3750 FRACTALE 2021-03-29 15:00:00
肝硬変治療に関する医療機器の国内承認申請のお知らせ [pdf]

                                                        2021 年 3 月 29 日
各 位
                                     会 社 名   FRACTALE株式会社
                                     代表者名    代表取締役社長 堀江 聡寧
                                             (コード:3750、東証第二部)
                                     問合せ先    経営企画部長      関本 秀貴
                                             (TEL.03-5501-4100)


        肝硬変治療に関する医療機器の国内承認申請のお知らせ
             -   細胞治療による肝硬変治療の実現を目指します -


 当社 100%子会社であるサイトリ・セラピューティクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取
締役:白浜靖司郎、以下「サイトリ社」という。  )は、同社が開発した高度管理医療機器のセルー
ションセルセラピーキットについて、肝硬変治療の医療機器として厚生労働省に製造販売承認申請を
本日行いましたのでお知らせいたします。

1.サイトリ社の再生医療
 サイトリ社は、セルーションセルセラピーキットと、セルーション遠心分離器を使って、患者の皮
下脂肪組織から脂肪組織由来再生(幹)細胞(Adipose Derived Regenerative Cells、 以下「ADRC」とい
う。)を数時間で採取できる細胞治療に関する特許技術を有しております。この治療は、自己組織由
来の細胞を用いて、体外での細胞培養の操作を必要としないことから、低侵襲かつ短時間で実施でき
る有望な治療法と考えられ、患者のADRCを体内に戻すことで様々な治療効果を期待するものであり
ます(※図1)。

2.国内承認申請の経緯
 サイトリ社は、2017 年 10 月より金沢大学附属病院、大阪医科大学附属病院と共に ADRC を用いた
肝再生療法を目的とした医師主導治験を開始しました。2020 年 3 月には全症例の観察期間が終わり、
経肝動脈経由による ADRC の肝臓への直接的投与による肝再生療法の有効性が示唆され、安全性が確
認でき、治験終了届書が独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に受理され、本治験が終了
しました。その後サイトリ社におきまして、国内承認申請のために必要な準備を進めてきましたが、
このたび、製造販売承認申請を厚生労働省に行うこととなりました。なお、本医療機器が承認を得た
場合、肝硬変に対する ADRC を用いた世界初の治療となります。

3.非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変について
   本治療は、非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis: NASH)または脂肪性肝障害を基盤
にした肝硬変の患者を対象としております。非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver
disease:NAFLD)は、病態がほとんど進行しないと考えられる非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic
fatty liver : NAFL)と、進行性で肝硬変や肝癌の発症母地にもなるNASHに分類されます。NAFLD/
NASH の患者数は,肥満人口の増加に伴い世界的に急増し、日本においても、生活習慣の欧米化に伴
いメタボリックシンドロームの患者数が増加しております。肝硬変とは、B型・C型肝炎ウイルス感
染、多量・長期の飲酒、過栄養、自己免疫などにより起こる慢性肝炎や肝障害が徐々に進行して肝臓
が硬くなった状態をいいますが、肝硬変の治療法は、内科的治療に反応しない、または無効である場
合、肝移植が唯一の治療手段と言われております。


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4.日本初のADRC治療による肝硬変の国内承認申請
 サイトリ社が、再生医療に用いる ADRC は、1) 血管を新しく作ったり(血管新生作用)、2) 炎症
をコントロールしたり(抗炎症作用) 、3) 傷ついた組織を修復したり(抗繊維化作用)する働きがあ
ることが、これまでの多くの研究の結果で確認されています(※図 2)   。また、患者自身の細胞を用い
るため、拒絶反応や感染症の心配がなく、安全にご使用いただくことができます。
 本治療では、患者の自己皮下脂肪組織からADRCを抽出し、これをカテーテルを用いて経肝動脈的
に肝臓へ投与します。低侵襲で治療効果の高い治療法が現存しない中で、ADRCを用いた肝再生療法
は世界で初めての治療法となり、日本が製造販売申請を行った初めての国となります。

5.今後の見通し
 サイトリ社では、2019年12月より男性腹圧性尿失禁治療に関する医療機器の国内承認申請を行って
おり、今回の肝硬変の国内承認申請が二つ目の事例となります。今後もセルーションセルセラピー
キットを用いた細胞治療の対象疾患領域を拡大させ、細胞治療による再生医療の普及を目指してまい
ります。



●図 1(脂肪組織由来再生(幹)細胞 ADRC による治療の流れ)




●図 2(ADRC の作用)




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●サイトリ・セラピューティクス株式会社の概要
  (1) 名                   称 サイトリ・セラピューティクス株式会社
  (2) 所           在       地 東京都千代田区大手町一丁目1番1号
                            代表取締役        白浜靖司郎
  (3) 代表者の役職・氏名
                            代表取締役        堀江聡寧(FRACTALE㈱ 代表取締役)
                            医療機器の製造、輸出入及び販売
  (4) 事      業        内   容 医療機器の修理及び賃貸、幹細胞バンクシステム
                            (幹細胞の保管・貯蔵)導入・運用
  (5) 資           本       金 10 百万円
  (6) 大株主及び持株比率 FRACTALE㈱ 100%

   <会社沿革>
    2012 年 9 月    セルーション遠心分離器としての届出済み
    2018 年 11 月   セルーションセルセラピーキットの高度管理医療機器としての承認取得
    2019 年 4 月    NASDAQ 上場の米国 Cytori 社からマネジメントバイアウトにより日本法人化
    2019 年 11 月   男性の腹圧性尿失禁に関する国内治験の終了(同年 12 月に製造販売申請の届出)
    2020 年 1 月    「疼痛及び/又は線維症の調節において脂肪組織由来細胞を使用する方法」について
                  特許取得
    2020 年 3 月    肝硬変に関する国内治験の終了
    2020 年 7 月    株式交換による FRACTALE㈱の完全子会社化


                                                             以 上




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