4295 フェイス 2019-05-21 16:00:00
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]
令和元年5月 21 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 フ ェ イ ス
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 平澤 創
(コード番号 4295 東証第一部)
問 合 せ 先 取締役最高財務責任者 佐伯 次郎
T E L (03)5464-7633(代表)
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ
当社は、平成 31 年4月 26 日付「株主提案に関する書面の受領のお知らせ」でお知らせしておりますと
おり、株主1名より、令和元年6月 27 日開催予定の当社第 27 期定時株主総会において株主提案を行う
旨の平成 31 年4月 26 日付の書面(以下「本株主提案書面」といいます。)を受領しましたが、本日開催の
当社取締役会において、同株主による提案(以下「本株主提案」といいます。)に対する取締役会の意見
を決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1. 提案株主
株主名 アールエムビー・ジャパン・オポチュニティーズ・ファンド,エル・ピー
(以下「RMB 社」といいます。)
2. 本株主提案の内容の概要および当社取締役会の意見
(1) 議題
① 剰余金の配当の件 (「本株主提案①」)
② 取締役1名選任の件(「本株主提案②」)
(2) 議案の内容
別紙「本株主提案書面」に記載のとおりです。なお、別紙「本株主提案書面」は、RMB 社から提出
された本株主提案書面の該当記載を原文のまま掲載したものです。
(3) 当社取締役会の意見
ア 本株主提案①に関する当社取締役会の意見
当社取締役会は、以下の理由により、本株主提案①に反対いたします。
当社をとりまく市場環境は、次々と出現する新たな発想によるサービスや情報通信技術等により、
多様化、複雑化しており、今日の音楽業界のビジネスモデルは大きく変容しつつあります。その中で、
当社は、持続的な企業価値の向上を図るためには、アーティストからユーザーへ直接音楽を届ける
しくみ創り等、新たな分野への事業投資、知的財産の創出および獲得、M&A 等を機動的に実施し、
これらの戦略的投資を通じて、「コンテンツの新しい流通のしくみ創り」の推進等に取り組むことが必
要であると考えております。
当社としては、このような新たな事業分野への投資、買収等の機会を常にうかがっており、
そのための検討や準備に余念を欠かさず取り組んでおりますが、大型案件を含む投資・買収
案件の成約は時機によるものもあり、時間的な制約を設けて拙速に行うべきものではないと
考えます。また、新たなサービスへの事業投資はベンチャー投資的な要素を併せ持ち、金融機
関からの資金調達には馴染みにくい側面もあるため、手許資金を機動的に活用できる状況を
維持することが重要です。以上から、当社としては、戦略的投資の機会を捉えて逃さないために常
に一定の手許資金を確保し、財務の柔軟性を維持することが経営戦略上重要であると考えておりま
す。
一方、当社は、株主の皆様への利益還元については同様に重要な経営課題と認識しており、継
続的な安定配当の基本方針の下、1株当たり年 10 円の安定配当を長期にわたって実施しておりま
す。加えて、自己株式の取得による利益還元も適宜実施しており、昨年は7億円の自己株式取得を
行いました。さらに、本日付「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」で公表したとおり、
新たに5億円を上限とする自己株式取得を実施することを決議しております。
当社としては、上記のとおり、持続的成長につながる戦略的投資のための資金確保と、株主の皆
様への安定的かつ継続的な利益還元との最適なバランスをとることが、当社の中長期的な企業価値
の向上および株主共同の利益の確保の観点で重要であると考えております。この点、本株主提
