4452 花王 2020-02-04 15:00:00
2019年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]
2019年12月期 決算短信〔IFRS〕 (連結)
決算短信 連結)
2020年2月4日
上場会社名 花王株式会社 上場取引所 東
コード番号 4452 URL www.kao.com/jp/
代表者 (役職名) 代表取締役 社長執行役員 (氏名) 澤田 道隆
問合せ先責任者 (役職名) 会計財務部門 管理部長 (氏名) 牧野 秀生 TEL 03-3660-7111
定時株主総会開催予定日 2020年3月25日 配当支払開始予定日 2020年3月26日
有価証券報告書提出予定日 2020年3月25日
決算補足説明資料作成の有無:有
決算説明会開催の有無 :有(証券アナリスト、機関投資家向け)
(百万円未満四捨五入)
1.2019年12月期の連結業績(2019年1月1日~2019年12月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は対前期増減率)
親会社の
当期包括利益
売上高 営業利益 税引前利益 当期利益 所有者に帰属する
合計額
当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2019年12月期 1,502,241 △0.4 211,723 1.9 210,645 1.6 150,349 △3.2 148,213 △3.6 146,621 19.0
2018年12月期 1,508,007 1.2 207,703 1.4 207,251 1.4 155,331 4.5 153,698 4.5 123,247 △31.5
基本的1株当たり 希薄化後 親会社所有者帰属持分 資産合計 売上高
当期利益 1株当たり当期利益 当期利益率 税引前利益率 営業利益率
円 銭 円 銭 % % %
2019年12月期 306.70 306.63 17.6 13.5 14.1
2018年12月期 314.25 314.12 18.9 14.4 13.8
(参考) 持分法による投資損益 2019年12月期 2,126百万円 2018年12月期 2,082百万円
(2)連結財政状態
親会社の所有者に 親会社所有者 1株当たり親会社
資産合計 資本合計
帰属する持分 帰属持分比率 所有者帰属持分
百万円 百万円 百万円 % 円 銭
2019年12月期 1,653,919 871,421 857,695 51.9 1,783.46
2018年12月期 1,460,986 835,509 822,360 56.3 1,689.82
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2019年12月期 244,523 △94,266 △126,166 289,681
2018年12月期 195,610 △157,895 △108,579 265,978
2.配当の状況
年間配当金 親会社所有者
配当金総額 配当性向
帰属持分配当率
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 (合計) (連結)
(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2018年12月期 - 60.00 - 60.00 120.00 58,493 38.2 7.2
2019年12月期 - 65.00 - 65.00 130.00 62,621 42.4 7.5
41.8
2020年12月期 (予想) - 70.00 - 70.00 140.00
~43.7
3.2020年12月期の連結業績予想(2020年1月1日~2020年12月31日)
(%表示は、対前期増減率)
親会社の所有者に 基本的1株当たり
売上高 営業利益 税引前利益
帰属する当期利益 当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
1,510,000 0.5 220,000 3.9 220,000 4.4 154,000 3.9 320.22
通期
~1,530,000 ~1.8 ~230,000 ~8.6 ~230,000 ~9.2 ~161,000 ~8.6 ~334.78
(注)2020年12月期より一部の取引において、売上高の認識方法を総額から純額に変更する予定です。前期においても同様の方法による
連結業績予想の売上高増減率は、2.8~4.2%となります。
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) :無
新規 -社 (社名) 、除外 -社 (社名)
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
① IFRSにより要求される会計方針の変更:有
② ①以外の会計方針の変更 :無
③ 会計上の見積りの変更 :無
(注)詳細は、決算短信【添付資料】19ページの「4.連結財務諸表及び主な注記(6)連結財務諸表に関する注記事項(会計方針の変
更)」をご参照ください。
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2019年12月期 482,000,000株 2018年12月期 488,700,000株
② 期末自己株式数 2019年12月期 1,083,466株 2018年12月期 2,043,272株
③ 期中平均株式数 2019年12月期 483,251,577株 2018年12月期 489,089,471株
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
(将来に関する記述等についてのご注意)
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基
づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があ
ります。
業績予想の前提となる仮定及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料2ページから9ページの「1.経営成績・
財政状態に関する概要」をご参照ください。
花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績・財政状態に関する概要 …………………………………………………………………………………… 2
(1)経営成績に関する概要 …………………………………………………………………………………………… 2
(2)財政状態に関する概要 …………………………………………………………………………………………… 8
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 …………………………………………………………… 9
2.経営方針 …………………………………………………………………………………………………………………10
(1)会社の経営基本方針 ………………………………………………………………………………………………10
(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標 ……………………………………………………………10
(3)会社の対処すべき課題 ……………………………………………………………………………………………11
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………………11
4.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………………12
(1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………………12
(2)連結損益計算書 ……………………………………………………………………………………………………14
(3)連結包括利益計算書 ………………………………………………………………………………………………15
(4)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………………16
(5)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………………18
(6)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………………19
(7)継続企業の前提に関する注記 ……………………………………………………………………………………23
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
1.経営成績・財政状態に関する概要
(1)経営成績に関する概要
(当期の経営成績)
1)当期における業績全般の動向
花王グループは、私たちを取り巻く社会情勢や自然環境の大きな変化の中、これからも持続的な成長が可能とな
る基盤構築に向けた新たな挑戦として、ESG経営に大きく舵を切っていくことを宣言しました。2019年4月にESG戦略
「Kirei Lifestyle Plan」を公表し、その活動を本格始動させました。
今後とも当社グループは、利益ある成長を続けるとともに社会のサステナビリティに貢献しながら、企業価値向
上に努めていきます。
