4390 ips 2020-05-15 19:15:00
2020年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

                    2020年3月期           決算短信〔日本基準〕(連結)
                                                                      2020年5月15日
上 場 会 社 名     株式会社アイ・ピー・エス                 上場取引所                            東
コ ー ド 番 号     4390                     URL http://ipsism.co.jp
代   表   者  (役職名) 代表取締役           (氏名) 宮下 幸治
問合せ先責任者    (役職名) 取締役事業企画本部長 (氏名) 前田 知之                  (TEL) 03(3549)7621
定時株主総会開催予定日         2020年6月26日    配当支払開始予定日                 -
有価証券報告書提出予定日        2020年6月29日
決算補足説明資料作成の有無          : 有
決算説明会開催の有無             : 有(機関投資家・アナリスト向け)
                                                            
                                                               (百万円未満切捨て)
1.2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)連結経営成績                                                  (%表示は対前期増減率)
                                                            親会社株主に帰属する
                 売上高          営業利益          経常利益
                                                                当期純利益
                  百万円         %        百万円         %           百万円            %             百万円        %
 2020年3月期          6,508 12.6   1,070   13.2                    1,075  7.4       645     9.7
 2019年3月期          5,780  8.5     945    4.7                    1,001 22.3       588    22.4
 (注) 包括利益        2020年3月期 820 百万円 ( 38.6%)                   2019年3月期    592 百万円 ( 13.0%)
                                                                            
                              潜在株式調整後
                1株当たり                             自己資本                  総資産                   売上高
                               1株当たり
                当期純利益                            当期純利益率                経常利益率                 営業利益率
                               当期純利益
                      円   銭             円   銭                  %                      %                %
 2020年3月期             52.43             50.44                18.4                   14.8            16.4
 2019年3月期             50.62             47.73                26.9                   18.2            16.4

 (注)1.2019年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき普通株式5株の割合で株式分割を実施しており
      ます。「1株当たり当期純利益」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、当該株式分
      割が前連結会計年度の期首に実施されたと仮定して算定しております。
    2.当社は、2018年6月27日に東京証券取引所マザーズに上場したため、前連結会計年度の潜在株式調整後1
      株当たり当期純利益は、新規上場日から前連結会計年度末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定
      しております。

(2)連結財政状態
                  総資産                   純資産                  自己資本比率                     1株当たり純資産
                          百万円                    百万円                           %                   円   銭
 2020年3月期                7,790                 4,715                        49.9                   314.82
 2019年3月期                6,746                 3,728                        46.3                   256.15
 (参考) 自己資本         2020年3月期          3,887 百万円      2019年3月期                3,125 百万円
                                                                                  
(3)連結キャッシュ・フローの状況
          営業活動による                  投資活動による                財務活動による                    現金及び現金同等物
         キャッシュ・フロー                キャッシュ・フロー              キャッシュ・フロー                      期末残高
                          百万円                    百万円                        百万円                    百万円
 2020年3月期                 1,038                 △1,137                        196                   2,462
 2019年3月期                   397                  △709                       1,295                   2,360
 
2.配当の状況
                                     年間配当金                                                          純資産
                                                                           配当金総額           配当性向
                                                                                                    配当率
                第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末              期末          合計            (合計)            (連結)
                                                                                                    (連結)
                   円 銭    円 銭    円 銭               円     銭      円     銭       百万円              %            %
 2019年3月期            -        0.00          -       0.00            0.00            -          -            -
 2020年3月期            -        0.00          -       0.00            0.00            -          -            -
 2021年3月期(予想)        -        0.00          -       0.00            0.00                       -
3.2021年3月期の連結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)
                              (%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
                                        親会社株主に帰属   1株当たり
             売上高        営業利益      経常利益
                                         する当期純利益   当期純利益
                百万円       %     百万円    %     百万円      %     百万円              %          円   銭
第2四半期(累計)  5,150 62.9 1,150 121.1 1,100 122.2   750                   137.0             60.95
    通 期    8,900 36.8 1,700  57.7 1,650  52.2 1,050                    60.7             85.33
 
※ 注記事項
  (1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                                         : 無
                                                                          
 (2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
  ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更     :                     無
  ② ①以外の会計方針の変更            :                     無
  ③ 会計上の見積りの変更             :                     無
  ④ 修正再表示                  :                     無
                                                                          
 (3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)                     2020年3月期   12,350,000 株    2019年3月期     12,200,000 株
  ② 期末自己株式数                               2020年3月期         155 株     2019年3月期            54 株
  ③ 期中平均株式数                               2020年3月期   12,305,776 株    2019年3月期     11,621,041 株


(注)2019年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき普通株式5株の割合で株式分割を実施しております。
      株式数は、当該株式分割が前連結会計年度の期首に実施されたと仮定して算定しております。


(参考) 個別業績の概要
1.2020年3月期の個別業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)個別経営成績                                                                (%表示は対前期増減率)
              売上高           営業利益                      経常利益                  当期純利益
                  百万円          %      百万円        %      百万円          %           百万円        %
    2020年3月期      5,037       4.7      724    0.1         689   △15.1             446   △19.4
    2019年3月期      4,812       2.8      723   △7.8         812    14.7             553    22.6
                                                                          
                            潜在株式調整後
               1株当たり当期純利益
                          1株当たり当期純利益
                          円    銭             円   銭
    2020年3月期              36.27              34.89
    2019年3月期              47.63              44.91

 (注)1.2019年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき普通株式5株の割合で株式分割を実施しており
      ます。「1株当たり当期純利益」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、当該株式分
      割が前事業年度の期首に実施されたと仮定して算定しております。
    2.当社は、2018年6月27日に東京証券取引所マザーズに上場したため、前事業年度の潜在株式調整後1株当
      たり当期純利益は、新規上場日から前事業年度末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しており
      ます。

(2)個別財政状態
                  総資産                 純資産            自己資本比率                  1株当たり純資産
                          百万円                百万円                     %                  円   銭
    2020年3月期             6,078               3,640            59.8                      294.75
    2019年3月期             5,577               3,161            56.7                      259.15
    (参考) 自己資本          2020年3月期       3,626 百万円        2019年3月期          3,161 百万円
 
 (注)2019年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき普通株式5株の割合で株式分割を実施しておりま
    す。「1株当たり純資産」については、当該株式分割が前事業年度の期首に実施されたと仮定して算定してお
    ります。
 
※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※   業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
 本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると当社
が判断する一定の条件に基づいており、その実現を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績
等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。なお、業績予想に関する事項については、添付資料P.4「今後
の見通し」をご覧ください。


 当社は、2020年5月18日(月)に機関投資家及びアナリスト向けの決算説明会を開催する予定でしたが、新型コロナ
ウイルス感染症感染拡大に伴い、開催を中止することといたしました。後日、決算説明の概要を録画した動画及び説明
会資料を当社ホームページにて公開する予定です。
                         株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


○添付資料の目次

  1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
   (1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
   (2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………3
   (3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………4
   (4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………4
   (5)事業等のリスク …………………………………………………………………………………4
  2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………16
  3.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………17
   (1)連結貸借対照表 …………………………………………………………………………………17
   (2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………19
   (3)連結株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………21
   (4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………22
   (5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………24
    (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………24
    (セグメント情報等) ………………………………………………………………………………24
    (1株当たり情報) …………………………………………………………………………………28
    (重要な後発事象) …………………………………………………………………………………29




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                              株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
 当連結会計年度の世界経済は、減速感はありながらも、引き続き米国経済を中心に堅調でした。しかしながら、年明
け以降の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、グローバルなサプライチェーンの寸断や外出制限などによ
る様々な分野での需要の減退が生じており、景気の先行きは不透明な状況にあります。
 当社の主要事業基盤の一つであるフィリピンは、国内外からの投資を背景としたインフラストラクチャーの整備、世
界経済の拡大を背景とした海外からの送金もあり、引き続き高い成長を継続するという見方が中心でしたが、予算執行
の遅れなどの影響により、2019年のフィリピン国内総生産の成長率は5.9%と、2018年の同6.2%には及びませんでした
(2020年1月   フィリピン共和国統計局発表)。新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、2020年3月から外出制限、
公共サービスを除いた事業者の営業停止などが現在行われております。既にフィリピン政府より規制の対象地域の変更
や規制の緩和は発表されているものの、今回の流行が与える将来への影響を見通すことは難しい状況にあります。
 当連結会計年度において、為替レートは、ドル円では期首における111円が期末には107円と円高傾向で推移し、フィ
リピンペソは期中を通じておおむね2.1円前後で推移いたしました。


 当社の主要な事業領域である通信業界は、通信技術の発達による伝送速度の向上、動画配信サービス等の拡大による
データ通信量の増加が見込まれることから、引き続き通信トラフィックの増加が見込まれます。今後は次世代移動通信
システム(5G)の普及により、携帯端末と基地局との間の通信量が増加し、バックボーン回線についても需要が高ま
ることが予想されます。当社でもこの事業年度に、所轄官庁から5Gに用いる周波数の割り当てを受けておりますが、
5Gにより、IoTなどの新たな通信サービス展開が、多くの事業者に求められております。
 このような状況のもと、当社グループは収益の拡大を図るため、各事業において新規顧客の獲得及び既存顧客との取
引拡大を積極的に推進しております。フィリピンでは子会社であるInfiniVAN, Inc.が、マニラ首都圏地域において法人
向けインターネットサービスプロバイダー事業を拡大しておりますが、2019年12月には、主要な商業地域を結ぶ鉄道路
線であるMRT3号線に光ファイバーを敷設し、インターネット接続サービスの提供地域の拡大を見込めるようにするとと
もに、この通信回線の共用を希望する事業者に対して、回線の一部を引き渡しました。今後も採算性が高く早期の投資
回収が見込まれる案件への投資を積極的に行う方針です。


 以上の結果、当連結会計年度における売上高は6,508百万円(前期比12.6%増)、営業利益は1,070百万円(前期比
13.2%増)、経常利益は1,075百万円(前期比7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は645百万円(前期比9.7%
増)となりました。


