3807 J-フィスコ 2021-02-25 16:45:00
2021年12月期~2023年12月期中期経営計画 [pdf]

                                                  2021 年2月 25 日

     各   位
                                株  式  会 社   フ    ィ   ス コ
                                代表取締役社長         狩野 仁志
                                (JASDAQ・コード3807)
                                問い合わせ先:
                                取締役管理本部長        松崎 祐之
                                電 話 番 号 03(5774)2440(代表)


                2021 年 12 月期~2023 年 12 月期中期経営計画

I.      今後3ヶ年の中期経営計画
     1.    当中期経営計画提出時点における前事業年度の総括
         前連結会計年度におけるわが国経済は、年初から続く新型コロナウイルス感染症の拡大に
       よる外出自粛や個人消費の低迷を受けた経済活動の停滞により、         深刻な打撃を受けました。   緊
       急事態宣言解除後は、      徐々に経済活動が再開されたものの、 年末にかけて再び感染拡大が始ま
       り、2021年1月には2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、経済の見通しは依然として、
       予断を許さない状況にあります。
         当社事業の情報サービスと関連性の高い国内株式市場におきましても、新型コロナウイル
       ス感染症の影響により、株価は2020年3月に一時16,000円台まで急落しましたが、徐々に回
       復し、2019年の年末終値と比較して3,787円上昇し27,444円17銭で年内の取引を終えました。
         年明け後もさらに株価は上昇を続け、2月15日には日経平均株価は30年6ヶ月ぶりに終値
       ベースで3万円を突破しました。新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが見えない状況が
       続く中、   足元ではワクチン普及加速への期待とともに、   同感染症の拡大防止対策を講じつつ、
       徐々に経済活動の正常化への動きが進むものと想定されます。
         当社の持分法適用関連会社である株式会社Zaif Holdings(2020年11月1日付で、株式会社
       フィスコデジタルアセットグループより商号変更。 の子会社である株式会社Zaif 以下
                                    )                (  「Zaif」
       といいます。   2020年11月1日付で、株式会社フィスコ仮想通貨取引所より商号変更。 は、 ) 2019
       年6月21日に、金融庁より資金決済法に基づく、業務改善命令を受けておりましたが、2020
       年8月31日に継続的な報告義務が解除されました。引き続き当社グループでは、暗号資産の
       情報、交換所、同システム、金融仲介機能を網羅し、暗号資産による一気通貫のサービス提供
       を可能とすることを成長戦略としています。
         また、当社は2016年に企業トークン、フィスココイン(略称「FSCC」      )を発行しており、
       FSCCを当社個人向けサービスである「クラブフィスコ」における決済通貨として採用するな
       ど、暗号資産分野において積極的な取り組みを行っております。FSCCを決済通貨として利用
       促進することで、利用者が様々なメリットを享受できるようなフィスココイン経済圏の形成
       に取り組んでおります。
         2019年12月期連結会計年度より、株式会社ネクスグループ(以下「ネクスグループ」とい
       います。  )が連結子会社から持分法適用関連会社へ変更したことに伴い、前連結会計年度の総
       売上高が2019年12月期と比して大幅に減少しております。なお、当社がネクスグループの株
       式を売却したことに伴い、前第3四半期連結会計期間期首より、ネクスグループは持分法適用
       関連会社から除外されています。
         以上の結果、前連結会計年度の経営成績は、売上高は 1,119 百万円、営業利益は 61 百万円


                                  1
      となりました。経常損失 127 百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は 66 百万円
      となりました。
        なお、当社単体の前事業年度の売上高は 1,097 百万円、営業利益は 41 百万円、経常利益は
      169 百万円、当期純利益は 167 百万円となりました。

2.    前事業年度の計画の達成状況
     各事業セグメントの前事業年度の状況                                          単位:百万円
                   2020 年 12 月期             2020 年 12 月期
                                                                        差異
                    (計画数値)                   (実績数値)
                                                      営業
                   売上       営業利益            売上                    売上        営業利益
                                                      利益
 情報サービス事業           1,138         391        1,031     304         △107       △87

