4004 昭電工 2019-11-06 17:30:00
2019年第3四半期 決算説明資料 [pdf]
こころと社会を“動かす”企業
昭和電工株式会社
2019年第3四半期 決算説明資料
2019年11月6日発表
取締役 執行役員 CFO
竹内 元浩
本資料に掲載されている業績予想等の将来に関する記述は、本資料の発表日現在において入手可能な情報及び将来の業績に影響を与える
不確実な要因に係る本資料発表日現在における仮定を前提としています。なお、法令に定めのある場合を除き、当社はこれらの将来予測に基づく
記述を更新する義務を負いません。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。業績に影響を与える要素
には、経済情勢、ナフサ等原材料価格、黒鉛電極等製品の需要動向及び市況、為替レートなどが含まれますが、これらに限定されるものではありま
せん。
連結対象会社
連結子会社: 63社 〔前期末対比:+5社 (新規9社・除外4社)、6月末対比:+7社*(新規8社、除外1社 )〕
【新規】 【除外】
(エレクトロニクス)昭光エレクトロニクス㈱ PT.ショウワ・エステリンド・インドネシア(石油化学、清算)
(化学品)GMM関連: GMM Development Holdings Limited*、 昭和電工カーボン・上海有限公司(無機、清算)
GMM Coatings Private Limited* 、 ショウティック・シンガポールプライベイト・リミテッド (アルミニウム、清算)
Zhuhai Sunbright New Materials Co., Ltd.*、 ショウワ・アルミナム・コーポレーション・オブ・アメリカ*
ILAG関連: HC Holding Beta AG*、 Industrielack Holding AG*、 (アルミニウム、合併)
Industrielack AG*、易能涂料(上海)有限公司*、
易能瑞中新材料(上海)有限公司*
持分法適用会社: 11社 (前期末対比、6月末対比:増減なし)
主要諸元 (期中平均)
2018年 2019年 増減
1-9月 7-9月 1-9月 7-9月 1-9月 7-9月
為替レート
(円/US$) 109.6 111.5 109.2 107.4 0.5円高 4.1円高
(円/€) 131.0 129.6 122.7 119.3 8.3円高 10.3円高
国産ナフサ (円/KL) 50,050 53,500 42,250 40,200 △7,800 △13,300
アルミ地金
LME (US$/T) 2,163 2,067 1,829 1,788 △334 △279
国内市況 (千円/T) 296 289 251 244 △45 △45
(国内市況価格は日本経済新聞掲載値)
※2018年12月期末レート 111.0 円/US$ 2019年9月期末レート 107.9 円/US$ ⇒ 3.1円高
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連結業績の概要
2018年1-9月 対 2019年1-9月 (億円)
2018年1-9月 2019年1-9月 増減
売上高 7,249 6,956 △294
営業利益 1,345 1,093 △252
営業外損益 △3 △17 △14
金融収支 △7 1 8
持分法投資損益 10 2 △7
為替差損益 2 △2 △4
その他 △8 △19 △11
経常利益 1,342 1,076 △266
特別利益 5 22 16
特別損失 △31 △43 △12
税金等調整前四半期純利益 1,317 1,055 △262
法人税等 △279 △222 57
四半期純利益 1,037 833 △205
非支配株主に帰属する四半期純利益 △45 △23 21
親会社株主に帰属する四半期純利益 993 810 △183
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特別損益の内訳
(億円)
2018年1-9月 2019年1-9月 増減
特別利益 5 22 16
固定資産売却益 1 7 6
投資有価証券売却益 3 13 11
子会社清算益 2 - △2
その他 0 2 1
特別損失 △31 △43 △12
固定資産除売却損 △24 △19 5
減損損失 △1 △13 △12
その他 △6 △11 △5
特別損益 △25 △21 4
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連結売上高差異内訳 (億円)
2018年 2019年
増減 項目
1-9月 1-9月
オレフィン:減収(前年実施の大型定修なく数量増、市況低下)
石油化学 1,916 1,896 △20 有機:減収(酢ビ・酢エチ:市況低下)
サンアロマー:小幅増収
基礎化学品:小幅減収(AN:市況低下、
アンモニア・クロロプレンゴム:前年同期並み)
化学品 1,151 1,156 5 情報電子化学品:減収 (数量減)
産業ガス、機能性化学品:小幅増収
コーティング材料:新規連結
