3408 サカイオーベックス 2021-07-27 16:15:00
MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ [pdf]
2021 年7月 27 日
各 位
会 社 名 サカイオーベックス株式会社
(コード番号 3408 東証第1部)
代表者名 代表取締役社長 松木 伸太郎
問合せ先 総 務 部 長 室坂 浩一
(TEL:0776-36-5800)
MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ
当社は、2021 年7月 27 日開催の取締役会において、下記のとおり、いわゆるマネジメント・バイアウ
ト(MBO)(注)の一環として行われるサカイ繊維株式会社(以下「公開買付者」といいます。 )による
当社の発行済普通株式(以下「当社株式」といいます。 )及び本新株予約権(下記「2.買付け等の価格」
において定義します。以下同じとします。 )に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に
賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨、一
方、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。 )の皆様に対しては、本新株予約権に関
して本公開買付けに応募するか否かについては、 本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議を行い
ましたので、お知らせいたします。
なお、当該取締役会決議は、本公開買付け及びその後の一連の手続により当社株式が上場廃止となる予
定であることを前提として行われたものです。
(注)
「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全
部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取
引をいいます。
記
1.公開買付者の概要
(1) 名 称 サカイ繊維株式会社
(2) 所 在 地 福井県福井市花堂中二丁目 15 番1号
(3) 代 表 者 の 役 職 ・ 氏 名 代表取締役 松木 伸太郎
当社株式及び本新株予約権を取得及び所有し、当社の事業活動
(4) 事 業 内 容
を支配・管理すること
(5) 資 本 金 10,000 円
(6) 設 立 年 月 日 2021 年1月 15 日
(7) 大 株 主 及 び 持 株 比 率 松木 伸太郎 100.0%
(8) 当社と公開買付者の関係
該当事項はありません。
なお、公開買付者の代表取締役である松木伸太郎氏(以下「松
木氏」といいます。 )は、本日現在、当社株式 35,600 株及び本
資 本 関 係
新株予約権 117 個(目的となる当社株式の数:11,700 株)を所
有しております(その内訳等については、下記「3.本公開買
付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「 (2)意見の根拠
1
及び理由」の「① 本公開買付けの概要」をご参照ください。。
)
公開買付者の代表取締役である松木氏は、当社の代表取締役社
人 的 関 係
長を兼務しております。
取 引 関 係 該当事項はありません。
公開買付者は、当社の代表取締役社長である松木氏が議決権の
関連当事者への該当状況
全部を所有しており、当社の関連当事者に該当します。
2.買付け等の価格
(1)普通株式1株につき、金 3,810 円
(2)新株予約権
①2014 年6月 20 日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第1回新株
予約権」といいます。(行使期間は 2014 年7月 26 日から 2044 年7月 25 日まで)1個につき、
)
金1円
②2015 年6月 19 日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第2回新株
予約権」といいます。(行使期間は 2015 年7月 25 日から 2045 年7月 24 日まで)1個につき、
)
金1円
③2016 年6月 24 日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第3回新株
予約権」といいます。(行使期間は 2016 年7月 23 日から 2046 年7月 22 日まで)1個につき、
)
金1円
④2017 年6月 23 日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第4回新株
予約権」といい、第1回新株予約権、第2回新株予約権、第3回新株予約権及び第4回新株予約
権を総称して以下「本新株予約権」といいます。(行使期間は 2017 年7月 29 日から 2047 年7月
)
28 日まで)1個につき、金1円
3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由
(1)意見の内容
当社は、2021 年7月 27 日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根
拠及び理由に基づき、 本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、 当社の株主の皆様に対して、
