4088 エア・ウォーター 2021-02-10 16:00:00
2021年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]
2021年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
2021年2月10日
上 場 会 社 名 エア・ウォーター株式会社 上場取引所 東・札
コ ー ド 番 号 4088 URL http://www.awi.co.jp/
代 表 者 (役職名) 代表取締役会長 (氏名) 豊田 喜久夫
問合せ先責任者 (役職名) 広報・IR部長 (氏名) 井上 喜久栄 (TEL) (06)6252-3966
四半期報告書提出予定日 2021年2月10日 配当支払開始予定日 ―
四半期決算補足説明資料作成の有無 :有
四半期決算説明会開催の有無 : 有 ( 機関投資家、証券アナリスト向け )
(百万円未満切捨て)
1.2021年3月期第3四半期の連結業績(2020年4月1日~2020年12月31日)
(1)連結経営成績(累計) (%表示は、対前年同四半期増減率)
親会社の所有者
四半期包括利益
売上収益 営業利益 税引前利益 四半期利益 に帰属する
合計額
四半期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期第3四半期 586,418 △1.0 36,259 △6.6 35,240 △8.3 23,204 △12.7 21,217 △9.0 27,814 △10.0
2020年3月期第3四半期 592,077 10.1 38,821 23.4 38,442 22.8 26,582 21.7 23,322 10.9 30,906 73.9
基本的1株当たり 希薄化後1株当たり
四半期利益 四半期利益
円 銭 円 銭
2021年3月期第3四半期 93.54 93.43
2020年3月期第3四半期 116.95 116.75
(2)連結財政状態
親会社の所有者に 親会社所有者
資産合計 資本合計
帰属する持分 帰属持分比率
百万円 百万円 百万円 %
2021年3月期第3四半期 927,048 360,898 339,406 36.6
2020年3月期 899,699 351,815 331,992 36.9
2.配当の状況
年間配当金
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭
2020年3月期 - 20.00 - 24.00 44.00
2021年3月期 - 22.00 -
2021年3月期(予想) 22.00 44.00
(注)直近に公表されている配当予想からの修正の有無 :無
3.2021年3月期の連結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)
(%表示は、対前期増減率)
親会社の所有者に基本的1株当たり
売上収益 営業利益 税引前利益
帰属する当期利益 当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
通期 820,000 1.3 50,000 △1.2 48,500 △2.7 29,000 △4.7 128.13
(注)直近に公表されている業績予想からの修正の有無 :無
※ 注記事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動 :無
(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)
新規 -社 (社名) 、 除外 ―社 (社名)
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
① IFRSにより要求される会計方針の変更 :無
② ①以外の会計方針の変更 :無
③ 会計上の見積りの変更 :無
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2021年3月期3Q 229,755,057株 2020年3月期 229,755,057株
② 期末自己株式数 2021年3月期3Q 5,288,124株 2020年3月期 2,362,804株
③ 期中平均株式数(四半期累計) 2021年3月期3Q 226,831,117株 2020年3月期3Q 199,429,076株
※ 四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
・本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理
的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありま
せん。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる
条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料7ページ「1.当四半期決算
に関する定性的情報(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
○添付資料の目次
1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………2
(1)経営成績に関する説明 ………………………………………………………………2
(2)財政状態に関する説明 ………………………………………………………………7
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 …………………………………7
2.要約四半期連結財務諸表及び主な注記 ………………………………………………8
(1)要約四半期連結財政状態計算書 ……………………………………………………8
(2)要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書 ………………10
(3)要約四半期連結持分変動計算書 ……………………………………………………12
(4)要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………14
(5)要約四半期連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………15
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
①当期の経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス(以下、「新型コロナ」
という。)の感染拡大により企業活動や個人消費が大きく落ち込みましたが、5月の緊急事態宣言
の解除後は段階的な経済活動の再開により、景気は持ち直しの動きが続きました。しかしながら、
12月以降の感染再拡大に伴う景気への影響が懸念されるなど、先行き不透明な経営環境が続いてお
ります。
このような経営環境の中、当社グループは、感染拡大防止策を徹底したうえで、産業や暮らしの
ライフラインとして、産業ガスや医療用ガスをはじめとした諸製品の安定供給体制を継続しまし
