3612 ワールド 2020-08-05 15:00:00
構造改革の実施について [pdf]

                                                     2020 年8月5日
各   位
                       会 社 名   株   式   会    社   ワ   ー   ル    ド
                       代表 者名   代表取締役       社長執行役員 鈴木        信輝
                                   (コード番号:3612      東証第一部)
                       問合 せ先   副社長執行役員               中林     恵一
                                            (TEL: 03-6851-4830)



                   構造改革の実施について



 当社は、2020 年8月5日付の取締役会において、企業価値の持続的な拡大に向けて、収益力の抜本的な
向上を図るため、  ブランド事業の一部終息・統廃合及び希望退職の募集を柱とする構造改革の実施を決議し
ました。構造改革の主要な施策について、下記のとおりお知らせいたします。



                         記



Ⅰ.構造改革の背景
 当社グループは、今から 5 年前に、ファッション産業を取り巻く人口動態の変化や供給過剰の進行を背
景として、ブランド数や店舗数といった売上重視から利益やキャッシュを重視した事業構造への転換を果
たすべく、構造改革による合理化を一気に断行しました。
 また、3 年前より、次なる成長の種蒔きや収益源の多様化を目指して、再上場を通じた財務体質改善と成
長投資原資を確保しつつ、M&A 等も通じたプラットフォーム事業とデジタル事業への投資・育成を推進しま
した。同時に分社化を始めとするグループの構造転換を進めた結果、   「ワールド・ファッション・エコシス
テム(以下 WFES)」として、アパレルブランドのみに依存する事業構造から収益源の多様化が進み、一定の
成果を収めつつあると考えております。

 しかしながら、WFES 構築に向けたトランスフォーメーション(変革)は前期で完遂と呼べる状態には至
らず、今期もその実現に向けて先行投資の継続と投資案件のリターン創出に全力で取り組む方針でした。
 そして、本来、2021 年 3 月期からの新たな三ヵ年の中期計画において、ブランド事業の構造改革を段階
的に進める方針としていましたが、今般の COVID-19 は極めて甚大な打撃を当社グループの収益に及ぼして
おり、その前提が一変したと認識しております。また、足許の感染者数は再び急増しており、先行きを楽観
視できる状況には全くありません。

 今回の危機をきっかけに、ファッション産業に内在していた供給過剰の矛盾が一気に現実化したと認識
しており、激変した事業環境を乗り越えながらも、来期以降の確実な復活と次の成長フェーズへの移行を図
るには、大規模な事業の選択と集中、改革のスピードをこれまで以上に加速するほかないと判断しました。
 特に、アパレルブランドを中心としたブランド事業においては、不採算ブランドの終息、低収益店舗の撤
退、人員合理化の実施などあらゆる施策を展開することが必要不可欠であるほか、その他の事業セグメント
においても一段の筋肉質なコスト構造を追求しなければなりません。

 こうした厳しい現状認識に基づいて、  構造改革を実施することにいたしました。  構造改革の主な内容は下
記のとおりですが、今期中に一連の施策全ての完遂を目指しており、一時的なその他費用として、第2四半
期末までに約 53 億円と大半を引き当てたうえで、
                        通期では計 57 億円の構造改革費用を計上する予定です。


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Ⅱ.構造改革の内容
 今般の構造改革においては、ブランド事業を中心としつつ、それを支えるデジタル事業やプラットフォー
ム事業、コーポレート(間接部門)もその対象となります。構造改革は主に「ブランド終息・統廃合」と「低
収益店撤退」「希望退職制度」の実施を骨子としており、具体的な内容は下記の通りとなります。
      、
 なお、店舗従事者(販売員)は再配置の実施を前提としており、希望退職の対象外としています。



 ① 「ブランド終息・統廃合」の実施
    今般の COVID-19 影響が何らかの形で継続するという前提に立ち、不採算ブランド全てのマーケッ
   トポジションや収支改善の打ち手とその効果、顧客の購買行動の変化影響などを多角的に検討した結
   果、5 ブランドが終息対象となり、その他の複数ブランドも統廃合や改革によって効率化施策の確実
   な展開を行うことといたしました。
    事業終息する 5 つの屋号は、   主に、ハッシュアッシュ・サンカンシオン、アクアガール、オゾック、
   アナトリエなどとなります。この中には長きに渡り当社グループに貢献してきたブランドも含まれて
   おりますが、将来の成長に向けて有利な事業ポートフォリオを整え、正常な水準に収益力を復元すべ
   く、より収益力に優れた事業に注力する視点も入れた     「選択と集中」を進めるための判断であります。