 セグメント別の業績は、次のとおりであります。


(海外通信事業)
 当連結会計年度は、3年前に提供開始した国際通信回線の長期使用権売上計上期間の終了と既存顧客の帯域の追加に
よる需要はあったものの、単価の下落の影響を受けました。ただ競争が限定的で、多くのインターネット接続サービス
を提供している事業者が集まっているミンダナオ島内では、旺盛な需要が期待でき、2019年7月に地域内の事業者と協
働して通信回線の敷設を開始いたしました。2020年3月以降、コロナウイルス感染症の影響で工事が中断しております
が、都市部を除いて制限は緩和されておりますので、今後順次再開をしていく計画です。
 この結果、売上高は1,271百万円(前期比16.0%減)、セグメント利益は479百万円(前期比0.7%増)となりました。


(フィリピン国内通信事業)
 当連結会計年度は、前年度に引き続きInfiniVAN, Inc.が、フィリピン国内外の企業の拠点が集まるマカティ市で法人
向けインターネット接続サービスの積極的な営業活動を行い、比較的需要の大きく単価の高いお客様を中心に獲得が進
みました。
 当社ではサービス提供地域の拡大と他の通信事業者などへの提供のために、マニラ首都圏地域で通信回線の敷設を行
っております。2019年12月には、マニラを代表する商業地域を結ぶ、MRT3号線への回線敷設が完了し、他の通信事業者
に一部を引き渡すとともに、他の商業地域へのサービス拡大につなげる計画です。
 この結果、売上高は864百万円(前期比151.5%増)、セグメント利益は73百万円(前期比8,496.7%増)となりまし
た。


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                                     株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信




 (国内通信事業)
 当連結会計年度は、国内通信事業の主力サービスである秒課金サービスが、上場大手コールセンター事業者の採用な
どにより知名度が上昇し、売上が拡大いたしました。一方、MVNO事業者向け通話サービスは、総務省がMNO(携帯電話ネ
ットワークを持つ大手事業者)に対してMVNO向けの卸料金の適正を求めていくことが明らかになり、新たな引き合いは
ありませんでした。
 以上の結果、売上高は3,303百万円(前期比14.1%増)、セグメント利益は338百万円(前期比26.1%増)となりまし
た。


 (在留フィリピン人関連事業)
 当連結会計年度は、当初はサービス業を中心に求人ニーズが高く、当社は介護以外への人材紹介及び人材派遣の拡大
に努めると共に、在留外国人の採用を希望する事業者を一堂に集め、在留外国人を派遣するジョブフェア(展示会方式
の集団面接会)を企画・開催し、人材事業収益の拡大に努めました。しかしながら2020年2月以降、コロナウイルス感
染症の影響により、介護事業者などを除いて求人需要は減少しました。
 また事業者が外国人材を直接採用するようになり、今後市況が戻っても、当社が人材事業を開始したころに比べて、
両者の橋渡しをすることの意義も小さくなっていくことは避けられなくなっております。そのため3月を持ちまして、
求人媒体として活用していたタガログ語のフリーペーパー、求人広告サイト、及びフィリピンの代表的な地上波テレビ
局のコンテンツを有料で配信するサービスを終了いたしました。
 この結果、売上高は196百万円(前期比25.6%減)、セグメント利益については、厳しい人材採用環境の影響を受け人
材派遣者数が低調に推移したことから、89百万円の損失(前期は40百万円の損失)となりました。


(医療・美容事業)
 当連結会計年度は、Shinagawa Lasik & Aesthetics Center Corporationにおいて、近視矯正手術に加えて美容なども
順調に拡大し、売上・利益ともに好調に推移しました。また休日に集中する需要に対応するため、近視矯正手術を中心
に行う眼科クリニックを2020年3月に開業いたしましたが、コロナウィルス感染症の影響により、現在他のクリニック
と同様休業しております。
 この結果、売上高は872百万円(前期比14.4%増)、セグメント利益は268百万円(前期比11.6%増)となりました。


(2)当期の財政状態の概況
(資産の状況)
 当連結会計年度末の流動資産は5,121百万円となり、前連結会計年度末に比べ21百万円減少いたしました。これは主
に、売掛金が63百万円、リース投資資産が83百万円それぞれ減少した一方で、その他に含まれる前渡金が141百万円、貸
倒引当金が59百万円それぞれ増加したことによるものであります。また、固定資産は2,669百万円となり前連結会計年度
末に比べ1,065百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が868百万円、長期前払費用が129百万円それぞれ増
加したことによるものであります。この結果、資産合計は7,790百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,044百万円増
加いたしました。


(負債の状況)
 当連結会計年度末の流動負債は2,445百万円となり、前連結会計年度末に比べ138百万円増加いたしました。これは主
に、繰延延払利益が89百万円減少した一方で、短期借入金が100百万円、1年以内返済予定の長期借入金が43百万円、そ
の他に含まれる未払費用が93百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は629百万円となり、前連結
会計年度末に比べ81百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が70百万円減少したことによるものでありま
す。
 この結果、負債合計は3,074百万円となり、前連結会計年度末に比べ56百万円増加いたしました。


(純資産の状況)
 当連結会計年度末の純資産は4,715百万円となり、前連結会計年度末に比べ987百万円増加いたしました。これは主に、
親会社株主に帰属する当期純利益645百万円の計上により利益剰余金が同額増加したことによるものであります。



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                                 株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


    この結果、自己資本比率は49.9%(前連結会計年度末は46.3%)となりました。


(3)当期のキャッシュ・フローの概況
    当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は2,462百万円となりました。当連結会計年度における各キャ
ッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)
    営業活動において獲得した資金は1,038百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,069百万円、法
人税等の支払額381百万円によるものであります。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)
    投資活動において使用した資金は1,137百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,013百万
円、長期前払費用の取得による支出120百万円によるものであります。


(財務活動によるキャッシュ・フロー)
    財務活動において獲得した資金は196百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出326百万円があ
った一方、短期借入金の純増額100百万円、長期借入れによる収入300百万円、及び非支配株主からの払込みによる収入
135百万円によるものであります。


(4)今後の見通し
    2021年3月期は、コロナウィルス感染症の流行が、国内外の経済活動などに大きな影響を与えるものと考えておりま
す。フィリピンでは3月に、大統領がマニラ首都圏地域などに対して、外出・移動制限措置、公共サービスなどの一部
業種を除いた事業の停止を含む「強化されたコミュニティ隔離措置(Enhanced Community Quarantine)」を発令し、ま
た、日本国内でも、4月に緊急事態宣言が出されており、事業所に対する休業要請などが出されるなど大きな影響を与
えております。
    当社の主力である通信事業は、コロナウイルス感染症の流行の影響を受けにくい事業であり、今期開通予定の国際通
信回線の案件は、既設の回線を所有者から取得するもので、海底ケーブルの新設に比べて投資規模を抑えることができ、
すでにCATV事業者・通信事業者に対して当社が今回構築した設備の一部を提供することを見込めることなどから、好調
に推移することを見込んでおります。さらに当社グループでは、これまで大手事業者しか有していないルソン島からミ
ンダナオ島までの主要都市を結ぶ海底ケーブルの敷設を検討しており、その海洋調査費用として1億円を予算に含めて
おります。
 医療・美容事業につきましては、5月中に一部営業を再開する計画ですが、コロナウイルス感染症の影響により需要
の回復に時間がかかると考えておりますが、感染症対策をきちんと行い、積極的なプロモーションなど、需要喚起に努
めてまいります。
    在留フィリピン人関連事業は、サービス業を中心として人材需要が大幅に落ち込んでおり、介護事業者の人材需要な
ど、当社が強みとしてきた一部の分野を除いて大きな影響を受けると考えております。


    売上高8,900百万円(前年同期比36.8%増)、営業利益1,700百万円(前年同期比57.7%増)、経常利益1,650百万円
(前年同期比52.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,050百万円(前年同期比60.7%増)の達成を見込んでおり
ます。なお、上記の業績予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づいて作成したものであり、実際の業
績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる可能性があります。


(5)事業等のリスク
    (1)海外事業に関わるリスク
 当社グループは、日本国内のほかフィリピンに事業拠点を設置し、事業を展開しております。このため当該状況に係
るリスクとして以下の3つの事項をあげることができます。


①   経済動向について



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                                             株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


 当社グループは日本及びフィリピンに事業拠点を設置しており、また、当社グループの取引先も日本国内に留まらず
海外においても事業を展開しております。このため、日本やフィリピンのほか、取引先企業が事業展開を行っている
国々や地域の経済環境や社会環境の変化及び景気動向の影響を受ける可能性があり、その結果、当社グループの財政状
態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


②    海外での事業展開について
 当社グループの海外での事業展開において適用を受ける関連法令・規制・税制・政策の制定、改正または廃止、解
釈・実務上の取扱いの相違・変更、行政の運用の変更、政治経済情勢・外交関係の変化、電力・輸送・通信等のインフ
ラの停止・遅延、人件費の上昇、テロ、戦争、伝染病等が発生した場合や、日本との商習慣との違いから取引先等との
間で紛争が生じ、現地での事業活動に悪影響が生じる場合には、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える
可能性があります。


③    フィリピンのカントリーリスクについて
  当 社 グ ル ー プ は、 当 社 お よ び グ ル ー プ 会 社 4 社 で、 フ ィ リ ピ ン に お け る 事 業 を 展 開 し て お り ま す 。 こ の う ち、
KEYSQUARE, INC.は在留フィリピン人関連事業としてコールセンターの運営等を行っているほか、Shinagawa Lasik &
Aesthetics Center Corporation(以下「SLAC」といいます。)はマニラ市内に2つのクリニックを運営し、レーシック
(近視矯正手術)、美容、矯正歯科等の施術を行う医療・美容事業を行っております。また、2015年にはフィリピン国
内での通信事業展開を企図してInfiniVAN, Inc.を設立しております。CorporateONE Inc.はInfiniVAN, Inc.の発行済み
株式の61%を保有する持株会社として機能しております。
 近年のフィリピンは、賃金水準が向上し、当社グループが希望する人材の確保が想定通りにできない可能性がありま
す。また、台風や火山の噴火等といった自然災害により通信システムの障害等が生じ都市機能が麻痺する場合や、反政
府組織によるテロ活動などにより治安が悪化した場合は、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない可能性や、
当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


