4169 M-エネチェンジ 2020-12-23 08:00:00
東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ [pdf]

                                                                             2020 年 12 月 23 日
各   位
                                               会社名             ENECHANGE 株式会社

                                               代表者名            代表取締役 CEO    城口     洋平
                                                               代表取締役 COO    有田     一平

                                                               (コード番号 4169 東証マザーズ)

                                               問合せ先            執行役員 CFO 杉本拓也
                                                                         (TEL 03-6774-6601)



          東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ

 当社は、本日、2020 年 12 月 23 日に東京証券取引所マザーズに上場いたしました。今後とも、なお一層の
ご指導ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
 2020 年 12 月期(2020 年1月1日から 2020 年 12 月 31 日)における当社グループの業績予想は、次のとお
りであり、また最近の決算情報等につきましては別紙のとおりであります。

【連結】                                                                     (単位:百万円、%)

                                                 2020 年 12 月期
                        2020 年 12 月期                                       2019 年 12 月期
              決算期                               第3四半期累計期間
                           (予想)                                               (実績)
                                                     (実績)
    項目
                             対売上       対前期                     対売上                 対売上
                             高比率       増減率                     高比率                 高比率

    売上高             1,666      100.0    31.4      1,252          100.0     1,268        100.0

    営業利益又は営業損失
                       30       1.9       -           82           6.6     △322            -
    (△)

    経常利益又は経常損失
                     △9           -       -           59           4.7     △304            -
    (△)

    親会社株主に帰属する
    当期(四半期)純利益      △31           -       -           37           3.0     △238            -
    又は純損失(△)

    1株当たり当期
    (四半期)純利益又は
                            △6円 04 銭                 7円 02 銭               △45 円 40 銭
    1株当たり当期純損失
    (△)

    1株当たり配当金                0円 00 銭                        -                 0円 00 銭

(注)1.当社は、2020 年9月 17 日付で、普通株式1株につき3株の株式分割を行っておりますが、2020 年
     12 月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期(四半期)純利益又は1株当た
     り当期純損失(△)を算出しております。
2.2019 年 12 月期(実績)及び 2020 年 12 月期第3四半期累計期間(実績)の1株当たり当期(四半
  期)純利益又は1株当たり当期純損失(△)は、期中平均発行済株式数により算出しております。
3.2020 年 12 月期(予想)の1株当たり当期純損失(△)は、公募予定株式数(50,000 株)を含めた
  予定期中平均発行済株式数により算出し、オーバーアロットメントによる売出しに関する第三者割
  当増資分(最大 57,000 株)を考慮しておりません。
【2020 年 12 月期業績予想の前提条件】

