4004 昭電工 2021-02-18 09:30:00
2020年12月期 決算説明資料 [pdf]
こころと社会を“動かす”企業
昭和電工株式会社
2020年12月期 決算説明資料
2021年2月17日決算発表
代表取締役 常務執行役員 CFO
竹内 元浩
本資料に掲載されている業績予想等の将来に関する記述は、本資料の発表日現在において入手可能な情報及び将来の業績に影響を与える
不確実な要因に係る本資料発表日現在における仮定を前提としています。なお、法令に定めのある場合を除き、当社はこれらの将来予測に基づく
記述を更新する義務を負いません。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。業績に影響を与える要素
には、新型コロナウィルス感染症拡大が世界経済に与える影響、経済情勢、ナフサ等原材料価格、黒鉛電極等製品の需要動向及び市況、為替
レートなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
2020年12月期決算概況
売上高 9,737億円(前年比672億円増)、営業利益△194億円(前年比1,402億円減)
・売上高:昭和電工マテリアルズの第3四半期からの新規連結により増収、
既存事業は無機、石油化学セグメントを中心に減収
・営業利益:エレクトロニクスセグメントは増益も、
無機セグメントの大幅な減益が響き、前年から大幅減益
・昭和電工マテリアルズセグメントを新設
売上高は3,027億円、営業利益は一時的費用により△63億円となった
2020年12月期決算に影響を与えた主な特殊要因 (詳細は5p)
新型コロナウィルス関連の営業利益への影響 186億円
昭和電工マテリアルズとの統合関連費用 389億円
株主還元
1株当たり配当金は65円を予定(2020年期末)
昭和電工㈱2020年決算説明資料 2
連結対象会社
連結子会社: 151社 (前期末対比 +90社)
+91社 昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)連結化関連(90社)、昭和電工光半導体
△1社 欧州拠点統合(昭和電工ヨーロッパを昭和電工カーボン・ホールディングへ吸収合併)
持分法適用会社: 13社 (前期末対比 +2社)
+2社 昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)関係会社(2社)
主要諸元
(期中平均)
2019年 2020年 増減
通期 10-12月 通期 10-12月 10-12月
為替レート
(円/US$) 109.1 108.8 106.8 104.5 2.2円高 4.3円高
(円/€) 122.1 120.3 121.8 124.5 0.3円高 4.2円安
国産ナフサ (円/KL) 42,000 41,300 32,800 31,300 △9,200 △10,000
アルミ地金
LME 1,811 1,758 1,728 1,931 △84 173
(US$/T)
国内市況 (千円/T) 250 246 232 252 △18 6
(国内市況価格は日本経済新聞掲載値)
※2019年12月期末レート 109.6 円/US$ 2020年12月期末レート 103.5 円/US$ ⇒ 6.1円高
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連結業績の概要 (億円)
2019年 2020年 増減
売上高 9,065 9,737 672
営業利益 1,208 △194 △1,402
営業外損益 △15 △245 △230
金融収支 3 △46 △49
持分法投資損益 7 12 5
為替差損益 △7 △30 △23
その他 △18 △182 △164
経常利益 1,193 △440 △1,633
特別利益 29 84 55
特別損失 △243 △327 △84
税金等調整前当期利益 979 △683 △1,661
法人税等 △226 32 257
当期純利益 753 △651 △1,404
非支配株主に帰属する当期純利益 △22 △112 △90
親会社株主に帰属する当期純利益 731 △763 △1,494
EBITDA 1,586 585 △1,001
17.5% 6.0% △11.5%
1株当たり当期純利益 501円03銭 △523円06銭 △1,024円09銭
1株当たり配当金 130円 65円(予定) △65円
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通期業績に与えた特殊要因
(億円)
主な項目 内訳 2020年通期 (10-12月)
石油化学 受払差 ナフサ価格低下に伴う受払差、タイムラグ要因 △45 +20
黒鉛電極 低価法 市況低下に伴う棚卸資産低価法による簿価切り下げ △172 +16
新型コロナウィルス関連の営業利益への影響 △186 △82
アドバイザリー費用・弁護士費用等 (営業費用) △35 -
買収後統合費用(以下、PMI費用) ※ (営業費用) △47 △22
資金調達関連費用・登録免許税等 (営業外) △161 △0
昭和電工マテリ
アルズとの 株式取得にかかる借入金の利息等 (営業外) △51 △21
統合関連費用
商号変更費用 (特別損失) △7 △3
優先株配当 (非支配株主持分) △88 △32
統合関連費用計 △389 △78
特別損失 カーボン事業マイティンゲン拠点閉鎖 △51 0
特殊要因 合計 △843 △124
※買収後統合費用:買収後の統合効果を最大化するための経営・業務等の統合プロセス関連費用
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昭和電工マテリアルズセグメント のれん等償却費、
ステップアップ調整四半期別計上額
(億円)
2020年
7-9月 10-12月 7-12月
のれん・無形固定
60※3 112 172
資産の償却
棚卸資産
0※3 109 109
ステップアップ ※1
小計(営業費用) 60※3 221 280
投資その他の資産※2
0 11 11
(営業外)
合計 60※3 232 291
※1.棚卸資産ステップアップにかかる売上原価への調整額
2.持分法投資(投資有価証券)にかかるステップアップ
3.第3四半期末時点では、PPA作業及びスクイーズアウト手続きが完了していないため、この2件を反映させない暫定処理の金額。
PPA: Purchase Price Allocation(取得原価の配分)
M&Aにおいて取得原価を買収した会社の資産や負債に配分する企業結合会計基準上の評価手続き
昭和電工㈱2020年決算説明資料 6
特別損益の内訳 (億円)
2019年 2020年 増減
特別利益 29 84 55
固定資産売却益 7 30 23
投資有価証券売却益 17 50 32