注:以下、( )付きの数字はマイナス表示であり、「実質」とは為替変動の影響を除く増減率を表示しています。
親会社の
基本的
所有者に
売上高 営業利益 営業利益率 税引前利益 当期利益 1株当たり
帰属する
(億円) (億円) (%) (億円) (億円) 当期利益
当期利益
(円)
(億円)
2019年12月期 15,022 2,117 14.1 2,106 1,503 1,482 306.70
2018年12月期 15,080 2,077 13.8 2,073 1,553 1,537 314.25
(0.4)%
増減率 1.9% - 1.6% (3.2)% (3.6)% (2.4)%
実質0.7 %
世界景気は、国際的な貿易問題、中東を巡る地政学リスク、アジア各国の経済の先行き不安等により不透明な状
況にあり、日本では10月に実施された消費税率引き上げ後、景気回復が遅れています。
当社グループの主要市場である日本のトイレタリー及び化粧品市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査デー
タによると2019年は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要やその反動減等により大きく変動しましたが、年間を通
してみると金額では堅調に推移しました。いずれのカテゴリーも、Eコマースチャネルの構成がさらに高まり、トイ
レタリー商品の平均単価は、前期に対して2ポイント上昇しました。
このような中、連結業績は10期連続の営業利益の増益、7期連続の営業最高益を達成することができました。
売上高は、前期に対して0.4%減の1兆5,022億円(実質0.7%増)となりました。営業利益は2,117億円(対前期40
億円増)、営業利益率は14.1%となり、税引前利益は2,106億円(対前期34億円増)となりました。当期利益は、
1,503億円(対前期50億円減)となりました。
基本的1株当たり当期利益は306.70円となり、前期の314.25円より7.55円減少(前期比2.4%減)しました。
当社グループが経営指標としているEVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が減少し、前期を61億
円下回り874億円となりました。
なお、2019年4月24日開催の取締役会において、資本効率の向上と株主への一層の利益還元のため、自己株式の取
得を決議し、総額500億円の自己株式を取得しました。また、7月12日に自己株式の消却670万株を実施しました。
当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
(1-3月) (4-6月) (7-9月) (10-12月)
米ドル 110.09 円[ 108.44円] 109.99 円[ 109.08円] 107.32 円[ 111.44円] 108.71 円[ 112.82円]
ユーロ 125.10 円[ 133.23円] 123.58 円[ 130.09円] 119.39 円[ 129.62円] 120.34 円[ 128.76円]
中国元 16.31 円[ 17.04円] 16.13 円[ 17.11円] 15.31 円[ 16.39円] 15.43 円[ 16.31円]
注:[ ]内は前期の換算レート
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
2)当期のセグメント別の動向
〔セグメント別の概況〕
セグメントの業績
売上高 営業利益
通期 増減率 通期
2018年 2019年
2018年 2019年 増減
実質 12月期 12月期
12月期 12月期 (%) (億円)
(%) 利益率 利益率
(億円) (億円) (億円) (億円)
(%) (%)
化粧品事業 2,796 3,015 7.8 9.0 277 9.9 414 13.7 137
スキンケア・ヘアケア事業 3,414 3,408 (0.2) 1.1 488 14.3 495 14.5 7
ヒューマンヘルスケア事業 2,677 2,552 (4.7) (3.5) 279 10.4 172 6.7 (107)
ファブリック&ホームケア事業 3,441 3,595 4.5 4.6 712 20.7 718 20.0 5
コンシューマープロダクツ事業 12,329 12,570 2.0 2.9 1,757 14.3 1,799 14.3 42
ケミカル事業 3,128 2,859 (8.6) (6.6) 306 9.8 308 10.8 2
小 計 15,457 15,430 (0.2) 0.9 2,063 - 2,107 - 44
セグメント間消去又は調整 (377) (407) - - 14 - 10 - (4)
合 計 15,080 15,022 (0.4) 0.7 2,077 13.8 2,117 14.1 40
販売実績
(億円、増減率%)
通期 日本 アジア 米州 欧州 合計
2018年 2,177 347 64 208 2,796
2019年 2,321 427 60 206 3,015
化粧品事業
増減率 6.6 23.2 (5.5) (1.0) 7.8
実質 6.6 29.0 (3.8) 4.9 9.0
2018年 1,958 285 728 443 3,414
2019年 1,995 285 714 413 3,408
スキンケア・ヘアケア事業
増減率 1.9 (0.1) (1.9) (6.7) (0.2)
実質 1.9 1.9 (0.1) (1.4) 1.1
2018年 1,716 960 1 - 2,677
2019年 1,603 948 1 0 2,552
ヒューマンヘルスケア事業
増減率 (6.6) (1.2) 14.7 - (4.7)
実質 (6.6) 1.9 23.3 - (3.5)
2018年 2,987 396 57 1 3,441
2019年 3,077 403 112 3 3,595
ファブリック&ホームケア事業
増減率 3.0 2.0 96.5 128.8 4.5
実質 3.0 2.3 102.4 142.2 4.6
2018年 8,839 1,987 850 652 12,329
2019年 8,996 2,063 888 622 12,570
コンシューマープロダクツ事業
増減率 1.8 3.8 4.5 (4.6) 2.0
実質 1.8 6.7 6.6 0.9 2.9
2018年 1,266 675 518 669 3,128
2019年 1,234 573 461 591 2,859
ケミカル事業
増減率 (2.5) (15.0) (11.1) (11.7) (8.6)
実質 (2.5) (12.8) (10.0) (5.7) (6.6)
2018年 (329) (31) (1) (16) (377)
セグメント間売上高の消去
2019年 (359) (29) (1) (19) (407)
2018年 9,776 2,631 1,368 1,305 15,080
2019年 9,872 2,608 1,349 1,194 15,022
売上高
増減率 1.0 (0.9) (1.4) (8.5) (0.4)
実質 1.0 1.8 0.3 (2.8) 0.7
注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、コンシューマープロ
ダクツ事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。
売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の37.7%から37.0%となりました。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
コンシューマープロダクツ事業
売上高は、前期に対して2.0%増の1兆2,570億円(実質2.9%増)となりました。
消費者の価値観の多様化に対応した新製品・改良品の発売や購買行動の変化に合わせたEコマースの強化等、より
効果的なマーケティング・販売活動に取り組みました。
化粧品事業は継続して順調に売り上げを伸ばし、スキンケア・ヘアケア事業は、ほぼ横ばいに推移しました。ヒ
ューマンヘルスケア事業は、中国市場のおむつ事業が減速した影響を受けました。ファブリック&ホームケア事業
は、日本での新製品・改良品の発売もあり売り上げを伸ばしました。
日本の売上高は、新製品・改良品の発売や消費税率引き上げへの対応等により、前期に対して、1.8%増の8,996
億円となりました。
アジアの売上高は、順調に伸長し、3.8%増の2,063億円(実質6.7%増)となりました。
米州の売上高は、4.5%増の888億円(実質6.6%増)となり、欧州の売上高は、4.6%減の622億円(実質0.9%
増)となりました。
営業利益は、1,799億円(対前期42億円増)となりました。
当社は、【化粧品事業】【スキンケア・ヘアケア事業】【ヒューマンヘルスケア事業】【ファブリック&ホームケ
、 、 、
ア事業】を総称して、コンシューマープロダクツ事業としています。
【化粧品事業】
売上高は、前期に対して7.8%増の3,015億円(実質9.0%増)となりました。
化粧品事業の成長戦略は順調に進んでいます。引き続きアジアは好調を維持し、日本も成長軌道に乗ってきまし
た。グローバル戦略ブランドとして選定した11ブランド「G11」と日本を中心に育成していく8つのリージョナルブ
ランド「R8」は、好調に売り上げを伸ばしました。インバウンド需要に減速感が見られる中、「G11」では「キュレ
