3750 FRACTALE 2020-08-26 15:00:00
当社連結子会社であるサイトリが提供する脂肪組織由来再生(幹)細胞を用いた「慢性疼痛」に対する治療を目的とした第二種再生医療等を実施することのお知らせ [pdf]
2020 年 8 月 26 日
各 位
会 社 名 FRACTALE株式会社
代表者名 代表取締役社長 堀江 聡寧
(コード:3750、東証第二部)
問合せ先 経営企画部長 関本 秀貴
(TEL.03-5501-4100)
当社連結子会社であるサイトリが提供する脂肪組織由来再生(幹)細胞を用いた
「慢性疼痛」に対する治療を目的とした第二種再生医療等を実施することのお知らせ
当社 100%子会社であるサイトリ・セラピューティクス株式会社(以下「サイトリ」という。
)は、
この度、同社が提供する脂肪組織由来再生(幹)細胞を用いた慢性疼痛に対する細胞治療が下記の医
療機関で実施されることをお知らせいたします。
記
1.概要
サイトリは、同社のプラットフォームで高度管理医療機器クラスⅢとして厚生労働省より承認を受
けたセルーション セルセラピーキットを使って、成人患者自身の皮下脂肪組織から脂肪組織由来再
生(幹)細胞(Adipose Derived Regenerative Cells、以下「ADRC」という。)を数時間で採取する特許
技術を有しております。これまでADRCによる臨床研究や細胞治療への応用等について研究を進めて
まいりましたが、これらの研究の成果に基づき、ADRCを慢性疼痛(※1)の患者に投与することで
細胞治療を開始することといたしました。
この度、Y’s サイエンス クリニック広尾およびミューズシティクリニック(再生医療等提供機
関、※2)が実施する「脂肪組織由来再生(幹)細胞を用いた慢性疼痛に対する治療」乃至は「脂肪
組織由来間葉系幹細胞群を用いた慢性疼痛に対する治療」(以下、「慢性疼痛細胞治療」という。)
において、サイトリが開発したADRCを患者に投与することで慢性疼痛細胞治療を実施することにな
りました。
なお、慢性疼痛細胞治療は、第二種再生医療等技術に該当するものであり、再生医療等の安全性の
確保等に関する法律(平成26年11月25日施行)に基づき提供されるもので、特定認定再生医療等委員
会で適切な審査を受け、その後、関東信越厚生局を経由して厚生労働大臣に提出されています。
2.ADRC を用いた慢性疼痛の治療について
慢性疼痛の治療法は対症療法が主であり、手術療法などの根治療法がないのが現状です。保存療法
としては、内服薬、貼り薬、神経ブロック、髄腔内持続注入など、理学療法(温熱療法、牽引療法、
マッサージ、はり治療など)、物理療法(レーザー治療、直線偏光近赤外線治療など)、カウンセリ
ングなどの心理療法が中心となっていて、現状の治療法では十分な疼痛緩和が行えているとは言えま
せん。このように現行の治療は、疼痛症状の調節と治療による副作用を最小化するための治療法が主
たるもので、完治できずに多くの患者が苦しんでいます。
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慢性疼痛細胞治療で用いられる細胞は、脂肪組織由来再生(幹)細胞:ADRCといい、患者自身の
皮下脂肪組織の中に含まれている様々な細胞の集団をいいます。この細胞集団には、1)血管を新しく
作ったり、2)炎症をコントロールしたり、3)傷ついた組織を修復したりする働きがあることが、これ
までの多くの研究の結果で確認されています。患者自身の細胞を用いるため、拒絶反応や感染症の心
配がなく、安全にご使用いただくことができます。
慢性疼痛の有病率はわが国の全成人の22.5%との実態調査の結果もあり、多くの国民が抱える慢性
の痛みがQOLの低下を来す一因となり、新たな治療法の開発が求められています。
3.今後の見通し
当社及びサイトリでは、現在行われている研究による適用症例数が増え、また提携医療機関のネッ
トワークが拡大していく中、日本全国に患者様ご自身の細胞から採取した ADRC を凍結保存する「ス
テムソースセルバンクシステム」の構築を今後目指してまいります。サイトリの技術では、一回の脂
肪採取で複数回使える ADRC を採取することができ、施術に使用しない ADRC を凍結保存すること
ができます。ステムソースセルバンクにおいて凍結保存した ADRC は、凍結・解凍後も非常に高い生
存率を維持することができるため、施術に必要な分だけの ADRC を解凍して使用することができま
す。
近年、有効な治療法がない疾患の新規治療法の一つとして、再生医療・細胞治療が期待されます。
ステムソースセルバンクシステムの構築は、患者様の細胞を用いた再生医療の新たな可能性を提供し
ていくものと考えております。
4.業績に与える影響
本件が、2021 年 3 月期の当社連結業績に与える影響は軽微であると見込んでおりますが、開示すべ
き事項が今後発生した場合には、速やかにお知らせいたします。
(※1)慢性疼痛とは、国際疼痛学会(IASP)で「治療に要すると期待される時間の枠を超えて
持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疼痛に基づく痛み」とされています。
(※2)提携医療機関(再生医療等提供機関)の概要
名称 Y’s サイエンス クリニック広尾
所在地 東京都港区南麻布 5-15-27 広尾 REEPLEX B’s 6F
ウェッブサイト https://yss-clinic.jp/
名称 ミューズシティクリニック
所在地 埼玉県さいたま市南区別所 7-2-1 204
サイトリ・セラピューティクス株式会社の概要
(1) 名 称 サイトリ・セラピューティクス株式会社
(2) 所 在 地 東京都千代田区大手町一丁目1番1号
代表取締役会長 白浜靖司郎
(3) 代表者の役職・氏名
代表取締役 堀江聡寧
医療機器の製造、輸出及び販売
(4) 事 業 内 容 医療機器の修理及び賃貸、幹細胞バンクシステム
(幹細胞の保管・貯蔵)導入・運用
(5) 資 本 金 10 百万円
(6) 大株主及び持株比率 FRACTALE 株式会社 100%
以 上
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