3646 M-駅探 2020-06-01 19:30:00
当社定時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会の反対意見に関するお知らせ [pdf]
2020 年 6 月 1 日
各位
会 社 名 株 式 会 社 駅 探
代表者名 代 表 取 締 役 社 長 中村 太郎
(コード:3646 東証マザーズ)
問合せ先 取 締 役 管 理 管 掌 栁 象二郎
(TEL. 03-6367-5951)
当社定時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会の反対意見に関するお知らせ
当社は、当社の株主である株式会社 CE ホールディングス(以下「提案株主」といいます。
)
より、2020 年 6 月開催予定の当社第 18 回定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいま
す。
)における議題について、株主提案(以下「本株主提案」といいます。
)を行う旨の書面
(以下「本株主提案書面」といいます。
)を受領し、その内容について検討を重ねてまいり
ました。その結果、本日開催の当社取締役会において、本株主提案について反対することを
決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1. 本株主提案の内容
(1) 提案された議題
① 取締役 7 名選任の件
② 補欠監査役 2 名選任の件
(2) 議案の要領
2020 年 5 月 21 日付プレスリリース「株主提案に関する書面受領等のお知らせ」
をご覧ください。
2. 本株主提案に対する当社取締役会の意見
(1) 本株主提案の概要及び当社取締役会の意見
..
提案株主は、
「当社経営陣刷新の必要性」を標ぼうし、本株主提案として、当社
.........................
の現任取締役を一切その候補者としない取締役選任議案を提案しています。
すなわち、本株主提案において提案されている取締役候補者は、その全員(7名)
が当社の経営に関与したことがなく、また、当社の主力事業に関する経営経験すら
ありません。また、提案株主は、この候補者らが「一括して」取締役に選任される
1
ことを前提に、当社の現任監査役が辞任した場合に備え、補欠監査役の選任議案も
提案しております。
他方、当社は、本定時株主総会において、取締役候補者 7 名の選任議案を上程す
る予定ですが、当社提案に係る候補者は、いずれも本株主提案に係る候補者と重複
しません(当社提案の詳細については、決定次第、本定時株主総会の開催概要等と
ともにお知らせ致します。。
)
すなわち、本株主提案は、株主の皆様に対し、当社の現経営陣と、当社の経営に
関与したことも当社の主力事業に関する経営経験もない経営陣の、いずれの体制
が当社にとって適切かという判断を迫る趣旨のものであり、本定時株主総会にお
いて、当社提案に係る取締役の選任議案が可決されるか、又は、本株主提案が可決
されるかによって、本定時株主総会後の当社の経営陣は全く異なることになりま
す。
その上で、当社取締役会は、以下の理由により、本株主提案の全てに「反対」い
たします。
・ 提案株主が示す新経営陣による当社の経営方針には、具体性 合理性がなく、
・
当社の中期経営計画に定めた成長戦略の継続性が見込まれないこと
・ 提案株主が提案する経営陣では、提案株主から独立した当社の経営を行うこ
とは難しいこと
・ 株式会社 TOKAI コミュニケーションズとの業務提携の実現のためには、経
営の持続性が望ましいこと
・ 提案株主が主張する内容には誤り、誤導が多く含まれていること
・ 現経営陣が検討している施策を実行することにより、当社のコンプライアン
ス体制は既に向上及び改善が図られており、今後もその継続が見込まれるこ
と
(2) 反対意見の理由
① 提案株主が示す新経営陣による当社の経営方針には、具体性・合理性がなく、
当社の中期経営計画に定めた成長戦略の継続性が見込まれないこと
提案株主は、本株主提案において、当社による MaaS 領域における事業展開
等を説き、
「新経営陣による経営方針」として、ベンチャー企業である株式会