1.当社グループの見通し

  当社グループは、「Changing Energy for a Better World ~エネルギーの未来をつくる~」というミッシ
ョンを掲げ、エネルギー革命の軸となる「エネルギーの4D」、すなわち自由化(Deregulation)、デジタ
ル化(Digitalization)、脱炭素化(Decarbonization)、分散化(Decentralization)に資する分野を主な
事業の領域としております。これらの分野において、エネルギー分野特化型の「エネルギーテック」企業グ
ループとして、エネルギーに関するデータの活用促進を通じ、相互シナジーを活かした事業展開を行い、
「エネルギーの4D」におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)を推進することで、「エネ
ルギー分野におけるデータプラットフォーマー」というユニークなポジショニングを目指しております。
  エネルギー業界を取り巻く環境は、現在「エネルギーの4D」と称される構造変革によって産業革命以来
100 年越しに訪れた大きな変革期を迎えております。日本のエネルギー業界は、「自由化」においては 2011
年3月の東日本大震災を契機として発足した「電力システム改革」に代表される制度改革による競争原理の
導入、「デジタル化」においてはスマートメーター(注2)の普及に伴う電力データ活用の更なる進捗、
「脱炭素化」においては今後大量導入が見込まれている再生可能エネルギーの基幹電源化、及びそれに付随
して生じる電力供給における天候要因などの不確実性に対するデータや AI 技術を活用した精緻な予測技術の
進展、「分散化」においては電気自動車や蓄電池などを組み合わせたスマートグリッド(注3)による柔軟
な需給調整の必要性、といった規制緩和・技術の進展等が見込まれ、エネルギーデータの活用を軸として、
「エネルギーの4D」が相互に連動しながら変革が進むことが見込まれます。
  当社グループの TAM(注4)は、「エネルギープラットフォーム事業」では 1,100 億円(電力・ガス市場
規模 22 兆円における売上高広告予算比率 0.5%(注5)を乗じて試算)、「エネルギーデータ事業」では
2,300 億円(電力・ガス市場規模 22 兆円における売上高 IT 予算比率 1.05%(注6)を乗じて試算)と日本
国内合計で 3,400 億円と推計しております。なお、電力・ガス自由化以降の競争環境の整備、スマートメー
ター設置の普及など「エネルギーの4D」の浸透と共に TAM は今後も継続的な拡大基調にあります。「エネ
ルギーの4D」が実現する将来的な日本国内の TAM は、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の普及
によるガソリン業界9兆円(注7)の一部電化など周辺産業の取り込みも含め今後も継続的に拡大するもの
と見込んでおります。
  そのような状況の中、当社グループは、(I)自由化領域において消費者向けに電力・ガス等の最適な選択
をサポートする「エネルギープラットフォーム事業」と、(II)デジタル化領域において電力・ガス会社向
けにクラウド型 DX サービスを提供する「エネルギーデータ事業」を展開しております。
  「エネルギープラットフォーム事業」においては、消費者向けの電力・ガス切替サービスを通じて、「エ
ネルギーを選ぶを常識に」することを目指しており、主に「エネチェンジ」(家庭向け電力・ガス切替プラ
ットフォーム)及び「エネチェンジ Biz」(法人向け電力・ガス切替プラットフォーム)の2サービスを展
開しております。
  「エネルギーデータ事業」においては、電力・ガス会社向けのクラウド型 DX サービスを通じて、「デジタ
ル化でエネルギーをより効率的に」することを目指しており、主に電力・ガス会社向けにクラウド型で提供
するデジタルマーケティング支援 SaaS「EMAP(イーマップ = Energy Marketing Acceleration
Platform)」、電力スマートメーターデータ解析 SaaS「SMAP(スマップ = Smart Meter Analytics
Platform)」、電力データ解析技術を利用した稼働中の再生可能エネルギー発電所分析・運営管理サービス
「JEF(ジェフ)」の3サービスを展開しております。
  このような状況のもと、2020 年 12 月期の当社グループの業績は、売上高 1,666 百万円(前期比 31.4%
増)、営業利益 30 百万円(前期は営業損失△322 百万円)、経常損失△9 百万円(前期は経常損失△304 百
万円)、親会社株主に帰属する当期純損失△31 百万円(前期は△238 百万円)となる見込みであります。
  なお、新型コロナウイルス感染症による業績への影響につきましては、当社が属するエネルギー業界にお
きましては社会全体でのデジタルトランスフォーメーション(DX)への要望の高まりにより、「エネルギー
プラットフォーム事業」におけるオンラインでの切替需要増加、「エネルギーデータ事業」における、電
力・ガス会社からの DX サービスの導入需要増加等、当社グループの業績にとっては好影響になる要素も多く
見受けられます。他方で、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言の発令や、外出自粛等により法人
ユーザーを中心として電力需要が落ち込むなど、当社グループの業績にマイナスの影響も見受けられます。
総じて、新型コロナウイルス感染症が当社グループの経営環境に与える影響は、現時点において限定的なも
のではありますが、今後エンドユーザーの切替意欲の減退による切替数の鈍化や、新電力の競争力低下に伴
うシェアの伸び悩み等の要因により、切替が進行しなかった場合、或いは電力ガス事業者に対する DX サービ
スの導入が順調に進展しなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があ
ります。現在の計画値は新型コロナウイルスの影響を加味したものとなっておりますが、今後修正が必要と
判断した場合には速やかに開示いたします。

(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、
データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革す
るとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立するこ
と。」(「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver.
1.0」経済産業省、2018 年 12 月)を指します。
(注)2.電力スマートメーターとは、次世代型の電力量計です。従来のアナログ式誘導型電力量計と異な
り、電力使用量をデジタルで計測しメーター内に通信機能を持たせることで、自動検針や電力使用量の 30 分
値データ取得等を可能にします。
(注)3.スマートグリッドとは、IT 技術によって、供給側・需要側の双方から電力量をコントロールでき
る送電網のことを指します。「次世代送電網」とも呼ばれます。
(注)4.TAM は、Total Addressable Market の略称。当社グループが現状想定する最大の市場規模を意味
する用語であり、当社グループが本書提出日現在で営む事業に係る客観的な市場規模を示す目的で算出され
たものではなく、推定値も含んでおります。
(注)5.日経広告研究所「有名企業の広告宣伝費 2019 年版」(2019 年 10 月発行)。売上高広告宣伝費率
より、電力 0.3%、ガス 1.0%を市場規模で加重平均して算出しております。
(注)6.一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業 IT 動向調査 2020(19 年度調査)(2020 年
5 月)」におけるエネルギー業界(社会インフラ)の売上高に占める IT 予算比率。
(注)7.帝国データバンク「ガソリンスタンド経営企業の総売上高」(2017 年)。
2.業績予想の前提条件

