4452 花王 2019-02-04 15:00:00
2018年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

                         2018年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
                                                                                                             2019年2月4日
上場会社名   花王株式会社                                                                                             上場取引所     東
コード番号   4452  URL www.kao.com/jp/
代表者     (役職名) 代表取締役 社長執行役員        (氏名)澤田 道隆
問合せ先責任者 (役職名) 会計財務部門 管理部長         (氏名)牧野 秀生                                              TEL 03-3660-7111
定時株主総会開催予定日   2019年3月26日          配当支払開始予定日                                          2019年3月27日
有価証券報告書提出予定日 2019年3月26日
決算補足説明資料作成の有無:有
決算説明会開催の有無   :有 (証券アナリスト、機関投資家向け)

                                                                                                          (百万円未満四捨五入)
1.2018年12月期の連結業績(2018年1月1日~2018年12月31日)
 (1)連結経営成績                                                                                            (%表示は対前期増減率)
                                                                                           親会社の
                                                                                                              当期包括利益
               売上高                 営業利益                税引前利益                当期利益         所有者に帰属する
                                                                                                               合計額
                                                                                           当期利益
              百万円         %       百万円            %     百万円        %      百万円           %  百万円   %             百万円       %
2018年12月期 1,508,007      1.2 207,703         1.4 207,251         1.4 155,331          4.5 153,698      4.5 123,247 △31.5
2017年12月期 1,489,421      2.2 204,791        10.4 204,290        11.4 148,607         16.2 147,010     16.2 179,890 91.1

             基本的1株当たり                  希薄化後     親会社所有者帰属持分                              資産合計                  売上高
               当期利益                 1株当たり当期利益      当期利益率                               税引前利益率                営業利益率
                    円 銭                     円 銭          %                                           %                  %
2018年12月期    314.25          314.12                                       18.9                 14.4                   13.8
2017年12月期    298.30          298.09                                       19.8                 14.8                   13.7
(参考)持分法による投資損益     2018年12月期   2,082百万円                                2017年12月期         2,007百万円

 (2)連結財政状態
                                                               親会社の所有者に                親会社所有者              1株当たり親会社
                資産合計                      資本合計
                                                                帰属する持分                 帰属持分比率              所有者帰属持分
                          百万円                        百万円             百万円                             %            円 銭
2018年12月期             1,460,986                  835,509               822,360                     56.3           1,689.82
2017年12月期             1,427,375                  819,364               806,381                     56.5           1,636.41

 (3)連結キャッシュ・フローの状況
               営業活動による                           投資活動による                  財務活動による                     現金及び現金同等物
              キャッシュ・フロー                         キャッシュ・フロー                キャッシュ・フロー                       期末残高
                       百万円                               百万円                      百万円                         百万円
2018年12月期                     195,610                      △157,895                    △108,579                    265,978
2017年12月期                     185,845                       △96,146                     △53,244                    343,076

2.配当の状況
                                                 年間配当金                                                          親会社所有者
                                                                                        配当金総額         配当性向
                                                                                                                帰属持分配当
                 第1四半期末           第2四半期末         第3四半期末         期末           合計          (合計)         (連結)
                                                                                                                率(連結)
                          円 銭            円 銭           円 銭        円 銭            円 銭         百万円              %       %
2017年12月期                    -          54.00              -     56.00       110.00        54,293          36.9       7.3
2018年12月期                    -          60.00              -     60.00       120.00        58,493          38.2       7.2
2019年12月期(予想)                -          65.00              -     65.00       130.00                        39.1


3.2019年12月期の連結業績予想(2019年1月1日~2019年12月31日)
                                                                                                    (%表示は、対前期増減率)
                                                                                       親会社の所有者に             基本的1株当たり
                       売上高                      営業利益              税引前利益
                                                                                       帰属する当期利益               当期利益
                      百万円          %            百万円        %          百万円        %       百万円    %                  円 銭
     通期         1,580,000         4.8      225,000      8.3      225,000      8.6        162,000     5.4            332.88
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):有
    新規 -社 (社名) -、除外 1社 (社名)花王カスタマーマーケティング(株)
  (注)詳細は、決算短信【添付資料】22ページの「4.連結財務諸表及び主な注記(7)期中における重要な子会社の異動」をご参照く
     ださい。

(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
   ① IFRSにより要求される会計方針の変更:無
   ② ①以外の会計方針の変更        :無
   ③ 会計上の見積りの変更         :無

(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)     2018年12月期   488,700,000 株   2017年12月期   495,000,000 株
  ② 期末自己株式数               2018年12月期     2,043,272 株   2017年12月期     2,225,561 株
  ③ 期中平均株式数               2018年12月期   489,089,471 株   2017年12月期   492,832,099 株


※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です

※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
(将来に関する記述等についてのご注意)
  本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基
 づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があ
 ります。
  業績予想の前提となる仮定及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料2ページから9ページの「1.経営成績・
 財政状態に関する概要」をご参照ください。
                                     花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信


○添付資料の目次

1.経営成績・財政状態に関する概要 ……………………………………………………………………………………       2
 (1)経営成績に関する概要 ……………………………………………………………………………………………       2
 (2)財政状態に関する概要 ……………………………………………………………………………………………       8
 (3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ……………………………………………………………       9
2.経営方針 …………………………………………………………………………………………………………………      10
 (1)会社の経営の基本方針 ……………………………………………………………………………………………      10
 (2)目標とする経営指標 ………………………………………………………………………………………………      10
 (3)中長期的な会社の経営戦略 ………………………………………………………………………………………      10
 (4)会社の対処すべき課題 ……………………………………………………………………………………………      11
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………………………………      11
4.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………………      12
 (1)連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………………      12
 (2)連結損益計算書 ……………………………………………………………………………………………………      14
 (3)連結包括利益計算書 ………………………………………………………………………………………………      15
 (4)連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………………      16
 (5)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………………      18
 (6)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………………      19
 (7)期中における重要な子会社の異動 ………………………………………………………………………………      22
 (8)継続企業の前提に関する注記 ……………………………………………………………………………………      22




                        - 1 -
                                                              花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信


1.経営成績・財政状態に関する概要
(1)経営成績に関する概要
  (当期の経営成績)
注:以下、( )付きの数字はマイナス表示であり、「実質」とは為替変動の影響を除く増減率を表示しています。
                                                                      親会社の     基本的
             売上高        営業利益       営業利益率 税引前利益          当期利益        所有者に帰属する 1株当たり
                                                                      当期利益    当期利益
             (億円)       (億円)        (%)        (億円)     (億円)          (億円)     (円)
 2018年12月期     15,080     2,077       13.8      2,073       1,553          1,537    314.25
 2017年12月期     14,894     2,048       13.7      2,043       1,486          1,470    298.30
               1.2%
   増減率                    1.4%            -     1.4%        4.5%           4.5%      5.3%
             実質1.3%

 1)当期における業績全般の動向
 世界景気は、貿易問題の動向、中国を始めアジア新興国等の経済の先行き、また欧米での政策に関する不確実性の影響
等により不透明な状況にあります。
 当社グループの主要市場である日本のトイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)及び化粧品市場は、小
売店の販売実績や消費者購入調査データによると、2018年1月から12月において、金額では堅調に推移しました。いずれ
のカテゴリーも、Eコマースチャネルの構成がさらに高まり、トイレタリー商品の平均単価は、前期に対して1ポイント
上昇しました。
 このような中、当期は、2017年から2020年までの4ヵ年にわたる花王グループ中期経営計画「K20」の2年目を終了しま
した。AI、IoT等の技術革新とともに流通構造や購買行動等がグローバルで、スピーディーに変化し、消費者の価値観も
多様化しています。当社グループは、将来に向けて積極的に投資を行い、これらの変化に対応した新製品・改良品の発売
やマーケティング、販売活動の強化等に取り組みました。その結果、連結業績は、9期連続の営業利益及び当期利益の増
益、6期連続の営業最高益を達成することができました。親会社の所有者に帰属する当期利益を除き、連結業績予想に到
達しませんでしたが、今後も「K20」達成に向けて全社を挙げて取り組んでいきます。
 売上高は、前期に対して1.2%増の1兆5,080億円(実質1.3%増)となりました。コンシューマープロダクツ事業では、
日本において、新製品・改良品の発売及び販売促進活動のさらなる強化等に取り組みましたが、売り上げはわずかに減少
しました。海外では、売り上げは前期を上回りました。ケミカル事業では、天然油脂価格の下落に伴う販売価格改定等が
影響しましたが、高付加価値化を進め、前期を上回りました。
 利益面では、減価償却費等が増加しましたが、マーケティング費用の効率化やアジアのコンシューマープロダクツ事業
の増収効果等により、営業利益は2,077億円(対前期29億円増)、営業利益率は13.8%となり、税引前利益は2,073億円
(対前期30億円増)となりました。当期利益は、1,553億円(対前期67億円増)となりました。
 基本的1株当たり当期利益は314.25円となり、前期の298.30円より15.95円増加(前期比5.3%増)しました。
 当社グループが経営指標としているEVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が増加し、前期を31億円上回
り935億円となりました。
 なお、2018年4月27日開催の取締役会において、資本効率の向上と株主への一層の利益還元のため、自己株式の取得を
決議し、総額500億円の自己株式を取得しました。また、9月14日に自己株式の消却630万株を実施しました。

