3678 メディアドゥ 2021-03-25 16:00:00
株式会社トーハンとの資本業務提携及び第三者割当による新株発行に関するお知らせ [pdf]
2021 年3月 25 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 メ デ ィ ア ド ゥ
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 C E O 藤田 恭嗣
( コ ー ド : 3 6 7 8 、 東 証 第 一 部 )
問合せ先 執 行 役 員 C F O 山 田 亮
(TEL.03-6212-5113)
株式会社トーハンとの資本業務提携及び第三者割当による新株発行に関するお知らせ
当社は、2021 年3月 25 日付の取締役会において、以下のとおり、株式会社トーハン(以下「提携先」又は「割当
予定先」といいます。)との間において、資本業務提携(以下「本資本業務提携」といい、本資本業務提携に基づ
く業務提携を、以下「本提携」といいます。)を行うとともに、当社が第三者割当の方法により普通株式(以下「本
普通株式」といいます。)を発行し(以下「本第三者割当増資」といいます。)、提携先が第三者割当の方法によ
り処分する自己株式を取得すること(以下「本提携先株式処分」といいます。)を決議いたしましたので、お知ら
せいたします。なお、本第三者割当増資により、提携先は当社発行済株式の 3.09%を保有し、第8位の株主となる
見込みです。
記
I. 本資本業務提携について
1. 本資本業務提携の目的及び理由
当社及びその子会社(以下「当社グループ」といいます。)は、デジタル化された数多くの著作物を、公正
利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」
をミッションとし、「ひとつでも多くのコンテンツを、ひとりでも多くの人へ」をビジョンに掲げ、日本にお
ける文化の発展及び豊かな社会づくりに貢献するため、積極的な業容の拡大及び企業価値の向上に取り組んで
おります。
スマートフォン等の電子デバイスの普及、通信環境の整備とそれに伴うユーザーのライフスタイルの変化に
よって、デジタルトランスフォーメーション(DX)は今後、さらに加速していくと思われます。加えて、新型
コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機として、現実(フィジカル)とデジタルのあり様も大きく変容しつ
つあります。当社が属する出版業界に限らず、デジタル・テクノロジーを基軸にした大きなパラダイムシフト
は国や地域を超えて社会基盤・産業構造・生活のあり方そのものを変えつつあります。よって当社グループが
提供する価値のあり方も変革が急務だと認識しております。
こうした環境の変化を捉え、当社グループは自らの DX への挑戦と実践によって、多様なステークホルダーの
多様な価値観に応じたプロダクトやサービスを提供していくことこそが、 当社が 2018 年 7 月に公表した中期経
営計画(2018 年~2023 年)で掲げる「Publishing Platformer」、すなわち出版及びコンテンツ業界の DX を
支える存在のあるべき姿だと考えております。その実現を目指し、出版市場の更なる拡大への貢献に向けた持
続的な事業成長及び価値創出を一層加速させるべく、機動的且つ柔軟な成長投資、M&A 及び資本・業務提携を
推進しております。
インプレス総合研究所 「電子書籍ビジネス調査報告書 2020」 によれば、 2019 年度の電子書籍市場規模は 3,473
億円となっており、前年度の 2,826 億円から 647 億円増加いたしました。また、電子雑誌市場は 277 億円、電
子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は 3,750 億円と推計されております。今後も堅調に拡大し、2024 年
度の国内電子書籍市場は 2019 年度の 1.5 倍となる 5,669 億円になると予想されております。 こうした事業環境
の追い風を受け、 足もとの当社グループの業績も好調に推移し、 2021 年第2四半期には上方修正いたしました。
他方、電子書籍市場のみならず、出版業界全体の発展への貢献も当社グループの重要な使命と考えておりま
す。紙出版市場では過去 20 年超にわたる雑誌売上の大幅な減少がみられ、書籍売上においても漸減傾向が続い
ておりました。しかしながら、近年の電子書籍の成長によって市場縮小に歯止めがかかり、2018 年以降は微増
ではあるものの市場拡大につながっております。まさに出版市場が転機を迎え、デジタルとフィジカルの融合
が一層進むなか、出版業界と読者に対する当社グループとしての提供価値を検討・模索してまいりました。
提携先は、創立以来 70 余年にわたり紙出版物の取次及び流通を担い、流通総額の約3分の1以上を占めるト
ップ企業として、日本文化と出版文化の発展を支えてまいりました。提携先は、中期経営計画「REBORN」にお
