4240 J-クラスターT 2020-05-15 16:00:00
中期経営計画策定に関するお知らせ [pdf]

                                                            2020 年 5 月 15 日
各位


                                       会社名 クラスターテクノロジー株式会社
                                         代表者名 代表取締役社長                 安達 良紀
                                         (JASDAQ・コード番号4240)
                                       問合せ先 取締役管理本部長 駒井 幸三
                                         (TEL 06-6726-2711)


             中期経営計画策定に関するお知らせ

 当社は、2021年3月期から2023年3月期までの中期経営計画を策定いたしまし
たので、お知らせいたします。


 なお、当該資料について、当社のウェブサイトに掲載いたします。


     URL   http://www.cluster-tech.co.jp/pdf_data/irpub/irpub20200515.pdf

     掲載日   2020 年 5 月 15 日       16 時以降


                                                                            以上
                                              2020年5月15日



       2021年3月期~2023年3月期 中期経営計画

1.今後3か年の中期経営計画

(1)当中期経営計画提出時点における前事業年度の総括(計画の達成状況、成果及び課題)
 当事業年度におけるわが国経済は、アメリカと中国の貿易摩擦による中国経済の低迷の影響に加え、新
型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済の急激な落ち込みが進行しております。
 製造業においても、中国の最終需要が落ち込んでおり、世界的に広がった新型コロナウイルスのパンデ
ミックに終息の見通しが立たない状況にあり、景況感が大幅に悪化しております。
このような状況のもと、当社は、事業方針「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」と期初に掲げた
「対処すべき課題」の具体的な施策である、 当社の強みを活かした営業力の強化、 顧客提案力の向
                    ①                 ②
上と開発効率の向上、③ 生産力の強化と人材育成を引き続き推進してまいりました。
 ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業での取組みとしましては、大手エレクトロニクス機器メーカー
などに機能性素子部品を継続的に提供するとともに、「対処すべき課題」の具体的な施策である「当社の
強みを活かした営業力の強化」により機能性部品で培った強み・特徴を活かし、他市場・他分野(産業用
機器、OA機器やレジャー関連分野等)への水平展開を推進してまいりました。その結果、映像機器分野
に重点を置いていた売上構成が多角化いたしました。
 映像機器分野においては、デジタルカメラ需要は依然として低下傾向にありますが、高付加価値用途に
採用されている製品群は堅調であり、同分野の売上は横ばいとなりました。
 産業機器分野、OA機器分野においては、アメリカと中国の貿易摩擦の激化により、既存製品の売上が
落ち込み、量産を見込んでいた新規案件にも影響が及びました。
 レジャー分野の売上においては、引き続き順調に推移しており、全体の売上の伸び悩みをカバーするこ
とができました。
 なお、前事業年度まで順調に推移していた金型の売上は、当初、量産を見込んでいた新規案件の影響に
より伸び悩みました。


 金型の外部顧客への売上高の推移                                   (単位:千円)
  2016年       2017年       2018年       2019年       2020年
 3月期(実績)      3月期(実績)     3月期(実績)     3月期(実績)     3月期(実績)
     73,799     141,458     143,351     132,171     114,603
 出所: 各期の当社有価証券報告書等


 パルスインジェクター®(以下、PIJという) 展示会や技術紹介の専門サイトなどを通じた積極
                       は、
的なアプローチにより、大学研究室及び各企業の研究 開発部門に対するフォローアップを強化しており、
                        ・
継続的なユーザーの需要を中心とした販売は順調に推移しました。しかしながら、ユーザーの研究開発費
は圧縮の傾向にあり新規の装置受注は振るわず、売上は伸び悩みました。

                            -1-
 マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、高圧受配電盤などの電気設備のメンテナンス需要が重
なり、碍子などの成形品及び機能性樹脂成形材料(エポハード®)ともに需要は堅調に推移しており、売
上は増加いたしました。
 高耐熱性・高熱伝導性・低温硬化などの固形封止材「エポクラスター®クーリエ」につきましては、引
き続き半導体デバイスメーカーや産業機器メーカーなどへサンプル供給しながら事業を展開 推進してお
                                         ・
ります。また、レジャー関連分野の製品においては、量産へ移行しており、売上に貢献しております。


 以上の結果、当事業年度の全社の業績は売上高 835 百万円(前年同期比 0.0%増) 売上総利益 299
                                           、
百万円(前年同期比 4.0%増)、営業利益 26 百万円(前年同期比 6.5%増)、経常利益 29 百万円(前
年同期比 7.6%増)、当期純利益 20 百万円(前年同期比 2.8%減)となりました。


