3420 ケー・エフ・シー 2021-05-27 14:00:00
「ケー・エフ・シーグループ中期経営計画(2021~2023年度)」に関するお知らせ [pdf]

                                                     令和3年5月27日
各     位
                            上場会社名
                            本店所在地    大阪市 北区西天満 3 丁目 2 番 17 号
                            代表者名     代表取締役社長    髙   田   俊    太
                                     (コード番号 3420 東証第2部)
                            問 合 せ先   常務取締役 管理管掌 兼 経営企画部長
                                             堀 口 康 郎
                            電話番号             06-6363-2689

       「ケー・エフ・シーグループ中期経営計画(2021~2023 年度)」に関するお知らせ

 当社は、本日開催されました取締役会において、本年度よりスタートする「ケー・エフ・シーグループ
中期経営計画(2021~2023 年度)」を決議致しましたので、お知らせ致します。

 当社を取り巻く環境は、コロナ禍で民間設備投資は減少したものの、公共工事は堅調に推移しており、
おかげをもちまして業績は増益基調を維持することができ、前回の中期経営計画の後半 2 期間は期初
の利益目標を上回る状況が続いております。
 この結果、有利子負債の圧縮や純資産の増加により財務体質は劇的に改善が進み、業績に応じた
利益還元を実施することを基本とする配当政策も増配となるなど好調な事業環境を維持することができ
ました。

 しかしながら建設業界におきましては、各種インフラ整備やリニア新幹線などの大型プロジェクト、イン
フラ補修等の受注環境は一時的には追い風ではありますが相対的には減少傾向にあり、工事の対象
が新設から維持・補修にシフトすることも予想されます。
 また、原材料価格や労務単価の上昇、少子高齢化に伴う人材不足、若年層労働者の確保や働き方
改革のよる労働環境の多様化など業界全体としては多くの課題を抱えている状況にあります。

 このような不透明な状況である中で当社は、ファスニング分野のリーディングカンパニーとして、安全・
安心を最優先とした社会インフラの新設・維持・補修を通じて社会の発展に貢献する企業を目指し「ケ
ー・エフ・シーグループ中期経営計画(2021~2023 年度)」を策定いたしました。
 本計画に基づき将来的に持続的成長を目指すケー・エフ・シーグループが「あるべき姿」に向かって
経営資源を有効活用し、経営基盤のさらなる強化を推進してまいります。
 また、あらゆる社会の変化に迅速に対応するとともに、経営課題にしっかりと向き合い安定した経営を
目指すことによって、すべてのステークホルダーの皆様から高い信頼と評価を得ることができるよう役職
員一同一丸となって本計画の目標達成に向けて取り組んでまいりますので、今後ともなお一層のご理
解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い致します。

                        売上高      経常利益        ROE     配当性向
    2023 年度目標(単位:百万円)   30,000     3,200   15%以上      30%以上
    2020 年度実績(単位:百万円)   27,798     3,395     13.6%     25.5%
 詳細につきましては添付資料「ケー・エフ・シーグループ中期経営計画(2021~2023 年度)」を御覧く
ださい。なお、本資料の将来計画の数値につきましては、発表日現在において入手可能な情報に基づ
き作成したものであり、今後様々な要因によって異なる可能性があります。
                                                 以 上
ケー・エフ・シーグループ
中期経営計画(2021~2023年度)   2021年5月27日
目次
 Ⅰ.企業理念、経営ビジョン、経営基本方針
 Ⅱ.前中期経営計画の振り返り
 1.ケー・エフ・シーグループ業績推移
 2.事業戦略(重点施策の成果)
 3.セグメントのTOPICS
 4.財務数値実績

 Ⅲ.Ⅱ期中期経営計画
 1.Ⅱ期中期経営計画の位置づけ(概略)
 2.SDGsに対応した取り組み
 3.事業環境認識と当社の課題
 4.基本戦略と重点施策
 5.業績指標(売上高、経常利益)
 6.経営数値目標
 7.ガバナンス体制
 8.セグメント別詳細

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     ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅰ.企業理念、経営ビジョン、経営基本方針