 広告代理業               108          33           65          18      △43        △15
 暗号資産・ブロックチ
                        0           0          22          20          22      20
 ェーン事業
 その他(調整額)※              0    △268               0     △281              0     △13

 連結計算書計上額           1,246         156        1,119         61      △127       △95

     ※ 「その他」には、コンサルティング事業および各セグメントに帰属していない全社費用の
      一般管理費ならびに連結計算書営業利益の調整額が含まれます。

  売上高につきましては、金融・経済情報配信サービス分野におきましては、ポータルサービス
および法人向けリアルタイムサービスが前期比で 15 百万円減少したものの、機関投資家向けや
金融・経済の調査、分析、コンテンツ作成、編集等を行うアウトソーシングサービスの新規契約
による取引増加および個人向けサービスである        「クラブフィスコ」が前期比で売上が 27 百万円増
加しましたが、     上場企業を対象とした IR 支援サービス分野におきまして、 季節性の高い大企業向
け統合報告書やアニュアル・レポートについて、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に、売
上検収時期の延期などの影響を受けました。また、スポンサー型アナリストレポート(企業調査レ
ポート)についても、新型コロナウイルス感染症に伴う契約企業の業績悪化による IR コスト削減
などの影響を受け、     解約やサービスの一時中断等が生じました。   広告代理業につきましても、  2020
年夏に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックの延期による企業広告の減少およびク
ライアント企業の事業活動の自粛等の影響を受けたことにより、広告収入の減少を余儀なくされ
たため、計画数値を下回りました。
  一方、  暗号資産・ブロックチェーン事業は、    ビットコインを中心とした暗号資産の取引価格が、
2020 年 10 月以降上昇しており、取引相場の状況に応じたレーディングを行ったことにより、計
画数値を上回りました。
  営業利益につきましては、売上高の減少に加え、情報サービス事業における外注費用、システ
ム保守料の増加等により利益率が低下し、計画数値を大きく下回りました。

3. 中期経営計画の概要及び策定の前提
① 情報サービス事業
  主力事業である情報サービス事業において、前期計画としていた既存事業の復調、既存事業と
関連のある周辺事業への新たな取組みにおいて、コンテンツのリニューアルを行った個人投資家
向け販売サイト「クラブフィスコ」では、自社の投資レポートはもちろん、フィスコソーシャル
レポーターをはじめとした著名な個人投資家の方の投資手法をまとめた投資教育教材の拡販を推
進しており、売上も堅調に推移し引き続き当社主力事業として、安定的な収益確保に努めてまい
ります。従前からの金融機関向け、上場企業向けリアルタイムサービスは大きく伸びないながら


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も前期と同様底堅い推移を見込んでおります。同じく、金融・経済の調査、分析、コンテンツ作
成、編集等を行うアウトソーシングサービスは、昨年度の売上増の目標を超える増加率(目標値
前期比 3.2%増に対し、実績前期比 7.0%増)で推移しており、今後も新規契約の獲得等による取
引増加を図り、安定的な収益の確保を目指します。また、既存事業と関連のある新規事業領域と
して、ヘッジファンド向け投資助言に加え、機関投資家向けのアナリストレポートの販売を開始
し、個別に金融・経済情報を提供するサービスも稼働させており、引き続き、契約件数の増加お
よび売上の増加に向けた施策を実施しております。投資教育、暗号資産など今後も個人投資家の
関心が高い分野において、動画による投資教育講座、アナリスト養成講座など収益化に向けたサ
ービスメニューのラインナップを増強することで、販売の拡大につなげて参ります。
  企業 IR 支援サービス分野では、組織力強化やブランドの強化を図ることで、統合レポート、ア
ニュアル・レポート、ESG レポート、ならびに英文翻訳業務の拡大を目指します。中核サービス
であるスポンサー型アナリストレポート(企業調査レポート)においては、効果的な IR コミュニケ
ーション・サービスの需要を引き続き取り込む方針です。企業 IR 支援サービス分野において、新
型コロナウイルス感染症に伴う契約企業の業績悪化による IR コスト削減などの影響を受け、解
約やサービスの一時中断等が生じており、        現在の契約社数は約 400 社となっております。2021 年
12 月期には契約社数 1,000 社を目標に掲げておりましたが、直近の新型コロナウイルス感染症の
状況等から、今期達成目標を 1,000 社から 500 社程に見直し、解約を抑え、契約社数の維持に努
めながら 2023 年 12 月期に契約社数 1,000 社を目指します。スポンサー型アナリストレポート(企
業調査レポート)を起点とした、企業の非財務情報を適時配信するソリューション提供サービス、
国内上場企業から海外機関投資家への情報発信に関するアレンジメントサービス、英文翻訳業務
のニーズについても取り込み、企業の IR に関する課題をワンストップで解決できる体制構築と
事業拡大を目指します。
  利益面につきましては、個人投資家向けのサービスの復調が見込まれる他、利益率の高い案件
の獲得および継続的に取り組んでいる費用削減や外注先の見直し等の施策を実施することにより、
安定的な利益確保、黒字幅拡大を見込んでおります。