  当社グループは「エネルギープラットフォーム事業」と「エネルギーデータ事業」の2セグメントによっ
て構成されております。業績予想数値は、2020 年1月から7月までの実績数値を踏まえ、2020 年8月から
12 月までの予想数値を用いて算出しております。

(1)売上高
 当社グループのセグメント別の売上高及びその構成比、並びに前期比の増減率は下表の通りです。
                                       (単位:百万円、%)

                  決算期           2020 年 12 月期           2019 年 12 月期
                                   (予想)                   (実績)
 セグメント
                                    対売上     対前期                対売上
                                    高比率     増減率                高比率

 エネルギープラットフォーム事業             927     55.6      47.8    627            51.7

 エネルギーデータ事業                  739     44.4      26.0    586            48.3

 合計                         1,666   100.0      31.4   1,213       100.0

(注)2019 年 12 月期のエネルギープラットフォーム事業の売上高は、2019 年 7 月に事業譲渡した SIM チェ
ンジ事業の 2019 年1月から7月までの売上高累計値(54 百万円)を控除して算出しております。

 セグメント別売上高の予想数値は、以下の考えに基づいて策定しております。

 ①「エネルギープラットフォーム事業」
 主に当社グループが電力・ガス会社に対して集客から切替契約の申込手続きまでを一気通貫で代行し、そ
の後のユーザーサポートを実施することの対価として、ユーザーの契約切替時以降、切替先の電力・ガス会
社から電力・ガス代に応じた従量課金型の継続報酬が支払われるストック型の収益モデルが基本です。加え
て、契約切替時の一時報酬や、広告掲載費用などのその他報酬があります。エネルギープラットフォーム事
業の売上高は、主に当社プラットフォーム上での契約切替を行ったユーザー数の増加に応じて成長します。
 2020 年 12 月期のエネルギープラットフォーム事業の売上高予想は、当社プラットフォーム上で過去に電
力・ガス契約の切替を行った累計のユーザー数に係る従量課金型の継続報酬を、一定の解約率を加味して算
出し、加えて当社プラットフォーム上で新規に電力・ガス契約の切替を行うユーザー数に、切替一件あたり
の報酬額を乗じて算出し、それらを合算して月ごとの売上高予想を策定しております。解約率の算出に際し
ては、2018 年1月以降の過去実績を基に平均解約率を計算し、これが横ばいに推移することを想定しており
ます。新規に電力・ガス契約の切替を行うユーザー数の算出に際しては、獲得チャネルごとの 2020 年1月か
ら 2020 年7月における前年同月比での増加率を基に、2020 年8月から 2020 年 12 月までの計画値を算出し
ております。なお、一般的に引っ越しの繁忙期とされる2月から3月や、夏季・冬季の電力・ガス需要期に
かけては切替を行うユーザー数が増加する傾向にあります。
 累計契約切替件数は、「エネチェンジ」サイトのユーザビリティ向上を目的とした機能開発や、提携パー
トナーによる集客力強化、電力・ガス事業者との提携強化等の取り組みにより、2020 年7月末時点で一般家
庭向けの「エネチェンジ」において 160,203 件(前年同月比 62.1%増)、法人向けの「エネチェンジ Biz」に
おいて 4,281 件(前年同月比 29.9%増)となっております(注1)。2020 年8月以降は新型コロナウイルス
の影響など外部環境に一部不透明感があるものの、足元の契約切替件数は新型コロナウイルスによる在宅時
間の長期化に伴う一般家庭の電力消費量の増加を背景とした電力切替ニーズの高まりにより順調に増加して
おり、今後も安定的に推移することを見込んでおります。
 ARPU(注2) は、ARR の積み上がり、競争環境の強化による単価の上昇、電気・ガスのセット契約による
単価の上昇、再生可能エネルギー電源由来の電気販売など高付加価値商品の提供等により、2020 年7月末時
点で 2,791 円となっており、今後は ARPU 向上に向けた各種施策(手数料の増額、ガスのセット販売、再生可
能エネルギー関連サービス等)の実施による上昇を見込んでおります。
  以上の結果、「エネルギープラットフォーム事業」の 2020 年 12 月期の売上高は 927 百万円(前期比
47.8%増)を見込んでおります。