    (2)海外通信事業に関わるリスク


 当社グループの海外通信事業は、①当社によるフィリピンと香港などを結ぶ国際通信サービスの提供と②InfiniVAN,
Inc.によるマニラ首都圏地域内での法人向けインターネット接続サービスの提供及び通信回線のリースからなります。
前者①は、当社が、フィリピンと香港、北米、シンガポール、東京との間の国際通信回線(フィリピン国内区間を含み
ます)の長期使用権の一種である契約期間中に解除不能な使用権(IRU:Indefeasible Right of Use)または国際通信
回線の賃借権を、実質的な所有者である通信回線事業者から取得し小口化して、フィリピンでインターネット接続サー
ビスを提供しているCATV事業者に対して当該サービスに必要となる国際通信回線の提供を行っております。また後者②
は、InfiniVAN, Inc.がマニラ首都圏地域で法人向けにインターネット接続サービスを提供し、また、自社で敷設した通
信回線を他の通信事業者などにリースをしております。当社グループの海外通信事業には、以下のようなリスクがあり
ます。


①    当社による海外通信事業


A   フィリピンにおける当社の通信事業サービスの提供の形態等について
 当社は、フィリピン国内外の通信事業者から取得したフィリピンと香港などを結ぶ大口の国際通信回線を小口化し、
フィリピン国内のCATV事業者の顧客に提供しておりますが、フィリピン領土内における通信事業は、フィリピンでの通
信 事 業 に 適 用 さ れ る Republic Act.7925 AN ACT TO PROMOTE AND GOVERN THE DEVELOPMENT OF PHILIPPINE
TELECOMMUNICATIONS AND THE DELIVERY OF PUBLIC TELECOMMUNICATIONS SERVICES(以下「R.A7925」といいます。)の
規制を受けております。R.A7925により、フィリピン国内の通信事業は、フィリピン国内の通信事業の認可を得た事業者
のみが行なうことができるため、当社は、フィリピン陸揚局からマニラ首都圏までの通信回線部分について、本書提出
日現在フィリピンの通信事業法人であるPHILIPPINE TELEGRAPH & TELEPHONE CORPORATION(以下「PT&T社」といいま
す。)と提携契約(Cooperation Agreement)(なお、当事者の6か月前通知によりいつでも解約できる規定となってお
ります。)を締結しPT&T社との提携の下に通信回線を提供しております。またフィリピン国内の規制により、当社が単



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                                               株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


独でフィリピン国内に通信設備を設置・運用することができないので、PT&T社との間でFacility Management Agreement
を締結し、同社と共同して通信設備を設置・運用しております。当社がIRU等を取得している国際通信回線は、この提携
により、PT&T社が保有するフィリピン国内の通信回線と接続され、フィリピン国内の顧客は、この提携に従って、当社
及びPT&T社からそれぞれ個別に提供されることにより、香港、北米、シンガポール、東京にあるサーバー等と接続する
ことができます。
 また、当社の子会社であるInfiniVAN, Inc.は、下記「②                  InfiniVAN, Inc.による通信事業について」「A         フィリピ
ン に お け る 規 制 等 に つ い て 」 に 記 載 の 通 り、 フ ィ リ ピ ン 国 内 で 通 信 回 線 を 敷 設 し て 通 信 事 業 を 行 う 為 に 必 要 な
Certificate of Public Convenience and Necessity(通信事業者適格)のProvisional Authority(仮免許)を有して
お り ま す 。 当 社 は、InfiniVAN, Inc. と の 間 で、 通 信 回 線 の 相 互 接 続 を 内 容 と し た Mutual Business Cooperation
Agreementを締結し、InfiniVAN, Inc.はフィリピン国内のCATV事業者及び通信事業者に対して、フィリピン国内にある
通信回線などの通信用設備のリースを行っております。
 当社とPT&T社との関係は長期にわたり安定しており、今後も引き続き提携して事業を遂行していく予定であります。
なお、PT&T社は長期にわたり民事再生手続きに入っておりましたが、大株主が変わり、2018年12月に再生手続きは終了
しました。今後何らかの事由により、PT&T社との提携契約が解約される場合はあり、そのとき当社はInfiniVAN, Inc.と
の提携によりフィリピン国内で引き続き通信回線を提供は可能ですが、当社グループの事業展開や財政状態及び経営成
績等に影響を与える可能性はあります。


B   他社との競合について
 フィリピン国内においては、当社グループの海外通信事業における競合他社である2社(PLDT,Inc.及びGlobe
Telecom,Inc.)が、主に携帯通信と地域間通信に係るサービスを寡占した結果、当該サービスについては不十分な競争
しか行われておらず料金が高止まりし、また、人口の少ない地域などでは携帯電話が利用できないことも多いという弊
害が生じています。このような弊害への対応として、フィリピン政府が主導して、3番目の携帯電話事業者([Dito
Telecommunity Corporation。以下「Dito社」といいます。)を立ち上げました。現在、当社グループはPLDT,Inc.及び
Globe Telecom,Inc.より国際通信回線の提供を受けており、これらの競合他社とは取引関係があります。また、当社が
CATV事業者向け卸、上記の競合他社は携帯電話を中心とした小売りと、マーケットでの棲み分けもできておりますが、
今後、これら競合他社が、その資本力、サービス・商品、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、その優
位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合や、他の通信事業者の更なる買収を行い寡占化が進
む場合、当社グループが価格競争等で劣勢に立たされ、当社グループが顧客を獲得・維持できないことも考えられま
す。


C   特定の仕入れ先の依存について
 当社グループの海外通信事業の遂行にあたっては、現在、当社が、フィリピンとアメリカ間、フィリピンとアジア地
域(香港・シンガポール・東京)間の国際通信回線のIRUまたは国際通信回線の賃借権を、それぞれの回線ごとに別々の
事業者より調達しており、調達先は①Telstra International Limited(香港)、②Telekom Malaysia Berhad(マレー
シア)、③PLDT, Inc.(フィリピン)及び④Globe Telecom, Inc.(フィリピン)の4社となっております。これら国際
通信回線の調達において、供給停止、納入遅延、不具合等の問題が発生し、調達先や回線の切り替えが適時にできない
場合、品質維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、または、大幅な値上げを要求される場合、当社グルー
プのサービスの提供に支障をきたし、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生
じる可能性があります。その結果として、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


D   サービスの構成について
 これまで当社は、海外通信事業において、国際通信回線のIRUまたは国際通信回線の賃借権を、当該回線の実質的な所
有者である国際通信回線事業者から取得し、それを小口化してフィリピンのCATV事業者に長期のIRU契約を締結すること
により提供してまいりました。しかし伝送技術の発達による既存通信回線の高速化や新規通信回線の設置計画等により、
国際通信回線の価格が低下傾向にあります。また、フィリピンのCATV事業者は長期のIRU契約から短期リースの契約にシ
フトする動きが顕著になっており、当社の販売先との間の契約のうち売上ベースで約半分は、契約期間1年で期限到来後
更新する短期リースの契約にシフトしております。
 当社では、これまでPLDT,Inc.及びGlobe Telecom,Inc.以外に、インターネット接続サービスを提供するCATV事業者に



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                                       株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


対して香港などへの国際通信回線を卸売りする競合事業者がいなかったため、長期にわたって収益が見込めるマニラ以
外の地域、地方都市でのCATV事業者向けの国際通信回線の卸売りの事業拡大を広げております。しかしながら、下記
「②   InfiniVAN, Inc.による通信事業について   E   地方へのネットワークの拡大について」に記載の通り、3番目の
携帯電話事業者とされているDito社や中堅事業者であるConverge ICT Solutions, Inc.から、マニラとルソン島以外の
地域を結ぶ海底ケーブルの建設工事に入る計画が表明された為、地方都市のインターネット接続サービスを取り巻く市
場環境は大きく変わる可能性があります。これらの会社が、地方都市でのネットワークの整備を行った場合、当社の事
業機会の可能性が小さくなり、当社グループの財政状態や経営成績に影響が出る場合があります。
 また、当社の仕入先である①Telstra International Limited(香港)②Telekom Malaysia Berhad(マレーシア)、
③PLDT, Inc(フィリピン)及び④Globe Telecom, Inc.(フィリピン)の4社の国際通信回線事業者は、本書提出日現
在、フィリピン国内の最大手CATV事業者であるSkycable Corporationを除いたCATV事業者に対して、国際通信回線の販
売を本格的に行っておりません。当社は上記の国際通信回線事業者より大口で国際通信回線を仕入れ、フィリピンの
CATV事業者に小口で販売する事業を行っておりますが、これらの国際通信回線事業者が、当社の販売先であるフィリピ
ンの中堅のCATV事業者などに販売を開始する等、事業方針等を変更した場合には、これらのCATV事業者がこれらの国際
通信回線事業者から国際通信回線の使用権を直接購入することにより、当社の事業モデルに影響を及ぼし、当社グルー
プの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。


