4004 昭電工 2020-02-14 10:00:00
2019年12月期 決算説明資料 [pdf]
こころと社会を“動かす”企業
昭和電工株式会社
2019年12月期 決算説明資料
2020年2月13日決算発表
取締役 常務執行役員 CFO
竹内 元浩
本資料に掲載されている業績予想等の将来に関する記述は、本資料の発表日現在において入手可能な情報及び将来の業績に影響を与える
不確実な要因に係る本資料発表日現在における仮定を前提としています。なお、法令に定めのある場合を除き、当社はこれらの将来予測に基づく
記述を更新する義務を負いません。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。業績に影響を与える要素
には、経済情勢、ナフサ等原材料価格、黒鉛電極等製品の需要動向及び市況、為替レートなどが含まれますが、これらに限定されるものではありま
せん。
連結対象会社
連結子会社: 61社 〔+3社 (新規10社・除外7社)〕
【新規】 【除外】
(化学品)GMM関連: GMM Development Holdings Limited、 PT.ショウワ・エステリンド・インドネシア(石油化学、清算)
GMM Coatings Private Limited、 日本ポリテック㈱(化学品、売却)
Zhuhai Sunbright New Materials Co., Ltd. 贛州昭日稀土新材料有限公司(エレクトロニクス、売却)
ILAG関連: HC Holding Beta AG、 Industrielack Holding AG、 昭和電工カーボン・上海有限公司(無機、清算)
Industrielack AG、易能涂料(上海)有限公司、 昭和電工カーボン・カナダ(無機、重要性低下)
易能瑞中新材料(上海)有限公司 ショウティック・シンガポールプライベイト・リミテッド (アルミニウム、清算)
(エレクトロニクス)昭光エレクトロニクス㈱ ショウワ・アルミナム・コーポレーション・オブ・アメリカ
(その他)HCホールディングス㈱ (アルミニウム、合併)
持分法適用会社: 11社 (増減なし)
主要諸元 (期中平均)
2018年 2019年 増減
通期 10-12月 通期 10-12月 10-12月
為替レート
(円/US$) 110.4 112.9 109.1 108.8 1.4円高 4.1円高
(円/€) 130.4 128.8 122.1 120.3 8.4円高 8.5円高
国産ナフサ (円/KL) 51,100 54,200 42,000 41,300 △9,100 △12,900
アルミ地金
LME (US$/T) 2,116 1,975 1,811 1,758 △304 △216
国内市況 (千円/T) 292 280 250 246 △42 △34
(国内市況価格は日本経済新聞掲載値)
※2018年12月期末レート111.0円 2019年12月期末レート109.6円 ⇒ 1.4円円高
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 2
連結業績の概要 (億円)
2018年 2019年 増減
売上高 9,921 9,065 △857
営業利益 1,800 1,208 △592
営業外損益 △12 △15 △3
金融収支 △6 3 9
持分法投資損益 13 7 △5
為替差損益 △3 △7 △4
その他 △15 △18 △4
経常利益 1,788 1,193 △595
特別利益 21 29 8
特別損失 △354 △243 111
税金等調整前当期純利益 1,455 979 △476
法人税等 △288 △226 62
当期純利益 1,168 753 △415
非支配株主に帰属する当期純利益 △52 △22 30
親会社株主に帰属する当期純利益 1,115 731 △384
1株当たり当期純利益 758円15銭 501円03銭 △257円12銭
1株当たり配当金 120円 130円(予定) 10円
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特別損益の内訳 (億円)
2018年 2019年 増減
特別利益 21 29 8
固定資産売却益 2 7 5
投資有価証券売却益 15 17 2
事業譲渡益 - 3 3
その他 4 2 △2
特別損失 △354 △243 111
固定資産除売却損 △52 △52 0
減損損失 △226 △157 69
その他 △76 △35 41
特別損益 △333 △214 119
減損損失(2019年) 内訳
セグメント 事業 金額
化学品 機能性化学品事業 △28億円
アルミニウム加工品事業 △104億円
アルミニウム
国内アルミ缶事業 △8億円
その他 △16億円
合計 △157億円
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連結売上高差異内訳
(億円)
2018年 2019年 増減 項目
オレフィン:減収(前期実施の大型定修なく数量増、市況低下)