その他 5 5 0
特別損失 △243 △327 △84
固定資産除売却損 △52 △30 22
事業構造改善費用 △17 △59 △42
減損損失 △157 △166 △9
その他 △18 △73 △54
特別損益 △214 △243 △29
減損損失(2020年) 内訳
セグメント 事業 金額
セラミックス事業 △62億円
無機
カーボン事業 △26億円※ ※事業構造改善費用他に計上
アルミニウム アルミニウム圧延品事業 △88億円
その他 △10億円
合計 △185億円
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資産のスリム化
(統合新会社の長期ビジョン*:短中期シナジー)
(億円)
目標額
2020年実績
(~2021年)
運転資本の改善
サプライチェーンの改善を通じた棚卸資産 250 426
の圧縮 等
有価証券の売却
200 227
政策保有株式の売却
その他資産売却
50 77
関連会社の株式売却、遊休資産の売却
全社計 500 731
*2020年12月10日公表。
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セグメント別売上高・営業利益差異内訳(1)
(億円)
2019年 2020年 増減
オレフィン:減収(市況低下、数量減)
売上高 2,507 1,934 △573 有機:減収(酢ビ・酢エチ:定修に伴う数量減、市況低下)
サンアロマー:減収(市況低下、数量減)
石油化学
オレフィン:減益 (ナフサ価格下落に伴う受払差、数量減)
営業利益 172 49 △123 有機:減益(酢ビ・酢エチ:数量減、市況低下)
サンアロマー:減益(数量減)
基礎化学品:減収(アンモニア、クロロプレンゴム:数量減、
AN:数量減、市況低下)
売上高 1,575 1,558 △17 情報電子化学品:増収 (数量増)
産業ガス:減収(炭酸ガス数量減)
機能性化学品:減収(数量減)
化学品 コーティング材料:増収、前年下期新規連結
基礎化学品:減益(AN・クロロプレンゴム:減益、アンモニア:増益)
営業利益 137 135 △2 情報電子化学品:増益(数量増)
産業ガス:前年並み
機能性化学品:減益(数量減)
HD:減収(数量減)
売上高 964 974 10 化合物半導体:増収(輸出数量増)
リチウムイオン電池材料:増収(SPALF®数量増)
エレクトロ SiCエピタキシャルウェハー:増収(国内数量増)
ニクス HD:前年並み
営業利益 49 91 43 化合物半導体:増益(輸出数量増)
リチウムイオン電池材料:増益(SPALF®数量増)
SiCエピタキシャルウェハー:増益(国内数量増)
売上高 2,301 829 △1,472 セラミックス:減収(自動車・鉄鋼向け研削材:数量減)
電極:大幅減収(減産強化による数量減、市況低下)
無機 セラミックス:増益(前年低価法)
営業利益 893 △323 △ 1,216 電極:大幅減益(棚卸資産低価法による簿価切り下げ、
減産強化による数量減、市況低下)
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セグメント別売上高・営業利益差異内訳(2)
(億円)
2019年 2020年 増減
圧延品:減収(コンデンサー用高純度箔:数量減)
売上高 975 802 △174 機能部材:減収(自動車・OA/FA業界向け部材:数量減)
アルミ アルミ缶:減収(国内・ベトナム:数量減)
ニウム 圧延品:小幅増益
営業利益 17 4 △13 機能部材:減益(数量減)
アルミ缶:減益(国内・ベトナム:数量減)
昭和電工 売上高 - 3,027 3,027 2020年第3四半期期首より昭和電工マテリアルズの売上高および
損益を取り込み
マテリ
△63 △63 株式取得に伴って計上したのれん等の償却費や
アルズ 営業利益 - 棚卸資産ステップアップ計280億円を含む
(218) (218) ※括弧内はのれん等償却費、棚卸資産ステップアップ除く参考値
売上高 1,262 1,073 △189 昭光通商:減収(金属セラミックス事業等市況低下)
その他
営業利益 18 12 △6 昭光通商:減益
売上高 △520 △460 60
調整額
営業利益 △78 △100 △22 昭和電工マテリアルズとの統合費用
売上高 9,065 9,737 672
合計
営業利益 1,208 △194 △1,402
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連結営業利益差異内訳
(億円)
△194
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連結貸借対照表 (億円)
2019年 2020年 2019年 2020年
資産 増減 負債・純資産 増減
12月末 12月末 12月末 12月末
現預金 1,221 1,990 769 営業債務 1,175 1,644 468
営業債権 1,703 2,716 1,013 有利子負債 3,032 10,601 7,570
たな卸資産 1,737 1,902 165 退職給付に係る負債 100 247 148
その他 310 618 308 その他 1,263 2,363 1,099
流動資産計 4,971 7,226 2,256 負債計 5,569 14,855 9,286
建物・構築物 771 1,423 652 資本金 1,406 1,406 0
機械装置・運搬具 1,403 2,220 817 資本剰余金 789 782 △7
土地 2,240 2,646 406 利益剰余金 2,492 1,656 △837
その他有形固定資産 317 982 665 自己株式 △117 △117 0
有形固定資産計 4,732 7,271 2,540 株主資本計 4,571 3,727 △844
のれん 33 3,592 3,559 その他有価証券評価差額金 98 37 △61
その他無形固定資産 193 2,392 2,199 繰延ヘッジ損益 4 9 5
無形固定資産計 226 5,984 5,758 土地再評価差額金 331 290 △40
投資その他の資産 835 1,554 719 為替換算調整勘定 41 △5 △46
(内、投資有価証券) 718 1,064 346 退職給付に係る調整累計額 △51 1 52
その他の包括利益累計額計 423 333 △90
非支配株主持分 201 3,121 2,921
固定資産計 5,793 14,810 9,016 純資産計 5,194 7,181 1,986
資産合計 10,764 22,036 11,272 負債・純資産合計 10,764 22,036 11,272
当社は日立化成㈱ (現 昭和電工マテリアルズ㈱)を第2四半期末をみなし取得日として連結財務諸表に取り込んでおります。第3四半期より有利子負債残高にリース債務を含めており、