社未来シェアの知見を活用することで当社の改革を進めることや、提案株主
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がすでに東証一部上場の AI 事業者や小売事業者を含む複数の企業との間で、
移動サポート事業領域における各種提携に向けた交渉を開始したことに言及
しています。
しかしながら、その具体的な内容や進展状況は全く不明であり、これまで当
社に対しても、当該交渉の状況や内容などについての説明は一切なされてい
ません。すなわち、提案株主が示す新経営陣による当社の経営方針は、何れの
点においても具体性を欠いており、その内容を評価することすら困難なもの
です。このような状況の下では、そもそもその実現可能性についてさえ、疑義
を呈さざるをえません。
また、本株主提案に係る取締役候補者7名は、いずれも当社の経営に関与し
た経験がなく、当社の主力事業領域における経営経験もないため、当社の事業
展開を適切に推進する知見等を有していると考えることは困難です。
なお、当社は、電子カルテシステムを中心とした医療情報システムの開発・
販売を主たる事業とする提案株主と、2012 年に資本業務提携契約を締結して
以来、提案株主の病院顧客資産等を活用した共同の事業開発の提案を幾度と
なく行ってきましたが、具体的成果には至りませんでした。かかる実態を踏ま
えれば、提案株主において、真に当社の企業価値を向上させる意思を有してい
ると判断することも困難です。
以上を踏まえれば、提案株主は、「当社経営陣刷新の必要性」などと標ぼう
してはいるものの、当社の経営方針について具体的な展望を持ち合わせてい
るものではなく、当社の中期経営計画に定めた成長戦略を継続する意思もな
く、真に当社の企業価値を向上させる意思を有しているかも不明と言わざる
を得ません。本株主提案は、当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損な
うものであると評さざるを得ないものです。
② 提案株主が提案する経営陣では、提案株主から独立した当社の経営を行うこ
とは難しいこと
敢えて述べるまでもなく、上場会社は、特定の株主の利益のために存在する
ものではありません。仮に親子会社の関係性があった場合ですら、その子会社
の経営の独立性の維持は、重要かつ決定的な論点となります。
一方で、提案株主は、当社の事業継続性を一切考慮せず、当社の取締役全員
を交代させた上で、当社の「経営に参画する」と明言しています。このような
3
提案内容、及びその論理的な不一致自体が、提案株主が持つ誤ったコーポレー
ト・ガバナンスの考え方の表れと思われます。
また、当社は公に個人攻撃をするようなことは差し控える所存ですが、提案
株主が提案する経営陣には、個人の能力等とは別の問題として、以下のような
問題があると考えています。
まず、上場企業である提案株主の取締役を兼ねる取締役候補者 2 名は、本株
主提案書面上、当社の社外取締役ではない取締役(うち 1 名は代表取締役社
長)に就任することとされておりますが、当社の少数株主の利益保護の観点か
らどのように位置づけられるのかが不明です。この点について、提案株主は一
切説明をしておりません。
また、社外取締役候補者 2 名は、特定の当社顧客とのコネクションが強いこ
とや、提案株主の経営方針における提携候補先の代表を務めていること等か
らすると、類型的に、当社の社外取締役としての監視・監督機能を十分に発揮
することが期待できません。
最後に、当社従業員である取締役候補者(3 名)は、上場会社の経営経験が
なく、かつ、これまで当社の経営にも関与してこなかったことから、経営者と
しての能力は不透明です。一方で、提案株主が敢えて接触の上、当社の経営権
奪取のために同従業員らに関わったことからすると、その利害関係や関係性
に鑑み、かかる取締役候補者らが、提案株主の不利益になる行動を執ることは
期待できません。
以上のとおり、提案株主の提案する経営陣は、およそ提案株主から独立して
おらず、上場企業である当社の独立した経営を志向したものでは全くないの
であり、当社も、当社の少数株主の皆様の立場からも、到底受け入れられるも
のではありません。そのような提案をすること自体、提案株主は、コーポレー