石油化学 2,689 2,507 △182 有機:減収(酢ビ・酢エチ:市況低下)
サンアロマー:小幅減収
基礎化学品:小幅減収(AN:市況低下、
アンモニア・クロロプレンゴム:前期並み)
化学品 1,565 1,575 9 情報電子化学品:減収(数量減)
産業ガス・機能性化学品:前期並み
コーティング材料:新規連結
HD:減収(主に上期数量減)
エレクトロ レアアース:減収(構造改革)、化合物半導体:減収(数量減)
ニクス
1,119 964 △155 リチウムイオン電池材料:減収(数量減)
SiCエピタキシャルウェハー:減収(輸出数量減)
セラミックス:減収 (汎用アルミナ・研削材:数量減)
無機 2,661 2,301 △360 電極:減収(数量減:年央より減産)
圧延品:減収(コンデンサー用高純度箔:数量減)
アルミニウム 1,083 975 △107 機能部材:減収(自動車部材・産業機器向け数量減)
アルミ缶:前期並み
その他 1,373 1,262 △112 昭光通商:減収
調整額 △569 △520 49
合計 9,921 9,065 △857
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
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連結営業利益差異内訳
(億円)
2018年 2019年 増減 項目
オレフィン:減益(定修差改善、ナフサ価格下落による受払差悪化、
アジア需給軟化によるスプレッド圧縮)
石油化学 203 172 △31 有機:前期並み
サンアロマー:増益
基礎化学品:前期並み
情報電子化学品:減益(数量減)
化学品 174 137 △37 産業ガス:減益(数量減、西日本供給タイトで輸送費高)
機能性化学品:減益(数量減)
HD:減益(数量減)
エレクトロ レアアース:前期並み、化合物半導体:減益(数量減)
ニクス
136 49 △87 リチウムイオン電池材料:減益(数量減)
SiCエピタキシャルウェハー:減益(輸出数量減、開発費負担増)
セラミックス:減益(数量減)
無機 1,324 893 △432 電極:減益(数量減:年央より減産)
圧延品:減益(コンデンサー用高純度箔:数量減)
アルミニウム 49 17 △32 機能部材:減益(自動車部材・産業機器向け数量減)
アルミ缶:増益(国内構造改革効果)
その他 17 18 1 昭光通商:増益
調整額 △104 △78 26
合計 1,800 1,208 △592
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
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セグメント別業績の概要
2019年
2018年
<売上高> <営業利益>
(億円) (億円)
172
2,507
石油化学 203
2,689
137
1,575
1,565
化学品 174
49
964
1,119
エレクトロニクス 136
893
2,301
無機 1,324
2,661
975 17
アルミニウム 49
1,083
18
1,262 その他
1,373 17
△ 520 △ 78
調整額
△ 569 △ 104
3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 △ 500 △ 1,000 △ 200 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 7
連結営業利益差異分析
(億円)
1,800
1,800
1,500
39 61
1,208
1,200 △525
△167
900
600
300
0
2018年 数量要因 価格要因 コストダウン その他 2019年
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連結貸借対照表 (億円)
2018年 2019年 2018年 2019年
資産 増減 負債・純資産 増減
12月末 12月末 12月末 12月末
現預金 1,132 1,221 89 営業債務 1,394 1,175 △219
営業債権 2,037 1,703 △334 有利子負債 2,880 2,985 106
たな卸資産 1,528 1,737 209 退職給付に係る負債 220 100 △120
その他 268 310 42 その他 1,602 1,309 △293
流動資産計 4,965 4,971 5 負債計 6,096 5,569 △527
建物・構築物 788 798 10 資本金 1,406 1,406 0
機械装置・運搬具 1,468 1,407 △61 資本剰余金 789 789 0
土地 2,350 2,264 △86 利益剰余金 1,977 2,492 515
その他有形固定資産 179 263 85 自己株式 △117 △117 △0
有形固定資産計 4,784 4,732 △52 株主資本計 4,055 4,571 515