前期末残高に遡及しております。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 12
連結有利子負債等の推移
D/Eレシオ
(億円) 調整後ネットD/E レシオ
11,000 10,601
10,223
10,000 2.42
9,000
8,000 1.84
1.72
7,000
6,000 1.16
0.94
5,000
0.62 0.61
4,000 3,599 3,467
2,880 3,032
3,000
2,000 0.36
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2020年
6月末 12月末
自己資本比率 31.8% 34.3% 41.5% 46.4% 20.0% 18.4%
※当社は、第3四半期より有利子負債残高にリース債務を含めており、前期末残高並びに当第2四半期末残高に遡及しております。
また、D/Eレシオの表示につき、昭和電工マテリアルズ㈱の連結子会社化に伴い、2020年12月期第3四半期から、以下の通りの表示といたしております。
連結貸借対照表の非支配株主持分に計上されている、子会社HCホールディングス発行の優先株について、その資本性を考慮し、50%相当額を有利子負債、
自己資本それぞれに加算します。また、有利子負債につきましては、リース債務を加えるとともに、現預金を控除したネット有利子負債を使用します。
尚、優先株の50%の資本性につきましては、2020年4月21日付㈱日本格付研究所の格付に基づいています。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 13
連結キャッシュ・フロー
(億円)
2019年 2020年 増減
営業キャッシュ・フロー 786 1,093 307
投資キャッシュ・フロー △482 △9,300 △8,819
フリー・キャッシュ・フロー 304 △8,208 △8,512
財務キャッシュ・フロー △185 8,965 9,151
その他 △30 4 34
現預金増減額 89 762 673
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セグメント別設備投資・減価償却
(億円)
2019年 2020年 増減
設備投資 減価償却 設備投資 減価償却 設備投資 減価償却
石油化学 44 41 51 42 7 1
化学品 114 93 114 95 0 2
エレクトロニクス 105 93 83 94 △22 1
無機 117 80 81 83 △36 2
アルミニウム 85 48 97 45 12 △3
昭和電工
- - 231 215 231 215
マテリアルズ※
その他 38 21 34 32 △4 11
全社計 502 377 691 606 188 229
※PPA (Purchase Price Allocation:取得原価の配分)の結果生じた無形固定資産の償却費除き
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主要諸元
2021年
2019年 2020年 増減 増減
予想
為替レート
(円/US$) 109.1 106.8 2.2円高 105.0 1.8円高
(円/€) 122.1 121.8 0.3円高 125.0 3.2円安
国産ナフサ 42,000 32,800 △9,200 33,200 400
(円/KL)
アルミ地金LME 1,811 1,728 △83 1,700 △28
(US$/T)
有利子負債(億円) 3,032 10,601 7,570 10,300 △301
金融収支(億円) 3 △46 △49 △93 △47
研究開発費(億円) 206 344 138 530 186
期末従業員(人) 10,813 33,684 22,871 32,221 △1,463
総人件費(億円) 859 1,422 563 1,993 571
(注)連結ベースの数字で記載しております。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 16
連結業績予想 (億円)
2020年 2021年 2021年予想
増減
実績 予想 上期 下期
売上高 9,737 12,800 3,063 6,300 6,500
営業利益 △194 450 644 110 340
営業外損益 △245 △100 145 △50 △50
経常利益 △440 350 790 60 290
特別利益
△243 △200 43 △100 △100
特別損失
当期純利益 △651 0 651 △90 90
親会社株主に
帰属する当期純利益 △763 △140 623 △160 20
585 1,651 1,066
EBITDA
6.0% 12.9% 6.9%
1株当たり当期純利益 △523円06銭 △95円97銭 427円09銭
1株当たり配当金 65円(予定) 65円 0円
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2021年通期連結業績予想に織り込んだ特殊要因
(億円)
一時的な費用 計 △188
化学品セグメント △11
アルミニウムセグメント △11
新型コロナウィルス関連
昭和電工マテリアルズセグメント △157
他 △9
継続的な費用 計 △294
買収後統合費用(PMI費用) (営業費用) △80
昭和電工マテリアルズ
株式取得にかかる借入金の利息等 (営業外) △85
との統合関連費用
優先株配当 (非支配株主に帰属する当期純利益) △129
通期特殊要因 合計 △482
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昭和電工マテリアルズのPPA結果及び償却処理について
(億円)
償却額
認識額 償却期間 2020年 2021年
実績 予想
無形固定資産 2,159 81 161
顧客関連資産 1,549 20年 39 77
技術関連資産 571 7年 41 82
その他 39 20年 1 2
のれん 3,651 20年 91 183
小計(営業費用) 5,810 172 344
投資その他の資産
持分法投資(投資有価証券) 449 20年 11 22
(営業外:持分法投資損益)
合計 6,259 183 366
※PPA: Purchase Price Allocation(取得原価の配分)
M&Aにおいて取得原価を買収した会社の資産や負債に配分する企業結合会計基準上の評価手続き
昭和電工㈱2020年決算説明資料 19
セグメント別売上高・営業利益予想(1)
(億円)
2020年 2021年 増減 2021年予想
コメント
実績 予想 予想
上期 下期