本公開買付けへの応募を推奨する旨、一方、本新株予約権者の皆様に対しては、本新株予約権に関し
て本公開買付けに応募するか否かについては、 本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議を行
いました。
なお、上記取締役会決議は、下記「 (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相
反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④当社における利害
関係を有しない取締役全員 (監査等委員を含む。 の承認」
) に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
以下の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいてお
ります。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、公開買付けを通じて当社株式及び本新株予約権を取得及び所有することを主たる
目的として、当社の代表取締役社長である松木氏により 2021 年1月 15 日付で設立された株式会社
2
で、本日現在、松木氏が、公開買付者の発行済株式の 100%を所有し、代表取締役を務めていると
のことです。なお、本日現在、公開買付者は当社株式及び本新株予約権を所有していないとのこと
です。公開買付者は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。 )市場第一
部に上場している当社株式(本新株予約権の行使により交付される当社株式は含みますが、当社が
所有する自己株式を除きます。 )及び本新株予約権の全てを取得し、当社株式を非公開化させ、当
社の株主を公開買付者のみとするための一連の取引(以下「前回本取引」といいます。 )の一環と
して、公開買付け(買付け等の期間を 2021 年2月9日から 2021 年3月 24 日、当社株式1株当た
りの買付け等の価格(以下「前回公開買付価格」といいます。 )を 3,000 円、本新株予約権1個当
たりの買付け等の価格(以下「前回本新株予約権買付価格」といいます。 )を1円とした公開買付
けで、以下「前回公開買付け」といいます。 )を実施しましたが、前回公開買付けにおける買付予
定数の下限は 4,127,800 株だったのに対し、前回公開買付けに応募された株券等の数の合計は
3,939,239 株となり買付予定数の下限(4,127,800 株)に満たなかったため不成立となりました。
今般、公開買付者は、東京証券取引所市場第一部に上場している当社株式(本新株予約権の行使
により交付される当社株式は含みますが、 当社が所有する自己株式及び当社の筆頭株主である株式
会社シティインデックスイレブンス(所有株式数:515,600 株、所有割合(注1) :8.33%、以下
「シティインデックスイレブンス」といいます。 )が所有する本不応募合意株式(以下に定義しま
す。以下同じとします。 )を除きます。 )及び本新株予約権の全てを取得し、当社株式を非公開化さ
せ、当社の株主を公開買付者及び当社の筆頭株主であるシティインデックスイレブンス(注2)と
するための一連の取引(以下「本取引」といいます。 )の一環として、2021 年7月 27 日に本公開買
付けを実施することを決定したとのことです。
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、松木氏は、本取引後も継続
して当社の経営にあたることを予定しているとのことです。なお、公開買付者は、当社のその他の
取締役(監査等委員を含みます。 )との間で本公開買付け後の役員就任について特段の合意をして
いる事項はありません。
(注1) 「所有割合」とは、当社が 2021 年6月 28 日に提出した第 128 期有価証券報告書(以下
「当社有価証券報告書」といいます。 )に記載された 2021 年3月 31 日現在の発行済株式
総数(6,436,258 株)に、当社有価証券報告書に記載された 2021 年3月 31 日現在の本新
株予約権 313 個(注3)の目的となる当社株式の数の合計(31,300 株)を加算した株式
数(6,467,558 株)から、当社有価証券報告書に記載された 2021 年3月 31 日現在の当社
が所有する自己株式数(276,425 株)を控除した株式数(6,191,133 株、以下「本基準株
式数」といいます。 )に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。 )をいい
ます。以下、所有割合の記載について同じです。
(注2)ただし、本公開買付け後に、シティインデックスイレブンスの所有する本不応募合意株
式(515,600 株、所有割合:8.33%)と同数以上の当社株式を所有する株主が存在する場
合は、公開買付者、シティインデックスイレブンス及び当該株主の間で、当社の企業価値
向上及び各社の役割などについて協議するもの(以下「本三者間協議」といいます。 )と
するとのことです。十分な協議を行い、仮に、本三者間協議が調わない場合は、公開買付
者は、 当社の株主を公開買付者のみとすることを含め方針を検討し、シティインデックス
イレブンスは、公開買付者の当該判断に賛同する(以下「本賛同(シティインデックスイ
レブンス) 」といい、本三者間協議が調わない場合に行われる本賛同(シティインデック
