3578 倉庫精練 2020-11-26 16:00:00
事業の現状、今後の展開等について [pdf]
2020 年 11 月 26 日
各 位
会社名 倉庫精練株式会社
代表者名 代表取締役社長 羽田 学
コード 3578 東証第2部
問合せ先 総務課長 上田 紀昭
電話番号 076-249-3131
事業の現状、今後の展開等について
当社は、下記のとおり、事業の現状および今後の展開等について、株式会社東京証券取引所に対し、
同社有価証券上場規程第 601 条第1項第4号 a 本文に定める書面を提出致しましたので、お知らせ致
します。
本書面の提出により、2021 年 6 月末日までのいずれかの月に於いて、月間平均時価総額および月末時
価総額が 10 億円以上になった時は、
「時価総額」に関する上場廃止基準に該当しないこととなりま
す。
また一方で、当社の 2020 年 3 月期の事業年度末である 2020 年 3 月末時点における当社株式の「流通
株式時価総額」が 5 億円未満であったことから、「流通株式時価総額」に関する上場廃止基準にも該当
しており、2020 年 4 月 1 日~2021 年 3 月 31 日までの 1 年間の猶予期間入りをしています。
当社はこの度、2つの時価総額基準に抵触致しましたが、下記「2.今後の展開について」に記載致し
ました新たな中期経営計画「REBORN2023」の推進、および 2020 年 11 月 12 日付で開示しました「株主割
当てによる新株式発行に関するお知らせ」による株主割当増資の実行により、今後も東京証券取引所市場
第二部上場を維持するよう努めて参る所存です。
記
1.事業の現状について
(1)経営の基本方針
当社は、
「長年にわたって培われた染色加工及びその周辺技術をベースにして、さらなる技術の発展と、
優れた商品の提供によって社会に貢献する」を経営理念として、各種繊維製品の染色加工、繊維製品の製
造販売を主な事業内容とし、更に各事業に関連する物流、包装梱包及び各種産業機器の製造販売の事業活
動を展開しております。
また中長期的な経営戦略として「自主性ある高付加価値企業を目指そう」を基本理念に、以下3項目を
基本的な行動指針と定めて、開発・製造・販売の各部門が連携のうえ、さらなる進化に努めております。
①品質管理、 (注) 省エネルギーの徹底による売上原価低減化を実現し、
TPM 、 経営体質の強化を行う。
②複合加工を徹底追及し、特異な素材、加工の拡大化を行う。
③生機からの一貫加工商品の提案を強力に実施し、自主性を高める。
(注)
「Total Productive Maintenance」の略。持続的に利益を確保できる体質づくりをねらいとして、
人材育成や作業改善、設備改善を持続的に実施していく体制と仕組みを作るための製造業にお
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けるマネジメント手法。
(2)事業環境について
当社の事業環境については、以下の通りと認識しております。
・長年培ってきた独自の染色加工技術
・独自のラミネート加工(注)技術保有(薄膜、高透湿に
対応可能)
S(強み)
・多様な素材に対応できる生産設備の保有
・難燃、抗菌など特殊機能加工技術の保有
・丸井織物との連携強化による織染一貫での総合提案力
・高コスト体質によるコスト競争力の欠如
・納期対応力(不良、再加工率高く、生産キャパシティ小
W(弱み)
さい)
・衣料分野向けの比率高く(約8割) 安定受注に課題あり
、
・スポーツレジャー人口増加に伴う軽量、薄膜アウトドア
素材の需要高まり
O(機会)
・消費者志向の変化(サスティナブル志向、健康志向)
・新型コロナ問題によるEコマース市場のさらなる拡大
・染色加工業界における厳しい事業環境の継続
(衣料品市場の縮小、環境規制による原材料価格の高騰、
T(脅威)
人材不足に伴う製造コスト増加)
・新型コロナ問題による衣料品市場の縮小
(注)ラミネート(加工)とは、生地に別素材の膜(フィルム)を接着剤あるいは熱を加える
ことなどの方法で接着する加工のこと。
(3)直近3年間の業績(連結)
2018 年3月期 2019 年3月期 2020 年3月期
連 結 売 上 高 3,711,196 千円 3,375,987 千円 2,778,270 千円
連 結 営 業 損 失 ( △ ) △200,328 千円 △308,871 千円 △245,490 千円
連 結 経 常 損 失 ( △ ) △171,616 千円 △279,041 千円 △217,590 千円
親 会 社 株 主 に 帰 属 す る
当期純利益又は親会社株主 △137,116 千円 296,018 千円 △130,943 千円
に帰属する当期純損失(△)
1株当たり連結当期純利益又
は1株当たり当期純損失金 △96.25 円 207.82 円 △91.92 円
(△)
1 株 当 た り 配 当 金 ― 円 ― 円 ― 円
