3686 DLE 2020-03-06 15:00:00
内部管理体制の改善報告の公表について [pdf]

                                                2020 年 3 月 6 日
各 位
                         会 社 名     株式会社ディー・エル・イー
                         代 表 者 名   代表取締役社長     勝山 倫也
                                   (コード番号:3686 東証第一部)
                         問 合 せ 先   執行役員        松本 博数
                                        (TEL.03-3221-3980)


              「内部管理体制の改善報告」の公表について




 当社は、東京証券取引所から特設注意市場銘柄に指定されておりましたが、2020 年 2 月 22 日付
で解除されました。つきましては、当社が取り組んできた内部管理体制の改善策の内容、進捗状況
等について株主、投資家をはじめとするステークホルダーの皆様にご報告するため「内部管理体制
の改善報告」を取りまとめましたので公表いたします。


 当社は、東京証券取引所より、当社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められた
ため、2018 年 12 月 28 日付で「特設注意市場銘柄」に指定されました。
 当社は、当該指定を厳粛に受け止め、改めて本件問題に対する責任の所在を明確化し、全社的な
 意識と行動の改革に取り組み、経営管理体制の強化や各種業務プロセスの不備の解消に向けた
改善施策の実行に全社をあげて取り組んでまいりました。
 その後、当社は、指定から1年後の 2020 年 1 月 6 日に有価証券上場規程に定められた内部管理
体制確認書を東証に提出し、審査の結果、内部管理体制等に問題があると認められないため、当社
株式の特設注意市場銘柄の指定を 2020 年 2 月 22 日付で解除する旨の通知を受けました。


 「内部管理体制の改善報告」では、当社における不適切会計発覚以降の状況を踏まえ、
                                       「これま
での経緯」「不適切会計の発生原因の分析」並びに「再発防止に向けた改善措置並びにその実施状
     、
況及び運用状況」について記載しております。
 「これまでの経緯」では、不適切会計の発覚と調査、その後の特設注意市場銘柄の指定と内部管
理体制を改善するに至った経緯を記載しております。
 「不適切会計の発生原因の分析」では、第三者委員会による発生原因の検討結果のみに依拠する
ことなく、当社としての当時の当社役職員及び組織下における発生の原因について再度検証・整理
を行ったことを記載しております。
 「再発防止に向けた改善措置並びにその実施状況及び運用状況」では当社が検証した発生原因
に基づく再発防止に向けた改善策に関する具体的な施策内容と実施状況及び運用状況を記載して
おります。
 当社は、特設注意市場銘柄の指定から1年をかけて内部管理体制の改善に取り組み、今般、東京
証券取引所から内部管理体制等について相応の改善がなされたとして、特設注意市場銘柄の指定
は解除されましたが、これで内部管理体制の改善が完了したということではなく、構築した体制の
適切な運用を継続し、改善を続けていくことが必要であると考えております。適切な内部管理体制
を維持し、さらに強固なものにしていくことが株主、投資家、全ての関係者の皆様の信頼を取り戻
し、期待に応えていくことと信じ、今後とも、内部管理体制の充実に不断の努力を続けていく所存
であります。
 今回、株主・投資家をはじめとする全ての関係者の皆様には、多大なるご迷惑、ご心配をおかけ
したことにあらためて深くお詫びするとともに、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げ
ます。
                                        以   上
内部管理体制の改善報告




 株式会社ディー・エル・イー


   2020 年 3 月 6 日
 2020 年 2 月 22 日付で、東京証券取引所より、当社の特設注意市場銘柄の指定が解除されまし
た。当社は、内部管理体制の改善に努めてまいりましたが、株主、投資家をはじめとする全てのス
テークホルダーの皆様に、当社の改善の状況についてご報告するため、本報告書を公表させていた
だく次第です。




目次


<1> これまでの経緯 …………………………………………………………………………………




<2> 不適切会計の発生原因の分析 …………………………………………………………………




<3> 再発防止に向けた改善措置並びにその実施状況及び運用状況 ……………………………




<4> 特設注意市場銘柄指定解除を受けて …………………………………………………………
                        内部管理体制の改善報告

<1> これまでの経緯

 当社は、2018 年9月3日、映像制作事業における一部の案件に関して、売上計上の妥当性等に懸念がある旨の

外部からの指摘を受けました。社内で検証を進めた結果、過年度に売上計上した案件のうち1件について、根拠

資料が不十分のまま売上計上処理がなされており、2015 年6月期第3四半期会計期間に計上されていた企画売上

(※1)84,000 千円が、2015 年6月期第4四半期会計期間以降に計上すべきものであった可能性及び 2017 年6月期

第3四半期会計期間に、映像制作事業からの一部撤退に伴い計上した事業構造改善引当金 379,167 千円の計上時

期の妥当性に対する懸念等が判明いたしました。

 当社は、上記案件を含む類似的な案件の有無を調査するためには、過去5年間(2013 年6月期から 2017 年6月

期)及び 2018 年6月期の売上計上及び事業構造改善引当金の計上時期の妥当性等について調査することの必要性

を認識し、当該調査に当たっては、より独立した立場から、事実関係の解明、これらの会計処理の妥当性に関す

る検証、再発防止策に関する提言等が必要であると判断し、外部の専門家による第三者委員会を 2018 年9月 14

日に設置いたしました。

 また、第三者委員会の調査及び第三者委員会の調査結果に基づいた影響額を確定するための当社における作業

に相応の時間が必要であり、かつ、これらの結果を踏まえて過年度の決算の訂正作業を行う必要があること及び

有限責任 あずさ監査法人(以下「旧会計監査人」といいます。)による追加的な監査手続についても相当な時間

が必要であることから、監査報告書の受領は、法定提出期限に間に合わず、当該有価証券報告書を提出期限まで

に提出することができないと判断し、2018 年6月期の有価証券報告書の提出期限延長に関する申請を行いまし

た。

 第三者委員会による調査対象期間内の調査対象者の電子メールを網羅的に調査している過程で、上記の企画売

上及び事業構造改善引当金に係る会計処理に加え、新たに以下の不適切な会計処理が一部の案件において行われ

たことが窺われる電子メールが発見されました。

  ・2014 年6月期において、2,106 千円の費用を翌期に繰り延べ、また、9,000 千円の制作売上(※2)を前倒し

     して計上したことを疑わせる事実

  ・2016 年6月期において、外注先から受領した外注費用 3,230 千円の請求書には、当社が映像制作を受注し

     ていた案件の案件名が記載されていたにもかかわらず、当該外注費用を当社が別途映像制作を受注していた

     案件の外注費用に付け替えたことを疑わせる事実



(※1) 企画売上

 企画とは、アニメーションや映画等の映像を制作するか否かを判断するため、原作者や監督等との交渉権獲得や

ビジネスモデル構築等を実施し、企画業務を実施する会社以外の他社が、当該アニメーションや映画等の映像を制

作することに出資合意するまでの一連の行為をいいます。当社は、アニメーションや映画等の映像の企画業務が完

了した時点で、当該業務に対する対価を企画売上として計上しております。

(※2) 制作売上

 制作とは、アニメーションや映画等の映像を制作する行為をいいます。当社は、アニメーションや映画等の映像

制作が完了し、これを受注先に納品した時点で、当該業務に対する対価を制作売上として計上しております。
 第三者委員会の調査の過程で、それらの電子メールが発見されたことにより、新たに不適切な会計処理の疑義

