4452 花王 2020-04-27 15:00:00
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う事業への影響について [pdf]

                                            2020 年 4 月 27 日
                                               花王株式会社


  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う事業への影響について

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔み申し上げます。
罹患された方々には、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早いご快癒をお祈り申し上げます。
 また、過酷な状況下で献身的に活動されている医療従事者をはじめ、生活必需品の供給に携わられて
いる流通・販売関係者など、この未曽有の局面でご尽力くださっている方々に、敬意と感謝を表します。
 花王グループでは、社員そしてその家族、お取引先・お客さまをはじめとするステークホルダーの安全と
健康の確保を最優先に考慮し、感染症拡大防止に努めています。また、ESG 経営の「S(社会課題の解決)」
の中心テーマである衛生分野の強化において、衛生的な暮らしを守るために、必要な製品の供給と
生活に役立つ情報の発信を、行政・学会・工業会とともに、グループ一丸となって取り組んでいます。
 現時点における、花王グループの状況とリスクなどの概要について、以下の通りお知らせします。

1.事業運営
  新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、世界中で出入国規制や外出制限、店舗の活動
   停止などの措置が取られています。花王グループでも事業を展開している国・地域において、
   現地の政府および自治体の指導に沿った対応をしています。生産活動は概ね予定通りに行う
   ことができていますが、その一方で、ほとんどの拠点で在宅勤務を実施していることで、事業運営の
   一部に影響が出ています。
  すべてのグループ社員とその家族に対し定期的な健康状態の把握、また物的支援などを実施
   しています。
  消毒液、ハンドソープ、漂白剤などの衛生関連製品の増産を進めており、特に大きな需要が発生
   している消毒液については、4 月に日本で大幅な増産体制を確立しました。
  これらの対応は、自社努力だけでなく、お取引先との協業や他企業との支え合いがあって実現し
   ているものです。今後も、政府・行政や工業会、企業と密接に連携しながら事業運営に取り組んで
   まいります。

2.事業への影響
  本日発表した、「2020 年 12 月期 第 1 四半期決算」においては、インバウンド需要減少の影響を
   受けた化粧品事業の売上が減少しましたが、日本とアジアで衛生関連製品が伸長したため、連結
   では売上(実質)・営業利益が前年を上回りました。また、事業活動の一部で停滞がありましたが、
   大きなインパクトにはなっていません。
  日本・アジアのトイレタリー事業においては、衛生関連製品の伸長は継続していますが、新製品や
   UV ケア製品などのシーズン品の展開が予定通り進まず、厳しい状況になってきています。
  化粧品事業では、インバウンド需要の減少に加えて、店舗閉鎖やカウンセリング活動の休止などの
   影響が大きく出てきています。また、世界的な外出制限により、メイクアップ製品も低迷しています。
  欧米に関しては、中心事業の一つであるヘアサロン向け事業がお取引先の店舗閉鎖により、
   ほとんど活動できていない状況になっています。

3.今後の業績の見通し
  厳しい状況が続いていることから、第 2 四半期は当初の計画より大きなマイナスが生じるだけでなく、
 前年と比べても売上・利益ともに非常に厳しい業績になると考えています。
  また、感染症拡大の収束時期や各国・地域の状況を予測することはできませんが、収束に向かった
 としても景気回復には時間がかかることが予想されます。下半期は、昨年、日本で実施された消費税
 率引き上げによる駆け込み需要が 9 月にあったため、今年の第 3 四半期において売上のハードルが
上がっていることもあり、厳しい状況になることが予想され、事業環境は予断を許さない状態が続きます。
 今後は、原油価格の低下に伴うコスト低減が見込め、さらに、あらゆる施策や経費の見直しを行って
いくことにより公表数値の達成を目指します。現時点では連結業績予想を据え置き、第 2 四半期終了
時に状況を見て検討を行う予定です。また、重大な影響が見込まれる場合は速やかに開示します。

4.経営判断基準と特別施策について
  上記のような経営環境のなか、花王グループは、下記3つの経営判断基準の順序をこれまで以上に
 重視し、対応しています。

 1.   社員を守る
 2.   消費者・顧客のニーズに応える
 3.   株主の期待に応える

 社員を守ることは、社員の頑張りにつながり、その結果、社会へのお役立ちと、消費者や顧客のニー
ズに全力で応えることができるようになり、そして最終的には利益ある成長につながります。社員の安
心・安全を確保するには、新型コロナウイルスに感染するリスクを最小限にする働き方に変えるとと
もに、困難に打ち勝つ思い切ったチャレンジができるような収入面での安定化施策を行わなければなり
ません。そこで、出社禁止などの外出規制対策を実施している現況においても、生産・物流・販売等の
事業継続のために出社を要請している社員に対して、「特別要請手当」を支給します。また、会社業績
連動賞与についても、今年度限定で特別施策を行います。これらの施策が、社員のモチベーションや
頑張りにつながり、費用の増加を大きく上回る成果を達成できると考えています。

 今、取り組むべきことは、新型コロナウイルス感染症拡大を抑制することであり、そのために花王グルー
プは企業理念である「花王ウェイ」の使命を実践することに努めてまいります。未曽有の難局ですが、グル
ープ一丸となって取り組んでまいります。

                                             以 上