スイレブンス)を得るまでの一連の協議及び手続を、以下「本協議・賛同手続」といいま
す。 )ものとします。
(注3)本新株予約権 313 個の内訳は以下の表のとおりです。なお、本新株予約権者は、当社の
取締役及び幹部従業員で、 本新株予約権の行使の条件として、 本新株予約権の権利行使期
間内において、 当社の取締役又は理事の地位を喪失した日の翌日以降、 割当てを受けた新
株予約権を行使することができる旨の定めが設けられております。
新株予約権の名称 2021 年3月 31 日現在の個数(個) 目的となる当社株式の数(株)
3
第1回新株予約権 61 6,100
第2回新株予約権 60 6,000
第3回新株予約権 96 9,600
第4回新株予約権 96 9,600
合計 313 31,300
本公開買付けに際して、公開買付者は、2021 年7月 27 日付で、シティインデックスイレブンス
との間でその所有する当社株式(所有株式数:515,600 株、所有割合:8.33%、以下「本不応募合
意株式」 といいます。 の全てについて本公開買付けに応募しない旨の契約
) (以下 「本不応募契約」
といいます。 )を締結しており、上記契約の他、シティインデックスイレブンスと協議の上、株主
間契約を別途締結する予定とのことですが、本日現在において、具体的な契約締結の時期及び契約
内容は未定とのことです。なお、本不応募契約の概要及び株主間契約において規定される可能性が
ある事項については、下記「4.本公開買付けに関する重要な合意」の「 (1)本不応募契約」及
び「(6)その他」をご参照ください。
一方、公開買付者は、2021 年7月 27 日付で、当社の第2位の株主である東レ株式会社(所有株
式数:464,530 株、所有割合:7.50%、以下「東レ」といいます。 )との間で、また 2021 年7月 26
日付で、当社の第 10 位の株主である株式会社福井銀行 (所有株式数 165,000 株、
: 所有割合 2.67%、
:
以下「福井銀行」といいます。 )との間で、それぞれが所有する当社株式の全て(以下、東レ及び
福井銀行が所有する当社株式を総称して「本応募合意株式」 (所有株式数の合計:629,530 株、所有
割合の合計:10.17%)といいます。 )について本公開買付けに応募する旨の契約(以下、東レとの
間の契約を「本応募契約(東レ) 」といい、福井銀行との間の契約を「本応募契約(福井銀行) 」と
いいます。 )を締結しているとのことです。
これらの契約の概要については、下記「4.本公開買付けに関する重要な合意」の「 (2)本応
募契約(東レ) 」及び「 (3)本応募契約(福井銀行) 」をご参照ください。
また、 公開買付者は、 2021 年7月2日、 当社の第4位の株主であるNIPPON ACTIVE
VALUE FUND PLC (ニッポン・アクティブ・バリュー・ファンド、 所有株式数:389,800
株、所有割合:6.30%、以下「NAVF」といいます。 )より、NAVFが本取引の趣旨に賛同し、
NAVFが所有する当社株式の全て(所有株式数:389,800 株、所有割合:6.30%、以下、NAV
Fが所有する当社株式を「本応募予定株式」といいます。 )について本公開買付けに応募すること
を前向きに検討している旨の連絡を受けているとのことです。なお、前回公開買付けにおいて、公
開買付者は、 NAVFとの間で、 2021 年2月8日付で、NAVFが所有する当社株式 (389,800 株)
の全てについて前回公開買付けに応募する旨の契約(以下「前回本応募契約(NAVF) 」といい
ます。)を締結し、更に、公開買付者は、NAVFとの間で、2021 年2月8日付で、NAVFに対
し、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続の完了をもって、公開買付者のB種種類
株式(注4)を割当てる旨の契約(以下「前回本投資契約(NAVF) 」といいます。 )を締結し、
上記合意の他、 NAVFと協議の上、 株主間契約を別途締結する予定 (2021 年2月9日現在におい
ては、具体的な契約締結の時期及び契約内容は未定)としていたとのことです(公開買付者がNA
VFとの間で締結した前回本応募契約(NAVF)及び前回本投資契約(NAVF)の概要は、以
下の(注5)に記載のとおりです。。 )
一方、本公開買付けにおけるNAVFとの間の合意の有無に関しては、NAVFが本取引の趣旨
に賛同し、NAVFが所有する当社株式の全て(所有株式数:389,800 株、所有割合:6.30%)に
ついて本公開買付けに応募することを前向きに検討している旨の連絡を公開買付者がNAVFよ
り受けている以外の事項は存在していないとのことです。
(注4)前回本投資契約(NAVF)において、発行予定であったB種種類株式は無議決権株式
であり、優先配当権、残余財産優先分配請求権及び取得請求権(B種種類株主が自ら主導
して、公開買付者に対して普通株式又は金銭等を対価としてB種種類株式を取得すること
を請求する権利)は定められていなかったとのことです。
4
(注5)前回本応募契約(NAVF)、前回本投資契約(NAVF)及び前回公開買付けにおい
て締結予定としていた株主間契約の概要は以下のとおりとのことです。
(ⅰ)前回本応募契約(NAVF)
公開買付者は、前回公開買付けが公表された 2021 年2月9日時点で当社の第3位の株
主であったNAVFとの間で、2021 年2月8日付で、前回本応募契約(NAVF)を締
結し、NAVFが所有する当社株式 389,800 株(所有割合:6.30%)について前回公開買