売上高 1,934 1,960 26 オレフィン:アジア需給堅調・
エチレンプラントフル稼働 960 1,000
石油化学
営業利益 49 115 66 20年のナフサ要因解消、
スプレッド改善 45 70
売上高 1,558 1,660 102 基礎化学品・産業ガス:COVID-19
790 870
化学品 影響改善
電子材料用高純度ガス:堅調
営業利益 135 155 20 65 90
売上高 974 1,100 126 HD:データセンター向けニアライン 470 630
エレクトロ 用HD数量増
化合物半導体:数量増
ニクス リチウムイオン電池材料:SPALF®
営業利益 91 125 34 数量増 25 100
カーボン:減収(販売数量増、市況
売上高 829 770 △59 は徐々に改善も年平均では下落)
セラミックス:減収(研削材は回復 370 400
鈍い)
無機
営業利益 △323 30 353 カーボン:増益(販売数量増)
セラミックス:小幅減益 0 30
昭和電工㈱2020年決算説明資料 20
セグメント別売上高・営業利益予想(2) (億円)
2020年 2021年 増減 2021年予想
コメント
実績 予想 予想
上期 下期
アルミ
売上高 802 580 △222 圧延品・アルミ缶:上期のみの
損益計上 420 160
ニウム 営業利益 4 35 31 アルミ機能部材:増益(数量増) 25 10
21年:連結通期寄与
売上高 3,027 6,100 3,073 20年の一過性要因(棚卸資産
ステップアップ)解消、 3,000 3,100
昭和電工 半導体関連材料は、市場成長を
マテリ 上回る好調持続、自動車生産回
△63 100 163 復に加え、新規採用車種向け
アルズ 営業利益 数量増 10 90
(218) (444) (226) ※括弧内はのれん等償却費、棚卸資
産ステップアップ除く参考値
売上高 1,073 1,110 37 530 580
その他
営業利益 12 10 △2 5 5
売上高 △460 △480 △20 △240 △240
調整額
営業利益 △100 △120 △20 △65 △55
売上高 9,737 12,800 3,063 6,300 6,500
合計
営業利益 △194 450 644 110 340
昭和電工㈱2020年決算説明資料 21
連結キャッシュ・フロー予想
(億円)
2020年 2021年予想 増減予想
営業キャッシュ・フロー 1,093 1,350 257
投資キャッシュ・フロー △9,300 △750 8,550
フリー・キャッシュ・フロー △8,208 600 8,808
財務キャッシュ・フロー 8,965 △600 △9,565
その他 4 0 △4
現預金増減額 762 0 △762
昭和電工㈱2020年決算説明資料 22
セグメント別設備投資・減価償却予想
(億円)
2020年 2021年予想 増減予想
設備投資 減価償却 設備投資 減価償却 設備投資 減価償却
石油化学 51 42 29 43 △22 1
化学品 114 95 74 98 △40 3
エレクトロニクス 83 94 157 95 74 1
無機 81 83 84 82 3 △1
アルミニウム 97 45 49 48 △48 3
昭和電工
231 215 524 456 293 241
マテリアルズ※
その他 34 32 28 33 △6 1
全社計 691 606 946 855 255 249
※PPA (Purchase Price Allocation:取得原価の配分)の結果生じた無形固定資産の償却費除き
昭和電工㈱2020年決算説明資料 23
(ご参考)連結総人員の推移と国内海外人員割合
(人)
40,000
33,684
30,000
15,290 国内
20,000
10,146 10,864 10,476 10,813
10,000 海外
6,087 18,394
6,075 5,843 5,951
4,071 4,777 4,633 4,862
0
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
国内割合 59.9% 56.0% 55.8% 55.0% 45.4%
海外割合 40.1% 44.0% 44.2% 45.0% 54.6%
昭和電工㈱2020年決算説明資料 24
(ご参考)連結業績の概要(3Q、4Q対比)
(億円)
2020年7-9月 2020年10-12月 増減
売上高 3,094 3,377 284
営業利益 104 △40 △144
営業外損益 △39 △32 8
金融収支 △18 △19 △1
持分法損益 6 2 △4
為替差損益 △19 △11 7
その他 △9 △3 5
経常利益 64 △72 △136
特別利益 4 59 55
特別損失 △37 △206 △169
税金等調整前四半期純利益 32 △218 △250
法人税等 △24 73 98
四半期純利益 7 △145 △153
非支配株主に帰属する四半期純利益 △38 △41 △3
親会社株主に帰属する四半期純利益 △31 △186 △156
366 282 △84
EBITDA
11.8% 8.4% △3.4%
昭和電工㈱2020年決算説明資料 25
(ご参考)セグメント別売上高・営業利益差異内訳(1)
(3Q、4Q対比)
(億円)
2020年 2020年
増減
7-9月 10-12月
オレフィン:増収 (数量増、市況上昇)
売上高 468 508 40 有機:増収(酢ビ・酢エチ:数量増)
サンアロマー:前四半期並み
石油化学
オレフィン:減益(ナフサ要因)
営業利益 50 36 △13 有機:増益(数量増)
サンアロマー:減益
基礎化学品:増収(アンモニア、クロロプレンゴム:数量増)
情報電子化学品:増収 (数量増)
売上高 410 428 18 産業ガス:小幅減収
機能性化学品:増収
化学品 コーティング材料:前四半期並み
基礎化学品:増益(アンモニア、クロロプレンゴム、AN:増益)
営業利益 43 42 △1 情報電子化学品、機能性化学品:前四半期並み
産業ガス:減益
コーティング材料:小幅減益
HD:増収(数量増)
売上高 241 287 45 化合物半導体:前四半期並み
リチウムイオン電池材料:増収(SPALF®数量増)
エレクトロ SiCエピタキシャルウェハー:増収(数量増)
HD:増益(数量増)
ニクス
営業利益 30 43 13 化合物半導体:前四半期並み
リチウムイオン電池材料:増益(数量増)
SiCエピタキシャルウェハー:増益(数量増)
売上高 183 216 33 セラミックス:増収(自動車・鉄鋼業界向け研削材:数量増)
電極:増収(数量増)
無機
セラミックス:減益
営業利益 △33 △61 △28 電極:減益(数量増も市況低下)
昭和電工㈱2020年決算説明資料 26
(ご参考)セグメント別売上高・営業利益差異内訳(2)
