4100 戸田工 2021-11-29 15:30:00
新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書 [pdf]

                                               2021年11月29日
各   位

                                会社名      戸田工業株式会社
                                代表者名     代表取締役社長 寳來 茂
                                         (コード番号 4100 東証第1部)
                                問合せ先     経営企画室長 友川 淳
                                         (TEL.082-577-0055)




           新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書


 当社は、2022年4月に予定される株式会社東京証券取引所の市場区分の見直しに関して、本
日プライム市場を選択する申請書を提出いたしました。当社は、移行基準日時点(2021年6月30
日)において、当該市場の上場維持基準を充たしていないことから下記のとおり新市場区分の上
場維持基準の適合に向けた計画書(以下、本計画書)を作成いたしましたので、お知らせいたしま
す。

                           記

1. 当社の上場維持基準の適合状況及び計画期間
   当社の移行基準日時点におけるプライム市場の上場維持基準への適合状況は、「流通株式
 数」「流通株式比率」「1日平均売買代金」は適合しておりますが、「流通株式時価総額」は、約
 82 億円であったことから適合していない通知を受けております。
   当社は本計画を確実に進め、「流通株式時価総額」の上場維持基準充足を目指してまいりま
 す。その計画期間は、2022 年3月期(2021 年度)から 2024 年3月期(2023 年度)の3か年を予定
 しております。
   なお、本日現在の当社株価水準では、流通株式時価総額 100 億円を超えており、プライム市
 場における全ての上場維持基準に対して適合していると考えております。

2. 上場維持基準の適合に向けた取組の基本方針、課題及び取組内容
   今後、適合していなかった「流通株式時価総額」の更なる向上を目指す取組みについては本
 計画書に記載のとおりです。また本計画を進めることは、その他の上場維持基準を安定的に充
 たすための企業価値向上に資するものと考えております。

                                                    以   上




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                 2




新市場区分の上場維持基準
の適合に向けた計画書



       2021年11月29日
上場維持基準の適合状況及び計画期間                                       3


当社の上場維持基準の適合状況
「流通株式数」「流通株式比率」「1日平均売買代金」は適合しておりますが、
「流通株式時価総額」は、適合していない通知を受けております。
                          流通株式                  1日平均
              流通株式数                流通株式比率
                (単位)      時価総額         (%)      売買代金
                           (億円)                  (億円)
  当社の状況
(移行基準日時点)
                 ○          82         ○          ○

 上場維持基準        20,000      100         35         0.2

 ※本日現在の当社株価水準では、流通株式時価総額100億円を超えており、プライム市場における
  全ての上場維持基準に対して適合していると考えております。



計画期間
「中期事業計画 Vision2023 (2021年8月公表) 」の対象期間である2021年度(2022年3月期)
から2023年度(2024年3月期)の3か年とし、上場維持基準を安定的に充たすための企
業価値向上に向けた取組みを進めてまいります。
上場維持基準の適合に向けた取組み                              4


上場維持基準の適合に向けた取組の基本方針、課題及び取組内容
当社が上場維持基準を継続的に充たしていくためには、業績向上、体質強化
など企業価値の向上に努めていくことが重要と考えております。
流通株式時価総額の上場維持基準適合に向けた課題は、当社株価水準の向上
であり、事業の拡大、継続的な黒字化、安定配当に取り組んでまいります。
具体的には、「中期事業計画 Vision2023(2021年8月公表)」を確実に進めて
まいります。
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中期事業計画「Vision2023 」
2024年以降のビジョン「Go Beyond 200」
※2021年8月4日公表資料の一部抜粋、加筆をしております。




(ご参考)
   中期事業計画「Vision2023 」、「Go Beyond 200」の資料・配信動画について以下の URL より参照頂けます。
   https://www.todakogyo.co.jp/ir/plan.html
経営理念・経営方針                 Vision2023   Go Beyond 200
                                                       6


 経営理念
私たちグループは、
酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させながら、永遠に生々発展します。
誠実・信頼を基盤とし創造力と製造力を結集させ、
魅力ある独創性に富んだ新素材およびソリューションを通じて、広く社会に貢献します。

 経営方針
・設立100年を超えても発展し続け、
 社会に貢献できる「もの作り企業」としての経営基盤を確立します。
・Only 1技術を磨き、付加価値の高い製品とソリューションを提供し続けます。
・グローバルで必要不可欠な存在となり、グループの企業価値を向上させます。
・従業員と家族の幸福を求め、ステークホルダーから常に信頼される存在となります。


     素材のチカラを未来のタカラに
ESGの取組み                            Vision2023      Go Beyond 200
                                                                   7


  主な社会課題             これまでの取組み                   これからの取組み

⚫ 温室効果ガスの削減         • 環境配慮型の製品開発         • CO2吸着剤の開発
                E
                    • 完全燃焼促進触媒           • CO2フリー水素製造技術
⚫ クリーンエネルギー創出       • 製造時のCO2固定化         • 浄水用吸着剤
                環
                境   • クリーン電力の使用          • カーボンニュートラルへの挑戦
⚫ 生活環境に密着した開発