付けに応募する旨の合意をしていたとのことです。前回本応募契約(NAVF)において
は、NAVFによる応募の前提条件として、(a)公開買付者の表明保証(注6)が重要な
点において真実かつ正確であること、(b)公開買付者が前回本応募契約(NAVF)上の
義務(注7)を重要な点において全て履行又は遵守していること、(c)当社取締役会にお
いて、前回公開買付けに対して賛同し、 当社の株主に対して前回公開買付けへの応募を推
奨する旨の意見表明決議が行われ、これが公表され、かつ、かかる表明が変更又は撤回さ
れていないこと、 (d)前回公開買付けが適法に開始しており、 かつ撤回されていないこと、
及び(e)司法・行政機関等に対して、前回公開買付け又はNAVFによる応募を制限又は
禁止することを求める旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も係属しておらず、かつ、前回
公開買付け又はNAVFによる応募を制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は司法・
行政機関等によるいかなる命令、処分若しくは判決も存在していないことが規定されて
いたとのことです。なお、NAVFが前回本投資契約(NAVF)を締結することその他
B種種類株式の出資に関連する事項は、応募の前提条件として規定されていなかったと
のことです。ただし、上記前提条件の一部又は全部が充足されない場合においても、NA
VFが自らの判断において当該前提条件を放棄し、前回本公開買付けに応募することは
制限されていなかったとのことです。
(注6)前回本応募契約(NAVF)では、(a)設立及び存続の有効性、(b)前回本応募契
約(NAVF)の締結及び履行に必要な権利能力の保有、必要な手続の履践、(c)
強制執行可能性、(d)公開買付者による前回本応募契約(NAVF)の締結及び履
行に関して、 締結時及び履行時までに取得又は実施すべき司法・行政機関等からの
許認可等の取得、(e)前回本応募契約(NAVF)の締結及び履行と、法令等、定
款並びに公開買付者の内部規則及び契約等との抵触の不存在、(f)反社会的勢力等
の関係の不存在が公開買付者の表明保証事項とされていたとのことです。
(注7)前回本応募契約 (NAVF) では、公開買付者は、NAVFに対する義務として、
(a)補償義務及び(b)秘密保持義務を負っていたとのことです。
なお、前回本応募契約(NAVF)において、NAVFは、前回公開買付けに応募し、
かつ、当該応募により成立する当社株式の買付けに係る契約を解除しないものとされて
いたとのことですが、前回本応募契約(NAVF)の締結日以降、当社株式について、第
三者より前回公開買付価格を上回る金額を買付価格とする公開買付けが開始された場合、
NAVFは、前回公開買付けに応募せず、 又は前回公開買付けへの応募を撤回することが
できるとされていたとのことです。
また、松木氏は、2020 年 11 月 27 日に、NAVFの投資顧問であるRising S
un Management Ltd(以下「RSM」といいます。 )より、デュー・デ
ィリジェンスの完了及び資金の確保等を条件に、 RSMが招聘する他の投資家、NAVF
の一部出資を含む支援のもとで当社の経営陣によるMBOを検討する旨の打診 (以下「M
BO検討に係る打診(RSM) 」といいます。 )を受領していたとのことですが、前回本応
募契約(NAVF)において、NAVFは、NAVFが公開買付者の代表取締役である松
木氏に対して前回本応募契約(NAVF)締結日以前に行ったMBO検討に係る打診(R
SM)を撤回したことを確認していたとのことです。
5
(ⅱ)前回本投資契約(NAVF)
公開買付者及びNAVFは、2021 年2月8日付で、前回本投資契約(NAVF)を締
結し、 前回公開買付けの完了及びその他一定の事項の充足を条件に、 当社の株主を公開買
付者のみとするための一連の手続の完了をもって、 NAVFが、 公開買付者が割当てるB
種種類株式 450 株を合計 4,950,000 円(1株当たり 11,000 円)で引き受ける旨合意して
おり、松木氏が前回公開買付けの決済の開始日の2営業日前までに予定している 49,990
千円の追加出資 (普通株式) における普通株式の払込条件に比して有利な条件とはなって
いなかったとのことです。NAVFによる払込みの前提条件として、(a)公開買付者の表
明保証(注8)が重要な点において真実かつ正確であること、(b)公開買付者が前回本投
資契約 (NAVF) 上の義務 (注9) を重要な点において全て履行又は遵守していること、
(c)前回公開買付けが完了していること、 及び(d)前回公開買付けの実施に必要な司法・行
政機関等の許認可を得ており、取り消されていないこと、また、B種種類株式の発行又は
前回公開買付けの実施の全部又は一部の変更又は中止の勧告又は命令その他の処分を受
けていないことが規定されていたとのことです。
(注8)前回本投資契約(NAVF)では、(a)設立及び存続の有効性、(b)前回本投資契
約(NAVF)の締結及び履行に必要な権利能力の保有、必要な手続の履践、(c)
強制執行可能性、(d)公開買付者による前回本投資契約(NAVF)の締結及び履
行に関して、 締結時及び履行時までに取得又は実施すべき司法・行政機関等からの
許認可等の取得、(e)前回本投資契約(NAVF)の締結及び履行と、法令等、定
款並びに公開買付者の内部規則及び契約等との抵触の不存在、(f)反社会的勢力等