 当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。

                   第1四半期              第2四半期               第3四半期              第4四半期
                   (1-3月)             (4-6月)              (7-9月)             (10-12月)
       米ドル      108.44円[113.71円]    109.08円[111.13円]    111.44円[110.97円]   112.82円[112.92円]
       ユーロ      133.23円[121.13円]    130.09円[122.28円]    129.62円[130.35円]   128.76円[132.95円]
       中国元       17.04円[ 16.50円]    17.11円[ 16.19円]     16.39円[ 16.63円]    16.31円[ 17.07円]
 注:[   ]内は前期の換算レート

 2)当期のセグメント別の動向
〔セグメント別の概況〕
 当期より以下の変更を行っています(参照P.19(6)連結財務諸表に関する注記事項 1.セグメント情報)。
 1.ビューティケア事業を化粧品事業とスキンケア・ヘアケア事業に区分し、従来4区分としていた報告セグメントを5区
   分に変更しています。
 2.従来、スキンケア・ヘアケア製品に分類していた乾燥性敏感肌ケア「キュレル」を化粧品事業に、ヒューマンヘルス
   ケア事業に分類していたメンズプロダクツ「サクセス」をスキンケア・ヘアケア事業に組み入れたことにより、前期
   の売上高及び営業利益を組み替えて表示しています。
 3.日本のコンシューマープロダクツ事業の販売組織を再編したため、前期の営業利益を組み替えて表示しています。


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                                                                   花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

セグメントの業績

                                 売上高                                    営業利益
                           通期                  増減率                     通期
                                                   2017年        2018年
                      2017年   2018年                                        増 減
                                           実質      12月期         12月期
                      12月期    12月期 (%)                                    (億円)
                                          (%)          利益率          利益率
                     (億円) (億円)                  (億円)         (億円)
                                                       (%)          (%)
 化粧品事業                  2,662   2,796 5.0   5.0   130    4.9   277    9.9   147
 スキンケア・ヘアケア事業          3,329    3,414      2.6       2.7    493     14.8    488    14.3    (5)
 ヒューマンヘルスケア事業          2,812    2,677     (4.8)    (4.4)    345     12.3    279    10.4   (65)
 ファブリック&ホームケア事業        3,357    3,441      2.5       2.6    762     22.7    712    20.7   (50)
コンシューマープロダクツ事業        12,160    12,329     1.4       1.6   1,730    14.2   1,757   14.3    27
ケミカル事業                 3,103     3,128     0.8       0.5     303     9.8     306    9.8     3
       小    計         15,263    15,457     1.3       1.3   2,033       -   2,063      -    30
  セグメント間消去又は調整          (369)     (377)        -       -      15       -      14      -    (1)
       合    計         14,894    15,080     1.2       1.3   2,048    13.7   2,077   13.8    29


販売実績
                                                                              (億円、増減率%)
             通期            本       日
                                 アジア      米 州      欧 州      合 計
                  2017年   2,150      254       63      195    2,662
                  2018年   2,177      347       64      208    2,796
  化粧品事業
                  増減率       1.3     36.7      1.9      6.6      5.0
                   実質       1.3     36.6      3.5      5.5      5.0
                  2017年   1,919      279      689      442    3,329
                  2018年   1,958      285      728      443    3,414
  スキンケア・ヘアケア事業
                  増減率       2.1      2.0      5.7      0.2      2.6
                   実質       2.1      3.4      7.8     (2.6)     2.7
                  2017年   1,845      967        0        -    2,812
                  2018年   1,716      960        1        -    2,677
  ヒューマンヘルスケア事業
                  増減率      (7.0)    (0.8)   109.9        -     (4.8)
                   実質      (7.0)     0.5    118.9        -     (4.4)
                  2017年   2,948      388       21        -    3,357
                  2018年   2,987      396       57        1    3,441
  ファブリック&ホームケア事業
                  増減率       1.3      2.0    174.4        -      2.5
                   実質       1.3      2.7    179.6        -      2.6
                  2017年   8,862    1,888      773      638   12,160
                  2018年   8,839    1,987      850      652   12,329
 コンシューマープロダクツ事業
                  増減率      (0.3)     5.3     10.0      2.3      1.4
                   実質      (0.3)     6.3     12.1      0.1      1.6
                  2017年   1,239      696      526      642    3,103
                  2018年   1,266      675      518      669    3,128
 ケミカル事業
                  増減率       2.2     (3.0)    (1.5)     4.3      0.8
                   実質       2.2     (3.3)     0.7      1.1      0.5
                  2017年    (318)     (34)      (1)     (16)    (369)
 セグメント間売上高の消去
                  2018年    (329)     (31)      (1)     (16)    (377)
                  2017年   9,782    2,550    1,298    1,264   14,894
                  2018年   9,776    2,631    1,368    1,305   15,080
 売上高
                  増減率      (0.1)     3.2      5.4      3.3      1.2
                   実質      (0.1)     3.8      7.5      0.6      1.3
注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、コンシューマープロダ
  クツ事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。

 売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の37.0%から37.7%となりました。




                                       - 3 -
                                            花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

コンシューマープロダクツ事業
 売上高は、前期に対して1.4%増の1兆2,329億円(実質1.6%増)となりました。
 消費者の価値観の多様化に対応した新製品・改良品の発売や購買行動の変化に合わせたEコマースの強化等、より効
果的なマーケティング・販売活動に取り組みました。
 日本の売上高は、前期に対してわずかに減少し、0.3%減の8,839億円となりました。
 アジアでは、順調に伸長し、売上高は5.3%増の1,987億円(実質6.3%増)となりました。
 米州の売上高は、10.0%増の850億円(実質12.1%増)となり、欧州の売上高は、2.3%増の652億円(実質0.1%増)
となりました。
 営業利益は、1,757億円(対前期27億円増)となりました。

 当社は、【化粧品事業】、【スキンケア・ヘアケア事業】、【ヒューマンヘルスケア事業】、【ファブリック&ホー
ムケア事業】を総称して、コンシューマープロダクツ事業としています。


【化粧品事業】
  売上高は、前期に対し5.0%増の2,796億円(実質5.0%増)となりました。
  2018年5月に新たな成長戦略を発表し、ブランドポートフォリオの最適化やマーケティングの強化等に取り組み、一
定の成果を上げることが出来ました。重点戦略ブランドを決め、選択と集中を進めるとともに、消費者の購買行動の変
化に対応して、デジタルマーケティングの強化を図りました。
  デパートチャネルで展開しているカウンセリング化粧品の「SUQQU」や「RMK」、セルフ化粧品では、低刺激で和漢植
物エキスを配合した「フリープラス」、乾燥性敏感肌ケア「キュレル」の売り上げは、好調に推移しました。また、
2018年9月に改良した土台美容液「ソフィーナiP」は、多くの消費者に受け入れられ、順調に売り上げを伸ばしまし
た。好調なアジアでは、中国を中心に売り上げは大きく伸長しました。今後も着実に構造改革を進めながら、新成長戦
略を実行し、化粧品事業をさらに発展させていきます。
  営業利益は、好調なブランドやアジア事業の増収効果等により、277億円(対前期147億円増)と大きく改善しまし
た。


