4471 三洋化成 2020-11-06 11:00:00
2020年度第2四半期(4-9月)決算の概要 [pdf]

                                                                       '20-11-6

                                                                 三洋化成工業株式会社


                2020年度第2四半期(4-9月) 決算の概要

1.経営成績

 (1)連結売上高は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響を受けた景気の急激な悪化による
    販売数量の減少や原料価格の下落に伴う製品価格の改定等により、前年同期比15.4%減の659億
    円となりました。
 (2)売上高の減少などにより、連結営業利益は前年同期比22.1%減の46億円となりました。
    連結経常利益は、持分法投資利益の減少により、前年同期比25.8%減の44億円となりました。
    親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比38.6%減の23億円となりました。

                                                               (単位:億円)
                                                 連 結
                                  2019年度   2020年度        前年同期比
                                 第2四半期累計 第2四半期累計       増減    伸び率(%)
  売    上    高                       779      659       △120   △15.4
  営  業  利  益                          59         46     △13      △22.1
  経  常  利  益                          59         44     △15      △25.8
  親会社株主に帰属する当期純利益                     38         23     △15      △38.6
  R  O  E  (%) (※)                   5.9      3.6       △2.3      -
 ※利益を年換算し算出



2.セグメント別連結売上高
                                                                        (単位:億円)
                       2019年度 第2四半期累計      2020年度 第2四半期累計             前年同期比
                         売上高      構成比(%)    売上高       構成比(%)     増減        伸び率(%)
 生 活 ・ 健 康 産 業 関 連        265       34.0     258        39.1          △7     △2.8
 石油・輸送機産業関連               217       27.8     158        24.0      △58      △26.9
 プラスチック・繊維産業関連           108       13.9         95     14.4      △13      △12.1
 情報・電気電子産業関連              106       13.7         82     12.4      △24      △23.0
 環境・住設産業関連他                 83      10.6         66     10.0      △17      △20.3
      合    計              779     100.0      659       100.0     △120      △15.4



3.セグメント別連結営業利益
                                                (単位:億円)
                        2019年度    2020年度      前年同期比
                       第2四半期累計 第2四半期累計      増減        伸び率(%)
 生 活 ・ 健 康 産 業 関 連         7.6      15.4      7.8      103.7
 石 油 ・ 輸 送 機 産 業 関 連      17.8      11.1     △6.7      △37.6
 プラスチック・繊維産業関連           14.4       9.9     △4.5      △31.4
 情報・電気電子産業関連              14.5       5.7     △8.8      △60.6
 環境・住設産業関連他                4.8       3.9     △0.9      △18.9
      合    計              59.1      46.0   △13.1       △22.1




                                  - 1 -
4.連結営業利益の増減分析(前年同期比)

  (億円)                                              前年同期比:▲13.1億円

 150
                                 製品・原料売買バランス                            その他利益増減要因
                                    +11.2億円                               ▲24.3億円
 120
             2019/2Q                                                                               2020/2Q
             実績累計                                                                                  実績累計
  90                                   ▲34.3                                                       営業利益
             営業利益             45.9
  60                                                ▲0.4                                  9.9
                                                                ▲33.9
  30          59.1                                                             ▲0.3                   46.0
   0
                           原料           製品         為替効果         数量・商品       コストダウン      固定費等
                          価格効果         価格効果                     構成効果



5.連結海外売上高の推移
                                                                                      海外売上高比率(%)
 売上高(億円)                                                                              海外生産高比率(%)
  1,000                 38.3                     39.1                     42.1           50
                                                                                         40
                                                                                         30     合計
       800                                                                               20
                                                                        29.4             10
                       24.3                      23.8                                           その他
       600                                                                               0
                                                                                         -10
                        298                      303                      277            -20    アメリカ
       400                                                                               -30
                        11                       14                      12              -40
                        48                        42                      30                     中国
       200                                                                               -50
                        144                      145                     154             -60    アジア
                        94                       101                                     -70
         0                                                               79              -80
                                                                                                (中国除く)

                       '19/4-9                 '19/10-3                 '20/4-9


6.配当の状況
  中間配当は予定通り1株当たり70円実施いたします。期末配当も1株当たり70円を予定しており、
  年間で140円の配当を予定しております。

                                            1株当たり配当金(円)                           配当性向
                                       中間       期末      年間                        (連結)
        2016年度                         45.0          55.0        100.0             21.6%
        2017年度                         55.0          55.0        110.0             26.2%
        2018年度                         60.0          65.0        125.0             51.5%
        2019年度                         70.0          70.0        140.0             40.2%
        2020年度                         70.0          70.0        140.0             44.1%
                                                    (予想)                          (予想)
(注)2016年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合しております。これに伴い、
   上表の配当金額は株式併合後の数値に換算し記載しております。