の関係の不存在が公開買付者の表明保証事項とされていたとのことです。
(注9)前回本投資契約 (NAVF)では、公開買付者は、NAVFに対する義務として、
(a)B種種類株式を発行する義務の他、(b)補償義務及び(c)秘密保持義務を負って
いたとのことです。
(ⅲ)株主間契約
公開買付者は、上記合意の他、NAVFに対し、今後必要に応じて積極的な経営資源の
投入を促す目的から、2021 年2月9日現在においても、NAVFとの間で株主間契約の
締結に向けた協議を継続していたとのことです。 当該株主間契約において、 NAVFは、
当社取締役1名の選任権を有すること、B種種類株式を保有している期間中自己及びそ
の関連当事者の経営資源を無対価で公開買付者及び当社に提供すること、公開買付者又
は当社の事業運営に関するNAVFへの事前通知事項・事前承諾事項は定めないことに
ついて公開買付者と合意する予定であったとのことであり、 更に、NAVFからは松木氏
の経営方針に賛同する旨の意向を口頭で示されており、併せて企業価値向上を支援する
旨の意向を口頭で示されていたとのことです。 また、公開買付者は、NAVFに対しては、
当該株主間契約において、公開買付者及び当社が経営破綻に至ることが懸念される場合
等、公開買付者において資金調達が必要となる場合には、 NAVFが増資に応じることを
検討する義務を課すことを要請していたとのことであり、NAVFからはこの義務を受
け容れる意向を口頭で示されていたとのことです。 公開買付者とNAVFとの間で、 2021
年2月9日時点でNAVFがB種種類株式以外の出資を行うことを検討している事実は
なかったとのことです。その他の内容については、2021 年2月9日現在においては未定
であり、今後も継続して公開買付者及びNAVFの間で協議を進める予定だったとのこ
とです。
また、公開買付者は、みずほアフターコロナ事業承継アシストファンド投資事業有限責
任組合(以下「みずほ事業承継ファンド」といいます。 )との間で締結した投資契約にお
いて、公開買付者又は当社の事業運営に関するみずほ事業承継ファンドへの事前通知事
項・事前承諾事項を定めていたとのことですが、 公開買付者又は当社の経営に積極的に関
与することは予定されておらず、松木氏の経営方針に賛同いただける予定であることを
6
口頭で確認していたとのことです。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社株式(本新株予約権の行使により交付される当社株
式は含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。 )及び本新株予約権
の全てを取得し、当社株式を非公開化させ、当社の株主を公開買付者及びシティインデックスイレ
ブンス(上記(注2)をご参照ください。 )とすることを目的としているため、買付予定数の下限
を 3,611,900 株(所有割合:58.34%)に設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下
「応募株券等」といいます。 )の数の合計が買付予定数の下限(3,611,900 株)に満たない場合に
は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、本公開買付けは、上記と同様の
理由により、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限
(3,611,900 株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予
定数の下限(3,611,900 株)は、本基準株式数(6,191,133 株)に3分の2を乗じた株式数の1単
元(100 株) 未満に係る数を切り上げた株式数 (4,127,500 株)から本不応募合意株式 (515,600 株)
を控除した株式数(3,611,900 株)に設定しているとのことです。これは、本取引においては当社
株式を非公開化させ、当社の株主を公開買付者及びシティインデックスイレブンス(上記(注2)
をご参照ください。 )とすることを目的としているところ、下記「 (4)本公開買付け後の組織再編
等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項) 」に記載された株式併合の手続を実施する際には、
会社法(平成 17 年法律第 86 号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。 )第 309
条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、 当該要件を充足できるよ
うに設定したとのことです。 また、 買付予定数の下限 (3,611,900 株) 本基準株式数
は、 (6,191,133
株)から本応募合意株式の数(629,530 株) 、本応募予定株式の数(389,800 株) 、本不応募合意株
式の数(515,600 株)及び本日現在における松木氏が所有する当社株式の数の合計(47,300 株(注
10))を控除した株式数(4,608,903 株)の過半数に相当する株式数(2,304,452 株。これは、公開
買付者と重要な利害関係を有さない当社の株主の皆様が所有する当社株式の数の過半数、 すなわち、
いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」に相当する数にあたりま