ト・ガバナンスへの理解が著しく不足しているものと判断せざるを得ません。
③ 株式会社 TOKAI コミュニケーションズとの業務提携の実現のためには、経営
の持続性が望ましいこと
当社は、本日付けプレスリリース「株式会社 TOKAI コミュニケーションズ
との業務提携の基本合意に関するお知らせ」の通り、株式会社 TOKAI コミュ
ニケーションズ(以下「TOKAI コミュニケーションズ」といい、TOKAI コ
ミュニケーションズの親会社を頂点とする企業集団を総称して「TOKAI グル
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ープ」といいます。
)との間で、本日、業務提携(以下「本業務提携」といい
ます。
)に係る基本合意書(以下「本基本合意書」といいます。)を締結いたし
ました。
当社グループは、MaaS 対応新エンジンの開発や M&A、事業提携等を積極
的に進め、MaaS 関連サービス事業者向けのサービス展開や、働き方改革支援
を始めとする様々な企業ニーズに全方位で対応可能な「マルチリンク型グル
ープ経営」の実現を目指し、2019 年 5 月 14 日策定の中期経営計画に則り事
業を推進してまいりました。一方、TOKAI コミュニケーションズは、当社と
の間で MaaS 対応新エンジンの開発とそのサービス化についての共同開発を
継続して実施してまいりましたが、これにとどまらず、本業務提携で想定して
いる次の内容の協業に取り組み、又はこれを積極的に加速させた上で、当社株
主の皆様に当該成果を共有することなどを通じ、当社の企業価値及び株主共
同の利益の向上に大いなる貢献をいただける貴重な協業相手といえます。
【協業の具体的内容の例】
TOKAI グループが推進する「ABCIR+S」(注) 戦略をベースにしながら、
TOKAI コミュニケーションズと当社の強固なパートナーシップの中で以
前から取り組みを進めている MaaS 対応の新乗り換えエンジン(以下
「MaaS エンジン」といいます。
)の開発と事業化や、働き方改革等の効率
的な企業活動を支援する業務系ソリューションの事業化を促進するととも
に、5G 通信ネットワークやポストコロナ等の新時代を見据えた新たなソ
リューションの共同開発を行うなど、新事業領域を共同で開拓していくこ
とを基本理念として、以下の取り組みを行ってまいります。詳細について
は、両社間の協議により決定してまいります。
(注) ABCIR+S は、A(AI)・B(Big Data)・C(Cloud)・I(IoT)・R(Robotics)+S(Smart Phone)
のそれぞれの頭文字をつなげた独自の造語で、TOKAI グループの技術革新に向けた戦略です。
記載されている会社名、製品名、サービス名、ロゴ等は各社の商標または登録商標です。
【システムインテグレーション事業分野】
1.MaaS エンジンの開発とそのサービス化についての共同開発(現在進
行中)
2.MaaS エンジンに関する各交通事業者あるいは MaaS オペレーターに
向けた共同営業とその導入、及び周辺のシステムソリューション開発
3.静岡県をはじめとする全国自治体に向けた観光型 MaaS に関するソリ
ューションサービスの開発と共同営業
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4.TOKAI グループが新たに構築したデータマネジメントプラットフォ
ーム(D-sapiens)に、駅探が保有、蓄積した様々な移動関連データを
融合し、D-sapiens の高度な AI 分析等による移動需要予測等のデータ
ベース構築と、それを基に MaaS のみならずポストコロナ時代に求め
られる「新しい生活様式」に向けたソリューションサービスの開発
5.駅探 BIZ をはじめとする業務系ソリューションサービスの機能拡張、
隣接領域の新規サービスの共同開発と共同営業
【データセンター・クラウド事業分野】
1.MaaS エンジンについてのデータセンター構築並びに最新のクラウド
環境を駆使したサービスプラットフォーム構築
【通信事業分野】
1.今後到来する 5G 時代を見据え、拡大市場として期待されるリモート
