3591 ワコールHD 2020-05-15 15:00:00
(決算補足資料)新型コロナウイルス感染症拡大に伴う当社グループの状況、ならびに役員報酬減額に関するお知らせ [pdf]

                                                       2020年5月15日
各     位

                           会    社 名 株 式 会 社 ワ コー ル ホ ール デ ィ ング ス
                           代 表 者 名 代表取締役 社長執行役員 安 原 弘 展
                                         (コード番号3591 東証第1部)
                           問 合 せ 先 執行役員 経営企画部長         三 宅 弘 晃
                                         (TEL 075-682-1010)




                     (決算補足資料)
           新型コロナウイルス感染症拡大に伴う当社グループの状況、
                ならびに役員報酬減額に関するお知らせ




    本日(2020 年5月 15 日)時点の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う当社グループの状況、ならびに
本日開催の取締役会で決議いたしました役員報酬の減額について、以下の通りお知らせします。



                            記




1. 従業員をはじめとする安全・健康を守る取り組みについて
    当社グループでは、新型コロナウイルスの感染拡大防止と、お客さま、お取引先さま、従業員の健康と
安全確保のため、各国政府及び地方自治体の指導に基づいて、オフィスならびに自社営業施設の閉鎖や
在宅勤務、休業などの対応を実施しています。


     ㈱ワコールの取り組みについて(一部抜粋)※5月 13 日時点
     ・内勤者について:緊急事態宣言の解除まで原則在宅勤務(事業継続に必要な出勤は除く)
     ・店頭販売員について:特定警戒都道府県における対応は原則自宅待機とし、その他の各自治体に
                 おいて営業を再開した店舗に勤務するものは順次店頭業務を開始
     ・全従業員を対象に、週1日の休業日導入(2020 年4月1日~6月 30 日(予定))
2. 社会貢献活動について
   ① 市場におけるマスク供給不足に対応し、従業員が使用するマスクを自社で供給するため、九州
      ワコール製造株式会社(福岡・熊本)にて、約7万枚のマスクの生産を行いました。なお、生産
      したマスクの一部を、地元の自治体向け(雲仙市 1,200 枚・京都市 20,000 枚)に提供して
      おります。(緊急事態宣言の発出に伴い、現在、工場は休業しています。)
   ② タイワコールでは、下着製造ラインの一部を切り替え、4月末までに約 20 万枚のマスクを生産
      しました。商品は、タイ国内の警察などに提供をしています。このほかに、ベトナムワコール
      でもマスクの生産を行いました。


3. 事業への影響ならびに運営状況について
 当社グループの本日(2020 年5月 15 日)時点における、主要子会社の営業状況ならびに工場の稼働
状況は、下記となります。


【主要子会社の 2020 年4月度の売上高(前年同月比)ならびに営業情報】
 ※売上高(前年同月比)は決算調整前の速報値となります。
                         4月度売上高
                                               営業情報
                         (前年同月比)
                                   ・4月度の EC 売上(自社のみ)前年同月比+76%
                                   ・4月 30 日時点:百貨店、直営店は全店舗休業
ワコール                      ▲72%
                                            (一部量販店のみ営業)
                                   ・5月 15 日時点:一部地域で営業再開
                                   ・4月度の EC 売上(自社のみ)前年同月比+77%
ピーチ・ジョン                   ▲19%     ・4月 30 日時点:直営店は全店舗休業
                                   ・5月 15 日時点:一部地域で営業再開

米国ワコール                             ・4月度の EC 売上(自社のみ)前年同月比+33%
                          ▲49%
(Intimates Online 社除く)             ・4月 30 日時点:すべての店舗が休業


                                   ・4月度の EC 売上(他社のみ)前年同月比±0%
ワコールヨーロッパ                 ▲74%
                                   ・4月 30 日時点:オーストラリアの一部を除き店舗休業


                                   ・EC 売上(他社のみ・前年同月比)
                                    2月度+29%、3月度+19%、4月度▲56%
                                   ・実店舗売上(前年同月比)
中国ワコール                    ▲37%
                                    2月度▲94%、3月度▲66%、4月度▲32%
                                   ・1~2月は全店が時短営業もしくは休業
                                   ・4月 20 日時点で、すべての店舗が営業再開
【グループ縫製工場の稼働状況(2020 年5月 15 日時点の状況(今後は予定))】
      ・秋冬向け商品の生産(在庫)調整を目的に、
日本     自社工場(北陸・九州(3工場)・新潟)ならびに協力工場(2工場)は
       5月・6月の2か月間、一部を除き操業停止
      中国・ベトナム            通常稼働
      インドネシア・スリランカ
海外
      タイ                 通常稼働(ただし、一部工場は7月まで操業停止)
      ドミニカ               5月末まで操業停止