7.2020年度業績予想(連結)
  2020年7月31日に公表した、連結業績予想に対する当第2四半期累計業績の進捗率は下表の通りです。
  株式会社日本触媒との経営統合の中止、および経営統合に係る最終契約の合意解約に伴い計上する費用等、
  業績への影響は精査中です。

                                                                 (単位:億円)
                                            第2四半期累計            年間累計
                                      連結実績  連結業績予想 進捗率(%) 連結業績予想 進捗率(%)
   売  上  高                              659     660  99.9   1,400    47.1
   営 業 利 益                               46      45 102.2     115    40.0
   経 常 利 益                               44      47  93.1     120    36.5
  親会社株主に帰属する
                                         23                26     89.6                 70       33.3
     当期純利益
<業績予想の前提条件>                          為替レート:108円/$、
                                     国産ナフサ価格:上期:28千円/KL、下期:31千円/KL

                                                   - 2 -
4.連結営業利益の増減分析(前年同期比)
8.主な設備投資と減価償却費

  (1)設備投資額(検収ベース)、減価償却費の推移
                   (単位:億円)
                         連 結
                  2019年度     2020年度
                第2四半期累計 第2四半期累計
    設備投資額             36          42
    減価償却費             44          47



  (2)主な設備投資(検収ベース)
                                                                       (単位:億円)
                                                        2019   2020   2021   2022
               投資アイテム                  稼働時期      総投資額   年度     年度     年度     年度
    サンヨーカセイ(タイランド) 永久帯電防止剤製造設備        2022年4月     36      5    19     12       0
    単体          界面活性剤製造設備              2022年7月      5      -      0      1      4




9.トピックス

  (1)化粧品ブランドを立上げ中国での販売にチャレンジ

     当社は化粧品業界向けの事業を強化するため、2018年5月に全社横断型の社長直轄プロジェクト
    『Sanyo Skin Coffret』プロジェクトをスタートさせました。当社保有技術の市場優位性を確認すると
    ともに、市場トレンド・ニーズを独自に翻訳し、必要に応じて技術の融合・強化、さらには新規技術を
    導入することにより、保湿や乳化などといった機能に加え、官能面での提案など、総合的に魅力的なソ
    リューション(素材・処方)の提案に努めてまいりました。
     こうした成果を得て『Sanyo Skin Coffret』プロジェクトを発展的に解散させ、この10月にBeauty
    & Personal Care部を新設しました。当部では、パーソナルケア事業の育成や新しい高付加価値化粧品原
    料の市場開拓を推進するとともに、化粧品ブランドを立上げて中国での販売事業にチャレンジします。
    この事業では、当社がスポンサー契約をしている女子プロゴルファーの石姉妹を化粧品ブランドの使用
    モデルとして、インフルエンサーに起用します。
     当社は引き続き、化粧品分野で今までにない新しい価値の創出に貢献していきます。
                                          前年同期比
  (2)「新医療機器」かつ「高度管理医療機器(クラスⅣ)」に分類される日本発の医療機器が欧州のCE
       マーキング取得
     当社が製造し、医療機器メーカーのテルモ(株)が販売する中心循環系非吸収性局所止血剤「マツダ
    イト(ペットネーム:Hydrofit®(ハイドロフィット))」の海外展開を本格化します。海外向け販売名
    「AQUABRID®」として、EU全域で流通が可能となるCEマーキングを本年7月29日付で取得し、10月より
    テルモヨーロッパ社が欧州での販売を開始しました。
     AQUABRID®のCEマーキング取得は、当社のバイオ・メディカル事業の海外展開に重要なマイルストーン
    となります。本取得により、AQUABRID®は欧州市場での販売が可能となっただけでなく一部の中東やアジ
    ア等、EU加盟国以外の地域での薬事申請も行いやすくなります。これを機に、当社はバイオ・メディカ
    ル事業の海外展開を本格化し、国内だけでなく、海外においても医療の発展と人々の健やかな暮らしの
    実現に貢献してまいります。                 前年同期比