た。また、コロナショックを契機に、テレワークや高速通信規格「5G」が進展したことでエレク
トロニクス分野の需要が拡大するとともに、感染対策分野など新型コロナにより生まれたニーズが
定着しつつあります。このような「新常態(ニューノーマル)」における変化に対応すべく、エレ
クトロニクス関連向けのガス・機器・材料や医療現場をサポートする感染管理製品など、当社グル
ープが展開する多様な事業・製品を活かし、積極的に市場開拓を進めました。さらに、全社を挙げ
てデジタル化を基軸とした働き方改革を推進し、業務運営の効率化とコスト低減に取り組みまし
た。
また、これからの10年を見据えた経営改革として、新たにグループ全体の技術戦略プラットフォ
ームとしての機能を担う「技術戦略センター」を設置し、研究開発体制の改革を進めるとともに、
国内における収益力の向上と持続的な成長を牽引する強力な事業基盤を構築するため、地域事業会
社8社を統合し、新生3社とする経営組織改革を実施しました。
当社グループの業績といたしましては、第2四半期までは産業ガス関連、医療関連およびその他
の事業における海外エンジニアリング分野を中心に新型コロナによる影響を受けましたが、第3四
半期にはほぼすべての事業領域において事業環境の回復傾向が鮮明になるとともに、働き方改革な
どの進展による費用低減効果も寄与し、全社業績においては前年同期並みの水準まで回復いたしま
した。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上収益は5,864億1千8百万円
(前年同期比99.0%)、営業利益は362億5千9百万円(同93.4%)、親会社の所有者に帰属する
四半期利益は、212億1千7百万円(同91.0%)となりました。
なお、当社グループでは、引き続き、産業ガスをはじめ、医療・衛生、エネルギー、農業・食品、
物流といった、人々の命や暮らしを支える様々な事業領域を有するコングロマリット経営の強み
と、地域に密着した事業基盤を活かしながら、ウィズ・コロナ社会における新たな課題解決に取り
組み、さらなる企業成長を図ってまいります。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
②当期の連結セグメント別業績
第2四半期連結会計期間より、新規事業領域の研究開発費につきましては、従来、各報告セグメ
ントに計上しておりましたが、各セグメントの業績をより適切に評価するために経営管理手法を見
直し、セグメント利益の調整額に本社部門に係る費用の一部として計上する方法に変更いたしまし
た。
なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の測定方法により作成し
たものを記載しております。
(単位:百万円)
売上収益 セグメント利益
当期 前期比 当期 前期比
産業ガス関連事業 134,064 97.1% 13,689 97.0%
ケミカル関連事業 24,088 128.6% 1,604 66.4%
医療関連事業 133,313 98.4% 5,844 98.8%
エネルギー関連事業 34,712 99.0% 2,552 121.7%
農業・食品関連事業 102,945 96.0% 3,888 108.5%
物流関連事業 40,260 105.8% 2,225 119.2%
海水関連事業 28,077 97.5% 1,617 77.0%
その他の事業 88,956 98.0% 3,322 66.5%
(調整額) - -% 1,515 87.7%
合計 586,418 99.0% 36,259 93.4%
(注)セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当社本社部門の損
益に係るものであります。
<産業ガス関連事業>
産業ガス関連事業
当セグメントの売上収益は1,340億6千4百万円(前年同期比97.1%)、営業利益は136億8千9
百万円(同97.0%)となりました。
セグメント全体としては、上半期を中心に国内製造業における産業ガス需要の減少による影響を
受けたものの、インドでの産業ガス事業が好調に推移したことに加え、エレクトロニクス向けのオ
ンサイトガス供給・機器が堅調に推移しました。
ガス事業 では、国内の鉄鋼向けオンサイトガス供給は、主要顧客の高炉停止などの影響を受け、
販売数量が減少し、厳しい状況が続きました。エレクトロニクス向けガス供給は、データセンター
や5G関連の需要拡大による国内半導体メーカーの増設・増産を背景に、堅調に推移しました。ロ
ーリー・シリンダーによるガス供給は、春先の国内製造業における生産調整により需要が急減しま
したが、第2四半期以降は自動車産業の回復に連動する形でガス需要も持ち直しの動きが見られ、
第3四半期には、ほぼ前年同期並みの水準まで回復しました。
機器・工事事業 は、半導体製造装置向け高精度加熱冷却部品やエレクトロニクス向け特殊材料供
給装置などの販売が拡大し、堅調に推移しました。
海外事業 は、主力のインド事業において、鉄鋼向けオンサイトガス供給が旺盛な粗鋼生産に連動
し高稼働を継続したほか、第2四半期以降はローリー・シリンダーによるガス供給においても建設
や自動車向けなどの需要が高い水準で継続したことから、順調に推移しました。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<ケミカル関連事業>
ケミカル関連事業
当セグメントの売上収益は240億8千8百万円(前年同期比128.6%)、営業利益は16億4百万円
(同66.4%)となりました。なお、営業利益の前年同期比は、主に大東化学㈱のM&Aに伴う負の
のれん発生益を前年同期に計上したことによるものです。
セグメント全体としては、電子材料の販売が増加するとともに、生産体制の構造改革による収益
改善が進展、さらに新規連結効果も寄与しました。
機能化学品事業
機能化学品事業は、ポリイミド樹脂原料をはじめとする電子材料の拡販が進展しました。また、
データセンターにおけるハードディスクドライブの需要拡大を背景に精密研磨パッドの販売が堅調
だった㈱FILWEL、および酢酸ナトリウムの国内トップメーカーであり、電子材料向け有機合成事業
が拡大した大東化学㈱の新規連結効果が大きく寄与しました。また、中国工場の閉鎖をはじめとし
て事業全体を対象に生産体制の再構築を進めたことで、収益性の改善が進展しました。
川崎化成工業㈱
川崎化成工業㈱は、無水フタル酸の市況下落と販売減少により売上面において影響を受けました
が、ナフトキノンの販売回復により、前年同期並みとなりました。
<医療関連事業>
医療関連事業
当セグメントの売上収益は1,333億1千3百万円(前年同期比98.4%)、営業利益は58億4千4百
万円(同98.8%)となりました。
セグメント全体としては、新型コロナによる影響があったものの、感染管理製品の需要拡大を背
景に、衛生材料事業およびその他の事業におけるデンタル分野が好調に推移しました。
設備事業
設備事業は、簡易陰圧装置の販売が拡大したものの、上半期を中心に病院での新型コロナ対応に
よって手術室など病院設備工事および保守点検の延期などが発生した影響を受け、厳しい状況とな
りました。
医療ガス事業
医療ガス事業は、第2四半期以降は回復傾向にあるものの、第1四半期における病院での受診控