ワーク周辺に関するアプリケーション開発と企業向け通信ネットワー
ク・インフラのセット・パッケージ等の新商品企画・開発とその共同
営業
当社は、本業務提携を通じた TOKAI コミュニケーションズとの協業関係の
構築こそが、当社の企業価値及び株主共同の利益の向上に資するものと考え
ております。
提案株主は、当社の「企業価値及び株主共同の利益を向上させるためには、
MaaS 領域における事業展開」が必要と主張していますが、本業務提携の促進
が実現すれば、MaaS 領域のみならず、今後明確な拡大市場として期待される
テレワーク周辺に関するアプリケーションの共同開発や、企業向け通信イン
フラのセット・パッケージ等の新商品の企画・開発、その共同営業など、新た
な分野への展開を加速するための比類なき体制が整います。
このように、本取組みは、当社の事業展開戦略を大いに加速させるものです
が、それだけでなく、提案株主の指向する「企業価値及び株主共同の利益向上
策としての MaaS 領域へのアプローチ」という観点においても、最適なものと
考えられます。
一方、本業務提携は、TOKAI コミュニケーションズと当社の現経営陣との
深い相互理解と強い信頼関係を前提とした取組みです。すなわち、当社の現経
営陣は、TOKAI コミュニケーションズとの間の MaaS エンジンの共同開発の
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過程において、双方の企業文化や技術の深い相互理解と強い信頼感の構築を
進めてまいりました。
本業務提携は、このような深い相互理解と強い信頼関係が存在しているこ
とを前提として、将来、主軸となり得る新たな事業を共同して開発、遂行して
いくために、従前の協業関係を更に強固化・拡大化するための取組みです。
しかしながら、本定時株主総会において本株主提案が可決された場合には、
両社間の相互理解・信頼関係の再構築に関わる課題が生じる可能性があり、そ
の確実かつ迅速な実現のためには、株主提案では担保されていない経営の持
続性が必要と考えます。
本業務提携の詳細については、本日付け当社プレスリリース「株式会社
TOKAI コミュニケーションズとの業務提携の基本合意に関するお知らせ」を
ご参照ください。
④ 提案株主が主張する内容には誤り、誤導が多く含まれていること
提案株主は、本株主提案書面や 2020 年 5 月 21 日付けプレスリリース「株
式会社駅探に対する株主提案に関するお知らせ」及び提案株主のホームペー
ジ(以下「本提案株主プレスリリース等」といいます。
)において、当社につ
き、
「事業展開の遅滞」や「投資を怠っている」こと、
「新規事業を生み出す企
業風土が喪失するに至っている」ことなどがあり、これらの原因が全て一部の
取締役の言動に起因するかのように主張した上で、本株主提案を行っており
ます。
しかしながら、提案株主が本株主提案や本提案株主プレスリリース等にお
いて主張する内容は、以下の事項を中心として誤り・誤導を多く含むものであ
り、看過することはできません。
〈提案株主の主張に関する主要な誤り・誤導〉
提案株主の主張 事実
・当社が提案株主との話し合いを一 ・当社が提案株主との話し合いを一方的に拒否した事実は
方的に拒否した。 ありません。
・当社からの申入れにより、本年 4 ・当社は、提案株主からのご要望を社内で検討していたと
月 24 日に提案株主と当社との面 ころ、予定した面談の直前に、当初のご要望と全く異なる
談を設定していたが、前日に一方 内容の本株主提案書面を受領しました。話し合いをせず
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的にキャンセルされた。 に本株主提案書面のような極端な内容を一方的に送付し
ておきながら、あたかも当社が一方的に話し合いを拒否
したかのような主張をすることは許容できません。むし
ろ、提案株主こそが、話し合いを拒否して一方的に本株主
提案を行ったものです。
・提案株主以外の当社株主による仲 ・提案株主以外の当社株主が、当社と提案株主との間を仲
介が不調に終わった。 介したという事実自体が存在しません。
・当社が新型コロナウィルスによる ・そもそも、当社は、本定時株主総会を、例年通り 6 月中
