4471 三洋化成 2021-05-10 11:00:00
2020年度 決算の概要 [pdf]
'21-5-10
三洋化成工業株式会社
2021年3月期 決算の概要
1.経営成績
(1)連結売上高は、原料価格下落に伴う製品価格改定により、前期比107億円減(6.9%減)の
1,448億円となりました。
(2)利益面では、売買スプレッドの改善はありましたが、高付加価値製品の販売数量減少により、連結
営業利益は前期比5億円減(4.1%減)の119億円となりました。連結経常利益は為替差益の
良化はありましたが、持分法投資損益の悪化により、前期比7億円減(5.6%減)の120億円と
なりました。親会社株主に帰属する当期純利益は経営統合中止に伴う損失や減損損失の発生があり
ましたが、APB株式会社の持分法適用による持分変動利益の計上により、前期比3億円減(5.0%
減)の73億円となりました。
(単位:億円)
連 結 2/4公表
前期比 '21年3月期
'20年3月期 '21年3月期
増減 伸び率(%) 業績予想
売 上 高 1,555 1,448 △107 △6.9 1,400
営 業 利 益 124 119 △5 △4.1 115
経 常 利 益 127 120 △7 △5.6 120
親会社株主に帰属する当期純利益 77 73 △3 △5.0 70
R O E (%) 6.0 5.4 △0.6 - -
2.セグメント別連結売上高
(単位:億円)
'20年3月期 '21年3月期 前期比
売上高 構成比(%) 売上高 構成比(%) 増減 伸び率(%)
生 活 ・ 健 康 産 業 関 連 537 34.5 543 37.5 6 1.1
石油・輸送機産業関連 428 27.5 373 25.8 △55 △12.8
プラスチック・繊維産業関連 215 13.8 208 14.4 △7 △3.0
情報・電気電子産業関連 210 13.5 171 11.8 △39 △18.5
環境・住設産業関連他 166 10.7 152 10.5 △13 △8.0
合 計 1,555 100.0 1,448 100.0 △107 △6.9
3.セグメント別連結営業利益
(単位:億円)
前期比
'20年3月期 '21年3月期
増減 伸び率(%)
生 活 ・ 健 康 産 業 関 連 15.9 32.0 16.0 100.9
石油・輸送機産業関連 37.4 33.7 △3.8 △10.0
プラスチック・繊維産業関連 30.0 27.1 △3.0 △9.9
情報・電気電子産業関連 29.4 14.4 △15.0 △51.0
環境・住設産業関連他 11.7 12.3 0.6 5.2
合 計 124.4 119.3 △5.1 △4.1
- 1 -
4.連結営業利益の増減分析(前期比)
(億円) 前期比:▲5.1億円
250 製品・原料売買バランス その他利益増減要因
+22.4億円 ▲27.5億円
200 '20年3月期
実績累計 ’21年3月期
営業利益 実績累計
150 営業利益
▲59.5
▲4.0
85.9 ▲25.6
100 ▲2.0 0.1
124.4 119.3
50
0
原料 製品 為替効果 数量・商品 コストダウン 固定費等
価格効果 価格効果 構成効果
5.連結海外売上高の推移
海外売上高比率(%)
売上高(億円) 海外生産高比率(%)
1,200 38.1 38.7 43.9 50
40
1,000 30 合計
28.5 20
800 22.3 24.0 10 その他
636
615 602 30 0
600 52 26 68 アメリカ
79 90 -10
400 -20
269 290 345 -30 中国
200 -40
アジア
214 196 191 -50
(中国除く)
0 -60
'19年3月期 '20年3月期 '21年3月期
6.配当の状況
2021年3月期の期末配当は、2月4日に公表の通り1株当たり80円(年間150円)とさせていただく
こととしました。また、次期の中間配当および期末配当は、株主への一層の利益還元を図る観点から、1株当
たり5円増配し、85円といたします。
1株当たり配当金(円) 配当性向
中間 期末 年間 (連結)
2018年3月期 55.0 55.0 110.0 26.2%
2019年3月期 60.0 65.0 125.0 51.5%
2020年3月期 70.0 70.0 140.0 40.2%
2021年3月期 70.0 80.0 150.0 45.4%
