3777 J-FHTHD 2020-06-16 15:00:00
2020年12月期~2022年12月期中期経営計画 [pdf]

                                                                    2020 年 6 月 16 日
各 位

                                     会 社 名     株式会社 FHT ホールディングス
                                     代表者名      代表取締役社長 楊 暁軍
                                               (コード:3777、JASDAQ)
                                     問合せ先      取締役経営企画管理本部長 森蔭 政幸
                                               (TEL.03-6261-0081)


                    2020 年 12 月期~2022 年 12 月期中期経営計画


 当社は、本日、2020 年 12 月期~2022 年 12 月期に係る中期経営計画を策定いたしましたので、お知らせい
たします。


 なお、中期経営計画においては、対象となる事業年度期間における業績計画の合理的な算定が困難であるこ
とから業績予想及び業績目標の数値を未定としております。


1. 今後3か年の中期経営計画
(1)当中期経営計画提出時点における前事業年度の総括
  2019 年 2 月 12 日付「2018 年 12 月期 決算短信〔日本基準〕
                                         (連結)」において公表いたしましたとおり、
2019 年 12 月期(通期)の業績予想を、売上高 2,237 百万円、営業利益 91 百万円、経常利益 86 百万円、親会
社株主に帰属する当期純利益を 64 百万円としておりましたが、これは主に、当社の連結子会社が保有してい
た太陽光発電所と、2019 年 3 月 14 日付「第三者割当による新株式及び新株予約権発行の払込完了に関するお
知らせ」において公表いたしました増資により調達した資金により取得予定でありました太陽光発電所の譲渡
による売上及び利益を計画したものでありました。
  2019 年 12 月期の連結業績は、売上高 670,414 千円(前年同期比 64.3%減)
                                                、主に、当社グループのヘルス
ケア事業関連の「のれん」の償却額 126,344 千円や、主に当社グループの再生可能エネルギー事業関連の貸倒
引当金計上額 93,052 千円が発生したこと等により営業損失が 445,962 千円(前年同期は営業利益 10,915 千
円) 、為替差損 45,128 千円が発生したこと等により経常損失が 505,690 千円(前年同期は経常損失 29,260 千
円) 、減損損失 623,978 千円を特別損失として計上したことにより親会社株主に帰属する当期純損失が
1,138,299 千円(前年同期は当期純損失 52,290 千円)となり、最終赤字となりました。最終赤字の主な原因
としては、中長期的な当社グループの事業強化を行うことによる収益基盤強化、企業価値向上を達成すること
により、その結果として既存株主の利益向上につなげることを目的に、2019 年 5 月に上海蓉勤健康管理有限
公司を子会社化し、同社の完全子会社である栖霞市东明置业有限公司が推進する養老介護に特化した富裕層向
け施設の開発プロジェクト「栖霞長春湖壹号」に係る売上及び利益の向上を見込んでおりましたが、施設販売
に関して、中国国内金融機関における融資制限および融資審査期間の長期化により契約締結まで時間を要した
こと等から、売上が本格化するに至らなかったためであり、当初見込んでいた太陽光発電所の譲渡案件が進ま
なかったことであります。

表 1 過去 3 年間の連結経営成績
                    2017 年 12 月期     2018 年 12 月期        2019 年 12 月期
売       上       高        1,297 百万円        1,879 百万円             670 百万円
営   業       利   益           57 百万円           10 百万円            △445 百万円
経   常       利   益           17 百万円         △29 百万円             △505 百万円
税   引   利   益           14 百万円       △52 百万円       △1,138 百万円

(当社グループの IT 関連事業)
 IT 関連事業では、Web アプリケーションの開発及び安定運用を実現するためのソフトウェアである Zend 製
品や Web システムに欠かすことのできないデータベース製品を中心に、ソリューション及びサポートを提供し
ております。当連結会計年度におきましても引き続き既存製品の機能強化や協業企業との連携による付加価値
向上に取り組んだ結果、売上高 117,124 千円(前年同期比 33.1%増)
                                      、営業利益 26,914 千円(前年同期比
45.1%増)と、前年同期を上回る結果となりました。