いて「本業の復活」と「事業領域の拡大」の二方針を掲げ、マーケットイン型流通を主軸とする出版流通シス
テムの再構築を進めており、併せて企業としてさらなる成長を期すための新規事業にも積極的に挑戦しており
ます。
1
そのような中、当社グループと提携先は、新たな提供価値の創出に向けて、国内の電子・紙それぞれの出版
流通におけるキープレイヤーとして、両社の持つ経営資源の相互活用や双方の流通における利点、有するノウ
ハウを生かし、日本の出版業界の発展とコンテンツの一層の価値向上を支えるインフラ整備が不可欠との共通
の理解のもとで真摯な協議を行いました。その結果、当社及び提携先は、当社の競争優位である電子書籍配信
システムや流通ノウハウ、多様なデジタルコンテンツを配信可能にするブロックチェーン技術及び開発力と、
提携先が有するフィジカルでの営業網や書店ネットワーク等の経営資源を相互に持ち寄り、両社が長期的かつ
強固な協業体制を構築することで、かかる貢献への実現性を高めるとともに出版業界における一層の DX を推し
進めることが可能になると考え、ひいては両社の企業価値・株主価値の向上につながるものと判断し、本業務
提携を実施することを決定いたしました。また、当社及び提携先は、本業務提携の実効性を確保するため、当
社が提携先を割当先とする本第三者割当増資を行うとともに、提携先が本提携先株式処分を行うことをあわせ
て決定いたしました。本提携により、当社グループが有する電子書籍流通におけるポジションや技術力、ノウ
ハウ等と、提携先が有する紙書籍流通における営業力、拠点ネットワークやそれらに付随するソリューション
提供機能といった経営のリソース・競争優位を融合することで DX を加速させるとともに、既存事業の拡大と新
規事業の推進、サービスの拡充等を推進します。さらには、書店に顧客情報管理のデータベースを提供するほ
か、出版社には電子と紙の統合的マーケティングデータを提供することも企図しており、電子と紙の出版市場
を大きく拡大させることにつなげることで、両社の企業価値向上に取り組んでまいります。そして、共創によ
る新たな出版文化の創造と流通エコシステムの構築を目指し、更なる出版及びコンテンツ業界の DX への寄与と
発展を図ってまいります。
2. 本業務提携の内容等
(1)業務提携の内容
当社と提携先(以下「両社」といいます。)との間で合意している業務提携の内容は、主に下記の点を骨子
に、双方の事業拡大に資する展開を図ることを目的として提携いたします。
① 出版業界向けのデジタルトランスフォーメーション推進
Society 5.0 社会への移行が急速に進む現在、デジタルを活用した新たなサービスや文化が次々と出現す
ると考えております。そうした世界で紙と電子、双方の出版を支える基盤の構築が不可欠との認識のもと、
コンテンツ制作、販売促進、売上管理/印税の分配、読者情報の獲得といった、出版の全プロセスにおいて
DX の推進に取り組みます。具体的には、 当社が開発中の出版 ERP システムや当社グループ会社の NetGalley
LLC が有するマーケティングソリューション機能を活用することで、本提携先が進める従来のプロダクトア
ウト型からマーケットイン型流通への転換の推進及び紙書籍における返品率及び書店利益率の改善を加速
させてまいります。また、電子書籍と紙書籍の書誌情報や販売情報を統合し、紙書店、電子書店、図書館、
書評サイト、その他出版情報を扱う事業者に提供することで、 出版市場の拡大を目指し健全な収益環境を整
備してまいります。
② 電子書籍の販売を含む書籍流通業界のデジタルトランスフォーメーション
スマートフォン等の電子デバイスの普及とそれに伴うユーザーのライフスタイルの変化に加え、 電子書店
や出版社による提供コンテンツ、キャンペーンの増加などの要因が相まって電子書籍流通市場は当社の予
想を上回る速度で成長を遂げております。 とりわけ国内コミック市場では、6割以上を電子書籍が占めるま
でに拡大し、今後もこのトレンドは継続していくと見込まれています。一方で、紙出版市場は近年、雑誌売
上が大幅に減少し、書籍においても漸減傾向が続いており、書店に大きな影響を及ぼしています。
こうした状況を踏まえ、両社は日本の多様な出版文化を維持するためにも、 読者と著作物の出会いの場で
ある書店の維持・発展に取り組んでいく必要があるとの認識で一致しています。この実現に向け、電子・デ
ジタルがもつ利便性と、紙や書店というフィジカルがもつ体験や所有感を融合させた新たな書籍流通の仕
組みの研究・開発を共同で実施します。現在、当社ではブロックチェーン技術を用いた新たなコンテンツ流
通プラットフォームを開発しております。ブロックチェーン技術の特長は分散台帳によるデジタル上での
価値の保証です。この技術を活用し、これまでにない全く新たなアプローチで、書店を訪れて本を購入した
読者などに、紙書籍と同様にフィジカルの書店で販売、購入できるモデルの実証に取り組みます。具体的一