が発覚したため、当初の調査範囲に追加して、当該不適切な会計処理の疑義についての事実関係の解明及びその

原因分析、並びにそれに類似する取引の有無の調査を行う必要が生じ、以下について調査範囲を追加的に設定い

たしました。



・映像制作事業における制作売上の計上時期の妥当性の検証

・外注費を含む営業費用の計上の妥当性の検証

・映像制作事業以外のその他の事業における類似取引の有無の調査

・連結子会社における類似取引の有無の調査



 なお、調査範囲を追加的に設定したため、第三者委員会による調査、当社における決算作業、旧会計監査人の

監査に更なる時間を要することが見込まれたことから、延長申請を行っていた 2018 年6月期有価証券報告書の提

出期限の再延長申請を行うとともに 2019 年6月期第1四半期報告書についても提出期限の延長申請を行いまし

た。

 その後、第三者委員会による調査が終了したことから、当社は 2018 年 11 月 27 日付で第三者委員会から調査結

果の報告を受けました。第三者委員会による調査結果を踏まえ、当社社内で検討を行った結果、開示していた決

算短信等に虚偽の内容が含まれていると判断したため、当社の映像制作事業における売上高の取消し等の訂正を

行うこととし、2018 年 12 月3日、2014 年6月期第3四半期から 2017 年6月期までの決算短信等の訂正を開示

し、2018 年6月期決算短信及び 2019 年6月期第1四半期決算短信を開示(同期間に係る有価証券報告書及び四半

期報告書を提出)いたしました。これらの不適正開示が発生した根本原因の一つには、当社の内部統制の不備が

あったと判断しております。

 これらの開示を受け、2018 年 12 月 27 日、株式会社東京証券取引所より、2018 年 12 月 28 日に「特設注意市場

銘柄」に指定されること及び上場契約違約金 3,360 万円の徴求を受けることになりました。その理由としては、

下記の指摘を受けております。



 「・ DLEでは、役務提供の実績やその対価の合意があったことの確認に必要な証憑等、売上計上の要件を明

      確にしていなかったこと

     ・ 取締役CFOは、DLEの売上計上基準が曖昧な状態を放置し、責任者としての自覚が欠如していたこと

     ・ 経営管理部門を中心として、証憑が不十分でも監査法人に説明がつきさえすれば売上を計上できると拡

      大解釈した結果、取引先を巻き込んでの不適切な会計処理等が横行していたこと

     ・ 取締役CFO及び経営管理部門が、監査法人に対し虚偽の説明と証憑の隠匿を行う等の不適切な会計処

      理等へ中心的に関与していること

     ・ 代表取締役社長は、売上計上基準の決定等の経理関係について、当時の取締役CFOや経営管理部門に

      任せきりにしており、経営管理に対する関心及び責任意識が著しく欠如していたこと

     ・ 監査役は、内部監査が計画どおりに実施されていない状況を認識していながら指摘していないなど、監

      査役としての対応が不十分であること
   一方、DLEは、2018 年 12 月3日に今後改善に取り組む旨を開示していますが、内部管理体制等について

 未だ不備があり、改善の必要性が高いと認められます。さらに、DLE株式の東京証券取引所マザーズへの新

 規上場(2014 年3月 26 日)及び市場第一部への変更(2016 年4月 15 日)にかかる審査において、DLE

 は、株式会社東京証券取引所へ提出する申請書類がすべて真実である旨の宣誓書を提出していたにもかかわら

 ず、申請書類に売上、利益及び純資産を過大に計上するといった虚偽の内容を記載し、上場審査・変更審査の

 過程においても虚偽の回答を行っていました。

   DLEは、実態としては市場変更基準上の利益及び純資産の額を充足していないにもかかわらず、利益及び

 純資産の額を過大に算出し、市場第一部への変更にかかる申請を行って承認を得ていたことになります。」


 また、2019 年4月 18 日、証券取引等監視委員会の勧告を受け、金融庁から 2019 年6月 19 日を納付期限とする

1億 3,540 万円の課徴金納付命令を受け、納付いたしました。


 当社は、第三者委員会の調査結果を受け、原因及び改善策について検討した結果、2019 年5月 10 日付で改善計

画及び責任の明確化のための役員の辞任等を含む処分を発表いたしました。また、同日、朝日放送グループホー

ルディングス株式会社(以下「朝日放送グループ HD」といいます。)に対する第三者割当増資及び同社との資本

業務提携を発表し、同社から人員の派遣を受け、その支援のもと、計画に従った内部管理体制等の改善を進めて

いくこととなりました。




<2> 不適切会計の発生原因の分析

 当社は、2018 年 11 月 27 日に開示した「第三者委員会の調査報告書の受領及び調査結果に関するお知らせ」に

記載されている第三者委員会による発生原因の検討結果を参考にしながら、当社としての当時の当社役職員及び

組織下における本件発生の原因について再度検証・整理を行い、2019 年5月 10 日、改善計画として下記のとおり

分析を行いました。



1.職責意識及びコンプライアンス意識の欠如

(1) 代表取締役における適格性の欠如

  代表取締役は、プロデューサーとしての気質が強く、経営管理能力が上場企業の代表取締役として最低限備

 えるべき水準になく、経営管理の重要性についての認識も希薄であったため、事業環境の変化及び上場という

 ステージの変化に合わせてより適切な経営管理体制を整備しつつ、代表取締役として自らの経営管理能力を随

 時向上させていくという姿勢、ひいては上場企業の代表取締役としての適格性が欠如していました。



(2) 取締役・監査役における責任感の欠如

 ① 取締役における責任感の欠如

   CFO は、過去からの会計処理方針を踏襲しようとする意識から、取引実態に応じた会計処理方針の適用に

  向けて企画売上の定義や計上要件を本質的に検討しようとしておらず、適正な会計報告を行うことに対する

  責任感が欠如していました。また、代表取締役を含む CFO 以外の取締役は、適正な会計報告を行うことの責

  任は CFO にあるとして、当事者意識を持つに至らず、自らの専門性を発揮して CFO の職務執行の状況を監督
  することで適正な会計報告を実現するという責任感が欠如していた結果、CFO の職務執行に対する牽制が機能