【スキンケア・ヘアケア事業】
  売上高は、前期に対し2.6%増の3,414億円(実質2.7%増)となりました。
  スキンケア製品では、「ビオレ」が日本、アジアで順調に売り上げを伸ばしましたが、米州では、競合品の激しい攻
勢を受けました。ハンド&ボディローションの「ジャーゲンズ」は米州で順調に推移しました。
  ヘアケア製品では、日本で、革新的な次世代型の白髪ケア「リライズ」ブランドを立ち上げ、好調に推移しました
が、シャンプー・リンスは、拡大するプレミアム市場への対応が遅れたことや、マス市場の縮小が影響し、売り上げは
前期を下回りました。欧州ではヘアケアブランド「ジョン・フリーダ」が厳しい市場競争の影響を受けました。
  また、2018年1月にスーパープレミアム価格帯のヘアサロン向けブランド「Oribe(オリベ)」を所有するOribe Hair
Care, LLC(米国)が連結子会社になり好調に推移しました。
  営業利益は、日本やアジアのスキンケア製品の増収効果がありましたが、欧米の構造改革費用を計上したこと等によ
り、488億円(対前期5億円減)となりました。

【ヒューマンヘルスケア事業】
  売上高は、前期に対して4.8%減の2,677億円(実質4.4%減)となりました。
  ベビー用紙おむつ「メリーズ」は、日本では製品の改良を行い、サンプリング等の販売促進活動を強化して、消費者
からの支持は拡大しましたが、2019年1月から中国で施行の新電子商取引法の影響等で、中国での転売を目的とした需
要が大きく減少し、売り上げは前期を下回りました。また中国では、価格競争の激化や現地メーカーの攻勢等により、
売り上げは前期に比べて減少しました。一方、インドネシアでは、中間所得層向けの現地生産品が好調に推移し、ま
た、ロシアやその周辺国でも、消費者に広く受け入れられ、シェアを伸ばしました。
  生理用品「ロリエ」は、日本、中国等で高付加価値品が好調に推移し、大人用紙おむつは、日本で下着らしさにこだ
わった超薄型紙パンツの「リリーフ まるで下着」が、順調に売り上げを伸ばしました。
  パーソナルヘルス製品の売り上げは、順調に推移しました。オーラルケアや入浴剤では、高機能品が順調に推移しま
した。蒸気の温熱シート「めぐりズム」は、改良品の発売やデジタルマーケティングを強化したこと等でロイヤルユー
ザーが拡大し、売り上げが伸長しました。
  フード&ビバレッジ製品では、事業構造改革を進め、収益構造が改善しました。
  営業利益は、ベビー用紙おむつの売り上げ減少や原材料価格の上昇、減価償却費の増加等により、279億円(対前期
65億円減)となりました。




                             - 4 -
                                             花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

【ファブリック&ホームケア事業】
 売上高は、前期に対して2.5%増の3,441億円(実質2.6%増)となりました。
 ファブリックケア製品は、日本で厳しい競争環境の中、売り上げは、堅調に推移しました。衣料用洗剤「アタック」
は、「洗たく水を抗菌水に変える」という価値伝達の強化を図り、柔軟仕上げ剤では、高付加価値商品の市場拡大が続
く中、「フレア フレグランス」を改良しシェアを伸ばしました。
 ホームケア製品は、売り上げは、堅調に推移しました。日本では、泡スプレータイプの食器用洗剤「キュキュット」
を改良して新たな使用者を開拓し、順調に推移しました。
 アジアでは、タイ等で高付加価値品の投入と店頭展開の強化を進め、売り上げは堅調に推移しました。また、海外で
の業務品事業を強化する目的で、2018年8月にWashing Systems, LLC(米国)の買収を完了し、連結子会社になりまし
た。
 営業利益は、厳しい競争環境の中、石化原料等の価格上昇の影響等により、712億円(対前期50億円減)となりまし
た。


ケミカル事業
 売上高は、前期に対して0.8%増の3,128億円(実質0.5%増)となりました。
 油脂製品では、海外での需要は堅調でしたが、天然油脂価格の下落に伴う販売価格調整の影響により、売り上げは減
少しました。機能材料製品では、インフラ関連分野での拡販の貢献もあり、売り上げを伸ばしました。スペシャルティ
ケミカルズ製品では、トナー・トナーバインダーは顧客の需要減の影響を受けたものの、ハードディスク関連製品は順
調に推移しました。
 営業利益は、海外での油脂製品の伸長と高付加価値化により、最高益を更新し306億円(対前期3億円増)となりまし
た。




                              - 5 -
                                                             花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

 (次期の見通し)
                                                                  親会社の          基本的
                   売上高          営業利益      営業利益率       税引前利益     所有者に帰属する      1株当たり
                                                                  当期利益         当期利益
                  (億円)          (億円)       (%)        (億円)        (億円)        (円)
 2019年12月期(予想)         15,800     2,250        14.2     2,250         1,620    332.88
 2018年12月期(実績)         15,080     2,077        13.8     2,073         1,537    314.25
                        4.8%
     増減率                          8.3%            -     8.6%          5.4%      5.9%
                 実質※    5.8%
※「実質」は、為替変動の影響を除く。以下、同様に記載。

 1)次期における業績全般の見通し
   2019年度は、花王グループ中期経営計画「K20」の目標達成のための勝負の年と位置付けています。「K20」のスター
 トから2年間で見えてきた課題にしっかりと取り組み、得られた成果や蓄積してきた技術、知見を最大限に活かしてい
 きます。そのためには、企業理念である「花王ウェイ」の基本となる価値観にある「正道を歩む」を貫きながら、
 「K20」に掲げるスローガン「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」を高い次元で実践していかなければなりま
 せん。
   コンシューマープロダクツ事業では、デジタルマーケティングを駆使して価値伝達の方法の転換を図りながら、これ
 まで以上に新製品・改良品を投入していきます。2019年10月に実施される日本での消費増税の対応をしっかりと行うと
 ともに、化粧品事業改革のさらなる進展、ベビー用紙おむつ及び欧米コンシューマープロダクツ事業の再活性化等を中
 心に、事業活動を進めていきます。
   ケミカル事業では、原料価格の変動に左右されない高付加価値製品の開発や、環境負荷の低減に対応したエコケミカ
 ル製品の強化に取り組んでいきます。
   売上高は1兆5,800億円(増減率4.8%増/実質増減率5.8%増)を予想しています。販売数量は、多様な嗜好や価値観
 に対応した新製品・改良品を積極的に投入すること等によって市場の活性化を図り、増加すると見込んでいます。
   原材料価格は、天然油脂や石化原料の価格は比較的安定した水準で推移し、紙パルプ等の市況が上昇すると予想して
 おり、グループ全体では前期に比べ値上がりを見込んでいます。当社グループの持続的成長を支えるTCR(Total Cost
 Reduction)活動やマーケティング、販売活動の革新等にも継続して取り組んでいきます。
   これらを前提として、営業利益は2,250億円(増減率8.3%増)、営業利益率は14.2%、税引前利益は2,250億円(増
 減率8.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,620億円(増減率5.4%増)を予想しています。
   EVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)の増加とともに、資産の最大活用による投下資本のさらなる効率
 的な運用を目指し、増加させていきます。


 2)次期におけるセグメント別の見通し
   コンシューマープロダクツ事業は、日本では、トイレタリー及び化粧品市場(インバウンド含む)は、金額ベースで
 若干の伸長を予想しています。海外市場は、アジアでは中国、インドネシアを中心に成長が続き、欧米では緩やかな成
 長を見込んでいます。販売チャネルではEコマースが、引き続きグローバルに伸長すると見込んでいます。

  化粧品事業は、2018年5月に発表した新たな成長戦略をさらに進展させ、G11やR8の重点戦略ブランドをより強化して
 いきます。独自の技術を活かした商品の高付加価値化に取り組む一方で、重点ブランドを明確にして一つ一つのブラン
 ドを磨き上げ、伸長しているEコマースやトラベルリテールチャネルを強化して、戦略的なブランドポートフォリオを
 構築していきます。また好調な中国を中心にアジアの一層の強化を図りながら、同時に日本の構造改革をさらに進めて
 いきます。
  以上により、当事業の売上高は、2,900億円(実質増減率4.5%増)を見込んでいます。

  スキンケア・ヘアケア事業は、消費者の価値観や生活習慣の変化を見極めながら、商品の高付加価値化を進め、当社
 グループならではの独自性と魅力のある提案によって、市場の活性化を図ります。そして、細分化していく市場への対
 応や新しいエリアやカテゴリーに積極的にチャレンジしていきます。スキンケア製品では、ミクロレベルの隙間まで塗
 りムラを防ぐ世界初の処方※を採用したUVケア商品を「ビオレ」から発売します。欧米の事業では、「モノづくり」の
体制を強化するため組織を再編し、事業の立て直しを図ります。また消費者の購買行動の変化に合わせたマーケティン
グ活動や売り方の改革等も推進していきます。
 以上により、当事業の売上高は、3,570億円(実質増減率5.7%増)を見込んでいます。