(注)1.一般家庭ユーザーの電力容量は平均的に4kW と見られており、法人ユーザーの総獲得容量から割
り戻した換算値は、一般家庭向けの契約切替件数 148,531 件に相当し、当該換算値を合計した累計切替契約
件数は 2020 年7月末時点では 308,735 件となります。
(注)2. ARPU とは Average Revenue Per User の略称であり、エネルギープラットフォーム事業において
は、セグメント売上高を、該当する期間までの累計切替件数(家庭向け累計切替件数と、法人向け累計切替
件数の一般家庭換算値との合計値)で除した上で、それまでの月額平均値を 12 カ月分に年換算した数値とし
ております。

 ②「エネルギーデータ事業」
 当社の独自プロダクトを電力・ガス会社に対して SaaS 型のライセンス課金形式で提供することで得られる
ストック型の収益モデルが基本です。加えて、ユーザー数に連動する従量課金型の収益や、個別の顧客に対
するカスタマイズ開発、コンサルティングサービス等に付随する収益があります。エネルギーデータ事業の
売上高は、主に当社プロダクトを導入する顧客数の増加に応じて成長します。
 2020 年 12 月期のエネルギーデータ事業の売上高予想は、当社のプロダクトを既に導入している既存顧客
である電力・ガス会社からの月額利用料総額及び個別の追加カスタマイズ開発費用やコンサルティングサー
ビス費用等の受注単価を乗じて算出しております。また、従量課金型契約を締結している顧客からの従量課
金収益については、2020 年1月から 2020 年7月までの実績値を基準とした計画値に、予め定められた従量
単価を乗じて算出しております。既存顧客に対してのアップセル及び新規獲得顧客については、2020 年1月
から 2020 年7月までの実績及び顧客へのヒアリング内容を基に 2020 年8月以降の数値を算出しており、こ
れらを合算して月ごとの売上高予想を策定しております。
 なお累計顧客数は、既存顧客の契約継続や新規顧客の獲得により、2020 年 7 月末時点で 30 社(前年同月
比 76.4%増)となっております。
 ARPU(注3)は、2020 年7月末時点で 26 百万円となっており、今後は「電力データ自由化」に伴うエネ
ルギー事業者の枠を超えた対象顧客の拡大や、デマンドレスポンス・電気自動車等の新規サービスの開発に
より、顧客数・ARPU の拡大を見込んでおります。
 以上の結果、「エネルギーデータ事業」の 2020 年 12 月期の売上高は 739 百万円(前期比 26.0%増)を見
込んでおります。

 足元の 2020 年 12 月期第3四半期においては、新規ユーザー数の獲得が順調に進んだこと、既存顧客の契
約継続や新規顧客からの受注獲得により、「エネルギープラットフォーム事業」の売上高は 677 百万円(前
期比 42.6%増(SIM チェンジ事業の売上高累計値を控除したベース))、「エネルギーデータ事業」の売上高
は 574 百万円(前期比 26.03%増)となっており、全社売上高に占める ARR(注4)比率は 52.8%に達してお
ります。

(注)3. エネルギーデータ事業においては、セグメント売上高を、該当する期間までの累計顧客件数(当
社のサービスを導入しており1カ月以上継続した取引実績のある企業の累計値。解約を加味した上で、重複
分は控除。)で除した上で、それまでの月額平均値を 12 カ月分に年換算した数値としております。
(注)4.ARR とは Annual Recurring Revenue の略称であり、当社の営業活動によって毎期、経常的・反復
的に生じるストック型収益を指します。ARR の構成としては、「エネルギープラットフォーム事業」におい
ては提携電力・ガス会社より収受する、家庭・法人ユーザーの契約切替時以降、継続的に発生するストック
型の切替報酬と、当社プラットフォームの基本利用料となります。「エネルギーデータ事業」においては、
月額のソフトウエアライセンス料(保守運用費を含む)となります。

(2)売上原価、売上総利益
 当社グループにおける売上原価の主な内訳は、エネルギープラットフォーム事業における人件費・外注費
及び付随する通信費・地代家賃、エネルギーデータ事業における人件費・外注費及び付随する通信費・地代
家賃、ソフトウェアの償却費となっており、事業の特性上、開発に係る人員を多く擁するエネルギーデータ
事業における計上が主となります。
 人件費及び外注費については、人員計画に基づき、各人員の想定人件費を積み上げて算出しております。
 ソフトウェア償却費については、サービス提供が開始されたソフトウェア資産について合理的な耐用年数
に基づいて算出された償却費を計上して策定しております。
 以上の結果、2020 年 12 月期の売上原価は 370 百万円(前期比 4.9%減%)、連結売上高総利益は 1,296 百万
円(前期比 47.6%増)を見込んでおります。なお売上原価が減少する理由は、開発体制の安定化による業務
委託から正社員への業務移行に伴い人件費及び外注費が低減したこと、及び過年度における大型のソフトウ
エア資産の償却が終了したためであります。