例として、数量を制限した限定のデジタルコンテンツを「デジタル資産(「非代替性トークン (NFT))」と
して付与するモデルの実証を行います。このように、紙と電子、双方の利点を組み合わせた電子書籍の新た
なモデルの実現に向けて、当社が有する技術力と本提携先が有する書店ネットワークといった経営リソー
スを融合し、書籍流通の DX を図ります。
③ 電子図書館事業に関する事業協力
新型コロナウイルス感染症の影響によって、 電子図書館導入ニーズは全国で大きな高まりをみせておりま
す。また、 電子図書館のサービスやコンテンツを誰もが平等に利用できるようにする情報アクセシビリティ
対応も必要であり、こうした需要に対応できる体制の整備や基盤の強化が急務となっています。当社は、世
界の電子図書館ビジネスにおいて圧倒的なシェアを有する OverDrive の日本唯一の代理店です。一方、提携
先は全国 21 支店・営業所を有する業界でも最大規模の営業体制を有しており、取引先書店の多くが各地域
2
で学校や公共図書館への書籍納入実績を持つ有力書店です。本提携により両社が有するソリューション機
能とリソースを掛け合わせることで、電子図書館導入と継続的な電子書籍の購入を全国規模でサポートす
ることができるようになります。
④ その他包括的な事業協力及び経営リソースの相互活用
活字書籍の電子化促進に関する事業協力やデジタル教科書関連事業に関する事業協力といった出版及び
書籍コンテンツにかかわる DX の推進に向けた可能性を模索するとともに、ノウハウやシステム、人材とい
った経営リソースの相互活用についても検討をいたします。
(2)資本提携の内容
当社は、本第三者割当増資により、提携先に対して本普通株式を割り当てる予定です。本第三者割当増資の
詳細は、下記「Ⅱ.第三者割当増資の概要」をご参照ください。
また、当社は、提携先から、第三者割当の方法により同社の自己株式 3,917,192 株(提携先の発行済株式総
数に対して 5.56%)の割り当てを受け、総額 2,937,894,000 円で引き受ける予定です。
3. 資本業務提携の相手先の概要(2020 年9月 30 日現在)
(1) 名称 株式会社トーハン
(2) 所在地 東京都新宿区東五軒町6番 24 号
(3) 代表者の役職・氏名 取締役社長 近藤 敏貴
(4) 事業内容 1. 書籍、雑誌、教科書、その他の出版物の取次販売、ならびにこれに関す
る物流業務
2. 音楽・映像ソフト、ゲームソフト、玩具、雑貨類、事務用品、教育用品、
音楽用品、視聴覚機器、什器備品の取次販売、ならびにこれに関する物
流業務
3. 3SA システムの開発、販売および各種情報提供業務
(5) 資本金 45 億円
(6) 設立年月日 1949 年9月 19 日
(7) 発行済株式数 70,500,000 株
(8) 決算期 3月期
(9) 従業員数 2,385 名
(10) 主要取引先 株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
(11) 主要取引銀行 三菱UFJ銀行
みずほ銀行
三井住友銀行
(12) 大株主及び持株比率 株式会社講談社 5.57%
株式会社小学館 5.42%
トーハン従業員持株会 3.86%
株式会社文藝春秋 2.98%
株式会社旺文社 2.86%
(13) 当事会社間の関係
資 本 関 係 該当事項はありません。
人 的 関 係 該当事項はありません。
取 引 関 係 当社子会社であるジャイブ株式会社と割当予定先との間には、書籍
販売に関して取引関係があります。
関 連 当 事 者 へ の 該 当 状 況 該当事項はありません。
(14)最近3年間の経営成績及び財政状態(連結ベース)
決算期 2018 年3月期 2019 年3月期 2020 年3月期
純資産 106,269 百万円 105,437 百万円 97,416 百万円
総資産 341,513 百万円 329,357 百万円 299,408 百万円
1株当たり純資産 1,568.06 円 1,568.14 円 1,458.00 円
売上高 443,751 百万円 416,640 百万円 408,249 百万円
営業利益又は営業損失(△) 4,452 百万円 3,887 百万円 1,319 百万円
経常利益又は経常損失(△) 2,413 百万円 1,819 百万円 △1,457 百万円
親会社株主に帰属する連結当期純利益
758 百万円 531 百万円 △5,985 百万円
又は当期純損失(△)
1株当たり連結当期純利益又は
11.20 円 7.92 円 △89.80 円
当期純損失(△)
1株当たり配当金 6.00 円 7.00 円 4.00 円
3
(注)当社は、割当予定先、当該割当予定先の役員及び株主が資金提供その他の行為を行うことを通じて反社会的
勢力との交流を持っている事実の有無について、割当予定先、当該割当予定先の役員について直接又は関係
者からの聴取等を行うとともに、割当予定先が 2020 年6月1日に提出した「第 73 回 定時株主総会招集ご
