4202 ダイセル 2021-02-18 14:00:00
中期戦略 Accelerate 2025-2 [pdf]

2020年6月5⽇に発表した中期戦略 「Accelerate 2025」 では、その策定時点
で新型コロナウイルスの感染拡大の渦中にあったことから、その対応を優先する
こととし、経営目標の詳細については、情況の推移を⾒極めながら、改めて策定
することとしておりました。
その間、コロナ禍への対応とともに、「Accelerate 2025」に掲げた施策にも着
実に取り組みながら、さらに議論を深め、「Accelerate 2025-Ⅱ」 として取り
まとめました。




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当社の具体的な計画及び戦略についてお話をする前に、
当社が歩んできた歴史からの学びについて少し触れたいと思います。
当社は2019年9月に100周年を迎え、2020年6月に第4次⻑期ビジョンを策定し
ました。
その考えに沿って策定した中期戦略「Accelerate 2025」及び本⽇ご説明する
「Accelerate 2025-Ⅱ」において、今後5年間、会社が進むべき道を明らかにさ
せていただきます。




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過去100年の歴史を振り返った時、
ダイセルの強みが発揮されたエピソードには、必ずそこに社会やパートナーの強
いニーズがあったという当たり前のことを再認識いたしました。
社会のニーズに応えるということは、企業の原点であり、基本的な姿勢であると
考えています。
しかし、この考えが製販研の中で等しく重視されてきたのかを⾒直す必要がある
と感じています。
この⾃⼰認識を大切にしたいと思います。




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次に、過去から⾒えてくる学びです。
1989年に策定した第⼀次⻑期計画から当社が変わらず取り組んできたことは、
新事業の創出です。そのためにさまざまな方策や組織を考えて挑戦してまいりま
した。
しかし、その中には今後の教訓としなければいけないことも⾒出しております。
要は⾃社の系譜にないものを落下傘的にお⾦をかけて取り組んでもうまくいかな
いということです。
⾃社の製品や技術の系譜につながるものの中でしか、当社としては新事業として
成功しておりません。
他方、ダイセルから遠⼼⼒をもって独⽴採算制とした会社は、その大半がうまく
いっております。
その事業化に至る思い・覚悟が⼀方ならないということは想像にかたくありませ
ん。
その成功には、ターゲットとするマーケットが絞り込まれていること、新しい事
業にふさわしい企画や評価技術を同時に起こしていることなど、
単なる研究開発だけではなく、会社を挙げたビジネスモデルの構築が重要である
と再認識しました。
こうした振り返りからの学びが、これからの戦略を考える「羅針盤」となりま
す。




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この歴史の振り返りから⾒えてきた
・企業の原点である「社会ニーズに応える⼒」
・過去からの学びを元にした羅針盤。
これらを踏まえた中期戦略としてクロスバリューチェーンの構築による成⻑戦略
を策定しています。
そして、昨年の中期戦略の発表時に、開始を1年遅らせたのはコロナ禍の状況を
鑑みて足元で必要な取り組みを優先するためでした。
その間にポリプラスチックスの完全⼦会社化も⾏いました。
この2つのアクションを盛り込んで、中期戦略の精度向上に取り組んでまいりま
した。
そこで、この⼀年間に取り組んできたことを少しレビューさせていただきます。




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まずは足元を固めるための筋肉質化です。
・徹底したコストダウン
・不採算事業からの撤退
・不採算拠点の統廃合
・働き方改革
次に、コロナ社会を⾒据え、最優先されるべきニーズへの対応です。
新型コロナウイルス対策への貢献として、ワクチン投与デバイス(アクトラン
ザ)の治験提供。
そして、コロナ禍が発生する前から AI や IoT の進歩に伴うサプライチェーン
の劇的変動を踏まえた以下の組織変更を企画しておりました。
・コーポレート機能の強化
・カンパニー制からマーケットイン、カスタマーインに焦点を当てたSBU制へ
の移⾏
これらについてはコロナ収束後の新秩序においても必要な施策と判断し、その定
着に取り組んでおります。さらには
・課題発掘型企業への取り組み
・⾃律型生産システムの開発
・ポリプラスチックス完全⼦会社化による効果の最大化
・産産学学連携の取り組み強化
といった取り組みをウィズコロナの備えとして⾏ってまいりました。
これらの取り組みの中で、特にコストダウンの取り組みについて説明いたしま
す。