  しておりませんでした。



 ② 監査役における職責意識の欠如

   監査役の本来の機能は、取締役の職務執行の監査であり、監査役の職責の一つとして執行側によるリスク

  評価やリスク対応が適切に行われているかを監査することが考えられるところ、当社の監査役には、その職

  責についての認識が不足しておりました。特に、公認会計士資格を有する監査役は、会計監査人の判断を過

  大に信頼していた結果、会計専門家として期待された役割を積極的に全うしようとする意欲が欠如しており

  ました。



(3) 従業員における不明確な使命・職責・能力要件

  当社グループの業容拡大に伴い、事業が複雑化するとともに人員が増加し組織が拡大する中で、当社は、従

 業員の使命・職責を明確にしきれておらず、また、従業員においても、それを理解できておりませんでした。

  加えて、役員・幹部管理職が備えるべき管理能力の判断基準や教育研修制度が整えられておらず、また、社

 内の評価制度も明確に整えられていなかった結果、資質に欠ける役員・幹部管理職が登用され、管理・監督・

 監査といった各々の使命・職責を果たす上での緊張感が欠如していたと考えております。

  特に、経営管理部長は、会計監査人から会計処理方針を見直すよう指導がない限り、過去からの会計処理方

 針を踏襲しようとする意識から、取引実態に応じた会計処理方針を検討・適用できていなかった結果、経営管

 理部内において、会計監査人が要請する取引証憑が揃っていれば適切な会計処理が行えているという意識が蔓

 延するに至りました。



(4) コンプライアンス意識の欠如

 ① 代表取締役のコンプライアンス意識の欠如

   代表取締役は、コンプライアンスの重要性についての認識が希薄であり、上場企業を経営する立場として

  の社会的責任を明確に認識できておりませんでした。また、社内のコンプライアンス意識の涵養を重視すべ

  きところその認識に至らず、積極的な役職員のコンプライアンス意識醸成活動や社内のコンプライアンス意

  識の浸透状況の確認を行わなかった上に、次第に開催されなくなったコンプライアンス委員会についても打

  開策を講じることはありませんでした。



 ② CFO、事業(副)本部長、経営管理部長、経営管理部員のコンプライアンス意識の欠如

   CFO、事業(副)本部長、経営管理部長、経営管理部員を中心として、適正な会計報告よりも事業計画の達成

  を優先することを許容する意識が広まりました。この背景には、各人のコンプライアンス意識の欠如があっ

  たものと考えられます。



 ③ その他役員及び幹部管理職のコンプライアンス意識の欠如

   その他役員及び幹部管理職は、コンプライアンス意識が欠如した社風に対して、代表取締役への提言や率

  先した改善活動を行わず、改善に向けての積極的な措置を採りませんでした。
 ④ 従業員のコンプライアンス意識の欠如

   上記 1.(4)①から 1.(4)③に記載のとおり、役員、幹部管理職のコンプライアンス意識が欠如していた結

  果、当社ではコンプライアンス意識が欠如した社風が形成されていたものと考えております。



(5) 事業部における会計リテラシーの欠如

 ① 事業部における会計リテラシーを備えることの重要性についての認識不足

   事業部の現場プロデューサーは、会計リテラシーを備えることの重要性についての認識が希薄であり、会

  計リテラシーが欠如していた結果、会計上は不適切と判断され得る取引においても、その問題点に気付くこ

  とができませんでした。その背景として、当社では、事業部において、最低限把握しておくべき会計知識を

  明確化しておらず、会計リテラシーを備えることの重要性について認識する機会が提供されていませんでし

  た。



 ② 会計リテラシーの涵養に資する業務マニュアルの未整備

   当社では、案件ごとに役務提供完了の時点が異なり、画一的に売上計上の基準を定めることが困難であっ

  たため、売上計上基準を定めた業務マニュアルを整備しておりませんでした。この結果、個々の担当者によ

  って、売上計上基準の理解・解釈が異なる状況を招くとともに、不適切な会計処理の疑いのある売上処理に

  ついても批判的に検討することができる環境を整備できておりませんでした。



2.未熟な経営管理体制と内部牽制機能の形骸化

(1) 未熟な経営管理体制

  当社の役員には、事業環境の変化及び上場というステージの変化に合わせて、経営管理体制を構築し、か

 つ、経営管理体制の運用状況を検証する必要があるという意識が希薄であったため、上場企業として最低限求

 められる水準の経営管理体制を構築できておりませんでした。



(2) 取締役会における監督機能の不全

 ① 代表取締役の選定・解職基準、評価プロセスの不備

   当社は、創業者である椎木を代表取締役に選定することを当時の慣例としており、取締役会での代表取締

  役の選定・解職の基準及びプロセスを社内規程等で明確にしておりませんでした。加えて、代表取締役の適

  格性を定期的に評価し、必要な場合には解職するためのプロセスも整備されておらず、このことが、代表取

  締役による緊張感を持たない経営につながったものと認識しております。



 ② 取締役会の構成の問題

   当社は、会社の規模や実態を踏まえた取締役会の人員構成を検討できておらず、当社に必要な人材の選任

  ができておりませんでした。



 ③ 身の丈に合わない予算の策定
   当社は、予算策定に当たり、社内に意欲を促す目的で、当社の実力を超えた高い目標を予算として設定

 し、これを業績予想として開示していたことで、CFO 及び経営管理部に業績予想の下方修正を回避したいとい

 う誘因が生じ、そのことが不適切な会計処理を行う動機の一因になったものと認識しております。また、事

 業(副)本部長は、予算達成が難しいと見込まれる場合に、経営管理部とともに安易な不適切な会計処理によ

 る予算達成に傾倒していきました。これに対し、上記 1.(2)①のとおり、CFO 以外の取締役は、当社が策定

 した事業計画の内容、当社の事業計画達成に寄与した取引の内容について詳細を把握しようとせず、CFO の職

 務執行に対する牽制が機能しておりませんでした。



 ④ 取締役会への情報提供不足

 ⅰ.不十分な付議基準・報告基準の検討

   当社においては、取締役会への付議基準・報告基準を取締役会規程、決裁権限表で規定するに当たって、

 当社の事業上の具体的なリスクを踏まえた検討が不十分でありました。このため、取締役会において、当社の

 事業にとっての具体的なリスクを踏まえた十分な審議がなされないケースが発生し、結果として、取締役会が

 十分に牽制機能を発揮できておりませんでした。



 ⅱ.事前の情報提供の不足

   当社では、取締役会の開催までに、役員(特に社外役員)に対して事前検討を行うための十分な時間や情

 報が提供されていなかったと考えております。その結果、社外役員が、取締役会の場において、自らの専門性

 を発揮した確認を行い、意見を述べるなど、当社として期待した牽制機能を果たすことができませんでした。



(3) 監査役会における監査機能の不全

 ① 監査役会の構成の問題

   当社は、会社の規模や実態を踏まえた監査役会の人員構成を検討できておらず、当社に必要な人材の選任

 ができておりませんでした。



 ② 不適切な会計処理に対する希薄なリスク認識

   監査役会は、当社の取引において適時適切に契約書等を取り交わさない異常な実態を「業界慣行」として

 受容してしまい、そのような取引が常態的に行われていることによって生じ得るリスク(例えば、取引先と

 の明確な合意がないまま企画売上を計上するリスク)を踏まえた監査役監査を行っておりませんでした。



 ③ 情報収集機能の不全

   監査役会は、業務上の課題や問題の検出を内部監査室との連携により補完することとしながらも、内部監

 査の実施状況や実施結果について十分な評価を行っていなかったために、内部監査が計画どおり実施されて

 いない状況を看過することとなり、結果として、業務上の問題や課題を適時かつ十分に収集できておりませ

 んでした。
 ④ 会計監査人との連携不足

   監査役会は、会計監査人との情報共有を行っており、監査計画策定時や各決算期終了後に会計監査人との

  間で会計監査人からの報告を受けておりました。当該報告においては、本件で問題となった企画売上、制作

  売上等の売掛金の回収の遅れといった指摘と、かかる案件について検討の結果、今回の判断は見送るが、今

  後は貸倒引当金の計上も検討する必要があるかもしれないとの見解が示されておりました。

   このような状況において、監査役会は、前提となる事業環境や取引実態を十分に理解しないまま、会計監

  査人が各取引の売上計上を含む会計処理について適切であると判断している以上は問題ないのだろうと会計

  監査人の判断を都合良く解釈し、会計監査人との間で深度ある連携ができておりませんでした。



(4) 内部監査機能の不全

  代表取締役は、本来、業容拡大に伴い、事業が複雑化するとともに人員が増加し組織が拡大する中で、当社

 の内部管理体制が適切に整備・運用されているか直接検証することができない部分について、内部監査室がこ

 れを検証することができるよう、内部監査室の体制・機能をより充実化させていく必要がありました。しかし

 ながら、上記 1.(1)のとおり、当社には適切な経営管理体制を構築することに対する責任感が欠如していたこ

 とから、これが実施できておりませんでした。

  また、内部監査室長を経営管理部員が兼任しており、経営管理部に対する内部監査については、名目上は事

 業部員が内部監査担当者を兼務し実施していたものの、実態は内部監査室長が実施していたなど、内部監査の

 独立性が不十分でした。

  さらに、内部監査室長は内部監査の実務経験が少ない上に内部監査制度及び実務に対する知識も十分ではな

 く、内部監査室側から監査役会との連携に向けて働きかけることもありませんでした。また、当社が内部監査

 を担う人員を十分に確保していなかったこともあり、内部監査の実施頻度は組織変更時に実施する程度とな

 り、深度ある内部監査も実施されておりませんでした。