E   ケーブルテレビの市場環境
 動画配信利用者の増加や、それに伴うテレビの視聴時間の減少や動画配信プラットフォームを経由したコンテンツの
視聴時間の増加などのライフスタイルの変化により、有線放送を取り巻く環境は厳しく、米国をはじめとして、各国の
CATV事業者は、収益の柱を有線放送からインターネットサービスプロバイダー事業に移行させることを試みておりま
す。ただ、そのためには、通信事業者のインターネット接続サービスよりも、CATV事業者のインターネット接続サービ
スのほうが魅力的であると市場に認識してもらうだけの、通信設備や回線への投資が不可欠となります。一方こうした
動きに対応して、米国ではいち早く5Gによる家庭向けインターネット接続サービスが通信事業者によって提供されるな
ど、通信業界とCATV業界の厳しい競争が生じております。またフィリピンでも、これまでDSLサービス(注1)しか提供
してこなかった大手通信事業者が、地方でもFTTH(Fiber To The Home)(注2)の提供を開始したり、ポケットWi-Fi
などの提供を始め、家庭用インターネット接続サービスに積極的に取り組むようになっています。こうした中では、
CATV事業者が、なおインターネット接続サービスで優位性を保つために、ネットワークの光ファイバーなどへの置き換
えなどを行う必要があります。しかしこうした投資に後れを取った場合、CATV事業者がインターネット接続サービスで
収益を上げることができなくなる可能性があり、ひいては当社が取得した下記「③その他全般に関わること                       A   国際海
底ケーブルの使用権の取得について」に記載のフィリピン―香港・シンガポール間の国際通信回線(C2C回線)の収益に
影響を及ぼし、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。


(注1)DSLサービス
電話回線などのアナログ回線を利用した高速なデータ通信を行う技術を使ったデータ通信サービスのこと。既存の設備
を使って高速通信ができるとして日本でも普及したが、距離に応じて通信速度が落ちることもあり、日本では下記の
FTTHサービスに置き換わっている。東日本電信電話株式会社(NTT東日本)・西日本電信電話株式会社(NTT西日本)は
2023年にサービスを終了と公表


(注2)FTTHサービス
光ファイバーを使った高速データ通信サービス。東日本電信電話株式会社(NTT東日本)・西日本電信電話株式会社
(NTT西日本)が提供する「フレッツ光」が有名


F   特定の顧客及び委託先への依存について
 当社グループは、フィリピン最大手のCATV事業者で有数の規模でインターネット接続サービスを提供するSkycable
Corporationとの取引の依存度が高くなっております。(2020年3月期の売上高に占める割合が11.5%)当社グループで
は、これまで国際通信回線のほか、マニラ首都圏地域に敷設した回線の提供を行うなど、同社へ提供するサービスの範
囲を増やし、また、同社よりCATV事業用の構築した都心部の管路の利用権を取得するなどの関係を構築しております。
ただし、長期間の海底ケーブルの障害が生じるなどの事情により同社との取引が大幅に減少、停止または終了するよう



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                                     株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


な事象が生じた場合には、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。
 また、小口化した国際通信回線のIRUまたは賃借権をフィリピン国内で販売することについては、フィリピン国内の事
業者に営業活動の一部を委託しております。特にAmerille Management Consultancy社を通じた2020年3月期の売上は約
982百万円で【海外通信事業】の売上の約77%となっております。現在、同社との関係は良好でありますが、仮に同社と
の関係が悪化し、同社を介した売上がなくなった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性
があります。


②   InfiniVAN, Inc.による通信事業について


A   フィリピンにおける規制等について
 当社は、当社グループによるフィリピン国内の通信回線の提供を目的として、当社子会社であるInfiniVAN, Inc.を設
立しております。2016年6月に同社に通信事業を行う権利(Franchise)を付与する法律(R.A10898、共和国法10898
号)(以下「R.A 10898」といいます。)が制定され、同社は、2017年7月にフィリピン国内に自ら通信回線を敷設する
ことなく通信事業を行う為に必要となるValue Add Service Provider (付加価値サービス。以下「VAS」といいます。)
の登録を行ったほか、2017年11月にNational Telecommunication Committee(国家通信委員会)から、フィリピン国内
に通信回線を敷設して通信事業を行う為に必要な、Certificate of Public Convenience and Necessity(通信事業者適
格。以下「CPCN」といいます。)のProvisional Authority(仮免許。以下「PA」といいます。)を取得いたしました
(Case Number 2016-227)。PAを同社に付与する命令書(Order)では、PAの有効期間は2017年11月10日から18か月間と
され、InfiniVAN, Inc.はPAの取得後1年以内に約305百万ペソ以上の増資を行うこと等の義務を負い、増資義務に違反
した場合には、PAの更新及び期間延長ができない旨が条件として規定されております。なお、同社のCPCNは、2019年5
月11日に更新され、有効期間は3年となっております。また、同社は、2018年9月11日に、ビサヤ・ミンダナオ地域で
のCPCNのPAが認められました。(Case Number 2017-011)有効期間は18か月です。この2つのPAによって同社に課された
増資義務はすでに履行済みであり、現在ビサヤ・ミンダナオ地域でのPAは更新手続きに入っております。
 また、InfiniVAN, Inc.に通信事業の権利を付与するR.A10898では、事業開始後5年内に同社株式を30%以上売り出し
て、フィリピン株式市場に上場させることが規定され、当該期限内に株式の上場ができない場合、通信事業を行う権利
が無効になる旨規定されております。さらに、InfiniVAN, Inc.が当該法令に違反する行為を行った場合、行政機関から
VASの登録やCPCNを取り消されたり、当社グループの取引先から契約を解除される可能性があります。上記のような事態
が発生した場合、当社グループが想定している当社グループの海外通信事業の展開に支障が生じ、当社グループの財政
状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


B   フィリピンにおける外国資本の出資規制について
 フィリピンでは、電気通信事業等の公益事業について、同国の憲法により外国資本が出資できる上限が40%と定めら
れています。そして憲法の規定を受けて外国資本の投資にその規定の細則を定めるForeign Investments Act(以下「外
国投資法」といいます。)と外国資本が自己の出資比率以上に会社を支配し、経済的利益を得ることを規制するAnti
Dummy Law(以下「アンチダミー法」といいます。)が制定されております。上記法令に基づく外国資本の投資制限を以下
「外資規制」と総称します。そのためフィリピンにおける公益事業については、外国資本が、経営権を維持し、事業の
拡大を図ることは、外国資本単独では実現できず、現地資本との協調が不可欠となります。具体的には、フィリピン事
業会社の株式を、外国資本と信頼関係が構築されたフィリピン法人またはフィリピン人のパートナーで過半数を確保し、
取締役に外国資本を代表する者と外国資本と信頼関係が構築されたフィリピン資本を代表する者が就任し、同社の取締
役会の過半数を確保することが考えられます。通信事業者適格(CPCN)を取得したInfiniVAN, Inc.は、かかる外資規制
の対象となっております。
 当社のInfiniVAN, Inc.の株式の直接持分は40%、残りの60%は当社子会社のCorporateONE Inc.が保有しておりま
す。CorporateONE Inc.の株式は、当社子会社のKEYSQUARE, INC.がその発行済み株式の40%を保有し、残りの発行済み
株式の60%はフィリピンにおいて当社と長期の信頼関係のあるフィリピン国籍を有する個人が保有しております。(株
式保有割合の端数は切り上げております。)またCorporateONE Inc.の定款には、フィリピン会社法第98条に基づく株式
の譲渡制限規定が設けられており、既存の株主以外の方への譲渡は原則できません。この構成はフィリピン法の専門家
の助言を受けたものであり、上記外資規制等の法令に適合したものであり、適法であると判断しております。さらに両
社の取締役は、当社グループの出資比率を超えない範囲で推薦する取締役のほかに、長期にわたり当社との間に、信頼



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関係が構築されているフィリピン国籍を有する個人に両社の取締役に就任いただき、合わせて取締役会(各定員5名)
の過半数(各3名)を占め、経営権を維持するようにしております。もっとも当社とCorporateONE Inc. のフィリピン
資本の株主間での信頼関係が失われるなどして、フィリピン資本の株主が、当社の意向に反するInfiniVAN, Inc.の取締
役の選任を行ったときは、当社と協調しない可能性の高い取締役が過半数を占める形だけでなく、当社を代表する取締
役の選出すらできないおそれがあります。それにより経営権を失い、当社の意図する事業計画を実行できなくなるおそ
れがあります。
 さらにCorporateONE Inc.の経営権が失われることで、CorporateONE Inc.が競合他社に、InfiniVAN, Inc.の株式の過
半数を売却するような事態に陥ったときは、当社海外通信事業のフィリピン国内区間のサービス提供が困難になり、当
社の国際通信回線事業のうち、InfiniVAN, Inc.の回線を利用しているものについては、お客様との契約期間満了後の継
続提供ができなくなるおそれがあるとともに、新規のサービス提供は難しくなる可能性があります。当社が提供する海
外通信回線サービスの事業の継続のため、フィリピン国内通信事業者との提携は不可欠であり、代替する事業者との提
携がうまくいかなかったときは、InfiniVAN, Inc.事業だけでなく、当社の国際通信回線事業について事業計画の見直し
の変更が必要になるおそれがあります。他にも、当社とInfiniVAN, Inc.、CorporateONE Inc.との関係に変化が生じ、
企業連結などに影響を及ぼすおそれがあります。これらの事態は、当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える
可能性があります。
 加えて外資の出資を通じた現地企業の支配の規制のほか、外資の出資を通じた経済的利益の享受についても、過去の
行政機関の意見書や判決で、規制された例が示されております。当社グループはこうした法制度を遵守して、グループ
会社間の取引を行っておりますが、法令や諸制度の変更または解釈の変更により、当社グループ間の取引がフィリピン
の法令の規制の対象となるとの判断がなされた場合には、当社グループの事業や財政状態及び経営成績に影響を与える
可能性があります。
 また外資規制に関する公権的判断が、裁判所の判決だけでなく、法務省、証券取引委員会による意見書によってもな
されている上、判例や意見の変更もしばしば行われていることから、外資規制については、予見可能性が相対的に低い
という問題があります。多くの東南アジア諸国が通信事業に対し、既に外資規制を緩和し、フィリピンでの外資規制に
関する条項を含めた憲法改正の準備も進んでいることから、法解釈の変更などが容易に起こりうる環境にあると考えて
おります。従って法解釈の変更があり、当社グループの資本構成や事業活動が法令に適合していないという判断がなさ
れた場合には、当社グループの事業や財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
 なお、昨年Public Utilityの定義から通信が除外される可能性のあるPublic service Actの改正案が下院を通過いた
しました。詳細は今後決まる予定ですが、当該法案の施行により外国資本が過半数を出資する形で通信事業を営むこと
ができるようになる場合、当社がより積極的にフィリピンの通信事業に対して投資を行えるようになる半面、競争が激
化し、当社グループの事業や財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。