                   1.企業理念

                     一.私たちは信用を重んじ、社会の発展と豊かな環境づくりに貢献します。
                     一.私たちは時代のニーズに対応し、常に変貌する企業を目指します。

          企業理念       一.私たちは社員相互の信頼のもと、人材を育成し、希望に満ちた企業を創造します。
                     一.私たちは常に学ぶ姿勢を持ち、自己と企業の進歩、 改善を目指します。

                            2.経営ビジョン(あるべき姿)
        経営ビジョン
                             業界に先駆けて高付加価値の製品・工法を開発し、持続的成長を可能にする企業グループ。
        (あるべき姿)              高度な社会インフラ整備の実現に向け、常に「オンリーワン」技術にチャレンジし、豊かな社会
                             資本・インフラ整備に貢献する専門家集団としての責務を果たす。

                                 3.経営基本方針

        経営基本方針                         ファスニング分野の新しい価値を創造する専門家集団として、「持続的成長」、「新規
                                       事業の創出」、「業務の効率化」、「内部体制の強化」により経営基盤を強化し、リーディ
                                       ングカンパニーとしてのあくなき挑戦を実践する。


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    ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
                Ⅱ.前中期経営計画
           (2018~2020年度)の振り返り




ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-1.ケー・エフ・シーグループ業績推移




2018~20年度中期経営計画の総括
 インフラ老朽化対策需要の増加を受け、補修・補強耐震工事の収益が増加したが、新設道路トンネル需要の減少と
資材価格の高騰、自然災害や新型コロナウイルス感染症拡大による発注延期、工事進捗遅れにより、粗利益が減少
傾向。一方、大型元請工事の追加精算と進捗の増加、新型コロナウイルス感染症の影響による販売費及び一般管理
費の縮小に伴い、経常利益が増益となった。
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     ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-2.事業戦略(重点施策と成果)
    取り組みテーマ                                   主な実施成果
                        あと施工アンカーの土木需要(独自製品・工法、安全対策、設備関連)の増加
                        トンネル補修・補強の元請工事の増加
既存事業での顧客・現場を重視し
                        鉄道関係(設備)ホーム柵設置工事の増加
た営業展開による収益拡大            トンネル設備向け金属系アンカーの増加
                        トンネル耐火板工事の収益改善
                      トンネル掘削残土「ずり」環境対策重金属処理の応用
                      ロックボルト技術を応用した支柱鋼管膨張補強の拡販
                      建設業界以外への市場展開(海外販売展開を含む)
新事業の創出による収益拡大
                       ➡ 主な取り組みとしてタイにおける防災・災害対策事業…新型コロナにより進捗停滞
                      省力化を目指し、AI、IoTへの取り組み ➡ 発注者に対する協働を進める
                      M&A、アライアンス戦略の構築 ➡ 検討は進めたが、シナジー効果による事業拡大を見出せる案件なし

                      高速道路、鉄道でのトンネル長寿命化補修工事の受注増加とスペック活動の継続
成長分野であるインフラ補修・補
                      土木構造物耐震せん断補強(RMA)の増加(当社推定シェア45%)と認証取得追加により補強対象の拡大
強への事業展開の強化            ロックボルト技術の補修・補強事業への用途拡大(セイバーEX・法面補強)

                      あと施工アンカーの非破壊点検診断
研究開発を強化し、差別化できる
                      あと施工アンカーの省人化&ICT化を推進
製品・工法を継続的に創出          重金属汚染土壌の微生物処理
高品質な製品・工法を提供するた       社内サポート体制による国家資格取得を目指した研修制度の継続的実施
めの人材の確保と育成の強化         女性営業職、施工管理者の配置
                      eラーニングによる全社員対象のコンプライアンス教育
コンプライアンス体制の強化
                      内部監査室による監査指導体制の強化                                   5

      ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-3.セグメントのTOPICS


ファスナー事業




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     ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-3.セグメントのTOPICS

ファスナー事業

    新型コロナウィルス感染症拡大、東京五輪の順延もあり、工事受注、進捗の停滞

■あと施工アンカー                                ■建築耐震補強工事
  民間建築需要は低迷したものの、公共事業を中心                  民間建築耐震補強工事は、順調に増加したが、コロ
 に安全対策や省人化など独自性の高い金属系アン                  ナ禍の影響を受けて、発注が中止、延期され、マイナ
 カー関連商品の売上が増加。                           スに転じた。