無形固定資産 150 226 77 その他有価証券評価差額金 75 98 23
投資その他の資産 851 835 △16 繰延ヘッジ損益 8 4 △4
(内、投資有価証券) 719 718 △1 土地再評価差額金 333 331 △2
為替換算調整勘定 71 41 △29
退職給付に係る調整累計額 △82 △51 31
その他の包括利益累計額計 404 423 19
非支配株主持分 194 201 7
固定資産計 5,785 5,793 9 純資産計 4,653 5,194 541
資産合計 10,750 10,764 14 負債・純資産合計 10,750 10,764 14
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総資産・有利子負債・D/Eレシオ・自己資本比率
2018年12月末 2019年12月末 増減
総資産 10,750億円 10,764億円 14億円増
有利子負債 2,880億円 2,985億円 106億円増
D/Eレシオ 0.62倍 0.60倍 0.02p改善
自己資本比率 41.5% 46.4% 4.9p増
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 10
連結有利子負債等の推移
5,000
(億円)
1.20 1.16 D/Eレシオ
4,500
4,000 0.94
3,500 3,688 0.62
3,599 0.60
3,467
3,000
2,880 2,985
2,500
2,000
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
自己資本比率 31.5% 31.8% 34.3% 41.5% 46.4%
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 11
連結キャッシュ・フロー
(億円)
2018年 2019年 増減
営業キャッシュ・フロー 1,498 786 △712
投資キャッシュ・フロー △493 △482 12
フリー・キャッシュ・フロー 1,004 304 △700
財務キャッシュ・フロー △611 △185 425
その他 △34 △30 4
現預金増減額 360 89 △271
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 12
連結総人員の推移と国内海外人員割合
(人)
10,561 10,864 10,476 10,813
10,146
10,000
5,873 6,075 6,087 5,843 5,951 国内
5,000
海外
4,688 4,071 4,777 4,633 4,862
'15 '16 '17 '18 '19
国内割合 55.6% 59.9% 56.0% 55.8% 55.0%
海外割合 44.4% 40.1% 44.0% 44.2% 45.0%
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 13
セグメント別設備投資・減価償却
(億円)
2018年 2019年 増減
設備投資 減価償却 設備投資 減価償却 設備投資 減価償却
石油化学 51 50 44 41 △6 △9
化学品 80 88 114 93 34 5
エレクトロニクス 114 98 105 93 △10 △6
無機 81 80 117 80 36 1
アルミニウム 55 57 85 48 29 △8
その他 35 21 38 21 2 △0
全社計 417 395 502 377 85 △18
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 14
主要諸元
2020年
2018年 2019年 増減 増減
予想
為替レート
(円/US$) 110.4 109.1 1.4円高 105.0 4.1円高
(円/€) 130.4 122.1 8.4円高 115.0 7.1円高
国産ナフサ 51,100 42,000 △9,100 39,200 △2,800
(円/KL)
アルミ地金LME 2,116 1,811 △304 1,775 △36
(US$/T)
有利子負債(億円) 2,880 2,985 106 3,000 15
金融収支(億円) △6 3 9 2 △1
研究開発費(億円) 197 206 9 227 21
期末従業員(人) 10,476 10,813 337 11,084 271
総人件費(億円) 794 859 65 845 △14
(注)連結ベースの数字で記載しております。
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 15
連結業績予想
(億円)
2019年 2020年 2020年予想
増減
実績 予想 上期 下期
売上高 9,065 8,100 △965 3,700 4,400
営業利益 1,208 500 △708 90 410
営業外損益 △15 △30 △15 △20 △10
経常利益 1,193 470 △723 70 400