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当社のコストダウンは、過去には原料⾼や単価ダウンのマイナス要因を受けて相
殺されていました。今回は、従来にも増して低稼働・⾼稼働に対応したコストダ
ウンの確保と製法転換などによる技術革新の成果を組み合わせました。
この取り組みに加え、単価ダウンに対して需給バランスの適正化、⾼付加価値製
品の開発・上市と合わせて、コストダウン効果の顕在化に努めています。
また生産効率化の取り組みとして、防衛産業の撤退に代表される不採算事業の抜
本的⾒直し、インフレータ事業における生産拠点の集約にまず取り組みました。
さらに、ガス発生剤の製法転換に目途をつけ、ガス発生剤のハーフコストライン
を実現します。
また、インフレータやイニシエータの品種統合による部品点数の大幅削減、モ
ジュール設計の徹底によるEOP(End of Production)時のラインリサイクル率
の向上などを含めたインフレータのハーフコストラインも計画しています。




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ここまで、歴史から得た学びを踏まえ、
事業環境変化に対応しながら、やるべきことをしっかりと⾒据え
取り組みを進めている現状をお伝えしました。
これからご説明申し上げます中期戦略の位置づけを明確にするために、サステナ
ブル経営方針や⻑期ビジョンも含めた当社の経営方針の全体像について少し触れ
たいと思います。




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こちらが、私たちダイセルの経営方針です。

最上位にあるのが基本理念です。

「価値共創によって人々を幸せにする会社」
当社が変わらずに持ち続ける基本理念です。

そして、SDGs実現のために「サステナブル経営方針」を基本理念の直下に位置
付けました。

このサステナブル経営方針をProduct , Process , Peopleの3つの要素で実現し
ます。

そして、それを実現するための戦略が
2020年6月にお⽰しした⻑期ビジョンと中期戦略になります。




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それでは、新しく定めたサステナブル経営方針と⻑期ビジョン・中期戦略との関
係性をお⽰ししたいと思います。

やや極端な表現にはなりますが、これまでの大量消費型社会はこのように⾔い表
せるのではないかと思います。
・⾃社のみの利益のために、
・生産不能な資源をベースにした経済活動で、
・⼆酸化炭素の排出を増加させながらエネルギーを大量消費し、
・そこから生まれるプロダクトで未来を無視した社会が形成されていました。




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しかしこれでは、「サステナブルな社会の実現」と「サステナブルな事業の拡
大」は両⽴できません。




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そこで私たちは、⻑期ビジョン・中期戦略の最終的なゴールを「循環型社会構築
に貢献する」ことといたしました。




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循環型社会を構築するためには、これまでの社会の作り方を大きく変えていく必
要があります。

そのために、「4つのシフト」を実現していきます。




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まずは、「新企業集団の形成」です。
新しい社会を構築することは、⾃社だけでできることではありません。そして、
⾃社の利益のみを求めていては、それを成し遂げることは不可能です。
部署の壁はもちろんのこと会社や業界の壁も超えて、共に志し、社会や地球 の
ために思考し、創造する。そのような新たな共同体を実現します。

次に、バイオマスプロダクトツリーの実現です。
生産不可能な資源に依存するのではなく、⽇本に眠る森資源や従来は不可能だっ
た森資源を再生可能な資源にする必要があります。そこで培った再生を可能とす
る技術は、⾷品廃棄物や第⼀次産業(農林⽔産業)における廃棄物の再利⽤にも
活⽤していく必要があると思います。⻑年にわたりセルロース事業を営んできた
当社だからこそ目指すことができる、目指さないといけないことだと思います。