  ※ 独自製法により、ベヘン酸グリセリル、ジステアリン酸ソルビタンを含む両親媒性成分(水にも油にもなじむ性質)からなる「UV防御剤
   内包カプセル」を配合した日やけ止め処方(先行技術調査及びMintel Japan社データベース内2018年7月当社調べ)



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                                                   花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

 ヒューマンヘルスケア事業は、心と体の両面からのヘルスケアに着目した商品開発を推進していきます。サニタリー
製品では、肌へのやさしさ・快適さと安心感を高める商品づくりを目指していきます。ベビー用紙おむつの「メリー
ズ」では、2018年に成長が鈍化した中国で、伸びているEコマースチャネルでの戦略的取り組みを一層強化する等、再
活性化させていきます。また生理用品では、商品の高付加価値化を進め、事業を拡大していきます。パーソナルヘルス
製品では、毎日続けられる健康生活習慣となる商品を通じて当社グループ独自の新しい提案を継続し、より一層のブラ
ンド価値の向上に努めていきます。フード&ビバレッジ製品では、「ヘルシア」独自の訴求を強化し、事業構造改革を
進めるとともに、新しい分野への道筋をつけていきます。
 以上により、当事業の売上高は、2,860億円(実質増減率7.8%増)を見込んでいます。

 ファブリック&ホームケア事業は、変化する消費者の生活スタイルを的確に捉え、さまざまな生活シーンで清潔、快
適、楽しさを提供する、より付加価値の高い商品を開発し、ブランド力の強化とともに豊かな生活文化の創造を提案し
ていきます。日本では、ファブリックケア製品で、2018年11月の技術イノベーション説明会で公表した技術の製品化の
第一弾として、洗たくの概念を変える革新的な技術を搭載した洗たく用洗剤「アタック ZERO(ゼロ)」を発売しま
す。ホームケア製品では、生活スタイルや家事意識、家族像の大きな変化を捉え、家事の負担を圧倒的に解消するよう
な高付加価値商品の提案等を行っていきます。また販売店と協働して、衣料用濃縮液体洗剤や柔軟仕上げ剤、住居用洗
剤等の詰替え品で、商品のライフサイクル全体での環境負荷低減を目指した啓発活動に取り組む等、当社グループの環
境宣言のスローガンである「いっしょにeco」を引き続き推進していきます。
 以上により、当事業の売上高は、3,710億円(実質増減率8.0%増)を見込んでいます。

 ケミカル事業は、幅広い産業界の多様なニーズに対応した、高付加価値で特長あるケミカル製品の供給をグローバル
に推進していきます。油脂製品では、アジアを中心に天然油脂原料をベースにした油脂アルコール・油脂アミン及びよ
り付加価値の高い誘導体の比率をより高めていきます。また、機能材料製品では、海外での伸長や日本でのインフラ需
要の増加等、ソリューションビジネスを拡大していきます。スペシャルティケミカルズ製品では、情報材料関連製品の
販売の拡大を図るとともに、顧客の動向を見据えた製品対応に取り組みます。さらに、世界的な地球環境に対する関心
の高まりを受け、環境負荷低減に貢献する独創的な技術による新製品、新素材の開発を強化していくとともに、成長が
見込まれる新興国市場の開拓を進めて、売り上げの拡大に取り組んでいきます。
 以上により、原料価格変動に対応した販売価格の改定も含め、当事業の売上高は、3,110億円(実質増減率0.9%増)
を見込んでいます。

 社会環境が大きく変化し、価値観の多様化が急速に進む中、これまで成功してきたやり方だけでは、さらに成長し続
けることは難しくなっています。当社グループは、これまでとは異なる視点で、社会に役立つ新たな提案を続けていき
ます。また2018年11月に発表した5つの技術イノベーション(「Fine Fiber(ファインファイバー)※1」、「RNA
Monitoring(RNAモニタリング)※2」、「Created Color(クリエイティッド カラー)※3」、「Bio IOS(バイオIOS)
※4」、「Package   RecyCreation(パッケージ リサイクリエーション)※5」)の実用化や新規事業の立ち上げを進めて
いきます。

 ※1 肌表面に、極細の繊維からなる積層型極薄膜を直接形成する技術
 ※2 日々変動する皮膚状態を反映する遺伝子発現情報「RNA(リボ核酸)」を顔の皮脂から単離し、分析する技術
 ※3 より安心して利用でき、より魅力的な発色を実現するカラーリング剤の開発技術
 ※4 アブラヤシの多くを占める果肉部から抽出する油脂を、洗浄用途に適した成分に転換した界面活性剤の技術
 ※5 海洋プラスチックごみゼロ、再生プラスチック100%活用、残液ゼロを目指すエアインフィルムボトルの開発技術


3)次期の業績予想値算出の前提条件
  主要な為替レートは、110円/米ドル、125円/ユーロ、16円/中国元と想定しています。
  なお、天然油脂や石化原料の価格は変動する可能性がありますが、その前提は当社グループが現在入手している情報
に基づいています。




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                                                    花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

(2)財政状態に関する概要
(資産、負債、資本及びキャッシュ・フローの状況に関する概要)
1)当期における資産、負債、資本及びキャッシュ・フローの状況に関する概要

(連結財政状態)
                              前連結会計年度              当連結会計年度
                                                                   増 減
                               2017年12月末            2018年12月末
資産合計(億円)                             14,274              14,610       336
負債合計(億円)                              6,080               6,255       175
資本合計(億円)                              8,194               8,355       161
親会社所有者帰属持分比率                         56.5%               56.3%            -
1株当たり親会社所有者帰属持分(円)                 1,636.41            1,689.82     53.41
社債及び借入金(億円)                           1,206               1,208           2


(連結キャッシュ・フローの状況)
                                              通期
                                                                   増 減
                               2017年12月期           2018年12月期
                                 (億円)                (億円)          (億円)
営業活動によるキャッシュ・フロー                      1,858               1,956          98
投資活動によるキャッシュ・フロー                       (961)             (1,579)     (617)
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)               897                 377       (520)
財務活動によるキャッシュ・フロー                       (532)             (1,086)     (553)


 資産合計は、前期末に比べ336億円増加し、1兆4,610億円となりました。主な増加は、棚卸資産137億円、有形固定資
産231億円、のれん416億円、無形資産297億円、主な減少は、現金及び現金同等物771億円です。
 負債合計は、前期末に比べ175億円増加し、6,255億円となりました。主な増加は、退職給付に係る負債199億円で
す。
 資本合計は、前期末に比べ161億円増加し、8,355億円となりました。主な増加は、当期利益1,553億円、主な減少
は、市場買付けによる自己株式の取得500億円、配当金575億円、その他の包括利益321億円です。
 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の56.5%から56.3%となりました。親会社所有者帰属持分当期利
益率(ROE)は18.9%となり、引き続き高い水準を維持することができました。
 また、2018年9月14日に自己株式の消却630万株を実施しました。


  営業活動によるキャッシュ・フローは、1,956億円となりました。主な増加は、税引前利益2,073億円、減価償却費及
び償却費607億円、退職給付に係る負債の増減額207億円であり、主な減少は、営業債権及びその他の債権の増減額126
億円、棚卸資産の増減額157億円、法人所得税等の支払額517億円です。
  投資活動によるキャッシュ・フローは、△1,579億円となりました。主な内訳は、日本の生産拠点の能力増強に加え
て、伸長著しいアジアでも積極的に設備投資を行ったことによる有形固定資産の取得による支出803億円、既存事業と
のシナジー効果が期待されるヘアサロン向け事業や業務品事業等における企業結合による支出739億円です。
  営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フロー
は、377億円となりました。
  財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,086億円となりました。安定的かつ継続的な配当を重視しており、また
EVA視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っています。当期の主な内訳は、非
支配持分への支払いを含めた支払配当金576億円、自己株式の取得による支出500億円です。なお、適正な資本コスト率
の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的に、社債の発行と償還を行い、その内訳は社債の発行による収入
251億円、社債の償還による支出249億円です。
  当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ771億円減少し、2,660億円となり
ました。