特別利益
△214 △220 △6 △75 △145
特別損失
親会社株主に
帰属する当期純利益 731 150 △581 △20 170
1株当たり当期純利益 501円03銭 102円83銭 △398円20銭
1株当たり配当金 130円(予定) 130円 0円 60円 70円
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 16
セグメント別連結売上高予想
(億円)
2020年予想
2019年 2020年 増減
コメント
実績 予想 予想
上期 下期
石油化学 2,507 2,330 △177 アジア景気減速による市況悪化 1,110 1,220
情報電子化学品:半導体市場の
化学品 1,575 1,700 125 回復を受け数量増 810 890
エレクトロ
ニクス 964 1,120 156 HD:データセンター向け数量増 460 660
黒鉛電極:上期中心に減産強化に
無機 2,301 1,280 △1,021 よる数量減 530 750
アルミ 圧延品・機能部材:小幅改善
ニウム 975 960 △15 アルミ缶:国内事業数量減 440 520
昭光通商:合成樹脂事業等
その他 1,262 1,250 △12 市況低下 610 640
調整額 △520 △540 △20 △260 △280
合計 9,065 8,100 △965 3,700 4,400
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 17
セグメント別連結営業利益予想
(億円)
2019年 2020年 増減 2020年予想
コメント
実績 予想 予想
上期 下期
アジア市況軟化によるスプレッド
石油化学 172 120 △52 圧縮 40 80
化学品 137 150 13 情報電子化学品:出荷増 60 90
エレクトロ
ニクス 49 120 71 HD:データセンター向け数量増 10 110
無機 893 140 △753 黒鉛電極:数量減、原料受払差 10 130
圧延品・機能部材:小幅改善
アルミ
ニウム 17 40 23 アルミ缶:国内アルミ缶事業 10 30
構造改革効果顕現
その他 18 25 7 10 15
調整額 △78 △95 △17 △50 △45
合計 1,208 500 △708 90 410
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 18
セグメント別業績予想の概要
2020年予想
<売上高> <営業利益>
(億円) 2019年 (億円)
2,330 120
2,507
石油化学
172
1,700 150
化学品
1,575 137
1,120 120
エレクトロニクス
964 49
1,280 140
無機
2,301 893
960 40
アルミニウム
975 17
1,250 25
その他
1,262 18
△ 540 △95
調整額 △ 78
△ 520
3,000 2,000 1,000 0 △ 1,000 △ 150 150 450 750 1,050
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 19
連結キャッシュ・フロー予想
(億円)
2019年 2020年予想 増減予想
営業キャッシュ・フロー 786 550 △236
投資キャッシュ・フロー △482 △500 △18
フリー・キャッシュ・フロー 304 50 △254
財務キャッシュ・フロー △185 △260 △75
その他 △30 0 30
現預金増減額 89 △210 △299
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 20
セグメント別設備投資・減価償却予想
(億円)
2019年 2020年予想 増減予想
設備投資 減価償却 設備投資 減価償却 設備投資 減価償却
石油化学 44 41 74 46 30 5
化学品 114 93 136 98 22 5
エレクトロニクス 105 93 139 98 34 5
無機 117 80 120 85 3 5
アルミニウム 85 48 75 46 △10 △2
その他 38 21 47 29 9 8
全社計 502 377 591 403 88 27
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 21
(ご参考)四半期別連結営業利益推移
全 社
(億円) 2019年推移
2018年推移
700
600 566
500
454 455
436
401
400
343
300
238
200
115
100
0
1Q 2Q 3Q 4Q
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 22
(ご参考)セグメント別営業利益推移
石油化学セグメント 化学品セグメント
(億円) 2019年推移 (億円)
2019年推移
90 2018年推移 90 2018年推移
81
60 60
48 49 49 48