C   フィリピン国内通信回線整備について
 当社グループは、当社子会社であるInfiniVAN, Inc.が2017年11月にフィリピン当局(国家通信委員会)から通信事業
者適格(CPCN)のPAを取得し、マニラ首都圏地域内で通信回線敷設を行っております。
 マニラ首都圏地域内に通信回線を敷設するためには、Local Government Unit(LGU 地方自治体)、Department of
Public Works and Highways(DPWH 公共事業及び高速道路省)の許可も必要となります。しかしながら、通信回線の敷
設工事に必要なこれらの許認可、住民の同意が想定通りに整わなかったときは、事業の進捗に遅れが生じ、当社グルー
プの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
 また、マニラ首都圏地域内は幹線道路の慢性的な渋滞などにより、回線敷設工事の実施が容易ではない場合が多く、
工事が遅延するケースもあります。今後工事が中断したり遅れたりする場合が予想され、その場合、当社グループの財
政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


D   地方のCATV事業者との取引拡大について
 当社及びInfiniVAN, Inc.は、インターネット環境が十分ではなくCATV事業者が廉価な国際通信回線を必要としている
ビサヤ・ミンダナオ地域で通信回線敷設を行い、CATV事業者に対して国際通信回線のIRUを提供することを計画しており
ます。ただし、小規模なCATV事業者がIRU代金を一括で支払うことは難しいので、分割払いを認める予定です。このよう
なCATV事業者からRU代金の回収ができないときは、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があり
ます。



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 また、ビサヤ・ミンダナオ地域は、当社グループの拠点のあるマニラ首都圏からは距離があり、通信回線に障害など
が発生する場合に十分なリソースを配置するのに時間を要する可能性があります。従って、天災や障害の発生する場合
に損害が拡大する可能性があり、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。


E   地方へのネットワークの拡大について
 フィリピンの現政権の全国各地でのインフラストラクチャーへの投資の促進政策やマニラ首都圏の経済成長率の鈍化
もあり、ルソン島以外の経済成長率が良くなっております。しかしながら、マニラとルソン島以外の地域とを結ぶ国内
通信回線はPLDT,Inc.及びGlobe Telecom,Inc.が寡占しており、これまで他の事業者によるルソン島以外の地域での通信
サービスの提供は非常に限られておりました。しかしながら、3番目の携帯電話事業者であるDito社や中堅事業者であ
るConverge ICT Solutions, Inc.から、マニラとルソン島以外の地域を結ぶ海底ケーブルの建設工事に入る計画が表明
された為、今後競争が激化する可能性があります。当社グループは現状、マニラとルソン島以外の地域を結ぶ海底ケー
ブルの建設工事の表明は行っておりませんが、当社グループが将来これらの事業者からマニラとルソン島以外の地域を
結ぶ海底ケーブルの供給を受けることができないときは、当社グループは、事業規模の拡大が困難になり、また、フィ
リピン国内での現状のプレゼンスを維持することが難しくなる可能性があります。その場合、当社グループの財政状態
や経営成績等に影響を与える可能性があります。


③その他全般に関わること


A   国際海底ケーブルの使用権の取得について
 当社は、2020年5月にフィリピンと香港・シンガポールを結ぶTelstra International Limited(香港)が保有する海
底ケーブルの一部(City-to-City Cable System、以下「C2C回線」といます。)のIRUを2020年3月期の連結純資産の30%
を超過する価額で取得する契約を締結致しました。当該IRUの取得は2020年7月を予定しており、フィリピン国内のCATV
事業者や通信事業者に対して当該回線をリース又は通信サービスの提供をする予定です。しかしながら、C2C回線につい
ては権利関係が複雑であり、PLDT,Inc.及びGlobe Telecom,Inc.の同意を得ないと利用できない為、約11年の間利用され
てこなかったことから、当社がマニラと陸揚局を結ぶ回線と接続させ顧客に対してリース又は通信サービスを提供する
には、時間を要する可能性があります。また、C2C回線の提供に必要となる伝送機器については、現時点では2020年6月
に設置し、顧客に対するリース又は通信サービスの開始を2020年7月に予定しておりますが、新型コロナウイルス感染症
の影響などにより納品時期がずれ込む場合、これらの予定が遅延する可能性があります。このような場合、当社グルー
プの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
 また、IRUは一種のリースであり、所有者としての責任を第三者に対して負うものではありませんが、伝送技術の進化
又は新たな海底ケーブルの敷設により、今後も1Mbps(メガビット)あたりの料金は年々下落することが予想され、フィ
リピンと香港・シンガポールを結ぶ回線による通信は供給過多になり、当社のC2C回線のIRU取得に係る投資額が回収で
きない可能性があります。IRUでの回線提供を行うように努めますが、この場合、当社グループの財政状態や経営成績に
影響を与える可能性があります。


B   減損損失について
 当社は、国際通信回線の取得価額を無形固定資産である通信回線使用権として計上しておりますが、フィリピンの
CATV事業者等に提供できない期間が長引き、将来キャッシュ・フローを創出しないと判断された場合には、会計上当該
通信回線使用権について減損損失を計上することになります。現状において、保有する通信回線使用権の減損処理を必
要とする事象は生じていませんが、顧客への提供が順調に進まなかった場合、当社グループの財政状態や経営成績に影
響を与える可能性があります。


C   技術革新への対応について
 データ通信業界では、伝送技術の進化により、通信速度の高速化が進み、1Mbps(メガビット)あたりの料金は年々下
落する傾向にあります。仕入れ方法の多様化を進めてリスクの分散を図っているものの、当社は海外通信事業において、
国際通信回線を長期契約で調達していることから、当該調達に係る費用を上回るIRU料金・リース料で新規に契約する顧
客がいなくなる可能性、さらには、当社が調達している国際通信回線が陳腐化しニーズがなくなる可能性があり、その
場合、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。



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D   自然災害等の予測困難な事情について
 当社が海外通信事業において展開する国際間通信回線使用権の販売においては、海底ケーブルが重要な構成要素とな
っております。万が一、地震や事故等で海底ケーブルが切断された場合、当社のネットワークは迂回路を構築しており
ませんので、再度接合されるまでは、サービスの提供に支障をきたす可能性があります。当社では、そのような場合に
当社の顧客に対する責任額を一定限度に制限する旨の契約を締結し、損失額を限定しておりますが、一定金額の費用負
担が発生する可能性があります。また、復旧に相当時間を要した場合、当社の信頼性や企業イメージが低下し、顧客の
獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信サービスを復旧させるために追加の費用負担が発生する可能性
があります。その結果、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


    (3)国内通信事業に関わるリスク


当社では、主に、秒課金サービス等の音声通信サービス、及びコールセンターシステムを提供しております。当社の国
内通信事業による売上高は、2020年3月期の売上高の50.8%を占めておりますが、以下のようなリスクがあります。


①   日本における規制等について
 当社は、国内通信事業について電気通信事業法及び有線電気通信法等の関連法令・業界慣行による規制の適用を受け
ており、当社は総務大臣より電気通信事業者として登録され(電気通信事業登録         第204号、登録の有効期限なし)、こ
れらの関連法令の遵守をしております。当社が、当該法令に違反する行為があり、総務大臣が公共の利益を阻害すると
認めた場合等には、当社は総務大臣から登録を取り消され(電気通信事業法第14条)ます。また当該法令に基づき罰金
等の処分を受けたり、または当社の取引先から契約を解除される可能性があります。本書提出時点において、こうした
取り消し事由に該当する事項は生じておりませんが、かかる事態が発生した場合には、当社グループの信頼性が低下し
たり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの財政状態や経営成
績等に影響を与える可能性があります。また、これらの法令の変更やその解釈変更、新たな法令の施行、国内の情報通
信政策等の変更・決定、これらに伴う規制の見直し・整備、業界慣行の変更が行われた場合、当社の事業展開や当社グ
ループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


②   技術の進展等について
 当社が展開する国内通信事業においては、技術革新のスピードが速く、新技術によるサービスの導入により、音声通
信需要は減少傾向にあります(2010年-2019年   総務省・経済産業省「情報通信基本調査」)。現状において、当社の国
内通信事業の音声通信による売上比率は、当連結会計年度の国内通信事業の売上の約9割を占めており、当社は、コー
ルセンターシステムやデータセンターでのコロケーションサービス等の音声通信に依存しない事業構造へ切り替えを進
めておりますが、今後想定を上回る速度での技術革新が起こったり、新技術が出現したり、事業構造の切り替えが想定
通りに進まない場合には、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


③   他社経営資源への依存について
 当社は、国内通信事業に係る通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する
通信回線設備等を一部利用しています。今後何らかの事情により、当該設備等を継続して利用することができなくなっ
た場合、または当該設備に係る接続料(他の通信事業者に支払う必要のあるネットワークの利用料になります。)等が
引き上げられた場合、当社の事業展開や当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。また、
この接続料の算定にあたっては、年度開始時の4月には単価を定めず、翌年の2月頃に利用実績を見て決定し、年度開
始時の4月に遡って適用するというルールを取っている事業者もあります。そのため精算が行われる第4四半期の収支
や損益が他の月に比べて大きく振れる可能性があります。


④   環境の変化について
 当社が主力とする音声通話サービスは、チャット、メール、SNSその他通信手段の普及により、需要は減退しておりま
す。また、当社のコールセンター事業者向けサービスの主なユーザーであるコールセンター運営事業者も、スタッフ確
保が難しくなっていることから、チャットロボなどへの移行を積極的に取り組んでおります。また当社で提供している