(3)販売費および一般管理費、営業利益
  当社グループにおける販売費及び一般管理費は、人件費、広告宣伝費・販売手数料、地代家賃及び通信費
等によって構成されており、2020 年 12 月期第3四半期における販売費および一般管理費は 874 百万円とな
っております。
  人件費については、主にエンジニア以外の社員(営業・マーケティング・管理等)の給与等及びエンジニ
アのうち案件に関わらない工数に係る給与等で構成されており、事業の拡大による人員の拡充を企図した人
員計画に基づき、各人員の想定人件費を積み上げて算出しております。当該費用は 2019 年 12 月期第3四半
期の 441 百万円から、体制の拡大に伴い 2020 年 12 月期第3四半期においては 517 百万円(前期比 17.2%
増)となっております。今後は採用活動に継続的に注力し、年間では計画予算内での着地を見込んでおりま
す。
  広告宣伝費・販売手数料については、主に Google 及び Yahoo!Japan を主な媒体としたオンラインでの広告
宣伝費用や、新規ユーザーの獲得件数に応じたパートナーへの販売手数料、新規ユーザーへのアマゾンギフ
ト券費用等にて構成されております。オンラインでの広告宣伝費用は、18 カ月間での回収を目安とした広告
投下を継続する前提で算出している他、パートナーへの販売手数料やユーザーへのギフト券費用等は、想定
新規ユーザー数に各費用単価を乗じて算出しております。なお、パートナーへの販売手数料やユーザーへの
アマゾンギフト券費用は、当社が電力・ガス会社より受け取る一時手数料の範囲内に設定しており、獲得数
に応じて売上及び営業利益が共に増加します。当該費用は 2019 年 12 月期第3四半期の 180 百万円から、パ
ートナー経由での新規ユーザーの拡大に伴い 2020 年 12 月期第3四半期においては 270 百万円(前期比
49.6%増)となっております。今後は上記方針に則った広告宣伝費の継続投下とパートナーを通じた新規ユー
ザーの獲得を継続し、年間では計画予算内での着地を見込んでおります。なお、2020 年 12 月期第4四半期
連結会計期間以降、新規ユーザーの増加に伴う取引量増加により、新規ユーザーへのアマゾンギフト券付与
に係る引当金計上を行う予定でおり、本前提は予想数値内に含まれております。
  地代家賃及び通信費等については、主にオフィス賃借費用や水道光熱費、オフィス設備に係る減価償却
費、通信費等にて構成されています。地代家賃等については、契約済みの確定額及び 2020 年 1 月から 2020
年 7 月までの実績を基に算出しております。また減価償却費については、固定資産として計上しているオフ
ィス設備等を合理的な耐用年数に基づき算出された償却費を計上して策定しております。通信費等について
は、2020 年1月から 2020 年7月までの実績を基に算出しております。当該費用は 2019 年第3四半期の 111
百万円から、2020 年 12 月期第3四半期は 111 百万円(前期比 0.6%減)となっております。なお、2020 年第
2四半期において新型コロナウイルス感染症の対応策としてリモートワーク制度を導入したことに伴い本社
オフィス賃貸借契約を一部解約したことから、2020 年度 12 月期第3四半期より当該費用は減少する見込で
おり、本前提は予想数値内に含まれております。
  以上の結果、2020 年 12 月期の販売費及び一般管理費は 1,265 百万円(前期比 5.4%増)、連結営業利益は
30 百万円(前期は連結営業損失 322 百万円)を見込んでおります。