す。)に、本応募合意株式の数(629,530 株) 、本応募予定株式の数(389,800 株)及び本日現在に
おける松木氏が所有する当社株式の数の合計(47,300 株)を加算した株式数(3,371,082 株、所有
割合:54.45%)を上回るものとなります。これにより、公開買付者と重要な利害関係を有さない
当社の株主の皆様の過半数の賛同が得られない場合には、 当社の少数株主の皆様の意思を重視して、
本公開買付けを含む本取引を行わないこととしているとのことです。
(注 10)松木氏が所有する当社株式(35,600 株)は、当社の取締役として割当てられた譲渡制
限付株式報酬として所有する譲渡制限付株式(5,500 株)及び松木氏が当社の役員持株会
を通じて間接的に所有する株式(500 株、小数点以下を切り捨て。 )が含まれるとのこと
です。更に、松木氏は本新株予約権を所有しており、その内訳は、第1回新株予約権 27
個(目的となる当社株式の数:2,700 株、所有割合:0.04%)、第2回新株予約権 22 個(目
的となる当社株式の数:2,200 株、所有割合:0.04%) 、第3回新株予約権 34 個(目的と
なる当社株式の数:3,400 株、所有割合:0.05%)及び第4回新株予約権 34 個(目的とな
る当社株式の数 3,400 株、
: 所有割合 0.05%) 目的となる当社株式の数の合計は 11,700
: で、
株(所有割合の合計:0.19%)となり、松木氏が所有する当社株式(35,600 株)と合わせ
て合計で(47,300 株)相当を所有しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式の全て(本新株
予約権の行使により交付される当社株式は含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意
株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後
に、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
」に記載
のとおり、当社の株主を公開買付者及びシティインデックスイレブンス(上記(注2)をご参照く
ださい。)とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。
)を実施するこ
とを予定しているとのことです。
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公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けに係る決済に要する資金を、株式会
社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。 )から 153 億 6,000 万円を限度とした借入れ(以
下「本銀行融資(みずほ) 」といいます。)及び福井銀行から 50 億円を限度とした借入れ(以下「本
銀行融資(福井) 」といいます。)並びにみずほ事業承継ファンドから公開買付者のA種優先株式の
引受けによる 10 億円を上限とした出資及び福井銀行から公開買付者のA種優先株式の引受けによ
る 10 億円を上限とした出資により賄うことを予定しているとのことです。本銀行融資(みずほ)
に関する融資条件の詳細については、みずほ銀行と別途協議の上、本銀行融資(みずほ)に係る融
資契約において定めることとされているとのことですが、本銀行融資(みずほ)に係る融資契約で
は、 松木氏が所有する公開買付者の発行済株式及び公開買付者が本公開買付けにより取得する当社
株式が担保に供されるとともに、本スクイーズアウト手続の完了後、当社及びその子会社が保有す
る当社グループ (以下の「② 当社を取り巻く事業環境、 当社の経営課題等」 において定義します。
以下同じとします。 )の株式、預金債権その他当社及びその子会社の一定の資産が担保に供され、
かつ、当社及びその子会社が公開買付者の連帯保証人となることが予定されているとのことです。
本銀行融資 (福井)に関する融資条件の詳細については、 福井銀行と別途協議の上、 本銀行融資 (福
井)に係る融資契約において定めることとされているとのことですが、本銀行融資(福井)に係る
融資契約では、 松木氏が所有する公開買付者の発行済株式及び公開買付者が本公開買付けにより取
得する当社株式が担保に供されるとともに、本スクイーズアウト手続の完了後、当社及びその子会
社が保有する当社グループの株式、 預金債権その他当社及びその子会社の一定の資産が担保に供さ
れ、かつ、当社及びその子会社が公開買付者の連帯保証人となることが予定されているとのことで
す。また、みずほ事業承継ファンド及び福井銀行の引き受けるA種優先株式は、公開買付者の株主
総会の決議事項の全部について議決権を有さない種類株式による出資を予定しているとのことで
す。なお、A種優先株式においては、公開買付者の普通株式を対価とする取得請求権は定められて
いないとのことです。他方で、公開買付者又は当社の事業運営に関する一定の事項について、みず
ほ事業承継ファンド及び福井銀行への事前通知事項・事前承諾事項(注 11)が投資契約(以下、み
ずほ事業承継ファンドと締結する投資契約を「本投資契約(みずほ事業承継ファンド) 」といい、
福井銀行と締結する投資契約を 「本投資契約(福井銀行) といいます。
」 概要については、 「4.