(当社グループの環境事業)
 環境事業では、マンション管理やオフィスビル等の管理、清掃、メンテナンス業務を中心に事業を行ってお
ります。当連結会計年度におきましては既存顧客への迅速な対応や高品質なサービスの提供により安定した顧
客の確保、また、積極的な営業活動により新たな管理委託、清掃委託物件が増加したものの、それに伴う人材
確保、人件費の高騰などにより経費が増大し、売上高 90,567 千円(前年同期比 13.7%増)と、前年同期を上
回ったものの、営業損失 1,448 千円(前年同期は営業利益 465 千円)となりました。

(当社グループの再生可能エネルギー事業)
 再生可能エネルギー事業では、発電所の開発及びその代行、第三者への売却並びに売電事業等を行っており
ます。当連結会計年度におきましては太陽光発電所の売電収入があったものの、当初計画しておりました太陽
光発電所の譲渡による売上について、計画とおりに譲渡案件を獲得できなかったこと、2019 年 8 月 5 日付
「
(開示事項の経過)連結子会社における太陽光発電所の譲渡代金の相殺に関するお知らせ」において公表い
たしましたとおり、2 箇所の太陽光発電所の譲渡先であります株式会社グローバルエナジーの代表取締役姜敏
氏は、当社代表取締役社長楊暁軍の妻であり、2019 年7月 16 日付「子会社等の異動を伴う株式の取得に関す
るお知らせ」において公表いたしましたとおり、当社は姜敏氏に対して、未払となっている上海蓉勤健康管理
有限公司の株式譲渡価額の支払いについて、上海蓉勤健康管理有限公司の株式譲渡に関する債権者である姜敏
氏、その債務者である当社、及び本太陽光発電所譲渡開示(譲渡価額税込:約 18.9 億円)に関する債権者で
あるエリアエナジー、債務者であるグローバルエナジーの 4 者間で債権債務を相殺することとなり売上および
利益を計上しないこと等から売上高 462,723 千円(前年同期比 72.9%減)
                                        、太陽光発電所譲渡案件における未
収金の一部について貸倒引当金を計上したことが主な原因となり、営業損失が 70,596 千円(前年同期は営業
利益 175,116 千円)となりました。

(当社グループのヘルスケア事業)
 ヘルスケア事業では、中国におけるヘルスケア事業に係る協業、及びビジネス支援を行っております。当社
子会社である上海蓉勤健康管理有限公司の完全子会社である栖霞市东明置业有限公司が中国において養老介護
に特化した富裕層向け施設の開発プロジェクト「栖霞長春湖壹号」を推進しており、施設販売および管理サー
ビスの提供により売上を見込んでおります。しかしながら、当連結会計年度におきましては、すでに完成して
いる施設について積極的な販売促進活動を行ってまいりましたが、中国国内金融機関における融資制限および
融資審査期間の長期化により契約締結まで時間を要したこと等から、売上が本格化するに至らず、売上高はな
く、人件費 15,417 千円やのれん償却 126,344 千円等の販売管理費の計上のため営業損失が 178,012 千円とな
りました。

(当社グループの財政状態分析)
 2019 年 12 月期末の総資産は、前連結会計年度末に比べて 1,201,747 千円増加し、3,796,356 千円となりま
した。流動資産は 1,248,181 千円の増加となり、その主な要因は、当社グループの再生可能エネルギー事業に
おける商品である太陽光発電所が 1,900,826 千円減少したものの、現金及び預金が 171,476 千円、受取手形及
び売掛金が 66,330 千円、販売用不動産が 1,061,297 千円、仕掛販売用不動産が 2,101,676 千円増加したこと
によるものであります。当社の連結子会社である上海蓉勤健康管理有限公司の完全子会社である栖霞市东明置
业有限公司が進めている養老介護に特化した富裕層向け施設の開発プロジェクトにおいて全 23 棟の居住用ビ
ル(総延床面積:約 10 万平米)に、老人介護施設、医療・健康サービス、文化・スポーツセンターの建設を
進めており、すでに工事が完了し完成しているものを販売用不動産、現在建設中のものを仕掛販売用不動産と
しております。固定資産は 42,823 千円の減少となり、その主な要因は、2020 年 5 月 29 日付「特別損失の計上
に関するお知らせ」において公表いたしましたとおり、当社グループの固定資産等について減損損失を計上し
たためであります。
 2019 年 12 月期末における総負債は、前連結会計年度末に比べて 415,61 千円増加し、499,172 千円となりま
した。その主な要因は、流動負債において、未払金が 215,049 千円、未払法人税が 34,856 千円等、増加した
ことによるものであります。
 2019 年 12 月期末における純資産は、前連結会計年度末に比べて 786,132 千円増加し、3,297,183 千円とな
りました。その主な要因は、非支配株主持分が 1,467,344 千円増加したことによるものであります。