えや手術件数の減少による影響が残り、販売数量は減少しました。医療サービス事業
医療サービス事業
医療サービス事業においても、
同様の理由によりSPD(院内物品物流管理)の取扱量が減少しました。
在宅医療事業
在宅医療事業は、院内感染回避のため在宅医療を選択する新規患者数が増加し、堅調に推移しま
した。
医療機器事業
医療機器事業は、紫外線照射殺菌装置など感染管理製品の販売が増加し、好調に推移しました。
衛生材料事業
衛生材料事業は、感染管理製品の需要の高まりを背景に、医療機関、大手量販店やドラッグスト
アなど幅広い顧客向けに、マスクや手指消毒剤などの販売が拡大したほか、生産体制の増強を図り
安定供給に努めたことで、好調に推移しました。
その他の事業 では、持分法適用会社である㈱歯愛メディカルにおいて歯科医院向け通信販売を中
心に、感染管理製品の販売が増加したことにより、デンタル分野が好調に推移しました。一方、シ
ンガポールの病院設備工事は、政府主導による感染拡大防止のための経済活動制限による影響を受
けました。
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<エネルギー関連事業>
エネルギー関連事業
当セグメントの売上収益は347億1千2百万円(前年同期比99.0%)、営業利益は25億5千2百万
円(同121.7%)となりました。
セグメント全体としては、一般家庭向けLPガスの巣ごもり需要と商権買収の進展により、利益
面では好調に推移しました。
LPガス事業
ガス事業は、売上面では、飲食店やホテルなどの業務用や工業用の需要が低迷したことで総
販売量が減少したことに加え、第2四半期まで輸入価格に連動して販売単価が下落した影響を受け
ました。一方、利益面では、在宅率の上昇を背景に一般家庭での消費量が増加したことに加え、販
売店の商権買収により直売比率が高まり、順調に推移しました。機器・工事は、展示即売会などの
イベントが中止になったことで、機器販売が減少しました。また、前連結会計年度においてM&A
によって取得したベトナムでの卸売事業の新規連結効果がありました。
天然ガス関連事業は、炭素排出にかかる環境意識の高まりを背景に、LNG輸送・供給機器の販
天
売が堅調に推移しました。
<農業・食品関連事業>
農業・食品関連事業
当セグメントの売上収益は1,029億4千5百万円(前年同期比96.0%)、営業利益は38億8千8百
万円(同108.5%)となりました。
セグメント全体としては、新型コロナによる需要が減少した影響を受けたものの、青果小売分
野、スイーツ分野を中心に収益改善が進展し、堅調に推移しました。
農産・加工品事業
農産・加工品事業は、外出を控えるライフスタイルの変化に対応し、テイクアウトや宅配向け商
品の開発に加え、家庭用の調理品や冷凍野菜の販売に注力しました。ハム・デリカ分野は、第3四
半期以降、生ハムの販売が堅調に推移しましたが、上半期を中心に業務用の需要が減少した影響に
より、厳しい状況で推移しました。農産・加工分野は、外食産業の低迷により第2四半期までは業
務用加工野菜の需要が低迷しましたが、第3四半期は豊作により野菜の取扱量が増加したことに加
え、生産合理化が進展し、前年同期を上回りました。スイーツ分野は、巣ごもり需要を取り込んだ
ことに加え、生産面の収益改善が進展し、好調に推移しました。
飲料事業 は、外出自粛の影響により茶系飲料などの受託生産量が大幅に減少した影響を受けまし
たが、北海道の生産工場において最新鋭のPETボトル充填ラインの稼働を開始したこと、また、
健康意識の高まりによる野菜系飲料の安定した受注があったことで収益改善が進展しました。
その他の事業 は、農業機械分野は底堅い需要を背景に堅調に推移しました。青果小売分野は店舗
の時短営業や休業による影響を受けましたが、店舗運営の収益改善を進めた結果、利益面では前年
同期を上回りました。
<物流関連事業>
物流関連事業
当セグメントの売上収益は402億6千万円(前年同期比105.8%)、営業利益は22億2千5百万円
(同119.2%)となりました。
セグメント全体としては、食品物流における荷扱量の増加や新規連結効果に加え、低温物流セン
ターの稼働率が向上し、順調に推移しました。
運送事業
運送事業は、建材関連を中心に全体の荷扱量が減少しましたが、新設した集中配車センターによ
る配送の効率化や軽油価格の低下によるコスト改善が寄与し、その影響を補いました。また、M&
Aによって取得した西日本地区を中心に運送・倉庫業を展開する㈱桂通商の新規連結効果がありま
した。
食品物流を中心とする3PL事業
3 事業は、スーパーマーケット向けの荷扱量が増加したことに加え、
低温物流センターの稼働率が向上し、順調に推移しました。
トラック・ボディの設計・架装を行う車体事業
車体事業
車体事業は、製作台数は減少したものの、収益性の高い案
件を受注したことにより、堅調に推移しました。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
<海水関連事業>
海水関連事業
当セグメントの売上収益は280億7千7百万円(前年同期比97.5%)、営業利益は16億1千7百万
円(同77.0%)となりました。
セグメント全体としては、塩事業における都市インフラ分野およびヒーター用電融マグネシアが
堅調に推移したものの、生産設備の大型定期修繕を実施した影響を受けました。
塩事業
塩事業は、都市インフラ分野において地方自治体向けの水処理設備や下水管更生の受注が増加
し、売上面では堅調に推移しました。しかしながら、外食・食品加工向けの業務用塩の需要が減少
したことに加え、讃岐工場および持分法適用会社であるサミット小名浜エスパワー㈱の小名浜発電
所において大型の定期修繕を実施した影響により、利益面では前年同期を下回りました。なお、建
設を進めていた赤穂第2バイオマス発電所は、2021年1月2日に営業運転を開始し、順調に稼働し
ています。
マグネシア事業
マグネシア事業は、粗鋼生産の減少と中国産原料の価格低下により、耐火物用途の窯業用マグネ
シアの売上が減少したほか、方向性電磁鋼板用マグネシアの販売も前年同期を下回る結果となりま
した。一方、原料価格が低下したことにより、ヒーター用電融マグネシアの収益改善が進展し、利
益面では堅調に推移しました。
<その他の事業>
その他の事業
当セグメントの売上収益は889億5千6百万円(前年同期比98.0%)、営業利益は33億2千2百万
円(同66.5%)となりました。
セグメント全体としては、アルコール除菌剤の増産によりエアゾール事業が堅調に推移したもの
の、海外エンジニアリング事業が新型コロナの影響を受けたほか、電力事業において稼働後初の定
期点検を実施した影響を受けました。
エアゾール事業
エアゾール事業は、インバウンド需要の消失と外出自粛が続いたことで化粧品の受託が減少した
一方、在宅率の上昇から殺虫剤や模型用塗料の販売が増加しました。さらに需要の高まったアルコ
ール除菌剤の増産に対応したことで、順調に推移しました。
情報電子材料事業
情報電子材料事業は、半導体向け材料の販売が堅調に推移するとともに、第3四半期より自動車
生産が持ち直したことで上半期まで苦戦していた車載部材の販売が回復し、前年同期を上回りまし
た。
海外エンジニアリング事業は、産業ガス関連機器分野では、主要市場である米国において顧客の