45
40 41 41 40 41
39
33 36
31
30 30
24
0 0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 23
(ご参考)セグメント別営業利益推移
エレクトロニクスセグメント 無機セグメント
(億円) 2019年推移 (億円) 2019年推移
90 2018年推移 500 2018年推移
80
70 395 398
400
60 346
333 323
50 48 300
248
40
30 30
30 27 200
20 19
20 131
12
10 100
0 44
1Q △ 3 2Q 3Q 4Q
△ 10 0
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」
1Q 2Q 3Q 4Q
に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 24
(ご参考)セグメント別営業利益推移
アルミニウムセグメント その他セグメント
2019年推移 2019年推移
(億円) (億円)
2018年推移 2018年推移
30 30
25 25
20 20
15 14 14 15
13
10 9 9 10 9
7
5 5 4 4
3 3 3 3 3 3
2
0 0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」
に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
昭和電工㈱2019年12月期 決算説明資料 25
セグメント別トピックス
【全社施策】
● 日立化成株式会社株式に対する公開買付けの開始予定について
詳細については、2019年12月18日に開示いたしましたリリース文およびその注記をご参照ください。
●ノンスティック・コーティングメーカーILAG社を買収
2019年7月、ノンスティック・コーティング材(NSC)を生産・販売するILAG社(注1) (スイス)の全株式を取得した。
NSCは、調理器具や家電製品などの消費財向け製品や、自動車部品・産業機器などの工業製品に塗布される、
焦げ付きや汚れ防止を目的とした材料で、世界市場規模は年間約1,300億円(注2)と推定される。
ILAG社は、消費財向けNSC市場において世界第4位に位置し、50ヶ国以上に製品を供給している。2016年11月に
消費財向けNSC大手のGMMグループを買収しており、ILAG社とグローバル市場において販売地域の補完など多く
のシナジー効果が期待できる。今回の買収により、NSC事業は60百万ドルの売上規模となり、特に消費財向け市場
において世界的な競争力を有する事業となる。
機能性化学品事業でコーティング材料向け原料を販売しており、高機能コーティングの材料・処方、評価方法に
知見を有している。NSCにはフッ素樹脂系、シリコン系、セラミックス系の種類があり、当社の幅広い事業・製品・技術
を組み合わせることで、最適なソリューションの提供が可能となる。
(注1)Industrielack AG
(注2)2019年5月、当社発表時の推定
●昭和電工グループCSR方針を改定
2019年5月、中長期的に持続可能な社会への貢献を目指す姿勢を明確に示すため、グループCSR方針を改定し
た。新しいCSR方針は「事業活動を通じたSDGs課題解決への貢献と『私たちの行動規範』に基づく全社員の行動に
よりすべてのステークホルダーにご満足いただける社会貢献企業を目指します」と定め、安全とコンプライアンスを
基盤とした経済的価値・社会的価値の創造に努める。
また、金融安定理事会(注)により設置された気候変動情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明した。
今後は本提言に基づき、気候変動が事業に与える影響に関して積極的な情報開示を進める。
(注)金融安定理事会は2009年に設立され、国際的な金融システムの脆弱性への対応や金融システムの安定を担う当局間の協調の促進に向け
た活動などを行っている
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セグメント別トピックス
【全社施策】
●温室効果ガス(GHG)の2030年削減目標の設定と、GHG国際基準への準拠
2019年7月、温室効果ガス(GHG)の削減強化のため、中期の削減目標を設定するとともに、気候変動対策に
対するグローバルな情報開示を重視し、2018年度の公表数値から、国際基準である「GHGプロトコル」に準拠する
ことを決定した。
これに基づき、2030年における当社グループ国内事業所のGHG排出量の削減目標を2013年比11%減と定めた。
また2018年度より、GHG排出量は国内外のグループ会社も含め、GHGプロトコルに沿って、事業者で発生する直接
排出量(Scope1)、外部から購入した電力・蒸気等の使用に伴う間接排出量(Scope2)、サプライチェーンでの排出量
(Scope3)を統合報告書・CSRサイト等で公表した。