1 株 当 た り 連 結 純 資 産 854.70 円 1,199.39 円 1,111.08 円
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(4)現状と目指す姿
①当社の「現状」
、②当社が「目指す姿」
、そして③現状と目指す姿とのギャップを埋めるために「行
うべきこと」については下表のように認識しております。
・2 期(2019/3 期および 2020/3 期)連続して営業損失及び経常
損失を計上し、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさ
①現状 せるような事象又は状況が存在している。
・9期連続の営業赤字、過去5期株主配当ができていない。
・当社株式は上場廃止に係る猶予期間に入っている(注)
。
・堅実かつ安定した経営基盤を構築し、顧客と社会に信頼され、
②目指す姿
株主の信頼に応えうる企業を目指す。
(1)既存衣料事業の安定、維持に努めるとともに、利益を生む
商品構造へ転換を図る。
(2)時代の流れに沿った新規ビジネスに挑戦し、新しいフィー
ルドでの事業展開を加速する。
③現状と目指す姿とのギャ (3)工場の構造改革を推進し、エネルギー効率 UP、ロス削減お
ップを埋めるために行う よび生産性の向上を果たし、コストダウンの実現、経営体
べきこと 質の飛躍的な改善を目指す。
(4)自ら販売する力を UP し、利益率の向上を目指す。
(5)IR 活動を強化し、株主・投資家の皆様との信頼関係を構
築・発展させる。
(6)以上のことを通じて株価の回復、上場の維持を目指す。
(注)表題文に記載のとおり、当社株式は、「時価総額基準」および「流通株式時価総額基
準」の2つの基準により猶予期間に入っております。「時価総額基準」に関する猶予期
間は、株式会社東京証券取引所有価証券上場規程第 601 条第1項第4号 a 本文に定め
る書面の提出により 2020 年 3 月 1 日~2021 年 6 月 30 日となりました。
「流通株式時価
総額基準」に関する猶予期間は 2020 年 4 月 1 日~2021 年 3 月 31 日です。
2.今後の展開について
(1)新中期経営計画「REBORN2023」について
当社の現状を踏まえて、今般新たに中期経営計画「REBORN2023」を策定いたしました。概要につきま
しては下記の通りとなります。新たな中期経営計画の下で、事業の改善を図って参ります。
なお、新中期経営計画「REBORN2023」の詳細な内容につきましては、当社が 2020 年 11 月 12 日付で
開示いたしました、「新中期経『REBORN2023』の策定に関するお知らせ」も併せてご覧下さいますよう
お願い申し上げます。
ア. 新中期経営計画の策定理由
当社は、2019 年 11 月に中期経営計画「REBORN2022」を策定・公表し、この計画に沿って経
営を進めてまいりました。しかしながら今般の新型コロナ問題の影響で当社を取り巻く環境が
大きく変化したことから、今回中期経営計画「REBORN2023」を改めて策定しました。
「REBORN2023」では、戦略的な設備投資を実行に移し、収益力向上とコスト削減を強力に推
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し進めることによって、早期の黒字化と安定的な株主還元を目指して参ります。
イ. 事業戦略とアクションプラン
A) 事業戦略
当社グループの事業セグメントは、
「繊維事業セグメント」と「機械製造販売セグメン
ト」の2つです。このうち、
「機械製造販売セグメント」は 2020 年 3 月期で売上 199 百万
円、セグメント利益 29 百万円と黒字を達成していることから、当社グループの業績の黒
字化とは核である繊維事業セグメントの業績を早期に黒字化することにほかなりません。
繊維事業セグメントにおいては、下記の 4 つの項目を柱に、これまで課題であった工場
の生産性向上、組織的な営業体制の構築を確実に実行します。また、これまで実行してき
たことについても一層積極的に取り組みます。
項目 内容
・既存衣料事業の安定維持および商品構造の改編に取り組
む。
1.収益の安定化 ・当社の持つ高い染色加工技術、競争力ある商材分野の強
(既存事業) 化や高付加価値商品の充実を図るとともに、リードタイ
ム短縮の実現といったかねてからの課題に積極的に取
り組む。
2.収益源の確立 ・積極的に新たな取組みに挑むことにより、収益源を確立
(新製品 サービ
・ する。
ス、新市場・顧 (具体例:プリント加工の開始、新資材ビジネスへの挑
客) 戦、倉庫保管業務の開始)
・工場の構造改革を進め、高コスト体質からの脱却に取り
組む。
3.生産性の向上 ・電気代や燃料費などエネルギーコスト削減、原材料のム
(コスト削減) ダや不良品発生といったロス削減、工場整流化(注 1)、
オペレータ多能工化、システム投資により一人当たり生
産性の向上を図る。