(5) 経営管理部への権限の集中

 ① 経営管理部及び事業部における業務分掌の理解不足

   経営管理部では、予実管理資料を作成する中で、事業部員の希薄な予算達成意識に危機感を抱き、売上計

  上漏れがないかといった事業部員へのフォローを進めるうちに、事業部員に代わって予算達成のために売上

  計上を推し進めるようになりました。他方、事業部員、特に制作を担う部署の従業員は、制作物の品質向上

  に注力するだけで、このような経営管理部の予算達成のための売上計上の推進に対して、何ら疑問を持ちま

  せんでした。このような状況を招いた原因は、それぞれの従業員の自らの所属部門の職責定義及び業務分掌

  に対する理解が不足していたことにあると考えております。



 ② 経営管理部に対する監督・牽制機能の不全

   CFO は、経営管理部の業務執行状況を十分に監督しておりませんでした。

   また、上記 2.(3)③、2.(4)のとおり、監査役会の会計監査人に対する過大な信頼及び内部監査の機能不

  全があったことで、経営管理部の業務執行に対する十分な牽制機能が果たせておりませんでした。
 ③ スーパーユーザー権限(※3)の無秩序な付与と濫用

   当社は、限られた人員による迅速な決算作業を可能とするため、経営管理部員5名及び事業(副)本部長1

  名に対し、基幹システムにおける「スーパーユーザー権限」という広汎な権限を付与しており(事業(副)本

  部長は、事業(副)本部長就任以前、経営戦略統括本部部長として経営管理部を管掌していたため、スーパー

  ユーザー権限を付与されておりました。)、経営管理部員及び事業(副)本部長はスーパーユーザー権限の行

  使により、事業部側で行うべき業務を代行できる状況にありました。

   スーパーユーザー権限の濫用は適切な業務分掌による相互牽制機能を形骸化させ、ひいては会計報告の適

  正性に疑義をもたらす要素となります。しかし、当社では、そのようなスーパーユーザー権限の濫用に伴う

  リスクを理解せず、かつ、スーパーユーザー権限の利用状況・履歴の記録ができず、事後的な検証ができな

  い仕様となっているにもかかわらず、必要以上の人員に対してスーパーユーザー権限を付与しておりまし

  た。加えて、スーパーユーザー権限の行使に当たっての適切な運用ルールを定めていなかったことから、ス

  ーパーユーザー権限を利用した基幹システムの操作が常態化しておりました。



 (※3) スーパーユーザー権限

  スーパーユーザー権限とは、基幹システム内において、本来の申請者に代わって入力・修正・申請を行える

 「代理申請権限」、本来の承認者に代わって承認を行える「代理承認権限」、他ユーザーのアクセス権限や申

 請・承認権限の自由な変更が行える「権限変更権限」の全ての権限を有するユーザー権限のことをいいます。



(6) 内部通報制度の形骸化

  当社では、内部通報制度の存在自体は社内周知していたものの、不適切な会計処理の発覚までの間に内部通

 報が行われた実績がなかったことから、具体的にどのようなケースにおいて内部通報制度の利用が求められる

 かが従業員の間で十分に理解されていなかったものと考えており、その周知方法や制度理解の深度は不十分で

 あったと認識しております。このため、従業員に不適切行為への疑念を持った者がいたとしても、内部通報制

 度を利用して通報することに意識が向かわなかった可能性があると考えております。



3.業務プロセス及び決算・財務報告プロセスの不備

  当社では、曖昧な売上計上基準の下で売上を計上しており、業務受注後も合意書等の契約書類が取り交わさ

れない取引や、納品後に受領書を取引先から回収できない取引の存在を「業界慣行」として受容してきたことか

ら、販売プロセスを構成する一部のサブプロセスにおける業務手順及び内部統制を整備しておらず、本件で問題

となった売上の計上を未然に防止、又は、適時に発見できる体制となっておりませんでした。

  また、主としてリスク評価が十分でなかったことから、購買プロセスを構成する一部のサブプロセスにおけ

る業務手順及び内部統制を整備しておらず、本件で問題となった原価の付替えや費用の繰延べを未然に防止、又

は、適時に発見できる体制となっておりませんでした。

  その他、当社が意思決定権限を持つ製作委員会の会計処理に関するルール、製作委員会へ拠出した出資金の

計上及び評価に関するルールについても整備されておらず、また、子会社決算の適正性を確保するための取組み

や連結範囲の適正性を確保するための取組みにも不備があったものと考えております。
<3> 再発防止に向けた改善措置並びにその実施状況及び運用状況

 上記原因分析に基づき、当社は 2019 年5月 10 日に開示した「改善計画・状況報告について」(以下「改善計

画・状況報告」といいます。)にて記載しているとおり再発防止に向けた改善措置を講じており、その実施状況

及び運用状況は下記のとおりです。



1.責任の明確化

(1) 役員の辞任等

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   当社取締役であった川島崇は辞任を申し出たため、当社は 2018 年 11 月 27 日付でこれを受理いたしまし

  た。

  代表取締役 椎木隆太は、本件が当社グループに与えた影響や経営責任を重く受け止め、再発防止に向けた

  施策が運用される道筋が立ち、後任の目処が立ったタイミングで代表権を返上する意向を示しております。

  常勤監査役 若林博史についても後任の目処が立ったタイミングで辞任する意向を示しております。



【実施・運用状況】

 取締役 CFO であった川島崇は、2018 年 11 月 27 日付で当社取締役を辞任いたしました。代表取締役 椎木隆太

は、2019 年9月 20 日開催の第 18 回定時株主総会及び同株主総会後の取締役会をもって代表取締役を退任し、新

任の代表取締役として勝山倫也が選定されました。また常勤監査役 若林博史は、2019 年9月 20 日開催の第 18 回

定時株主総会終結の時をもって辞任し、同株主総会において新任の監査役として増永健が選任されました。



(2) 報酬の減額又は一部返上

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   本件問題に対する経営責任を明確にするため、以下のとおり、2018 年 11 月 27 日開催の取締役会において

  取締役報酬の減額を決議するとともに、各監査役から一部報酬の自主返上の申し出を受理いたしました。

  代表取締役           椎木 隆太      月額報酬の 100%を減額

  取締役             小野 亮       月額報酬の 10%を減額

  取締役             夏野 剛       月額報酬の 10%を減額

  監査役             若林 博史      月額報酬の 10%を自主返上

  監査役             並木 安生      月額報酬の 10%を自主返上

  監査役             砂田 有紀      月額報酬の 10%を自主返上

   報酬減額及び一部返上は、2018 年 12 月から 2019 年2月までの3ヶ月間となっております。

  なお、取締役 ダンカン・ビリングは、無報酬であるため、対象外としております。



【実施・運用状況】

 上記のとおり、2018 年 12 月から 2019 年2月までの3ヶ月間、取締役報酬の減額及び監査役の一部報酬自主返

上を実施いたしました。
(3) その他の処分

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   第三者委員会の調査結果及び今般の原因究明に向けた分析結果を踏まえ、2019 年3月1日付で幹部管理

  職ら4名(退職者を含む。)に対して、相応の懲戒処分又は厳重注意(退職者については懲戒処分相当又は

  厳重注意相当)を実施いたしました。



【実施・運用状況】

 上記の通り、2019 年3月1日付で懲戒処分または厳重注意(退職者については懲戒処分相当又は厳重注意相

当)を実施いたしました。



2.職責意識及びコンプライアンス意識の醸成

(1) 役員に求められる資質を備えた人材の選定・選任

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   当社は、親会社となる朝日放送グループ HD より派遣を受ける取締役及び監査役を含め、新たに取締役及

  び監査役を選任する上で、下記①~③のとおり資質を規定し、人選を進めてまいります。

 ① 当社代表取締役として必要な資質

  ⅰ.自己に与えられた使命・職責を理解していること

  ⅱ.高いコンプライアンス意識・倫理観を有していること

  ⅲ.戦略的な思考力、判断力に優れていること

  ⅳ.責任感をもって公正・的確な意思決定と経営の監督を実行できること

  ⅴ.業界や過去の慣行に縛られない視座を持ち、あるべき姿に向けて組織を変革できる力を有していること

  ⅵ.内部管理体制の抜本的な改善を優先し、経営管理体制確立を実行できること

 ② 当社取締役として必要な資質を備えた人材の選任

      (上記ⅰ.~ⅳ.に同一)

 ③ 当社監査役として必要な資質を備えた人材の選任

      (上記ⅰ.~ⅱ.に加え、)

  ⅲ.責任感をもって自律的かつ積極的な監査を行い、経営管理体制強化に貢献できること

  ⅳ.(常勤監査役) 職責を適切に果たすうえで必要な時間・労力を確保できること

  ⅴ.(社外監査役) 企業経営、会計、法律その他分野に高い専門的知見を有すること



【実施・運用状況】

 「役員基本規則」を制定し、必要な資質について定めました。2019 年9月 20 日開催の第 18 回定時株主総会に

おいて取締役又は監査役として提案した候補者の人選に際しては、上記の「役員基本規則」に則り、取締役会に

おいて、経歴の評価、面談等によりその資質の適合状況を項目ごとに評価したうえで社外取締役を交えて議論が

なされ、問題がないことを確認しております。
 また、2020 年 1 月 29 日の取締役会において、任意の指名・報酬委員会の設置を決議しました。2020 年 6 月に