海外エンジニアリング事業
投資抑制が継続しているものの、ステーション用途の液化水素タンクや水処理用途の炭酸ガス関連
機器などの販売が堅調に推移しました。一方、高出力UPS(無停電電源装置)分野は、主にシン
ガポールにおいて、経済活動の規制強化を背景に、建設中のデータセンターの工事が遅延した影響
により、前年同期を下回りました。
その他の事業
その他の事業では、電力事業において木質バイオマス・石炭混焼発電所(山口県防府市)の安定
操業が継続しましたが、稼働後初となる定期点検に伴う稼働停止があったため、利益面では前年同
期を下回りました。Oリング事業は半導体製造装置向けの製品販売が順調に継続しました。また、
北九州で建設・土木工事を行う㈱松尾ホールディングスは、第3四半期に入り回復傾向にあるもの
の、新型コロナによる工事遅延と案件減少による影響を受けました。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、有形固定資産の増加などにより前連結会計年度末に比
べて273億4千8百万円増加し、9,270億4千8百万円となりました。負債は、社債及び借入金の増
加などにより前連結会計年度末に比べて182億6千5百万円増加し、5,661億4千9百万円となりま
した。資本は、その他の資本の構成要素の増加及び親会社の所有者に帰属する四半期利益の積み上
げなどにより前連結会計年度末に比べて90億8千3百万円増加し、3,608億9千8百万円となりま
した。
なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,460.00円から1,512.06円に増加し、
親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の36.9%から36.6%となりました。
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益及び減価
償却費などから法人所得税の支払などを差し引いた結果、前第3四半期連結累計期間に比べ234億
7千5百万円収入が増加し、471億2千7百万円の収入となりました。
当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間
に計上した事業譲渡による収入の反動で収入が減少したものの、有形固定資産の取得による支出や
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出、事業譲受による支出が減少したことなどに
より、前第3四半期連結累計期間に比べ560億3千5百万円支出額が減少し、415億4千3百万円の
支出となりました。
当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間
に計上した株式の発行による収入の反動で収入が減少したことに加え、借入れの返済による支出が
増加したことなどにより、前第3四半期連結累計期間に比べ874億9千4百万円支出額が増加し、
52億1千1百万円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結会計期間末残高は、前第3四半期連結会計
期間末残高に比べ19億7千9百万円増加し、432億8千7百万円となりました。
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
通期の業績予想につきましては、2020年11月12日発表の業績予想から変更はありません。
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2.要約四半期連結財務諸表及び主な注記
(1)要約四半期連結財政状態計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当第3四半期連結会計期間
(2020年3月31日) (2020年12月31日)
資産
流動資産
現金及び現金同等物 41,861 43,287
営業債権及びその他の債権 187,402 187,636
棚卸資産 64,415 71,529
その他の金融資産 5,794 3,725
未収法人所得税 2,990 3,071
その他の流動資産 30,813 30,720
流動資産合計 333,277 339,971
非流動資産
有形固定資産 380,284 400,586
のれん 64,005 51,473
無形資産 19,352 28,134
持分法で会計処理されている投資 28,503 29,118
退職給付に係る資産 3,088 3,252
その他の金融資産 62,365 65,864
繰延税金資産 7,328 7,195
その他の非流動資産 1,494 1,452
非流動資産合計 566,422 587,076
資産合計 899,699 927,048
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当第3四半期連結会計期間
(2020年3月31日) (2020年12月31日)
負債及び資本
負債
流動負債
営業債務及びその他の債務 137,945 138,909
社債及び借入金 105,386 82,537
その他の金融負債 5,426 5,845
未払法人所得税 8,510 5,960
引当金 1,211 681
その他の流動負債 25,020 27,239
流動負債合計 283,500 261,173
非流動負債
社債及び借入金 195,648 233,538
その他の金融負債 38,586 38,135
退職給付に係る負債 9,918 10,328
引当金 2,354 2,570
繰延税金負債 9,252 11,584
その他の非流動負債 8,623 8,819
非流動負債合計 264,383 304,976
負債合計 547,884 566,149
資本
資本金 55,855 55,855
資本剰余金 51,077 50,560
自己株式 △2,556 △7,064
利益剰余金 228,854 236,428
その他の資本の構成要素 △1,237 3,626
親会社の所有者に帰属する持分合計 331,992 339,406
非支配持分 19,822 21,492
資本合計 351,815 360,898
負債及び資本合計 899,699 927,048
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(2)要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書
要約四半期連結損益計算書
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間 当第3四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
継続事業
売上収益 592,077 586,418
売上原価 △458,917 △453,286
売上総利益 133,160 133,131
販売費及び一般管理費 △100,194 △100,779
その他の収益 6,965 4,141
その他の費用 △2,251 △1,716
持分法による投資利益 1,142 1,481