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MVNO事業者向けの通話サービスについても、総務省がMVNO端末の音声通話の卸料金について姿勢を明らかにしたことか
ら、当社などの固定通信事業者を介した方が安く仕入れることができるという状況は続きにくくなっております。そう
した中では、中長期的には、音声通信の市場が縮小する可能性は高く、特に音声通話に依存した通信事業を行うことは、
当社の財政状態や経営成績などに影響を与える可能性があります。


⑤   特定の仕入先への依存について
 当社の国内通信事業におけるサービスの一つであるコールセンターシステム「AmeyoJ」は、Drishti-Soft Solutions
Pvt. Ltd.が開発し、当社は同社より日本国内での販売代理権を付与され又ライセンスを仕入れております。同社との契
約は、更新の規定はなく、また当事者の3か月前の通知により、いつでも解約ができる規定となっております。同社と
の契約が解約され、または更新されない場合や、同社に不測の事態があった場合、代替の仕入先は存在せず、当社は当
該サービスを提供できなくなることにより、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


⑥   個人情報及び情報セキュリティについて
 当社は、国内通信事業の遂行にあたり、顧客の企業情報や顧客が保有する個人情報等、様々な機密情報に接する機会
があります。通信事業者として通信の秘密の保護を遵守するとともに、それらの情報管理やセキュリティ管理に対して
は個人情報保護規程や情報管理・秘密保持規程を整備するとともに、利用権限の確認の強化、アクセスログの保存など
外部ネットワークからの不正侵入の防止への対応策を実施するなど、情報の適正な取り扱いと厳格な管理を行っており
ます。しかしながら、外部の侵入や内部での人為的なミス等により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社の
信用低下や損害賠償責任の負担等を通じて、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。
また社会情勢の変化等により、情報の保護、通信の秘密の保護に要するコストが増加したときは、当社グループの財政
状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


⑦   システムトラブルや人為的なミスによるサービスの中断・品質低下について
 当社が提供する国内通信事業に係る通信サービスにおいて、当社及び他の通信事業者の人為的なミスや設備・システ
ム上に障害等が発生した場合、通信回線の遮断等が生じて各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種
サービスの品質が低下すること等の重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影
響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、顧客から損害賠償を請求される可能性、当社の信頼性や企業イメ
ージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの財政状態や経営成績等に
影響を与える可能性があります。


⑧   サービスの不適切利用について
 当社の国内通信事業に係る電話サービスが、振り込め詐欺をはじめとする犯罪行為の道具として利用された場合、当
社の信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に影響を与える可能性があります。


(4)在留フィリピン人関連事業に関わるリスク


当社グループの在留フィリピン人関連事業では、在留フィリピン人を主な対象とする人材派遣・人材紹介事業等を行っ
ており、これら事業には、以下のようなリスクがあります。




①   日本における規制等について
 当社は、人材派遣・人材紹介事業に関し、労働者派遣事業においては、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣
労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)に基づき一般労働者派遣事業の許可(般13-301344)を、職業紹介事業に
おいては、職業安定法に基づき有料職業紹介事業の許可(13-ユ-301653)を取得しており、在留フィリピン人の在留資
格等については出入国管理及び難民認定法(入管法)による規制を受けております。当社は、これらの関連法令を遵守
しておりますが、万が一法令違反に該当するような事態が発生した場合には、当社は行政機関から許可を取り消された
り、罰金等の処分を受けたりすることにより、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性がありま
す。



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②   人材の確保について
 当社グループの人材派遣・人材紹介事業の派遣または紹介予定先は介護・医療の現場であることが多く、高いホスピ
タリティーを持つ在留フィリピン人を中心としたスタッフの確保が必要となります。そのため当社グループでは、より
多くの在留フィリピン人等にコンタクトできるように、当社の海外子会社であるKEYSQUARE, INC.のマニラにあるコール
センターから人材登録の勧誘・仕事の案内等を行っております。しかしながら、外国人を直接採用する方法やノウハウ
を持つ企業も多くなっており、当社の強みが失われる恐れがあります。当社グループは、引き続き人材の確保に努めて
いく方針でありますが、今後当社グループが求める人材を適切な契約条件によって確保できなくなった場合、当社グル
ープの人材派遣・人材紹介事業を遂行に支障が生じ、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があ
ります。


③   介護業界の現況について
 当社グループの人材派遣・人材紹介事業においては、主に介護・医療の現場に人材を派遣・紹介しており、足元では
介護・医療現場においては人員が不足し、本事業の需要は底堅く推移しております。
 しかしながら人材の派遣・紹介事業は、主に日本の経済情勢の影響を受けるため、景況感や失業率など雇用環境の変
化により需要が増減するとともに、海外からの介護分野等への技能実習生の本格的な受け入れなどにより本事業の需要
が減退した場合には、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。
 また、当社グループの人材紹介・派遣先は主に介護関連事業者であるところ、介護保険法に基づき、現在3年に1回
改定される介護報酬が改定により引き下げられる場合、主な取引先である介護関連事業者の業務縮小・経費削減等によ
る人材紹介・派遣の需要が縮小し、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


④   個人情報等の流出等について
 当社グループでは、人材派遣・人材紹介事業の遂行にあたり、顧客や派遣社員・人材登録者の氏名・住所・電話番号
等の個人情報を取り扱っております。当社グループでは、それらの情報管理やセキュリティ管理に対しては個人情報保
護規程や情報管理・秘密保持に関する規程を整備し、情報の適正な取り扱いと厳格な管理を行っております。しかしな
がら、外部からの不正な手段によるサーバー内の侵入等の犯罪や従業員の過誤等により個人情報が漏洩する可能性はあ
ります。そのような場合、当社グループに対する信用低下や損害賠償責任の負担等を通じて、当社グループの財政状態
や経営成績等に影響を与える可能性があります。


(5)医療・美容事業に関わるリスク


当社の海外子会社SLACでは、フィリピンでレーシック(近視矯正手術)、美容、矯正歯科等の施術を行う医療・美容事業
を行っております。これら事業には、以下のようなリスクがあります。


①   フィリピンにおける規制等について


 当社の海外子会社であるSLACは、I SUPPORT PTE. LTD.(以下「I SUPPORT」といいます。)との合弁会社でありフィ
リピンのマニラ首都圏地域で、3つのクリニックを運営し、レーシック(近視矯正手術)、美容及び矯正歯科等の施術
を行う医療・美容事業を行っております。フィリピンでは民間企業による医療施設の開設及び運営が認められており、
同社はHospital Licensure Act(R.A4226)に基づいて医療施設開設の許可及び運営の免許を取得しております。また、
医療機器の使用許可により規制されております。当社グループは許可等の取得・更新を行い、法令遵守を徹底しており
ますが、法令の改正もしくは新たな法令の施行または法令の解釈の変更により、当社グループの期待通りに医療・美容
事業を展開できなくなる可能性があります。
 なお、フィリピンでは、日本における医療広告のような規制はありませんが、消費者保護を目的とするConsumers Act
of the Philippines(R.A7394) に よ り、 値 引 き 等 の 広 告 を す る 場 合 に は、 所 轄 官 庁 (Department of Trade and
Industry:取引産業省)の事前の許可が必要です。当社グループは、被施術者獲得に関する法令を遵守しておりますが、
法令の改正もしくは新たな法令の施行または法令の解釈の変更により、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を
与える可能性があります。



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②   他社との競合について
 フィリピンでは医療・美容事業に進出する会社が増加してきており、今後品質・価格・サービス競争が激化するもの
と認識しております。このため、当社グループが品質・価格・サービス競争に適切に対応できず、競合他社が当社グル
ープの施術・サービスと同等またはより優れたものを導入する場合には、当社グループの財政状態や経営成績等に影響
を与える可能性があります。


②   合弁事業であることのリスク
 SLACは当社及びI SUPPORTの合弁会社(当社の議決権所有割合は50.0%)であるところ、SLACは医療機器の選定や医師
の研修等をI SUPPORTに委託しており、I SUPPORTとは当社グループの医療・美容事業の運営上重要な役割を果たしてお
ります。当社グループとI SUPPORTとは、これまで円満な関係を維持しておりますが、状況の変化により、合弁関係が解
消されるに至ったときは、SLACによる医療・美容事業が継続できず、当社グループの事業展開や経営成績等に影響を与
える可能性があります。


④   医療行為の安全性について
 SLACが行う医療行為のうちレーシック(近視矯正手術)に関しましては、1995年にアメリカの食品医薬品局(FDA)が
エキシマレーザーを使用した視力矯正術を認可し、日本でも2000年に厚生労働省が認可されております。レーシック
(近視矯正手術)の安全性については、歴史が比較的浅く、後遺症の有無など長期にわたる安全性は実証されていない
という意見もあり、こうした懸念が広がった場合、当社グループの顧客の獲得・維持が困難になり、当社グループの財
政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。
 なお、SLACで行う美容整形の施術は、全身麻酔を必要とするような外科的手術は行っておりません。またSLACの共同
出資者であるI SUPPORTに対して医師の研修実施を委託し、医師が施術前の問診を徹底して行うこと等により医療事故の
抑止に努めておりますが、万が一医療事故が発生した場合、当社グループの信用低下や、損害賠償責任の負担等を通じ
て、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


⑤   フィリピンにおけるレーシック(近視矯正手術)の業界について
 近年は、フィリピン国内においてPCの操作、スマートフォンの操作の機会が増えるなどにより近視になる要因が増え
ており、それに伴ってレーシック(近視矯正手術)の知名度の向上やレーシックの需要は拡大するものと考えておりま
す。しかしながら医療技術の未熟な医師による手術や、衛生管理が不徹底な医院での手術により、眼病の疾患が発生す
る等、レーシックへの信頼性が損なわれた場合等においては、レーシックに対する需要が減少し、当社グループの財政
状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