次に、「カーボンオフセット、エネルギーオフセットの実現」です。
当社は素材産業としてその製品開発だけではなく、そのプロセスもサステナブル
でなければなりません。とりわけセルロース事業のプロセスはエネルギー消費量
が多いという問題点がありました。私たちは率先してカーボンニュートラルに向
けて、まずはカーボンオフセット・エネルギーオフセットから取り組み、持続可
能な社会の実現に向けて大きな役割を果たしたいと思います。

そして、「健康・安⼼安全・便利快適・環境といった4つのトリガーによる幸せ
の提供」です。社会課題を解決し、人々に幸せをもたらし続ける製品やサービス
を提供していきます。
私たちダイセルは、これらを通じて循環型社会の構築に貢献していきます。




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ここまでお伝えしてきたことを最終的なゴールに据え、そこに到達するための道
のりをお⽰ししたのがこちらの図です。
まずダイセル⾃体が社会ニーズを的確に把握し、それに対する事業創造⼒を強化
する必要があります。そのためにカンパニー制からマーケットイン・カスタマー
インを目的としたSBU制への転換を図りました。

次にダイセルグループ内にその思想を浸透させなければなりません。ダイセル
100%⼦会社のみならず、⻑年の信頼関係を築いてきたパートナー企業との合弁
会社も含めて共通のベクトルを持てるかどうかが肝⼼です。ダイセルグループに
おける合弁会社についてはすべてのパートナー企業と今回の方向性について確認
し、その結果に基づき今後の関係を大幅に⾒直したものがポリプラスチックスの
完全⼦会社化です。

最終段階で産業価値を転換します。
具体的にはクロスバリューチェーンのうち、まず垂直統合方向のバリューチェー
ンを実現、その共通顧客に対しての価値創造の取り組み・バリューチェーンによ
る効果を実感することから始め、最後に他社との共創スキームを確⽴させます。

いまお話しした3つのステップ(⾃社→グループに広げ→社外のパートナーへと
広げていく)により共創体を構築し、その共創体を核として循環型社会を構築す
るためには、より広い範囲に対して共感を得るビジョン提⽰が必要です。
このような循環型社会にむけた1つの提⾔が、「バイオマスバリューチェーン」
なのです。そして、これこそが2020年6月の中期戦略でお⽰した3つのオペ
レーションになります。




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さらには循環型社会に貢献するために、
サステナブル経営方針で掲げたProduct , Process , People の3つの構成要素が
必要です。

そしてこの3つのサステナブルを実現するための
OP-Ⅰ , OP-Ⅱ , OP-Ⅲにおけるアクションを
全社戦略・事業戦略・機能別戦略に区分して表しました。




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それがこちらのマップになります。
たくさんの要素がありますが
OP-Ⅰ ⇒ OP-Ⅱ ⇒ OP-Ⅲ の各段階で
Product・Process・Peopleという切り⼝で整理したものが第4次⻑期ビジョン
であり、
それに基づいて、全社戦略・事業戦略・機能別戦略にブレイクダウンしたものが
中期戦略「Accelerate 2025」なのです。




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打ち手の全体像の中で、
主に「Sustainable Product」を実現するための
取り組みがこちらになります。




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「Sustainable Product」に関連する戦略をまとめました。
2020年4月に移⾏したSBU制では、3つのマーケットイン型事業と、2つのプロ
ダクトアウト型事業に区分しました。
本来ならば全てをマーケットイン型にすべきかもしれませんが、素材産業として
ニーズ志向の重要性を認識しつつ、⾃社の系譜に⽴脚するというシーズ志向の側
面も否定してはいけないと考えました。

この観点で現在の取り組み事例をご紹介します。
・カスタマーインによる新事業開発の試⾏事例
・マーケットニーズを捉え、既存商品の潜在機能を新たに発掘、つまり機能を意
訳することで新たな活路を⾒出した事例