4. 今後の業績見通し、ならびに開示方針について
 以上のように、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた店舗の営業停止や外出制限などの措置
により、当社グループの事業活動は非常に大きな影響を受けています。また、感染症拡大防止策の当面
の継続に加え、今後想定される雇用や所得環境の悪化ならびに個人消費の低迷は、当社グループの経営
や売上・利益に対して引き続きマイナス影響を与えることが考えられます。
 現時点においては、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響を見極め、合理的に業績
の見通しを算定することは困難であるため、2021 年3月期の連結業績予想については未定とさせていただき、
詳細が明らかになり次第、速やかに公表いたします。その他、重大な影響が見込まれる場合についても
速やかに開示いたします。
 なお、当社グループではお客さま・お取引先さま・従業員の健康・安全を第一にしながらも、すべての
事業活動を見直し、広告宣伝費等の経費削減をおこなうほか、役員報酬の減額や新規投資の実施時期に
ついても見直しをおこないます。また、金融機関からの借入枠を拡大することで、グループ各社の手元
流動性の確保に努めます。
 事業領域全般にわたり、これまでの施策や支出計画の大胆な見直しを進めるとともに、従前から進める
デジタル・トランスフォーメーションの取り組みをさらに加速させ、顧客データベースの効率的な活用、
リアル店舗と EC の連携・融合、CX(顧客体験)の向上への取り組みを強化することによって、事業の成長
へ向けた再出発の道筋を整えていきます。
                  また、
                    消費者の価値観や流通の変化を冷静に見極めるとともに、
グループ全体でより一層「事業の選択と集中」に取り組むことで、安定して利益を創出できる事業体制
への変革を進めていきます。


5. 役員報酬の減額について
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、2021 年 3月期の通期連結業績予想を未定として
おりますが、役員自らが厳しい経営環境にあることを重く受け止め、本日(5月 15 日)開催の取締役会に
おいて㈱ワコールホールディングス及び㈱ワコールの取締役(社外取締役を除く)の取締役報酬の減額を
決議しており、また、㈱ワコールホールディングス及び㈱ワコールの監査役の協議の結果、監査役
報酬(社外監査役を除く)の減額についても全監査役の同意を得ております。役員報酬については
会長と社長が月額報酬の 30%減額とし、その他の取締役・監査役は 20%減額としています。
(対象期間:2020 年5月~2020 年 10 月までの6カ月間の予定)
6. 株式会社ワコールホールディングス 代表取締役社長執行役員 安原弘展からのメッセージ
 新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、罹患された
皆さまとご家族および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、世界各地で感染拡大防止
や治療などにご尽力されている自治体、医療関係者の皆さまに深く敬意を表し、感謝申し上げます。
感染症拡大による影響が長期化しており、従業員の皆さま、お客さま、お取引先さま、協力会社さま、
株主さま、そして皆さまのご家族にも大きな不安を与えているものと拝察いたします。困難な状況では
ありますが、「健康」と「安全」を何よりも大事にしていただきたいと思います。また、私たちが感染
拡大予防に貢献できる取り組みは、随時実施をいたします。
 さて現在、さまざまな国や地域で、感染症の拡大防止に向けた店舗の営業停止や外出制限などの措置が
取られており、当社の事業運営に大きな支障が生じています。国内の縫製工場についても、生産調整を
目的として 6 月末まで一部を除き操業を停止しています。また、この先に待つ雇用や所得環境の悪化に
伴う個人消費の低迷は、グループの経営に引き続き大きなインパクトを与えることが考えられます。
 非常に厳しい状況が続いていますが、私たちワコールグループは 70 年の歴史の中で多くの困難を
乗り越えてきた歴史があります。私自身、2003 年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染拡大が中国で
発生したとき、現地へ駐在しておりました。感染症の影響は、約4か月間にわたって続き、会社の存続
すらも危惧される状況でしたが、何とか乗り越えることができました。現在の中国事業はグループの
重要な柱の一つに成長していますが、あの時に諦めていたならば、今日の姿が存在していなかったかも
しれません。当時と状況が違いますが、いかなる困難な状況であっても、きっと必ず明るい日々はやって
くるということです。
 このパンデミックを経験することで、消費者の価値観は大きく変わり、私たちとお客さまとの関係の
在り方も新たな形に進化するかもしれません。「時代の要求する新製品を開発します」という経営の
基本方針を実践し、これまで進めてきたデジタル変革を加速させ、「新しい生活様式」で顧客が待ち
望む新たな商品やサービス、新たな接客のカタチ、店舗と EC の新たな連携など、さまざまな「新しい」を
ワコールグループ全員で生み出すことによって、お客さまとのより深い絆を築き、大きな成長につなげて
まいります。
 全世界のグループ社員が危機感と未来への想いを一つとし、すべてのステークホルダーの皆さまとの
相互信頼の関係を構築していくことにより、この苦境は必ず乗り越えられると思います。そして、今
以上に社会から必要とされる存在、信頼される存在のワコールグループに進化していきますので、
引き続き、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 最後に、一日も早い事態の収束とともに、世界のお客さまと再びお会いできる日が来ることを、
心より願っています。

                                               以 上