営業利益 38,821 36,259
金融収益 1,084 983
金融費用 △1,464 △2,002
税引前四半期利益 38,442 35,240
法人所得税費用 △11,723 △12,009
継続事業からの四半期利益 26,719 23,231
非継続事業
非継続事業からの四半期利益(△は損失) △137 △26
四半期利益 26,582 23,204
四半期利益の帰属
親会社の所有者 23,322 21,217
非支配持分 3,260 1,986
四半期利益 26,582 23,204
1株当たり四半期利益
基本的1株当たり四半期利益(△は損失)
継続事業 117.63円 93.66円
非継続事業 △0.69円 △0.12円
基本的1株当たり四半期利益 116.95円 93.54円
希薄化後1株当たり四半期利益(△は損失)
継続事業 117.44円 93.55円
非継続事業 △0.69円 △0.12円
希薄化後1株当たり四半期利益 116.75円 93.43円
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
要約四半期連結包括利益計算書
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間 当第3四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
四半期利益 26,582 23,204
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて測定する
4,978 7,356
金融資産の公正価値の純変動
持分法適用会社における
△9 △53
その他の包括利益に対する持分
純損益に振り替えられることのない
4,968 7,303
項目の合計
純損益に振り替えられる可能性のある項目
在外営業活動体の換算差額 △1,835 △1,992
キャッシュ・フロー・ヘッジの
1,184 △734
公正価値の変動額の有効部分
持分法適用会社における
5 33
その他の包括利益に対する持分
純損益に振り替えられる可能性の
△644 △2,693
ある項目の合計
その他の包括利益合計 4,323 4,610
四半期包括利益 30,906 27,814
四半期包括利益の帰属
親会社の所有者 27,325 26,139
非支配持分 3,580 1,675
四半期包括利益 30,906 27,814
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(3)要約四半期連結持分変動計算書
前第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
資本金 資本剰余金 自己株式 利益剰余金
2019年4月1日残高 32,263 36,675 △3,463 208,183
四半期利益 - - - 23,322
その他の包括利益 - - - -
四半期包括利益 - - - 23,322
新株の発行 23,591 23,455 - -
自己株式の取得 - - △2 -
自己株式の処分 - 42 684 -
配当金 - - - △8,050
株式報酬取引 - - - -
持分変動に伴う増減額 - △1,901 - -
新規連結による増減額 - △15 - △1,393
増資による変動 - - - -
合併による増加 - - - 235
その他の資本の構成要素
- - - 81
から利益剰余金への振替
非支配株主へ付与された
- △3,442 - -
プット・オプション
所有者との取引額等合計 23,591 18,138 681 △9,127
2019年12月31日残高 55,855 54,813 △2,781 222,378
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の包 キャッシュ 非支配 資本
括利益を通 フロー・ヘ 持分 合計
在外営業活 合計
確定給付制 じて測定す ッジの公正 新株
動体の換算 合計
度の再測定 る金融資産 価値の変動 予約権
差額
の公正価値 額の有効部
の純変動 分
2019年4月1日残高 - △228 3,948 252 423 4,395 278,053 16,956 295,009
四半期利益 - - - - - - 23,322 3,260 26,582
その他の包括利益 - △1,794 4,995 801 - 4,002 4,002 320 4,323
四半期包括利益 - △1,794 4,995 801 - 4,002 27,325 3,580 30,906
新株の発行 - - - - - - 47,047 - 47,047
自己株式の取得 - - - - - - △2 - △2
自己株式の処分 - - - - △42 △42 684 - 684
配当金 - - - - - - △8,050 △467 △8,518
株式報酬取引 - - - - 21 21 21 - 21
持分変動に伴う増減額 - - - - - - △1,901 △1,284 △3,185
新規連結による増減額 - - - - - - △1,409 591 △818
増資による変動 - - - - - - - 1,474 1,474
合併による増加 - - - - - - 235 - 235
その他の資本の構成要素
- - △81 - - △81 - - -
から利益剰余金への振替
非支配株主へ付与された
- - - - - - △3,442 △948 △4,390
プット・オプション
所有者との取引額等合計 - - △81 - △20 △102 33,182 △633 32,549
2019年12月31日残高 - △2,023 8,862 1,053 402 8,295 338,561 19,903 358,465
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
資本金 資本剰余金 自己株式 利益剰余金
2020年4月1日残高 55,855 51,077 △2,556 228,854
四半期利益 - - - 21,217
その他の包括利益 - - - -
四半期包括利益 - - - 21,217
自己株式の取得 - - △4,999 -
自己株式の処分 - 42 491 -
配当金 - - - △10,467
持分変動に伴う増減額 - 2 - -
新規連結による増減額 - - - △3,016
合併による減少 - - - △200
その他の資本の構成要素
- - - 40
から利益剰余金への振替
非支配株主へ付与された
- △560 - -
プット・オプション
非金融資産への振替 - - - -
所有者との取引額等合計 - △516 △4,508 △13,643
2020年12月31日残高 55,855 50,560 △7,064 236,428
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の包 キャッシュ 非支配 資本
括利益を通 フロー・ヘ 持分 合計
在外営業活 合計
確定給付制 じて測定す ッジの公正 新株
動体の換算 合計
度の再測定 る金融資産 価値の変動 予約権
差額
の公正価値 額の有効部
の純変動 分
2020年4月1日残高 - △3,517 283 1,649 346 △1,237 331,992 19,822 351,815