2022年3月期(予想) 85.0 85.0 170.0 41.6%
7.2022年3月期業績予想(連結)
新型コロナウィルス感染症用のワクチン開発・接種が進み、世界経済の改善が予測されてはおりますが、原料
価格動向や為替動向など予断を許さない状況が続くと予想されます。このような状況のもと、当社グループの
2022年3月期の連結業績については、高付加価値製品の拡販等により、売上高1,700億円、営業利益
135億円、経常利益135億円、親会社株主に帰属する当期純利益90億円を見込んでおります。
(単位:億円)
前期比
'22年3月期
増減 伸び率(%)
売 上 高 1,700 252 17.4
営 業 利 益 135 16 13.1
経 常 利 益 135 15 12.5
親会社株主に帰属する当期純利益 90 17 23.6
R O E (%) 6.4 1.0 18.5
<業績予想の前提条件> 為替レート:108円/$、国産ナフサ価格:46千円/KL
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8.主な設備投資と減価償却費
(1)設備投資額(検収ベース)、減価償却費の推移
(単位:億円)
連 結
'22年3月期
'21年3月期 (注)2020年度設備投資額は、生産部門の
(予定)
設備投資額 101 157 効率化・合理化、保守・保安・環境対応、
減価償却費 96 94 SAPシステム導入等により増加。
(2)主な設備投資(検収ベース)
(単位:億円)
'23年
'20年 '21年 '22年
投資アイテム 稼働時期 総投資額 3月期
3月期 3月期 3月期
以降
単体 界面活性剤製造設備 2022年7月 5 - - - 5
基幹業務システム 2023年4月 60 - 11 31 18
サンヨーカセイ(タイランド) 帯電防止剤製造設備 2022年4月 36 5 20 9 1
界面活性剤製造設備 2023年7月 10 - 3 7
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9.トピックス
(1)組織再編およびサステナブル経営委員会の設置、ならびに国連グローバル・コンパクトへの
加盟について
当社は、経営判断・意思決定のスピードを加速させるとともに、より一層の高付加価値製品へ
のシフトと顧客目線での事業活動を加速させるため、2021 年 4 月 1 日付にて組織再編を実施しま
した。新たに社長直轄組織として4事業本部(界面活性剤事業本部、高機能マテリアル事業本部、
ウレタン材料事業本部、インダストリアル事業本部)を新設し、これまでの3事業本部(潤滑油
添加剤事業本部、画像材料事業本部、バイオ・メディカル事業本部)と合わせ、事業セグメント
ごとに全7事業本部体制としました。各事業本部長への権限委譲を進め、営業・研究一体運営に
よる経営スピードの加速により、製品性能の向上、持 続 可 能 な 社 会 の 実 現 に 貢 献 す る 製品・
サービスを提供する等、顧客への価値提供の高度化を図るとともに、各事業の収益向上を図って
まいります。
加えて副社長直轄組織として5本部(経営企画本部、事業企画本部、エネルギー事業推進本部、
人事本部、レスポンシブル・ケア本部)を配置し、全社戦略立案の一元化、既存事業の変革およ
び新規事業の開拓加速を推進します。
また、これまで当社は、
「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」を社是に掲げ、環境・社会・
経済における持続可能性に配慮したサステナブル経営を実践してきましたが、当社グループの社
会的価値と経済的価値を好循環で創出し、持続的な成長に資する施策を検討・提案するため、2021
年 4 月 1 日にサステナブル経営委員会を設置いたしました。同委員会は社長を委員長とし、経営
企画本部長および経営企画本部に新設した価値創造推進部が事務局となって運営する、取締役会
の下部組織となります。創業以来、大切にしてきた社是を再定義するなど、当社の創出する価値
を全社で共有することにより、全従業員が誇りを持ち、働きがいを感じるユニークでグローバル
な企業グループに成長し、ステークホルダーや国連等グローバル組織との連携、コミュニケーシ
ョンを図りながら、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長に努めてまいります。その取り組