■土木構造物耐震せん断補強(独自工法:RMA)                  ■調査点検
  土木構造物耐震せん断補強工事は順調に推移し                   老朽化するインフラ構造物の点検・調査業務の需
 たが、首都圏を中心とした発注・進捗遅れが生じ、                 要は増加し、それに伴う金属系アンカー・接着系ア
 最終年度はマイナスに転じた。                          ンカーの点検業務も増加。今後さらに健全性診断調
                                         査の増加傾向が続く。
                                                                    7

      ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-3.セグメントのTOPICS


土木資材事業




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    ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-3.セグメントのTOPICS
土木資材事業

    新設道路トンネル工事の減少、大型プロジェクトの進捗停滞により、主力製品の出荷が停滞。
           ロックボルトを使用したトンネル補修・補強工事の受注に注力

 ■ロックボルト、補助工法                              ■ガードレール支柱補強
   新設トンネルの減少により、出荷減少。当社独自                    高速道路を中心に実績の増加。コロナ禍の影響
  のロックボルト高機能商品の拡販で収益改善に取                    で補修が先送りになった案件もあったが、今後は
  り組む。補助工法は、鏡補強工(Me-fix等)を軸と                増加を見込む。
  して補助工法全体の高収益化を図る。Me-fix材
  料は高評価を獲得。

 ■重金属                                      ■ロックボルト補強工事
   重金属対策遮水シートはトンネル掘削「ずり」を対                   新設トンネルの減少の一方で、補修、補強工事の
  象として展開。販売と工事も手掛け、実績も増加傾                   増加。当社の得意とするロックボルトを使用した補
  向。                                        強工事に進出。
                                                                      9

        ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-3.セグメントのTOPICS


建設事業




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       ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-3.セグメントのTOPICS
建設事業

                    補修・補強関連重要の拡大により、元請の受注の増加


  ■トンネル補修補強(トンネルリニューアル)                   ■落下物二重安全対策(フェイルセーフ)
    ネクスコ各社の特定更新事業を中心とした元請受                  ネクスコ大型改修工事、国・県発注の改修工事等
   注及び、国・県発注のトンネル補修工事も下請受注                 の継続受注。設計段階から協力業者と協業し、受
   多数。中国地区では橋梁補修工事の継続受注。                   注活動を展開。



  ■遮音壁工事                                  ■鉄道耐震
    新東名高速道路・名古屋第二環状自動車道の新                   東日本エリアを中心に鉄道橋脚一面耐震を含ん
   設工事や、東名高速道路の遮音壁改良工事等、継                  だ工種拡大により需要増加。
   続受注。

                                                                     11

       ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅱ-4.財務数値実績

                2018年度                  2019年度         2020年度
              計画                    計画                計画              達成状況
                         実績                  実績               実績
             (予想)                  (予想)              (予想)
  ROA       8%以上        6.6%      8%以上      8.7%    8%以上      9.0%     〇

  ROE      15%以上        11.4%     15%以上     14.0%   15%以上    13.6%     ×
            1,000                  1,000            1,000
 有利子負債                954百万円               660百万円            590百万円    〇
           百万円以下                  百万円以下             百万円以下

 自己資本比率      60%       59.8%      60%以上     64.1%   65%以上    68.1%     〇

 D/Eレシオ    0.1倍以下       0.1倍     0.1倍以下     0.0倍    0.1倍以下    0.0倍     〇

  配当金額       50円        50円         60円     70円      70円      80円      〇

  配当性向      21.6%      23.5%       23.2%    24.5%   22.9%    25.5%     〇
                                                                             12

     ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
       Ⅲ.Ⅱ期中期経営計画(2021~2023年度)




ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-1.Ⅱ期中期経営計画の位置づけ(概略)
 Ⅱ期中期経営計画の3年間を、さらなる持続的成長に向けた受注体制の強化、新規事業の創出、内部体制の強化
による強固な経営基盤の構築を兼ねた期間と位置づけ、着実な収益力の継続と経営ビジョンの実現により、
2023年度売上高300億円、経常利益32億円以上を目指します。
                                                            技術の力で未来を支える


