3994 マネーフォワード 2021-06-07 15:35:00
中長期的な企業価値向上のための投資方針に関する説明資料 [pdf]
2021 年6月7日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 マ ネ ー フ ォ ワ ー ド
代表者名 代表取締役社長 CEO 辻 庸 介
(コード番号:3994 東証マザーズ)
問合せ先 取締役執行役員 CFO 金 坂 直 哉
(TEL.03-6453-9160)
中長期的な企業価値向上のための投資方針に関する説明資料
本日付けで別途お知らせしております通り、 本日、当社は株式会社東京証券取引所の承認
を受け、2021 年6月 14 日をもちまして、当社株式の上場市場が東京証券取引所マザーズ市
場から、東京証券取引所市場第一部へ市場変更されることとなりました。
当社グループは、 将来的な企業価値の最大化を目指し、 積極的な先行投資を行っておりま
す。その結果、売上は急速に拡大する一方で、過年度においては損失の計上を続けておりま
す。当連結会計事業年度におきましても、 第1四半期においては営業利益を計上しておりま
すが、通期では営業損失を見込んでおります。
当社グループにおける投資の内容、方針、今後の見通し等につきましては、下記の通りで
す。
1.主要な投資対象
グループ全体における先行投資費用の9割以上は Business ドメインに関するものであり、
会計事務所、中小・中堅企業、個人事業主のユーザー基盤の拡大を企図して、認知強化・新
規顧客獲得のための先行投資費用(営業人件費、広告宣伝費等に関する投資)を継続的に投
下しております。
先行投資にあたっては、費用対効果を検証しながら、営業人員による販促活動、Web マー
ケティング、TVCM 等を実行しております。
2.投資金額
2019 年 11 月期から 2021 年 11 月期にかけての Business ドメインにおける認知強化・新
規顧客獲得のための先行投資費用の内訳は下記の通りです。
(単位:百万円) 2019 年 11 月期 2020 年 11 月期 2021 年 11 月期
実績 実績※2 計画※3
認知強化・新規顧客獲 1,203 3,381 3,073
得のための費用
内、 新規営業にかかる 395 813 1,096
人件費(人数)※1 (82 名) (140 名) (178 名)
内、広告宣伝費 808 2,568 1,977
※1.新規顧客の営業にかかる正社員、契約社員、パート・アルバイトの合計。2020 年 11
月期は、スマートキャンプ株式会社、株式会社アール・アンド・エー・シーの M&A による増
員の影響(+36 名)を含みます。
※2.2020 年 11 月期は、中堅企業向け『マネーフォワード クラウド ERP』の開始に伴い、
一時的に広告宣伝費が大きく増加しました。
※3.2021 年 11 月期の計画は、業績見通しレンジの下限に相当するものです。
3.企業価値向上に向けた投資の狙い及び投資方針・今後の投資計画
当社グループの Business ドメインにおけるサービス提供はサブスクリプション(継続課
金)を原則としており、解約率が低い水準で安定していることから、中長期的な売上期待に
基づき、顧客獲得に対する先行投資が実行可能なモデルになっております。
具体的には、Business ドメインの主要サービスである『マネーフォワード クラウド』
の課金顧客数をベースとした月次解約率は、2020 年 11 月期第4四半期における3か月平
均で 0.8%、2021 年 11 月期第1四半期における3か月平均で 1.0%と、一般的な SMB 向け
SaaS サービスと比べても低い水準となっております。
また、2019 年における国内の会計・給与サービス全体の支出額に占めるクラウド会計及
びクラウド給与への支出額は、それぞれ 18%、12%であり、英国(各 41%、39%) 、米国(各
50%、87%) 、オーストラリア(各 66%、50%) 、ニュージーランド(各 73%、62%)と比較し
て低い水準にとどまっています。 (IDC Worldwide Public Cloud Services Spending
Guide (Jan 2021)をもとに当社集計。 )これらの国では徐々にクラウド化が進んでおり、
日本においても中長期でクラウド化率がさらに向上していくものと考えられます。
このようなビジネスモデル、市場環境を踏まえ、国内 SaaS 市場が急速に拡大する間に積
極的な認知強化・新規顧客獲得のための先行投資を行うことが、中長期的な企業価値・株主
価値の向上に資するとの判断のもと、先行投資を積極的に行ってまいりました。2020 年 11
月期においては、Business ドメインにおいて認知度向上と新規ユーザー候補(リード)の
獲得を企図した TVCM、その他の Web 広告等、総額 3,381 百万円を認知強化・新規顧客獲得
のための先行投資として実行いたしました。2021 年 11 月期においても、総額 3,073 百万円
の認知強化・新規顧客獲得のための先行投資を計画しております。2022 年 11 月期以降にお
いても、 国内 SaaS 市場の状況や、 競合企業との競合状況に加え、 一顧客当たりの獲得費用、
課金顧客の解約率といった財務指標に留意しつつ、顧客数の増加及び顧客当たり単価の向
上による安定的な収益基盤の確立を目指し、 相応の認知強化・新規顧客獲得のための先行投
資の投下を継続してまいります。先行投資の金額については、前述の諸状況、当社グループ
の収益の状況を考慮しつつ、今後も拡大することを想定しております。
現状は、上述の通り国内におけるクラウド会計・給与等の浸透率は低い状況ですが、この
浸透率の水準の高まり、 すなわち市場の成熟に伴い、 相応の利益を計上することが可能にな
るものと見込んでおります。なお、これらの投資は、自己資金及び金融機関からの借入を財
源に行っております。2021 年 11 月期第1四半期末においては、現預金 7,603 百万円を保有
し、 当座貸越枠としても 5,000 百万円を確保しており、 当面投資活動を継続するための十分
な現預金は確保できていると認識しております。
4.当該投資を踏まえた企業グループ全体の業績動向及び今後の見通し等に係る具体的な
内容
連結 EBITDA につきましては、2019 年 11 月期において△2,180 百万円、2020 年 11 月期に
おいて△2,164 百万円を計上いたしました。 2021 年 11 月期においては、積極的な認知強化・
新規顧客獲得のための先行投資は継続するものの、収益基盤の拡大及び広告宣伝費の減少
により、前期に比べ改善する見通しです。なお、広告宣伝費につきましては、2020 年 11 月
期第4四半期において『マネーフォワード クラウド ERP』の開始に合わせ認知強化・新規
顧客獲得のために集中的に投下した影響で、 2021 年 11 月期は前期に比べ相対的に少ない水
準を見込んでおります。
連結営業利益につきましては、2019 年 11 月期において△2,446 百万円、2020 年 11 月期
実績において△2,804 百万円を計上し、2021 年 11 月期においては、△1,196 百万円~△796
百万円を見込んでおります。連結 EBITDA と連結営業損失の主な差分は、M&A に伴うのれん
の償却費となります。
なお、2021 年 11 月期第1四半期においては、事業の順調な進捗により連結営業利益 80
百万円の黒字を計上しておりますが、第2四半期以降は先行投資の加速を見込んでいるこ
とから、期初の業績見通し通り、通期の連結営業損益は△1,196 百万円~△796 百万円の
赤字を見込んでおります。
2022 年 11 月期以降の業績見通しについては現時点では開示しておりませんが、中長期的
な企業価値・株主価値の最大化に向け、積極的な認知強化・新規顧客獲得のための先行投資
を行いつつ、中長期的な収益性の向上を図ってまいります。
以 上