(3Q、4Q対比)
(億円)
2020年 2020年
増減
7-9月 10-12月
圧延品:増収(コンデンサー用高純度箔:数量増)
売上高 196 217 22 機能部材:増収(自動車向け部材:数量一部回復)
アルミ アルミ缶:小幅減収
ニウム 圧延品:増益(数量増)
営業利益 △1 7 8 機能部材:増益(数量増)
アルミ缶:減益
昭和電工 売上高 1,448 1,579 131 電子材料・配線板材料:増収(半導体関連材料堅調)
モビリティ部材、蓄電デバイス・システム:増収(自動車生産回復)
マテリ
28 △91 △119 売上増が増益要因となるも、のれん等償却費の増加や棚卸資産ス
アルズ 営業利益 テップアップにより減益
(88) (130) (42) ※括弧内はのれん等償却費、棚卸資産ステップアップ除く参考値
売上高 245 273 28 昭光通商:増収
その他
営業利益 1 6 4
売上高 △98 △131 △33
調整額
営業利益 △14 △23 △8
売上高 3,094 3,377 284
合計
営業利益 104 △40 △144
昭和電工㈱2020年決算説明資料 27
(ご参考)四半期別連結営業利益推移
全 社 石油化学セグメント
(億円) 2020年推移 (億円) 2020年推移
600 2019年推移 90 2019年推移
500 454
401
400 60
48 50
300 45
40 39 36
238
200 30
104 115
100
25
0 0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q△ 2 2Q 3Q 4Q
△ 100 △ 40
△ 200 △ 30
△ 35
△ 300
△ 283
△ 60
昭和電工㈱2020年決算説明資料 28
(ご参考)セグメント別営業利益推移
化学品セグメント エレクトロニクスセグメント
(億円) 2020年推移 (億円) 2020年推移
90 2019年推移 90 2019年推移
80
70
60 60
43 50
41 42 43
40
40
31 30
30 27 30
24 23
20 19
20
10 12
10 8
0 0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
△ 10 △3
昭和電工㈱2020年決算説明資料 29
(ご参考)セグメント別営業利益推移
無機セグメント アルミニウムセグメント
(億円) 2020年推移 (億円) 2020年推移
500 2019年推移 30 2019年推移
395 25
400
323 20
300
15
200
10 9
131 7
100
5 3 3
44 2
8 0
0 0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q △ 1 4Q
△ 33 △3
△ 100 △ 61 △5
△ 200
△ 238
△ 300
昭和電工㈱2020年決算説明資料 30
(ご参考)セグメント別営業利益推移
昭和電工マテリアルズセグメント その他セグメント
(億円) 2020年推移 (億円) 2020年推移
200 30 2019年推移
(ご参考)のれん償却・ 25
150 ステップアップ除き
130 20
100 15
88
10 9
50 6
28 5 3 2 3 3 3
1
0 0
1Q 2Q 3Q 4Q
1Q 2Q 3Q 4Q
△ 50
△ 100 △ 91
*当社は昭和電工マテリアルズ㈱を連結子会社とし、
2020年第3四半期期首より売上高および損益を取り込んでおります。
昭和電工㈱2020年決算説明資料
31
セグメント別トピックス
【全社施策】
2020年4月、「日立化成株式会社」に対する公開買付により同社を子会社とした。
2020年10月、同社は商号を「昭和電工マテリアルズ株式会社」に変更した。
詳細は、2020年4月21日付および同年6月23日付の開示資料をご参照ください。
●統合新会社の長期ビジョン(2021~2030)を策定
昭和電工マテリアルズ(株)との統合により将来に向けて成長の基盤を確立するための“統合新会社の長期ビジョ
ン(2021~2030)”を2020年12月10日に発表した。「化学の力で社会を変える」を統合新会社の存在意義(パーパス)
として定め、先端材料パートナーとして、時代が求める機能を創出し、グローバル社会の持続可能な発展に貢献して
いく。また、目指す姿として「世界で戦える会社」「持続可能なグローバル社会に貢献する会社」の2つを掲げ、実現
に向けて邁進する。
今後は、2021年7月に指揮命令系統やコーポレート機能を統合する実質統合を、そして2023年1月に法人格の統
合を目指していく。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 32
セグメント別トピックス
【全社施策】
● 「The Valuable 500」に加盟
2020年9月、障がい者インクルージョン推進の国際イニシアチブである「The Valuable 500」の考え方と取り組みに
賛同し、加盟文書に署名した。
「The Valuable 500」は、「インクルーシブなビジネスはインクルーシブな社会を創る」という考えのもと立ち上げられ
た障がい者インクルージョンを推進する国際イニシアチブで、障がい者がビジネス・社会・経済にもたらす潜在的な
価値を発揮できるように、ビジネスリーダーが自社のビジネスを障がい者インクルーシブにする改革を起こすことを
目的としている。
「昭和電工グループは、障がいの有無に関わらず全ての従業員が会社という舞台で輝き続けることができるよう、
ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、こころを、社会を動かし、世界にもっと驚きや感動を届けてまいりま
す。」
1.昭和電工グループは「オンリーワンの個性を、チカラに変える。」を、障がい者インクルージョン推進のスローガ
ンに掲げ、障がいや病気のある社員を含む一人ひとりが、心理的安全性を感じられ、チカラを発揮できるインク
ルーシブな職場づくりに取り組みます。
2.障がいがあっても、チカラを発揮できる環境や機会、個性に応じたキャリアビジョン、これらを実現するための
サポートを提供します。
3.障がいのある社員の雇用(障がい者インクルージョン)について目標を定めて促進します。
当社グループは、持続可能な社会に貢献するため、「多様な人材が互いの個性・価値・アイデアを活かし合い、協
働することにより、利益や新たな価値を創造し続ける力を持つ組織・個人になること」を目的に、ダイバーシティ&イ
ンクルージョンの推進に今後とも積極的に取り組んでいく。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 33
セグメント別トピックス