⑥   拠点展開方針と設備投資方針
 当社グループは、医療・美容事業において、今後もフィリピン国内で分院の開設を進めていく予定です。新規分院の
開設にあたって開設する地域の市場調査を十分に行った上で開設しますが、顧客や診療件数の増加が想定を下回り、開
設からある程度の期間は、損失を計上する可能性があります。また、既存のクリニックにおいても、今後の顧客増加へ
の対応、あるいは医療サービスの品質の向上を図るため、継続的な医療技術の向上、医療機器等の設備投資が必要であ
ると認識しています。設備投資を行ったものの、顧客や診療件数の増加が想定を下回った場合には、稼働率が低下する
ことになり、減価償却費等の費用を超える収益を確保できず、当社グループの事業展開や経営成績等に影響を与える可
能性があります。


⑦   医療スタッフの確保
 当社グループは、専門医をはじめとしたスタッフの確保は、医療・美容事業の拡大にとって重要であるため、優秀な
スタッフが就業・定着するように、積極的な採用活動のほか研修等を実施しております。しかしながら、こうしたスタ
ッフの採用ができない、定着しないなど、人材の確保に支障をきたすときは、当社グループの事業展開や経営成績等に
影響を与える可能性があります。


⑧   個人情報等の流出等について



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                            株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


 当社グループでは、医療・美容事業の遂行に当たり、顧客の氏名・住所・電話番号等の個人情報を取り扱っておりま
す。当社グループでは、それらの情報管理やセキュリティ管理に対しては個人情報保護規程や情報管理・秘密保持に関
する規程を整備し、情報の適正な取り扱いと厳格な管理を行っております。しかしながら、外部からの不正な手段によ
るサーバー内の侵入等の犯罪や従業員の過誤等により個人情報が漏洩する可能性はあります。そのような場合、当社グ
ループに対する信用低下や損害賠償責任の負担等を通じて、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能
性があります。


(6)組織体制に関わるリスク


①   特定の人物への依存について
 当社の創業者であり、代表取締役の宮下幸治は、当社グループの経営方針や経営戦略の策定、当社事業の推進に重要
な役割を果たしております。当社グループでは、同氏に過度に依存しないように経営体制を整備し、権限の委譲と人材
の育成・強化を通じてリスクの軽減を図っておりますが、何らかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合、当社グ
ループの事業展開や経営成績等に影響を与える可能性があります。


②   人材の確保と育成について
 当社グループは、経営理念の実現に向けて高い能力と志をもった人材を集めることに注力してまいりましたが、中核
となる社員が予期せぬ退社をした場合には、当社グループの事業展開及び経営成績等業績に重大な影響を与える可能性
があります。このような事態を防ぐために、今後も事業拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用・教育し、また、魅力
的な職場環境を整備していく方針ですが、そうした人材を獲得できないときは、当社グループの事業展開や経営成績等
に影響を与える可能性があります。


③   小規模組織における管理体制について
 当社は、2020年4月30日現在、取締役7名(内2名が社外取締役)、監査役3名(内2名が社外監査役)、従業員53
名と小規模組織にて運営しており、また海外子会社を含めた連結ベースでは従業員408名となりますが、グループ全体の
管理も当社が行っております。内部管理体制もこの規模に応じたものになっております。当社では、今後、事業の拡大
に応じた組織整備や内部管理体制の拡充を図る予定です。しかしながら、事業の拡大に応じた組織整備や内部管理体制
の拡充が順調に進まなかった場合には、当社グループの事業展開や経営成績等に影響を与える可能性があります。


(7)その他


①   為替相場の変動について
 当社グループは日本国内のほかフィリピン及びその他の国や地域において通信サービスの仕入及び販売を行っており
ます。通信サービスの仕入及び販売に関する契約締結時と決済時の為替変動や、IRU取引に関連するリース投資資産
(2020年3月末残高:1,163百万円)についての為替変動に伴う評価替えの結果、生じる為替差損益が当社グループの財
政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。また、連結財務諸表を作成するにあたっては外貨を円換算する
必要があり、換算時に使用する為替レートによっては当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があ
ります。


②   潜在株式について
 当社は、役職員の会社業績向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、新株予約権を利用したストック・オ
プション制度を導入しております。また、2019年8月には、より一層役職員に対して会社業績の向上への意識を強くさせ
るため、一定の営業利益に到達しないと新株予約権が交付されない信託を用いたインセンティブプランを導入しており
ます。これらの新株予約権が行使された場合は、新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値及び議決権割合が希
薄化する可能性があります。2020年3月31日現在、ストック・オプションによる潜在株式数は480,000株であり(上記信
託を用いたインセンティブプランに係る新株予約権は除く。現在の発行済株式総数12,350,000株の3.8%に相当しており
ます。




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                           株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


③   配当政策について
 当社は現在成長過程にあり、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を目指すため、
内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来配当は実施しておりません。しかしながら、株主利益の最大化を重
要な経営目標の一つとして認識しており、今後の株主への利益配当につきましては、業績の推移・財務状況、今後の事
業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針です。


④   自然災害等の大規模災害による被害について
 台風、地震、津波等の自然災害や火災等の事故及び情報システムの停止等により、当社グループの事業活動が停滞ま
たは停止するような被害を受けた場合には、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


⑤   新型コロナウイルス感染症の影響について
 新型コロナウイルス感染症などの伝染病の流行により、当社グループが事業を行う国又は地方自治体等が事業停止命
令、外出禁止命令、または休業要請などを行うような場合、当社グループの事業活動が停滞または停止する可能性があ
ります。その場合当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。


⑥   知的財産権について
 当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差し止めや損害賠償、商業的に妥当では
ないライセンス使用料の請求を受ける可能性があります。その結果、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与
える可能性があります。


⑦   訴訟について
 当社は、当社が提供していた電話番号がいわゆる劇場型勧誘を用いた特殊詐欺であるカンボジア不動産投資詐欺に使
用されたとして、かかる詐欺の被害者より、不法行為に基づく損害賠償を請求されており、現在東京地方裁判所に訴訟
が係属しております(訴額総計134百万円)。訴訟の結果如何では当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える
可能性があります。
 これ以外にさらに今後、新たに法的な紛争が発生しそれに対する訴訟等が提起された場合、その内容及び結果によっ
ては、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を与える可能性があります。


⑧   有利子負債依存度、支払利息の増加
 当社グループは、設備投資等のための資金調達を主に金融機関からの借入金に依存しており、2020年3月末現在にお
ける連結総資産に占める有利子負債依存度は12%であります。今後、フィリピンでの海外通信事業を展開するために当
社グループは設備投資を行う予定ですので、さらに有利子負債の依存度は高まる可能性があります。そのため、借入金
の増加による財務体質の悪化や、借入金利の上昇により支払利息が増加した場合には、当社グループの財政状態や経営
成績等に影響を与える可能性があります。


2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の比較可能性および企業間の比較可能性を考慮し、日本基準により連結財務諸表を作成
しております。将来の国際会計基準(IFRS)適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針
であります。




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                      株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
                                                     (単位:千円)
                            前連結会計年度             当連結会計年度
                           (2019年3月31日)        (2020年3月31日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                          2,512,346           2,498,411
   売掛金                             1,011,273             947,936
   リース投資資産                         1,247,124           1,163,956
   商品                                 46,184              37,657
   貯蔵品                                31,966              47,527
   その他                               313,639             505,672
   貸倒引当金                            △20,127             △80,060
   流動資産合計                          5,142,408           5,121,101
 固定資産
   有形固定資産
     建物及び構築物                         158,439             179,314
      減価償却累計額                      △121,647            △144,344
      建物及び構築物(純額)                     36,792              34,970
     機械装置及び運搬具                     1,271,974           1,774,091
      減価償却累計額                      △790,403            △947,875
      機械装置及び運搬具(純額)                  481,570             826,216
     工具、器具及び備品                       131,099             147,174
      減価償却累計額                       △89,362            △105,537
      工具、器具及び備品(純額)                   41,736              41,636
     リース資産                           244,660             244,660
      減価償却累計額                      △130,651            △173,210
      リース資産(純額)                      114,008              71,449
     建設仮勘定                           194,853             763,377
     有形固定資産合計                        868,962           1,737,650
   無形固定資産
     通信回線使用権                         161,280             120,027
     その他                              37,077              53,310
     無形固定資産合計                        198,357             173,338
   投資その他の資産
     長期前払費用                          254,605             384,414
     繰延税金資産                          128,690             123,579
     その他                             153,097             250,507
     貸倒引当金                               △0                  △0
     投資その他の資産合計                      536,393             758,501
   固定資産合計                          1,603,713           2,669,489
 資産合計                              6,746,122           7,790,591




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                   株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


                                                  (単位:千円)
                         前連結会計年度             当連結会計年度
                        (2019年3月31日)        (2020年3月31日)
負債の部
 流動負債
   買掛金                            406,128             419,508
   短期借入金                                -             100,000
   1年内返済予定の長期借入金                  300,430             344,340
   リース債務                           43,545              34,004
   未払法人税等                         151,608             110,615
   繰延延払利益                       1,076,101             986,750
   賞与引当金                           19,474              18,549
   その他                            309,696             431,364
   流動負債合計                       2,306,984           2,445,132
 固定負債
   長期借入金                          520,264             449,814
   リース債務                           44,854              10,855
   退職給付に係る負債                       45,026              36,944
   役員退職慰労引当金                       78,828             110,589
   資産除去債務                           3,626               4,205
   その他                             18,446              17,269
   固定負債合計                         711,045             629,678
 負債合計                           3,018,030           3,074,811
純資産の部
 株主資本
   資本金                          1,052,242           1,064,692
   資本剰余金                          988,617           1,001,067
   利益剰余金                        1,129,732           1,774,942
   自己株式                              △68                △194
   株主資本合計                       3,170,524           3,840,507
 その他の包括利益累計額
   為替換算調整勘定                      △47,532               46,331
   退職給付に係る調整累計額                     2,060               1,145
   その他の包括利益累計額合計                 △45,472               47,476
 新株予約権                                  -               7,350
 非支配株主持分                          603,040             820,445
 純資産合計                          3,728,091           4,715,779
負債純資産合計                         6,746,122           7,790,591