HD:減収(主に上期数量減)
エレクトロ レアアース:減収(構造改革)、化合物半導体:減収(数量減)
ニクス
853 700 △153 リチウムイオン電池材料:減収(数量減)
SiCエピタキシャルウェハー:増収(数量増)
セラミックス:減収 (汎用アルミナ:数量減)
無機 1,922 1,901 △20 電極:増収(減産による数量減も国際市況上昇)
圧延品:減収(コンデンサー用高純度箔:数量減)
アルミニウム 811 737 △74 機能部材:減収(自動車部材・産業機器向け数量減)
アルミ缶:前年同期並み
その他 1,017 958 △59 昭光通商:減収
調整額 △420 △392 27
合計 7,249 6,956 △294
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
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連結営業利益差異内訳
(億円)
2018年 2019年
増減 項目
1-9月 1-9月
オレフィン:減益(定修差改善、ナフサ価格下落による受払差悪化、
アジア需給軟化によるスプレッド圧縮)
石油化学 155 133 △22 有機:増益(酢ビ:数量増)
サンアロマー:増益(数量増)
基礎化学品:小幅増益
情報電子化学品:減益(数量減)
化学品 126 95 △31 産業ガス:減益(数量減、西日本供給タイトで輸送費高)
機能性化学品:前年同期並み
HD:減益(数量減)
エレクトロ レアアース:前年同期並み、化合物半導体:減益(数量減)
ニクス
108 30 △78 リチウムイオン電池材料:減益(数量減)
SiCエピタキシャルウェハー:減益(開発費負担増)
セラミックス:減益(数量減)
無機 979 849 △130 電極:減益(減産による数量減)
圧延品:減益(コンデンサー用高純度箔:数量減)
アルミニウム 40 14 △26 機能部材:減益(自動車部材・産業機器向け数量減)
アルミ缶:増益
その他 14 9 △4 昭光通商:増益
調整額 △77 △37 40
合計 1,345 1,093 △252
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
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連結営業利益差異内訳
(億円)
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連結業績の概要(7-9月対比)
(億円)
2018年7-9月 2019年7-9月 増減
売上高 2,691 2,201 △490
営業利益 566 238 △328
営業外損益 △0 △11 △11
金融収支 △3 △1 1
持分法損益 4 △3 △7
為替差損益 7 △2 △9
その他 △8 △4 4
経常利益 566 228 △339
特別利益 0 3 3
特別損失 △11 △13 △2
税金等調整前四半期純利益 556 218 △338
法人税等 △127 △60 67
四半期純利益 429 158 △271
非支配株主に帰属する四半期純利益 △16 △7 9
親会社株主に帰属する四半期純利益 413 151 △262
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 8
連結売上高差異内訳(7-9月対比)
(億円)
2018年 2019年
増減 項目
7-9月 7-9月
オレフィン:減収(市況低下)
石油化学 762 621 △141 有機:減収(酢ビ・酢エチ:市況低下)
サンアロマー:減収(市況低下)
基礎化学品、産業ガス、機能性化学品:前年同期並み
化学品 405 421 16 情報電子化学品:減収(数量減)
コーティング材料:新規連結
HD:減収(数量小幅減)
エレクトロ レアアース:減収(構造改革)、化合物半導体:減収(数量減)
ニクス
286 254 △32 リチウムイオン電池材料:減収(数量減)
SiCエピタキシャルウェハー:減収(輸出数量減)
セラミックス:減収(汎用アルミナ、研削材、ファインセラミックス:数量減)
無機 757 474 △283 電極:減収(減産による数量減)
圧延品、機能部材:減収(数量減)
アルミニウム 278 247 △31 アルミ缶:前年同期並み
その他 344 315 △29 昭光通商:減収
調整額 △141 △131 10
合計 2,691 2,201 △490
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 9
連結営業利益差異内訳(7-9月対比)
(億円)
2018年 2019年
増減 項目
7-9月 7-9月
オレフィン:減益(市況低下)
石油化学 81 48 △33 有機:減益(酢ビ・酢エチ:市況低下)
サンアロマー:増益(原料価格低下の原価転嫁へのタイムラグ)
基礎化学品:増益(発電事業:発電量増)
情報電子化学品:減益(数量減)
化学品 49 40 △9 産業ガス:小幅減益