【全社施策】
●使用済プラスチックのケミカルリサイクル事業の環境への貢献が高く評価
当社川崎事業所において容器包装リサイクル法に基づく使用済プラスチック(容リプラ)を化学原料にリサイクルする「プラ
スチックケミカルリサイクル事業」を2003年より行っており、受け入れた容リプラを高温でガス化して分子レベルまで分解し、
水素(低炭素水素)と二酸化炭素へ転換、低炭素水素は主にアンモニアの原料に、二酸化炭素はドライアイスや炭酸飲料
向けに使用している。
ガス化ケミカルリサイクル用途では、世界で唯一の長期商業運転実績を有する技術で、本プラントでは年間約6万トンの
使用済みプラスチックを熱分解によりガス化し、上記化学品の原料として利用するほか、2015年からは環境省の委託実証
事業として、燃料電池車やホテルに設置された燃料電池での発電用として供給するなど、低炭素社会実現に向けた取り組み
にも貢献している。
本ケミカルリサイクル事業は、2020年2月、フジサンケイグループ主催「第29回地球環境大賞」(注1)においては、使用済プラス
チックを焼却処理しないことによるCO2排出削減だけでなく、陸上での資源循環を推進し、海洋流出するプラスチックの削減に
寄与する取り組みであることが評価されて「日本経済団体連合会会長賞」を、同年11月、グリーン購入ネットワーク(注2)主催
「第21回グリーン購入大賞」(注3)においては、本事業が使用済みプラスチックの処理問題や地球温暖化対策、循環型社会の
構築に貢献する有益な取り組みであることが評価され、「大賞・経済産業大臣賞」をそれぞれ受賞した。
当社グループは、本事業を始め、鉄のリサイクルに必ず使われる黒鉛電極の世界各地への供給や、回収済アルミ缶を新た
なアルミ缶として製造するアルミ缶リサイクル活動(can-to-can)に日本で初めて取り組むなど、環境に配慮した事業活動を
積極的に推進している。
(注1) 1992年に産業界を対象とする顕彰制度として、フジサンケイグループが公益財団法人世界自然保護基金(WWF)ジャパンの特別協力を
得て創設した賞。本制度は地球温暖化防止や循環型社会の実現に寄与する新技術・新製品の開発、環境保全活動・事業の促進や、地球
環境に対する保全意識の一段の向上を目的としており、これらに関して顕著な功績が認められる企業などに贈られる。
(注2)グリーン購入が環境配慮型製品の市場形成に重要な役割を果たし、市場を通じて環境配慮型製品の開発を促進し、ひいては持続可能な
社会の構築に資する極めて有効な手段であるという認識のもと、 グリーン購入に率先して取り組む企業、行政、民間団体等の緩やかなネッ
トワークとして1996年に設立。
(注3)SDGs(持続可能な開発目標)の目標の1つに位置付けられた「目標12:持続可能な消費と生産」を踏まえ、グリーン市場の拡大に貢献した
取り組み・SDGsの目標達成に寄与する取り組みを実行する団体を表彰。1998年に創設され、表彰対象の取り組みは時代に合わせて進化
し、第21回目に当たる今回は、「プラスチック資源循環特別部門」が設けられ、社会的課題であるプラスチック問題の解決に寄与する取り
組みも表彰対象となった。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 34
セグメント別トピックス
【全社施策】
●人工知能(AI)を用いた設備投資審査知見活用システムを導入
生産設備等投資の社内審査において、これまでの審査で蓄積された設備の安全・安定稼働に関わる知見をより
有効的、効率的に活用するため、人工知能(AI)を用いたデータベース検索システム「KIBIT(注)」を導入し、2020年1月
末より運用を開始した。
KIBITは、専門家や業務熟練者が備える“暗黙知”を再現した人工知能で、添付ファイルを含む文書情報から、キー
ワードだけでなく文脈からも文章の特徴を捉えて類似性の判断が可能で、審査員の経験に依存することなく過去の
類似案件を抽出できる。社内の導入テストでは、類似案件の検索から類似性判断までの時間が従来の1/10近くにま
で短縮できる効率性の高さを確認した。また、複数の類似案件を同時に抽出でき、設備安全対策に関わる知見を
最大限活用することが可能となる。
今後、本システムを設備投資時審査で本格運用するとともに、生産現場の事故・異常情報にも応用展開する検討
を進めていく。
(注)㈱FRONTEOが開発した、同社独自の機械学習アルゴリズムを用いた人工知能。高い自然言語処理技術を持ち、少量の教師データで短時間
での高精度な解析が可能なことを特長とする。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 35
セグメント別トピックス
【化学品セグメント】
●電子材料用高純度ガス事業 中国での事業強化を推進
半導体市場は第5世代移動通信(5G)など情報通信分野の発展により成長を続け、中国市場は政府による産業
育成策などにより急速に拡大している。中国における半導体市場需要の成長に向け、以下の通り、半導体製造工程
に用いられる電子材料用高純度ガス事業の拡大策を積極的に進めている。
2020年1月、連結子会社「上海昭和電子化学材料有限公司(SSE)」の隣接地に高純度N2O(亜酸化窒素)および
高純度C4F8(オクタフルオロシクロブタン)の生産設備と、高圧ガス危険物倉庫を建設することを決定した。
2020年11月、成都科美特特種気体有限公司と合弁で「成都科美特昭和電子材料有限公司」を四川省成都市に
設立し2021年1月より営業開始。同社は高純度CF4(FC-14、テトラフルオロメタン)の最終製造工程を担う。
2020年12月、中国における3つ目の営業・物流拠点として、陝西省西安市に「上海昭和化学品有限公司」の分公司
を設立し営業を開始した。
台湾においても、連結子会社「台湾昭和化学品製造股份有限公司」において高純度C4F8の生産設備を新設し2020
年5月に稼働を開始した。
今後も“顧客密着”“地産地消”を基本にカスタマーエクスペリエンスを最大化し、旺盛な需要が継続する電子材料
用高純度ガス市場に積極的に対応して事業拡大を図っていく。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 36
セグメント別トピックス
【化学品セグメント】
●上海のビニルエステル樹脂・合成樹脂エマルジョンの生産ライン増設を完了
2020年6月、中国での機能性樹脂事業の拡大を図るため、連結子会社「上海昭和高分子有限公司」において、
ビニルエステル樹脂、合成樹脂エマルジョンの生産能力を約2倍に引き上げる生産ライン増設工事を実施し生産を
開始した。
5Gの進展など情報通信分野の発展による液晶ディスプレイやタッチパネルなどの電子材料市場の拡大に伴い、
これらの部材の生産に使用されるビニルエステル樹脂の中国国内の需要も急速に拡大している。さらには優れた