表 2 去 3 年間の連結財政状態
                    2017 年 12 月期        2018 年 12 月期      2019 年 12 月期
総      資      産         2,706 百万円           2,594 百万円         3,796 百万円
純      資      産         2,432 百万円           2,511 百万円         3,297 百万円
自 己 資 本 比 率                  89.7%               96.8%             47.7%
1 株当たり純資産                   19.60 円             19.56 円           13.08 円

 2019 年 12 月期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ 171,476 千円
増加し、255,261 千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因
は次のとおりであります。
 営業活動の結果得られた資金は 271,018 千円(前連結会計年度は 548,973 千円の支出)となりました。これ
は主として、たな卸資産の減少 397,972 千円、減損損失 632,749 千円、のれん償却額 126,344 千円を計上した
こと等によるものであります。
 投資活動の結果使用した資金は 569,216 千円(前連結会計年度は 80,448 千円の収入)となりました。これ
は主として、差入保証金の回収による収入 8,556 千円があった一方で、連結の範囲の変更に伴う出資金の取得
による支出 577,615 千円によるものであります。
 財務活動の結果得られた資金 469,983 千円(前連結会計年度は 23,023 千円の支出)となりました。これは
主として、株式の発行による収入 450,000 千円、新株予約権の発行による収入 20,000 千円等によるものであ
ります。

表 3 過去 3 年間の連結キャッシュ・フロー
                        2017 年 12 月期      2018 年 12 月期    2019 年 12 月期
営 業 活 動 に よ る も の           △739 百万円          △548 百万円          271 百万円
投 資 活 動 に よ る も の           △109 百万円             80 百万円       △569 百万円
財 務 活 動 に よ る も の             847 百万円          △23 百万円          469 百万円
現金及び現金同等物残高                   579 百万円            83 百万円         255 百万円


(今後の課題)
 当社グループにおきましては、営業損益の継続的な黒字化が最大の課題であります。収益の拡大を目指すた
めには、価値ある商品・サービスを提供し続けることが重要な戦略であり、今後、以下の 5 つを対処すべき重
要な課題として認識しております。

①   顧客基盤の拡大
 当社事業が推進する「成長戦略」には顧客基盤の拡大が不可欠です。これまでの限定された顧客セグメント
の領域を新しい価値を提供できる製品・サービスの導入により、顧客セグメント領域の拡大を図ることが最重
要と考えております。新たなビジネス領域への展開による、新たな顧客獲得をはかることが更なるニーズの開
発につながり、更なるビジネス領域の拡大に繋がっていく「拡大のスパイラル」の構築に積極的に取り組んで
まいります。

②   成長戦略に不可欠な人材の確保及び協力会社の活用
 継続的な事業基盤の拡大には、新たな価値を提供できる製品・サービスの導入が不可欠であります。そのた
めに必要な専門的知識と多くの経験を有する人材の確保と協力会社の開拓を進めてまいります。また、製品・
サービスの多様化に応じて協力会社の知的・人的資産を活用し、資金運用の効率化、製品・サービスの早期導
入を進めてまいります。

③    財務体質の強化
 当社が目指す「成長戦略」を展開していくためには、事業拡大目標に対応した運転資金及び設備投資資金を
確保することが不可欠であります。このため 2019 年 3 月 14 日付「第三者割当による新株式及び新株予約権発
行の払込完了に関するお知らせ」において公表いたしましたとおり、新株式及び新株予約権を発行いたしまし
たが、新株予約権については行使が進まない状況であり、今後実効性のある資金調達手段を検討し、実行につ
なげることにより、財務体質の強化に取り組んでまいります。今後も引き続き、当社グループの継続的な企業
価値向上の具現化に取り組んでまいります。