機能性化学品:前年同期並み
HD:減益(上期数量減による在庫受払差)
エレクトロ レアアース、化合物半導体:減益(数量減)
ニクス
48 20 △28 リチウムイオン電池材料:減益(数量減)
SiCエピタキシャルウェハー:減益(開発費負担増)
セラミックス:減益(研削材、ファインセラミックス:数量減)
無機 398 131 △267 電極:減益(減産による数量減、原料価格上昇の売上原価顕現)
圧延品、機能部材:減益(数量減)
アルミニウム 14 9 △4 アルミ缶:増益(原価改善)
その他 4 3 △1
調整額 △27 △13 14
合計 566 238 △328
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 10
連結貸借対照表 (億円)
2018年 2019年 2018年 2019年
資産 増減 負債・純資産 増減
12月末 9月末 12月末 9月末
現預金 1,132 1,197 65 営業債務 1,394 1,076 △319
営業債権 2,037 1,623 △414 有利子負債 2,880 3,046 166
たな卸資産 1,528 1,744 216 退職給付に係る負債 220 121 △99
その他 268 269 1 その他 1,602 1,266 △336
流動資産計 4,965 4,833 △133 負債計 6,096 5,509 △588
建物・構築物 788 802 14 資本金 1,406 1,406 0
機械装置・運搬具 1,468 1,395 △72 資本剰余金 789 789 0
土地 2,350 2,368 18 利益剰余金 1,977 2,571 594
その他有形固定資産 179 259 81 自己株式 △117 △117 △0
有形固定資産計 4,784 4,824 40 株主資本計 4,055 4,649 594
無形固定資産 150 221 72 その他有価証券評価差額金 75 91 16
投資その他の資産 851 814 △37 繰延ヘッジ損益 8 △1 △9
(内、投資有価証券) 719 704 △15 土地再評価差額金 333 330 △3
為替換算調整勘定 71 △20 △91
退職給付に係る調整累計額 △82 △68 14
その他の包括利益累計額計 404 332 △73
非支配株主持分 194 202 8
固定資産計 5,785 5,859 75 純資産計 4,653 5,183 530
資産合計 10,750 10,692 △58 負債・純資産合計 10,750 10,692 △58
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 11
総資産・有利子負債・D/Eレシオ・自己資本比率
2018年12月末 2019年9月末 増減
総資産 10,750億円 10,692億円 △58億円
有利子負債 2,880億円 3,046億円 166億円
D/Eレシオ 0.62倍 0.61倍 0.01p減
自己資本比率 41.5% 46.6% 5.1p増
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 12
連結有利子負債等の推移
5,000
D/Eレシオ
(億円)
4,500 1.20 1.20 1.16
4,000 0.94
3,500 3,831
3,688 0.62 0.61
3,599 0.58
3,467
3,000
3,046
2,500 2,880 2,862
2,000
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2019年
6月末 9月末
自己資本比率 29.7% 31.5% 31.8% 34.3% 41.5% 45.6% 46.6%
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 13
(ご参考)連結業績の概要(2Q、3Q対比)
(億円)
2019年4-6月 2019年7-9月 増減
売上高 2,408 2,201 △207
営業利益 401 238 △163
営業外損益 6 △11 △16
金融収支 1 △1 △3
持分法損益 10 △3 △13
為替差損益 △1 △2 △1
その他 △5 △4 1
経常利益 406 228 △179
特別利益 15 3 △12
特別損失 △23 △13 10
税金等調整前四半期純利益 399 218 △180
法人税等 △67 △60 7
四半期純利益 332 158 △174
非支配株主に帰属する四半期純利益 △5 △7 △2
親会社株主に帰属する四半期純利益 327 151 △176
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 14
(ご参考)連結売上高差異内訳(2Q、3Q対比)
(億円)
2019年 2019年
増減 項目
4-6月 7-9月
オレフィン:減収(市況低下)
石油化学 648 621 △27 有機:減収(酢ビ、酢エチ:市況低下)