通知」の「5. 会社の体制および方針」に記載の「反社会的勢力排除に向けた体制」において、反社会勢力
とは一切関係を持たず、不当要求等に対しては明確に拒絶する旨の記載を確認しております。また、主要株
主については、当社における主要株主、或いは取引先であることから事前に反社会的勢力との交流有無の事
実について確認をしております。加えて、第三者機関である株式会社トクチョー(代表取締役社長:荒川一
枝、住所:東京都千代田区神田駿河台三丁目2番1号)に反社会的勢力との関係性の有無について調査を依
頼した結果、割当予定先と割当予定先の代表者が反社会的勢力でない旨の、また、過去の違法行為・不正取
引及びそれに伴う処罰歴はない旨の報告書を受け取るとともに、反社会的勢力が割当予定先の経営に関与し
ている事実及び反社会的勢力への資金提供その他の行為等はない旨の報告を受けております。また、割当予
定先は、当社との間で締結した資本業務提携契約書において、割当予定先、その役員が反社会的勢力でない
旨を表明保証しております。
4. 今後の日程
(1) 取締役会決議日 2021 年3月 25 日
(2) 資本業務提携契約締結日 2021 年3月 25 日
(3) 払込期日(予定) 2021 年4月 12 日
5. 今後の見通し
今後の見通しについては、下記「Ⅱ.第三者割当増資の概要」の「7.今後の見通し」をご参照ください。
Ⅱ.第三者割当増資の概要
1. 募集の概要
<株式発行に係る募集>
(1) 払込期日 2021 年4月 12 日
(2) 発行新株式 普通株式 489,649 株
(3) 発行価格 1株につき 6,000 円
(4) 資金調達の額 2,937,894,000 円
第三者割当の方法によります。
(5) 募集または割当方法(割当予定先)
(株式会社トーハン)
本第三者割当増資については、金融商品取引法に基づく有価証
(6) その他
券届出書の効力発生を条件とします。
2. 募集の目的及び理由
(1)本第三者割当増資の目的及び理由
本第三者割当増資の目的及び理由については、上記「Ⅰ.本資本業務提携について」の「1.本資本業務提
携の目的及び理由」をご参照ください。
(2)本第三者割当増資を選択した理由
当社は、以下の理由から、本第三者割当増資を行うことが、当社の中長期的な企業価値向上に資するもので
あり、当社にとって最良の選択肢であるとの判断に至りました。
① 公募増資のみでは、本資本業務提携において企図される、株式の相互保有を通じた特定のパートナーとの長
期的かつ強固な協業体制の構築を同時に実現することによる当社の中長期的な企業価値の向上を達成でき
ないこと。
② 本第三者割当増資と本提携先株式処分を同時又は近接した時点に行うことが本資本業務提携の実現のため
に不可欠であるところ、ライツオファリング・株主割当てを含む新株予約権を発行する方法では調達までに
時間を要することやより大きなコストが発生すること。
③ 新株予約権については、上記点に加えて、本資本業務提携の実施にあたり、新株予約権の行使の不確実性を
伴うこと。
④ 銀行借入れ、社債発行及び新株予約権付社債等の負債性のある資金調達手段では、本第三者割当増資のよう
に当社の自己資本比率を向上しつつ本資本業務提携を実施することができないこと。
4
3. 調達する資金の額、使途及び支出予定時期
(1)調達する資金の額
払込金額の総額(円) 発行諸費用の概算額(円) 差引手取概算額(円)
2,937,894,000 8,500,000 2,929,394,000
(注) 1 発行諸費用の概算額は、弁護士費用及びその他事務費用(有価証券届出書作成費用、払込取扱
銀行手数料及び変更登記費用等)の合計額であります。
2 発行諸費用の概算額には、消費税及び地方消費税等は含まれておりません。
(2)調達する資金の具体的な使途
前記「Ⅰ.本資本業務提携 1.本資本業務提携の目的及び理由」に記載のとおり、国内の電子・紙それぞれ
の出版流通におけるキープレイヤーである当社と提携先は、今後も日本の出版文化の維持発展に寄与すべく、
双方の流通における利点や有するノウハウを生かし、コンテンツの一層の価値向上を支えるインフラ整備に貢
献していくことが不可欠と考えております。この実現に向けて、各事業分野におけるシナジー創出を積極的に
検討し、パートナー関係の長期的な発展と強化、ならびに業務提携の実効性を高めるために、当社及び割当予
定先が互いの株式を保有する形での資本提携を行い、企業価値及び株主価値創出に向けた事業機会とリスクを
共有し合うことが重要と判断いたしました。
そのため、本第三者割当増資で調達する差引手取概算額 2,929,394,000 円については、割当予定先との株式
総数引受契約に基づく株式の取得に係る資金に全額を充当する予定であり、その結果、当社は引受予定先の筆
頭株主となる予定です。具体的な使途及び支出予定時期は以下のとおりです。
(本第三者割当増資により調達する資金の具体的な使途)
具体的な使途 予定金額(円) 支出予定時期
割当予定先の普通株式(第三者割当
2,929,394,000 2021 年 4 月
