3878 巴川紙 2021-05-14 14:00:00
新中期経営計画策定に関するお知らせ [pdf]
2021 年 5 月 14 日
各 位
会社名
登記社名:株式会社巴川製紙所
コード番号 3878
(URL https://www.tomoegawa.co.jp)
代表者名 代表取締役社長 井上 善雄
問合せ先 取締役専務執行役員
CFO 経営戦略本部長 山口 正明
(TEL 03-3516-3401)
新中期経営計画策定に関するお知らせ
1914年に電気絶縁紙の国産化を目指して創業した株式会社巴川製紙所は、 「化学と電気物性評価
技術の融合」により多角化に成功し、祖業である洋紙事業(主として木材パルプを原材料として紙を抄
造する事業)の連結売上高に占める割合は10%以下まで減少しています。この数年は、IoT や DX と
いった世の中の流れの中で、電子部品や半導体製造装置向けに高まっている「熱・電気・電磁波コント
ロール」等のニーズに応えるべく、抄紙及び塗工技術を活用した様々なシート製品の開発を推進してま
いりました。この度、いくつかの新製品の量産が視野に入って来たことから、当社の立ち位置を明確に
し、更に発展することを企図し、2026 年 3 月期を最終年度とする5年間の新たな中期経営計画を策定
しましたので、お知らせいたします。
計画の詳細につきましては、改めて説明用資料を準備した後、準備出来次第速やかに当社 HP 等で公
開する予定です。
記
1. 半導体市場成長とのリンケージ深化
当社はこれまで、極めて高いシェアを有する半導体用「リードフレーム固定テープ」や、シリコン
ウェハー固定用「静電チャック」など、半導体分野における活動を積極的に展開してまいりました。
この結果、昨今の半導体市場の活況は、当社の電子材料事業においても大いに追い風となっており
ます。こうした状況を踏まえ、さらに、ここ数年、熱コントロール材料の開発を進めてきた結果、
半導体生産工程での利用に加えて、半導体製造装置における特殊材料としての採用が見込める状況
となっております。
今中期計画期間中において半導体市場は拡大が続くという市場見通しに沿い、引き続き、競争力あ
る部材を提供する立場を強化してまいります。
2. 基盤事業における構造改革の完遂
祖業の洋紙事業については、需要の減少と設備老朽化により抜本的対策が不可避の状況です。
また電子材料事業の中でもディスプレイ関連の塗工関連事業は、スマートフォンなどの需要の見通
しが非常に立てにくい中で、安定的な収益力確保が大きな課題となっています。
さらに昨年来のコロナ禍は、グローバルで事業展開するプリンター用トナー事業にとって、ロック
ダウン等によるオフィス・学校での需要の減少など、大きな逆風となりました。
これらの課題に対して、当社は下に示すように、事業ポートフォリオの見直し、生産・営業拠点の
集約・設備休止といった構造改革をこれまで進めてまいりましたが、今後、グループ企業間での設
備共有や更なる設備統合の動きを加速させてまいります。
これらの施策により、固定費を中心とした費用削減を行い、連結売上高営業利益率 5%以上を継続
的に実現できる体質を目指します。
<これまでの構造改革の歩み>
2019 年 12 月 洋紙 7 号抄紙機停機
2020 年 4 月 昌栄印刷株式会社の連結子会社化
2020 年 9 月 米国におけるモノクロトナー生産終了、生産設備除却
2021 年 3 月 大阪営業所廃止
2021 年 5 月 子会社であった日本カード株式会社の株式売却
2021 年度中 洋紙 9 号抄紙機停機(予定)
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3. 機能紙分野での量産展開
これまで当社においては洋紙事業の縮小を進める一方で、強味の一つである抄紙技術の展開として
小型抄紙機を導入し、銅やステンレスといった金属を抄紙技術によりシート化した「金属繊維シー
ト」や少量の木材パルプをバインダーとして機能性材料をシート化する「担持シート」などを機能
紙新製品として展開しております。
今回の中期計画では、新たに環境負荷の面で優れた材料である木材パルプ(セルロース)材料技術
の展開としてセルロースマイクロファイバー製品「CMF」の量産化を目指すなど、機能紙分野にお
いても製品開発から量産段階への移行を加速していくことを重要な課題として、各種施策を織り込
んでおります。
4. 新製品比率の向上
これまで述べた施策を中心に、現状、連結売上高の 13%程度にとどまっている新製品売上高比率
(※)を、最終年度には売上高の 16%程度まで拡大させることを目指します。
(※)当該年度も含む過去 4 年間に上市した製品の連結売上高に占める比率
5. 中期的な経営数値目標
連結合計(金額の単位は百万円)
2022/03 期 2026/03 期
2021/03 期
(予想) (最終年度)
30,768 32,000 36,000 以上
連結売上高
成長率 4.0% CAGR 3%
連結営業利益 ▲15 600 2,000
営業利益率 1.8% 5.5%
連結当期利益 ▲1,152 500 1,400
ROA -2.4% 1.5% 3%以上
上記以外の目標数値
2022/03 期 2026/03 期
2021/03 期
(予想) (最終年度)
〇半導体市場向け売上高
3,600 3,800 5,000 程度
(テープ材料+チャック+新製品)
対前年成長率 5.4% 5.1% CAGR 7%
半導体市場成長率(*1) 5.1% 6.4% 5.0%程度
半導体製造市場成長率(*2) 12.3% 7.2% 5.0%程度
〇新製品比率 13% 13% 16%以上
*1 世界半導体市場統計(WSTS) 2020 年秋季半導体市場予測(2020/12/01)による
*2 日本半導体製造装置協会(SEAJ)半導体・FPD 製造装置需要予測(2021/01/14)による
これらの資料は暦年表示のため、前暦年の数字を記載、ただし斜字部分は当社推定
※上記の予想は、本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業
績は今後様々な要因によって予想数値と異なる場合があります。
以 上
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