四半期利益 - - - - - - 21,217 1,986 23,204
その他の包括利益 - △1,980 7,257 △355 - 4,921 4,921 △311 4,610
四半期包括利益 - △1,980 7,257 △355 - 4,921 26,139 1,675 27,814
自己株式の取得 - - - - - - △4,999 - △4,999
自己株式の処分 - - - - △18 △18 515 - 515
配当金 - - - - - - △10,467 △360 △10,827
持分変動に伴う増減額 - - - - - - 2 △118 △116
新規連結による増減額 - 111 - - - 111 △2,904 830 △2,074
合併による減少 - - - - - - △200 - △200
その他の資本の構成要素
- - △40 - - △40 - - -
から利益剰余金への振替
非支配株主へ付与された
- - - - - - △560 △250 △811
プット・オプション
非金融資産への振替 - - - △110 - △110 △110 △106 △217
所有者との取引額等合計 - 111 △40 △110 △18 △57 △18,725 △5 △18,731
2020年12月31日残高 - △5,386 7,500 1,183 328 3,626 339,406 21,492 360,898
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(4)要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間 当第3四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益 38,442 35,240
非継続事業からの税引前四半期利益(△は損失) △136 △17
減価償却費及び償却費 25,491 28,980
負ののれん発生益 △2,051 -
受取利息及び受取配当金 △947 △879
支払利息 1,362 1,558
持分法による投資損益(△は益) △1,142 △1,481
固定資産除売却損益(△は益) △935 237
営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加) 6,702 1,883
棚卸資産の増減額(△は増加) △8,404 △6,747
営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少) △11,393 1,972
未払賞与の増減額(△は減少) △3,400 △3,158
契約資産の増減額(△は増加) △4,862 △1,659
契約負債の増減額(△は減少) 347 2,301
その他 △692 3,741
小計 38,378 61,972
利息及び配当金の受取額 1,183 1,126
利息の支払額 △1,304 △1,487
法人所得税の支払額又は還付額(△は支払) △14,605 △14,484
営業活動によるキャッシュ・フロー 23,651 47,127
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出 △47,691 △37,518
有形固定資産の売却による収入 2,290 992
無形資産の取得による支出 △1,658 △1,245
投資有価証券の取得による支出 △2,994 △902
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出 △17,128 △1,583
貸付けによる支出 △12,072 △1,313
貸付金の回収による収入 11,845 437
事業譲受による支出 △45,928 △54
事業譲渡による収入 14,158 -
その他 1,600 △354
投資活動によるキャッシュ・フロー △97,578 △41,543
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額(△は減少) 58,694 △1,934
長期借入れによる収入 7,807 39,497
長期借入金の返済による支出 △16,220 △24,821
社債の発行による収入 - 10,000
社債の償還による支出 - △10,150
子会社株式の追加取得による支出 △3,058 △110
セール・アンド・リースバックによる収入 - 1,802
リース負債の返済による支出 △3,734 △4,189
株式の発行による収入 47,047 -
自己株式の取得による支出 △2 △4,999
配当金の支払額 △7,700 △10,063
非支配持分への配当金の支払額 △2,228 △776
その他 1,678 533
財務活動によるキャッシュ・フロー 82,283 △5,211
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響 △723 40
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 7,632 413
合併に伴う現金及び現金同等物の増加額 313 -
連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額 1,253 1,011
現金及び現金同等物の期首残高 32,108 41,861
現金及び現金同等物の四半期末残高 41,308 43,287
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(5)要約四半期連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(報告企業)
エア・ウォーター㈱(以下、「当社」という。)は日本に所在する株式会社であります。当社の登記
している本社の住所は、大阪市中央区であります。
当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)の要約四半期連結財務諸表は12月31日を期末日
とし、当社グループ並びに当社グループの関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成さ
れております。
当社グループは、産業ガス関連、ケミカル関連、医療関連、エネルギー関連、農業・食品関連、物
流関連、海水関連並びにその他の製品・サービスの製造・販売を行っております。各事業の内容につ
いては、(セグメント情報等)に記載しております。
(作成の基礎)
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定
国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IAS第34号に準拠して
作成しております。
(2) 測定の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、退職給付に係る負債(資産)及び公正価値で測定す
る金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