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(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
                                                        (単位:千円)
                           前連結会計年度                当連結会計年度
                         (自 2018年4月1日           (自 2019年4月1日
                         至 2019年3月31日)          至 2020年3月31日)
売上高                               5,780,112               6,508,904
売上原価                              3,636,131               4,023,077
売上総利益                             2,143,981               2,485,827
販売費及び一般管理費                        1,198,424               1,415,425
営業利益                                945,556               1,070,401
営業外収益
 受取利息及び配当金                             4,292                  31,507
 為替差益                                 73,377                       -
 その他                                   1,578                   1,593
 営業外収益合計                              79,249                  33,100
営業外費用
 支払手数料                                 7,702                     371
 支払利息                                 14,601                   5,525
 為替差損                                      -                  21,345
 その他                                     854                     757
 営業外費用合計                              23,158                  27,999
経常利益                               1,001,647               1,075,502
特別利益
 固定資産売却益                                 198                       -
 特別利益合計                                  198                       -
特別損失
 固定資産除却損                                   0                       5
 債権償却損                                11,322                       -
 たな卸資産廃棄損                              2,586                       -
 たな卸資産評価損                                  -                   6,420
 特別損失合計                               13,909                   6,426
税金等調整前当期純利益                          987,936               1,069,076
法人税、住民税及び事業税                         329,199                 344,565
法人税等調整額                             △10,676                    5,806
法人税等合計                               318,522                 350,371
当期純利益                                669,413                 718,704
非支配株主に帰属する当期純利益                       81,181                  73,494
親会社株主に帰属する当期純利益                      588,231                 645,209




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                株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


連結包括利益計算書
                                               (単位:千円)
                   前連結会計年度               当連結会計年度
                 (自 2018年4月1日          (自 2019年4月1日
                 至 2019年3月31日)         至 2020年3月31日)
当期純利益                      669,413                718,704
その他の包括利益
 為替換算調整勘定                  △78,256                 101,921
 退職給付に係る調整額                     844                  △319
 その他の包括利益合計                △77,411                 101,601
包括利益                        592,002                820,306
 (内訳)
 親会社株主に係る包括利益               523,424                738,754
 非支配株主に係る包括利益                68,577                 81,551




                20
                                                     株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


(3)連結株主資本等変動計算書
 前連結会計年度(自      2018年4月1日           至    2019年3月31日)
                                                                                                      (単位:千円)
                                  株主資本                           その他の包括利益累計額
                                                                    退職給付
                                                                          その他の 新株予 非支配株主 純資産合計
                                        株主資本                   為替換算 に係る         約権   持分
             資本金       資本剰余金 利益剰余金 自己株式                                   包括利益
                                         合計                    調整勘定 調整累計
                                                                         累計額合計
                                                                      額
当期首残高        379,100    315,475    541,500      - 1,236,076     18,119   1,215    19,334      -    179,749 1,435,161

当期変動額

 新株の発行       673,142    673,142          -      - 1,346,284          -       -         -      -          - 1,346,284

 自己株式の取得           -          -          -    △68      △68           -       -         -      -          -      △68
 親会社株主に帰
 属                 -          -    588,231      -   588,231          -       -         -      -          -   588,231
 する当期純利益
 株主資本以外の
 項目
                   -          -          -      -          -   △65,652     844   △64,808      -    423,290   358,483
 の当期変動額
 (純額)
当期変動額合計      673,142    673,142    588,231    △68 1,934,447    △65,652     844   △64,808      -    423,290 2,292,929

  当期末残高    1,052,242    988,617 1,129,732     △68 3,170,524    △47,532   2,060   △45,472      -    603,040 3,728,091



 当連結会計年度(自      2019年4月1日           至    2020年3月31日)
                                                                                                      (単位:千円)
                                  株主資本                           その他の包括利益累計額
                                                                    退職給付
                                                                          その他の 新株予 非支配株主 純資産合計
                                        株主資本                   為替換算 に係る         約権   持分
             資本金       資本剰余金 利益剰余金 自己株式                                   包括利益
                                         合計                    調整勘定 調整累計
                                                                         累計額合計
                                                                      額
当期首残高      1,052,242    988,617 1,129,732    △68 3,170,524     △47,532   2,060   △45,472       -   603,040 3,728,091

当期変動額

 新株の発行        12,450     12,450          -      -    24,900          -       -         -       -         -    24,900

 自己株式の取得           -          -          -   △126     △126           -       -         -       -         -     △126
 親会社株主に帰
 属                 -          -    645,209      -   645,209          -       -         -       -         -   645,209
 する当期純利益
 株主資本以外の
 項目
                   -          -          -      -          -    93,864   △914     92,949   7,350   217,405   317,704
 の当期変動額
 (純額)
当期変動額合計       12,450     12,450    645,209   △126   669,983     93,864   △914     92,949   7,350   217,405   987,687

  当期末残高    1,064,692 1,001,067 1,774,942     △194 3,840,507     46,331   1,145    47,476   7,350   820,445 4,715,779




                                                      21
                       株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


(4)連結キャッシュ・フロー計算書
                                                     (単位:千円)
                          前連結会計年度              当連結会計年度
                        (自 2018年4月1日         (自 2019年4月1日
                        至 2019年3月31日)        至 2020年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税金等調整前当期純利益                      987,936            1,069,076
 減価償却費                            225,928              229,299
 為替差損益(△は益)                      △28,641                21,936
 貸倒引当金の増減額(△は減少)                    △724                59,434
 賞与引当金の増減額(△は減少)                    6,995              △1,084
 退職給付に係る負債の増減額(△は減少)                8,764              △9,217
 役員退職慰労引当金の増減額(△は減少)               24,703               31,761
 受取利息及び配当金                        △4,292              △31,507
 支払利息                              14,601                5,525
 固定資産売却損益(△は益)                      △198                     -
 固定資産除却損                                0                    5
 売上債権の増減額(△は増加)                 △399,143                81,140
 リース投資資産の増減額(△は増加)              △533,879                72,591
 たな卸資産の増減額(△は増加)                    4,522              △5,934
 仕入債務の増減額(△は減少)                       489                6,422
 未払金の増減額(△は減少)                   △29,931               △1,058
 繰延延払利益の増減額(△は減少)                 587,168             △89,350
 前受金の増減額(△は減少)                     22,203               22,119
 その他                             △63,197              △67,264
 小計                               823,303            1,393,895
 利息及び配当金の受取額                        4,292               31,507
 利息の支払額                          △14,940               △5,863
 法人税等の支払額                       △415,561             △381,471
 営業活動によるキャッシュ・フロー                 397,094            1,038,067
投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得による支出                 △341,174            △1,013,060
 有形固定資産の売却による収入                      705                     -
 無形固定資産の取得による支出                 △207,505              △26,181
 保証金の差入による支出                     △14,121              △76,706
 長期前払費用の取得による支出                  △28,882             △120,760
 保険積立金の解約による収入                     2,297                    33
 定期預金の預入による支出                   △111,010                     -
 定期預金の払戻による収入                          -               116,010
 その他                              △9,716              △16,863
 投資活動によるキャッシュ・フロー               △709,407            △1,137,529




                       22
                      株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


                                                    (単位:千円)
                         前連結会計年度              当連結会計年度
                       (自 2018年4月1日         (自 2019年4月1日
                       至 2019年3月31日)        至 2020年3月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
 短期借入金の純増減額(△は減少)                      -              100,000
 長期借入れによる収入                      200,000              300,000
 長期借入金の返済による支出                 △545,136             △326,540
 社債の償還による支出                     △10,000                     -
 株式の発行による収入                    1,346,284               24,900
 新株予約権の発行による収入                         -                7,350
 非支配株主からの払込みによる収入                354,712              135,853
 リース債務の返済による支出                  △49,961              △44,712
 自己株式の取得による支出                       △68                 △126
 財務活動によるキャッシュ・フロー              1,295,831              196,724
現金及び現金同等物に係る換算差額                   6,853                4,812
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)              990,372              102,075
現金及び現金同等物の期首残高                 1,369,964            2,360,336
現金及び現金同等物の期末残高                 2,360,336            2,462,411




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                                           株式会社アイ・ピー・エス(4390) 2020年3月期 決算短信


(5)連結財務諸表に関する注記事項
 (継続企業の前提に関する注記)
     該当事項はありません。


 (セグメント情報等)
【セグメント情報】
 1.報告セグメントの概要
    (1) 報告セグメントの決定方法
      当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資
     源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
      当社は、商品・サービス別に事業部を置き、各事業部は取り扱う商品・サービスについて国内及び海外の包括
     的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
      当連結会計年度より、従来「フィリピン国内通信事業」に記載されていた子会社KEYSQUARE,INC.の一部の事業
     につき、「海外通信事業」に記載する方法に変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報につき
     ましては、変更後の区分により作成したものを記載しております。


    (2) 各報告セグメントに属する商品及びサービスの種類

報告セグメント                  サービスの種類
海外通信事業                   国際通信回線をフィリピンのCATV事業者に提供
フィリピン国内通信事業              フィリピン国内における通信事業
国内通信事業                   電話サービス及びコールセンター向けソフトウェアの販売
                         介護施設等の事業者に対する人材紹介・派遣事業、フリーペーパーの発行
在留フィリピン人関連事業
                         化粧品の通信販売など
医療・美容事業                  美容外科・眼科の診療
 
 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、その他の項目の金額の算定方法
     報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」にお
    ける記載と同一です。
     セグメント間の内部収益及び振替高は、主に第三者間取引価格もしくは原価に適正利益を加味した価格に基づい
    ております。


 3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、その他の項目の金額に関する情報
     前連結会計年度(自    2018年4月1日 至 2019年3月31日)
                                                                               (単位:千円