ル」や「フリープラス」が日本や中国市場で好調に推移し、「SUQQU」や「ソフィーナiP」も順調に売り上げを伸ば
しました。さらにハイプレステージ領域を強化するため、5月に「SENSAI」を欧州でリブランディングし、好発進し
ました。9月には日本でも販売を開始しました。11月には「est G.P.ライン」、12月には積層型極薄膜形成技術「フ
ァインファイバーテクノロジー」を実用化した製品を提案しました。また、伸長しているEコマースやトラベルリテ
ールを強化するとともに、デジタルマーケティングへのシフトを進めました。
営業利益は、好調なブランドの増収効果等により、414億円(対前期137億円増)となりました。
【スキンケア・ヘアケア事業】
売上高は、前期に対して0.2%減の3,408億円(実質1.1%増)となりました。
スキンケア製品の売り上げは前期を上回りました。日本では上半期に天候不順の影響を受けましたが、全身洗浄
料の新製品「ビオレu ザ ボディ」が順調に売り上げ・シェアを伸ばしました。また、アジアでは堅調に推移しまし
たが、米州では競合の激しい攻勢を受け、売り上げは減少しました。
ヘアケア製品の売り上げは、ほぼ前期並みとなりました。日本のヘアカラ-や米州の高級ヘアサロン向けブラン
ド「Oribe(オリベ)」は好調に推移し、日本や欧州ではプレミアム価格帯のシャンプー・コンディショナー等の新
製品や改良品を発売しました。しかし、ヘアケア製品全体ではマス市場が縮小している影響を受けました。
営業利益は、495億円(対前期7億円増)となりました。
【ヒューマンヘルスケア事業】
売上高は、前期に対して4.7%減の2,552億円(実質3.5%減)となりました。
ベビー用紙おむつ「メリーズ」の売り上げは減少しました。日本では、中国市場への転売を目的とした需要が前
期に比べて大幅に減少しました。越境Eコマースを含めた中国市場では、売り上げは回復傾向にありますが、前期を
下回りました。一方、インドネシアでは、中間所得層向けの現地生産品が好調に推移しました。また、ロシアやそ
の周辺国でも消費者に広く受け入れられました。
生理用品「ロリエ」は、日本では高付加価値品が好調で、売り上げ・シェアを伸ばし、花王中国では新規取扱店
の拡大やEコマースを強化すること等で売り上げを伸ばしました。また、インドネシアでも売り上げは好調でした。
パーソナルヘルス製品は、オーラルケアや入浴剤が順調に推移し、売り上げを伸ばしました。
営業利益は、「メリーズ」の売り上げが減少したことや為替変動の影響等により、172億円(対前期107億円減)
となりました。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
【ファブリック&ホームケア事業】
売上高は、前期に対して4.5%増の3,595億円(実質4.6%増)となりました。日本では、10月からの消費税率引き
上げによる駆け込み需要への対応により売り上げが拡大しましたが、市場伸長が想定以下にとどまったため計画を
下回りました。
ファブリックケア製品は、革新的な衣料用洗剤「アタック ZERO」を日本で発売し、衣料用洗剤の売り上げは前期
に比べて伸長しました。柔軟仕上げ剤は、厳しい競争環境の中、売り上げは堅調に推移しました。また、2018年8月
に買収したWashing Systems, LLC(米国)が売り上げ・利益に貢献しました。
ホームケア製品では、素肌にやさしいすまいの除菌シリーズ「クイックルJoan」を発売しました。また、食器用
洗剤では競合の攻勢を受けましたが、「キュキュット」が引き続き好調を維持する等、売り上げ・シェアを順調に
伸ばしました。
営業利益は、新製品の発売によりマーケティング費用が増加しましたが、増収効果により718億円(対前期5億円
増)となりました。
ケミカル事業
売上高は、前期に対して8.6%減の2,859億円(実質6.6%減)となりました。
油脂製品では、天然油脂価格の下落に伴う販売価格調整の影響が大きく、さらに一部では需要減の動きもあり、
売り上げは減少しました。機能材料製品やスペシャルティケミカルズ製品では、特に海外での経済成長の鈍化に伴
う需要停滞の影響を受け、売り上げは減少しました。
営業利益は、海外での油脂製品等の高付加価値化により、308億円(対前期2億円増)となりました。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
(次期の見通し)
親会社の
基本的
所有者に
売上高 営業利益 営業利益率 税引前利益 1株当たり
帰属する
(億円) (億円) (%) (億円) 当期利益
当期利益
(円)
(億円)
15,100~ 2,200~ 14.6~ 2,200~ 1,540~ 320.22~
2020年12月期(予想)
15,300 2,300 15.0 2,300 1,610 334.78
2019年12月期(実績) 15,022 2,117 14.1 2,106 1,482 306.70
0.5~1.8%※1
3.9~ 4.4~ 3.9~ 4.4~
増減率 実質※2 -
8.6% 9.2% 8.6% 9.2%
2.3~3.6%
※1 一部の取引において、売上高の認識方法を総額から純額に変更する予定です。前期においても同様の方法による
連結連結業績予想の売上高増減率は、2.8~4.2%です。
※2 「実質」は、上記の売上高の認識方法の変更と為替変動の影響を除いています。以下、同様に記載しています。
1)次期における業績全般の見通し
2020年度は2017年から2020年までの4ヵ年を対象とした花王グループ中期経営計画「K20」の最終年度です。花王
グループ社員全員で、企業理念である「花王ウェイ」に掲げる世界の人々の豊かな暮らしや社会のサステナビリテ
ィに貢献できるよう「正道を歩む」を貫きながら果敢に挑戦し、利益ある成長とステークホルダーへの還元を継続
しながら、目標達成に努めていきます。
具体的には、人・社会・地球に大きなインパクトを与えていくような技術イノベーションを進展させていきま
す。また化粧品等の成長事業をさらに伸ばし、ベビー用紙おむつ事業の再活性化を図ります。そして、東京オリン
ピック・パラリンピック等で来日する旅行者や日本で予想される猛暑等にも対応した新製品・改良品の発売や様々
なマーケティング活動を積極的に展開していきます。さらに、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」の具体的なアクシ
ョンとして、「Kireiイノベーション注力アクション第一弾」を事業戦略と一体化して力強く推進していきます。
しかし世界は、国際的な貿易問題、中東を巡る地政学リスク、また新型コロナウイルス感染の脅威によるインバ
ウンド需要への影響等、予測が難しいリスクが存在し、不透明な経営環境が続くことが見込まれます。そのため連
結業績予想については一定の幅で開示します。
次期の売上高は1兆5,100億円(増減率0.5%増/実質増減率2.3%増)~1兆5,300億円(増減率1.8%増/実質増減
率3.6%増)を予想しています。
原材料価格については、天然油脂の価格は2019年の後半から上昇しており、全体では2019年に比べ若干の値上が
りを予想していますが、当社グループの持続的成長を支えるTCR(Total Cost Reduction)活動やマーケティング、
販売活動の革新等にも継続して取り組んでいきます。
これらを前提として、営業利益は2,200億円(増減率3.9%増)~2,300億円(増減率8.6%増)、営業利益率は
14.6%~15.0%、税引前利益は2,200億円(増減率4.4%増)~2,300億円(増減率9.2%増)、親会社の所有者に帰
属する当期利益は1,540億円(増減率3.9%増)~1,610億円(増減率8.6%増)、基本的1株当たり当期利益は320.22
円(増減率4.4%増)~334.78円(増減率9.2%増)を予想しています。
EVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)の増加とともに、資産の最大活用による投下資本のさらな
る効率的な運用を目指し、増加させていきます。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
2)次期におけるセグメント別の見通し
化粧品事業は、重点戦略ブランドである「G11」や「R8」をより一層強化していきます。「G11」から、環境への
配慮やエシカルな考え方を大事にしたライフスタイルブランド「athletia(アスレティア)」を発売するほか、独
自の技術を活かした商品の高付加価値化に取り組み、スーパープレステージブランドの「SENSAI」を中国市場に展
開するほか、「KANEBO」のリブランディング、「est G.P.ライン」の育成に努めていきます。
また、伸長しているEコマースやトラベルリテールチャネルを強化するとともに、アジアを一層強化しながら、日
本の構造改革をさらに進めていきます。
以上により、当事業の売上高は、3,190億円(実質増減率5.1%増)を見込んでいます。中期的には2025年までに、
売上高4,000億円、営業利益率15%を達成することを目標としています。
スキンケア・ヘアケア事業は、消費者の価値観や生活習慣の変化を見極めながら、商品の高付加価値化を進め、
当社グループならではの独自性と魅力のある提案によって、市場の活性化を図ります。そして、細分化していく市
場への対応や新しいエリアやカテゴリーに積極的にチャレンジしていきます。スキンケア製品では、UVケア商品等