(4)営業外収益・費用、経常利益
 営業外損益の予想値については、業績予想作成時点で個別に見積もることができるものを見込んでおりま
す。
 営業外収益については、ユーザーへ電力・ガス切替の特典として発行するギフトカード等が権利行使され
ずに失効した場合に生じるギフトカード失効益等が主な構成要素となっており、2020 年 12 月期において
は、14 百万円(前期比 22.2%減)の計上を見込んでおります。
 営業外費用については、上場関連費用、持分法適用関連会社の出資に関する投資損失、為替差損、支払利
息等が主な構成要素となっており、2020 年 12 月期においては、53 百万円の計上を見込んでおります。
 以上の結果、2020 年 12 月期の連結経常損失は9百万円(前期は連結経常損失 304 百万円)を見込んでお
ります。
(5)特別利益・損失、親会社株主に帰属する当期純利益
 特別損益の予想値については、業績予想作成時点で個別に見積もることができるものを見込んでおりま
す。
 2020 年 12 月期においては、特別利益については見込んでおりません。特別損失については、新型コロナ
ウイルス感染症の対応策として本社オフィス賃貸借契約の一部解約やオフィス面積縮小に伴う一部固定資産
の処分に伴い、固定資産除却損 11 百万円、賃貸借契約解約損5百万円を 2020 年 12 月期第2四半期に計上し
ております。その他の特別損失の発生は見込んでおりません。また、法人税等は税務上の調整項目を加味し
た課税所得に法定実効税率を乗じて算出しております。
 以上の結果、2020 年 12 月期の親会社株主に帰属する当期純損失は 31 百万円(前期は親会社株主に帰属す
る当期純損失 238 百万円)を見込んでおります。


【業績予想に関するご留意事項】
 本資料に記載されている業績予想等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であ
ると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は様々な要因によって異なる場合がございます。


                                                     以 上
                               ENECHANGE株式会社(4169)   2020年12月期 第3四半期決算短信

○添付資料の目次
 
    1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………………………             2
     (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………………             2
     (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………………             3
     (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 ………………………………………………………………             3
    2.四半期連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………             4
     (1)四半期連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………             4
     (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 ………………………………………………………             6
        四半期連結損益計算書                                                  
         第3四半期連結累計期間 ………………………………………………………………………………………             6
        四半期連結包括利益計算書                                                
         第3四半期連結累計期間 ………………………………………………………………………………………             7
     (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………             8
       (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………………             8
       (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………………             8
       (セグメント情報) …………………………………………………………………………………………………             8
 




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                                         ENECHANGE株式会社(4169)   2020年12月期 第3四半期決算短信

1.当四半期決算に関する定性的情報
    (1)経営成績に関する説明
     当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、年初から2月までは前年より引続き景気が緩やかに回復して
    おりましたが、2月に入り、新型コロナウイルス感染症の影響により、足下では状況が大幅に下押しされておりま
    す。高い水準にあった企業収益及び改善傾向にあった雇用情勢や個人消費は、感染症による影響で、先行きは厳し
    い状況が続くと見込まれます。
     当社グループが属する電力業界を取り巻く環境におきましては、2016年4月の電力の小売全面自由化に伴う小売
    電気事業者の登録事業者数が679事業者(2020年10月1日時点(注)1)となり、電力小売事業への参入事業者数が
    増加しております。また一般家庭向け(低圧)のスイッチング数が1,811万件(2020年9月末時点(注)2)にのぼ
    るなど、国全体としては順調に電力の切り替えが進捗しております。また、新型コロナウイルス感染症の流行によ
    る社会全体でのデジタル・トランスフォーメーション(DX)ニーズの高まりにより、「エネルギープラットフォー
    ム事業」ではオンラインでの切替需要増加、「エネルギーデータ事業」では、電力ガス事業者からのDXサービスの
    導入需要増加など当社業績にとっては好影響になる要素も多い状況です。他方で、新型コロナウイルス感染症によ
    る緊急事態宣言の発令や外出自粛等により法人ユーザーを中心として電力需要が落ち込むなど、当社業績にマイナ
    スの影響もございます。
     このような環境のもと、当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」において展開する「エネチェ
    ンジ」(家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム)及び「エネチェンジBiz」(法人向け電力・ガス切替プラットフ
    ォーム)の2サービスについて、各種小売電気事業者との提携を進めつつ、ユーザビリティの向上を目的とした新
    機能の開発に注力して参りました。
     また、「エネルギーデータ事業」においては、主に電力・ガス会社向けにクラウド型で提供する、デジタルマー
    ケティング支援SaaS「EMAP(イーマップ = Energy Marketing Acceleration Platform)」及び電力スマートメータ
    ーデータ解析SaaS「SMAP(スマップ = Smart Meter Analytics Platform)」、電力データ解析技術を利用した稼働
    中の再生可能エネルギー発電所分析・運営管理サービス「JEF(ジェフ)」の3サービスを展開しております。
    「EMAP」「SMAP」においては、引続き継続的な機能開発と更なる小売電気事業者への営業強化に努めております。
    また、「JEF」においては、新規の取組みとして2019年12月よりサービスの開始を致しました。
     さらに、当社及び株式会社Looopが共同して設立した私募ファンド「Japan Energy Capital 1 L.P」に対して、
    日本企業による海外への脱炭素エネルギー投資促進を通じた持続可能な社会の実現を目指すことを目的として、
    2020年4月に投資を実行いたしました。
     また、新型コロナウイルス感染症の影響で、リモートワークの推進に伴い本社面積を縮小した結果、賃貸借契約
    の解約や固定資産の除却を行ったことにより特別損失として18,675千円を計上しております。
     