による自己株式処分)の取得費用
(注) 当社は、本第三者割当増資により調達した資金を速やかに支出する計画でありますが、支出実行ま
でに時間を要する場合には、銀行預金等の安定的な金融資産で運用保管する予定です。
なお、当社が、2020 年 10 月 13 日開催の取締役会にて決議した本新株予約権の発行に係る同日提出の有価証
券届出書による資金調達の充当状況等については、以下のとおりです。
(第 18 回新株予約権の資金充当状況等(2021 年3月 25 日現在))
具体的な使途 予定金額(百万円) 充当額(百万円) 支出予定時期
① 将来的な M&A 及び業務・資本提 2020 年 11 月~2022
7,553 2,257
携に係る費用 年 10 月
② ビジネスモデルや既存サービス
2020 年 11 月~2023
における競争優位の維持・高度 2,500 320
年 10 月
化に係る成長投資
上記のとおり、当初の資金使途である「① 将来的な M&A 及び業務・資本提携に係る費用」として、株式会
社 Nagisa 及び Firebrand グループの買収等に 2,257 百万円を、「② ビジネスモデルや既存サービスにおける
競争優位の維持・高度化に係る成長投資」として、当社が運営する電子書店の広告宣伝費及びブロックチェー
ン事業における開発費等に 320 百万円をそれぞれ充当しております。
今般、本新株予約権につきましては、本第三者割当増資に係る決議とあわせて、2021 年3月 25 日付の取締
役会において、その取得及び消却を決議しておりますが、本新株予約権により予定しておりました主たる資金
需要と使途は M&A 及び成長投資であり、本資本業務提携と目的を一にするものであると考えております。加え
て、「Ⅱ.第三者割当増資の概要 2.募集の目的及び理由 (2)本第三者割当増資を選択した理由」に記載
のとおり、手法として本第三者割当増資を選択しておりますが、本提携先株式処分を同時又は近接した時点に
行える本第三者割当増資の機動性が、本資本業務提携の実現のために不可欠と考えているだけでなく、本第三
者割当増資により実現する予定の資金調達及び本新株予約権の発行以降の株価動向を踏まえた本新株予約権の
これまでの行使により実現した調達状況から、本新株予約権の当初の主たる目的であった「将来的な M&A 及び
業務・資本提携」は概ね達成することができると判断いたしました。また、出版業界を取り巻く環境は、特に
紙書籍・書店を中心として近年厳しさを増している一方で、電子書籍の流通市場が急速に拡大する等、出版業
界の変革が進展する中で、提携先との本資本業務提携を迅速かつ早急に実現することが、当社が掲げる出版業
界の DX への貢献を通じた企業価値の向上のために重要であり、本新株予約権による資金調達を待たずに、本提
携先株式処分に係る資金に充当するため本第三者割当増資を行う必要があるものと判断いたしました。他方、
さらなる潜在株式による希薄化懸念の軽減を図ることも重要であるとの考えから、本第三者割当増資による新
株式発行によって生じる希薄化を、残存する本新株予約権がすべて行使された場合における希薄化と同程度に
抑えることを目的として、本新株予約権の発行要項に従い、残存する本新株予約権の全部を取得し消却するこ
5
とといたしました。
なお、この度取得及び消却することとなった、残存する本新株予約権の行使によって充当する予定であった
その他の資金使途については、当初の資金使途の大半が達せられることから、手元資金により充当することで
対応していく予定です。
4. 発行条件等の合理性
(1)払込金額の算定根拠及びその具体的内容
発行価格につきましては、本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前営業日(2021 年3月 24 日)の東
京証券取引所における当社普通株式の終値である 6,000 円といたしました。当該発行価格は、直近取引日から
1ヶ月遡った期間の終値平均値(5,984 円)に対して 0.27%のプレミアム、直近取引日から3ヶ月遡った期間
の終値平均値(6,594 円)に対して 9.01%のディスカウント、直近取引日から6ヶ月遡った期間の終値平均値
(7,034 円)に対して 14.70%のディスカウントとなります。
当該発行価格に関しては当社の直近の株価の動きを勘案し、割当予定先との協議の結果、直近の市場価格に
基づくものが算定根拠として客観性が高く合理的であると判断し、割当予定先との間で合意したものです。な
お、本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前営業日の終値を発行価格とした経緯につきましては、基本
的にはすべての公表情報を反映した直近の株価を時価と考えることが合理的であり、かつ本提携による割当予
定先のリソース及びノウハウを活用した事業拡大・成長加速、また、払込期日までの相場変動の可能性、既存
株主への株式の希薄化、当社の財務状況、並びに直近の資金需要等を総合的に勘案したものです。