耐食性、耐薬品性を有することから、大気汚染防止のために導入が進んでいる火力発電所の排煙脱硫装置、電子
材料工場の排水処理設備、ごみ処理設備や化学品貯蔵タンク等の腐食防止内面ライニング用としても需要拡大が
続いている。
また中国では、環境保護強化の一環として2015年から揮発性有機化合物(VOC)規制が始まり、有機溶剤を使用し
た塗料や接着剤などの利用が厳しく制限されるようになったことから、水系の塗料や接着剤への切り替えが進んで
おり、それらに使用されるエマルジョンの需要も拡大している。
●リチウムイオン電池のセパレーター用セラミック耐熱層用バインダー PNVA®『GE191シリーズ』の展開を
本格化
2020年10月よりリチウムイオン電池(以下、LIB)のセパレーターのセラミック耐熱層用バインダー用に最適化した
ポリ-N-ビニルアセトアミド(PNVA®)「GE191シリーズ」の展開を本格化した。PNVA®は、当社が世界で唯一工業化に
成功したN-ビニルアセトアミドを重合した水溶性高分子で、200℃の高温処理でも劣化しない耐熱性や、金属酸化物
粒子をより均一に分散・安定させる特長を有している。「GE191シリーズ」は、セラミック耐熱層の要求特性に応えた
グレードとして、耐熱層の高耐熱化と薄膜化に貢献する。塗工層の高耐熱化によりリチウムイオン電池の安全性・耐
久性を向上させることができるバインダーとして評価され、車載用リチウムイオン電池にも採用されている。
世界のLIB市場は5GやCASEの進展により今後も高い成長が予想されている。当社は、PNVA®や水系バインダー
樹脂ポリゾール®、パウチ型LIB用包材のSPALF®、正負極材添加剤VGCF®など、LIBの高性能化に貢献する多くの
製品を有しており、お客様の要望に応える最適なソリューションを提供してさらなる事業拡大を目指していく。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 37
セグメント別トピックス
【エレクトロニクスセグメント】
●HDDの次世代記録技術HAMR対応のHDメディアの製造技術を開発
ハードディスクドライブ(HDD)の次世代記録技術である熱アシスト磁気記録(HAMR)(注)に対応する次世代HDメディ
アの製造技術を開発した。
クラウドサービスの普及や動画コンテンツの急拡大により世界のデータ量は急拡大しており、大量のデータを保管
するデータセンターではより大容量のHDDが求められている。
HDメディアは磁性体粒子の極性により情報を記録するが、従来の磁気記録方式はデータ記録密度の向上スピード
が鈍化しており、HAMR等の新しい記録方式と、それらに対応する次世代HDメディアが求められている。
HAMR対応HDDの製品化に貢献するため、現在の最先端HDメディアの数倍もの高い保磁力を有しながら、結晶粒
径の微細化と最適な分散制御により低ノイズを実現し、電磁変換特性・耐久性ともに業界最高レベルに達するHDメ
ディアの製造に成功した。
世界最大のHDメディア専業メーカーとして、“ベスト・イン・クラス”をモットーに、HDDの記録容量を左右するキー
パーツであるHDメディアにおいて世界最高クラスの製品をいち早く市場に投入し、HDDのさらなる高容量化に貢献し
ていく。
(注)HAMR(Heat Assisted Magnetic Recording):微細な粒子構造、耐熱揺らぎ性能、磁化のしやすさの3要素を同時に満足させることが困難な
状態を指す「磁気記録のトリレンマ」を解決するために、記録時に磁性膜を局所的に加熱して記録する方法。従来の磁気記録方法を用いた
HDメディアの記録密度が約1.14Tb/in2であるのに対し、HAMR技術を使用した場合、将来には5~6Tb/in2を実現できると言われており、同じ
ディスク枚数であれば、3.5インチHDD1台当たり70~80TB程度の記録容量が実現可能と想定されている。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 38
セグメント別トピックス
【エレクトロニクスセグメント】
●「パワー半導体用SiCエピウェハーがデンソー製 燃料電池自動車向け次期型昇圧用パワーモジュー
ルに採用」
2020年12月、パワー半導体の材料である当社のSiCエピタキシャルウェハーの6インチ品が、㈱デンソー製の燃料
電池自動車向け次期型昇圧用パワーモジュールに採用された。
当社のSiCエピウェハーは、2009年の上市以来、その高い品質によりシステムサーバー電源や太陽光発電、高速
充電スタンド、鉄道車両など様々な用途に採用されており、今回、これまでの採用実績や、業界最高水準の特性均
一性、低欠陥密度など高い品質を評価頂き、採用に至った。
SiCパワー半導体は、現在主流のシリコンパワー半導体に比べ高電圧特性・大電流特性に優れ、電力損失を大幅
に削減できることから、電力制御に用いるモジュールの高効率化を実現する製品として、電気自動車に搭載される
充電器及び高速充電スタンドや鉄道車両等への採用が進み、2025年以降には電気自動車のパワーコントロールユ
ニットへ本格搭載も見込まれ、今後さらなる需要拡大が期待されている。
世界最大の外販SiCエピウェハーメーカーとして、“ベスト・イン・クラス”をモットーに、急拡大する市場に高性能で
高い信頼性を持つ製品を供給し、SiCデバイスの普及に貢献していく。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 39
セグメント別トピックス
【エレクトロニクスセグメント】
●リチウムイオン電池向け包材「SPALF®」、車載大型製品向け量産設備導入を決定
連結子会社「昭和電工パッケージング㈱」は、リチウムイオン電池(LIB)の包材であるアルミラミネートフィルム
「SPALF®」について、車載向けなど大型用途向けに特化した新製品を開発し、量産化設備の導入を決定した。新設備
は2021年3月に稼働の予定。
SPALF®は、樹脂とアルミ箔をラミネートしたフィルムで、パウチ型LIBの包材として使用される。パウチ型LIBは形状
の自由度が高く軽量で、近年は品質の高さが認められて安全性の評価が進んでいることから、電気自動車(EV)向け
を始めとした大型用途でも採用が拡大している。
中国に続き欧州でもEV開発が進み、パウチ型LIB包材の需要は高まっており、LIB全体の世界需要(容量ベース)
は、2025年まで年率30%の成長が予想(注)されている。
SPALF®をはじめ、正負極材添加剤VGCF®、水系バインダー樹脂ポリゾール®をLIB部材として取り揃え、これらの
製品の拡販を通じて、LIB市場の成長や高機能化に貢献するとともに、先端電池材料分野における個性派事業の
確立を目指す。
(注)当社推定
昭和電工㈱2020年決算説明資料 40
セグメント別トピックス
【無機セグメント】
●黒鉛電極事業ドイツ生産拠点の閉鎖について
