3840 PATH 2019-03-28 15:00:00
連結孫会社における仮想通貨交換業者向けカストディ業務用管理システム等の使用許諾権の取得及び顧客預かり資産の譲受に関するお知らせ [pdf]

                                                    2019 年3月 28 日
各     位
                              会 社 名 パ      ス    株    式    会    社
                              代表者名 代表取締役CEO              中原 信一郎
                                          (コード番号 3840 東証二部)
                              問合せ先 執行役員管理本部長             梶川 量由
                                               (TEL.03-6823-6664)




連結孫会社における仮想通貨交換業者向けカストディ業務用管理システム等の使用許
           諾権の取得及び顧客預かり資産の譲受に関するお知らせ


 当社は、本日開催の取締役会において、当社の連結孫会社である Blockshine Singapore
Pte, Ltd.(以下「BS 社」という。)は、BastionPay Technology Pty Ltd(以下「BP 社」と
いう。
  )から、「BP 社」が豪州で展開する仮想通貨交換業者向けカストディ業務用管理シス
テムである Bastion(以下「Bastion 業務」という)とブロックチェーン技術利用キャッシュ
レス推進システムである BastionPay(以下「BastionPay 業務」という)の日本、東南アジ
アでの使用許諾権を取得すること及び豪州で展開する仮想通貨交換業者向けカストディ業
務の顧客の預かり資産を本日譲り受けることについて決議いたしましたので、下記のとお
りお知らせいたします。


                               記


1.事業譲受の目的、理由
 当社連結子会社の Blockshine Japan 株式会社(以下「BJ 社」という。
                                           )及び当社連結孫
会社である BS 社は、それぞれ昨年8月、9月からブロックチェーン技術を活用したプラッ
トフォーム構築、資金調達を目的としたトークンの販売などの一気通貫のコンサルティン
グ業務を開始いたしました。ブロックチェーン関連事業の進捗は、2018 年 11 月 27 日公表
「業務委託契約の移管に関するお知らせ」のとおり、1件のみの受注となっております。な
お、2018 年 12 月 28 日に株式会社アルデプロからブロックチェーン関連事業におけるコン
サルティング業務を受注いたしましたが、2019 年3月 19 日公表の「ブロックチェーン関連
事業の解約についてのお知らせ」のとおり、同社から解約通知を受けました。その進捗は、
現在解約に伴う精算金額の交渉を進めております。


                               1
 当社グループとしては、1件のブロックチェーンコンサルティング業務の受注のみだっ
たことから、更なるブロックチェーン関連事業の拡大には既存のコンサルティング業務に
加え新たな業務での収益の柱を育てることが課題と認識しております。そのため、現在、BP
社が豪州で行っている Bastion 業務と BastionPay 業務について、当社連結孫会社の BS 社
が強みとしている東南アジア及び日本での展開を模索しておりました。
 現状の仮想通貨交換所は個人からの資金受付、取引マッチングサービス、資産管理などす
べての金融機能が一つの企業に集約しすぎている部分があり、さらに収益性があるコイン
販売機能やスプレッドが取れる取引機能に資源が集中する傾向があります。それらの結果、
過去の仮想通貨交換所のハッキング事件のとおり、カストディ業務の脆弱性からくるコイ
ンの流出により、仮想通貨業界全体の混乱が発生しております。そのため、当社グループと
しては、今後仮想通貨業界の発展のためにはカストディ業務の強化が必須であると考えて
おりました。またキャッシュレス推進システムは、東南アジア(シンガポール、マレーシア、
タイ)では政府がキャッシュレス決済の普及に向けて積極的に取り組んでおり、この面から
の追い風を見込めることから、当社グループとしてはビジネスチャンスが大いにあるもの
と考えました。
 一方、対象事業を運営する BP 社の親会社である Blockshine Technology Corporation Pty
Ltd(以下「BT 社」という。)は、様々な業界に対しブロックチェーン技術革新を推進してい
る企業です。サービスとしては、ブロックチェーン技術を活用したソリューションの提供、
ブロックチェーンビジネスコンサルティング、ブロックチェーンテクノロジーコンサルテ
ィングなどを行っております。Bastion 業務については、現在 BP 社が豪州において展開し
ており、すでに 30 を超える豪州の仮想通貨交換所に対してサービスを提供しております。
BP 社は、更なる拡大を図るため今後の戦略として東南アジアへの展開を検討しておりまし
たが、東南アジアのカルチャーやリーガルリスクなどのノウハウがないことを課題として
認識しておりました。そのため、BP 社は東南アジアに強みがあるブロックチェーン関連事
業を展開している企業への事業譲渡、使用許諾権の付与を模索しておりました。
 このような状況化、当社グループと BP 社の戦略が合致したことに伴い、BS 社は Bastion
業務と BastionPay 業務の日本、東南アジアでの使用許諾権の取得と、カストディ業務のノ
ウハウ獲得のため豪州で展開する仮想通貨交換業者向けカストディ業務の預かり資産を BP
社から譲り受けることといたしました。