の肌環境ストレスをケアする商品や基盤事業である洗浄系の商品の育成を通じて、日本・アジアを伸ばしていきま
す。また、東京オリンピック・パラリンピック等で来日する旅行者や日本で予想される猛暑等にも対応した新製
品・改良品を発売していきます。ヘアケア製品では、マス向けブランドとプレミアムブランドを両立させながら、
特長ある商品提案でブランド価値向上と市場活性化に努め売り上げの拡大を図ります。
以上により、当事業の売上高は、3,170億円(実質増減率2.8%増)を見込んでいます。
なお、一部の取引において、売上高の認識方法を総額から純額に変更する予定です。
ヒューマンヘルスケア事業は、心と体の両面からのヘルスケアに着目した商品開発を推進していきます。サニタ
リー製品では、肌へのやさしさ・快適さと安心感を高める商品づくりを目指していきます。ベビー用紙おむつの
「メリーズ」では、競争環境が激化している中国市場で、伸長しているパンツタイプの育成に取り組み、ブランド
力を強化していきます。またインドネシアでは教育や啓発活動をさらに進め、市場伸長を上回る成長を見込んでい
ます。好調な生理用品「ロリエ」では、日本、アジアでさらに商品の高付加価値化を進め、事業を拡大していきま
す。
パーソナルヘルス製品では、健康意識の高まりやニーズの多様化に対応した商品を提案することで、より一層の
ブランド価値の向上に努めていきます。ビバレッジ製品では、「内臓脂肪を減らすのを助ける」という「ヘルシ
ア」独自の訴求を強化し、ブランド育成に努めます。
以上により、当事業の売上高は、2,640億円(実質増減率2.7%増)を見込んでいます。
ファブリック&ホームケア事業は、変化する消費者の生活スタイルを的確に捉えることで、消費者にとって付加
価値の高い商品を開発し、さまざまな生活シーンでの清潔、快適、楽しさを実現していきます。また、詰め替え品
や大容量パウチへのシフトによるプラスチック使用量の削減等にも取り組んでいきます。ファブリックケア製品で
は、昨年発売した「アタック ZERO」をさらに強化していくとともに、消費者の多様なニーズに合った商品を提案し
ます。ホームケア製品では、家族構成の変化や家事労働の時間減少に着目し、家事の負担を大きく改善できるよう
な商品を引き続き提案していきます。
以上により、当事業の売上高は、3,690億円(実質増減率2.6%増)を見込んでいます。
ケミカル事業は、幅広い産業界の多様なニーズに対応した特長あるケミカル製品の供給をグローバルに推進して
いきます。そして世界的な地球環境に対する関心の高まりを受け、環境負荷の低減に対応したエコケミカル製品の
強化に取り組むとともに、原料価格の変動に左右されない高付加価値製品の開発に引き続き取り組んでいきます。
以上により、当事業の売上高は、3,090億円(実質増減率7.1%増)を見込んでいます。
なお、上記の各事業の売上高は、サマリー情報の2020年12月期の連結業績予想に記載の売上高の1兆5,300億円を
もとに算出しています。
3)次期の業績予想値算出の前提条件
主要な為替レートは、110円/米ドル、125円/ユーロ、16円/中国元と想定しています。
なお、天然油脂や石化原料の価格は変動する可能性がありますが、その前提は当社グループが現在入手している
情報に基づいています。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
(2)財政状態に関する概要
(資産、負債、資本及びキャッシュ・フローの状況に関する概要)
1)当期における資産、負債、資本及びキャッシュ・フローの状況に関する概要
(連結財政状態)
前連結会計年度 当連結会計年度
増減
2018年12月末 2019年12月末
資産合計(億円) 14,610 16,539 1,929
負債合計(億円) 6,255 7,825 1,570
資本合計(億円) 8,355 8,714 359
親会社所有者帰属持分比率 56.3% 51.9% -
1株当たり親会社所有者帰属持分(円) 1,689.82 1,783.46 93.64
社債及び借入金(億円) 1,208 1,271 63
(連結キャッシュ・フローの状況)
通期
増減
2018年12月期 2019年12月期 (億円)
(億円) (億円)
営業活動によるキャッシュ・フロー 1,956 2,445 489
投資活動によるキャッシュ・フロー (1,579) (943) 636
財務活動によるキャッシュ・フロー (1,086) (1,262) (176)
資産合計は、前期末に比べ1,929億円増加し、1兆6,539億円となりました。主な増加は、IFRS第16号適用による使
用権資産1,648億円、現金及び現金同等物237億円、有形固定資産179億円であり、主な減少は、営業債権及びその他
の債権143億円です。
負債合計は、前期末に比べ1,570億円増加し、7,825億円となりました。主な増加は、IFRS第16号適用によるリー
ス負債1,611億円です。
資本合計は、前期末に比べ359億円増加し、8,714億円となりました。主な増加は、当期利益1,503億円であり、主
な減少は、配当金617億円、市場買付けによる自己株式の取得500億円です。また、2019年7月12日に自己株式の消却
670万株を実施しました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の56.3%から51.9%となりました。親会社所有者帰属持分当期利益
率(ROE)は17.6%となり、引き続き高い水準を維持することができました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,445億円となりました。主な増加は、税引前利益2,106億円、減価償却
費及び償却費834億円、営業債権及びその他の債権の増減額129億円であり、主な減少は、法人所得税等の支払額567
億円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△943億円となりました。主な内訳は、日本の生産拠点の能力増強に加え
て、伸長著しいアジアでも積極的に設備投資を行ったことによる有形固定資産の取得による支出840億円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,262億円となりました。安定的かつ継続的な配当を重視しており、ま
たEVA視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っています。当期の主な内訳
は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金618億円、自己株式の取得による支出500億円です。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計から、使用権資産の減価
償却費等を調整したフリー・キャッシュ・フローは、1,285億円となりました。
当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ237億円増加し、2,897億円と
なりました。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
2)次期における資産、負債、資本及びキャッシュ・フローの見通し
営業活動によるキャッシュ・フローは、利益の増加もあり、約2,500億円を見込んでいます。なお、2019年度から
適用されたIFRS第16号「リース」の影響が含まれており、それを除くと、営業活動によるキャッシュ・フローは、
約2,300億円となる予定です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、生産能力の増強及び合理化、物流効率化等を含む、さらなる成長のため
の積極投資等を予定しており、約900億円を見込んでいます。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等を予定しています。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、当期から約700億円増加し、約3,600億円を予想しています。
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
当社グループは、EVA(経済的付加価値)を経営の主指標としており、その視点で安定的に創出されるキャッシ
ュ・フローの使途を下記のとおり明確に定めています。株主還元はその一部で、将来の資金需要や金融市場の情勢
を考慮して実行しています。
キャッシュ・フローの使途
・将来の成長に向けての投資(設備、M&A等)
・安定的、継続的な配当(配当性向40%目標)
・自己株式の取得と借入金等の有利子負債の早期返済
この方針のもと、当期の期末配当金は、前期に比べ5円増配の1株当たり65円とさせていただく予定です。この結
果、年間配当金は前期に比べ10円増配の1株当たり130円、連結での配当性向は42.4%となります。
また、次期の配当金については、利益配分に関する基本方針に基づき、フリー・キャッシュ・フロー等を考慮し、
当期に比べ10円増配の1株当たり140円の配当(配当性向41.8%)とさせていただく予定です。これにより、31期連
続増配を目指します。
なお、上記(2)財政状態に関する概要 2)次期における資産、負債、資本及びキャッシュ・フローの見通しと
(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当に記載の数値は、サマリー情報の2020年12月期の連結業績