サンアロマー:減収
基礎化学品:増収(発電事業:数量増、アンモニア:数量増)
情報電子化学品:増収(数量増)
化学品 375 421 46 産業ガス:増収(季節性による数量増)
機能性化学品:前四半期並み
コーティング材料:新規連結
HD:増収(数量増)
エレクトロ レアアース、化合物半導体:小幅減収
ニクス
240 254 14 リチウムイオン電池材料:減収(数量減)
SiCエピタキシャルウェハー:減収(数量減)
セラミックス:減収(数量減:研削材)
無機 703 474 △229 電極:減収(減産による数量減)
圧延品:前四半期並み
アルミニウム 253 247 △6 機能部材:小幅減収
アルミ缶:小幅減収
その他 319 315 △3 昭光通商:小幅減収
調整額 △130 △131 △1
合計 2,408 2,201 △207
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 15
(ご参考)連結営業利益差異内訳(2Q、3Q対比)
(億円)
2019年 2019年
増減 項目
4-6月 7-9月
オレフィン:減益(スプレッド縮小)
石油化学 45 48 3 有機:減益(酢ビ、酢エチ:市況低下)
サンアロマー:増益
基礎化学品:前四半期並み
情報電子化学品:増益(数量増)
化学品 31 40 9 産業ガス:増益(季節性による数量増)
機能性化学品:小幅増益
HD:増益(数量増)
エレクトロ レアアース、化合物半導体:小幅減益
ニクス
12 20 8 リチウムイオン電池材料:小幅減益
SiCエピタキシャルウェハー:小幅減益
セラミックス:前四半期並み
無機 323 131 △193 電極:減益(減産による数量減)
圧延品:小幅増益
アルミニウム 2 9 7 機能部材:前四半期並み
アルミ缶:増益
その他 3 3 0
調整額 △16 △13 2
合計 401 238 △163
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 16
(ご参考)2019年業績推移
(億円)
1-3月 4-6月 7-9月 1-9月 通期予想
(8月7日公表)
売上高 2,347 2,408 2,201 6,956 9,800
営業利益 454 401 238 1,093 1,450
経常利益 442 406 228 1,076 1,420
親会社株主に帰属
331 327 151 810 900
する四半期純利益
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 17
(ご参考)四半期別連結営業利益推移
全 社
(億円) 2019年推移
2018年推移
700
600 566
500
454 455
436
401
400
343
300
238
200
100
0
1Q 2Q 3Q 4Q
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 18
(ご参考)セグメント別営業利益推移
石油化学セグメント 化学品セグメント
(億円) 2019年推移 (億円)
2019年推移
90 2018年推移 90 2018年推移
81
60 60
48 49 49 48
45
40 41 41 40
33 36
31
30 30
24
0 0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 19
(ご参考)セグメント別営業利益推移
エレクトロニクスセグメント 無機セグメント
(億円) 2019年推移 (億円) 2019年推移
90 2018年推移 500 2018年推移
80
70 395 398
400
60 346
333 323
50 48 300
248
40
30 30
30 27 200
20
20 131
12
10 100
0
1Q △ 3 2Q 3Q 4Q
△ 10 0
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」
1Q 2Q 3Q 4Q
に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 20
(ご参考)セグメント別営業利益推移
アルミニウムセグメント その他セグメント
2019年推移 2019年推移
(億円) (億円)
2018年推移 2018年推移
30 30
25 25
20 20
15 14 14 15
13
10 9 9 10
7
5 5 4 4
3 3 3 3 3
2
0 0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
(注)2019年よりSiCエピタキシャルウェハー事業を「その他」から「エレクトロニクス」
に移管いたしました。2018年実績は新セグメントに組み替えて表示しております。
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 21
セグメント別トピックス
(第2四半期決算後に実施・決定した主な施策)