影響を理由として、本定時株主総 に開催することを予定しています。
会の開催及び議決権行使の基準日 ・本年における 3 月決算会社はすべからく同様の状況と認
を不当に延期し、新たな基準日ま 識しておりますが、当然当社にも、監査法人及び証券代行
での間に資本異動を行うことによ より、決算スケジュールの遅れに伴い、株主総会の開催タ
り、提案株主さらには一般株主の イミングについて様々なパターンを検討はしておくよう
権利を害するおそれもある。 にアドバイスがありました。当社も、当該アドバイスを踏
まえ、専門家の意見も聴取しながら定時株主総会までの
スケジュールを組んでまいりましたが、既に 6 月中に定
時株主総会を開催することができる目処が立っておりま
す。
・多数の株主の皆様及び市場関係者の皆様に多大なる影響
を与える憶測を平然と公表する提案株主の姿勢には、重
大なガバナンス・コンプライアンス上の問題があると言
わざる得ません。
・当社の部長クラスはほとんど退職 ・事実と異なります。当社従業員を巻き込んでまでこのよ
し、9 つの部・室のうち、部長(担 うな混乱を生じさせながら、提案株主がこれほど明確な
当部長を除く) 1 名しかおらず、
は 事実すら把握できていないことは甚だ遺憾です。
他は全て取締役が兼務している。 ・当社は、従業員が 60~70 名の規模の会社であり、基本的
機能を有する部は 5 部です。これ以外の部門は、領域拡
大を目的とした業務分野を明確にするために設置されて
いる兼務プロジェクト部門となります。
・また、当社の現在の組織体制は、IT ベンチャー企業とし
て迅速な判断と機動的な組織運営を行う観点から、 名の
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取締役が部門長を務め、部長職が 2 名という構成であり
ます。
・提案株主が主張する左記の内容は、もともといた 9 名の
部長が 1 名となったかのような記載となっておりますが、
実際には、当社は上記の組織体制にて運営しているもの
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です。
・
「たかが 31%の株主がそのような ・誤りです。提案株主が、当社のコンプライアンス問題を指
ことを要請することはいかがなも 摘し、現経営陣の退任と提案株主を中心とする経営推進
のか」旨の発言について を主張したため、当社はこれに対して、提案株主以外の一
般株主の共同の利益の保護・株主間の公平性の観点から
当社にとって望ましくない旨発言したものであり、むし
ろ適切な内容の発言と考えられます。
このように、提案株主が主張する内容には、多くの誤り・誤導が含まれてお
ります。
当社としては、提案株主が多くの誤り・誤導を含む本提案株主プレスリリー
ス等を平然と開示し、提案株主以外の株主の皆様に誤解を与えることによっ
て、当社の企業価値及び株主共同の利益が害されようとしている現状を、強く
懸念しております。
むしろ真実は、当社が、携帯課金サービスの事業環境が大きく変わる中、当
社の事業の中核を新事業に切り替え、売上構成を大きく変えてきたという実
績や、昨年新たに作成した中期経営計画において 2 つの次期成長領域を設定
し、そのための事業開拓・技術開発投資を行ってきたことなどが、提案株主に
とって何らか不都合なものであったため、提案株主は、このような主張をして
まで、当社の経営権を奪取しようとするものにほかなりません。
⑤ 現経営陣が検討している施策を実行することにより、当社のコンプライアン
ス体制は既に向上及び改善が図られており、今後もその継続が見込まれるこ
と
当社が本定時株主総会で上程予定の取締役選任議案は、従前の、業務執行取
締役 4 名及び社外取締役 2 名の計 6 名体制を変更し、業務執行取締役 3 名及
び社外取締役 4 名の計 7 名(新任の社外取締役候補者 2 名を追加)の候補者
により構成されています。
すなわち当社は、今般、外部の専門家のアドバイスも聴取した上で、ガバナ
ンス体制強化の観点から社外取締役が過半数を占める取締役会の構成を採用
することとし、その実現のため、当社と特別の利害関係を有しないことを前提