予想に記載の営業利益の2,300億円をもとに算出しています。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
2.経営方針
(1)会社の経営基本方針
当社グループは、消費者・顧客の立場にたって、心をこめた“よきモノづくり”を行い、世界の人々の喜びと満
足のある、豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献することを使命と
しています。
私たちは、企業理念である「花王ウェイ」をグループ全員で共有し、考え方や行動の拠り所として日々実践して
きました。そして、持続的な利益ある成長を続けていくために、近年では「脱デフレ型成長モデルの構築」やコン
パクトで多様性に富む取締役会を目指すガバナンス改革等を実行し、清潔で美しくすこやかな暮らしに役立つ商品
や産業界の発展に寄与する工業用製品等を提供していくことで、消費者、顧客や社会へ貢献できるよう努めてきま
した。
しかし、私たちを取り巻く様々な社会情勢や自然環境は、目まぐるしいスピードで大きくグローバルに変化し、
それに伴い人々の価値観も多様化しています。このような状況に対応するためには、迅速な変化対応だけではなく、
変化を先取りした取り組みが重要であると考えます。ポイントはESGです。私たちは、ESG経営に大きく舵を切るこ
とを宣言しました。人や社会、地球に貢献しながら利益ある成長を続け、より高いレベルでの企業価値の向上を目
指します。
(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
1.長期経営戦略
2016年12月、当社グループは2030年までに達成したい姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリテ
ィへの貢献との両立によって、『グローバルで存在感のある会社「Kao」』になるという将来像を描きました。これ
を実現させるためには、ESG視点での“よきモノづくり”をベースとした既存事業の強化やESG視点から生み出され
る新規事業の創造、事業領域の拡大が重要となります。これまでの延長線上ではなく、「自ら変わり、そして変化
を先導する企業へ」をスローガンに掲げ、活動することにより、グローバルで存在感のある会社「Kao」を目指して
いきます。
グローバルで存在感のある会社「Kao」
■特長ある企業イメージの定着
■高収益グローバル消費財企業
・売上高2.5兆円(海外1兆円)を超える
・営業利益率17%を超える
・ROE20%を超える
■ステークホルダーへの高レベル還元
2.中期経営計画
2020年度は2017年からの4ヵ年を対象とした花王グループ中期経営計画「K20」の最終年度であり、2030年までに
達成したい姿を実現させていくための礎となる重要な年です。 K20の3つの目標のうち「特長ある企業イメージの醸
成」については、2019年に発表したESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(以下、KLP)を事業戦略と連携させながら、
イノベーションを通して着実に実行していきます。「ステークホルダーへの還元」については、消費者・顧客、従
業員、取引先、株主等会社を取り巻く多くのステークホルダーに高レベルでの還元を継続します。「利益ある成
長」については、変化が激しい事業環境の中、“よきモノづくり”のレベルを高めるとともに製品の価値伝達の最
大化により、実現を目指していきます。なお、ケミカル事業の現状や課題事業の進捗、インバウンド需要の減少の
可能性等を考慮し、実質売上高CAGR※の目標を+5%から+3%に見直します。営業利益率は計画通り15%を目指しま
す。
※ 実質売上高CAGR:為替の変動・販売制度変更等の影響を除いた売上高の年平均成長率
「K20」の目標(3つのこだわり)
■特長ある企業イメージの醸成へのこだわり
■「利益ある成長」へのこだわり
・過去最高益更新の継続
・実質売上高CAGR+3%、営業利益率15%を目指す
・売上高1,000億円ブランドを3つ
(ベビー用紙おむつ「メリーズ」、衣料用洗剤「アタック」、スキンケア製品「ビオレ」)
■ステークホルダー還元へのこだわり
・株主:連続増配継続(配当性向 40%目標)
・社員:継続的な処遇アップ、健康サポート
・顧客:Win-Winの最大化
・社会:社会的課題への先進的取り組み
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
3.目標とする経営指標
当社グループは、投下資本のコストを考慮した真の利益を表すEVAを経営の主指標としています。その本質は、株
主等の資金提供者の視点を持って、資本を効率的に活用し利益を生み出すことにあります。EVAを継続的に増加させ
ていくことが企業価値の増大につながり、株主だけでなく全てのステークホルダーの長期的な利益とも合致するも
のと考えています。そして事業規模の拡大を図りながら、EVAを増加させることを事業活動の目標としており、個別
事業の評価、設備や買収等の投資評価、年度ごとの業績管理や報酬制度等に活用しています。
(3)会社の対処すべき課題
市場競争の激化や市場構造の変化、原材料市況や為替の変動等の事業環境は不透明な状況が続いています。消費
者の環境や健康等に関する意識の変化やそれに伴う購買意識の変化、さらには高齢化社会の進行や衛生等の社会的
課題も増大しています。また、事業がグローバルに拡大し、さまざまな分野で構造的変化が進む中、事業を取り巻
くリスクの変化に対応していかなければなりません。そのために以下のような課題に対し適切に対処していきま
す。
・事業を取り巻くリスクの変化に対応するため、経営への影響が特に大きく対応の強化が必要なリスクをコーポ
レートリスクと定め、管理体制を一層強化することで、グループ全体の企業価値を損なわないように取り組ん
でいきます。
・技術革新に伴う価値観の多様化、それに伴う購買行動や流通構造の変化等が急速に進む現状において、これま
で効率良く進めることが出来ていたマスを対象にしたビジネスモデルを、研究開発、生産、物流、販売、マー
ケティング等あらゆる方面から見直す必要があります。これらの課題を解決するため本質研究の強化やAIや
IoT、ロボット等の先端技術の活用を積極的に進めていきます。
・花王らしいESG戦略(KLP)を推進していくためには、当社グループのメンバー全員がその目的や内容を正しく
理解し、それぞれの役割と責任をしっかりと果たすことが必要です。そのために、グローバルレベルでKLPを浸
透させる啓発活動を充実させていきます。そのうえで、しっかりとしたガバナンス体制の下で、PDCA(計画・
実行・評価・見直し)サイクルを回す必要があります。また、KLPを円滑に進めるための基準や評価のしくみを
作るだけでなく、独りよがりにならないように、取締役会やESG外部アドバイザリーボードからの第三者視点で
のチェック・意見を活かし、活動をより一層充実したものにしていきます。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、グループ内の会計基準を統一することが、グループ経営管理の品質向上に寄与するものと判断
し、国際会計基準(IFRS)を2016年12月期より任意適用しています。この適用に伴い、グループ各社・各事業に対し
て統一された仕組みや情報に基づくマネジメントが可能となり、グローバル企業として企業価値増大に向けた経営基
盤強化を図っていきます。また、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性の向上に貢献すると考えていま
す。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
4.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結財政状態計算書
前連結会計年度 当連結会計年度
増減
(2018年12月31日) (2019年12月31日)
百万円 百万円 百万円
資産
流動資産
現金及び現金同等物 265,978 289,681 23,703
営業債権及びその他の債権 223,102 208,839 (14,263)
棚卸資産 197,571 199,672 2,101
その他の金融資産 15,146 13,788 (1,358)
未収法人所得税 2,066 2,440 374
その他の流動資産 22,449 22,606 157
流動資産合計 726,312 737,026 10,714
非流動資産
有形固定資産 418,935 436,831 17,896
使用権資産 - 164,822 164,822
のれん 180,286 179,707 (579)
無形資産 46,549 47,770 1,221
持分法で会計処理されている投資 7,931 8,287 356
その他の金融資産 23,540 26,104 2,564
繰延税金資産 49,158 47,876 (1,282)
その他の非流動資産 8,275 5,496 (2,779)
非流動資産合計 734,674 916,893 182,219
資産合計 1,460,986 1,653,919 192,933
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
前連結会計年度 当連結会計年度
増減
(2018年12月31日) (2019年12月31日)
百万円 百万円 百万円