② 広告代理業
 新型コロナウイルス感染症に伴う企業広告およびクライアント企業の広告活動の自粛等が懸念
される中、紙媒体中心の広告業務から、バナー広告、ネット動画制作等の広告におけるトレンド
や媒体特性なども踏まえて、企業 IR や広告において、提案力の強化を進めながら、1件当たりの
受注金額の大型化に向けての販売強化を図るなど収益性の向上につなげてまいります。

③      暗号資産・ブロックチェーン事業
  フィスコ・コンサルティングでは、引き続き暗号資産に対する自己勘定投資を予定しており、
ビットコインを中心とした暗号資産の価格の推移を見極め、慎重にトレーディングを行ってまい
ります。また、当社発行の FSCC を 2020 年 12 月に海外投資家への FSCC の認知度向上を図る
目的で、海外の暗号資産交換所に上場し、取引が開始されるに至っております。今後も積極的に
FSCC の認知度向上を図りつつ、暗号資産分野における新規ビジネスの創造、FSCC の価値向上
を通じて、当社の企業価値の向上を目指しています。
  Zaif においては、2020 年 10 月からのビットコインを中心とした暗号資産取引価格の急騰を受
け、運営する暗号資産交換所「Zaif Exchange」での取引量の増加に加え、交換所運営の効率化に
よる経常費用削減、手数料収入の大幅な増収などから、業績が大きく改善しております。2021 年
2月には1ビットコイン 500 万円を超えるなど、引き続き暗号資産取引相場が活況な状況にもあ
り、2021 年 12 月期連結業績予想において、持分法投資利益 157 百万円を見込んでおり、営業外
収益の持分法による投資利益を通して、当社の業績に大きく寄与することが見込まれます。




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II. 今期の連結業績予想
1. 2021 年 12 月期業績予想
                                                         単位:百万円
                                                        親会社株主に帰属
                  売上高         営業利益         経常利益
                                                         する当期純利益

 情報サービス事業             1,038          339           -             -

 広告代理業                  36            1            -             -
 暗号資産・ブロッ
                         0            0            -             -
 クチェーン事業
 その他                     0       △264             231           226

 連結計算書計上額             1,074           76          231           226
     ※ 暗号資産・ブロックチェーン事業については、暗号資産の相場状況に応じたトレーディン
       グを行う予定にしており、現時点では売上高は未定としております。

2.   目標の実現に向けた諸施策
     ① 個人投資家向けコンテンツ拡販の推進、投資教育・金融経済コンテンツサービス強化
     ② 暗号資産の情報配信、日本国内および海外機関投資家向けコンテンツの拡大
     ③ 企業 IR 支援サービスにおける契約社数の継続契約社数の維持および新規契約の営業推
       進により、2021 年 12 月期に 500 社、2023 年 12 月期で契約社数 1,000 社を目標
     ④ 日本企業の海外機関投資家へ IR 支援業務および英文翻訳業務のニーズの掘り起こしに
       よる収益化
     ⑤ 広告媒体提案力の強化や制作プロセス改善
     ⑥ 管理体制のさらなる強化(組織横断的な体制強化を推進)



                                                            以   上




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