2.事業展開について
 第1フェーズとして、当該事業は東南アジアを中心に展開していくため、当社連結孫会社
である BS 社が BP 社から Bastion 業務と BastionPay 業務の東南アジアでの使用許諾権を取
得いたします。また既に BP 社が豪州の仮想通貨交換所にカストディサービスを提供してお
りますが、既存顧客のみ当社連結孫会社である BS 社が譲り受けます。豪州における当該事
業は、今回譲り受ける既存顧客の資産保管管理を除き、BP 社が引き続き行います。


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 顧客からの預かり資産は、顧客の承諾により BS 社に引き継がれるため、顧客の承諾が得
られなければ BS 社に預かり資産は引き継がれません。引き継がれなかった預かり資産は、
BS 社は関与せず、BP 社自ら顧客資産の保管及びシステムに関する運営を行います。
 なお、BS 社は、顧客資産の保管のみを行い、Bastion 及び BationPay の運営は BP 社が引
き続き行います。そのため、BS 社は顧客から保管料を受領する一方、BP 社に対してシステ
ムに関する保守等を業務委託することになるためランニングコストが発生いたします。
 第2フェーズとしては、日本展開を検討してまいります。日本における Bastion 業務と
BastionPay 業務の使用許諾権を取得したものの、現時点において仮想通貨における日本国
内の法規制が定まっていないことから、今後法規制が定まった段階で行っていく方針です。


3.取得及び事業譲受の概要
(1)譲受対象事業:
  ①Bastion 業務の日本(排他的)、東南アジア(非排他的)での使用許諾権の取得。
   なお、BS 社は、Bastion の使用許諾権を取得するだけであり、Bastion の運営は BP
  社が引き続き行います。BS 社は顧客から対価を受領する一方、BP 社に対してシステム
  使用料等を支払います。
  ②BastionPay 業務の日本(排他的)
                       、東南アジア(非排他的)での使用許諾権の取得。
   なお、BS 社は、BastionPay の使用許諾権を取得するだけであり、BastionPay の運営
  は BP 社が引き続き行います。BS 社は顧客から対価を受領する一方、BP 社に対してシ
  ステム使用料等を支払います。
  ③豪州で展開する仮想通貨交換業者向けカストディ業務の預かり資産の譲受


(2)譲受対象事業の主要機能と概要:
  ①Bastion 業務:仮想通貨保管(カストディ(注1):
                             )
  a.仮想通貨交換所から、コールドウォレット(注2)として顧客資産を預かる業務
  (注1)カストディとは「保管」を意味し、仮想通貨投資の際に、仮想通貨の保管、管
       理を行う業務のことです。
  (注2)コールドウォレットとは、秘密鍵をオフラインで管理するタイプの仮想通貨ウ
       ォレットのことです。インターネットに繋がれたデバイスは、ハッキングのリ
       スクが常に付きまとうので、アプリウォレットなどと比べると格段にセキュ
       リティの高まった仮想通貨の保管方法です。
  b.本人確認、アンチマネーロンダリング(注3)
                        、テロ資金供与対策(注4)
                                    :
   本人確認、アンチマネーロンダリング、テロ資金供与対策の規制対応
  (注3、4)不自然な取引、振り込め詐欺などの不正口座取引、反社会的勢力やテロ資
          金、融資詐欺の排除などを指します。
  ②BastionPay 業務:仮想通貨送金、決済