加えて、地球温暖化防止対策を経営の根幹に据えて推進するため、2020年より社内炭素価格制度(ICP)(注)を導
入し、GHG排出量の削減を投資判断の要素に組み入れる。
今後も環境に配慮した生産設備・技術の導入や積極的な環境対策の推進、資源循環型社会を支える製品の供給
などにより、豊かさと持続性が調和する社会への貢献を目指していく。
(注)Internal Carbon Pricing:CO2に炭素税が課されていると仮定し、事業や設備投資を検討する際に、低炭素という要素に価値を認め、
より低炭素な投資に誘導する仕組み
●アルミニウム合金とポリカーボネート樹脂の直接接合技術を確立
アルミニウム合金とポリカーボネート樹脂を接着剤を用いずに直接接合する技術を開発した。
金属と樹脂の接合は、ボルト等で締結する機械的接合や、接着剤を用いた接着接合が主流であるが、射出成形
時に金属素材と直接接合することで、工程の簡略化、高い生産性、複雑形状でも加工可能などの優位性が期待
される金属樹脂直接接合技術が注目されている。これまではポリカーボネート樹脂のような非晶性エンジニアリング
プラスチックとの接合は難しいとされていたが、長年の事業で培ったアルミニウム合金と高分子化学の知見を応用
し、特殊表面処理とプライマーを施したアルミニウム合金とポリカーボネート樹脂との直接接合を可能にした。本
技術はアンカー効果だけではなく、化学結合力も併せ持つ画期的な接合方法で、一般的なポリカーボネート樹脂の
成形条件で25MPa (メガパスカル) 以上の十分な接合強度を示す実験結果が得られている。
本技術は汎用性の高いポリカーボネート樹脂と軽量なアルミニウムを接合できることから、スマートフォンの筐体
用途等に適用可能。今後は接合強度・耐久性を高める開発を進め、より耐熱性の高いスーパーエンジニアリング
プラスチックへ応用し、自動車部品用途での実用化を目指す。
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セグメント別トピックス
【全社施策】
●統合基幹業務システムに「SAP S/4HANA」を導入
SAP SE社製の統合基幹業務システム「SAP S/4HANA」を2019年5月に導入し、2020年1月より運用を開始した。
本システムをグローバルに展開する各拠点に順次導入し、生産・物流・販売・会計・調達など様々な一次情報の一元
的な管理を目指す。
統合基幹業務システム刷新に併せて、経営戦略「CUSTOMER Experience(顧客体験)の最大化」のためマーケ
ティング機能を強化する。本システムを高度な販売予測や損益シミュレーションに活用することで正確かつ迅速な
経営判断につなげる。さらに全社横断型CRM(注)機能を導入し、新たな事業機会の創出を図る。今回の情報インフラ
投資額は約40億円。
「AI/IoT活用の強化」をグループ戦略を支える事業基盤強化の施策の1つに掲げており、今後、本システムに蓄積
された情報をAI等の活用により分析し、グループ経営の一層の効率化、製品とサービスが融合した優れたソリュー
ションの提供を目指していく。
(注)CRM:Customer Relationship Management (カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略称で、お客様の購買行動履歴などのデータを
基に、より満足度の高い製品・サービスを提供するためのマネジメント手法
●Jリーグ大分トリニータとのユニフォーム(右鎖骨)スポンサー契約を締結
2019年12月、サッカーJリーグ所属の㈱大分フットボールクラブ(大分トリニータ)と、ユニフォーム(右鎖骨)スポン
サー契約を締結した。契約期間は2020年2月1日より2021年1月31日までの1年間。
各拠点において地域社会との対話に取り組んでおり、大分石油化学コンビナートはエチレンプラント操業開始
以来50年にわたり、地域社会との共存共栄を図ってきた。大分トリニータも地域密着型チームとして、地域の活性
化・スポーツ振興に大きく貢献していることから、同チームへの支援が当社のCSR活動のさらなる向上につながると
考え、本拠地スタジアムの命名権取得に加え、ユニフォームスポンサーとして支援することを決定した。
全てのステークホルダーにご満足いただける「社会貢献企業」の実現を目指し、CSR(企業の社会的責任)を果たす
べく、さまざまな取り組みを進めていく。
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セグメント別トピックス
【石油化学セグメント】
●化粧品原料 1,3-BGの事業化を決定
2019年10月、主に化粧品原料として使用される1,3-ブチレングリコール(以下、1,3-BG)の事業化を決定した。大分
コンビナート内に建設した生産設備でエチレンから一貫生産し、2020年4月の販売開始を予定している。
1,3-BGは、保湿成分として幅広く化粧品に配合されており、アジアの化粧品需要増加に伴い、年10%の需要伸長