下記
本公開買付けに関する重要な合意」の「 (4)本投資契約(みずほ事業承継ファンド) 」及び「(5)
本投資契約(福井銀行) 」をご参照ください。 )において規定される予定とのことですが、A種優先
株式による出資は、いわゆるメザニン出資として一般的な内容のものであり、また、A種優先株式
は公開買付者の買付け等に要する資金の調達手法であり、 みずほ事業承継ファンド及び福井銀行が
公開買付者又は当社の経営権を確保することを目的としていないとのことです。
(注 11)本投資契約(みずほ事業承継ファンド)及び本投資契約(福井銀行)では、事前通知事
項として、当社からの松木氏の退任が、また主たる事前承諾事項として、(a)公開買付者
以外の普通株式への配当及び配当類似行為、 (b)一定金額以上の役員報酬又は賞与の支給、
(c)あらかじめ許容されたもの以外の債務負担行為、(d)担保又は保証提供、(e)一定の金
額以上の投資制限、(f)本スクイーズアウト手続のために必要となる場合を除く定款変更
や組織再編等、(g)松木氏による追加出資、A種優先株式及び本スクイーズアウト手続に
伴うものを除く株式、新株予約権又は社債の発行、(h)当社の事業運営上重要な契約の変
更が定められる予定とのことです。
② 当社を取り巻く事業環境、当社の経営課題等
本日現在、当社グループは、当社並びに当社の連結子会社 16 社及び持分法適用関連会社1社 (以
下、総称して「当社グループ」といいます。 )により構成されています。当社は、1890 年代より、
「酒井商店」との屋号で、麻や絹を主原料とした織物、撚糸の製造・販売を行う繊維販売業を当初
営んでおりましたが、福井県内で精練事業の再編が起こったことを契機に、1929 年 12 月に精練染
色加工業を目的として酒伊精練加工場を立ち上げました。その後、1934 年 10 月に初代社長である
酒井伊四郎氏が三井物産株式会社との共同出資により織物、撚糸の製造、販売を目的に、当社の前
身である酒伊織産株式会社を設立し、1937 年4月には商号を酒伊繊維工業株式会社に変更し、酒
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伊精練加工場を吸収合併することにより、当社は織布と精練染色加工の一貫生産体制を実現させ、
北陸最大の繊維加工会社となりました。 1949 年には株式を証券会員制法人東京証券取引所 (現、 東
京証券取引所)市場第一部及び証券会員制法人大阪証券取引所(現、株式会社大阪取引所)市場第
一部(なお、2003 年5月に上場廃止。 )に、同年7月には株式会社京都証券取引所(2001 年3月に
株式会社大阪証券取引所と合併。 )に上場しました。1952 年には、東洋レーヨン株式会社(現、東
レ)と賃織契約を締結し、その地位を確固たるものとしました。その後、当社グループは、ナイロ
ン織物を加工するナイロン工場(現、福井市花堂工場)や、ポリエステル繊維の一種であるテトロ
ン織物を加工するテトロン工場(現、福井市合繊工場)を建設するなど、取扱製品のバリエーショ
ン拡充、生産能力の強化に努めて参りました。
しかしながら、 1980 年代に入ると、 繊維製品の輸出の減少、 海外からの安価な繊維製品の輸入の
増加や、納品先企業により近い立地での生産や安価な労働力を目的に、当社グループの取引先を含
む川下企業の海外現地生産が増加し、 国内に主力の生産設備を持つ当社グループの競争力は低下し
ていき、第 86 期(1978 年4月1日~1979 年3月 31 日)には約 374 億円であった売上高が、第 92
期(1984 年4月1日~1985 年3月 31 日)には約 222 億円にまで減少しました。当社グループは、
このような繊維業界の事業構造の変化に対応するため、 事業多角化による経営安定化策を模索し始
め、1986 年4月には、ソフトウェアの開発、設計の製造・販売、情報処理サービスを目的とする、
株式会社酒伊エルコム(現、株式会社サカイエルコム、以下「サカイエルコム」といいます。 )を
設立、電子関連事業の操業を開始し、制御盤装置製造業へ参入しました。なお、当社は、1992 年4
月に商号を酒伊繊維工業株式会社から現商号に変更しています。
本日現在、当社グループは、染色加工事業、繊維販売事業、制御機器事業及びその他の事業(主