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まずカスタマーインによる新事業開発の試⾏事例である、ダイキン⼯業様との協
業です。
従来のカンパニー制においてはお客様に対面したカンパニーの資源を中⼼にお客
様の課題解決を⾏っておりました。
ダイキン⼯業様との協業では、窓⼝はセルロースでしたが、その課題解決にあ
たって、有機・フイルム・評価解析などダイセルの必要な全部門でその解決にあ
たり、短期間でダイキン⼯業様のニーズに沿った新商品の開発が⾏えました。
この図はダイキン⼯業様との取り組みの2つの新商品開発の事例です。
1社で解決するより、お客様とサプライヤーである当社の2社で協業したことに
より、問題解決の選択肢も増え、投下する資源もミニマライズできました。
このことが、私どもが⼀社だけではなく、サプライチェーンでつながっている他
社と⼀緒になって社会ニーズに対応していくことで、さらなる価値提供ができる
と考えた⼀例です。




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次にマーケットのニーズを捉え既存商品の潜在機能を新たに発掘した事例です。
これは⾃動⾞のエアバック⽤に製造しているインフレータに関する技術を活⽤し
た事例です。
このインフレータを実現した技術を「安全、確実、瞬時に、⼀度だけ最適なエネ
ルギーを生み出せるシステム」と捉え直し、
これを「ワンタイムエネルギー」と表現します。
インフレータはこの「ワンタイムエネルギー」を、「クッション」という機能で
商品化した製品でした。
また緊急脱出装置は「タイムコントロール」という機能で商品化した製品といえ
ます。
この「ワンタイムエネルギー」という定義から応⽤できる市場分野を想定する
と、新たに「エマージェンシー」「シャットダウン」という機能拡大や、「デリ
バリー」という機能拡大が想定されます。
実例では「エマージェンシー」「シャットダウン」という機能を活⽤して、電気
⾃動⾞に搭載する電流遮断装置が生まれました。
また「デリバリー」という機能を付加することで、新型コロナワクチンへの投与
デバイス「アクトランザ」の開発を進めております。
これらは従来の市場における機能を意訳することで新しい機能(価値)を創造す
るものです。これが⾃社の系譜に基づいた新事業創造と位置付けているもので
す。
先ほどご紹介したダイキン⼯業様の事例もこの既存製品の機能に着目し、その拡
大(意訳)を図ったことが早期実現につながったといえます。




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次に、打ち手の全体像の中で、
主に「Sustainable Process」を実現するための
取り組みがこちらになります。




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OP-Ⅰ , OP-Ⅱ , OP-Ⅲを通じて、地球や人に優しいプロセスを目指した進化を
実現します。
まずは、⾃社内でアセットライト化、リードタイム短縮の取り組みを進めます。
さらに⾃社グループ内におけるエネルギー・物流・在庫の圧縮を図ります。
しかし、同じグループ内とはいえサプライチェーンでつながっていなければ、そ
れらの最適化は困難です。
なぜなら同じグループ内でもモノの流れがつながってなければ、物流や在庫削減
といった取り組みが成⽴しにくいからです。ましてやエネルギーの最適化はもっ
と困難でしょう。
敢えて申し上げると、⾃社グループの中でモノの流れがつながっていない隣接す
る部門より、モノの流れがつながっている他社の部門の方が⼀緒に物流・在庫削
減・エネルギー最適化が容易かもしれません。
エネルギーオフセット、カーボンオフセットのオフセットとは、発生源と使⽤先
を合わせなければなりません。
授受の組み合わせの可能性を考えればできるだけ広い範囲で最適解を求めるのが
ベストです。

OP-Ⅰ・OP-Ⅱ・OP-Ⅲで実現してきたクロスバリューチェーン(新企業集団)
で持続可能な社会貢献をする⼀つの提案として、バイオマスバリューチェーンの
構築を提案します。
バイオマスバリューチェーンとは、その前段に私たち化学産業が作り上げること
のできる「バイオマスプロダクトツリー」をベースとし、
それらの取り組みが束となって、さらには⼀次産業と⼆次産業を連関、共創、循
環させることで