④    中国での事業展開の強化
 当社グループは、中国でのヘルスケア事業を拡大していく方針であり、当社子会社である上海蓉勤健康管理
有限公司の完全子会社である栖霞市东明置业有限公司が中国において養老介護に特化した富裕層向け施設の開
発プロジェクト「栖霞長春湖壹号」を推進しております。しかしながら、当該プロジェクトの施設販売による
売上、利益の計上につきましては、今後の新型コロナウイルス感染症の中国経済への影響により不透明な状況
ではありますが、現実に即した営業活動を継続し、当社連結業績向上に付与できるように取り組んでまいりま
す。

⑤    内部統制の強化
 当社グループでは、2020 年 1 月 29 日より新型コロナウイルス感染症による肺炎の予防及び抑制を目的とし
た中国の省政府や市政府の通達による移動制限等に従うことによる影響で、当社の中国における 3 社の子会社
(①吉奥莱科特医 疗健康科技(上海)有限公司、②上海蓉勤健康管理有限公司、③栖霞市东明置业有限公司)
の決算業務や監査業務が遅延したことにより、2019 年 12 月期決算短信の開示が、期末後 50 日を大幅に超える
こととなりました。
 当社の中国子会社における決算関連手続遅延の主な原因は、新型コロナウイルス感染症による肺炎の予防及
び抑制を目的とした中国の省政府や市政府の通達に従うことによる影響であり、①当該通達を無視することは
困難であること、②当社の中国子会社の従業員や中国における会計監査人等決算関連手続に係る人員の健康被
害リスクの回避、③新型コロナウイルス感染症の拡散防止のため社会通念上適切な措置等を考慮したものであ
り、やむを得ない結果であると認識しておりますが、当社グループの連結決算体制は、このような予見するこ
とが困難なリスクに対応可能な、速やかで確実な決算関連手続を遂行可能な体制となっておらず、不備に該当
すると考えられ、関連業務の改善が必要であると認識しております。当事業年度の末日までに当該内部統制の
不備が是正されなかった理由は、当該重要な不備の判明が当事業年度末日後になったためです。
 当社としては、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、今後の決算短信の開示時期につきま
しては、決算発表等の早期化の主旨を充分理解、再確認し、決算発表は各決算期末後 45 日以内に確実かつ迅
速に開示を行うべく、連結決算業務に関する内部統制を改善してまいります。


(2)中期経営計画の概要及び策定の背景
  中期経営計画は、今後 3 年間の環境変化等を想定して策定しておりますが、各事業における業績計画につき
ましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、現段階では業績計画の適切かつ合理的な見積もりが困難
であることから、業績計画を未定とさせていただきます。2019 年 2 月 26 日に公表いたしました中期経営計画
(2019 年 12 月期~2021 年 12 月期)から、2019 年 12 月期実績及び 2019 年中の経営環境の変化等を考慮し、当
社の持続的成長を果たすための中期経営計画ローリングプラン(2020 年 12 月期~2022 年 12 月期)を策定し、
当社の IT 関連事業、環境事業、ヘルスケア事業、再生可能エネルギー事業の強化と持続的成長を推進してま
いります。

(IT 関連事業に関する事業戦略)
 当社グループにおける IT 関連事業においては、人と人をつなぐコミュニケーション環境を創造し、革新的
なサービスを継続的に提供して、社会と人々の喜びに貢献することにより、その結果として利益を生むことを
事業理念として、事業を推進しております。
 昨年度に公表いたしました中期経営計画(2019 年 12 月期~2021 年 12 月期)事業戦略を継続し、当社グルー
プにおける IT 関連事業は、既存に販売・提供している商品に加え、今後、新たに付加価値の高い商品・サー
ビスを提供することにより、収益性を確保しつつ売上高の拡充と利益率の向上、事業拡大を目指すことを基本
戦略としております。