みの一つとして、本年3月に国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト」に署名しまし
た。「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野からなる「国連グローバル・コンパクト原則」
を支持・実践することで、サステナブル経営をより一層推進してまいります。
(2)再生可能エネルギーの利用拡大に向けて(新型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の事業化)
当社は、持分法適用会社である APB 株式会社(以下、APB)とともに次世代型リチウムイオン
電池「全樹脂電池」の開発を行ってきました。APB はこれまでの資金調達に加えて、当社(追加
出資)および新東工業株式会社および三菱 UFJ キャピタル 7 号投資事業有限責任組合を引受先
とする第三者割当増資により、累計で 100 億円の資金調達を実現しました。この資金は、今秋の
操業開始を目指している全樹脂電池の第一工場(APB 福井センター 武生工場)の設立・運営な
ど、全樹脂電池の量産技術の確立、製造販売に向けての投資に充当されます。
全樹脂電池の事業化に向けては、昨年 12 月に、 とソフトバンク株式会社の子会社である HAPS
APB
モバイル株式会社が、成層圏の通信プラットフォーム「HAPS」向けに、高いエネルギー密度の蓄
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電池を開発することを目的に協業することで基本合意しました。HAPS は、成層圏に位置する通信
プラットフォームで、インターネット環境が整っていない地域に対しても、成層圏から LTE や
5G などのモバイルインターネットを提供することができます。HAPS 向け無人航空機は大型の無
線機を搭載して長期間サービスを提供することを想定しており、搭載される蓄電池には高い異常
時信頼性と大容量かつ軽量化が求められ、全樹脂電池での実現を目指します。
また、当社と APB ならびにグンゼ株式会社(以下、グンゼ)は、全樹脂電池の樹脂集電体の量
産化に向け、最適な生産および供給体制の構築を目指すことを覚書にて締結しました。樹脂集電
体は、全樹脂電池の高い異常時信頼性の実現に不可欠な電極の構成部材であり、グンゼのフィル
ム製造技術をベースに、三社で共同開発を進めてきました。これまでに各種評価を通じて全樹脂
電池の基本特性を確保することができており、現在は製品仕様の確定に向けた取り組みを推進し
ています。
当社は引き続き、全樹脂電池に経営資源を投入し、APB の事業基盤の強化・発展を全面的に支
援し、全樹脂電池を用いた蓄電を一例とする再生可能エネルギーの利用拡大などを通じ、持続可
能な社会の実現に積極的に貢献してまいります。
(3)株式会社ファーマフーズとの資本業務提携について
当社は、株式会社ファーマフーズ(以下、ファーマフーズ)との間で資本業務提携を行うこと
を発表しました。ファーマフーズは、
「医薬」
(Pharmaceuticals)と「食」
(Foods)の融合を実現
するため、
「機能性素材」
「バイオメディカル」
「通信販売」の3事業において、機能性食品、化粧
品、抗体医薬品などの研究開発及び販売をしております。ファーマフーズとの資本業務提携によ
り、両社が注力分野としている化粧品、医薬品などの研究開発及び販売において収益拡大を図る
とともに、両社の異分野の技術融合を目指したオープンイノベーションの促進及び顧客ネットワ
ークの相互活用による新規事業の創出や、隣接する当社・桂研究所及びファーマフーズが共同で
行う京都大学桂キャンパス及び周辺地域への社会貢献活動を通じて、企業価値向上を目指します。
本業務提携を進めるにあたり、両社が互いの株式を持ち合うことが、双方の企業価値に対する利
害関係を強め、本業務提携を推進する原動力になるものと判断し、両社が互いの普通株式を総額
200 百万円を目安に市場買付の方法により取得しました。
(4)ダイバーシティ&インクルージョンの推進について
当社では、多様な人材の活躍こそが企業のさらなる発展、さらには社会への貢献に繋がるもの
という信念のもと、従業員の多様性・人格・個性を尊重し、多様な人材が活躍できる企業を目指