                                                            売上高
                        売上高
  売上高


  277億円                300億円                                350億円
        経常利益                            Ⅱ期中期経営計画 基本方針
                               経常利益                                 経常利益
        33億円                               持続的成長
                                           新規事業の創出
                               32億円        業務の効率化                  38.5億円
                                           内部体制の強化

                                                 2024年度以降
  2020年度実績        Ⅱ期中期経営計画(2021~23年度)                        2030年度目標
                                                継続した変化と成長
                   ESG経営の推進(環境・社会と共存できるサステナブルな事業体制の構築)                       14

     ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-2. SDGsに対応した取り組み

   ケー・エフ・シー企業理念のもと、事業を通じて環境・社会・経済の課題の解決を図る取り組みを行い、
  持続的成長と企業価値の向上を実現するとともに、SDGsへの貢献を目指します。




                                                     15

    ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-2. SDGsに対応した取り組み
すべての人に健康と福祉を                        質の高い教育をみんなに                安全な水とトイレを世界中に
ジェンダー平等を実現しよう                      【人財戦略の実行】                   産業と技術革新の基盤をつくろう
                                   ・従業員、協力企業を対象にしたコンプライアンス教育
働きがいも経済成長も                         ・国家資格取得にむけた教育支援の促進          住み続けられるまちづくりを

【従業員の健康を確保】                        【地域に密着した教育・芸術活動支援】          【当社事業を通じての復旧可能なインフラ造りや水
・健康経営の推進                           ・「こども本の森 中之島」への寄付            環境保全への参画】
(健康経営優良法人認定の継続)                    ・被災地、ひと、地域をつなぐ市民参加型合唱       ・コンクリート補修、土木構造物耐震せん断補強 (RMA)
                                    「レクイエム・プロジェクト」への特別協賛        等によるインフラの維持管理
【ダイバーシティの推進】                                                   ・無機系注入材や重金属対策製品をはじめとする環境
・女性の活躍推進                                                        対応製品/施工の開発
➡・女性管理職比率は年々増加                                                 ・土木構造物耐震せん断補強(RMA)を通じて、上下水
 ・育児制度の充実により、就業環境の向上                                            道施設の機能性強化
 ・事務所、施工現場での女性が働きやすい環境整備                                       ・トンネル周辺の水環境保全の取組み(ウォータータイト)

【働き方改革の推進】
                                    エネルギーをみんなに そしてクリーンに
 ・残業時間削減やワークライフバランス実現への
  取り組み強化                            気候変動に具体的な対策を

                                   【再生可能エネルギー】
つくる責任 つかう責任                        ・技術研究所、流通センターでの太陽光発電の利用
                                               (2021年7月稼働予定)
【安全・安心のための品質管理の推進】
・労働災害ゼロへの取組み強化                     【省エネ・CO2削減】
・ISO9001マネジメントシステムの継続              ・自社ビル照明のLED化
・建設業労働災害防止協会のコスモス                  ・低公害車を順次導入
(労働安全衛生 マネジメントシステム)を取得             ・展示会ノベルティでエコバック配布
                                   ・環境に配慮した建設資材の利用と廃材
                                    の削減及び再利用の促進
                                    (建設廃棄物の適切な処理等)
                                                                                              16

             ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-3.事業環境認識と当社の課題
 当社を取り巻く事業環境
・公共建設投資は堅調(補修・補強工事は増加、新設のインフラ工事は減少)
・新型コロナウイルス感染症拡大、自然災害等による工事発注の延期、進捗遅れの懸念
・建設技術者、技能労働者の慢性的不足による労務単価上昇
・原材料価格、運搬費等高騰によるコスト増加
・建設業におけるデジタルトランスフォーメーション(建設DX)の潮流
・建設業への働き方改革への取り組み要請


