4202 ダイセル 2020-07-20 15:00:00
ポリプラスチックス株式会社の株式追加取得（完全子会社化）に関するお知らせ [pdf]
2020 年７月 20 日
各 位
会社名 株式会社ダイセル
代表者名 代表取締役社長 小河 義美
（コード番号 4202 東証 市場第一部）
問合せ先 事業支援本部
IR 広報グループリーダー
廣川 正彦
TEL (03)6711-8121
ポリプラスチックス株式会社の株式追加取得（完全子会社化）に関するお知らせ
当社は、当社の連結子会社であるポリプラスチックス株式会社（以下、ポリプラスチックス）の発行済
株式のうち Celanese Corporation（以下、セラニーズ）が子会社を通じて保有する全株式を取得する旨の
契約を締結（以下、本取得）し、完全子会社とすることを本日決定いたしましたので、下記のとおりお知
らせいたします。
記
１．背景及び目的
ポリプラスチックスは、1964 年にセラニーズとの合弁で設立されて以来、日本のエンジニアリングプラ
スチックの草分けとして、自動車産業や電機産業、精密機械など、様々なお客様のご要望にお応えし、高
機能製品とテクニカルソリューションを提供することで成長を続けてきました。金属に代わる加工性の高
い新素材として登場したエンジニアリングプラスチックは、人々の暮らしの高度化とともに、その需要が
増加し、ポリプラスチックスも、その専業メーカーとして製品のバリエーションや供給能力を増強しなが
らお客様に最適なソリューションを提供し、日本やアジアでの No.1 はもとより、一部主要製品において
は、世界トップシェアを占めるエンプラメーカーとなっております。
一方当社は、人類初の熱可塑性プラスチックであるセルロイドのメーカー８社の合併によって創立して
以来、セルロース化学、有機合成化学、火薬工学などを駆使し、総合化学メーカーへと発展しており、
100 周年となる今日、新長期ビジョン、中期戦略を策定し、新たなバリューチェーンの構築を目指してお
ります。
その間、セラニーズとは、当該事業のみならず、酢酸、酢酸セルロース、アセテートトウなどよく似た
事業構造を持つ企業として、ポリプラスチックス設立以前からの良好な関係の下、相互に協力して同社の
発展を支えるパートナーシップを継続してまいりました。ただ、激しく変化するビジネス環境の中で、時
には知的財産をめぐる係争が生じたり、ポリプラスチックスのさらなる成長をめぐる意見の相違が生じた
りする場面もありましたが、昨年来、信頼と敬意に基づくトップ同士の対話を通じて、こうした諸課題の
解決を模索し、この度の合意に到達いたしました。
この合意により、当社グループとしてのエンジニアリングプラスチック事業、並びにその周辺領域の事
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業のさらなる成長を目指してまいります。
また、セラニーズとのこれまでのパートナーシップに感謝するとともに、これからも健全な自由競争を
前提に、社会の発展に貢献するために協力できる分野では協力のできる、良好な関係を継続してまいりま
す。
２．ポリプラスチックス完全子会社化の効果
当社の新しい中期戦略においては、「原ダイセル（Operation-1）」として既存事業の構造改革や新事
業の育成強化、アセットライトによる経営効率の向上に取り組むとともに、次の成長への基盤となる「新
ダイセル（Operation-2）」実現に向けた事業再編や既存合弁事業の抜本的な見直しによるさらなる価値
創造力の強化を進めており、本取得はその最も重要な取り組みの一つとなります。
ポリプラスチックスの完全子会社化により、エンジニアリングプラスチック事業を中核として、当社連
結売上高の 4 割を占める（2020 年 3 月期）合成樹脂分野の事業再編を加速し、グループ内にある様々な製
品群のシナジー効果の最大化を追求できるようになります。
また、昨年 10 月に実施した当社のコーポレート改革にポリプラスチックスの改革を一体として進めて
いくことで、共通原料の調達や人財の交流など、間接部門の業務効率、資産効率の最大化を図ります。
さらに、5G や電気自動車、電子材料など、エンジニアリングプラスチックの成長領域は、当社の価値提
供型ビジネスユニットが注力する市場と共通しており、新事業開発におけるシナジー効果も追及してまい
ります。
３．当社グループとしての成長戦略
当社の 100％子会社となることで、ポリプラスチックス独自の成長戦略を新たに策定し、アジア市場に
おける基盤のさらなる強化、欧米市場での事業展開のためのプラットフォームの強化に取り組み、既存製
品群の販売数量の拡大を図ります。
また、当社グループ内でのシナジーだけでなく、当社グループのサプライチェーン、バリューチェーン
をベースとした新たなアライアンスも可能となり、エンジニアリングプラスチックのトップメーカーとし
ての基盤をさらに強化してまいります。
これらの戦略推進を通じて、「新企業集団（Operation-3）」、すなわち垂直・水平両方向のバリュー
チェーンの構築に取り組み、様々なパートナー企業との共創によって、より大きな価値を社会に提供する
とともに、当社グループの継続的な企業価値の向上、成長を目指してまいります。
４．対象会社の概要
（１） 名 称 ポリプラスチックス株式会社
（２） 所 在 地 東京都港区港南二丁目 18 番１号 JR 品川イーストビル
（３） 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 塩飽 俊雄
（４） 事 業 内 容 各種ポリマー及びプラスチック等の製造販売
（５） 資 本 金 30 億円（2020 年３月 31 日時点）
（６） 設 立 年 月 日 1964 年５月４日
株式会社ダイセル 55%
（７） 出 資 比 率
Celanese Sales Netherlands B.V. 45%