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                                         花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

2)次期における資産、負債、資本及びキャッシュ・フローの見通し
  営業活動によるキャッシュ・フローは、利益の増加もあり、約2,300億円を見込んでいます。なお、2019年度から適
用予定のIFRS第16号「リース」の影響が含まれており、それを除くと、営業活動によるキャッシュ・フローは、約
2,100億円となる予定です。
  投資活動によるキャッシュ・フローは、生産能力の増強及び合理化、物流効率化等を含む、さらなる成長のための積
極投資等を予定しており、約1,000億円を見込んでいます。
  財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等を予定しています。
  以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、当期から約400億円増加し、約3,100億円を予想しています。



(3)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
 当社グループは、EVA(経済的付加価値)を経営の主指標としており、その視点で安定的に創出されるキャッシュ・
フローの使途を下記のとおり明確に定めています。株主還元はその一部で、将来の資金需要や金融市場の情勢を考慮し
て実行しています。
  キャッシュ・フローの使途
     ・将来の成長に向けての投資(設備、M&A等)
     ・安定的、継続的な配当(配当性向40%目標)
     ・自己株式の取得と借入金等の有利子負債の早期返済
 この方針のもと、当期の期末配当金は、前期に比べ4円増配の1株当たり60円とさせていただく予定です。この結果、
年間配当金は前期に比べ10円増配の1株当たり120円、連結での配当性向は38.2%となります。
 また、次期の配当金については、利益配分に関する基本方針に基づき、フリー・キャッシュ・フロー等を考慮し、当
期に比べ10円増配の1株当たり130円の配当(配当性向39.1%)とさせていただく予定です。これにより、30期連続増配
を目指します。




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                                                 花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信


2.経営方針
(1)会社の経営の基本方針
  当社グループは、消費者・顧客の立場にたって、心をこめた“よきモノづくり”を行い、世界の人々の喜びと満足の
 ある、豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献することを使命としていま
 す。
  私たちは、企業理念である「花王ウェイ」をすべての活動の根幹に据え、グループ全員でこれを共有し、考え方や行
 動の拠り所として日々、実践していきます。そして、当社グループ全員の熱意と力を合わせ、資産の最大活用をさらに
 進めて、清潔で美しくすこやかな暮らしに役立つ商品と、産業界の発展に寄与する工業用製品の分野において、消費
 者・顧客とともに感動を分かち合う価値ある商品とブランドを、これからも提供し続けていきます。
  社会情勢や自然環境は大きく変化しており、当社グループが今後も持続的に成長をしていくためには、自ら変わり、
 変化を先導する企業にならなければなりません。本質研究をさらに深化させ、社会にインパクトを与えるようなレベル
 のイノベーションを積極的に提案していきます。
  さらに財務面だけでなく、非財務面での戦略や取り組みも経営上の最重要課題と位置づけ、「Kirei Action」と名付
 けたグループのグローバルなESG活動を本格化させていきます。世界中の人々が目指すべき未来の形成のために、「持
 続可能な開発目標 (SDGs:Sustainable Development Goals)」で掲げられた社会課題と真摯に向き合い、環境に関す
 る法規制の強化や消費者のエシカル(倫理的)な志向等に対応し、花王らしいアプローチで取り組んでいきます。そし
 て利益ある成長と高いレベルでのステークホルダーへの還元を実現しながら、2030年までにグローバルで存在感のある
 企業グループになっていきます。
  ESGの中でもガバナンスは、経営の想いや夢を「攻め」と「守り」の両面からサポートし、企業価値を継続的に向上
 させていくための最重要の経営基盤と考えています。そのために、迅速で効率よく、健全かつ公正で透明性の高い経営
 が実現できるよう、絶えざる革新を図るとともに、経営の執行においては内部統制をさらに充実させていきます。


(2)目標とする経営指標
  当社グループは、投下資本のコストを考慮した真の利益を表すEVAを経営の主指標としています。その本質は、株主
 等の資金提供者の視点を持って、資本を効率的に活用し利益を生み出すことにあります。EVAを継続的に増加させてい
 くことが企業価値の増大につながり、株主だけでなく全てのステークホルダーの長期的な利益とも合致するものと考え
 ています。そして事業規模の拡大を図りながら、EVA を増加させることを事業活動の目標としており、個別事業の評
 価、設備や買収等の投資評価、年度ごとの業績管理や報酬制度等に活用しています。


(3)中長期的な会社の経営戦略
 1.長期経営戦略
  当社グループは、上記の経営の基本方針に基づき、2030年までに達成したい姿として、持続的な利益ある成長と、事
 業活動を通じた社会的課題の解決や社会貢献活動による社会のサステナビリティへの貢献との両立により、『グローバ
 ルで存在感のある会社「Kao」』を目指します。この実現のために、強みである既存事業の一層の磐石化及び未来を創
 造する研究開発力を活かしたグローバル視点での新しい市場の創造を推進するとともに、より高いレベルの安全・安心
 を目指した基本的な活動を実践します。
  世界中で起きているさまざまな変化は、スピード、大きさ、変化の方向等、あらゆる面で予見することが難しくなっ
 ています。このような状況に対処していくために、「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」をスローガンに、当
 社グループの総合力を発揮し、目標の実現を目指していきます。
  2030年までに達成したい姿として、以下を掲げています。


  グローバルで存在感のある会社「Kao」
   ■特長ある企業イメージ
    「生活者の気持ちにそっと寄り添える企業」
   ■高収益グローバル消費財企業
    ・売上高2.5兆円(海外1兆円)を超える
    ・営業利益率17%を超える
    ・ROE20%を超える
   ■ステークホルダーへの高レベル還元




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                                         花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

2.中期経営計画
 当社グループは、2020年までの中期経営計画を「2030年までに達成したい姿」を実現するための重要な通過点と位置
付け、企業価値の増大に向けて、2017年から2020年までの4ヵ年を対象とした花王グループ中期経営計画「K20」を策定
し、2016年12月12日に公表しました。そして、企業理念である「花王ウェイ」に掲げる「正道を歩む」を貫くことを全
員で共有・実践しながら、本質研究を深化させ、ESG活動を一層強化していきます。2018年7月にはESG部門を新設し、
グローバルにESG活動を推進していく体制が整いました。また、AIやIoT、ロボット等の先端技術を駆使し、より次元の
高い資産の最大活用を通じて、高いレベルの利益ある成長と新しい資産の創造を行い、以下の目標を達成していきま
す。

  「K20」の目標 (3つのこだわり)
   ■特長ある企業イメージの醸成へのこだわり
   ■「利益ある成長」へのこだわり
     ・過去最高益更新の継続
    ・実質売上高CAGR※+5%、営業利益率 15%を目指す
    ・売上高1,000億円ブランドを3つ
     (ベビー用紙おむつ「メリーズ」、衣料用洗剤「アタック」、スキンケア製品「ビオレ」)
    ※ 実質: 為替の変動・販売制度変更等の影響を除く
      CAGR: 年平均成長率
   ■ステークホルダー還元へのこだわり
    ・株主: 連続増配継続 (配当性向 40%目標)
    ・社員: 継続的な処遇アップ、健康サポート
    ・顧客: Win-Winの最大化
    ・社会: 社会的課題への先進的取り組み

 さらに「K20」では「2030年までに達成したい姿」を実現するために、その礎をしっかりと築いておかなければなり
ません。それは、積極的な投資を活かしながら稼ぐ力を生み出し、利益ある成長を達成していくという「脱デフレ型成
長モデル」を進化させるということです。そのためには、これまでのやり方、あり方、考え方を抜本的に見直し、より
高いレベルで当社グループの資産の最大化、そしてその最大活用をしていかなければなりません。当社グループは
「K20」の「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」というスローガンを、「正道を歩む」を貫くことにこだわり
ながら実践していきます。