開催予定の株主総会における取締役改選に向けて、上記役員基本規則に則った適合状況の評価等を行うことを予

定しております。



(2) 従業員の使命・職責・能力要件の明確化

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

     2019 年6月末を期限に、人事マニュアルにおいて、従業員における階層別の使命・職責・能力要件を明

  確化します。その上で、幹部管理職としての要件に見合った人材を、社内から登用又は社外から採用しま

  す。また、各人が、自らに期待された使命・職責・能力要件を十分に理解し、これを意識して平時の業務に

  あたるようにするため、これについての説明会を実施するとともに、半期に1度、幹部管理職が従業員の使

  命・職責の理解度、能力要件の充足度を評価してフィードバックする制度の導入を検討しております。な

  お、そこでの評価は、従業員の人事考課において考慮することを想定しております。



【実施・運用状況】

 2019 年6月 20 日より新たに「職位および職責に関する規定」を制定し、従業員における階層別の使命・職責・

能力要件を明確化しました。その上で、幹部管理職の登用採用を行っております。さらに、明確化した使命・職

責・能力要件の考え方に基づき人事評価体系を再設計し、「ミッション面談」及び新しい人事評価制度を設け、

運用しております。



(3) 全社にわたるコンプライアンス意識の醸成・徹底

 ①    コンプライアンス研修の実施

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

     役員及び従業員一人一人のコンプライアンス意識の涵養及びコンプライアンス意識の浸透状況を確認する

     とともに、業務に関連して遵守すべき法令等に関する基礎知識の習得を図るべく、後述の「再発防止プロ

     ジェクト」と人事総務部が連携して下記のような研修を継続的に実施いたします。

     ⅰ.役員及び幹部管理職向けコンプライアンス研修の実施

      外部有識者を講師とした、上場企業を経営する立場としての社会的責任をより明確に認識することを目

      的とした研修を、2019 年6月を初回として、年2回を目安に実施いたします。

     ⅱ.全役職員向けコンプライアンス研修の実施

      前記の研修を受講した役員又は幹部管理職もしくは外部有識者が講師となり、関連法令や上場規則に対

      する知識の習得を含むコンプライアンス研修を、令和元年6月を初回として、年2回を目安に実施いた

      します。

     ⅲ.全役職員向け e ラーニング研修の実施

      全役職員のコンプライアンス意識の定着・高揚を目的として、e ラーニング研修を導入し、2019 年6月

      を初回として、年2回を目安に実施いたします。
【実施・運用状況】

 「再発防止プロジェクト」と人事総務部の連携のもと、下記のとおり研修を実施いたしました。

 ⅰ.役員及び幹部管理職向けコンプライアンス研修の実施

     外部有識者として会社法・コンプライアンスを専門としている弁護士等を招き、役員及び幹部管理職

    を対象にした研修を 2 回実施し、取締役・監査役が日頃の経営において押さえておくべき事項等を学

    習、さらなるコンプライアンス意識の涵養に努めてまいります。以降も年2回を目安に実施してまいり

    ます。

 ⅱ.全役職員向けコンプライアンス研修の実施

     グループ会社を含む全社員、を対象に、コンプライアンスの基礎的な知識から関連法令・上場規則に

    関する知識を含む内容で研修を 2 回実施いたしました。以降も年2回を目安に実施してまいります。



 ⅲ.全役職員向け e ラーニング研修の実施

     2019 年度に 2 回実施したコンプライアンス研修の後に、コンプライアンス意識の浸透状況を確認する

    ための e ラーニングのテストを全社員向けに実施しました。また、回答後解説資料を配布し、誤答者に

    対するフォロー対応をしております。また、朝日放送グループがグループ会社全般に対して実施してい

    る e ラーニング研修についても実施しております。今後も年2回を目安に確認テストとして継続実施し

    ていきます。



 ② 代表取締役からのメッセージの発信

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   代表取締役は、特設注意市場銘柄に指定された当社の危機的な状況についての認識を共有すること、及び

  コンプライアンス意識を徹底的に向上することについてのメッセージを社内メールで定期的に発信してまい

  ります。



【実施・運用状況】

 2019 年5月以降、月 1 回代表取締役から全社員に向けて、コンプライアンス意識の向上についてメッセージを

発信してまいりました。今後も、代表取締役が主導して社内のコンプライアンス意識の涵養に努めていく姿勢を

明確に示しています。



(4) 事業部における会計リテラシーの涵養

① 事業部における会計処理に関する研修の実施

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   社内外の有識者を講師として、事業部を所管する取締役及び事業部員向け会計リテラシー研修を実施いた

  します。この研修においては、事業部で必要となる会計処理の基礎知識を習得できる内容となるよう設計

  し、令和元年5月を初回として、年1回を目安に実施いたします。
【実施・運用状況】

 社外の公認会計士を講師として、事業部を所管する取締役及び事業部員を対象に、今回の事例にも触れなが

ら、

     ・上場会社が開示する決算の重要性の認識

     ・事業部で必要となる最低限の会計知識の習得

     ・社内経理システムへの適時適切な入力の重要性の認識

 を主目的とした研修を実施しました。今後も年1回を目安に実施し、また、売上計上基準の更新等があった際

には、研修等を通じて都度周知を行ってまいります。



② 会計リテラシーの涵養に資する業務マニュアルの作成及び周知・徹底

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

     令和元年6月末を期限に、事業部における業務について、取引の形態ごとに売上計上基準を明確にした

 「販売管理マニュアル」を新設し、周知及び運用の徹底を図ってまいります。なお、当該マニュアルは、経

 営管理部にて原案を作成し、後述の「再発防止プロジェクト」にて事前精査の上、取締役会決議を経て制定

 する予定であり、事業環境の変化等があった場合には「販売管理マニュアル」を見直すよう経営管理部門か

 ら取締役会に提言することとしております。



【実施・運用状況】

 売上計上基準を明記した販売管理マニュアルを作成し、全社員向けに会計研修を実施しました。研修は会計リ

テラシーの涵養を目的に実施しましたが、研修の中では何が不適切な会計処理だったのかなど、具体的な事例を

交えて過去の会計処理を振り返りも実施し、販売管理マニュアルに基づいて今後現場レベルでどういった会計処

理をしていくべきかについても説明しております。会計研修については今後も年1回の実施を予定しております

が、事業環境の変化等があった場合には販売管理マニュアルを随時見直し、経営管理部から取締役会へと提言

し、全社員への周知・徹底を図ってまいります。



3.経営管理体制と内部牽制機能の強化及び活性化

(1) 適切な経営管理体制の構築・推進を目的とする再発防止プロジェクトの設置

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

      再発防止策の推進及び適切な経営管理体制構築の推進を目的に、2019 年1月1日付で発足させた取締役

     COO をオーナーとして、内部監査室長、経営管理部長、外部の公認会計士がメンバー、社外監査役がオブ

     ザーバーとして参加する「再発防止プロジェクト」において、改善計画に則して各施策の具体化を進め、

     改善計画の進捗管理も行い、その活動状況について定時取締役会に報告を行ってまいります。

      また、再発防止プロジェクトは、監査役による監査、内部監査室による業務監査や J-SOX 評価で発見し

     た問題等を収集し、それらの是正・解消を促すべく、取締役会に対して更なる改善策の提言を行います。

      なお、再発防止プロジェクトは、コンプライアンスの徹底・強化に向けた活動を主導するコンプライア

     ンス委員会としての機能も備え、内部管理体制確認書を提出し内部管理体制の改善が完了したタイミング
  でコンプライアンス委員会へ改組し、継続的なコンプライアンス意識の醸成に向けた活動に取り組んでい

  く方針です。



 【実施・運用状況】

  再発防止プロジェクトでは、2019 年5月 10 日の「改善計画・状況報告について」の発表後も、上記メンバ

 ーに加え、朝日放送グループ HD 出身の取締役 CFO 及びガバナンス体制構築室長(2019 年9月 20 日以降社長室

 長)も参加しての定例会議を月1~2回の頻度で行い、改善計画に則した施策の具体化及び改善計画の進捗管

 理を行ってまいりました。この進捗状況については取締役会にて 2019 年5月以降、毎月報告を実施し、その進

 捗に応じて規程変更等の提案をしております。なお、再発防止プロジェクトの働きかけにより 2019 年6月に代

 表取締役を議長としたコンプライアンス委員会及びリスク管理委員会を開催し、今後の委員会運用・規定整備

 等を含む再発防止プロジェクトの状況・コンプライアンス構築上の課題といった点について確認を行いまし

 た。以降、3か月に1度開催し、継続的にコンプライアンス意識醸成に努めています。



(2) 取締役会の監督機能の強化

 ① 代表取締役の選定・解職基準、評価プロセスの整備

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

    令和元年6月末を期限に、代表取締役に対する評価制度の導入及び代表取締役の選定・解職に係るプロ

  セスの見直しを実施いたします。代表取締役の選定・解職プロセスについては、年2回実施する選定基準

  への適合状況の評価結果及び解職基準への抵触状況を取締役会へ提示し、取締役会ではそれらを踏まえた

  選定・解職議案が審議されることを想定しております。



【実施・運用状況】

 代表取締役の選定・解職の基準及びプロセスについて明確にすべく検討を進め、新たに「役員基本規則」を制

定、指名・報酬委員会を設置し、代表取締役の具体的な選定基準及び評価・解職にあたってのプロセスを明記い

たしました。具体的には下記のとおりです。



  (代表取締役の選定基準)