これらの結果、本第三者割当増資に係る払込金額は、日本証券業協会の定める「第三者割当増資の取扱いに
関する指針」(平成 22 年4月1日付)に沿ったものであり、特に有利な払込金額には該当せず合理的であると
判断しております。
また、 当社監査役全員 (うち社外監査役2名) より、本第三者割当増資に係る払込金額の決定方法について、
取締役会における検討根拠となった資料の調査検討を行った上で、会社法上の職責に基づいて監査を行った結
果、条件決定日付の取締役会決議において上記の決定方法に基づき本第三者割当増資の払込金額を決定すると
取締役会が判断したことについて、会社法に違反する重大な事実は認められない旨の意見を得ております。
(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠
本第三者割当増資により発行される当社の普通株式数は 489,649 株であり、当社発行済普通株式総数(2021
年2月 28 日時点 15,370,300 株)に対する希薄化率は約 3.19%(2021 年2月 28 日時点の総議決権数 153,613
個に対する希薄化率は約 3.19%)に相当し、一定の希薄化が生じるものと認識しております。
しかしながら、 本第三者割当増資は割当予定先との本提携の一環として行うものであることから、 「3. 上記
調達する資金の額、使途及び支出予定時期 (2)調達する資金の具体的な使途」に記載の使途に充当するこ
とで、一層の事業拡大、収益の向上及び財務体質の強化を図ることが可能となり、結果として当社の中長期的
な企業価値向上のみならず、出版市場のさらなる発展にも寄与するものであると考えております。
他方、当社は 2020 年 10 月 13 日付で、将来的な M&A 及び業務・資本提携に係る費用及びビジネスモデルや既
存サービスにおける競争優位の維持・高度化に係る成長投資を資金使途として、第 18 回新株予約権(行使価格
修正条項及び行使許可条件付)(以下「本新株予約権」といいます。)を発行しております。本新株予約権に
関しては、本日までに、発行数 11,863 個(1,186,300 株)のうち 6,804 個(680,400 株)が行使されておりま
す。当該行使によって、これまでに調達した資金 4,479,266,518 円に関しては、当初の資金使途と充当計画に
基づいて、M&A 及び成長投資に充当しております。
当社として、出版及びコンテンツ業界の更なる発展と DX の実現可能性を高め、スピード感をもって推し進め
るには、 提携先との協業体制を早期に構築することが不可欠であると認識しており、 かかる協業体制の構築は、
本新株予約権の当初の資金使途と合致するものと考えております。
他方、公募増資やライツオファリング・株主割当等のみでは、本資本業務提携において企図される、株式の
相互保有を通じた特定のパートナーとの長期的かつ強固な協業体制の構築を同時に実現することによる当社の
中長期的な企業価値の向上を達成できないと判断されたこと、また、本第三者割当増資と本提携先株式処分を
同時又は近接した時点に行うことが本資本業務提携の実現のために不可欠であるところ、その他の方法では調
達までに時間を要することやより大きなコストが発生することから本第三者割当増資を選択しております。
このような点に鑑み、同日付の取締役会において、本第三者割当増資の実行に際して、第 18 回新株予約権に
ついては、さらなる潜在株式による希薄化懸念の軽減を図るとともに、かかる新株式発行によって生じる希薄
化を第 18 回新株予約権がすべて行使された場合における希薄化と同程度に抑えることを目的として、2021 年
3月 25 日付で、2021 年4月9日を取得日として取得及び消却を行うことをあわせて決議いたしました。 なお、
この度取得及び消却される、残存する本新株予約権の行使により調達した資金を充当する予定であったその他
の資金使途については、当初の資金使途の大半が達せられることから、手元資金により充当することで対応で
きる見通しです。
これらを総合的に検討した結果、本第三者割当増資により発行される株式数は市場に過度の影響を与える規
模ではなく、希薄化の規模は合理的であると判断いたしました。
6
5. 割当予定先の選定理由等
(1)割当予定先の概要
上記「I. 本資本業務提携について 」の「3.資本業務提携の相手先の概要 (2021 年9月 30 日現在)」に
記載のとおりです。
(2)割当予定先を選定した理由
上記「2.募集の目的及び理由」の「(1) 本第三者割当増資の目的及び理由」に記載のとおりです。
(3)割当予定先の保有方針
本第三者割当増資は、当社と割当予定先の本資本業務提携契約の一環として行われるものであり、両社の各
事業分野におけるシナジー創出を積極的に検討し、パートナー関係の長期的な発展と強化ならびに業務提携の
実効性を高めるために実施するものであることから、本第三者割当増資により割り当てる当社普通株式につい