要約四半期連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示して
いるすべての財務情報は、百万円未満を切り捨て表示しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社グループの要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、
負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行う必要があります。
実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、
その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、新型コロナ
ウイルス感染症の影響も含め、2020年3月31日に終了する連結会計年度に係る連結財務諸表と同様
であります。
(重要な会計方針)
当社グループの本要約四半期連結財務諸表において適用する会計方針は、2020年3月31日に終了す
る連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様であります。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(セグメント情報等)
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、
取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となってい
るものであります。
当社グループは、製品・サービス別に包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社グループは製品・サービス別の事業セグメントから構成されており、「産業ガス関
連事業」「ケミカル関連事業」「医療関連事業」「エネルギー関連事業」「農業・食品関連事業」
「物流関連事業」「海水関連事業」「その他の事業」の8つを報告セグメントとしております。
「産業ガス関連事業」は、酸素・窒素・アルゴン等の産業ガスの製造・販売のほか高圧ガス関連
設備工事及びガス発生装置の製作・据付をしております。
「ケミカル関連事業」は、基礎化学品やファインケミカル製品等の製造・販売をしております。
「医療関連事業」は、酸素・窒素等の医療用ガスの製造・販売のほか各種医療機器、病院設備工
事等の事業を展開しております。
「エネルギー関連事業」は、LPガス・灯油等の石油製品等の販売をしております。
「農業・食品関連事業」は、青果物の卸売・加工及び冷凍食品や食肉加工品等の製造・販売並び
に清涼飲料水の製造受託をしております。
「物流関連事業」は、高圧ガス、一般貨物、食品、医療・環境等の物流サービスのほか倉庫・流
通加工サービス、特殊車両製造等の事業を展開しております。
「海水関連事業」は、塩及び製塩副産物並びに電融マグネシア及び酸化マグネシウム等の製造・
販売をしております。
「その他の事業」は、エアゾール事業、情報電子材料事業等から構成しております。
(2) 報告セグメントごとの売上収益及び損益の金額に関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のために採用している会
計処理の方法と同一であります。
報告セグメントの利益は営業利益であります。セグメント間の内部売上収益又は振替高は市場実
勢価格に基づいております。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
前第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント 要約四
半期連
調整額
産業ガス ケミカル 医療関連 エネルギー 農業・食品 物流関連 海水関連 その他の 結損益
計 (注)
関連事業 関連事業 事業 関連事業 関連事業 事業 事業 事業 計算書
計上額
売上収益
外部顧客への
138,016 18,725 135,491 35,070 107,218 38,041 28,782 90,729 592,077 - 592,077
売上収益
セグメント間
の内部売上収 6,199 99 195 2,166 631 11,846 280 1,622 23,041 △23,041 -
益又は振替高
計 144,216 18,825 135,687 37,236 107,849 49,888 29,063 92,352 615,119 △23,041 592,077
セグメント利益 14,116 2,414 5,918 2,097 3,584 1,866 2,099 4,997 37,094 1,727 38,821
金融収益 1,084
金融費用 △1,464
税引前四半期利益 38,442
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高の調整額△23,041百万円はセグメント間取引消去であります。
2 セグメント利益の調整額1,727百万円は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当
社本社部門の損益に係るものであります。
当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント 要約四
半期連
調整額
産業ガス ケミカル 医療関連 エネルギー 農業・食品 物流関連 海水関連 その他の 結損益
計 (注)
関連事業 関連事業 事業 関連事業 関連事業 事業 事業 事業 計算書
計上額
売上収益
外部顧客への
134,064 24,088 133,313 34,712 102,945 40,260 28,077 88,956 586,418 - 586,418
売上収益
セグメント間
の内部売上収 4,877 230 206 1,878 600 12,509 305 2,268 22,878 △22,878 -
益又は振替高
計 138,941 24,318 133,520 36,591 103,546 52,770 28,383 91,225 609,297 △22,878 586,418
セグメント利益 13,689 1,604 5,844 2,552 3,888 2,225 1,617 3,322 34,744 1,515 36,259
金融収益 983
金融費用 △2,002
税引前四半期利益 35,240
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高の調整額△22,878百万円はセグメント間取引消去であります。
2 セグメント利益の調整額1,515百万円は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当
社本社部門の損益に係るものであります。
(3)報告セグメントの変更等に関する事項
第2四半期連結会計期間より、新規事業領域の研究開発費につきましては、従来、各報告セグメ
ントに計上しておりましたが、各セグメントの業績をより適切に評価するために経営管理手法を見
直し、セグメント利益の調整額に本社部門に係る費用の一部として計上する方法に変更いたしまし