案①は、当社単体の現預金残高を超える約 50 億円の配当を提案するものであるところ、この
ような水準の配当は、これまでの当社の配当方針とは全く整合しないものです。また、本株主提案
①に係る配当を実施するためには、新たに資金調達、資産処分等の手当てが必要となり、そ
の結果として当社の財務の柔軟性が損なわれるおそれがあります。さらに、多額の資金流出
が生ずることにより、当社の持続的成長のための戦略的投資に向けた資金確保を困難にするお
それがあります。したがって、当社取締役会としては、本株主提案①に係る配当水準は、当社の持
続的成長を阻害するおそれがあり、適切ではないと考えております。
イ 本株主提案②に関する当社取締役会の意見
当社取締役会は、以下の理由により、本株主提案②に反対いたします。
当社は、すでに独立社外取締役3名を含む取締役会により、実効性ある経営監督機能を実現し
ており、当社提案の取締役会の構成が最も適切かつ十分な体制であると考えております。このため、
後述するとおり独立性に疑義のある候補者をさらに社外取締役に選任する必要性に欠けると考えて
おり、また、RMB 社は、当社の事業環境や経営の方針、経営状況を的確に把握しているとは見受け
られないこと等から、当該候補者の選任は当社の経営に無用の混乱をもたらすおそれがあり、当社
取締役会としては、企業価値の向上ひいては株主共同の利益の観点から、当社取締役候補者とし
ては適切でないと判断し、本株主提案②に反対いたします。
当社取締役会は、本日付「役員の異動に関するお知らせ」にありますとおり、令和元年6月 27 日
開催予定の当社第 27 期定時株主総会において、独立性の高い社外取締役3名の選任について付
議することとしております。当社提案の取締役選任議案が承認可決された場合、当社取締役会にお
ける社外取締役の割合は 42.85%となり、引き続き、「コーポレートガバナンス・コード」に則った、取
締役会における実効性の高い経営監督機能を実現できるものと確信しております。
また、取締役候補者の選定に当たっては、各取締役の役割に応じ要求される能力、音楽・知的財
産権等のビジネス領域における経験、企業法務・財務会計・情報通信技術等高度の専門性、人柄
等を総合的に考慮・検討し、取締役会において決定しております。このようにして決定された当社提
案の取締役選任議案においては、ステークホルダーの利益を考慮し、長期的かつ継続的な企業価
値の最大化への寄与が期待できる候補者を提案しており、かかる候補者からなる取締役会の構成
が当社にとって最も適切かつ十分な体制であると考えます。
他方で、本株主提案②における取締役候補者は、当社株式を 11.45%(※)保有する RMB 社に対
して投資運用の助言を行っている RMB キャピタルのパートナーであり、かつ、RMB キャピタルにおけ
る日本株ポートフォリオマネジャーの役職についているとのことであり、このような取締役候補者の立
場に照らすと、特定の株主の利益代表にとどまらず、当社少数株主の皆様の利益を十分に考慮した
職務執行を期待できるかについて疑義があります。
※持株比率は自己株式(572,000 株)を控除して計算しております。
さらに、当社は、提案株主である RMB 社および本株主提案②における取締役候補者とは、これま
でに当社の経営や事業に関する議論を重ねて参りましたが、当社の事業環境や経営の方針および
経営状況を依然として十分にご理解いただいていないと見受けられることから、仮に本株主提案議
案が承認可決された場合には、当社の経営に無用な混乱をもたらすおそれがあると考えます。
なお、平成 30 年6月 28 日開催の当社第 26 期定時株主総会においても、RMB 社より、本株主提
案②における取締役候補者の選任を求める株主提案が行われましたが、同提案の RMB 社以外の
賛成票は 5.6%に過ぎず、RMB 社の賛成票を除く出席議決権の 91.8%の反対票により、否決されて
おります。
以上のとおり、当社取締役会としては、当社提案の取締役候補者からなる取締役会の構成が、当
社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上につながるものとして、最も適切かつ十分な体制で