て、割当予定先からは、中長期的に保有する意向である旨を確認しております。なお、割当予定先から、本第
三者割当増資の払込期日より2年以内に割当新株式の全部又は一部を譲渡した場合には、譲渡を受けた者の氏
名及び住所、譲渡株式数、譲渡日、譲渡価格、譲渡の理由、譲渡の方法等を直ちに当社に対し書面により報告
すること、当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること及び当該報告内容が公衆の縦覧に供
されることに同意する旨の確約書を取得する予定です。
(4)割当予定先の払込みに要する財産の存在について確認した内容
当社は、割当予定先が 2020 年 12 月5日に提出した第 74 期半期報告書における中間連結キャッシュ・フロー
計算書の現金及び現金同等物(27,181 百万円)の状況等により、払込に要する十分な資力を確保していること
を確認しており、払込に支障はないと判断しております。
6. 募集後の大株主及び持株比率
募集前(2021 年2月 28 日現在) 募集後
藤田 恭嗣 15.84% 藤田 恭嗣 15.35%
株式会社 FIBC 13.76% 株式会社 FIBC 13.34%
GOLDMAN SACHS & CO. REG(常任代理人 ゴー 7.49% GOLDMAN SACHS & CO. REG(常任代理人 7.26%
ルドマン・サックス証券株式会社 ゴールドマン・サックス証券株式会社
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 5.84% 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 5.66%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信 4.13% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 4.00%
託口) (信託口)
株式会社小学館 3.68% 株式会社小学館 3.56%
株式会社講談社 3.54% 株式会社講談社 3.43%
大和田 和惠 2.98% 株式会社トーハン 3.09%
株式会社集英社 2.89% 大和田 和惠 2.88%
みずほ証券株式会社 1.94% 株式会社集英社 2.80%
(注) 1 「持株比率」につきましては、2021 年2月 28 日時点の株主名簿に基づき算出しております。
2 上記の持株比率は発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する割合です。
7. 今後の見通し
今回の調達資金を、上記「3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期 (2)調達する資金の具体的な
使途」に記載の使途に充当することにより、一層の事業拡大、収益の向上及び財務体質の強化を図ることが可
能となり、結果として当社の中長期的な企業価値向上のみならず、出版市場のさらなる発展にも寄与するもの
であり、ひいては株主価値の向上に資するものであると考えております。今期の業績への具体的な影響等につ
いては、現在精査中です。今後、開示すべき事項が生じた場合は、判明次第、速やかに公表いたします。
8. 企業行動規範上の手続き
本新株予約権の発行は、1)希薄化率が 25%未満であること、2)支配株主の異動を伴うものではないこと
(本新株予約権の全てが行使された場合であっても、支配株主の異動が見込まれるものではないこと)から、
東証の有価証券上場規程第 432 条に定める独立第三者からの意見入手又は株主の意思確認手続きは要しません。
9. 最近3年間の業績及びエクイティ・ファイナンスの状況
(1)最近3年間の業績(連結)
2018 年2月期 2019 年2月期 2020 年2月期
連 結 売 上 高 37,213 百万円 50,568 百万円 65,860 百万円
連 結 営 業 利 益 930 百万円 1,468 百万円 1,853 百万円
7
連 結 経 常 利 益 831 百万円 1,492 百万円 1,761 百万円
親 会 社 株 主 に 帰 属 す る 358 百万円 △1,243 百万円 884 百万円
連結当期純利益又は当期純損失(△)
1 株 当 た り 連 結 当 期 純 利 益 32.56 円 △106.02 円 64.58 円
又 は 当 期 純 損 失 ( △ )
1 株 当 た り 配 当 金 10.50 円 10.50 円 13.00 円
1 株 当 た り 連 結 純 資 産 359.67 円 353.96 円 408.61 円
(2)現時点における発行済株式数及び潜在株式数の状況(2021 年2月 28 日現在)
種類 株式数 発行済株式数に対する比率
発 行 済 株 式 数 15,370,300 株 100.00%
現時点の転換価格(行使価額)に
524,500 株 3.41%
お け る 潜 在 株 式 数
下限値の転換価格(行使価額)に
― ―