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永続的な産業生態系を実現する仕組みです。




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私たちが考える「バイオマスプロダクトツリー」の概念図がこちらとなります。
従来の石油化学プロダクトツリーは非常に効率的で多岐にわたる製品を生み出してき
ました。しかし限りある資源やエネルギーの多消費、二酸化炭素の多量排出などの課
題があります。
それに対してこれまでに取り組んできたバイオマスプロダクトツリーでは、天然由来原
料を元にし、生分解性を実現しておりますが、エネルギー消費・コスト・機能面で石油化
学製品にかないません。
そこで私たちは、天然資源である木材の成分を余すことなく使え、さらにはそれをマイ
ルドに溶解するプロセスを確立し、石油化学製品や金属製品に劣らない機能を実現す
る新バイオマスプロダクトツリーの実現を目指しています。
さらには、廃棄物の活用や、CO2からCOへの逆反応を用いた再利用などの技術開発に
目途を付け、カーボンオフセットによる循環型製品サイクルの実現を目指します。




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次にこの考えを昇華させて、「バイオマスバリューチェーン」という概念を提唱
したいと考えております。
まず⼆次産業である素材産業が、⾃社の技術でバイオマスプロダクトツリーを実
現します。
その際のプロセスは木を丸ごと活⽤し、ダイレクトに反応・化合ができるエネル
ギーレスプロセスを目指します。
このプロセスにより森林資源を丸ごと活⽤するだけでなく、古紙や廃棄物などリ
サイクルして活⽤できるようにします。
その技術は林業の歩留まり率を上げるだけではなく、農業・⽔産業の廃棄物活⽤
も実現できれば、第⼀次産業と第⼆次産業の共創循環型プロセスができるはずで
す。
そこで生じた新たな農林⽔産業の付加価値を⾼めることになれば、⼭・森林の再
生費⽤の捻出、農⽔産業の競争⼒強化、ひいては⽇本の⾃然環境の復活に貢献す
ることにならないでしょうか︖
荒廃した森林が復活することで⼭の保⽔⼒が回復し、渇⽔期も⼀定の川の⽔位を
保ち、栄養価のある河川⽔が常態的に海に流れ込むことで、治⽔⼒の向上だけで
なく海の資源再生にもつながるのではないでしょうか︖
私たちはそんな産業系と生態系が循環社会という名の下で共存できる社会を作り
たいと思っています。




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最後に、
主に「Sustainable People」を実現するための
取り組みがこちらになります。




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私たちは、多様性を容認し、その中で⼀人⼀人がやりがいを実現できる環境を整
備していきます。
まずは、共通の共感できるビジョンが必要です。それが⻑期ビジョン・中期戦略
です。
その上でそのやり方は千差万別です。ビジネスの性格や地域性によって変えても
いいのです。
当社はマーケットインの組織に変えたことによって、それぞれのSBUが⾃ら考
え、主体的に動ける大幅な権限移譲された⾃⽴⾃⾛型の組織へ移⾏しました。
⽇本がマザーであり各国の拠点がローカルという⾔い方もやめなければなりませ
ん。
どのような方でも皆がイキイキ働けるDiversity&Inclusion。
専門性を磨き得意領域で輝くCareer。
失敗を恐れず挑戦できるChallenge&Rewards。
これらのキーワードをもとに、社会と直接つながることができる⾃⽴⾃⾛型の組
織と働き方の改革を実⾏し、公平かつ納得性の⾼いシンプルな評価システムを新
たに築きます。




                                        28
29
2025年度の業績ターゲットと、各年度の見通しについては御覧の通り。
兵庫県姫路市の当社網干工場にて建設を進めていたCO(酢酸原料)プラントおよび
1,3BG(化粧品原料)プラントの稼働に伴い、2021~2022年度は減価償却費の増加な
どによって営業利益が低下しますが、EBITDAの推移の通りキャッシュ創出力は徐々に
高まります。