        以上の結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループの業績は、売上高1,252,179千円、営業利益82,807千
    円、経常利益59,772千円、親会社株主に帰属する四半期純利益37,936千円となっております。
     セグメントの業績は、次のとおりであります。
     
    ①エネルギープラットフォーム事業
     「エネチェンジ」(家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム)においては、自社及びパートナー企業経由での低
    圧スイッチング数が堅調に推移しました。また「エネチェンジBiz」(法人向け電力・ガス切替プラットフォーム)
    においては、パートナー企業の拡大に伴い、高圧スイッチング数が堅調に伸長しました。その結果、紹介料の獲得
    が安定的に推移し、売上高は677,438千円、セグメント利益は133,841千円となりました。
 
    ②エネルギーデータ事業
     デジタルマーケティング支援SaaS「EMAP」及び電力スマートメーターデータ解析SaaS「SMAP」においては、新規
    顧客の獲得や既存顧客への導入サービス数の増加により売上は堅調に推移致しました。また、再生可能エネルギー
    発電所分析・運営管理サービス「JEF」が2019年12月より本格的に開始いたしました。以上の結果、売上高は
    574,741千円、セグメント利益は201,599千円となりました。
    (注)1(出典):経済産業省 資源エネルギー庁「登録小売電気事業者一覧」
       2(出典):電力広域的運営推進機関「スイッチング支援システムの利用状況について(2020年10月1日
                 時点)」
 




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                                     ENECHANGE株式会社(4169)   2020年12月期 第3四半期決算短信

    (2)財政状態に関する説明
    (資産)
     当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,544,111千円となり、前連結会計年度末に比べ604,846千円増
    加いたしました。これは主に現金及び預金の増加574,787千円、売掛金の増加67,468千円、立替金の減少37,000千
    円によるものです。なお、立替金は四半期連結貸借対照表上、流動資産のその他に含めて表示しております。
     また、当第3四半期連結会計期間末における固定資産は339,987千円となり、前連結会計年度末に比べ205,536千
    円増加いたしました。これは主に、投資有価証券がJapan Energy Capital 1 L.P.への出資により184,996千円増加
    したこと、ソフトウエア資産が自社開発により32,391千円増加した一方、建物及び構築物が減価償却費やオフィス
    縮小に伴う固定資産除却損の発生に伴い8,166千円減少したこと等によるものです。
        この結果、資産合計は、1,884,098千円となり、前連結会計年度末に比べ810,382千円増加いたしました。
     
    (負債)
     当第3四半期連結会計期間末における流動負債は255,209千円となり、前連結会計年度末に比べ19,494千円増加
    いたしました。これは主に、短期借入金が当座貸越契約の一部実行により9,900千円増加したこと、前受金がエネ
    ルギーデータ事業における開発案件の受注等に伴い12,200千円増加した一方、未払金が前連結会計年度末は各種広
    告宣伝等の施策実施に伴い増加していた影響から24,529千円減少したこと等によるものです。
     また、当第3四半期連結会計期間末における固定負債は750,370千円となり、前連結会計年度末に比べ254,979千
    円増加いたしました。これは主に、長期借入金が資金調達の実行により750,000千円増加した一方、転換社債型新
    株予約権付社債が権利行使され495,000千円減少したことによるものです。
        この結果、負債合計は、1,005,579千円となり、前連結会計年度末に比べ274,474千円増加いたしました。
     
    (純資産)
     当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は878,519千円となり、前連結会計年度末に比べ535,908千円増
    加いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の転換による資本金及び資本剰余金のそれぞれ247,500
    千円増加によるものです。
 
    (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
     本日開示いたしました「東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」をご参照くださ
    い。なお、当該業績予想につきましては、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に
    基づいており、当社として、その達成を約束するものではありません。当該予想と実際の業績の間には、経済状況
    の変化や顧客ニーズ及びユーザーの嗜好の変化、他社との競合、法規制の変化等、今後のさまざまな要因によっ
    て、大きく差異が発生する可能性があります。
 