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  a.仮想通貨ウォレット:
    利用者(購入者)がスマートフォンに「BastionPay」アプリをダウンロードし、 仮
  想通貨交換所の自分の仮想通貨口座から、仮想通貨を「BastionPay」ウォレット(注5)
  にチャージし、友人への送金、オンライン、オフラインでの商品、サービス購入時の決
  済に利用
  (注5)仮想通貨の秘密鍵を管理するソフトウェアなどです。
  b.仮想通貨でのオンライン、オフライン取引:
    事業者(販売者)が仮想通貨受取準備(仮想通貨収納企業との契約)を行い、QR コ
  ードで読み取り、「BastionPay」アプリ利用購入者から送られてくる仮想通貨で資金決
  済できるサービス
  ③豪州でのカストディ業務の預かり資産
    BP 社は 30 を超える豪州仮想通貨交換所等にサービスを提供中。取扱トークンは 100
  種類以上。カストディアン(注6)として管理している資金は 2019 年1月末時点で
  US$404 百万(注7、 。
               8) 月間手数料 US$200,938
                                 (注7)(預かり資産の 0.5%~0.8%)
                                                      。
  (注6)カストディアンとは、投資家に代わって仮想通貨の管理(カストディ)を行う
        機関です。
  (注7)譲受する資産、負債の帳簿価額は、仮想通貨の相場により変動いたします。ま
        た、 (仮想通貨交換所等)
          顧客         の意思で預かり資産を引出、移動が可能なので、
        預かり資産が減少する可能性があります。
  (注8)顧客からの預かり資産は、顧客(仮想通貨交換所等)の承諾により、BS 社に引
        き継がれます。そのため、顧客の承諾が得られなければ BS 社に預かり資産が
        引き継がれず、当初予定していた収益を計上できなくなる可能性があります。


(3)当該事業の経営成績(2018 年9月から 2019 年1月)
    BP 社は、2018 年9月より Bastion 業務及び BastionPay 業務を開始しているため、
  当該期間の月次の損益を記載しております。
                                                          (単位:US$)
                             2018 年                        2019 年
            9月        10 月            11 月      12 月        1月
             70,341   105,578         118,538   247,455      200,938
売上高
          (7 百万円) (11 百万円) (13 百万円) (27 百万円) (22 百万円)
           △581,519   △38,352         △26,402    71,475      38,458
営業利益
         (△64 百万円)(△4 百万円)(△2 百万円) (7 百万円)                (4 百万円)
(注)1.2019 年3月 27 日 TTM レート:1米ドル=111 円
    2.BS 社は今後毎月約 20 万米ドルの売上高を引き継ぐことになりますが、仮想通貨
       の相場により売上高は変動いたします。


                                4
     3.今回譲受する資産は顧客の預かり資産のみであるため、BP 社のコストは引き継
       がれませんが、今後 BS 社は、システムに関する保守等を BP 社に業務委託するこ
       とになるためランニングコストが発生いたします。なお、上記数値は BP 社のコ
       ストのみ反映されており、BS 社が負担するランニングコストは反映していませ
       ん。
     4.上記については、本件検討時に入手した数値であり、当社の会計監査を受けたも
       のではありません。


(4)譲受する資産、負債の金額(2019 年1月 31 日現在)
                                                       (単位:US$)
            資産                                 負債
      項目           帳簿価額                   項目          帳簿価額
                   404,418,906                        404,418,906
デジタル資産                               デジタル預かり資産
                 (44,890 百万円)                       (44,890 百万円)
                   404,418,906                        404,418,906
合計                                   合計
                 (44,890 百万円)                       (44,890 百万円)
(注)1.2019 年3月 27 日 TTM レート:1米ドル=111 円
     2.譲受する資産、負債は、顧客から預かっている資産のみです。
     3.譲受する資産、負債の帳簿価額は、仮想通貨の相場により変動いたします。
     4.上記については、本件検討時に入手した数値であり、当社の会計監査を受けたも
       のではありません。
     5.顧客の同意を得られたもののみ譲り受けるため、実際の額は未定であり、確定し
       次第別途お知らせします。