  1.自己に与えられた使命・職責を理解していること。

  2.高いコンプライアンス意識・倫理観を有していること。

  3.戦略的な思考力、判断力に優れていること。

  4.責任感をもって公正・的確な意思決定と経営の監督を実行できること。

  5.取締役会において、建設的な議論への貢献ができること。

  6.会社法第 331 条第1項で定める欠格要件に該当しないこと。

  7.業界や過去の慣行に縛られない視座を持ち、あるべき姿に向けて組織を変革できる力を有していること

  8.内部管理体制の抜本的な改善を優先し、経営管理体制確立を実行できること。
 (代表取締役の評価、解職に当たってのプロセス)

  1.指名・報酬委員会は、代表取締役が選定基準に適合しているかどうか評価を行い、結果を取締役会に報告

    する。

  2.取締役会は、前項の報告を受け、代表取締役が本規則に定める必要な基準を満たしているか審議を行う。

  3.取締役会は、前項審議の結果代表取締役が必要な基準を満たしていない場合代表取締役の解職を決議

    する。

  4.取締役会は、第2項の審議内容及び結果について、監査役会に報告する。

  5.第1項に定める手続きは、半期に一度行うが、取締役または監査役の請求のある時は随時行う。



  上記のプロセスに従い、2020 年 2 月 7 日の取締役会において、勝山代表取締役社長が選定基準に適合してい

  るか評価を行いました。全ての取締役が個別に行った評価をもとに取締役会で審議した結果、選定基準に適

  合していることを決議いたしました。



② 取締役会の構成の見直し

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   当社取締役として必要な資質を有する候補者を選任するに際し、取締役会の構成を見直し、当社として

  必要な専門性を有する候補者で取締役会が構成されるように選任してまいります。



 【実施・運用状況】

  取締役会構成の再検討に際し、親会社の支援も受けての改善計画の確実な実行と継続的なガバナンスの維持

 による再発防止、親子上場という形態を踏まえた適正な業務執行などを重視することとしました。その結果、

 取締役会の監督機能を強化するため、取締役を 10 名に増員することとしました。

  社内の取締役は、親会社である朝日放送グループ HD から社長と CFO を迎え、経営管理体制を一新することと

 しました。社長は、朝日放送ラジオ社の社長経験者、CFO は朝日放送グループ HD で経理局長の経験者で、必要

 な専門性、見識をそれぞれ有しております。また、従来の取締役3人も留任としました。

  また、ガバナンス強化と適正な親子上場会社のガバナンス構築のため、社外取締役を3名に増員し全員が独

 立要件を満たしています。さらに、上記の社外取締役に加え、親会社グループである朝日放送グループ HD と連

 携を図り、ガバナンス強化の支援を受けるため朝日放送グループ HD と朝日放送テレビからそれぞれ1名の非常

 勤取締役を迎えました。以上を踏まえ、当社のガバナンス体制構築、維持に必要な助言と専門的な知見に基づ

 いた経営の監督を行えると判断しております。

  なお、上記 10 名についてはそれぞれが新たに制定した「役員基本規則」における取締役候補者の選任基準を

 充足していることを確認して選任しております。

  さらに、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会を設置し、2020 年 6 月に予定している株主総会

 における改選に向け、取締役の選任要件等の確認を行ってまいります。



③ 予算策定方針の見直し

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】
  当社は、予算策定方針として、当社の実力に即した合理的で実行可能な予算をボトムアップで策定するこ