 ② 「低収益店撤退」の実施
     上記のブランド終息に伴う退店が 214 店舗となることに加えて、統廃合の対象ブランドで再編時に
   14 店舗の撤退を想定しているほか、今回の改革の対象となるブランドを中心とした低収益店 130 店
   も加えた計 358 店の期中退店を実施する予定です。これらには店舗収支が黒字の店舗も含まれていま
   すが、COVID-19 影響も加味した立地の将来性や条件の妥当性、当社グループ内での利用可能性などを
   四半期単位のマネジメントサイクルなどの場を活かしながら総合的に検討・決定したものです。

 ③ 「希望退職制度」の実施
    もともと労働生産性の向上の必要性を強く認識しており、従来の中期計画で段階的な配置転換や入
   替等に取り組む予定でしたが、COVID-19 影響でその時間軸が大幅に前倒しとなりました。当社グルー
   プにおける業務効率の向上並びに固定費の圧縮を図るべく、ブランド終息・統廃合の実施を反映しつ
   つ、その他複数ブランド及び他の事業セグメントも含んで 40 歳以上の人員(店舗従事者を除いた人
   員)を対象に 200 名規模の希望退職者の募集を実施いたします。

       1.対象者     :2020 年 11 月 20 日時点で 40 歳以上の社員(定年再雇用者含む)
                  ただし、店舗従事者は含まない
       2.募集人数    :約 200 名
       3.募集期間    :2020 年 9 月 14 日~2020 年 9 月 30 日
       4.退職予定日   :2020 年 11 月 20 日(もしくは、2021 年 3 月 31 日までで会社が指定する日)
       5.その他     :退職希望者には退職金規程に定める退職金に加え、特別加算金を支給する。
                  また、再就職の支援を行う。

 ④ その他施策の実施
  A) 事務所面積の縮小
    本部人員のテレワーク比率が 6 割近くとなっている状況に加え、希望退職実施による本部人員の減
   少なども加味し、主には賃借している事務所の面積縮小を検討いたします。

  B) 役員報酬減額
    当社では、7 月までは、社員に一時帰休を求めたことも踏まえ、取締役(社外含む)及びグループ
   執行役員について、社員同等以上となるよう月額報酬を 10%減額いたしました。そして、今般の構造
   改革に踏み切らざるを得ない状況に至ったことを踏まえて、新たに 7 月より月額報酬と賞与について
   以下のとおりの対応とします。




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    1. 取締役及びグループ執行役員等の月額報酬
       シニアチェアマン、代表取締役会長、代表取締役社長執行役員 :月額報酬 30%減額
       その他の取締役、及び社外取締役              :月額報酬 10%減額
       期間:2020 年 7 月から 2021 年 6 月まで

      副社長執行役員、グループ常務執行役員               :月額報酬 20%減額
      グループ上級執行役員、グループ執行役員、WEL          :月額報酬 10%減額
      期間:2020 年 7 月から 2021 年 3 月まで

    2. 取締役及びグループ執行役員等の賞与
       2021 年 3 月期の賞与については不支給



Ⅲ.今後の見通し
 ブランドの終息や統廃合、  それに伴う低収益店の撤退及び希望退職などにより、    退店に伴う固定資産除却
損と違約金あわせて約 21 億円、のれんの減損損失が約 17 億円、更には商品廃棄損の4億円などを 2021 年
3月期にその他の費用として計上する見込みです。
 また、希望退職者募集の実施による特別加算金等として約 12 億円を計上する予定ですが、現時点では希
望退職者の応募者数等が未確定であります。このほか、事務所縮小等のその他施策の一時費用も加わり、構
造改革費用として計 57 億円を 2021 年3月期のその他費用に計上する予定です。

 なお、一連の構造改革施策の実施により、約 17 億円の本部人件費等の削減を含み、年間で 36 億円程度の
損益改善効果を見込んでおります。当社は、本年度における本構造改革の実施及び、中期経営戦略の迅速・
着実な推進により、2021 年 3 月期下期以降の正常な収益力への早期回復を目指してまいります。



                                                   以   上




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