あると確信しており、本株主提案②における取締役候補者の選任は、当社の企業価値ひいては株
主共同の利益の観点から必ずしも最適な選択ではないと考えます。
以 上
別紙「本株主提案書面」
提案議案その1
1. 株主総会の目的事項
剰余金の配当の件
2. 議案の要領及び提案の理由等
(1) 議案の要領
ア.配当財産の種類
金銭
イ.配当財産の割当てに関する事項およびその総額
貴社普通株式 1株につき金 380 円
配当総額 金 380 円に平成 31 年3月 31 日現在の当社発行済普通株式総数(自己株式を
除く)を乗じて算出した金額
ウ.剰余金の配当が効力を生じる日
本株主総会の日の翌営業日
エ.配当金支払い開始日
本株主総会開催日の7営業日後
(2) 提案の理由
貴社は平成 29 年8月に日本コロムビア株式会社を株式交換により買収しました。当該企業買収の
方法が現金による公開買付けであれば、少なくとも約金 50 億円の現預金が対価として日本コロムビ
ア株式会社の少数株主に支払われていたことになります。
当時、貴社の経営陣は、当該企業買収の際に温存した現預金について、企業買収を含む事業拡
大に投資する方針であると説明していました。それから、約2年が経過しましたが、企業買収を含む
事業拡大施策は実施されず、現預金は温存されたままとなっています。それにより貴社の資本効率
は低下し、企業価値を押し下げています。
従って貴社は、温存したまま活用されない現預金について株主に還元し、企業価値を向上させる
べきです。本提案における一株あたり金 380 円という水準は、配当総額が約金 50 億円となるもので
あって、温存した、投資する予定のない現預金をすべて還元すべきという趣旨に則った金額となりま
す。
提案議案その2
1. 株主総会の目的事項
取締役1名選任の件
2. 議案の要領及び提案の理由等
(1) 議案の要領
細水政和氏を貴社取締役に選任する。
(2) 提案の理由
貴社の企業価値の更なる向上を図るためには、その前提として、充実したコーポレート・ガバナン
ス体制及び内部統制システムを構築した上で、貴社の各事業分野における価値の創造を最大限効
率化し、貴社の各事業の本源的・潜在的価値を十分に引き出す必要があると考えられます。
そのため、貴社の各事業分野に関連する多種多様な専門的知見や経験を有する取締役を新た
に貴社経営陣に参加させ、その資質に裏打ちされた視点を貴社の事業活動に反映させることで、真
に貴社の企業価値ひいては貴社の株主、従業員、顧客、債権者等全てのステークホルダーの皆様
の利益に資する経営判断を行うことができる体制を整えることが、上記の目的を達成する最善の方
法であると考えております。
上記の取締役候補者は、以下の略歴のとおり、 ①日本の株式市場への 10 数年に渡る調査およ
び投資経験を通じて上場企業に関する深い知見を有しており、貴社の企業価値向上に建設的な意
見を述べることができ、②日本企業におけるコーポレート・ガバナンスの向上について積極的に発
言・活動を行ってきた実績から,少数株主の利益を代弁することができます。これらの卓越した専門
的知見と豊富な実績から、貴社の企業価値の更なる向上を図る上で最適な人材であると確信してお
ります。
(3) 候補者の氏名、略歴等
(氏名) 細水政和 (ほそみずまさかず)
(生年月日) 昭和 50 年 12 月 7 日生
(略歴等) 平成 10 年 4 月 野村證券株式会社入社
平成 15 年 6 月 米国シカゴ大学 MBA 修了
平成 15 年 6 月 野村證券株式会社復帰 ニューヨーク支店配属
平成 17 年 10 月 コッグヒルキャピタル(米国イリノイ州シカゴ市)入社
同社 日本・アジア株アナリスト
平成 21 年 7 月 同社 日本・アジア株ポートフォリオマネジャー
平成 25 年 9 月 RMB キャピタル(米国イリノイ州シカゴ市)入社
同社 日本株ポートフォリオマネジャー(現任)
平成 30 年 4 月 同社 パートナー(現任)
(重要な兼職の状況) RMB キャピタル パートナー・日本株ポートフォリオマネジャー
(所有する貴社株式の数) なし
なお、上記取締役候補者より、貴社取締役就任の内諾を得ております。