 とを掲げ、これに対してアップサイドケースとダウンサイドケースを想定し、幅を持たせたレンジ形式での

 予算を策定することといたします。具体的には、各事業部がシナリオを作成し、経営管理部が実行可能性等

 を評価した上でレンジ形式の予算案を策定して取締役会に付議することを想定しております。なお、事業部

 が設定する KPI については、収益・貢献利益をベースとするのではなく、企画する案件数やその想定受注金

 額をベースに設定する方向で検討しております。



 【実施・運用状況】

  当社は 2020 年3月期の予算策定より、受注に紐づく引き合い件数・提案数・受注金額といった過去の KPI

 実績に基づいて事業部及び各グループ会社の案件別(受注予定含む)の売上・外注費・経費及びその達成確度

 を積み上げたものに、労務費、販管費、人件費などの経費予算を踏まえて全体予算をレンジ形式で策定しまし

 た。

  業績見通しが予算に対して乖離した際に、速やかに予算修正及び業績見通しの修正を開示できる体制を構築

 し、事業部門は毎月の実績値に対して予算との乖離要因を客観化し、予算策定時の未受注案件の受注状況を確

 認した上で業績見通しの修正を行っております。それらの業績進捗と業績見通しについては、経営会議での議

 論を経て定時取締役会でも報告されております。

  当社は、2019 年 12 月 25 日業績予想の修正を開示いたしましたが、これは上記のプロセスを経て取締役会に

 おいて決議を行ったものです。修正の理由は、IPクリエイション領域で映像作品の公開について関係先との

 協議遅れにより納品が翌期にずれたこと、長期大型企画への注力で新作企画の今期中の成立が見込めなくなっ

 たこと、ソーシャルコミュニケーション領域で営業強化等の施策が遅れ、また施策の効果が受注に反映される

 まで想定より時間差があったこと、既存ゲームの利用者数、課金収入が低調に推移したことなどです。来期以

 降、予算策定の確度向上に向け、売上及び利益の見積り方法の見直しを行っております。



④ 取締役会への付議基準・報告基準の見直し

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

  取締役会において当社の事業上のリスクを踏まえた十分な審議が行われるように、取締役会への付議基

 準・報告基準を改定し、取締役会・監査役会が牽制機能を十分に発揮できるようにするための体制を確保し

 ます。



 【実施・運用状況】

   付議基準・報告基準について、「取締役会規程」及び「職務権限一覧」について再発防止プロジェクトに

 て検討を重ね、付議事項・報告事項がもれなく必要な会議体に上がることを目的として、法令、定款上の必

 要事項に加え、取締役会、経営会議の牽制機能が十分に発揮され、果たすべき職責と権限を明確にすること

 ができるために必要な要件も付議できるよう更新を行いました。
 ⑤ 取締役会参加者への十分な情報提供

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

    上記 3.(2)④の取締役会への付議基準・報告基準の見直しに加え、それぞれの取締役・監査役に対して

  提供する情報の充実化、提供する時期の早期化を行い、取締役会での審議の充実に向けた取り組みを実施

  いたします。また、非常勤である社外取締役及び社外監査役に対しては、経営会議の議事録を送付するよ

  うにいたします。



 【実施・運用状況】

   取締役会参加者に十分な情報を早期に提供すべく、議案の事前送付を早期化し、原則として3営業日前に

  送付するよう運用を整備いたしました。また、経営会議の内容に関して、非常勤取締役、社外取締役及び常

  勤以外の社外監査役に対して、議事録を送付する形で運用しております。取締役会付議議案の情報提供の早

  期化及び経営会議の議事録の提供によって、社外取締役をはじめとする社外役員から、取締役会議案に対す

  る事前質問や経営会議内容に対しての質問をいただくことができるようになりました。また、取締役会でも

  十分に準備された意見等が上げられ、議論がより闊達化しております。



(3) 監査役会の監査機能の強化

 ① 監査役会の構成の見直し

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

    当社監査役として必要な資質を有する候補者を選任するに際し、監査役会の構成を見直し、当社として

  必要な専門性を有する候補者で監査役会が構成されるように選任してまいります。

    現時点では、令和元年9月に開催予定の第 18 回定時株主総会もしくはそれ以前に株主総会を開催するこ

  とがあれば当該臨時株主総会において、監査役を選任する議案を付議する予定です。



 【実施・運用状況】

   常勤監査役を選任するに当たっては、取締役と同様、取締役会及び監査役会において新たに制定した「役

  員基本規則」における監査役候補者の選任基準を充足していることを確認しました。その上で、2019 年9月

  20 日開催の第 18 回定時株主総会において監査役選任議案を付議し、その選任が承認可決されました。



② 不適切な会計処理に対するリスク認識の醸成

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

    今後の監査役監査におきましては、当社における事業の特徴と業界慣行に対する理解を深め、これに基

  づき、不適切な会計処理が行われるリスクを適切に評価し、識別したリスクに応じた監査計画を策定・実

  行してまいります。なお、監査役監査において認識した課題や懸念点については、経営陣と協議を行う体

  制を構築することが必要と考えております。
【実施・運用状況】

  当社の事業環境、取引実態に即し、不適切会計の背景となったリスク要因を分析し監査計画を策定しなお

しました。その上で、過去の監査結果を踏まえつつ、新任の監査役の豊富な知見も生かした監査を行ってい

ます。監査上認識したリスクについては、四半期ごとに社長及び取締役会に説明及び協議を行うことといた

しました



③ 情報収集機能の強化

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

  常勤監査役と内部監査室との定期ミーティングを、内部監査についての報告を受ける場と定義し、常勤

 監査役が議事録を作成して月次の監査役会で報告することといたします。

 また、監査役会の情報収集体制を強化するために、令和元年5月以降、代表取締役、経営管理部、内部監

 査室、会計監査人との面談頻度を増やし、社外監査役が再発防止プロジェクトの会議にオブザーバーとし

 て参加して取組み状況を監査役会で報告するようにいたします。

  なお、常勤監査役が経営会議など重要な会議体にオブザーバーとして参加したことに関する監査役会で

 の報告は、具体的な協議の状況を記載した議事録をもとに行うことで、監査役会が会議の状況を詳細に確

 認できるようにいたします。



【実施・運用状況】

  常勤監査役と内部監査室との間ではミーティングを月に2回以上の頻度で実施しており、内部監査室が議

事録を作成して、常勤監査役がその内容を確認しております。内部監査室は、当該議事録に基づき、月次の

監査役会で報告しております。代表取締役との面談については、代表取締役、経営管理部、会計監査人それ

ぞれとの面談を、四半期に1回をベースに実施しております。

  また、2019 年9月より、定時取締役会後に監査連絡会を開催しております。監査連絡会は、社外取締役に

とっての経営監督機能の実効性の向上、内部監査室、会計監査人及び監査役会にとっては見落とされがちな

リスクについて指摘を受けることが目的として開催され、出席メンバーは、社外取締役、内部監査室、会計

監査人及び監査役であります。



④ 会計監査人との深度ある協議

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

  監査役会は、令和元年6月末までに、情報収集機能の強化によって得られた情報をもとに事業環境や取

 引実態の理解を進め、当社が採用する会計処理方針について、採用することの適切性や採用することから

 生じる不正リスクや誤謬リスクを改めて検討いたします。

  それらの検討結果については、会計監査人との間で十分に協議し、監査役会が認識した不正リスクや誤

 謬リスクへの対応が十分であるか取締役会へ問題提起いたします。その後、認識した不正リスクや誤謬リ

 スクへの対応については、令和2年6月期の監査役監査計画において重点監査項目とし、その進捗及び結
  果は四半期ごとに実施する会計監査人とのコミュニケーションにおいて議題として取り上げ、当社におけ

  る対応の十分性について協議するようにいたします。



 【実施・運用状況】

   まず、監査役会として事業環境や取引実体の理解を深める検討を実施し、当社に生じる不正リスク・誤謬

 リスクについて再検討を加えました。かかる検討を踏まえ、「不正リスク・誤謬リスクへの対応」「不正の

 トライアングル」として取り纏めました。具体的なリスク事項としては、業績低迷による動機(動機・プレッ

 シャー)、内部統制を再構築したものの内部統制不備の改善が十分でない(機会)、改善計画の形骸化・実行遅

 延により社内のコンプライアンス意識が改善されない可能性(姿勢・正当化)、業務プロセスとして不備が指

 摘された販売プロセスからの売上誤謬の発生が挙げられています。

   これらは会計監査人とも協議しており、会計監査人からは、動機・プレッシャーによる不正リスクについ

 て意見がありました。かかる意見も踏まえ、2020 年3月期の監査役監査計画において、内部監査室及び会計

 監査人とも連携して不正トライアングル及びリスクマップに対応した監査対応を作成し、重点監査項目につ

 き監査を実施しております。内部監査室からは、監査役会において月次にて報告が行われ、会計監査人から

 は四半期ごとに報告を受けております。



(4) 実効性のある内部監査体制の整備

 ① 内部監査室の独立性確保

 ② 内部監査室長の知識・経験不足の解消

 ③ 内部監査室の情報収集機能の強化



 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

    内部監査室の独立性を確保するため、2019 年2月 14 日付で内部監査経験の豊富な人物を新たに外部よ

  り採用し、同日付で専任の内部監査室長に就任いたしました。なお、前任の内部監査室長は、現在、新任

  の内部監査室長への業務引継ぎのみを残して経営管理部の担当業務に専念しております。

    新たに内部監査経験の豊富な人物を採用したことで、内部監査室長の内部監査制度及び実務に対する知

  識・経験の不足を解消しております。

    2019 年2月以降、内部監査室長は経営会議及び取締役会に出席することにいたします。これらの会議体

  への出席に加え、監査役や会計監査人との連携、上記 3.(1)の再発防止プロジェクトへの参加により、内

  部監査室の情報収集機能を強化し、そこから得られる情報を基にした深度ある内部監査を実施してまいり

  ます。



 【実施・運用状況】

   実効的な内部監査を担保するため、2019 年2月 14 日付で上場会社にて内部監査業務・内部統制業務を8

 年間室長として従事していた内部監査経験の豊富な人物を採用し、同日付で専任の内部監査室長に就任しま

 した。新たに内部監査経験の豊富な人物を採用したことで、内部監査室長の内部監査制度及び実務に対する
 知識・経験の不足を解消できました。なお、新任の内部監査室長は就任後、再発防止プロジェクトにメンバ

 ーとして参画し、各種再発防止策を主導する一方、経営会議・取締役会への出席及び常勤監査役とのミーテ

 ィング実施等により、内部監査に資する情報の収集を進めております。監査役及び会計監査人との連携強化

 を実施するとともに、重点監査として新たに、再発防止策の構築状況及び運用状況、関連当事者取引の妥当

 性、三様監査指摘事項のフォローアップ、改定した規定類の周知・運用状況といった監査項目を追加し監査

 範囲の拡大もしております。また、2019 年 12 月1日付で公認会計士資格を有する内部監査室員1名を増員

 し、内部監査体制の強化を図っております。



 ④ 取締役会及び監査役会による内部監査実施状況の確認

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   内部監査が適時に行われ、必要な改善提案を含む内部監査結果が経営層に提供されているかどうかを確

  認するために、取締役会及び監査役会が内部監査の実施状況を確認いたします。

   具体的には、各々の監査役が、内部監査室から提出のあった内部監査調書を基に監査計画に沿って内部

  監査を実施していることを確認し、その結果を監査役会で取りまとめ、監査役から取締役会へ報告するよ

  うにいたします。なお、監査役による確認において内部監査の実効性に疑義が認められた場合には、監査

  役会から内部監査室及び取締役会に対してフィードバックしていくことを想定しています。



 【実施・運用状況】

   内部監査の進捗及び結果等については、監査役会に対して内部監査室長より内部監査報告をもって都度報

 告しており、これに対し監査役会はミーティングにおいてフィードバックを実施してきました。また、内部

 監査調書についても内部監査項目及び監査手続きが適切で十分であるかについて監査役会から意見をもらう

 趣旨でフィードバックを実施してきました。なお、現在のところ監査役会による確認において内部監査の実

 効性に疑義は認められておりません。



(5) 経営管理部に対する監督・牽制機能の構築

 ① 経営管理部と事業部における業務分掌の徹底

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   令和元年6月末を期限に、職務権限に関する規程において、経営管理部と事業部の職責定義及び業務分