⚫ 働き方改革
                    • テレワーク環境整備          • 次世代育成行動の加速
                S   • 子育て、介護支援           • 女性活躍推進
⚫ ダイバシティー推進
                社   • 障がい者の活躍支援          • シニア活躍に向けた取組み
                会                        • デジタル人財育成
⚫ 少子化・高齢化


⚫ 男女共同参画社会
                G   • 指名報酬諮問委員会の設置      • 取締役会の透明性、独立性強化
                    • 品質保証部の独立性強化       • 品質管理の強化
⚫ 公正で透明性の高い経営
                統
                治   • 議決権行使の電子化         • グループガバナンスの強化
戸田工業グループの事業                              Vision2023       Go Beyond 200
                                                                          8


各事業領域
       電     子     素    材                 機     能     性    顔     料
     磁石材料                                顔料
     ・家電、自動車等向けモーター、センサー                 ・自動車コーティング
                                         ・路面、建材、化粧品
     誘電体材料
                                         ・複写機/プリンター
     ・スマホ、EV等向け電子部品用MLCC(※)

     軟磁性材料                               環境関連材料
     ・電子部品用インダクター、ノイズ抑制部材                ・CO2フリー水素/CNT(※)製造設備
                                         ・浄水処理システム
     LIB正極材料
    ・EV/HEV向けリチウムイオン電池



5つの事業フィールド
     自動車          環境        家電・通信機器             塗料        複写機/プリンター


(※) MLCC:積層セラミックコンデンサー、 CNT:カーボンナノチューブ
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2021-2023年度
中期事業計画
          -Vision2023-
              2023年、創業200周年
中期事業計画            連結業績数値目標                                      10


                            Vision2023                 単位:億円

              2020年度(実績)     2021年度        2022年度      2023年度


売上高                 262           310           345       365


営業利益                 0.1            17           19        23


(営業利益率)           0.04%          5.5%           5.5%     6.3%

                           (Vision2023前提条件:為替105円/ドル)



(※)売上高は収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用
中期事業計画            セグメント別売上高目標                              11



                                                 単位:億円

              2020年度(実績)         Vision2023      2023年度


電子素材                 148        + 82    (+55%)       230

機能性顔料                114         + 21   (+18%)       135

       合計            262       + 103    (+39%)       365




(※)売上高は収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用
中期事業計画            連結売上高                                         12


戸田工業グループ                            Vision2023
5つの事業フィールド                                               365億円
                                                 345億円
   環境                               310億円
                         262億円
   複写機/プリンター

   塗料


   家電・通信機器

   自動車
                          2020       2021        2022    2023   (年度)


(※)売上高は収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用
                                               13




               主要事業の概要


 当社は、時代のニーズ、社会の変化に対応すべく「乾式技術」に始まり、
 「湿式技術」、「表面処理技術」、「複合・加工技術」を各種製品に展開
 してまいりました。
 14、15ページで、当社保有技術をご紹介し、現在、また今後の事業の取組
 みの背景をご説明いたします。
            ※枠内の記載は2021年8月4日公表資料に加筆をしております。




様式:180201                       Confidential
当社グループの技術                                                        14


  創業以来培った製造技術

       粒子設計 組成制御      形状制御   焼結抑制            焼成や粉砕など1823年の創業時の顔料製造
乾式合成                                         から用いている技術です。粉体を取り扱う
技術     雰囲気焼成   酸化還元   粉砕                     上での基本的な技術、時代の変遷にあわせ
                                             現在でも磨いています。

       粒子設計 組成制御      形状制御   反応晶析
                                             液体の中で粉体を合成する技術です。湿式
湿式合成                                         技術への展開によって、酸化鉄の粒子を制
技術      純化     水熱合成
                                             御する技術が得られ、その後、多くの酸化
                                             鉄製品を生み出しています。


       機能性     分散性    親和性    耐候性
                                             粒子の表面を有機無機材料で改質する技
表面処理                                         術です。表面処理をすることにより、製
技術     耐熱性     絶縁性
                                             造時の焼結防止やバインダーとの親和性
                                             を向上させることができます。


        重合      造粒    分散     塗料化    ハイブリッド
                                             加工度を上げる技術を取り込むことに
複合化・                                         よって、当社の素材が使われる最終製品
加工技術    混練
                射出・
                      分級
                             シート化・
                                   薄膜焼成
                                             により近い形の製品として供給すること
               押出成形           積層             が可能となりました。


※本ページは2021年8月4日公表資料に新たに追加をしております。
当社グループの技術                                              15


 微粒子合成の基本コンセプト
    TSSDSコントロール技術       湿式合成技術により酸化鉄の「組成(Type)」
                        「形状(Shape)」「寸法(Size)」「粒度分布
                        (Distribution)」、「表面性(Surface)」を制御
                        することが可能となりました。

                        ビデオテープなどに用いられた磁気記録材
                        料や複写機・プリンター向けトナー用磁性
                        体などが開発・製造できるようになり、そ
                        の後の当社の事業成長につながりました。