当社は、対象会社の株式の 55%を保有しており、連結子会
資 本 関 係
社としています。
当 社 と
（８） 人 的 関 係 当社は、対象会社に取締役２名を派遣しています。
対 象 会 社 の 関 係
当社と対象会社との間で相互に販売及び仕入取引の関係が
取 引 関 係
あります。
（９） 対象会社の最近３年間の連結経営成績及び連結財務状態
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決算期 2018 年３月期 2019 年３月期 2020 年３月期
連 結 純 資 産 50,896 百万円 53,359 百万円 54,690 百万円
連 結 総 資 産 130,774 百万円 136,391 百万円 137,326 百万円
連 結 売 上 高 135,283 百万円 141,649 百万円 135,448 百万円
連 結 営 業 利 益 20,303 百万円 18,552 百万円 18,203 百万円
連 結 経 常 利 益 19,449 百万円 17,529 百万円 17,157 百万円
親 会社株主に帰属する
14,274 百万円 12,820 百万円 12,445 百万円
当 期 純 利 益
５．本取得の相手先の概要
（i）Celanese Corporation
（１） 名 称 Celanese Corporation
（２） 所 在 地 222 W. Las Colinas Blvd., Suite 900N, Irving, TX, USA
（３） 代表者の役職・氏名 Chairman, Chief Executive Officer and President Lori J. Ryerkerk
（４） 事 業 内 容 石油化学製品及び高機能プラスチック製品等の製造販売
（５） 資 本 金 242 百万米ドル（2020 年３月 31 日時点）
（６） 設 立 年 月 日 1912 年 12 月 18 日
（７） 資 本 合 計 2,836 百万米ドル（2020 年３月 31 日時点）
（８） 総 資 産 9,545 百万米ドル（2020 年３月 31 日時点）
The Vanguard Group, Inc. 11.3%
Dodge & Cox 8.8%
BlackRock, Inc. 7.3%
（９） 大株主及び持株比率
Wellington Management Company, LLP 7.1%
Capital International Investors 5.9%
（2020 年２月 18 日時点）
資 本 関 係 当社と相手先との間に資本関係はありません。
人 的 関 係 当社と相手先との間に人的関係はありません。
当 社 と
（10） 取 引 関 係 当社と相手先との間に取引関係はありません。
相 手 先 の 関 係
関連当事者へ
該当する事項はありません。
の 該 当 状 況
（ii）Celanese Sales Netherlands B.V.
（１） 名 称 Celanese Sales Netherlands B.V.
The Atrium Strawinskylaan 3105
（２） 所 在 地
1077 ZX Amsterdam, The Netherlands
Director Scott Richardson
（３） 代表者の役職・氏名
Director Marinus Hullekes
（４） 事 業 内 容 金融持株会社
（５） 資 本 金 146,762,386.00 ユーロ
（６） 設 立 年 月 日 2015 年 2 月 25 日
（７） 資 本 合 計 146,762,386.00 ユーロ
（８） 総 資 産 -
（９） 大株主及び持株比率 Celanese Corporation（間接保有含む） 100.0%
資 本 関 係 当社と相手先との間に資本関係はありません。
人 的 関 係 当社と相手先との間に人的関係はありません。
当 社 と
（10） 取 引 関 係 当社と相手先との間に取引関係はありません。
相 手 先 の 関 係
関連当事者へ
該当する事項はありません。
の 該 当 状 況
６．取得株式数、取得価額および取得前後の所有株式の状況
3,300,000 株
（１） 異動前の所有株式数 （議決権の数：3,300,000 個）
（議決権所有割合：55%）
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2,700,000 株
（２） 取 得 株 式 数
（議決権の数：2,700,000 個）
（３） 取 得 価 格 1,575 百万米ドル（約 1,685 億円）(注１)
6,000,000 株
（４） 異 動 後 の 所 有 株 式 数 （議決権の数：6,000,000 個）
（議決権所有割合：100％）
（注１）為替レートは 107 円/米ドルとして計算しております。
７．本取得の日程
（１） 取 締 役 会 決 議 日 2020 年７月３日（注２）
（２） 契 約 締 結 日 2020 年７月 20 日
（３） 株 式 取 得 日 未定（注３）
（注２）７月３日開催の取締役会において決議した範囲で、本取引及び本取引に関連する契約等の締結に
関する最終的な決定を代表取締役に一任する旨決議しております。
（注３）本取得は、各国競争法当局における競争法上の許可等が得られることを条件としているため、
株式取得の時期は未定であります。
８．今後の見通し
本取得により、ポリプラスチックスの利益のうち、セラニーズに帰属していた非支配持分が当社株主帰
属当期純利益に取り込まれますが、業績への影響につきましては現在精査中であります。2021 年３月期連
結業績について業績予想の修正が必要となった際には、速やかに公表いたします。
以 上
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