  (3)一般財団法人三洋化成社会貢献財団を設立

     当社は2019年11月に創立70周年を迎えるに当たり、次世代人材の育成支援および環境保全、
    芸術・文化等の分野における社会貢献の支援を目的として一般財団法人三洋化成社会貢献財団を設立し
    ました。
     当財団は、長期的かつ継続的に、幅広く社会に貢献するため、日本全国および海外諸国・地域におい
    て、「化学を中心とした学術振興への支援」、「人材育成の支援」、「京都を中心とした芸術・文化等の保護
    活動への支援」、「環境保全活動への支援、協力」等の事業を行うものです。
     地球規模での環境保全と社会の持続的発展が求められる中、三洋化成グループは、さらに多様な技術
    とパフォーマンス・ケミカルスを開発していくとともに、この財団を通じて「よき企業市民」として社
    会に貢献するグローバル企業グループを目指してまいります。

                                  - 3 -                        以 上
9.トピックス


(1)株式会社日本触媒との経営統合中止について
   株式会社日本触媒と当社は、2019 年 11 月 29 日付「株式会社日本触媒と三洋化成工業株式会社
  との共同株式移転による経営統合に関する最終契約締結のお知らせ」および 2020 年 4 月 13 日付
  「株式会社日本触媒と三洋化成工業株式会社との共同株式移転による経営統合の延期および株式
  移転比率の見直しに関するお知らせ」で公表いたしましたとおり、
                               共同株式移転の方式により 2021
  年 4 月1日付で両社の親会社となる「Synfomix 株式会社」を設立し、経営統合を行うことで合意
  しておりましたが、2020 年 10 月 21 日開催のそれぞれの臨時取締役会において、本経営統合を中
  止することを決議し、両社の合意により本経営統合に係る最終契約を同日付で解約いたしました。
   最終契約の締結以降、原材料価格や製品価格の著しい変動が見られ、また製品需要の先行き不
  透明感が増すなど、両社を取り巻く事業環境が急速にかつ大きく変化したことで、経営統合を実
  施することが困難になったとの認識に至りました。そして、現在の事業環境に鑑みたそれぞれの
  会社が持つ優位性を独自に発揮していくことが、両社の企業価値向上につながると判断いたしま
  したので、本経営統合を中止し、本経営統合に係る最終契約を解約することに合意いたしました。
   本経営統合は中止となりますが、両社は引き続き様々な面で良好な関係を維持して参ります。


(2)新型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の事業化に向けて
   当社は、関係会社である APB 株式会社(以下 APB)とともに新型リチウムイオン電池「全樹脂
  電池」の開発を行っており、APB は 2020 年 3 月に発表した計7社からの資金調達に加えて、豊田
  通商株式会社を引受先とする第三者割当増資により追加資金を調達しました。この資金を元に、
  APB は福井県越前市において全樹脂電池の量産化のために用地と建物を取得し、2021 年秋の操業
  開始を予定しております。世界初の全樹脂電池の商業化へ向け、量産化技術の早期確立を目指し、
  開発を加速してまいります。
   またこのたび、川崎重工業株式会社(以下 川崎重工)が開発する自律型無人潜水機(AUV)の
  動力源に APB と川崎重工が共同で開発している耐水圧型の全樹脂電池を搭載し、2020 年 7 月に実
  証実験を開始しました。すべての部材に樹脂が用いられている全樹脂電池は、部品点数が少なく
  て済むバイポーラ積層型でセルの大型化が可能であり、積層化した際にエネルギー密度が高いと
  いう特徴を持ちます。AUV には電池を搭載できる機体スペースに限りがあるため、エネルギー密
  度が高い全樹脂電池は AUV に適しており、より長時間の走行を可能とします。また、AUV に用い
  る電池は海底での高い水圧環境に耐える必要がありますが、すでに全樹脂電池が耐水圧性を有す
  ることを確認できており、AUV 実機へ搭載しての実証試験に移行しました。
   APB では本実証実験を皮切りに、大型定置用蓄電池向けなど、全樹脂電池の用途展開を促進さ
  せ、将来的には新しい社会インフラとなるよう挑戦を続けていきます。


(3)バイオ・メディカル事業の進捗
   当社は、機能性タンパク質「シルクエラスチン®」の研究開発を進めています。シルクエラスチ
  ン®は細胞親和性が高く弾性に富み、細胞の分化・増殖の足場として適していることから様々な治