して、従業員が働きやすい環境・体制の整備に努めています。当社は早くから女性活躍推進とし
て「仕事」と「育児」の両立・活躍支援策を中心に、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
2007 年には京都で初めて厚生労働省より「くるみん」の認定を受け、更には法定を上回る育児休
業制度や職場環境整備するなど取り組みを加速させた結果、2017 年度にはより高い水準の取り組
みを行った企業が受けられる「プラチナくるみん」の認定を受けています。
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これら女性活躍推進に加えて、2018 年からは LGBTQ などの性的マイノリティへの理解を深める
活動を始めています。これまでに社内外の相談窓口設置、社内規定・制度の改定に加え、性別を
問わずだれでも利用できる「だれでもトイレ」を設置するなど制度・設備面の改革を進めてきま
した。2020 年 8 月には LGBTQ 当事者で LGBTQ に関する啓発活動を行っている YouTuber のかずえ
ちゃんを仲間に迎え、社内外のイベントへ積極的に参加してもらうことを通して、当社従業員の
LGBTQ に関する理解を促進させ、社内風土改革を推進しています。このような活動が評価され、
企業等における LGBTQ 等に関する取り組みを評価する指標である「PRIDE 指標」において、2年
連続で最高評価の「ゴールド」を受賞することができました。当社では、これからも多様な価値
観を尊重する、だれもが働きやすい職場づくりを推進してまいります。
(5)健康経営の推進について
当社グループでは、従業員全員が自分らしさを大切にしながら、働きがいを持っていきいきと
働くことができる職場環境づくりを経営重点事項と位置づけ、服装の自由化やコアタイムなしの
スーパーフレックスの導入、在宅勤務やテレワークなどの働き方改革やダイバーシティ&インク
ルージョンの推進などさまざまな意識改革、制度改革への取り組みを推進しています。その一環
として、従業員の心身の健康促進に関する様々な取り組みや活動を重要な経営課題の一つと位置
づけ、
「健康経営」を推進してきました。 2020 年度からは「健康経営」の推進をさらに加速する
ために、会社・労働組合・健康保険組合が三位一体となり推進体制を整備するとともに、社長を
筆頭に経営幹部が参画する「健康推進会議」を立ち上げ、各事業所の労使代表者との情報・意識
の共有化を図っております。また各事業所に「経営推進チーム」を立ち上げて、全従業員が参画
した取り組みとなるよう意識しながら、活動を進めております。
経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において、2019 年
から3年連続で「健康経営優良法人(ホワイト 500)
」に認定されており、このような健康経営の
取り組みが浸透し根付きつつある現状が評価にも繋がったものと考えております。今後も、社内
での活動を活発化させる等、全従業員が参画した取り組みとなるよう意識しながら、様々なアプ
ローチを積極的に進めてまいります。
(6)代表取締役の異動(社長交代)の内定について
2021 年 2 月 26 日開催の取締役会において、代表取締役の異動(社長交代)を内定しました。
現 代表取締役社長の安藤孝夫が退任し、新 代表取締役社長には、現 代表取締役副社長の樋口章
憲が就任する予定です。現 代表取締役社長の安藤は、2011 年の代表取締役社長就任以来「グロ
ーバルに、ユニークな優良企業グループ」を目指し、業績の向上を図るとともに、従業員一人ひ
とりが自分らしさを大切にしながら誇りと働きがいを感じることができるよう、多様な価値観を
尊重する職場環境づくりを進めてまいりました。新たな経営体制のもとで、これまで築いてきた
安定的な収益体制と企業風土を進化させ、すべての部門、全従業員がモチベーションを高め、働
きがいを感じられる「ワクワクする会社」を作り上げ、企業価値のさらなる向上を目指します。
退任する安藤は、新たに代表権を有さない取締役会長に就任する予定です。なお、正式には、2021
年 6 月開催予定の定時株主総会及びその後の取締役会の決議で決定いたします。
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