 KFCグループの課題

・新設道路トンネル市場の減少および大型プロジェクトの納品延期
・コロナ禍での民間需要の減少
・鋼材等仕入価格の高騰
・業界での慢性的な若年層の入職者減少と技術者の不足、高齢化により熟練技術の承継
・成長エンジンである継続的な「新規事業の創出」
・持続的成長に向けた投資戦略の明確化(M&A、アライアンスの活用)
・建設DX推進への貢献に向けた研究開発投資や労働体制の整備促進による一時的なコストの増加   17

     ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.基本戦略

  前述のケー・エフ・シーグループの課題を踏まえ、Ⅱ期中期経営計画の基本戦略を下記の4項目とし、
 重点的に取り組みを推進。いかなる市場環境においても影響されない真の企業力の礎を築きます。



                             1)収益力の向上

                             2)技術・開発力の強化

                             3)働き方改革

                             4)経営基盤の再構築

                                               18

    ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.重点施策(新規事業の創出)
  市場環境の変化を見据え、ビジネスチャンスを最大限に活かす体制づくりをすすめ、「安全・安心」、「環境」、
 「省力化および建設DX」のニーズに対応した付加価値の高い新規事業の創出を推進します。

                省力
                化・
         安全・
                DX
         安心

               環境              顧客・現場ニーズの吸い上げを簡素化し、情報の共有化、商品・工法の企画
                                化、進捗管理のスピードアップを図る。

                               部門間連携を強化し、顧客のベネフィットに適した新たな価値を創出する。

            ファスナー              新規事業に特化し、発注者やゼネコンの建設DXへの要望に対応可能な部
             事業                 署「開発営業部」を新設し、促進する体制を構築

           技術部                 研究開発投資の増額
            ・                  (2018~20年度合計3.5億円 → 2021~23年度合計6億円予定)
  土木資材    開発営業部        建設
   事業                  事業


                                                                       19

         ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.重点施策(研究・技術開発)
   建設材料・施工・点検技術までの一貫した技術開発により、インフラ構築・維持管理において社会的課題
  を解決できるオンリーワン製品の上市を目指します。

既存事業分野

社会的課題解決とシェア向上のため、既存製品、既存工法のリ・イノベーション(価値の再創造)を継続

                                           研究開発投資 内訳
 熟練技能者を必要としないプリベンション機能を備えた安全・安心な建設資機材

 点検・モニタリングを容易に行える機能製品とそのデジタル化
                                           他       土木資材事業
                                          26%        25%     土木資材事業
 メンテナンスフリーあるいは容易な更新を行える製品やシステム
                                                             ファスナー事業
                                                3年間合計
 IoTの積極導入や、必要に応じてAIの活用を施工管理の省力化を図るとともに
                                                 6億円         建設事業
 施工精度の向上とメンテナンス上の負荷軽減を図る。                                    他
                                          建設事業     ファスナー事業
                                           25%       24%




                                                                      20

      ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.重点施策(研究・技術開発)

新規事業創出につながるテーマ

 ガードレール支柱補強の更新作業効率化

 重金属を含む建設ずり吸着工法用シート事業の推進をベースに微生物を利用したセレン無害化研究の継続

 橋梁点検診断および補修補強用の新工法開発

 インフラ維持補修に適した点検診断機器開発・常時監視技術開発

 削孔にDTH(ダウンザホールハンマー)を用いる杭工法において、施工の確実性を担保できる
                                                        リ・イノ   ・価値発見型
 地盤リアルタイム評価システム                                         ベーショ   ・価値再生型
                                                         ン
                                         社会的課題


 社会的課題の解決・新たな価値の創造                                      自社単独
                                                        研究開発
                                         成長領域    オープン
                                                 イノベー          新規事業
                                                  ション

                                                                        21

      ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.研究・技術開発テーマ 「熟練作業者不足を補う」・「省人化&ICT」
 AI画像解析技術を用いたガードレール支柱の点検管理

 ガードレール支柱簡易補修(Gurdrail Post Rescue)工法

 高速走行しながら撮影した動画データをクラウド内にUPしてAIが画像像解

 析し腐食判定する(開発中)
①腐食を判別⇒②腐食支柱の抽出⇒③腐食高さの算出⇒④帳票自動作成


                                                                   撮影イメージ
                                                      帳票出力(案)
                                                                  (時速80km)
 本技術が目指す課題解決