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                           ENECHANGE株式会社(4169)   2020年12月期 第3四半期決算短信

2.四半期連結財務諸表及び主な注記
    (1)四半期連結貸借対照表
 
                                                      (単位:千円)

                           前連結会計年度             当第3四半期連結会計期間
 
                          (2019年12月31日)         (2020年9月30日)
資産の部                                                             
 流動資産                                                            
  現金及び預金                            700,693             1,275,481
  売掛金                               154,279               221,747
  その他                                84,808                47,371
  貸倒引当金                               △516                  △489
  流動資産合計                            939,265             1,544,111
 固定資産                                                            
  有形固定資産                                                         
   建物及び構築物(純額)                       25,995                17,828
   工具、器具及び備品(純額)                     21,976                13,021
   有形固定資産合計                          47,971                30,849
  無形固定資産                                                         
   ソフトウエア                            75,395               107,786
   ソフトウエア仮勘定                         11,083                 5,203
      無形固定資産合計                        86,479             112,990
  投資その他の資産                                                       
   投資有価証券                                 -               184,996
   その他                                    -                11,150
   投資その他の資産合計                             -               196,146
  固定資産合計                             134,450              339,987
 資産合計                              1,073,716            1,884,098
負債の部                                                             
 流動負債                                                            
  買掛金                                 11,109                7,658
  短期借入金                                   -                 9,900
  未払金                                141,235              116,705
  未払法人税等                               7,321                9,862
  前受金                                 11,777               23,978
  その他                                 64,270               87,104
  流動負債合計                             235,714              255,209
 固定負債                                                            
  長期借入金                                   -               750,000
  転換社債型新株予約権付社債                      495,000                   -
  その他                                    390                  370
  固定負債合計                             495,390              750,370
 負債合計                                731,104            1,005,579
 




                        - 4 -
                          ENECHANGE株式会社(4169)   2020年12月期 第3四半期決算短信

                                                     (単位:千円)

                          前連結会計年度             当第3四半期連結会計期間
 
                         (2019年12月31日)         (2020年9月30日)
純資産の部                                                           
  株主資本                                                          
   資本金                              642,755              890,255
   資本剰余金                            642,745              890,245
   利益剰余金                          △956,911             △918,975
   株主資本合計                           328,588              861,524
  その他の包括利益累計額                                                   
   為替換算調整勘定                           △227                 2,744
   その他の包括利益累計額合計                      △227                 2,744
  新株予約権                              14,250               14,250
  純資産合計                             342,611              878,519
負債純資産合計                           1,073,716            1,884,098
 




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                               ENECHANGE株式会社(4169)   2020年12月期 第3四半期決算短信

    (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
    (四半期連結損益計算書)
     (第3四半期連結累計期間)
                                     (単位:千円)

                            当第3四半期連結累計期間
                            (自 2020年1月1日
                             至 2020年9月30日)
売上高                                    1,252,179
売上原価                                     295,079
売上総利益                                    957,099
販売費及び一般管理費                               874,292
営業利益                                      82,807
営業外収益                                           
 受取利息                                          5
 受取手数料                                        38
 ギフトカード失効益                                 8,428
 その他                                       3,751
 営業外収益合計                                  12,223
営業外費用                                           
 支払利息                                      4,024
 為替差損                                      9,269
 株式交付費                                     1,737
 株式公開費用                                    2,000
 持分法による投資損失                               18,226
 営業外費用合計                                  35,258
経常利益                                      59,772
特別損失                                            
 賃貸借契約解約損                                  5,250
 固定資産除却損                                  13,425
 特別損失合計                                   18,675
税金等調整前四半期純利益                              41,096
法人税、住民税及び事業税                               3,160
四半期純利益                                    37,936
親会社株主に帰属する四半期純利益                          37,936
 




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                        ENECHANGE株式会社(4169)   2020年12月期 第3四半期決算短信

    (四半期連結包括利益計算書)
     (第3四半期連結累計期間)
                              (単位:千円)

                     当第3四半期連結累計期間
                     (自 2020年1月1日
                      至 2020年9月30日)
四半期純利益                            37,936
その他の包括利益                                
  為替換算調整勘定                         2,929
  持分法適用会社に対する持分相当額                    42
  その他の包括利益合計                       2,971
四半期包括利益                           40,908
(内訳)                                    
  親会社株主に係る四半期包括利益                 40,908
  非支配株主に係る四半期包括利益                     -
 




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