た。
なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の測定方法により作成し
たものを記載しております。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(企業結合等関係)
企業結合に係る暫定的な会計処理の確定
(1) インドPraxair India Private Limitedの産業ガス事業の一部譲受
当社は、インドの子会社であるAir Water India Private Limited(以下、「AWインディア社」
という。)を通じてPraxair India Private Limitedがインド東部において営む酸素・窒素・アル
ゴンの製造・販売・供給に関する事業を、2019年7月12日付で譲り受けました。
前連結会計年度においては、取得原価の配分が完了していなかったことから、取得資産及び引
受負債の公正価値は暫定的な金額となっておりましたが、第1四半期連結会計期間に配分が完了
しております。取得対価の配分が確定したことにより、のれんの金額は6,638百万円減少してお
ります。これは、有形固定資産及び無形資産がそれぞれ3,369百万円及び3,268百万円増加したこ
とによるものであります。
(2) インドLinde India Limitedの産業ガス事業の一部譲受
当社は、AWインディア社を通じてLinde India Limitedがインド南部において営む酸素・窒素・
アルゴンの製造・販売・供給に関する事業を、2019年12月16日付で譲り受けました。
前連結会計年度においては、取得原価の配分が完了していなかったことから、取得資産及び引
受負債の公正価値は暫定的な金額となっておりましたが、当第3四半期連結会計期間に配分が完
了しております。取得対価の配分が確定したことにより、のれんの金額は9,558百万円減少してお
ります。これは、有形固定資産及び無形資産がそれぞれ2,493百万円及び7,065百万円増加したこ
とによるものであります。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(重要な後発事象)
株式交換による㈱日本海水の完全子会社化
当社は、2021年2月10日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、当社の連結
子会社である㈱日本海水(以下、「日本海水」という。)を株式交換完全子会社とする株式交換
(以下、「本株式交換」という。)を行うことを決議し、同日付で両社の間で株式交換契約(以
下、「本株式交換契約」という。)を締結しました。
(1) 本株式交換の目的
当社グループは、空気や水といった様々な地球資源を活用した事業を展開し、人々の暮らしや
産業の発展に貢献しております。日本海水は、国内トップシェアを有する「塩」のリーディング
カンパニーとして、業務用塩・家庭用塩の製造・販売を行うほか、環境、食品、電力、都市イン
フラ(水処理・下水管更生)などの海水から派生した多様な事業を展開しており、工業用マグネシ
ウムの製造・販売を行うタテホ化学工業㈱(以下、「タテホ化学工業」という。)と合わせて、
当社グループの海水事業を構成しております。
当社は、既に日本海水を連結子会社としておりますが、今後、海水由来の新製品開発や新事業
創出の取り組みを加速するとともに、当社グループが展開する様々な事業との一体運営によるグ
ループ経営の機動性を更に高めるため、本株式交換により日本海水を当社の完全子会社とするこ
とといたしました。
(2) 本株式交換の要旨
① 本株式交換の方法
本株式交換は、当社を株式交換完全親会社、日本海水を株式交換完全子会社とする株式交換
であります。
なお、本株式交換は、当社においては会社法第796条第2項に基づく簡易株式交換の手続によ
り当社の株主総会の決議による承認を受けることなく行い、また、日本海水においては、2021
年3月17日までに、会社法第319条に基づく書面決議の方法により株主総会の承認を受けた上
で、2021年3月26日を効力発生日として行う予定です。
② 本株式交換に係る割当ての内容
当社 日本海水
(株式交換完全親会社) (株式交換完全子会社)
本株式交換に係る割当比率 1 0.63
本株式交換により交付する株式数 当社の普通株式:2,815,207株
(注) 1 日本海水の普通株式1株に対して、当社普通株式0.63株を割当交付します。ただし、当社
が保有する日本海水の普通株式(本日現在所有する13,913,493株に、当社の連結子会社で
あるタテホ化学工業から取得する予定の1,002,525株を加算した14,916,018株)について
は、本株式交換による株式の割当ては行いません。また、割当交付する当社普通株式に
は、当社が保有する自己株式(従業員持株会信託が保有する当社普通株式を除く)と別途
1,700,000株を上限とする当社普通株式の取得において取得する自己株式を充当する予定
であり、新株式の発行は行わない予定です。
2 本株式交換に係る割当比率(以下、「本株式交換比率」という。)は、算定の根拠となる
諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社協議の上、変更することがあります。
3 当社は、本株式交換効力発生日の前日までの間に、当社の連結子会社であるタテホ化学工
業が所有する日本海水の普通株式1,002,525株を取得する予定です。
4 本株式交換により交付する株式に1株に満たない端数がある場合、当社は会社法第234条
その他の関連法令の規定に基づき処理を行います。
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エア・ウォーター株式会社(4088) 2021年3月期 第3四半期決算短信
③ 本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
日本海水が発行している新株予約権及び新株予約権付社債はありません。
④ 本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠
当社及び日本海水は、本株式交換に用いられる上記②「本株式交換に係る割当ての内容」に
記載の本株式交換比率の算定に当たって、公正性・妥当性を確保するため、両社から独立した
第三者算定機関であるF&Link㈱(以下、「F&Link」という。)に株式交換比率の算定を依頼い
たしました。
F&Linkは、当社及び日本海水の財務情報及び本株式交換の諸条件を分析した上で、当社につ
いては株式が株式会社東京証券取引所及び金融商品会員制法人札幌証券取引所に上場しており、
市場株価が存在することから市場株価法を、非上場会社である日本海水については将来の事業
活動の状況を評価に反映するためディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法による算定を行
い、さらに、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を採用
して、株式交換比率の算定を行いました。
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