が見込まれる(注)。1,3-BGに化粧品原料として求められる品質を独自技術により実現させ、アジアを中心とする化粧
品市場の成長を原料供給面から支える。
今後も新規誘導品の事業化、アセチル系製品やコンビナート内外との事業連携強化などにより収益力を高め、
東アジア地域で最高レベルの競争力を持つ石油化学事業を目指していく。
(注)当社推定
【化学品セグメント】
●電子材料用高純度ガス事業 上海第2工場建設を決定
2020年1月に連結子会社「上海昭和電子化学材料有限公司(SSE)」の隣接地に第2工場用地を取得(注)し、高純度
N2O(亜酸化窒素、年産能力1,000トン)および高純度C4F8(オクタフルオロシクロブタン、年産能力600トン)の生産設
備と、高圧ガス危険物倉庫を建設することを決定した。本第2工場は2021年下半期より稼働開始予定。
高純度N2Oは半導体やディスプレイ生産時の酸化膜の酸素源として、高純度C4F8はその酸化膜の微細加工(エッ
チング)などに使用される特殊ガス。高純度N2Oを日本(川崎事業所)と韓国で、高純度C4F8を川崎とSSEで生産して
いる。第5世代移動通信(5G)など情報通信分野の発展と中国政府による産業育成政策により、中国市場のさらな
る拡大が見込まれており、安定供給対応力を高めるため、SSE第二工場新設により“地産地消”施策を進めてきた。
また、中国において年々化学品への規制強化が進んでいることから、同国内に自社所有の高圧ガス危険物倉庫
を保有することは、サプライチェーンの強化、競争力向上に大きく寄与する。当社の生産・品質管理技術を合わせ、
お客様に最適な供給体制の整備を通じて本事業を強化していく。
加えて、台湾においても半導体の生産拡大に対応し、連結子会社「台湾昭和化学品製造股份有限公司」において
高純度C4F8の生産設備を新設する(年産能力150トン、2020年春稼働予定)。
(注)50年間の土地使用権の取得
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セグメント別トピックス
【化学品セグメント】
●トヨタ自動車が中国で販売するハイブリッド車向けに発電モーター封止用BMCを供給
トヨタ自動車㈱が中国国内で販売を開始したハイブリッド車(カローラハイブリッド、レビンハイブリッド)の発電モー
ターの封止材向けに熱硬化性成形材料(BMC(注1))の出荷を開始した。
当社のBMCは、高熱伝導性、高絶縁性、耐熱性、高流動性、寸法安定性、耐薬品性という特長を有し、トヨタ社の
プリウスなどハイブリッド車の発電モーター封止材に使用されている。今回、同社の中国市場向け2車種のモデル
チェンジに際し、電動車パワートレーンを現地で開発・生産する方針に対応し、連結子会社「上海昭和高分子有限
公司」よりトヨタ自動車(常熟)部品有限会社へBMCの供給を開始した。
中国では、環境保護の取り組みを強化するため2019年よりNEV規制(注2)を施行しているが、ハイブリッド車を低燃
費車とみなして普及を図り環境対策を加速させる動きがあり、今後、中国でのハイブリッド車市場の拡大が見込ま
れている。
(注1) BMC:Bulk Molding Compound
(注2) 自動車メーカーに一定数の「新エネルギー車(NEV)」の生産を義務付ける規制
●大分石油化学コンビナート内で液化炭酸ガスの量産を開始
連結子会社「昭和電工ガスプロダクツ㈱」は、年産能力15,000トンとなる液化炭酸ガスの生産設備を大分石油化
学コンビナート内の同社大分工場に新設し、2019年4月より製品出荷を開始した。
液化炭酸ガスは、国内の石油精製やアンモニア生産の縮小により原料の炭酸ガスの供給源が減少し、業界全体
で製品需給が慢性的に逼迫している。本設備では、コンビナート内化学品プラントの安定した炭酸ガス源を活用す
ることで、地域のお客様へ安定的に製品を提供し、地域経済の発展に貢献していく。
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セグメント別トピックス
【エレクトロニクスセグメント】
●第2世代高品質パワー半導体用SiCエピウェハーを開発
パワー半導体用炭化ケイ素エピタキシャルウェハー(SiCエピウェハー)の高品質グレード「ハイグレードエピ(HGE)」
をさらに高品質化した第2世代品(HGE-2G)を開発した。
SiCパワー半導体は、現在主流のSi(シリコン)製に比べ耐高温・耐電圧・大電流特性に優れた半導体で、電力制御
に用いるモジュールの軽量・小型化と省エネルギー化を実現する製品として市場が拡大している。鉄道車両向け
モーター駆動インバーター、データセンターのサーバー電源、電気自動車に搭載される充電器および急速充電スタン
ドへの採用が進んでいるほか、2020年代前半には電気自動車のパワーコントロールユニット(PCU)への本格搭載が
見込まれ、今後さらなる需要拡大が期待されている。
今回開発したHGE-2Gでは、エピタキシャル成長プロセスの高度化等により、デバイス初期歩留まりに影響する表面
欠陥密度を当社HGEの1/2以下に、そして、デバイスの信頼性(通電劣化)に影響する基底面転位の基板からの伝播