2020年6月、連結子会社「SHOWA DENKO CARBON Products Germany GmbH & Co. KG」および「SHOWA
DENKO CARBON Germany GmbH」のドイツ・マイティンゲンにある黒鉛電極の継手(注)の生産拠点閉鎖について、
労使協議を完了した。当該拠点閉鎖後、継手の生産は大町事業所に集約する。本拠点閉鎖により、当社全体の
生産能力は、年産4万t減少の同21万tになる。
黒鉛電極事業は、高品質UHP市場においてグローバルトップのシェアを有する事業だが、2019年下半期より、
顧客である電炉鋼メーカーにおける黒鉛電極の在庫調整が続いており、特に景気減速が目立つ欧州市場におい
て稼働率の低下が生じている。
さらに、同じく連結子会社のオーストリア・スティーグの生産拠点において、既に期間を限定した一時帰休を実施
しており、本件と併せ欧州での稼働調整を行った。
今後もお客様にとっての“Value in Use No.1”の達成を目指し、これまで以上に競争力と収益性を高めるための
施策を実行していく。
(注)継手:黒鉛電極の本体部分同士を継ぎ足す際の接合部
昭和電工㈱2020年決算説明資料 41
セグメント別トピックス
【アルミニウムセグメント】
●「アルミ缶事業及び圧延品事業の承継 、並びに連結子会社の異動(非子会社化) を含む一連の
取引に関する基本契約締結について」
2021年6月1日及び2021年8月2日を効力発生予定日として、会社分割(吸収分割)によりアルミ缶事業を
100%連結子会社である昭和アルミニウム缶㈱に、アルミ圧延品事業を同100%非連結子会社である昭和電工堺
アルミ㈱に、それぞれ承継することを含む一連の取引に関する基本契約をApollo Global Management Inc.の関連
会社が投資助言するファンドが保有する特別目的会社(総称して「Apollo」)との間で締結することを決定した。
変化の激しい経営環境を踏まえ、持続的成長の実現に向けた経営資源の最適な配分及びポートフォリオ
マネジメントを検討する中で、アルミ缶事業およびアルミ圧延品事業については、あらゆる選択肢を慎重に検討し
た結果、アルミ事業に関する専門的な知見・経営資源を有する事業パートナーのもとで事業拡大を図ることが、
両事業にとって、それぞれの事業に従事する従業員とともに更なる成長を図ることができる、との結論に至り、
世界有数の投資会社として、アルミ関連業界への20年以上にわたる豊富な支援実績を有するApolloとの間で
本基本契約に基づく一連の取引を推進することを決定した。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 42
セグメント別トピックス
【昭和電工マテリアルズセグメント】
●低伝送損失および低そり性を実現する、5G対応プリント配線板用材料の量産開始
連結子会社「昭和電工マテリアルズ㈱」(昭和電工マテリアルズ)は、2020年3月、第5世代移動通信システム(5G)
や先進運転支援システム(ADAS)(注1)、AI等の分野で使用される半導体実装基板に求められる、低伝送損失および
低そり性を実現するプリント配線板用高機能積層材料「MCL-HS200」の量産を開始した。
近年、エレクトロニクス関連製品のIoT化やADAS、AI等の技術革新が進行しているが、これらの普及には高速・
大容量、かつ、低遅延、多数接続を可能にする5Gが不可欠となっている。また、COVID-19の影響で世界的にリモー
トワーク時間が増えるなど、5Gの需要はますます拡大している。この5GやADAS等の分野においては、4Gで使用さ
れてきた電気信号よりも高い周波数帯を使用する必要があるが、電気信号は、周波数を高くすると、大きく減衰する
特性(伝送損失)があり、高周波向けの回路基板には伝送損失を低く抑えることが求められている。また、信号遅延
を低く抑えることも重要である。さらに、スマートフォン等に搭載されるデバイスにおいては、小型化、高機能化が
進行し、それに伴い回路基板も薄型化しており、半導体パッケージの実装時のそりが小さいこと(低そり性)も求めら
れているが、低伝送損失、低信号遅延、低そり性を両立することは難しく、課題となっていた。
そこで昭和電工マテリアルズでは、低極性樹脂材料、低誘電ガラスクロスの適用などにより、伝送損失を低く抑え
る特性(低誘電正接特性)を備えるとともに、比誘電率(注2)を下げ、信号遅延を低減した。また、低熱膨張樹脂の
適用、フィラー高充填化などにより薄型モジュールに要求される優れた低そり性(低熱膨張特性)を実現した。加え
て、昭和電工マテリアルズが保有する半導体パッケージ用基材の低熱膨張化技術と、高速通信用の多層基板材料
の低誘電率化技術を融合することで、低熱膨張特性については熱膨張係数(CTE)10ppm/℃、低誘電率特性につい
ては誘電率(Dk)3.4(10GHz)という、高次元での低伝送損失と低信号遅延、低熱膨張特性の両立を可能にした。
昭和電工マテリアルズは、現在、さらなる低誘電率化と薄型化の実現に向けて開発を進めている。今後も高度な
技術と新製品の開発を通じて、プリント配線板のさらなる高機能化に貢献していく。
(注1)車両の前後や側方に装着したセンサーにより、車両周辺の状況を検知して事故を未然に防ぐシステム。
(注2)電気を帯びた物体に電気力を与える空間(電場)中における、物質内の電子の正負への偏り度合いを表すのが誘電率であり、比誘電率
は、2つの物質の誘電率の比。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 43
セグメント別トピックス
【昭和電工マテリアルズセグメント】
●「台湾でCMP スラリー、プリント配線板用積層材料および感光性ソルダーレジストの生産能力を増強、
韓国においてもCMP スラリーの工場を新設し、拡大する需要に対応」
連結子会社「昭和電工マテリアルズ㈱」は、台湾の連結子会社Showa Denko Semiconductor Materials (Taiwan)
Co., Ltd.(SDSMT)における半導体回路平坦化用研磨材料(CMP スラリー)、プリント配線板用積層材料(プリプレ
グ)および感光性ソルダーレジストの生産能力を増強するとともに、韓国の連結子会社Showa Denko Electronic
Materials (Korea) Co., Ltd.(SDMKR)にCMP スラリーの工場を新設することを決定した。総投資額は約200 億円で、
SDMKR の新工場は2021年10月に、SDSMTでは2022年1月に順次CMP スラリーの生産増強を始め、2023年1月に
プリント配線板用積層材料(プリプレグ)および感光性ソルダーレジストの量産を開始する。これにより、今後ますま
す拡大する需要に対応する。
昭和電工㈱2020年決算説明資料 44