【全社施策】
●温室効果ガス(GHG)の2030年削減目標の設定と、GHG国際基準への準拠
本年7月、温室効果ガス(GHG)の削減強化のため、中期の削減目標を設定するとともに、気候変動対策に対す
るグローバルな情報開示を重視し、2018年度の公表数値から、国際基準である「GHGプロトコル」に準拠することを
決定した。
これに基づき、2030年における当社グループ国内事業所のGHG排出量の削減目標を、2013年比11%減と定め
た。また2018年度より、GHG排出量は国内外のグループ会社も含め、GHGプロトコルに沿って、事業者で発生する
直接排出量(Scope1)、外部から購入した電力・蒸気等の使用に伴う間接排出量(Scope2)、サプライチェーンでの
排出量(Scope3)を統合報告書・CSRサイト等で公表した。
加えて、地球温暖化防止対策を経営の根幹に据えて推進するため、2020年より社内炭素価格制度(ICP) (注)を
導入し、GHG排出量の削減を投資判断の要素に組み入れる。
今後も環境に配慮した生産設備・技術の導入や積極的な環境対策の推進、資源循環型社会を支える製品の
供給などにより、豊かさと持続性が調和する社会への貢献を目指していく。
(注) Internal Carbon Pricing:CO2に炭素税が課されていると仮定し、事業や設備投資を検討する際に、低炭素という要素に価値を
認め、より低炭素な投資に誘導する仕組み
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 22
セグメント別トピックス
【全社施策】
●ノンスティック・コーティングメーカーILAG社を買収
本年7月、ノンスティック・コーティング剤(NSC)を製造・販売するILAG社(スイス)の全株式を取得した。
NSCは、調理器具や家電製品などの消費財向け製品や、自動車部品・産業機器などの工業製品に塗布される、
焦げ付きや汚れ防止を目的とした材料で、世界市場規模は約1,300億円(注)と推定される。
ILAG社は、消費財向けNSC市場において世界第4位に位置し、50ヶ国以上に製品を供給している。当社は、2016
年11月に消費財向けNSC大手のGMMグループを買収しており、ILAG社とグローバル市場において販売地域の補完
など多くのシナジー効果が期待できる。今回の買収により、当社NSC事業は60百万ドルの売上規模となり、特に
消費財向け市場において世界的な競争力を有す。
機能性化学品事業でコーティング材料向け原料を販売しており、高機能コーティングの材料・処方、評価方法に
知見を有している。NSCにはフッ素樹脂系、シリコン系、セラミックス系の種類があり、当社の幅広い事業・製品・
技術を組み合わせることで、最適なソリューションの提供が可能となる。
(注) 2019年5月、当社発表時の推定
●アルミニウム合金とポリカーボネート樹脂の直接接合技術を確立
アルミニウム合金とポリカーボネート樹脂を、接着剤を用いずに直接接合する技術を開発した。
金属と樹脂の接合は、ボルト等で締結する機械的接合や、接着剤を用いた接着接合が主流だが、射出成形時に
金属素材と直接接合することで、工程の簡略化、高い生産性、複雑形状でも加工可能などの優位性が期待される
金属樹脂直接接合技術が注目されている。これまではアンカー効果などの機械的結合力に依存するため、ポリカー
ボネート樹脂のような非晶性エンジニアリングプラスチックとの接合は難しいとされていたが、特殊表面処理とプライ
マーの知見を応用し、ポリカーボネート樹脂との直接接合を可能にした。本技術はアンカー効果だけではなく、化学
結合力も併せ持つ画期的な接合方法で、一般的なポリカーボネート樹脂の成形条件で25MPa(メガパスカル) 以上
の十分な接合強度を示す実験結果が得られている。
本技術は汎用性の高いポリカーボネート樹脂と軽量なアルミニウムを接合できることから、スマートフォンの筐体
用途に適用可能。今後は接合強度・耐久性を高める開発を進め、より耐熱性の高いスーパーエンジニアリングプラ
スチックへ応用し、自動車部品用途での実用化を目指す。
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 23
セグメント別トピックス
【全社施策】
●総務省および経済産業省より「革新的データ産業活用計画」の認定を取得
当社の情報プラットフォーム構築計画が、本年7月に「革新的データ産業活用計画」に認定された。「革新的デー
タ産業活用計画」は、生産性向上特別措置法第22条の規定に基づき、一定のサイバーセキュリティ対策が講じられ
たデータ連携・利活用により、労働生産性・投資利益率の観点で生産性を向上させる投資計画を総務大臣および
経済産業大臣が認定する制度で、認定を受けた計画に基づく設備投資は、税額控除や特別償却の税制支援を
受けることができる。
SAP SE社製の統合基幹業務システム「SAP S/4HANA」を導入し、グローバルに展開する各拠点の販売、会計、
購買に関する情報を一元的に管理できるグローバル経営の情報プラットフォーム構築を計画している。今回、「SAP