(4)会社の対処すべき課題
  市場競争の激化や市場構造の変化、原材料市況や為替の変動等事業環境は不透明な状況が続いています。消費者の環
 境や健康等に関する意識の変化やそれに伴う購買意識の変化、さらには高齢化社会の進行や衛生等の社会的課題も増大
 しています。また、事業がグローバルに拡大し、さまざまな分野で構造的変化が進む中、事業を取り巻くリスクの変化
 に対応していかなければなりません。このような中、当社グループは、変化の半歩先を行く「よきモノづくり」を通し
 て、利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献の両立を進めていきます。そのために以下のような課題に対し適
 切に対処していきます。
   ・事業を取り巻くリスクの変化に対応するため、経営への影響が特に大きく対応の強化が必要なリスクをコーポレ
    ートリスクと定め、管理体制を一層強化することで、グループ全体の企業価値を損なわないように取り組んでい
    きます。
   ・技術革新に伴う価値観の多様化、それに伴う購買行動や流通構造の変化等が急速に進む現状において、これまで
    効率良く進めることが出来ていたマスを対象にしたビジネスモデルを、研究開発、生産、物流、販売、マーケテ
    ィング等あらゆる方面から見直す必要があります。これらの課題を解決するため本質研究の強化やAIやIoT、ロボ
    ット等の先端技術の活用を積極的に進めていきます。
   ・海洋プラスチック等のごみ問題、気候変動、水資源の枯渇、持続可能で責任ある調達等の環境保全・資源保護や
    安全、人権等の社会的課題に適切に対応し、持続的に企業価値を向上させていかなければなりません。そのた
    め、これまで実施してきたESGに関する取り組みを、ESG部門を中心にグローバルに進展、加速させ、それをチェ
    ック・管理していくような経営管理体制を強化していきます。なお、2018年10月に「私たちのプラスチック包装
    容器宣言」を公表しました。


3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
 当社グループは、グループ内の会計基準を統一することが、グループ経営管理の品質向上に寄与するものと判断し、
国際会計基準(IFRS)を2016年12月期より任意適用しています。この適用に伴い、グループ各社・各事業に対して統一
された仕組みや情報に基づくマネジメントが可能となり、グローバル企業として企業価値増大に向けた経営基盤強化を
図っていきます。また、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性の向上に貢献すると考えています。



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4.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結財政状態計算書

                     前連結会計年度               当連結会計年度
                                                              増減
                    (2017年12月31日)         (2018年12月31日)

                        百万円                   百万円             百万円
資産
 流動資産
   現金及び現金同等物                    343,076             265,978    (77,098)
   営業債権及びその他の債権                 216,507             223,102      6,595
   棚卸資産                         183,921             197,571     13,650
   その他の金融資産                      14,914              15,146        232
   未収法人所得税                        2,653               2,066       (587)
  その他の流動資産                       28,162              22,449     (5,713)
  小計                            789,233             726,312    (62,921)
  売却目的で保有する非流動資産                    147                   -       (147)
  流動資産合計                        789,380             726,312    (63,068)


 非流動資産
  有形固定資産                        395,800             418,935     23,135
  のれん                           138,735             180,286     41,551
  無形資産                           16,829              46,549     29,720
  持分法で会計処理されている投資                 7,682               7,931        249
  その他の金融資産                       27,345              23,540     (3,805)
  繰延税金資産                         40,918              49,158      8,240
  その他の非流動資産                      10,686               8,275     (2,411)
  非流動資産合計                       637,995             734,674     96,679
資産合計                          1,427,375          1,460,986      33,611




                     - 12 -
                                              花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信


                      前連結会計年度                当連結会計年度             増減
                     (2017年12月31日)          (2018年12月31日)

                         百万円                    百万円              百万円
負債及び資本
 負債
  流動負債
    営業債務及びその他の債務                 224,893              225,560         667
    社債及び借入金                       25,262               40,488      15,226
   その他の金融負債                        7,739                6,880        (859)
   未払法人所得税等                       34,255               34,198         (57)
   引当金                             4,822                2,873      (1,949)
   契約負債等                          17,296               18,387       1,091
   その他の流動負債                      107,404              102,452      (4,952)
   流動負債合計                        421,671              430,838       9,167


  非流動負債
   社債及び借入金                        95,322               80,339     (14,983)
   その他の金融負債                       10,091                9,506        (585)
   退職給付に係る負債                      64,694               84,552      19,858
   引当金                            10,617               12,175       1,558
   繰延税金負債                            435                2,864       2,429
   その他の非流動負債                       5,181                5,203          22
   非流動負債合計                       186,340              194,639       8,299
  負債合計                           608,011              625,477      17,466


 資本
  資本金                             85,424               85,424           -
  資本剰余金                          107,980              108,245         265
  自己株式                            (9,593)             (11,282)     (1,689)
  その他の資本の構成要素                    (12,315)             (30,029)    (17,714)
  利益剰余金                          634,885              670,002      35,117
  親会社の所有者に帰属する持分合計               806,381              822,360      15,979
  非支配持分                           12,983               13,149         166
  資本合計                           819,364              835,509      16,145
負債及び資本合計                       1,427,375           1,460,986       33,611




                      - 13 -
                                                   花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

(2)連結損益計算書
                           前連結会計年度         当連結会計年度
                         (自 2017年1月1日    (自 2018年1月1日               増減
                          至 2017年12月31日)  至 2018年12月31日)
                    注記           百万円                百万円             百万円
 売上高                 1             1,489,421          1,508,007       18,586
 売上原価                                  (834,107)        (853,989)     (19,882)
 売上総利益                                  655,314          654,018       (1,296)


 販売費及び一般管理費         2                  (452,666)        (444,845)      7,821
 その他の営業収益                                14,909           14,288         (621)
 その他の営業費用                               (12,766)         (15,758)      (2,992)
 営業利益               1                   204,791          207,703        2,912


 金融収益                                     1,452            1,717          265
 金融費用                                    (3,960)          (4,251)        (291)
 持分法による投資利益                               2,007            2,082           75
 税引前利益                                  204,290          207,251        2,961


 法人所得税                                  (55,683)         (51,920)       3,763
 当期利益                                   148,607          155,331        6,724


当期利益の帰属
 親会社の所有者                                147,010          153,698        6,688
 非支配持分                                    1,597            1,633           36
 当期利益                                   148,607          155,331        6,724


1株当たり当期利益
 基本的1株当たり当期利益(円)    3                    298.30           314.25
 希薄化後1株当たり当期利益(円)   3                    298.09           314.12




                              - 14 -
                                                 花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

(3)連結包括利益計算書
                          前連結会計年度         当連結会計年度
                        (自 2017年1月1日    (自 2018年1月1日               増減
                         至 2017年12月31日)  至 2018年12月31日)
                                百万円               百万円              百万円
当期利益                                  148,607           155,331       6,724


その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
 その他の包括利益を通じて公正価値で測定
                                        1,166                (2)     (1,168)
 される金融資産の純変動
 確定給付負債(資産)の純額の再測定                     21,260           (15,524)    (36,784)
 持分法適用会社におけるその他の包括利益
                                          317              (345)        (662)
 に対する持分
純損益に振り替えられることのない項目合計                   22,743           (15,871)    (38,614)


純損益に振り替えられる可能性のある項目
 在外営業活動体の換算差額                           8,541           (16,140)    (24,681)
 持分法適用会社におけるその他の包括利益
                                           (1)              (73)         (72)
 に対する持分
純損益に振り替えられる可能性のある項目合計                   8,540           (16,213)    (24,753)


税引後その他の包括利益                            31,283           (32,084)    (63,367)
当期包括利益                                179,890           123,247     (56,643)


当期包括利益の帰属
親会社の所有者                               178,020           122,324     (55,696)
非支配持分                                   1,870               923         (947)
当期包括利益                                179,890           123,247     (56,643)




                             - 15 -
                                                                      花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

(4)連結持分変動計算書
     前連結会計年度(自      2017年1月1日       至      2017年12月31日)
                                               親会社の所有者に帰属する持分

                                                                      その他の資本の構成要素

                                                                                  キャッシュ・       その他の包括
                 資本金         資本剰余金          自己株式                                  フロー・ヘッ       利益を通じて
                                                                     在外営業活動
                                                        新株予約権                     ジの公正価値       公正価値で測
                                                                     体の換算差額
                                                                                  の変動額の有       定される金融
                                                                                  効部分          資産の純変動
                 百万円          百万円           百万円          百万円          百万円          百万円          百万円
2017年1月1日残高        85,424      107,648       (57,124)         911      (29,761)           4       7,025
当期利益                    -             -             -           -            -            -           -
その他の包括利益               -             -              -           -       8,221            (0)      1,472
当期包括利益                 -             -              -           -       8,221            (0)      1,472
自己株式の処分                 -             -       49,373        (165)            -            -            -
自己株式の取得                 -             -       (1,842)           -            -            -           -
株式に基づく報酬取引             -            332             -           -            -            -           -
配当金                     -             -             -           -            -            -           -
子会社に対する所有者
                        -            (0)            -           -            -            -           -
持分の変動
その他の資本の構成要
素から利益剰余金への              -             -             -         (15)           -            -           (7)
振替
その他                     -             -             -           -            -            -           -
所有者との取引等合計              -           332       47,531        (180)            -            -           (7)
2017年12月31日残高     85,424       107,980        (9,593)         731      (21,540)           4       8,490