・点検に要する膨大な労力(目視点検・規制・時間・コスト)              ・迅速な点検作業:点検の合理化

・点検者の経験による判定区分の不確実性                       ・画像解析による判定区分の明確化:点検の信頼性向上

・膨大なデータ管理                                 ・集積データによる一括管理:管理手法の構築(CIM➡建設DX)
                                                                         22

       ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.研究・技術開発テーマ 「熟練作業者不足を補う」・「省人化&ICT」

 IoTを導入した遠隔操作システム


高性能モルタル混練り圧送装置「MAI440システム」の用途拡大

 「MAI440システム」はIoT機能を搭載しており、プログラムのアップデートや故障原因の特定、設定変更などを遠隔により
 行うことができる




                          オーストリア
                          (MAI社)
                                     日本
                                    (KFC)




                                                                23

      ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.研究・技術開発テーマ 「熟練作業者不足を補う」・「省人化&ICT」

1人でできるICTを利用した引抜き試験システム                    ガイナトンネル内装シートの視環境改善効果

ICTを利用した一人でできる引抜き試験システムを開発                 粘着によりトンネル覆工面に貼付するトンネル内装シートの開
                                           発、販売
 コンパクト化により大幅な軽量化を実現                        2020年、ガイナトンネル内装シートの視認性を評価
 試験のセットが簡単
 データ通信の実現
 自動グラフ作成機能
 CIM連携可能




                                             「ガイナトンネル内装シート有無の比較」     「覆工を可視化」




                                           ※本製品はあるひとりのお客さまからの“声”から開発をスタートしました。
                                            今後もお客さまの“声”を大切に、課題解決に取り組んでいきます。
    小型電動ポンプ            試験機本体
                                                                                 24

        ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.研究・技術開発テーマ 「環境」

 重金属汚染土壌の微生物処理の研究
重金属処理に微生物を利用し浄化する方法を研究開発中。 処理が困難な重金属元素を微生物で浄化できると期待
    重金属セレン
     – 重金属のなかでも特に6価セレンは薬剤で処理することが困難
     – 火山堆積物に含まれ、日本全国に広く分布

    セレン処理微生物「Pseudomonas stutzeri NT-I株」の利用
     – 実 験 室 レ ベ ル の 試 験 で 土 壌 中 の セ レ ン を 環 境 基 準 値 ( 0.01
       mg/L)以下まで処理することに成功
     – 幅広い土壌条件で土壌中の6価セレンを不溶化できることを実証
     (令和2年度土木学会全国大会で発表)                                  「 Pseudomonas stutzeri NT-I株」   「採取地の異なる土壌での微生物処理の適用検討」


 環境対応製品
土木工事における環境負荷の軽減をめざし、環境対応製品の研究開発を継続

 ロックボルト定着材のエコ化製品開発
    セメント製造時に発生する二酸化炭素量を減らすためにモルタルのセメント量を減らし、産業廃棄物資源の利用を行うことで環境負荷の軽減を目指す

                                                                                                              25

             ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.重点施策(知的財産)
 知的財産権に関する考え方・取組み方針
 2020年3月末状況
 オープン・クローズ戦略による攻めと守り                     3年後に目指す知的財産権の姿
 ・全社員対象の社内提案制度を活用した多角的な視点から              ・安心・安全・持続可能なインフラ構築維持管理に携わる企業として、
  産業財産権を出願・権利化
                                          蓄えた技術・経験・知的財産を抱え込むことなく社会に還元し、 社会
 ・ノウハウや秘匿技術情報等の情報漏洩対策
                                          から課題をもらいます。
     CLOSE           LICENSE
                                         ・知財の種を蒔き、育て、守り、その実を収穫し、再び種を蒔き、 大きく
     営業秘密        出願中特許        79件         育てていく循環型知財を目指します。

                登録済特許権        139件
                登録済意匠権        59件
                登録済商標権        82件

