4390 ips 2020-10-21 12:00:00
(開示事項の経過)固定資産の取得(国際海底ケーブルの使用権の取得)及び当該使用権の一部提供に伴う収益計上に関するお知らせ [pdf]

                                         2020 年 10 月 21 日
各 位
                         会 社 名 株式会社アイ・ピー・エス
                         銘 柄 名 株式会社IPS
                         代表者名 代表取締役 宮下 幸治
                              (コード番号:4390 東証マザーズ)
                         問合せ先 取締役事業企画本部長 前田 知之
                                   (TEL. 03-3549-7719)


  (開示事項の経過)固定資産の取得(国際海底ケーブルの使用権の取得)
      及び当該使用権の一部提供に伴う収益計上に関するお知らせ


 当社が本年5月7日に固定資産の取得として公表いたしました国際海底ケーブル C2C の「フィ
リピン-香港」
      、「フィリピン-シンガポール」区間につきまして、売却先の顧客の検収が完了し、
本日入金が確認されました。
 2021 年3月期第3四半期に、
                「海外通信セグメント」および「フィリピン国内通信セグメント」
において売上・利益を計上いたします。
 5月にお知らせした時点では、7月の計上を計画しておりましたが、その後9月 28 日にお知ら
せいたしましたように、新型コロナウイルス感染症の影響により、開通が 10 月に遅延いたしまし
た。そのため、計上時期が当初予定の第2四半期から第3四半期に変更されております。
 開通時期以外の契約条件につきましては、当初の想定通りであり、変更はございません。
 今回の提供部分は、当社取得分の一部であり、残りの部分についても、当社が自社で利用する
分を除いて通信事業者や CATV 事業者に提供してまいります。
 本件開通による 2021 年3月期の業績予想の変更はございませんが、今後開示すべき事象が生じ
た場合には速やかに開示いたします。


 当社グループは、 回線を通じ、
         C2C    フィリピン国内の当社顧客に対して多様なサービスを提供す
ることで、フィリピン国内の通信事業者としての地位を向上させ、今後の成長のペースを高めて
いく方針です。


                                                     以上
(ご参考)
1.開通した国際海底ケーブル
  City-to-City Cable System, or C2C
          フィリピン-香港間、フィリピン-シンガポール間


2.国際海底ケーブル C2C について
 (1) 付加価値の高い海底ケーブル
     国際海底ケーブル C2C は、
                   「フィリピン-香港」「フィリピン-シンガポール」をほぼ直
                             、
   線の独立したルートで接続しております(図1参照)
                          。同様のルートを有する他回線は分岐
   装置(ブランチングポイント)を用いて“回り道”をしておりますが、C2C は都市同士を最
   短で結ぶ海底ケーブルであるため遅延が少なく、かつ切断事故発生率も低くなっておりま
   す。
     グーグルやフェイスブックなどが建設していた海底ケーブル PLCN
                                    (Pacific Light Cable
   Network)は、当初はロサンゼルスと香港・台湾・フィリピンを結ぶ予定でしたが、米中対
   立から計画変更を余儀なくされ、香港への接続ができなくなりました。完工リスクがない
   既存の海底ケーブルの再活用が着目されております。C2C ケーブルの設置年は香港線が
   2001 年、シンガポール線が 2002 年と設置以来 20 年近くが経過しておりますが、ネットワ
   ーク機器の発達により、古いケーブルでも高いパフォーマンスが提供できるようになって
   おります。
     当社の取得した C2C の回線容量は、現在のフィリピンから海外向けの潜在トラフィック
   量を十分にまかなうことができ、今後フィリピンにおけるさまざまな需要に対応していく
   ことが可能になります。
   (図1)
(2) エンドツーエンドによるスピーディーな対応
     この C2C は、当社グループによるエンドツーエンドのプライベートケーブルとなってお
   り、
    「マニラ(フィリピン)-香港」「マニラ(フィリピン)-シンガポール」までの通信
                   、
   回線を提供いたします(図2参照)
                  。
     通常の海底ケーブルは、両端の設備を別の企業が保有しているため、回線容量の増加、
   設備故障・修理といった場合、処置に数ヶ月かかることもございます。一方、C2C では、当
   社グループが両端の設備を保有しているため、機動的な対応が可能です。また、当社グル
   ープのプライベートケーブルになっているため、キャリアフリーでの対応が可能となりま
   す。
   (図2)




3.事業へのインパクト
 (1) 国際データ通信キャリア
     従来の当社のビジネスでは、他社から通信容量を調達し、CATV 事業者などに国際通信回
   線を提供しておりました。C2C という物理回線を取得したことにより、伝送機器の追加・更
   新によって通信容量を今後増やして生成し、提供することが可能となります。この結果、
   当社グループは、フィリピンにおいて PLDT 社、Globe Telecom 社の大手2社に次いで、第
   3番目となる国際データ通信キャリアとなりました。


 (2) フレキシブルな通信需要への対応
   当社グループは、 回線を活用することで、
           C2C         地域の通信事業者から大口需要家までのさま
   ざまな通信回線の需要に対応できるようになります。また、法人向けインターネット接続
   サービスの提供に必要な通信回線や CATV 事業者向け国際通信回線から C2C 回線への切替
   を進め、コストの削減を図ってまいります。


 (3) IX 拠点の開設
    フィリピンでは、小規模な IX(インターネットエクスチェンジ)しか存在しておらず、
   その多くは大手通信業者が設置したものであるため、大手系列でない CATV 事象者や地域電
   話会社が高品質のインターネットサービスを提供するためには、香港など海外の IX に接続
   する必要があり、国際通信回線の確保等に高いコストをかける必要がありました。
 また、そのトラフィックの 60~70%は、GAFA(※)関係であると言われております。今後
は、C2C 回線を最大限活用して、フィリピン国内のデータセンターに巨大な IX 拠点を開設
し、GAFA を誘致することにより、フィリピン国内においてデータの交換ができる環境の構
築を目指してまいります。
(※GAFA:Google、Amazon、Facebook、Apple の4社)


                                           以上