S/4HANA」で一元管理するデータを、新たに構築する販売ターゲットシステムおよび損益シミュレーションシステム
へ連携して分析する計画が、プロアクティブな経営を実現するものと評価された。
中期経営計画「The TOP 2021」において、「CUSTOMER Experienceの最大化」を経営戦略とし、それを支える
事業基盤強化のひとつとして「AI/IoT活用」を掲げている。情報プラットフォームの整備・活用により、グループ経営
の一層の効率化、製品とサービスが融合した優れたソリューションの提供を目指していく。
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 24
セグメント別トピックス
【石油化学セグメント】
●化粧品原料 1,3-BGの事業化を決定
本年10月、主に化粧品原料として使用される1,3-ブチレングリコール(以下、1,3-BG)の事業化を決定した。大分
コンビナート内に2019年末までに製造設備を完成させ、2020年4月の販売開始を予定している。
1,3-BGは、保湿成分として幅広く化粧品に配合されており、アジアの化粧品需要増加に伴い、年10%の需要
伸長が見込まれる(注) 。アジアを中心とする化粧品市場の成長を原料供給面から支える。また1,3-BGに化粧品原料
として求められる品質を独自技術により実現し、大分コンビナートにてエチレンから一貫生産する。
今後も新規誘導品の事業化、アセチル系製品やコンビナート内外との事業連携強化などにより収益力を高め、
東アジア地域で最高レベルの競争力を持つ石油化学事業を目指していく。
(注) 当社推定
【化学品セグメント】
●トヨタ自動車が中国で販売するハイブリッド車向けに発電モーター封止用BMCを供給
トヨタ自動車㈱が中国国内で販売を開始したハイブリッド車(カローラハイブリッド、レビンハイブリッド)の発電モー
ターの封止材向けに熱硬化性成形材料(BMC(注1))の出荷を開始した。
当社のBMCは、高熱伝導性、高絶縁性、耐熱性、高流動性、寸法安定性、耐薬品性という特長を有し、トヨタ社の
プリウスなどハイブリッド車の発電モーター封止材に使用されている。今回、同社の中国市場向け2車種のモデル
チェンジに際し、電動車パワートレーンを現地で開発・生産する方針に対応し、グループ会社「上海昭和高分子有限
公司」よりトヨタ自動車(常熟)部品有限会社へBMCの供給を開始した。
中国では、環境保護の取り組みを強化するため2019年よりNEV規制(注2)を施行しているが、ハイブリッド車を低燃
費車とみなして普及を図り環境対策を加速させる動きがあり、今後、中国でのハイブリッド車市場の拡大が見込ま
れている。
(注1) BMC:Bulk Molding Compound
(注2) 自動車メーカーに一定数の「新エネルギー車(NEV)」の生産を義務付ける規制
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 25
セグメント別トピックス
【エレクトロニクスセグメント】
●第2世代高品質パワー半導体用SiCエピウェハーを開発
パワー半導体用炭化ケイ素エピタキシャルウェハー(SiCエピウェハー)の高品質グレード「ハイグレードエピ
(HGE)」をさらに高品質化した第2世代(HGE-2G)を開発した。
SiCパワー半導体は、現在主流のSi(シリコン)製に比べ耐高温・耐電圧・大電流特性に優れた半導体で、電力制
御に用いるモジュールの軽量・小型化と省エネルギー化を実現する製品として市場が拡大している。データセンター
のサーバー電源、電気自動車に搭載される充電器および高速充電スタンドへの採用が進んでいるほか、2020年代
前半には電気自動車のパワーコントロールユニット(PCU)への本格搭載が見込まれ、今後さらなる需要拡大が期
待されている。
近年のSiCエピウェハーの品質向上とデバイスプロセスの高度化によりSiC-MOSFETが実用化され、より効率の
良いフルSiCインバーターの普及が始まっている。特に、電気自動車および鉄道車両向けモーター駆動インバー
ターモジュールでは100A級の大電流を一つのデバイスで扱うため、SiCエピウェハーから生産されるチップが大型化
されるが、生産時の収率(歩留まり)悪化を防ぐため、エピウェハーの表面欠陥密度は0.1個/cm2以下に抑える必要
がある。
今回開発したHGE-2Gでは、エピタキシャル成長プロセスの高度化等により、デバイス初期歩留まりに影響する表
面欠陥密度を従来製品の1/2以下に、そして、デバイスの信頼性(通電劣化)に影響する基底面転位の基板からの
伝播における変換効率を従来の10倍以上にまで高めた。
SiCエピタキシャルウェハーの世界需要は、2025年に1,500億円規模に拡大すると予想されている。世界最大の外
販メーカーとして、“ベスト・イン・クラス”をモットーに、急拡大する市場に対し、高信頼性品の開発や積極的な増産
投資を通じ、SiCデバイスの普及に貢献するとともに、個性派事業への成長を図る。
昭和電工㈱2019年第3四半期決算説明資料 26