(5)譲受価格、決済方法:
     譲受価額:5億円
     当該譲受価額は、顧客から預かっているすべての資産・負債を譲り受けた場合の金額
  です。一部の顧客について同意を得られなかった場合は、譲受価額が変動する可能性が
  あります。
     決済方法:5年分割払いによる現金決済
     譲受価額については、公平性、妥当性を確保するため、独立した第三者機関である株
  式会社スチュワート・マクラレン(所在地:東京都港区東麻布一丁目 15 番6号 代表
  取締役:小幡 治)から 2019 年3月8日付 Equity Value Appraisal Report を入手し
  決定しております。評価方法としては、収益還元法(DCF 法)を採用いたしました。収
  益還元法(DCF 法)を採用した理由は、譲り受ける事業は事業継続を前提としており、
  その価値は将来の収益力に基づき決定されるべきであることから、インカム・アプロー


                                 5
  チを採用し、かつ将来の収益力に基づき企業価値を算定する最も理論的な手法と考え
  られ、実務でも広く用いられている評価方法であるためです。
      評価の根拠となる事業計画は、BP 社の 2019 年1月の売上実績(US$200,938)を基に
  保守的に作成されていることから、合理的であるものと判断しております。以上のこと
  から、入手した算定結果を勘案の上、BP 社と協議、交渉し譲受価額を決定いたしまし
  た。


4.事業譲受の内容
(1)譲渡会社の概要
(1)    名称           BastionPay Technology Pty Ltd
(2)    所在地          Emirates   House    Level   7,   257   Collins   street
                    Melbourne, VIC, 3000 Australia
(3)    代表者の役職・氏名    CEO Layla Dong
(4)    事業内容         1.仮想通貨カストディ業務と同システム開発
                    2.仮想通貨送金、決済業務と同システム開発
(5)    資本金          US$1,149,367(127 百万円)
(6)    設立年月日        2018 年9月 17 日
(7)    大株主及び持株比率    Blockshine Technology corporation Pty Ltd 100%
(8)    上場会社と当該会社    資本関係                  なし
       との間の関係       人的関係                  CEO Layla Dong 氏は、当社の取締
                                          役を兼務しております。
                    取引関係                  なし
                    関連当事者への               CEO で、かつ当社の取締役である
                    該当状況                  Layla Dong 氏が議決権の過半数を
                                          所有している BT 社が 100%所有す
                                          る会社となります。
(9)    当該会社の最近1年間の経営成績及び財政状態
決算期                                2018 年9月から 2019 年 1 月
純資産                                       613,027 米ドル        (68 百万円)
総資産                                    405,140,245 米ドル(44,970 百万円)
売上高                                         742,850 米ドル (82 百万円)
営業利益                                   △489,226 米ドル ( △54 百万円)
(注)1.2019 年3月 27 日 TTM レート:1米ドル=111 円
      2.当該会社は 2018 年9月設立であるため、2018 年9月から 2019 年1月までの経
        営成績及び 2019 年1月末の財政状態を記載しております。



                               6
(2)譲受会社の概要
(1)    名称           Blockshine Singapore Pte, Ltd.
(2)    所在地          331 North Bridge Road, 188720 Singapore
(3)    代表者の役職・氏名    代表取締役 CEO 柴山 貴俊
(4)    事業内容         1.ブロックチェーン技術を活用したプラットフォーム、
                       アプリケーション等に関するコンサルティングの提
                       供
                    2.ICO(Initial Coin Offering)コンサルティングの
                       提供
(5)    資本金          350,000 シンガポールドル
(6)    設立年月日        2018 年9月
(7)    大株主及び持株比率    Blockshine Japan 株式会社 100.0%
(8)    上場会社と当該会社    資本関係                当社連結子会社が 100%出資して
       との間の関係                           います。
                    人的関係                当社取締役3名が BS 社の取締役
                                        を兼務しております。
                    取引関係                なし
                    関連当事者への             なし
                    該当状況


5.日程
  取締役会決議日       2019 年3月 28 日
  事業譲渡契約締結日 2019 年3月 29 日(予定)
  事業譲受日         2019 年4月1日(予定)


6.会計処理の概要
  会計処理は、当該譲受する技術や顧客リスト、ブランドなどの無形資産を公正価値にて
 評価(PPA:Purchase Price Allocation:取得原価の配分)して、最後に残った部分をの
 れんとして計上する見込みでありますが、金額は現在精査中です。


7.今後の見通し
  Bastion 業務及び BastionPay 業務の開始が 2019 年4月1日であるため、当社の 2019
 年3月期の連結業績への影響はありません。2020 年3月期の業績予想については、2019
 年5月 14 日公表予定の決算短信にて公表いたします。


                                                              以上

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