として、当社事業に関連する専門性を有すること、労働環境改善・監督、コン
プライアンスに関する知見・専門性を有することを条件に、複数の社外取締役
候補者と面談を進めてまいりました。
その結果、野坂茂氏、村上展章氏の 2 名が条件に適合し、当社の社外取締役
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として最適であると判断するに至ったため、同氏らを新任の社外取締役候補
者として本定時株主総会に上程する予定としています。
すなわち、本定時株主総会で上程予定の取締役選任議案は、取締役のうち過
半数が社外取締役である取締役会構成を採用することで、ガバナンス体制を
より強固にし、株主の皆様、とりわけ少数株主の皆様の利益保護及び企業価値
向上のための基盤づくりに取り組む当社の方針を明確に打ち出すものと致し
ました。
(※) 東京証券取引所市場第一部上場会社(2019 年 7 月時点)ですら、過半数を社外取締役
が占める取締役会構成を採用している例はわずか 6.3%に過ぎません(2019 年 8 月 1
日付け東京証券取引所「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委
員会・報酬委員会の設置状況」参照)
。
さらに、取締役会の構成にとどまらず、全社的取組みが必要な経営課題につ
いては、部門横断的推進責任体制を明確にする執行役員制度を導入し、その権
限委譲と事業運営の加速を進めております。
また、当社は、既に不正・コンプライアンス違反に関する体制強化(内部通
報窓口の整備・拡充/コンプライアンス関連の意識・知見の拡充/第三者による
運用全体に係る評価・改善)に関する具体的な検討と、施策の導入を進めてお
ります。
このように、当社では、東証マザーズ上場会社として実現可能な最高レベル
のガバナンス体制と、コンプライアンスの観点からも更に充実した体制を整
えるべく、考え得る施策を複数検討し、各施策を実行に移すための具体的な準
備を進めているところです。
なお、当社は、提案株主より指摘のあった取締役 1 名によるコンプライアン
ス違反について、本年 3 月 18 日付けで、当社の社外役員及び外部の弁護士か
らなる外部調査委員会を設置し、調査を進めてまいりました。
そうしたところ、当該調査の実施中に、調査対象の取締役から、同取締役の
認識では厳格で公平かつ働きやすい環境を整えるために努力をしてきたもの
であったものの、コンプライアンス違反の可能性を指摘されたこと自体を重
く受け止めており、調査結果の内容如何にかかわらず、本定時株主総会におけ
る取締役候補者となることを控える旨の申し出があり、当社としても、当該申
し出を踏まえ、同取締役を取締役候補者とはしないこととしています。
その後、本年5月 21 日付けで、当該調査に係る調査報告書が提出されまし
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た。当該調査報告書においては、調査対象の取締役による言動は、一部、その
方法として相当な範囲を超えた部分があり、当該部分についてはパワーハラ
スメントに該当する可能性が相当程度認められる旨の指摘がなされておりま
す。一方で提案株主が問擬する具体的なハラスメント行為のいずれもが認定
されたわけではないものの、これを受けて、当該取締役からは、一部ハラスメ
ント行為に該当する可能性を指摘されたこと、また、それが本株主提案の理由
の一つとされ、当社に混乱が生じていることなどを踏まえ、引継ぎを行った上
で辞任したい旨の申し出があり、当該取締役は、当社取締役を辞任しておりま
す。
当社としては、調査委員会の指摘を真摯に受け止めた上で、調査結果の報告
を待たずに検討を進めていた上記各種体制強化を実現し、また加速させてい
くことにより、これを機に、東証マザーズ上場会社として実現可能な最高レベ
ルのガバナンス体制の構築と、コンプライアンス体制の拡充を実施してまい
る所存です。
以上より、当社取締役会は本株主提案に反対いたします。
株主の皆様におかれましては、くれぐれも慎重にご判断をいただきますよう、お願い
申し上げます。
以上
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