当事業年度のセグメントの業績は次のとおりであります。
 ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料及び機能性精密成形品並
びにPIJ関連製品の売上高は 629 百万円(前年同期比 0.0%増) セグメント利益は 262 百万円
                                   、                (前
年同期比 5.1%増)となりました。
 マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子及び金型・部品の
売上高は 203 百万円(前年同期比 2.8%増)、セグメント利益は 35 百万円(前年同期比 6.5%増)と
なりました。
 その他事業につきましては、医療薬品容器の異物検査事業などにより、売上高は3百万円(前年同期比
62.5%減)、セグメント利益は1百万円(前年同期比 69.0%減)となりました。
 このような状況下において、当社は、当事業年度においても、「対処すべき課題」の具体的な施策を推
進し、営業損益は3期連続して黒字となりました。
 今後は、顧客ニーズと当社の存在価値の共有化ができる分野に受注案件をより集中させるとともに、当
社の強みを顧客の付加価値向上と当社の利益向上に繋げていく施策を積極的に推進してまいります。




                          -2-
スローガン「当社の強みをお客様の付加価値に繋げる!」


   経営方針
   ① 新規開拓に向けた営業力の強化
  機能性精密成形品で培った強み・特徴を活かし、これまでの産業機器、レジャーに加えて、ロボッ
 ト、センサ、通信、医療などの他市場・他分野へ新規顧客開拓のためのアプローチを強化する。

   ② 顧客提案力の向上と新規開拓に向けた製品開発
  開発、生産技術、営業が一体となって顧客への付加価値を追求し、今後の柱を作る変革的な製品の
 開発に努める。


   ③ 生産力の強化と人材育成
  売上高の増加に伴う生産力の強化として、原価情報をより正確に抽出し、原価分析に基づき工程の
 自動化、効率化、多能工化をより積極的に進めるとともに、人員の増強及び次代を担うリーダーの育
 成を図る。


事業方針
 高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供


当社の強み
 樹脂製品の概念を変える
 従来の常識を変え、樹脂製品の概念を変える。
 新たな樹脂化の可能性の追求により、あらゆる製品の樹脂化に挑戦します。
 樹脂製品のコーデイネーター
 当社は、顧客の樹脂製品の設計から生産に至るまでの全プロセスをトータルサポート。
 あらゆる角度から最適な樹脂製品を提案します。
 樹脂製品のカスタマイズ
 独自コンパウンド技術により、様々な種類の樹脂を高機能化。
 要求特性に応じ、高付加価値製品にマッチングします。
 樹脂製品の一貫生産
 樹脂複合材料をコアとして、金型、成形、後加工に至るまで一貫した技術と生産体制で完成度の高
 い優れた樹脂製品を提供します。




                       -3-
(2)中期経営計画の概要及び策定の背景
  今回の中期経営計画では、アメリカと中国の貿易摩擦による中国経済の低迷の影響に加え、新型コロ
 ナウイルス感染拡大に伴う世界経済の急激な落ち込みの影響で、先行きが不透明であり長期化の恐れも
 あるため大幅に見直しを行っております。
  2021年3月期から2023年3月期(第30期~第 32期)の3年間における経営方針として
 「当社の強みをお客様の付加価値に繋げる!」をスローガンに、経営の安定化のための「黒字経営の持
 続」と共に、当社の強みを顧客の付加価値向上と当社の利益向上に繋げていく施策を継続的に推進して
 まいります。
      盤石な経営基盤確立のため、利益体質のさらなる強化を最優先として、
                                     従業員の待遇改善、
 株主への配当が実施できる企業体質への転換を目指しております。
  これらを踏まえて、今後の3年間は、利益体質に向けた設備投資(機械設備の更新・新設等)と多角
 化戦略に向けた新規開拓の両輪を推進してまいります。また、株主への配当の実施につきましては、業
 績動向を勘案しながら、柔軟かつ機動的な配当政策の実現を目指してまいります。


(3)事業の進捗状況及び今後の見通し並びにその前提条件
 2021年3月期から2023年3月期における、各関連事業(ナノ/マイクロ・テクノロジー関
連及びマクロ・テクノロジー関連)の主な製品である機能性精密成形品及び機能性樹脂複合材料、固
形封止材「エポクラスター®クーリエ」
                 、パルスインジェクター®、樹脂成形碍子関連分野の内容及び今後
の展開の方向性等についての概要は以下のとおりです。


ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業

 本事業の進捗状況及び今後の見通しにつきましては、前述の通り世界経済の先行きが不透明であり、
前期に策定した中期経営計画について大幅に見直しを行っております。


 (機能性精密成形品及び機能性樹脂複合材料)
 当社は、機能性精密成形品の製造を主力としていますが、これとともに独自技術による機能性樹脂複
合材料も研究・開発しておりますので、両方の技術を使って高精度・高機能精密成形品の要求に対する
個別ユーザーのニーズに対応して差別化を図っています。また、業種の異なる分野でも、自社単独でい
わゆる水平展開が可能であり、デジタルカメラ向け機能性精密成形品を中心とした映像機器分野のみな
らず、OA機器、産業機器、レジャー関連等の分野で展開を強化し、売上拡大を図ってまいります。
 「当社の強みをお客様の付加価値の向上に繋げる!」というスローガンのもとで、利益体質に向けた設
備投資(機械設備の更新・新設等)と多角化戦略に向けた新規開拓の両輪を推進してまいります。




                         -4-
     機能性精密成形品等の市場別売上高構成の推移




    2020年3月期     2021年3月期    2022年3月期   2023年3月期
      (実績)         (予想)        (予想)       (予想)

    映像機器       OA機器   産業機器        レジャー関連   車載      その他

 注)映像機器(デジタルカメラ向け機能性部品等) OA機器
                       、     (インクジェットプリンター、複写機等)


 (固形封止材)
  高耐熱性・高熱伝導性・低温硬化などの固形封止材「エポクラスター®クーリエ」につきましては、
 レジャー関連分野においては、量産へ移行しており、売上に貢献しております。引き続き半導体デバ
 イスメーカーや産業機器メーカーなどへサンプル供給しながら事業を展開・推進してまいります。


 (パルスインジェクター®)
 パルスインジェクター®は、単ノズルで取り扱いが容易である事、耐薬品性に優れ、水から有機溶剤に
至るまで幅広い液体に対応できる特徴から、引き続き研究開発分野への販売展開を進めてまいります。
企業の研究所や大学を中心として各研究機関(地域・行政)等の研究室等に認知していただいたと考え
ております。最近は、プリンタブルエレクトロニクス、3Dプリンター、捺染(布地に印刷する)など
産業用途にもインクジェット技術が展開され、基礎検討も盛んに行われております。再生医療や予防医
療の方面だけではなく、診断医療、個別化医療などバイオ分野へも活用されております。インクジェッ
ト技術は多くの分野で適用性を検討され、パルスインジェクター®はますますインクジェットの技術革新
の一翼を担うケースがこれから増えてくるとみております。


  マクロ・テクノロジー関連事業

 (樹脂成形碍子関連分野)
 樹脂成形碍子関連分野は、海外製品に浸食され、原材料や部品の値上げも相まって苦戦を余儀なくされ
てきました。こうした状況の中、電線の地中化に伴う樹脂絶縁部品の新規案件の他、従来からのセラミッ
ク碍子を当社の樹脂成形碍子に置き換える案件や、樹脂成形碍子以外の重電機器部品における新規案件な

                            -5-
ども出始めており、引き続き新規開拓を進めてまいります。
 しかしながら、今後の売上高の大幅な増加は見込みにくい状況であり、当社といたしましては、製造原
価の見直しと効率化、合理化をより一層進めてまいります。


2.当期の予算及び今後の業績予想
                                                           (単位:千円)
              2020年       2021年               2022年       2023年
              3月期(実績)     3月期(予想)         3月期(予想)         3月期(予想)
   売 上 高        835,661        900,000         945,000     1,000,000
   売上総利益        299,534        307,000         327,000      365,000
   販売管理費        273,187        287,000         302,000      325,000
    営業利益         26,346         20,000          25,000       40,000
    経常利益         29,158         21,000          26,000       41,000
   当期純利益         20,324         15,000          20,000       32,000
 参考 2020年3月期は決算確定数字です


                      各事業別の売上高推移
                                                           (単位:千円)
                  2020年        2021年           2022年       2023年
                 3月期(実績) 3月期(予想) 3月期(予想) 3月期(予想)
 ナノ/マイクロ・
                   629,234          697,000     754,000     809,000
  テクノロジー関連事業
 マクロ・
                   203,301          200,000     188,000     188,000
  テクノロジー関連事業
 その他事業                3,125           3,000       3,000       3,000


 本資料には、当社の営業成績及び財政状態に関する当社又は当社役員の意図、意見又は現時点の予想
 と関連する将来予想が記載されております。この将来予想は、過去の事実でも将来の業績を保証するも
 のでもないため、リスクと不確定な要素を含んでおります。実際の業績は様々な要因により異なる可能
 性があります。当社は、この将来予想を、これらの変化要因を反映するために修正することを保証する
 ものではありません。
                                                                  以 上




                              -6-