                       創業以来培ってきた様々な技術を組合せ、
                       ・高付加価値製品の拡充
                       ・新たな市場の獲得
                       ・幅広い顧客層のニーズへの対応
                       に取り組んでまいりました。
                       今後も微粒子合成技術を深化させ事業拡大、
                       新たな事業展開を進めてまいります。



※本ページは2021年8月4日公表資料に新たに追加をしております。
磁石材料事業                                       Vision2023     Go Beyond 200
                                                                            16

売上高目標                            事業環境

                     100億円        ボンド磁石市場のサプライチェーン(例)
                                               樹脂                       最終
                                  原料    粉体     複合
                                                      成形   部材    部品     製品



                                  酸化鉄   磁性粉 コンパウンド 磁石
                                             ペレット          ローター モーター 自動車



                                   電動化進展によりモーター、センサー需要増加
                                   自動車市場に適した製品群の拡充、強化が必要
2020   2021   2022   2023 (年度)


事業戦略
              市場ニーズ                                  取組み
                                   【素材の開発】
■ 自動車用途に適した耐熱性の確保                  ・ネオジム鉄ボロン磁性粉の改良
                                   ・樹脂複合化技術のさらなる研鑽
                                   【事業領域の拡大・開発速度の向上】
■ 安定供給とサプライチェーンの強化                 ・成形事業会社(江門協立)の子会社化による、
                                    素材から部品までの一貫生産体制の構築
誘電体材料事業                                     Vision2023          Go Beyond 200
                                                                                17


事業計画(売上高)                         事業環境

                                   誘電体市場のサプライチェーン(例)
                      17億円
                                                                           最終
                                   原料      粉体   分散体       部材        部品     製品




                                   チタン溶液   チタン酸バリウム      MLCC     電子部品     スマホ


 2020   2021   2022   2023 (年度)         電動化・ICT進展により電子部品の需要増加
                                        市場に適した製品群の拡充、強化が必要

事業戦略

                  市場ニーズ                                  取組み
                                            【素材の開発】
■   MLCCの小型化に対応したさらなる微粒子化
                                            200ナノサイズ以下の誘電体


■
    製造プロセスの簡略化によるコスト削減、                     【加工度向上】
    GHG排出低減                                 分散体での提供
                                            18




                       2024年度以降
 さらにその先へ
          -Go Beyond 200-
当社のような素材メーカーは、開発期間が長いものも多くありますので、
中期事業計画「Vision2023」のさらにその先、2024年度以降のビジョンと
して「Go Beyond200」の策定を進めており、2024年度以降の成長事業とし
ては電子素材事業の軟磁性材料、機能性顔料事業の環境関連材料の事業化
を計画しております。Vision2023の中では開発テーマとして取組みを進めて
おり、今回併せてご説明いたします。
        ※枠内の記載は2021年8月4日公表資料に加筆をしております。
軟磁性材料事業                                       Vision2023     Go Beyond 200
                                                                             19

事業環境                                          製品展開
 ノイズ対策材料市場のサプライチェーン(例)
              樹脂         厚膜             最終
  原料    粉体         薄膜            部品
              複合         大判             製品


                                各種ノイズ
                                対策部品
  酸化鉄   磁性粉 コンパウンド シート   プレート           自動車
                                               テープ             接着剤


   電動化進展により電子制御化が加速
   電子部品の増加に伴いノイズ問題拡大


                                               成形              シート
事業戦略
             市場ニーズ                                     取組み
                                         【開発】
■ 様々な周波数帯におけるノイズ対策
                                         ・低周波帯磁気シールド用材料
                                         ・ミリ波帯電波吸収体用材料
                                         ・車載ケーブル用ノイズ対策部材


■ EV非接触給電
                                         【開発】
                                         ・厚膜大判フレキシブルフェライトプレート
環境関連材料                        Vision2023     Go Beyond 200
                                                             20

事業環境                      事業方針



                          環境経営5本柱
                          (1)生物多様性への取組み
    カーボンニュートラル達成          (2)温室効果ガスの削減(2021年目標改訂)
                          (3)環境調和型商品、技術の提供
                          (4)循環型社会形成への取組み
    安全な水の提供               (5)産業廃棄物の有効活用


事業戦略
       市場・社会的ニーズ                       取組み
                          【事業化の加速】
■ カーボンニュートラルの実現           CO2フリーの高濃度水素、
                          およびカーボンナノチューブ製造の事業化に向けた開発

                          【技術の開発】
■ リチウムイオン電池市場急拡大による資源課題
                          ・リチウムイオン電池の再資源化開発


                          【素材の開発】
■ 安全な水の提供(SDGs達成への貢献)
                          ・機能性吸着材料の開発、事業化
                                                                 21




本資料のうち、業績見通し等に記載されている各数値は、現在入手可能な情報による判断および仮定に基き算定しており、
判断や仮定に内在する不確定性および今後の事業運営や内外の状況変化等による変動可能性に照らし、実際の業績等が
見通しの数値と大きく異なる結果となりうる事を、ご承知おきください。
また収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用した2020年度の売上高、セグメント別売上高
は任意で公表しているものであり、監査を受けておりませんので、参考値とご承知おきください。