                             親会社の所有者に帰属する持分

                 その他の資本の構成要素
                                                                     非支配持分         資本合計
                確定給付負債                     利益剰余金         合計
                (資産)の純         合計
                額の再測定
                 百万円          百万円            百万円         百万円          百万円          百万円
2017年1月1日残高             -      (21,821)      565,715     679,842        11,621      691,463
当期利益                    -             -      147,010     147,010         1,597      148,607
その他の包括利益           21,317       31,010              -     31,010           273       31,283
当期包括利益            21,317        31,010       147,010     178,020        1,870       179,890
自己株式の処分                 -         (165)      (48,914)        294             -          294
自己株式の取得                 -            -             -      (1,842)            -       (1,842)
株式に基づく報酬取引             -             -              -         332           -           332
配当金                    -             -       (50,265)    (50,265)        (369)      (50,634)
子会社に対する所有者
                        -             -             -          (0)           -           (0)
持分の変動
その他の資本の構成要
素から利益剰余金への        (21,317)     (21,339)       21,339            -            -            -
振替
その他                     -             -             -           -         (139)        (139)
所有者との取引等合計        (21,317)     (21,504)      (77,840)    (51,481)        (508)      (51,989)
2017年12月31日残高           -      (12,315)      634,885     806,381        12,983      819,364




                                           - 16 -
                                                                          花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

         当連結会計年度(自     2018年1月1日       至      2018年12月31日)
                                                  親会社の所有者に帰属する持分

                                                                          その他の資本の構成要素

                                                                                      キャッシュ・        その他の包括
                 資本金            資本剰余金          自己株式                                   フロー・ヘッ        利益を通じて
                                                                         在外営業活動
                                                            新株予約権                     ジの公正価値        公正価値で測
                                                                         体の換算差額
                                                                                      の変動額の有        定される金融
                                                                                      効部分           資産の純変動
                 百万円             百万円           百万円           百万円          百万円          百万円           百万円
2018年1月1日残高           85,424      107,980        (9,593)          731      (21,540)            4       8,490
当期利益                       -             -             -           -             -             -           -
その他の包括利益                  -             -              -           -       (15,492)           (5)       (338)
当期包括利益                    -             -              -           -       (15,492)           (5)       (338)
自己株式の処分                    -           (99)      48,345         (167)            -             -           -
自己株式の取得                   -              -      (50,034)           -            -             -            -
株式に基づく報酬取引                -            364             -           -            -             -            -
配当金                        -             -             -           -             -             -           -
その他の資本の構成要
素から利益剰余金への                 -             -             -          (18)           -             -      (1,694)
振替
その他                        -             -             -           -             -             -           -
所有者との取引等合計                 -           265       (1,689)        (185)            -             -      (1,694)
2018年12月31日残高         85,424      108,245        (11,282)         546      (37,032)           (1)      6,458




                                親会社の所有者に帰属する持分

                 その他の資本の構成要素
                                                                         非支配持分         資本合計
                確定給付負債                        利益剰余金          合計
                (資産)の純            合計
                額の再測定
                 百万円             百万円            百万円          百万円          百万円          百万円
2018年1月1日残高                -      (12,315)       634,885     806,381        12,983      819,364
当期利益                       -             -      153,698      153,698         1,633      155,331
その他の包括利益             (15,539)     (31,374)             -     (31,374)        (710)      (32,084)
当期包括利益               (15,539)     (31,374)      153,698      122,324           923      123,247
自己株式の処分                    -         (167)      (47,961)          118            -           118
自己株式の取得                    -             -             -     (50,034)           -       (50,034)
株式に基づく報酬取引                -             -             -          364            -           364
配当金                       -             -       (56,793)     (56,793)        (746)      (57,539)
その他の資本の構成要
素から利益剰余金への           15,539        13,827       (13,827)            -            -             -
振替
その他                        -             -             -            -          (11)          (11)
所有者との取引等合計            15,539       13,660       (118,581)    (106,345)        (757)     (107,102)
2018年12月31日残高              -      (30,029)       670,002     822,360        13,149       835,509




                                              - 17 -
                                                 花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

(5)連結キャッシュ・フロー計算書
                                 前連結会計年度                当連結会計年度
                          (自      2017年1月1日          (自  2018年1月1日
                           至      2017年12月31日)        至  2018年12月31日)
                                   百万円                     百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前利益                                    204,290                 207,251
 減価償却費及び償却費                                54,508                  60,662
 受取利息及び受取配当金                               (1,295)                 (1,578)
 支払利息                                       1,339                   1,256
 持分法による投資損益(益)                             (2,007)                 (2,082)
 有形固定資産及び無形資産除売却損益(益)                       3,111                   4,531
 営業債権及びその他の債権の増減額(増加)                      (3,464)                (12,591)
 棚卸資産の増減額(増加)                             (15,349)                (15,677)
 営業債務及びその他の債務の増減額(減少)                      14,637                   3,951
 退職給付に係る負債の増減額(減少)                        (30,886)                 20,740
 その他                                       14,476                 (21,437)
  小計                                      239,360                 245,026
 利息の受取額                                     1,069                   1,273
 配当金の受取額                                    2,047                   2,312
 利息の支払額                                    (1,329)                 (1,293)
 法人所得税等の支払額                               (55,302)                (51,708)
 営業活動によるキャッシュ・フロー                         185,845                 195,610

投資活動によるキャッシュ・フロー
 定期預金の預入による支出                             (26,673)                (26,768)
 定期預金の払戻による収入                              25,349                  26,987
 有形固定資産の取得による支出                           (83,663)                (80,295)
 無形資産の取得による支出                              (6,273)                 (7,703)
 企業結合による支出                                 (2,906)                (73,915)
 その他                                       (1,980)                  3,799
 投資活動によるキャッシュ・フロー                         (96,146)               (157,895)


財務活動によるキャッシュ・フロー
 短期借入金の増減額(減少)                                (59)                    230
 長期借入による収入                                 30,000                       -
 長期借入金の返済による支出                            (30,090)                    (67)
 社債の発行による収入                                     -                  25,060
 社債の償還による支出                                     -                 (24,939)
 自己株式の取得による支出                              (1,842)                (50,035)
 支払配当金                                    (50,299)                (56,838)
 非支配持分への支払配当金                                (369)                   (745)
 その他                                         (585)                 (1,245)
 財務活動によるキャッシュ・フロー                         (53,244)               (108,579)


現金及び現金同等物の増減額(減少)                          36,455                 (70,864)
現金及び現金同等物の期首残高                            303,026                 343,076
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響                       3,595                  (6,234)
現金及び現金同等物の期末残高                            343,076                 265,978




                        - 18 -
                                                           花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

(6)連結財務諸表に関する注記事項
   1.セグメント情報
    (1)報告セグメントの概要
       当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であ
      り、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっ
      ているものであります。なお、取締役会は、売上高及び営業利益を主要な指標として、各セグメントの業績
      評価を行っております。
       当社グループは、コンシューマープロダクツ事業部門を構成する4つの事業分野(化粧品事業、スキンケ
      ア・ヘアケア事業、ヒューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業)及びケミカル事業部門の5
      つの事業を基本にして組織が構成されており、各事業単位で、日本及び海外の包括的な戦略を立案し、事業
      活動を展開しております。
       従って、当社グループは、「化粧品事業」、「スキンケア・ヘアケア事業」、「ヒューマンヘルスケア事
      業」、「ファブリック&ホームケア事業」及び「ケミカル事業」の5つを報告セグメントとしております。
       当社グループは、2018年1月1日付の組織変更に伴い、当連結会計年度より、従来「ビューティケア事
      業」、「ヒューマンヘルスケア事業」、「ファブリック&ホームケア事業」及び「ケミカル事業」の4区分と
      していた報告セグメントを、「化粧品事業」、「スキンケア・ヘアケア事業」、「ヒューマンヘルスケア事
      業」、「ファブリック&ホームケア事業」及び「ケミカル事業」の5区分に変更しております。前連結会計年
      度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
       なお、当社グループの売上高の10%以上にあたる単一の外部顧客との取引がないため、主要な顧客に関す
      る情報の記載を省略しております。