 2020年4月~2021年3月状況
  オープンとクローズのバランス                            CLOSE         UTILITY       LICENSE
  ・無意識の情報漏洩まで防ぐシステム作り
  ・アクセス権を活用した情報共有
                                            営業秘密
                                                       オープンイノベーション
                                                                        産業財産権
   CLOSE            LICENSE                               産学官連携
   営業秘密      2020年度新規特許出願        11件                     シーズの公開

             2020年度新規特許登録       23件                                               26

      ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.重点施策(業務の効率化)
 働き方改革の要請への対応を強化し、業務効率化による労働生産性の向上を目指します。

          主な取り組み                                    目指す姿
   新基幹システム導入(2022年度稼働予定)
   ・販売、工事、業務プロセスの連係                          業務効率の向上
   社内インフラの整備                           働
   ・リモートワーク導入など柔軟な働き方を可能                き    より良い職場環境の整備
    にする制度や設備の拡充を継続して実施                  方
                                        改
   残業時間削減に向けた対策                             従業員ひとりひとりのワークライフ
                                        革
   ・検討チームの発足                                  バランスの実現と従業員満足度の向上
                                        の
   ・現場の人員ローテーションの改善
                                        実
   戦略的採用の強化                            現    労働生産性向上による持続的成長
   ・有資格者、新卒人材の獲得、中途採用を強化

   健康経営の推進                                  「くるみん」、「えるぼし」の取得
   ・就労環境の整備
                                                                  27

     ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-4.重点施策(経営基盤の再構築)
   環境や社会的責任に配慮した取り組みを継続して実施するとともに、活力ある職場づくりを通じて、
  ケー・エフ・シーグループの組織力の強化、人材の育成に努め、強固な経営基盤の再構築を図ります。


   盤石な組織体系づくり                    人材の確保・育成・活用               投資戦略

  • コンプライアンスの強化(定期的なリ          • 体系的教育プログラムの導入検討     • 2021~23年度研究開発投資を6
    スク管理の徹底と意識向上)              • ジョブローテーションの実施         億円に増額
  • 内部通報制度の見直し                 • コンプライアンス教育の継続       • シナジー効果を期待できる周辺領域
  • 東証市場区分変更への対応               • 評価制度の充実               を中心にM&A、アライアンスを随時
  • 積極的なIRの実施(株主、投資家と                                  検討
                               • 女性社員の積極的登用(営業職、施
    の対話強化)                       工管理者)をはじめ、ダイバーシティ   • 成長分野への効果的な経営資源の
  • SDGsへの取り組み強化                 を推進                   配分




   上場会社としての責務である経営の              中長期的な視点での人材の確保・教     既存事業での安定的なキャッシュフ
  透明性、健全性を確保し、法令をはじ             育・活用を実施し、持続的成長に向     ローを創出し、各事業への開発投資や
  めとする社会的ルールを順守する体              け、常に挑戦し続ける人材の育成を図    M&A、アライアンスなど、成長エンジ
  制を構築し、企業活動を行います。              ります。                 ンの育成を図ります。            28

     ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-5.業績指標(売上高、経常利益)




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    ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-6.経営数値目標

 業績数値目標

                        2020年度実績       2023年度目標
       売上高                 277億円        300億円
      経常利益                 33億円          32億円




 財務数値目標

                        2020年度実績       2023年度目標
        ROE                13.6%       15.0%以上
      配当性向                 25.5%        30%以上


                                                  30

    ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-7.ガバナンス体制
   ケー・エフ・シーグループは、長期安定的な企業価値向上のためには、コーポレートガバナンスの強化
  が重要であると認識し、多様なステークホルダーの皆様から信頼される経営を目指します。

                           株 主 総 会

         選任・解任                    選任・解任                 選任・解任


                      監査                    連携                  •   経営の透明性、健全性を確保し、
       取締役会                 監査役会                     会計監査人          コーポレートガバナンス強化に
                                                                    向けて必要な内部体制の整備を
                 報告          連携
                                                                    推進
                                            監査
              コンプライアンス委員会              連携
                                                                •   コンプライアンス委員会の年4回
          選定・解職
                                                                    の実施、および月次での書面に
                             連携
                                            連携                      よる報告
 常務会    代表取締役社長            内部監査室
                                                                •   継続した教育プログラムを通じ
                                  監査                                た全役員、全従業員へのコンプ
                                             助言・指導                  ライアンス意識の浸透
                 事業部門                                 顧問弁護士