①   IT インフラ事業や Web ソリューション事業等の既存事業
 Web システム構築・運用やデータベースに関するサーバ系ソフトウェアの販売、ソリューション・サポート
の提供等の IT 関連事業における IT インフラ事業や Web ソリューション事業等の既存事業については、安定し
た売上高の拡充と利益率の向上を目標に実現しております。
 情報システムを層別化し、基盤層(インフラ層)とアプリケーション層に分けると、現在の当社グループ
IT 関連事業における IT インフラ事業や Web ソリューション事業等の事業ドメインはインフラ層の基盤ソフト
ウェア市場であり、基本ソフトウェア及びミドルウェアに加え、ソフトウェア構築プロセスの設計、開発、導
入、運用を支援する商品・サービスを提供しております。
 インターネットの普及が成熟期に移行しており、それに比例して Web を活用したコミュニケーション・ツー
ルが拡大しています。この Web を構成する基盤ソフトウェア市場に対して、当社の子会社であるコネクト株式
会社がソフトウェア(ミドルウェア)製品や Web システムを構築するための設計から運用を支援するサービス
を提供しており、当社グループの傘下となった 2006 年以前から販売している Zend 製品及び米国 Oracle 社の
MySQL に加え、2013 年にはビッグデータを支える NoSQL データシステムである Cassandra のサポートサービス
及び情報システムの品質を管理する APM ソリューションを市場に投入しております。
 本事業の軸でありますサーバ系ソフトウェアにつきましては、サブスクリプション方式により年間契約で販
売しております。従来とおり、既存のお客様への再契約の販促、及び新規のお客様の獲得といった営業活動を
実施することにより、売上高の拡充と利益率の向上に努めてまいります。

②   新規事業
 当社グループのヘルスケア事業や再生可能エネルギー事業、環境事業において ICT の利活用は、その事業を
推進するために必要不可欠であります。今後、当社グループの各事業において活用している IT システムを
サービス商品化して販売する等の新規事業の検討を継続し、IT 関連事業における新たな収益源の一つとなる
よう推進する予定であります。

(環境事業に関する事業戦略)
 当社グループの環境事業は、当社の子会社である株式会社東環が協業他社とともにビル建物等のメンテナン
スサービスを行っており、次のようなサービスを提供しております。
 ・ビル建物の消防設備、給排水・衛生設備、空調設備等の定期点検サービス
 ・スポーツ施設、商業施設、オフィスビル、共同住宅等の管理運営業務サービス
 ・ビル建物の日常清掃管理・定期清掃管理サービス
 ・ホテル等宿泊施設の清掃管理サービス
 ビル建物等のメンテナンスサービスは、基本的に年間契約であり、提供するサービス品質に問題が生じた場
合やビル建物のオーナーが変更になった場合等、限られた状況でのみ契約が終了するため、安定した売上・利
益を期待することができる事業であります。
 管理対象である建築物に関して、着工件数は長期的な右肩上がりのトレンドが期待されており、市場規模の
拡大は想定されますが、一方では労務費の高騰もあり、収益性を確保しつつ売上高の伸張を目指す必要がある
と認識しております。
 こうした中、環境事業の収益拡大のために、継続して、ビル管理に精通した人員を確保するとともに、IT
関連事業と連携して IT 化を進めることにより労働集約的な業務の効率を上げ、業務範囲の拡大を進めて安定
したストック・ビジネスの事業基盤強化を図ってまいります。
(ヘルスケア事業に関する事業戦略)
 中国では、1970 年代末に導入された一人っ子政策により、少子高齢化が加速することが懸念されていまし
た。2016 年から二人っ子政策に緩和されたものの、高齢化は予想を超えるスピードで進み、中国は、世界に
例のない未曾有の高齢者社会になるとの予想も出ています。
 このような状況を踏まえて、当社グループのヘルスケア事業では、中国における喫緊の課題である少子高齢
化に対して、ヘルスケアの観点から改善策を提案する事業の展開を推進しております。

①   中国上海市の復華中日健康産業センターを軸とする事業
 当該事業につきましては、当社子会社である吉奥莱科特医疗健康科技(上海)有限公司が、協業パートナー
が中国上海市に保有する復華中日健康産業センターを一部借り上げ、日本においてヘルスケア事業を展開し、
中国市場をターゲットにヘルスケアに係る用品や機器等の商品、ノウハウ等の商材の販売を検討している日本
企業を誘致することで、仲介収入等による安定した収益を確保する施策、②ヘルスケア事業に係るコンサル
ティング事業、③ヘルスケアに係る製品の輸出入事業及び、④200 床クラスの介護施設の運営事業を展開する
予定であります。なお、復華中日健康産業センターは、中国上海市中心部に近い虹橋国際空港から北西約 35
キロの距離にあり、東京ドームの約 5 個分にあたる 24.5 万㎡の広大な敷地内には、高層ビル(7階建~20
階建)36 棟が並んでおります。
 また、今後、新型コロナウイルス感染症の問題が終息した後となりますが、日中において産学共同のプロ
ジェクトを設立し、中国における喫緊の課題である少子高齢化に対して、ヘルスケアの観点から改善策を提案
する事業の展開を推進する予定であります。