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主な営業利益の増減要因は記載の通りです。
各事業部門で販売数量を伸ばす一方、そのための増産投資による減価償却費などが
増加しますが、アセットライトの方針の下で投資額を極力抑制するとともに、生産性の
向上などコストダウンの徹底により利益を確保していきます。




                                          31
主要な経営指標と株主還元の方針は記載の通りです。




                           32
続きましてバランスシートがこちらとなります。




                         33
続きましてキャッシュフローがこちらとなります。
株主還元は配当性向40%以上とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいりま
す。




                                         34
続きまして資源配分です。
こちらのグラフのように、今後ポートフォリオ分類における「次世代育成」事業、「成長牽
引」事業へ、資源をより多く配分していく方針としております。




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この業績計画におけるポートフォリオの変化となります。
右図のように「次世代育成」事業、「成長牽引」事業のシェアを高めてまいります。




                                         36
続きまして昨年10月に完全子会社化しましたポリプラスチックス社とのシナジー効果に
ついてまとめました。




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今回のポリプラスチックス社を完全子会社化した意義はこちらとなります。




                                     38
シナジー効果です。
EBITDAを用いて算出したシナジーは2025年までに200億円を創出致します。
各種シナジー効果(金額)は上記の通りになります。
グローバル展開の加速には、投資計画にあるようにデボトル・増産投資を実施し、ま
た、欧米市場への拡販を進めます。

また、コストダウンシナジーはダイセル式生産革新の展開を加速し、本社間接部門に
おいても人財ローテーションや一元化を実施することで効率化を図ります。
その他R&Dを含んだグループシナジーも追求します。




                                           39
前頁のシナジー200億円を企業価値に算出しました。

「JV形態でのオーガニック成⻑ベースの企業価値」
= 「EBITDA2025年度目標」 × EV/EBITDA 10倍
≒ 2,500億円

「100%化シナジーによる企業価値」
= 「JV形態でのオーガニック成⻑ベースの企業価値」 + 100%化シナジー ×
EV/EBITDA 10倍
≒ 4,500億円

「追加株式取得時の企業価値(2020年7月20⽇発表ベース)」
= 株式価値:1,685億円 ÷ 45% + 有利⼦負債・非事業資産等
≒ 4,200億円

ポリプラスチックスを核とする事業再編、2026年度以降のシナジー創出に取り
組むことで企業価値向上に努めます。




                                           40
セグメントごとの業績目標、事業戦略は以下のシートに記載の通りです。




                                    41
42
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44
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46
47
48
49
今後の新しいSBU構想をご説明します。
メディカルヘルスケア領域は現時点では事業として集約できていません。新たに
プラットフォームとなる事業を獲得することで、既存の技術や商材を集約し、メ
ディカルヘルスケア事業として大きく伸ばしていきたいと考えております。




                                       50
ここからは各機能別戦略のうち、重点的に取り組むものをご紹介いたします。




                                      51
まずプロダクション戦略です。
現在、国内には7つの工場がありますが、これらの工場の特性を生かしつつ、それぞ
れのSBUとの連携を強化して、大きく2つの軸でプロダクション戦略を進めます。
まず素材提供型の事業との結びつきの強い工場は、生産革新のさらなる進展やデジタ
ル技術の活用によって、世界最高水準の生産性を目指します。
次に価値提供型の事業との結びつきの強い工場においては、顧客ニーズの変化に対
して即応できるフレキシブルな生産を実現します。
これらの取り組みとして、これまでとは大きく異なるダウンサイジングしたプラントや生
産体制を構築等を進めます。




                                           52
デジタルアーキテクチャ構築です。
自社のアーキテクチャの統一を図り、さらにはそれらをグループ内、パートナーへと拡
大していくためのバーチャルカンパニーの実現を図ります。
この実現と合わせて、AIを活用した各種取り組みを加速し、組織の壁を越えて「効率
化」と「即応化/市場創造」を両立できる次世代型のデジタルアーキテクチャを実現しま
す。




                                           53
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