負債及び資本
負債
流動負債
営業債務及びその他の債務 225,560 222,314 (3,246)
社債及び借入金 40,488 25,505 (14,983)
リース負債 - 19,653 19,653
その他の金融負債 6,880 6,766 (114)
未払法人所得税等 34,198 36,208 2,010
引当金 2,873 2,054 (819)
契約負債等 18,387 20,616 2,229
その他の流動負債 102,452 99,411 (3,041)
流動負債合計 430,838 432,527 1,689
非流動負債
社債及び借入金 80,339 101,636 21,297
リース負債 - 141,438 141,438
その他の金融負債 9,506 7,527 (1,979)
退職給付に係る負債 84,552 80,579 (3,973)
引当金 12,175 10,122 (2,053)
繰延税金負債 2,864 3,747 883
その他の非流動負債 5,203 4,922 (281)
非流動負債合計 194,639 349,971 155,332
負債合計 625,477 782,498 157,021
資本
資本金 85,424 85,424 -
資本剰余金 108,245 108,715 470
自己株式 (11,282) (4,309) 6,973
その他の資本の構成要素 (30,029) (32,974) (2,945)
利益剰余金 670,002 700,839 30,837
親会社の所有者に帰属する持分合計 822,360 857,695 35,335
非支配持分 13,149 13,726 577
資本合計 835,509 871,421 35,912
負債及び資本合計 1,460,986 1,653,919 192,933
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
(2)連結損益計算書
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日 増減
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
注記 百万円 百万円 百万円
売上高 1 1,508,007 1,502,241 (5,766)
売上原価 (853,989) (848,723) 5,266
売上総利益 654,018 653,518 (500)
販売費及び一般管理費 2 (444,845) (442,912) 1,933
その他の営業収益 14,288 15,192 904
その他の営業費用 (15,758) (14,075) 1,683
営業利益 1 207,703 211,723 4,020
金融収益 1,717 2,027 310
金融費用 (4,251) (5,231) (980)
持分法による投資利益 2,082 2,126 44
税引前利益 207,251 210,645 3,394
法人所得税 (51,920) (60,296) (8,376)
当期利益 155,331 150,349 (4,982)
当期利益の帰属
親会社の所有者 153,698 148,213 (5,485)
非支配持分 1,633 2,136 503
当期利益 155,331 150,349 (4,982)
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 3 314.25 306.70
希薄化後1株当たり当期利益(円) 3 314.12 306.63
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
(3)連結包括利益計算書
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日 増減
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
百万円 百万円 百万円
当期利益 155,331 150,349 (4,982)
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で
(2) (6) (4)
測定される金融資産の純変動
確定給付負債(資産)の純額の再測定 (15,524) (1,180) 14,344
持分法適用会社におけるその他の
(345) (17) 328
包括利益に対する持分
純損益に振り替えられることのない項目合計 (15,871) (1,203) 14,668
純損益に振り替えられる可能性のある項目
在外営業活動体の換算差額 (16,140) (2,489) 13,651
持分法適用会社におけるその他の
(73) (36) 37
包括利益に対する持分
純損益に振り替えられる可能性のある項目合計 (16,213) (2,525) 13,688
税引後その他の包括利益 (32,084) (3,728) 28,356
当期包括利益 123,247 146,621 23,374
当期包括利益の帰属
親会社の所有者 122,324 144,508 22,184
非支配持分 923 2,113 1,190
当期包括利益 123,247 146,621 23,374
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
(4)連結持分変動計算書
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
キャッシュ・ その他の包括
資本金 資本剰余金 自己株式 フロー・ヘッ 利益を通じて
在外営業活動
新株予約権 ジの公正価値 公正価値で測
体の換算差額
の変動額の有 定される金融
効部分 資産の純変動
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2018年1月1日残高 85,424 107,980 (9,593) 731 (21,540) 4 8,490
当期利益 - - - - - - -
その他の包括利益 - - - - (15,492) (5) (338)
当期包括利益 - - - - (15,492) (5) (338)
自己株式の処分 - (99) 48,345 (167) - - -
自己株式の取得 - - (50,034) - - - -
株式に基づく報酬取引 - 364 - - - - -
配当金 - - - - - - -
その他の資本の構成要素
- - - (18) - - (1,694)
から利益剰余金への振替
その他 - - - - - - -
所有者との取引等合計 - 265 (1,689) (185) - - (1,694)
2018年12月31日残高 85,424 108,245 (11,282) 546 (37,032) (1) 6,458
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
非支配持分 資本合計
確定給付負債 利益剰余金 合計
(資産)の純 合計
額の再測定
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2018年1月1日残高 - (12,315) 634,885 806,381 12,983 819,364
当期利益 - - 153,698 153,698 1,633 155,331
その他の包括利益 (15,539) (31,374) - (31,374) (710) (32,084)
当期包括利益 (15,539) (31,374) 153,698 122,324 923 123,247
自己株式の処分 - (167) (47,961) 118 - 118
自己株式の取得 - - - (50,034) - (50,034)
株式に基づく報酬取引 - - - 364 - 364
配当金 - - (56,793) (56,793) (746) (57,539)
その他の資本の構成要素
15,539 13,827 (13,827) - - -
から利益剰余金への振替
その他 - - - - (11) (11)
所有者との取引等合計 15,539 13,660 (118,581) (106,345) (757) (107,102)
2018年12月31日残高 - (30,029) 670,002 822,360 13,149 835,509
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
キャッシュ・ その他の包括
資本金 資本剰余金 自己株式 フロー・ヘッ 利益を通じて
在外営業活動
新株予約権 ジの公正価値 公正価値で測
体の換算差額
の変動額の有 定される金融
効部分 資産の純変動
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2019年1月1日残高 85,424 108,245 (11,282) 546 (37,032) (1) 6,458
会計方針の変更による
- - - - - - -
影響額(注)
会計方針の変更を反映した
85,424 108,245 (11,282) 546 (37,032) (1) 6,458
期首残高
当期利益 - - - - - - -
その他の包括利益 - - - - (2,598) 1 (23)
当期包括利益 - - - - (2,598) 1 (23)
自己株式の処分 - (108) 57,006 (98) - - -
