3409 北日本紡績 2021-08-18 11:30:00
抗菌・抗ウイルス糸の開発経過に関するお知らせ [pdf]
2021 年8月 18 日
各 位
会社名 北日本紡績株式会社
代表者名 代表取締役社長 粕谷俊昭
(コード:3409 東証第2部)
問合せ先 取締役 篠原 顕二郎
(TEL.076-277-7530)
抗菌・抗ウイルス糸の開発経過に関するお知らせ
この度、当社はかねてから着手してまいりました抗菌・抗ウイルス紡績糸の開発において第三
者機関における綿糸への抗菌・抗ウイルス材の固着の確認及び抗菌試験の完了を致しましたの
でお知らせいたします。
1. 開発経過
当社は 2021 年9月4日に公表しました「抗菌・抗ウイルス糸の研究開発に関するお知らせ」に
おいてお知らせいたしましたとおり、紡績事業の強化及び新たなる事業領域の開拓を目的に、抗
菌・抗ウイルス紡績糸の開発を開始し、2021 年1月 12 日に公表しました「中期経営計画」にお
いて、2021 年4月の上市を目指しておりました。
開発に当たり従来の布への塗布(後染め)ではなく、糸に抗菌・抗ウイルス機能を持たせる他
にあまり例がない新たな試み(先染め)であり、その達成のためには剤を糸に固着できるバイン
ダー技術(密着性)
、剤を糸に均一に分散させる(分散性)等といった高度な技術をもったメー
カーを選定する必要があり、昨年度より、株式会社ジャパンナノコート(本社:東京都台東区浅
草橋3-32-3 代表取締役 島田 誠之)と提携し、現在まで一体となって取り進めております。
その開発進捗状況につきましては、当初、同社保有の無機混合体の光触媒機能による製品化を
進めておりましたが、一部の連携機関から人体への安全性の懸念を指摘され、本素材のメカニズ
ムに基づく安全性確認を慎重に行っておりました。
そのため、上市予定時期が遅れているほか、当初 2021 年3月期に支出予定であった研究開発
費用等合計 50 百万円のうち、48 百万円について、2022 年3月期に支出することとなりました。
開発の迅速化を優先するため、同社の他剤での開発を実施、加速化を進めております。現在検
討中の素材は特殊な銀系で既に紡績糸への固定化を連続して行う新しい技術を開発し、量産化
に向けたテストプラントでの検証を終えております。また、洗濯後の固着確認(三井分析センタ
ー)及び抗菌性能(伊藤忠ケミカルフロンティア)は確認済であり、ウイルス試験につきまして
も、同社の提携大学による協力の元、抗菌・抗ウイルス剤での新型コロナウイルスでの性能確認
も済んでおり、今後は当社でも糸での新型コロナウイルス試験をする予定でおります。
2.今後の見通し
今後は更にSEK認定(一般社団法人繊維評価技術協議会が実施する認証制度
(業界自主基準)
)
の取得を予定しており、 ・
抗菌 抗ウイルス剤の糸への固着化と特殊な紡績技術との組み合わせで、
例えば機能を片面、あるいは部分的に偏在させることが可能となる等、先染メリットが得られる
と考えており、今後同社の提携大学による糸での新型コロナウイルス試験により効果が確認で
き次第、速やかに上市する予定です。
今後の当社業績に与える影響については、今後の事業の展開に応じて適時かつ適切に開示して
まいります。
以上
綿糸の固着画像(洗濯前) 綿糸の固着画像(洗濯後)
※洗濯後も表面に抗ウイルス成分(白い斑点)の付着が
確認できる。