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  療への展開が期待されます。京都大学大学院医学研究科形成外科学講座との下腿難治性皮膚潰瘍
  を対象として医師主導治験を行い、その安全性を確認しました。今後は本材料の有効性を確認す
  べく、企業治験を実施し、2022 年秋に新規医療機器としての承認を取得し、2022 年度中の販売開
  始を目指します。また、広島大学大学院整形外科学教室とは、半月板の損傷・変形が一因となる
  変形性膝関節症の“究極の根治”を目指し、共同でシルクエラスチン®を活用した新規医療機器の
  実用化を検討しており、このたび日本医療研究開発機構(AMED)の「産学連携医療イノベーショ
  ン創出プログラム(ACT-M)」に採択されました。今後は、医師主導治験に向けて検証実験を進め
  ていき、低侵襲で根本的な治療法を確立し変形性膝関節症に悩む患者の救済につなげていきます。


(4)脱水性に優れた高吸水性樹脂の開発
   当社の 100%連結子会社である SDP グローバルは、使用済み紙おむつなどの衛生用品の新しい回
  収・リサイクルシステムの構築に向けて、脱水性に優れる高吸水性樹脂(以下 SAP)を開発しまし
  た。近年、一般ごみとして増加しつつある使用済み紙おむつの処理をめぐって、国や民間企業で
  下水道への紙おむつ受入やリサイクルの検討が進められていますが、吸水し膨潤した SAP の脱水
  処理・減容および回収が課題の一つとなっています。当グループの新技術を適用した SAP は、生
  理食塩水に対して、従来品と遜色ない吸水・保水機能を維持しながら、わずか5分で約 75%以上
  脱水することができます。これは従来品と比べて脱水性が約3割向上し、使用済み紙おむつの脱
  水処理時間を短縮でき、廃棄処理能力の向上にもつながります。この脱水性に優れる SAP は効率
  よく処理・減容でき、またリサイクル時に他部材とも分離しやすくなり、この課題解決の一助に
  なるものと考えています。当社は SAP を通して、これらの新しい回収・リサイクルシステムの構
  築を後押しすることで、快適な暮らしおよび環境負荷の少ない社会の実現に貢献していきます。


(5)ダイバーシティ&インクルージョン推進
   当社では、人材の多様化(ダイバーシティ)と、すべての人権を尊重し多様な価値観を受け入
  れ活躍(インクルージョン)できる職場環境の実現に向けた取り組みを進めています。2019 年 1
  月人事本部内にダイバーシティ推進部を発足させ、社内外の研修やセミナーの企画・参加、育児
  支援制度の拡充などの女性活躍推進施策を行ってきました。2017 年 8 月、
                                       「子育てサポート企業」
  としてより高い水準の取り組みを実施している企業の証である「プラチナくるみん」の認定を京
  都労働局より受けました。
   また、LGBTQ などのセクシュアル・マイノリティへの理解を深める取り組みも推進しています。
   2019 年には、この取り組みを評価する指標である PRIDE 指標で最高指標の「ゴールド」を受賞
  しました。2020 年 8 月には LGBTQ 当事者で LGBTQ に関する啓発活動を行っている YouTuber のか
  ずえちゃんを仲間に迎え、社内外のイベントへ積極的に参加してもらうことを通して、当社従業
  員の LGBTQ に関する理解を促進させ、社内風土改革をさらに加速させていきます。今後も多様な
  人材の活躍こそが企業のさらなる発展、さらには社会への貢献に繋がるものとして、意識改革や
  制度改革に取り組んでいきます。




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(6)韓国政府より「産業褒章」を受賞
   当社代表取締役社長である安藤孝夫が、 月 3 日
                     11    (火)に行われた韓国外国企業協会(以下 Korea
  Foreign Company Association・KFCA)が主催する「外国企業の日」記念式典において、韓国政府
  が主管する褒賞の一つである「産業褒章」を受賞しました。産業褒章は、政府褒章の中で産業勲
  章に次ぐ褒章であり、多くの外国企業が存在する韓国において、前年度の投資実績規模や先端技
  術導入など、韓国産業への貢献・功績が認められた外国人投資有功者に対して授与されるもので
  す。
   当社グループは 1987 年に韓国サンノプコ株式会社、2008 年に韓国三洋化成株式会社を設立す
  るなど、韓国との良好な関係を築いてまいりました。2018 年には、当社の主力事業の一つである
  潤滑油添加剤『アクルーブ』シリーズの世界的な需要増に対応するべく韓国三洋化成製造株式会
  社を設立し、来年初め稼働予定の新生産設備を韓国に建設中です。潤滑油添加剤『アクルーブ』
  は、自動車のエンジンオイルやギア油に用いられ、エネルギー消費量の削減に寄与するもので、
  今回の新規投資は SDGs の観点からよりよい社会の実現に貢献するものです。
   当社は今後も韓国にとって信頼できるビジネスパートナーとして、引き続き良好なビジネス関
  係を築いてまいります。




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