4.組織営業体制 ・自販ビジネス拡大による利益率向上に取り組む。
の整備 ・グループである丸井織物 SCM 事業部(注 2)との連携強
(営業力強化) 化を図る。
(注 1)工場(の)整流化とは、製造業の生産工程等において、モノや情報の流れ
る順序が明確に定められ、工程内または工程間で、それらが淀みなく流れ
ている状態にすること。
(注 2)丸井織物のテキスタイル(生地)販売部門
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B) 事業戦略の具体的なアクションプラン
事業戦略の具体的なアクションプランは次の通りです。
項目 施策 具体的行動
高い技術力、競争力ある分野
・ラミネート設備増設、拡販
の強化
・再生繊維、水系コーティング
1.収益の安定化 などサステ素材(注 1)拡大
高付加価値商品の充実
(既存事業) ・合繊ストレッチ、FN(注 2)
など差別化商品拡大
加工工程の整流化及び他社協
リードタイム短縮の実現
業の推進
・インクジェット設備の導入・
プリント加工の開始
2.収益源の確立 加工
(新製品・サービ 新資材ビジネスへの挑戦(生活 ・研究開発
ス、新市場・顧 資材・産業資材) ・新規設備導入
客) ・倉庫設備改修および業務受
倉庫保管業務の開始
託
・電気代コストの低減
エネルギーコスト削減 ・貫流ボイラー導入による燃
料費削減
・原材料ロス削減
3.生産性の向上
ロス削減 (薬代、染料など)
(コスト削減)
・仕損品、再加工の削減
・工場整流化の推進
1 人当たり生産性向上 ・工場オペレータ多能工化
・システム化投資の推進
4.組織営業体制
自販ビジネス拡大による利益 ・丸井織物 SCM 事業部との連
の整備
率向上 携強化
(営業力強化)
(注 1)サスティナブル(Sustainable、
「持続可能な」の意味)素材の略。
エコな原料を使用したり、リサイクルが容易であるなど、地球環境への負荷に配
慮した素材のこと。天然繊維ではオーガニックコットン、麻、ウール、シルクな
ど。
化学繊維・合成繊維では再生プラスチック、バイオマスプラスチック、生分解性
繊維、再生繊維(レーヨン、テンセル、キュプラ)などを指すことが多い。
(注 2)
「FutureNature」の略。当社独自の加工により、ナチュラルな表情と着心地の良
さを追求した、カジュアルウエア向け素材。
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ウ. 製品・サービス展開に関する今後の取り組みの全体像
製品・サービス展開に関しては、
① 既存領域(既存事業)は事業の安定化・収益の改善
② 新製品・サービスの展開
③ 既存製品・サービスの新市場・顧客への展開
の3つを並行して進めてまいります(下表参照)
事業/製品・サービス
既存 新規
【既存領域】
・委託加工:
既 ・委託加工
存 繊維製品へのプリントを加工
・製品販売
メニューに追加(注 1)
・物流・包装・梱包
市
場
・委託加工および製品販売:
/
顧
客 ・委託加工および製品販売: 高機能加工を生かした資材
①②の商材で新規顧客を開拓 (①②)の 取扱を開始
新
規 ①アウトドア用衣料素材 ①生活資材(抗菌、抗ウィ
②環境負荷少ない衣料素材 ルス機能など)
・倉庫保管業務の開始(注 2) ②産業資材(難燃、防水機
能など)
(注 1)親会社である丸井織物の「Up-T(アップティー)」ビジネスのプリント工程を当社
でも受託する。「Up‐T」は、オンデマンドのオリジナル T シャツ等作成サービス
で、親会社・丸井織物にて既に展開中。丸井織物が自社で行っているプリント工程
を、同社だけでは今後の需要増加に対応できないと考えられることから、当社でも
受け持つことになる(=丸井織物に対する委託加工サービスの提供)
。
(注 2)姉妹会社(丸井織物グループの(株)wundou(ウンドウ)
)の製品や資材の保管を
受託。当社の建物の遊休スペースを有効活用することで設備効率性を高めるとと
もに、倉庫賃料等の安定収益を確保し、経営リスクの分散化を図る。
エ. 設備投資について
A) 設備投資の目的と期待効果
設備投資については、次の2つを目的として実施いたします。
①既存の製品・サービスおよび新製品・サービスに関する技術力向上を図ること。
②コスト削減による収益性向上およびシステム関連投資などを通じ、全社的な生産性
向上を目指すこと。
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B) 具体的な投資内容
(単位:百万円)
支出(予定)時期/予定額
2021/3 期 2022/3 期 2023/3 期 2024/3 期
項目名 合計
(計画0 (計画1 (計画2 (計画3
期) 期) 期) 期)
①コスト削減を目的とした設
139 - - - 139
備導入
②既存設備リニューアルおよ
- 68 50 50 168
び増設
③新資材開発 182 - - 50 232