自己株式の取得 - - (50,033) - - - -
株式に基づく報酬取引 - 337 - - - - -
配当金 - - - - - - -
子会社に対する所有者持分
- 241 - - - - -
の変動
その他の資本の構成要素
- - - - - - (227)
から利益剰余金への振替
所有者との取引等合計 - 470 6,973 (98) - - (227)
2019年12月31日残高 85,424 108,715 (4,309) 448 (39,630) - 6,208
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
非支配持分 資本合計
確定給付負債 利益剰余金 合計
(資産)の純 合計
額の再測定
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2019年1月1日残高 - (30,029) 670,002 822,360 13,149 835,509
会計方針の変更による
- - 740 740 - 740
影響額(注)
会計方針の変更を反映した
- (30,029) 670,742 823,100 13,149 836,249
期首残高
当期利益 - - 148,213 148,213 2,136 150,349
その他の包括利益 (1,085) (3,705) - (3,705) (23) (3,728)
当期包括利益 (1,085) (3,705) 148,213 144,508 2,113 146,621
自己株式の処分 - (98) (56,799) 1 - 1
自己株式の取得 - - - (50,033) - (50,033)
株式に基づく報酬取引 - - - 337 - 337
配当金 - - (60,459) (60,459) (1,290) (61,749)
子会社に対する所有者持分
- - - 241 (246) (5)
の変動
その他の資本の構成要素
1,085 858 (858) - - -
から利益剰余金への振替
所有者との取引等合計 1,085 760 (118,116) (109,913) (1,536) (111,449)
2019年12月31日残高 - (32,974) 700,839 857,695 13,726 871,421
(注) IFRS第16号「リース」の適用に伴う影響額であります。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
(5)連結キャッシュ・フロー計算書
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
百万円 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前利益 207,251 210,645
減価償却費及び償却費 60,662 83,369
受取利息及び受取配当金 (1,578) (1,885)
支払利息 1,256 2,840
持分法による投資損益(益) (2,082) (2,126)
有形固定資産及び無形資産除売却損益(益) 4,531 3,323
営業債権及びその他の債権の増減額(増加) (12,591) 12,862
棚卸資産の増減額(増加) (15,677) (2,848)
営業債務及びその他の債務の増減額(減少) 3,951 696
退職給付に係る負債の増減額(減少) 20,740 (3,788)
その他 (21,437) (2,936)
小計 245,026 300,152
利息の受取額 1,273 1,711
配当金の受取額 2,312 2,146
利息の支払額 (1,293) (2,806)
法人所得税等の支払額 (51,708) (56,680)
営業活動によるキャッシュ・フロー 195,610 244,523
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の預入による支出 (26,768) (35,188)
定期預金の払戻による収入 26,987 36,660
有形固定資産の取得による支出 (80,295) (83,959)
無形資産の取得による支出 (7,703) (9,819)
企業結合による支出 (73,915) (195)
その他 3,799 (1,765)
投資活動によるキャッシュ・フロー (157,895) (94,266)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の増減額(減少) 230 19
長期借入による収入 - 46,220
長期借入金の返済による支出 (67) (40,054)
社債の発行による収入 25,060 -
社債の償還による支出 (24,939) (12)
リース負債の返済による支出 - (20,565)
自己株式の取得による支出 (50,035) (50,033)
支払配当金 (56,838) (60,512)
非支配持分への支払配当金 (745) (1,287)
その他 (1,245) 58
財務活動によるキャッシュ・フロー (108,579) (126,166)
現金及び現金同等物の増減額(減少) (70,864) 24,091
現金及び現金同等物の期首残高 343,076 265,978
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響 (6,234) (388)
現金及び現金同等物の期末残高 265,978 289,681
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(6)連結財務諸表に関する注記事項
(会計方針の変更)
(IFRS第16号「リース」の適用)
当社グループは、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」(2016年1月公表)(以下、「IFRS第16号」)を適
用しております。IFRS第16号の適用にあたっては、経過措置として認められている、本基準の適用による累積的影
響を適用開始日に認識する方法を採用しております。
IFRS第16号の適用に際し、契約にリースが含まれているか否かについては、IFRS第16号C3項の実務上の便法を選
択し、IAS第17号「リース」(以下、「IAS第17号」)及びIFRIC第4号「契約にリースが含まれているか否かの判
断」のもとでの判断を引き継いでおります。適用開始日以降は、IFRS第16号の規定に基づき判断しております。
過去にIAS第17号を適用してオペレーティング・リースに分類した借手としてのリースについては、適用開始日
に、使用権資産及びリース負債を認識しております。リース負債は、残存リース料を適用開始日における借手の追
加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。当該追加借入利子率の加重平均は、1.0%であり
ます。使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で当初の測定を行っております。
過去にIAS第17号を適用してファイナンス・リースに分類した借手としてのリースについては、適用開始日の使
用権資産及びリース負債の帳簿価額を、それぞれ、その直前の日におけるIAS第17号に基づくリース資産及びリー
ス債務の帳簿価額で算定しております。
前連結会計年度末においてIAS第17号を適用した解約不能のオペレーティング・リース契約と、適用開始日にお
いて連結財政状態計算書に認識したリース負債の調整表は、以下のとおりであります。
百万円
解約不能オペレーティング・リース契約(2018年12月31日) 25,018
ファイナンス・リース債務(2018年12月31日) 2,419
解約可能オペレーティング・リース契約等 139,998
2019年1月1日におけるリース負債 167,435
また、適用開始日において連結財政状態計算書に認識した使用権資産は、171,890百万円であります。
なお、当社グループは、IFRS第16号の適用に際し、以下の実務上の便法を使用しております。
・特性が合理的に類似したリースのポートフォリオに単一の割引率を適用
・減損レビューを実施することの代替として、リースが適用開始日直前においてIAS第37号「引当金、偶発負債
及び偶発資産」を適用して不利であるかどうかの評価に依拠
・当初直接コストを適用開始日現在の使用権資産の測定から除外
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
1.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当
社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているもの
であります。なお、取締役会は、売上高及び営業利益を主要な指標として、各セグメントの業績評価を行ってお
ります。
当社グループは、コンシューマープロダクツ事業部門を構成する4つの事業分野(化粧品事業、スキンケア・ヘ
アケア事業、ヒューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業)及びケミカル事業部門の5つの事業を
基本にして組織が構成されており、各事業単位で、日本及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開して
おります。
従って、当社グループは、「化粧品事業」、「スキンケア・ヘアケア事業」、「ヒューマンヘルスケア事業」、
