 2020-10-09 08:30:00
COVID-19治療薬候補の高度免疫グロブリン製剤を評価するための臨床第3相試験に第1例目の患者さんを登録 [pdf]

                                                  会社名 武田薬品工業株式会社
                                        代表者 代表取締役社長 CEO クリストフ・ウェバー
                                                   (コード番号 4502 東証第 1 部)
                                     報道関係問合せ先 グローバル コーポレートアフェアーズ

News Release
                                                         小林一三 03-3278-2095
                                              E-mail: kazumi.kobayashi@takeda.com
 2020 年 10 月 9 日




                   COVID-19 治療薬候補の高度免疫グロブリン製剤を評価するための
                           臨床第 3 相試験に第 1 例目の患者さんを登録


当社は、このたび、血漿分画製剤で世界をリードする製薬会社が協業し、新型コロナウイルス感染症
(COVID-19)による重篤な合併症リスクを有する患者さんに対する治療薬となり得る血漿分画製剤を開発す
る CoVIg-19 Plasma Alliance(以下「CoVIg-19 アライアンス」)が、高度免疫グロブリン製剤の有用性を評価す
るための臨床第 3 相試験において、第 1 例目の患者さんが登録されたことを確認したと公表しましたので、お
知らせします。当社は、CoVIg-19 アライアンスを創設した企業の 1 つです。詳細は、添付のプレスリリースを
ご覧ください。



                                                                               以上
2020 年 10 月 9 日

                   COVID-19 治療薬候補の高度免疫グロブリン製剤を評価するために
                      NIH が実施する臨床第 3 相試験に第 1 例目の患者さんを登録


 •   アライアンスのもと共同で開発が進められる COVID-19 の治療を目的とした高度免疫グロブリン製剤
     (CoVIg-19)は、臨床試験において評価中の段階にあり、COVID-19 により重篤化リスクのある入院患者
     さんを対象とした最も早く承認を得る治療法の一つになる可能性
 •   CoVIg-19 アライアンスは、COVID-19 から回復した方に血漿提供を検討いただけるよう呼びかけ ※1

 CoVIg-19 Plasma Alliance(以下「CoVIg-19 アライアンス」)は、このたび、米国国立衛生研究所(NIH)の米国
 国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が実施する臨床第 3 相試験「Inpatient Treatment with Anti-
 Coronavirus Immunoglobulin(ITAC)」において、患者さんが登録されたことを確認しましたので、お知らせしま
 す。CoVIg-19 アライアンスは、血漿分画製剤で世界をリードする製薬会社が協業し、業界以外のグローバル
 組織も支援する前例のない取り組みです。ITAC 試験では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により重
 篤化リスクのある患者さんを治療できる可能性のある、抗コロナウイルス高度免疫グロブリン静注製剤(H-Ig)の
 安全性、忍容性、有効性を評価します。成功すれば、アライアンスで取り組んでいる H-Ig が、入院が必要な
 COVID-19 患者さんを対象とした最も早く承認を得る治療選択肢の一つになる可能性があります。


 ITAC 試験は、国際多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験で、米国やメキシコ、その他 16 カ国の 5
 大陸にわたる最大 58 施設において実施されます。発症後 12 日以内で、生命を脅かすような臓器障害や終
 末臓器不全のない成人の COVID-19 入院患者 500 人が登録される予定です※2。標準治療としてレムデシビ
 ルが投与され、さらに H-Ig が投与された時の安全性と有効性が評価されます。治験に使われる H-Ig は、
 CoVIg-19 アライアンスより CSL Behring および武田薬品工業株式会社(以下「武田薬品」)が提供するほか、
 他 2 社からも提供される予定です。


 武田薬品の Plasma-Derived Therapies Business Unit の President であり、CoVIg-19 アライアンスの共同リー
 ダーである Julie Kim は、「この取り組みを始めてわずか数か月で、臨床試験に患者さんを登録するという重要
 な節目を迎えることができました。この急速な進展は、COVID-19 パンデミックと闘うために、バイオメディカル・
 コミュニティ全体で協力し、決断し、イノベーションを生み出したからこそ成し得たことです。この臨床試験によ
 り、CoVIg-19 アライアンスの H-Ig がどのように重要な治療オプションとなり得るのか理解することができます。
 私たちは、COVID-19 から回復したすべての方に、血漿を提供し、この取り組みを支援いただけるよう呼び掛
 けています※1。回復者の方からの血漿には、この病気と闘い抜いた貴重な抗体が含まれており、同じ病気で苦
 しむ人を救える可能性があります」と述べています。


 CSL Behring の Executive Vice President, Head of Research and Development and Chief Medical Officer であ
 り CoVIg-19 アライアンスの共同リーダーである Bill Mezzanotte は、「4 月に CoVIg-19 アライアンスを結成した
 とき、私たちの目標は、連携することにより COVID-19 の影響を受けている人々に一日でも早く、信頼性が高く


                                                                                                    1
安定供給可能な治療オプションを開発・提供すること、また目下のパンデミックと闘う世界中の国々を支援する
ことでした。CoVIg-19 アライアンスにおけるメンバー企業間の前例のない連携、自らの血漿を提供する選択を
してくださった回復者の皆さんの協力、および NIH からの強力な支援により、私たちは、年内にも本臨床試験
の結果が出るものと期待しています。臨床試験が成功すれば、本治療薬は、COVID-19 により重大な健康上
の影響を受ける人々に新たな希望をもたらす可能性があります」と述べています。


ITAC 試験の詳細については、ClinicalTrials.gov をご覧ください。

※1
     日本において、COVID-19 から回復した方の血漿収集は実施しておりません。
※2
     NIH の International Network for Strategic Initiatives in Global HIV Trials(INSIGHT)の枠組みで実施されます。




CoVIg-19 Plasma Alliance (CoVIg-19 アライアンス)について
COVID-19 パンデミックとの闘いに対処するため、COVID-19 による重篤な合併症のリスクを有する人を対象と
した血漿分画製剤の開発を目的に、2020 年 4 月に結成されました。CoVIg-19 アライアンスでは、血漿分画製
剤で世界をリードする製薬会社が集まり、COVID-19 による重篤な合併症のリスクを有する患者さんの治療薬
となり得るノーブランドの抗 SARS-CoV-2 ポリクローナル高度免疫グロブリン製剤の開発に取り組んでいます。
高度免疫グロブリン製剤は、COVID-19 から回復した方から提供された血漿から精製され、一定量かつ高濃
度の抗体を含有する高品質の医薬品です。CoVIg-19 の「Ig」は抗体である免疫グロブリン(immune globulin)
を表し、CoVIg-19 アライアンスでは、免疫グロブリン(抗体)を治療候補薬に濃縮する取り組みが行われていま
す。CSL Behring と武田薬品によって結成された CoVIg-19 アライアンスには、創設当初からのメンバーである
Biotest、BPL、LFB、Octapharma に加え、ADMA Biologics、BioPharma Plasma、GC Pharma、Liminal
BioSciences、National Bioproducts Institute、Sanquin といった追加メンバーからの、最先端の専門知識が集結
しています。また、ビル&メリンダ・ゲイツ財団がアドバイザーとして支援しており、Microsoft が CoVIg-19 アライ
アンスのウェブサイトやドナー募集のための「Plasma Bot」などの技術を提供しています。Pall や Uber Health
などの組織も CoVIg-19 アライアンスに協力しています。CoVIg-19 アライアンスの専門家たちは、血漿採取、
臨床試験、製造などの主要な活動において協力しています。


                                                                                                       以上




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