お け る 潜 在 株 式 数
上限値の転換価格(行使価額)に
― ―
お け る 潜 在 株 式 数
(注) 1 上記潜在株式数は、ストックオプション及び下記の第 18 回新株予約権によるものです。
2 本第三者割当増資にあたり、2021 年3月 25 日付の取締役会において、2021 年4月9日に残存する
第 18 回新株予約権を全て取得するとともに、取得後直ちにその全部を消却することを決議してお
ります。
(3)最近の株価の状況
① 最近3年間の状況
2019 年2月期 2020 年2月期 2021 年2月期
始値 1,908 円 2,465 円 2,867 円
高値 2,998 円 4,290 円 9,090 円
安値 1,594 円 2,455 円 2,140 円
終値 2,465 円 2,837 円 5,540 円
② 最近6か月間の状況
2020 年 2021 年
10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月
始値 7,780 円 7,370 円 7,650 円 7,470 円 6,210 円 5,700 円
高値 9,090 円 7,820 円 7,690 円 8,350 円 6,700 円 6,380 円
安値 7,040 円 6,410 円 6,410 円 6,180 円 5,470 円 5,560 円
終値 7,370 円 7,500 円 7,410 円 6,210 円 5,540 円 6,000 円
(注)2021 年3月の株価については、2021 年3月 24 日現在で表示しております。
③ 発行決議日前営業日における株価
2021 年3月 24 日現在
始値 6,060 円
高値 6,140 円
安値 5,940 円
終値 6,000 円
(4)最近3年間のエクイティ・ファイナンスの状況
① 第三者割当による第 18 回新株予約権(行使価額修正条項及び行使許可条件付)
割 当 日 2020 年 11 月4日
発 行 新 株 予 約 権 数 11,863 個
発 行 価 額 25,742,710 円(新株予約権 1 個当たり金 2,170 円)
発 行 時 に お け る
調達予定資金の額 10,053,340,710 円(差引手取概算額)
(注)
(差引手取概算額)
割 当 先 みずほ証券株式会社
募 集 時 に お け る 14,594,700 株
8
発 行 済 株 式 数
当 該 募 集 に よ る
1,186,300 株
潜 在 株 式 数
現 時 点 に お け る 行使済株式数:680,400 株
行 使 状 況 (残新株予約権数:5,059 個)
現 時 点 に お け る
4,479,266,518 円
調達した資金の額
(第 18 回新株予約権 11,863 個のうち、6,804 個が行使済み)
(差引手取概算額)
① 将来的な M&A 及び業務・資本提携に係る費用
発 行 時 に お け る
② ビジネスモデルや既存サービスにおける競争優位の維持・高度化に係る成
当 初 の 資 金 使 途
長投資
行使済分につきましては、当初の資金使途である「① 将来的な M&A 及び業務・
資本提携に係る費用」については、2,257 百万円を、「② ビジネスモデルや既
存サービスにおける競争優位の維持・高度化に係る成長投資」 については、 百
320
現 時 点 に お け る
万円をそれぞれ充当しております。第 18 回新株予約権の行使期限は、2022 年 11
充 当 状 況
月4日に到来しますが、2021 年3月 25 日付の取締役会において、2021 年4月9
日に当該時点において残存する第 18 回新株予約権の全てを取得しその全部を消
却する予定です。
(注) 資金調達の額は、本新株予約権の発行価額の総額に、本新株予約権の行使に際して出資される財産の
価額の総額を合算した額から、本新株予約権の発行に係る諸費用の概算額を差し引いた金額です。な
お、本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の総額は、全ての本新株予約権が当初の行使
価額で行使されたと仮定した場合の金額ですが、行使価額が修正又は調整された場合には、資金調達
の額は変動いたします。また、本新株予約権の行使期間内に全部若しくは一部の本新株予約権の行使
が行われない場合又は当社が取得した本新株予約権を消却した場合には、 資金調達の額は減少します。
10. 発行要項
(1) 募集株式の種類及び数 普通株式 489,649 株
(2) 募集株式の払込金額 1株につき 6,000 円
(3) 募集株式の払込金額の総額 2,937,894,000 円
(4) 申込期日 2021 年3月 25 日
(5) 払込期日 2021 年4月 12 日
第三者割当の方法により、株式会社トーハンに対して 489,649
(6) 発行方法及び割当先、割当数
株を割り当てます。
上記各項については、金融商品取引法に基づく有価証券届出書
(7) その他
の効力発生を条件とします。
以 上
9