「ファブリック&ホームケア事業」及び「ケミカル事業」の5つを報告セグメントとしております。
なお、当社グループの売上高の10%以上にあたる単一の外部顧客との取引がないため、主要な顧客に関する情
報の記載を省略しております。
各報告セグメントの主要な製品は、以下のとおりであります。
報 告 セ グ メ ン ト 主 要 製 品
化粧品事業 化粧品 カウンセリング化粧品、セルフ化粧品
スキンケア製品 化粧石けん、洗顔料、全身洗浄料
スキンケア・ヘアケア事業 シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング剤、
ヘアケア製品
ヘアカラー、メンズプロダクツ
コンシューマー
サニタリー製品 生理用品、紙おむつ
プロダクツ事業
ヒューマンヘルスケア事業 パーソナルヘルス製品 入浴剤、歯みがき、歯ブラシ、温熱用品
ビバレッジ製品 飲料
ファブリックケア製品 衣料用洗剤、洗濯仕上げ剤
ファブリック&ホームケア事業
ホームケア製品 台所用洗剤、住居用洗剤、掃除用紙製品、業務用製品
油脂アルコール、油脂アミン、脂肪酸、
油脂製品
グリセリン、業務用食用油脂
界面活性剤、プラスチック用添加剤、
ケミカル事業 機能材料製品
コンクリート用高性能減水剤
トナー、トナーバインダー、
スペシャルティケミカルズ製品
インクジェットプリンターインク用色材、香料
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
(2) 報告セグメントの売上高及び業績
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
報告セグメント
コンシューマープロダクツ事業 調整額 連結財務諸表
スキンケア ヒューマン ファブリック ケミカル (注1) 計上額
化粧品 合計
・ヘアケア ヘルスケア &ホームケア 小計 事業
事業
事業 事業 事業
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
売上高
外部売上高 279,635 341,419 267,702 344,105 1,232,861 275,146 1,508,007 - 1,508,007
セグメント間の内部
売上高及び振替高 - - - - - 37,661 37,661 (37,661) -
(注2)
売上高合計 279,635 341,419 267,702 344,105 1,232,861 312,807 1,545,668 (37,661) 1,508,007
営業利益 27,710 48,827 27,907 71,249 175,693 30,631 206,324 1,379 207,703
金融収益 1,717
金融費用 (4,251)
持分法による投資利益 2,082
税引前利益 207,251
その他の情報
減価償却費及び償却費 10,908 9,593 17,602 10,299 48,402 12,000 60,402 260 60,662
資本的支出(注3) 11,597 17,021 19,259 18,107 65,984 23,032 89,016 81 89,097
(注1) 営業利益の調整額1,379百万円には、セグメント間取引に係る棚卸資産の調整額等の消去のほか、各報告セグ
メントに配分していない全社費用が含まれております。
(注2) セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいて算出しております。
(注3) 資本的支出には、有形固定資産及び無形資産への投資が含まれております。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
報告セグメント
コンシューマープロダクツ事業 調整額 連結財務諸表
スキンケア ヒューマン ファブリック ケミカル (注1) 計上額
化粧品 合計
・ヘアケア ヘルスケア &ホームケア 小計 事業
事業
事業 事業 事業
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
売上高
外部売上高 301,547 340,757 255,224 359,507 1,257,035 245,206 1,502,241 - 1,502,241
セグメント間の内部
売上高及び振替高 - - - - - 40,729 40,729 (40,729) -
(注2)
売上高合計 301,547 340,757 255,224 359,507 1,257,035 285,935 1,542,970 (40,729) 1,502,241
営業利益 41,398 49,524 17,166 71,774 179,862 30,839 210,701 1,022 211,723
金融収益 2,027
金融費用 (5,231)
持分法による投資利益 2,126
税引前利益 210,645
その他の情報
減価償却費及び償却費 14,865 13,814 21,627 17,899 68,205 14,205 82,410 959 83,369
資本的支出(注3) 17,962 18,389 27,314 22,139 85,804 24,189 109,993 3,394 113,387
(注1) 営業利益の調整額1,022百万円には、セグメント間取引に係る棚卸資産の調整額等の消去のほか、各報告セグ
メントに配分していない全社費用が含まれております。
(注2) セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいて算出しております。
(注3) 資本的支出には、有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
(3) 地域別に関する情報
外部顧客への売上高及び非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)の地域別内訳
は、以下のとおりであります。
外部顧客への売上高
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
百万円 百万円
日本 939,463 947,096
アジア 295,714 293,388
米州 140,637 137,819
欧州 132,193 123,938
合計 1,508,007 1,502,241
(注)外部顧客への売上高は、顧客の所在地に基づき分類しております。
非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年12月31日) (2019年12月31日)
百万円 百万円
日本 448,357 597,950
アジア 88,843 104,643
米州 96,426 98,730
欧州 27,184 39,444
合計 660,810 840,767
2.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
百万円 百万円
広告宣伝費 80,274 77,545
販売促進費 55,308 56,943
従業員給付費用 148,220 148,431
減価償却費 9,186 18,775
償却費 6,860 7,950
研究開発費 57,673 59,143
その他 87,324 74,125
合計 444,845 442,912
IFRS第16号の適用にあたっては、経過措置として認められている、本基準の適用による累積的影響を適用開始日
に認識する方法を採用し、比較年度の修正はしておりません。これにより、従来、その他に含めて表示していた費
用のうち、9,581百万円を減価償却費として会計処理しております。
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花王㈱ (4452) 2019年12月期 決算短信
3.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 153,698 148,213
親会社の普通株主に帰属しない金額(百万円) - -
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
153,698 148,213
当期利益(百万円)
加重平均普通株式数(千株) 489,089 483,252
基本的1株当たり当期利益(円) 314.25 306.70
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
153,698 148,213
当期利益(百万円)
当期利益調整額(百万円) - -
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する
153,698 148,213
当期利益(百万円)
加重平均普通株式数(千株) 489,089 483,252
普通株式増加数
新株予約権(千株) 199 104
希薄化後の加重平均普通株式数(千株) 489,289 483,356
希薄化後1株当たり当期利益(円) 314.12 306.63
希薄化効果を有しないため、希薄化後
1株当たり当期利益の算定に含めなかった ―――― ――――
潜在株式の概要
4.重要な後発事象
該当事項はありません。
(7)継続企業の前提に関する注記
該当事項はありません。
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