                                                                                     31

        ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-8.セグメント別詳細(売上高)




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    ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-8.セグメント別詳細(経常利益)




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    ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-8.セグメント別詳細
ファスナー事業
 老朽化するインフラ構造物の維持管理の増加を前提とし、収益向上に向
けて付加価値の高い独自商品、工法の開発・拡販を推進する。

 基本方針

 本業における付加価値の高い商品を創造する
 ~来るべき維持管理・現場省力化時代に対応した商品を提供する~

 具体的施策
■ 商品・工法の販売強化による収益拡大
 ・安全対策商品(フェイルセーフ、剥落対策シート)の拡販
 ・仕様改定等に絡む対策品アンカーの販売強化
 ・土木構造物耐震せん断補強(RMA)の品質管理向上と新市場(河川、河口、ダム)への拡大
 ・インフラ構造物長寿命化工事の強化
 ・調査機器の開発、一般流通品として拡充

■ 維持管理・現場省力化への取組み強化
 ・現場ニーズに応える新商品の特定市場への投入を継続して実施
 ・コロナ禍における受注形態変化への対応(ホームページの活用、ネット販売環境の整備)
 ・調査業務から提案施工・維持管理までを行うホーク・ファスニングシステムの推奨
 ・建設キャリアアップシステムへ本格的な取組み開始                      34

        ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-8.セグメント別詳細
土木資材事業
 新設道路トンネル市場の縮小や大型プロジェクトの進捗停滞により、今後
受注環境の悪化が見込まれるが、既存事業における収益改善への取り組み
を継続、また新分野への参入により、さらなる成長に向けた事業基盤を構
築する。

 基本方針
  トンネル市場でのリーディングカンパニー
  新しさへの挑戦
  高収益体質への転換

 具体的施策

■ ロックボルト、防水シート、補助工法での競争力確保
 ・省人化に向けた資機材の改良・開発・ICT化を推進
 ・技術提案営業向け高機能資材・工法のラインナップ充実とPR強化
 ・補修・補強工事の体制を増強し、<設計-営業-工事>のスペックイン営業拡大

■ 既存事業の高収益化と新分野への取組み
 ・新たな取扱い商品・パートナー企業の開拓を推進
 ・既存市場への新商品の投入と既存商品の新市場への進出
 ・DXを実行し、組織、意識の改革と業務効率化を目指す                35

        ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
Ⅲ-8.セグメント別詳細
建設事業
 この三年間を建設業における施工管理者不足、働き方改革への取組み要請へ
の対策強化の時期とし、堅固な元請受注率向上を目指し、社内受注基盤の強化、
既存工種での付加価値向上、新規事業への挑戦を継続し、安定した収益の確保
を実現する。

基本方針
   「元請受注売上高比率50%以上」を目指す
   既存工種の付加価値向上による売上増強
   トンネル補修・補強を軸に新規工種受注へのチャレンジ
   コンクリート構造物における補修補強工事の専門業者(連結子会社)

具体的施策
■ 既存事業における拡大戦略
・橋脚耐震補強工事の本格化に向け、材料メーカー+施工業者の強みを活かした営業展開
・元請受注確率アップに向けた積算体制の強化、技術評価点、技術提案書提案力の向上に注力
・設備工事での付加価値提供による高シェア維持と耐火工事の技術力提供による収益拡大

■ 新規事業への取組み強化
・新規工種(内装シート・水路補修・橋脚補強)へのチャレンジ
・生産性向上、メンテナンス性に寄与する補修商品、工法の新規開発を強化
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         ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)
 本資料に記載された業績見通し、事業計画につきましては、現時点に
おける情報、将来の経済環境予測の仮定に基づき作成したものです。
 実際の業績数値等は、今後の経済環境の変動や予測困難な事象等に
より本資料の業績見通し、事業計画とは異なる可能性があり、当社の
将来の業績を保証するものではございません。




  ケー・エフ・シーグループ 中期経営計画(2021~2023年度)