②   中国山東省のプロジェクト「栖霞長春湖壹号」を軸とする事業
 2019 年 5 月に上海蓉勤健康管理有限公司を子会社化し、同社の完全子会社である栖霞市东明置业有限公司
が推進する養老介護に特化した富裕層向け施設の開発プロジェクト「栖霞長春湖壹号」を推進しております。
 開発プロジェクト「栖霞長春湖壹号」の施設は、中国山東省煙台市に位置する栖霞市において展開している
プロジェクトであり、栖霞市は、果実、特にリンゴを多く産し、
                            「中国のリンゴの故郷」として知られていま
す。近隣に長春湖や道教の太虚宫があり、栖霞市において都市化の進展を促進している区域に位置しています。
 開発プロジェクト「栖霞長春湖壹号」は、栖霞市东明置业有限公司が、中国政府機関から許可を得て、全
23 棟の居住用ビル(総延床面積:約 10 万平米)に、老人介護施設、医療・健康サービス、文化・スポーツセ
ンターを敷地内に建設するものであり、現在二段階に分けて施設等の開発を進めています。第一期工事は既に
完成しており販売中であります。第二期工事につきましては、現在開発中であります。




図 1:入り口門                   図 2:完成済住居棟群
図 3:完成済住居棟のモデルルーム             図 4:完成済住居棟のモデルルーム


 今後、当該プロジェクトの施設販売につきましては、中国における新型コロナウイルス感染症による中国経
済の動向に大きく左右されることがありますが、① 第一期工事完成施設の販売及び養老介護に特化したサー
ビス提供による売上・利益の向上、② 第二期工事分施設の竣工、販売及び養老介護に特化したサービス提供
による売上・利益の向上、に注力してまいります。

(再生可能エネルギー事業に関する事業戦略)
 当社グループの再生可能エネルギー事業は、太陽光発電、地熱・温泉バイナリー発電についての発電事業及
び管理、運営並びに電力の供給・販売、発電所の取得・譲渡等を主たる業務としており、当社子会社であるエ
リアエナジー株式会社が推進しております。
 再生可能エネルギー事業では、引き続き、太陽光発電所の開発及びその代行、第三者への売却並びに売電事
業等を行っております。現在、エリアエナジー株式会社は、商品である太陽光発電所を 5 箇所(高圧システム
が 1、低圧システムが 4/290,315 千円の商品)保有しておりますが、今後、本事業を拡大するためには、更
なる発電所の開発もしくは発電所の取得を行う必要があるため、資金の調達を検討してまいります。
 今後、中長期の再生可能エネルギー事業においては、再生可能エネルギーに関する発電機や蓄電池等のエネ
ルギー設備の普及・拡大による性能向上,低コスト化に加え、IoT の急速な進化,拡大、電力の自由化により
注目されている VPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)の普及による電力新時代に向けた取り組みを実施
する予定であります。また、当社において基準としている発電所投資での想定利回り以上が期待できる発電所
の取得及び譲渡を継続して実施することにより利益の拡大を目指しております。


2. 今期の業績予想及び今後の業績目標
 今後 3 年間の数値目標につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により、政府の緊急事態宣言発出や
自治体からの外出自粛及び休業要請等を受け、市民活動が経済に与える影響等、景気の先行きに不安要素が多
数見受けられ、また当社グループのヘルスケア事業においては中国市場をメインターゲットとしておりますが、
新型コロナウイルスの感染拡大が影響し、中国の 2020 年 1~3 月期の GDP はマイナスに落ち込み、中国経済に
大きな打撃を与えています。中国政府は景気の V 字回復を目指していますが、今後、新型コロナウイルスの爆
発的感染が再発する可能性が排除しきれない状況であり、その場合、経済活動を正常化するプロセスが途中で
頓挫し、2020 年度がマイナス成長となる可能性があります。
 このような状況下において当社は、その影響を踏まえた今期の業績予想や中期の業績目標の合理的な算定が
困難であることから、未定としており、今後、合理的に算定可能となった時点で速やかに公表いたします。


                                                        以 上