における変換効率を従来の10倍以上にまで高めた。
SiCエピタキシャルウェハーの世界需要は、2025年に1,500億円規模に拡大すると予想されている。世界最大の外販
メーカーとして急拡大する市場に対し、“ベスト・イン・クラス”をモットーに高信頼性品の開発や積極的な増産投資を
通じ、SiCデバイスの普及に貢献していく。
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セグメント別トピックス
【エレクトロニクスセグメント】
● HDDの次世代記録技術MAMR対応のHDメディアの出荷を開始
ハードディスクドライブ(HDD)の次世代記録技術であるマイクロ波アシスト磁気記録(MAMR)(注1)に対応する1枚当
たり2TBの高容量3.5インチ次世代HDメディアを開発し、2019年に販売を開始した。当社の新技術で開発した本製品
は、東芝デバイス&ストレージ㈱がMAMRを使用して業界最大記録容量(注2)である18TBを実現したニアライン向け
HDDに採用された。
クラウドサービスの普及や動画コンテンツの急拡大により、データを保管するデータセンターではより大容量の
HDDが求められている。世界最大のHDメディア専業メーカーとして、“ベスト・イン・クラス”をモットーに、HDDの記録
容量を左右するキーパーツであるHDメディアにおいて世界最高クラスの製品をいち早く市場に投入してきた。HDDの
さらなる高容量化に貢献していく。
(注1) MAMR方式:マイクロ波アシスト磁気記録方式(Microwave Assisted Magnetic Recording)のことで、HDの高容量化のため、情報を書き込む
ときだけ磁性層にマイクロ波を当てて一時的に保磁力を下げ記録をアシストする技術
(注2) 2019年2月11日時点
【無機セグメント】
● カーボン事業 欧州生産拠点での設備改善工事投資を決定
2019年5月、黒鉛電極事業の連結子会社「SHOWA DENKO CARBON Holding GmbH」の欧州拠点において、
「同一品質でのグローバル供給体制の確立」を目的とした設備改善工事の実施を決定した。設備改善工事および
品質向上活動は2020年末まで実施予定で、投資額は約50億円。
黒鉛電極事業は、米国、欧州、日本、中国、東南アジアに生産拠点を構え、高品質黒鉛電極市場でグローバル
トップのシェアを有し、BIS40(注)(統合の相乗効果)と各生産拠点における安定供給とコスト最適化を注力施策として
いる。お客様にとっての“Value in Use No.1”の達成を目指し、競争力と収益性の高い事業を実現するための施策を
実行していく。
(注) BIS40:当社および米国拠点(Showa Denko Carbon,Inc.)と、2017年に買収した旧SGL GE Holding GmbH (現SHOWA DENKO CARBON
Holding GmbH)の統合によるシナジーを最大に追求する中期施策。グローバル供給・商流の最適化、原料調達交渉力の向上、生産性が
高くコスト競争力に優れた旧SGLと高品質を誇る昭和電工・大町事業所並びにShowa Denko Carbonの両者の優れている点を相互に取り
入れ、お客様にとってのValue in Use No.1を達成させることで、40億円の経済的効果実現を目標としている。
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セグメント別トピックス
【アルミニウムセグメント】
● アルミ缶事業 ベトナム第3生産拠点設立、国内生産能力適正化
連結子会社「昭和アルミニウム缶㈱」は、2019年4月、ベトナムでの事業拡大を図るため、ベトナム南部バリア・
ブンタウ省に同国で3番目となる生産拠点を新設するとともに、同国北部にある既存工場内の缶蓋ラインの生産能
力増強を行うことを決定した。
同社現地法人ハナキャン社(注)は、北部ハノイ市近郊のバクニン工場に製缶ラインおよび製蓋ライン、中部ダナン
市近郊のクアンナム工場に製缶ラインを有しているが、新たに南部ホーチミン市近郊に年間13億缶の生産
能力を持つ製缶工場を建設するとともに、バクニン工場の缶蓋生産ラインについても年間11億枚の生産能力を増強
する。これによりハナキャン社は、ベトナム全土をカバーする3拠点の年間生産能力が缶体は31億缶、缶蓋は33億
枚に拡大する。なお、投資額は新工場の建設と缶蓋ラインの増設を併せて約70億円を見込み、生産開始は2020年7
月を予定している。
また、国内アルミ缶事業については、国内市場の変化に適応するため、2019年5月、国内に保有する3拠点のうち
小山工場および彦根工場の生産ラインの一部停止を決定し、2020年6月を目途に国内生産能力を現状の6割程度
に適正化する。国内アルミ缶事業は販売価格の地金連動フォーミュラ化を推進し、収益基盤の安定化を図る。
(注)ハナキャン・ジョイント・ストック・カンパニー(当社連結子会社)
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