④プリント機器導入 162 - 69 - 231
⑤倉庫改修 - 80 - - 80
⑥システム関連 2 50 50 50 152
合計 485 198 169 150 1,002
オ. 株主還元方針(配当方針)
当社株式の上場が維持されていることを前提として下記 A)および B)の株主還元方針(配当
方針)を採ります(下表も参照)。当社の株価は業績低迷を背景として低水準で推移してお
り、当社株式は東京証券取引所が定める上場廃止に係る猶予期間中にあります。株価水準の回
復を図るためにも、新中計「REORN2023」を着実に推進し「REBORN2023」目標を達成する所存
です。
A)2021 年 3 月期~2023 年 3 月期
・業績低迷にも関わらず支援いただいた株主の皆様への還元策として、加えて新中計
「REBORN2023」の業績目標達成への期待にお応えすべく、1 株あたり 12 円の配当を 3 事
業年度(2021 年 3 月期~2023 年 3 月期)にわたり実施します。
・配当原資は、2019 年 3 月期に行った固定資産の売却によって得た資金の一部を充当す
る予定です。過去 5 年間事業において利益と CF のマイナスが続く傾向にあったことか
ら、非事業用資産の売却によって得られた資金を確保してまいりました。子会社の売却な
どの事業の再構築が完了したことから、その間無配当で我慢していただいた株主の方々に
対して、確保してきた固定資産売却で得た資金の一部をもって復配でお返しをいたしま
す。
B)2024 年 3 月期以降
・親会社株主に帰属する当期純利益が黒字化した後は、配当性向 40%~50%を目安に配当
を実施する予定です。
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【配当方針概要】
2021/3期 2022/3期 2023/3期 2024/3期以降 備考
当期純利益黒 いずれも当社株式の上
字化後は、配 場が維持されているこ
1株当たり12 1株当たり12 1株当たり12 当性向40%~ とが前提。
配当方針
円 円 円 50%を目安に 万一、上場廃止となっ
配当を実施予 た場合にはその時点で
定 再度検討する。
(2)株主割当増資について
当社は、過去に必要な設備投資を行えなかったことが現在の業績低迷の要因であると強く認識してお
り、早期の業績回復に向けて必要な(1)-エ記載の設備投資を確実に実施すべく、その必要な資金の
一部を調達することと、当社株式が上場廃止に係る猶予期間にあり、その一番早い猶予期間の最終日が
2021 年 3 月 31 日に迫っている中で上場廃止を回避するための緊急措置として流通株式数を増やし以て
流通株式時価総額の向上を図ることを目的として、今回株主割当増資を実行することとなりました。
なお、株主割当増資に関する詳細な内容につきましては、当社が 2020 年 11 月 12 日付で開示いたしま
した、「株主割当てによる新株式発行に関するお知らせ」をご覧下さいますようお願い申し上げます。
3.今後の見通しおよび上場維持について
(1)今後の見通しについて
新中期経営計画の施策を確実に実行していくことで、新型コロナ問題で落ち込んだ売上を、段階的に
新型コロナ問題発生前の水準にまで回復させてまいります。また、工場の生産性を向上させ、収益を安
定的に確保できる体制を構築してまいります。2023/3 期(計画 2 期)での営業利益黒字化を目指しま
す。
(単位:百万円)
2021/3 期 2022/3 期 2023/3 期 2024/3 期
(計画 0 期) (計画 1 期) (計画 2 期) (計画 3 期)
売上高 1,700 2,400 2,900 3,100
既存 委託加工 1,150 1,607 1,706 1,716
事業 自社販売 400 409 452 452
プリント加
新規 ― 100 300 400
工、倉庫
事業
新規素材 ― 134 292 382
関連会社他 150 150 150 150
営業利益 △430 △100 20 120
(減価償却費) (120) (170) (200) (200)
EBITDA
(償却前営業利益) △310 70 220 320
経常利益 △350 △70 50 150
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(2)上場維持について
上場廃止となりますと、株式の売買の機会が大きく制限され、株主の皆様に多大なご迷惑をおかけす
ることから、当社といたしましては、何としても上場を維持したいと考えております。
新たな中期経営計画「REBORN2023」の推進、および株主割当増資による「流通株式時価総額」の向上
を図ることにより、今後とも東京証券取引所市場第二部上場を維持するよう努めてまいります。
以 上
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