           各報告セグメントの主要な製品は、以下のとおりであります。
   報   告   セ   グ   メ   ン   ト                     主    要     製        品
           化粧品事業               化粧品                   カウンセリング化粧品、セルフ化粧品

                               スキンケア製品               化粧石けん、洗顔料、全身洗浄料
           スキンケア・ヘアケア事業                              シャンプー、リンス、ヘアスタイリング剤、
                               ヘアケア製品
                                                     ヘアカラー、メンズプロダクツ
コンシューマー
                               フード&ビバレッジ製品           飲料
プロダクツ事業
           ヒューマンヘルスケア事業        サニタリー製品               生理用品、紙おむつ
                               パーソナルヘルス製品            入浴剤、歯みがき・歯ブラシ、温熱用品

                               ファブリックケア製品            衣料用洗剤、洗濯仕上げ剤
           ファブリック&ホームケア事業
                               ホームケア製品               台所用洗剤、住居用洗剤、掃除用紙製品、業務用製品

                                                     油脂アルコール、油脂アミン、脂肪酸、
                               油脂製品
                                                     グリセリン、業務用食用油脂

                                                     界面活性剤、プラスチック用添加剤、
ケミカル事業                         機能材料製品
                                                     コンクリート用高性能減水剤
                                                     トナー・トナーバインダー、
                               スペシャルティケミカルズ製品
                                                     インクジェットプリンターインク用色材、香料




                                        - 19 -
                                                                           花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

       (2)報告セグメントの売上高及び業績
          前連結会計年度(自 2017年1月1日               至    2017年12月31日)
                                            報告セグメント
                         コンシューマープロダクツ事業                                                 調整額        連結財務諸表
                       スキンケア ヒューマン ファブリック                           ケミカル                (注1)         計上額
              化粧品                                                              合計
                       ・ヘアケア ヘルスケア &ホームケア                  小計        事業
              事業
                        事業     事業    事業
              百万円       百万円       百万円           百万円       百万円        百万円      百万円        百万円        百万円
売上高
外部売上高        266,214   332,872    281,201       335,709 1,215,996   273,425 1,489,421         - 1,489,421
セグメント間の内部
売上高及び振替高           -          -         -             -         -   36,860     36,860   (36,860)          -
(注2)

  売上高合計      266,214   332,872    281,201       335,709 1,215,996   310,285 1,526,281   (36,860) 1,489,421


営業利益          12,989    49,329     34,453       76,247    173,018   30,299    203,317     1,474     204,791
金融収益                                                                                                  1,452
金融費用                                                                                                 (3,960)
持分法による投資利益                                                                                            2,007
税引前利益                                                                                               204,290


その他の情報
減価償却費及び償却費10,333  7,730 15,822  8,884 42,769 11,479 54,248 260 54,508
資本的支出(注3) 11,267 16,450 23,596 12,676 63,989 15,245 79,234 121 79,355
(注1) 営業利益の調整額1,474百万円には、セグメント間取引に係る棚卸資産の調整額等の消去のほか、各報告セグ
      メントに配分していない全社費用が含まれております。
(注2) セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいて算出しております。
(注3) 資本的支出には、有形固定資産及び無形資産への投資が含まれております。

          当連結会計年度(自        2018年1月1日        至    2018年12月31日)
                                            報告セグメント
                         コンシューマープロダクツ事業                                                 調整額        連結財務諸表
                       スキンケア ヒューマン ファブリック                           ケミカル                (注1)         計上額
              化粧品                                                              合計
                       ・ヘアケア ヘルスケア &ホームケア                  小計        事業
              事業
                        事業     事業    事業
              百万円       百万円       百万円           百万円       百万円        百万円      百万円        百万円        百万円
売上高
外部売上高        279,635   341,419    267,702       344,105 1,232,861   275,146 1,508,007         - 1,508,007
セグメント間の内部
売上高及び振替高           -          -         -             -         -   37,661     37,661   (37,661)          -
(注2)
  売上高合計      279,635   341,419    267,702       344,105 1,232,861   312,807 1,545,668   (37,661) 1,508,007


営業利益          27,710    48,827     27,907       71,249    175,693   30,631    206,324     1,379     207,703
金融収益                                                                                                  1,717
金融費用                                                                                                 (4,251)
持分法による投資利益                                                                                            2,082
税引前利益                                                                                               207,251


その他の情報
減価償却費及び償却費    10,908     9,593     17,602       10,299     48,402   12,000     60,402       260      60,662
資本的支出(注3)    11,597 17,021 19,259 18,107 65,984 23,032 89,016 81 89,097
(注1)     営業利益の調整額1,379百万円には、セグメント間取引に係る棚卸資産の調整額等の消去のほか、各報告セグ
         メントに配分していない全社費用が含まれております。
(注2)     セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいて算出しております。
(注3)     資本的支出には、有形固定資産及び無形資産への投資が含まれております。

                                                - 20 -
                                                 花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

 (3)地域別に関する情報
    外部顧客への売上高及び非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)の地域別
   内訳は、以下のとおりであります。


   外部顧客への売上高
                  前連結会計年度                 当連結会計年度
                 (自 2017年1月1日            (自 2018年1月1日
                  至 2017年12月31日)          至 2018年12月31日)
                     百万円                     百万円
    日本                     938,074                 939,463
    アジア                    288,087                 295,714
     うち中国                  134,751                 135,629
    米州                     134,219                 140,637
     うち米国                  102,763                 110,783
    欧州                     129,041                 132,193
          合計             1,489,421               1,508,007
   (注)    外部顧客への売上高は、顧客の所在地に基づき分類しております。


   非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)
                  前連結会計年度                 当連結会計年度
                 (2017年12月31日)           (2018年12月31日)
                     百万円                     百万円
    日本                     431,673                 448,357
    アジア                     85,290                  88,843
    米州                      22,610                  96,426
    欧州                      28,935                  27,184
          合計               568,508                 660,810



2.販売費及び一般管理費
   販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
                    前連結会計年度                 当連結会計年度
                   (自 2017年1月1日            (自 2018年1月1日
                    至 2017年12月31日)          至 2018年12月31日)
                        百万円                     百万円
   広告宣伝費                        89,935                 80,274
   販売促進費                        58,940                 55,308
   従業員給付費用                     147,007                148,220
   減価償却費                         8,870                  9,186
   償却費                           4,784                  6,860
   研究開発費                        56,703                 57,673
   その他                          86,427                 87,324
          合計                   452,666                444,845




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                                                花王㈱ (4452) 2018年12月期 決算短信

  3.1株当たり利益
   (1)基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
                                  前連結会計年度              当連結会計年度
                                 (自 2017年1月1日         (自 2018年1月1日
                                  至 2017年12月31日)       至 2018年12月31日)
    親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)                   147,010             153,698
    親会社の普通株主に帰属しない金額(百万円)                         -                   -
    基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
                                            147,010             153,698
    当期利益(百万円)


    加重平均普通株式数(千株)                           492,832             489,089


    基本的1株当たり当期利益(円)                          298.30             314.25

   (2)希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
                                  前連結会計年度              当連結会計年度
                                 (自 2017年1月1日         (自 2018年1月1日
                                  至 2017年12月31日)       至 2018年12月31日)
    基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
                                            147,010             153,698
    当期利益(百万円)
    当期利益調整額(百万円)                                  -                   -
    希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する
                                            147,010             153,698
    当期利益(百万円)


    加重平均普通株式数(千株)                           492,832             489,089
    普通株式増加数
     新株予約権(千株)                                  337                 199
    希薄化後の加重平均普通株式数(千株)                      493,170             489,289


    希薄化後1株当たり当期利益(円)                        298.09              314.12


    希薄化効果を有しないため、希薄化後1株当た
    り当期利益の算定に含めなかった潜在株式の概            ――――                ――――
    要



  4.重要な後発事象
     該当事項はありません。



(7)期中における重要な子会社の異動
   当社の特定子会社であった花王カスタマーマーケティング(株)は、2018年1月1日付で実施した花王グループカス
  タマーマーケティング(株)を存続会社とする吸収合併により消滅会社となりました。そのため、当連結会計年度よ
  り、連結の範囲から除外しております。



(8)継続企業の前提に関する注記
   該当事項はありません。




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