  掌を明確化いたします。また、各人が、所属する部門の職責定義・業務分掌を十分に理解し、これを意識

  して平時の業務にあたるようにするため、明確化した職責定義・業務分掌についての説明会を実施すると

  ともに、半期に1度、幹部管理職から部下の従業員に対して所属する部門の職責定義・業務分掌について

  説明することを検討しております。



 【実施・運用状況】

   「職位及び職責に関する規定」を制定し、「職務分掌規程」と合わせて、経営管理部と事業部の職責定義

 及び業務分掌について明確化しました。
  また、所属部門の職責定義・業務分掌を明確に理解できるよう説明会を行い、また、説明会後から各幹部

管理職が部下の従業員に対して面談を順次行う中で、改めて所属部門の職責定義・業務分掌について補足説

明を行いました。今後は半期に一度の面談で継続して説明・周知を行う予定です。



② 経営管理部に対する監督・牽制の実施

【改善計画・状況報告に記載した改善策】

  CFO の職責は、取締役会による指揮及び CEO による統括の下で当社の財務に関する業務執行を統括し、

 経営管理部の業務執行状況を監督することにあると定義し、職務分掌規程に明文化いたします。その上

 で、経営管理部に対する監督内容について、毎月の取締役会における月次決算報告にあわせて報告するよ

 うにいたします。

  加えて、内部監査の評価項目に「経営管理部の業務執行状況」を追加し、内部監査室において、経営管

 理部による与信や会計処理に関する判断の根拠が文書化されていることを確認いたします。また、経営管

 理部と会計監査人との協議については、経営管理部から内部監査室へ議事録を提出し、内部監査室が経営

 会議・取締役会にて協議された財務報告に重要な影響を与える事項が漏れなく協議されているか確認いた

 します。



【実施・運用状況】

  まず、CFO の職責については、「職位および職責に関する規定」の中で「CFO は当会社の最高財務責任者と

して、CEO の下当会社の管理部門を総括する。また、CEO の行うガバナンスの整備を補佐し、財務報告の透明

性・適正性の確保に努め、管理部門が適正な財務報告が実施できるよう体制を構築し、その運用が適正に行

われていることを経常的に確認する責任を負う。」と定めております。

  2019 年7月 23 日開催の臨時株主総会及び同日に開催された取締役会にて選任された大塚取締役 CFO は、

経営管理部の経理処理方法の明確化と運用の徹底、業務の属人化の排除による部員相互のチェック促進な

ど、ガバナンスの整備に努めております。併せて、承認手続きや売上計上・原価計上に関するサンプルチェ

ックなどによる牽制を行っております。

  また、経営管理部長、経理財務部長と毎週ミーティングを行い、取締役会・経営会議への付議事項や適時

開示事項の有無の確認、重要な契約や取引に関する会計処理方針の検討等を行っております。

  なお、経営管理部に対する監督状況については、毎月の取締役会にて報告されております。

  また、内部監査室としても、内部監査の評価項目に「経営管理部の業務執行状況」を追加し、与信や会計

処理に関する判断の根拠が文書化されていることを確認しております。

  さらに、経営管理部と会計監査人との協議については、内部監査室に対して議事録が提出され、協議され

るべき事項がもれなく協議されていることを確認しております。



③ スーパーユーザー権限の廃止

【改善計画・状況報告に記載した改善策】
  不適切な会計処理を招いた一因である基幹販売システムのスーパーユーザー権限について、その必要性

 及びリスクを勘案して、廃止するという結論に至りました。そのうえで、令和元年5月末までに、スーパ

 ーユーザー権限を用いることで実施可能であった「代理申請」「代理承認」「承認権限変更」の権限を分

 離し、特定のユーザーが単独で申請及び承認を行うことによる内部統制の逸脱ができないように設定変

 更・システム改修を行います。内部監査室は四半期に1度各権限の付与・運用状況を監査するようにいた

 します。



【実施・運用状況】

  かつてスーパーユーザー権限であれば一括で行うこと可能だった「代理申請」「代理承認」「承認権限変

更」の権限を分離し、それぞれの権限の利用目的及び運用フローについて下記のように定め、システムにも

改修を加えた上で運用しております。なお、システム外注先の遅延により、2019 年5月中の完了を想定して

いた改修は、翌6月に完了しました。運用開始後、内部統制の逸脱がないかを特に注視すべき「代理承認」

についてはその履歴を証憑として残しており、内部監査時の確認項目としております。



ⅰ.スーパーユーザー権限

   スーパーユーザー権限については、アカウントを廃止いたしました。



ⅱ.代理申請権限

   代理申請権限は廃止することとしました。



ⅲ.代理承認権限

   代理承認権限は、正規の承認者が出張や欠勤等のやむを得ない理由により基幹販売システムを操作でき

  ないことで業務が遅延することを回避する目的で利用します。そのため、代理承認権限は、経営管理部長

  にのみ付与し、経営管理部長が事業部長に代わり承認する権限を有することとしました。



ⅳ.承認権限変更権限

   承認権限変更権限は、役職員の入退社及び役職変更など人事異動の際に権限を変更する目的で利用しま

  す。そのため、承認権限変更権限は、権限変更の承認が完了したものをシステム管理担当者が管理してお

  ります。

   承認権限変更権限は、以下のフローにより運用しております。

  a.人事異動があった際、もしくは権限追加の稟議書が決裁された場合は人事総務部よりその内容をシス

    テム管理担当者へ電子メールにて共有し、承認権限変更を要請します。

  b.その要請を受けたシステム管理担当者は、あらかじめ定められた役職ごとの承認権限設定に従い、権

    限を変更します。

  c. 権限付与状況をリストで管理し、必要な者だけに必要な権限だけが付与されているか経営管理部長が

    定期的に確認を行います。また内部監査室においてもその管理が適切に運用されているか確認を行い

    ます。
(6) 内部通報制度を実効的に機能させる仕組みの整備

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

   人事総務部が主導して、内部通報制度に関する説明会の定期的な開催、外部の通報窓口の案内の配付を行

 います。内部通報制度に関する説明会は、2019 年4月に、具体的に通報が必要なケースについて、実例を交

 えて説明しており、その後は、毎回のコンプライアンス研修において内部通報制度を紹介するほか、毎月の

 社内メールにおいて、具体的な内部通報の活用事例を配信するなど、関心が薄れないための対策を講じつ

 つ、恒常的な周知活動を継続してまいります。



 【実施・運用状況】

   内部通報制度に関する説明会は、2019 年4月に完了し、2019 年6月に実施した全社向けコンプライアンス

 研修においても内部通報制度の紹介を実施しました。さらに 2019 年4月の説明会以降、2019 年5月より、毎

 月初旬の社内メールにて、コンプライアンスの啓発に加えて内部通報制度の周知について、関心が薄れない

 ように毎回更新を加えた上、クイズ形式等を交えながら、継続的に実施しております。

   また、内部通報制度に関するアンケートを実施し、利用状況に不具合がないかモニタリングを行いまし

 た。通報制度が使いにくいという意見が 3 割以上あり、使いやすい方法、使いにくい方法には人によってば

 らつきがあるため、通報の手段を増やして通報しやすい環境に改善いたしました。具体的には、外部窓口と

 して電話および web での投稿をできるように改善いたしました。引き続き通報しやすい環境整備を続けてま

 いります。



4.業務プロセス及び決算・財務報告プロセスの不備の是正

 【改善計画・状況報告に記載した改善策】

  本件問題の再発を防止し、適正な会計報告を確保する一環で、令和元年5月末を期限に、販売プロセスを

 はじめとした業務プロセス及び決算財務報告プロセスの不備を洗い出し、アスカ監査法人とも協議しつつ、

 業務手順及び内部統制の見直しを進めてまいります。また、令和元年6月末を期限に、見直し後のプロセス

 についての内部統制評価のための文書(フローチャート、業務記述書、リスクコントロールマトリクス、チ

 ェックリスト)を整備する予定です。

  また、今後の企画売上については 2018 年 12 月 15 日に定めた売上計上基準に則して会計処理を行うことに

 より、客観性と検証可能性の確保に努めてまいる所存です。



 【実施・運用状況】

   2019 年5月までに全社的な内部統制、販売プロセス、原価計算プロセス、外注費計上プロセス及び決算財

 務報告プロセスの不備を洗い出した上で、アスカ監査法人との事前協議を繰り返し、フローチャート、業務

 記述書、リスクコントロールマトリクス及びチェックリストの再整備を実施しました。その結果、2019 年6

 月期の全社的な内部統制の整備状況については有効であると評価しておりますが、再整備後の運用開始期間

 が短く、十分な運用状況評価を実施できなかったことから、運用状況については未だ有効と評価できないた

 め、引き続き適切な運用を続けてまいります。
<4> 特設市場注意銘柄指定解除を受けて

 当社は、多年度にわたる不適切な会計処理により虚偽の決算開示を行っていたことを発端として第三者委員会に

よる調査を行い、内部管理体制を改善する必要があるため東京証券取引所から、2018 年 12 月 28 日に特設注意市

場銘柄の指定を受けました。当社は、いただいた指摘を真摯に受け止め、内部管理体制の改善、再構築に取り組み、

指定から 1 年を経過した 2020 年 1 月 6 日に内部管理体制確認書を提出いたしました。

 このたび、指定解除となりましたが、これで内部管理体制の改善が完了したということではなく、構築した体

制の適切な運用を継続し、必要があれば手直しを行って改善を続けてまいります。適切な内部管理体制を維持

し、さらに強固なものにしていくことが株主、投資家、全ての関係者の皆様の信頼を取り戻し、期待に応えてい

くことと信じ、役員、社員一同努力を続けていきます。今後とも、皆様のご支援をよろしくお願い申し上げま

す。

                                                       以上