に織布事業、水産資材事業、複合部材事業、縫製事業、建設不動産事業及びヘルスケア事業の6事
業により構成)を行っており、各事業の概要は次のとおりです。
(ⅰ)染色加工事業
当社、当社の連結子会社である株式会社サカイナゴヤ、二日市興業株式会社及び朝日包装株式
会社、並びに当社の持分法適用関連会社である東麗酒伊織染(南通)有限公司において、各種
繊維品の染色・整理加工・包装等を行っており、当社と株式会社サカイナゴヤとの間で染色加
工の一部受委託を行っています。
(ⅱ)繊維販売事業
当社、当社の連結子会社である株式会社安井及び酒伊貿易(上海)有限公司において、各種繊
維製品の企画・製造・販売を行っており、当社と株式会社安井との間で繊維製品の売買を行っ
ています。
(ⅲ)制御機器事業
当社の連結子会社であるサカイエルコム及び攝津電機工業株式会社(以下「攝津電機工業」と
いいます。)において、各種制御盤、配電盤の設計・製作・販売・施工、ソフトウェアの開発・
保守・販売、電気工事の設計・施工等を行っており、当社及び当社の連結子会社とサカイエル
コムとの間で各種システム開発、情報機器、設備工事等の発注を行っています。
(ⅳ)その他の事業
(a) 織布事業
当社の連結子会社であるマルイテキスタイル株式会社、鯖江合繊株式会社及び織田織
物株式会社、並びに当社の持分法適用関連会社である東麗酒伊織染(南通)有限公司に
おいて、各種織編物の製造・販売を行っており、マルイテキスタイル株式会社、鯖江合
繊株式会社及び織田織物株式会社と当社の間で、織布(布を織ること)・編立(1本の
糸から編目を作りながら輪をつなぎあわせる生地の製造)等に関する受発注を行って
います。
(b) 水産資材事業
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当社において、魚群を誘導し集めることを目的とした浮魚礁の設計・製造・販売を中心
に行っています。
(c) 複合部材事業
当社において、炭素繊維関連複合部材の製造・販売を行っています。
(d) 縫製事業
当社の連結子会社であるイタバシニット株式会社及び上海板橋時装有限公司において、
縫製品の企画・製造・販売を行っており、当社は縫製品の発注を行っています。
(e) 建設不動産事業
当社の連結子会社であるサカイ建設不動産株式会社において、建設、土木の設計・施
工、不動産の売買等を行っており、当社及び連結子会社も建設工事等の発注を行ってい
ます。
(f) ヘルスケア事業
当社の連結子会社である株式会社リムフィックスにおいて、医療用繊維製品の企画、販
売を行っています。
当社グループは、染色加工事業を中核としつつ、これまで培ってきたテキスタイル関連の繊維加
工技術と他産業の電子機器・情報システム技術をより発展させることにより、人間の生活、文化を
豊かに創造し、 かつ地球環境にやさしい高品位生活を構築する企業を目指しております。 また、
「事
業を通じて社会に貢献する」を経営理念に掲げ、経済活動のみならず企業としての社会的責任を果
たしつつ、 企業価値を最大限に高めるための経営を徹底しております。 そして、 当社グループでは、
さらなる事業革新を進めることで、 環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立に努めるとともに、
競争力のある企業体質を構築し、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。基幹事業である染
色加工事業においては、競争力強化により事業環境の変化に左右されない、より強靭な事業への変
革を目指しております。具体的には、優位性のある分野での事業強化による差別化・特化の推進、
生産力の高度化、戦略的な設備投資の実行、調達改革の推進によるコスト競争力強化、環境・省エ
ネ対応の推進に取り組んでおります。また、染色加工事業、繊維販売事業及び制御機器事業におい
ては、拡大・成長分野、優位性のある分野へ経営資源を重点投入することにより、重点分野での事
業強化によるシェア拡大、当社グループでの連携事業の拡大、将来を見据えた新規事業・成長事業
の創出、収益力の向上に向けた商品企画、素材調達機能の強化に取り組んでおります。
また、当社の中期経営計画(2017 年4月1日~2020 年3月 31 日、以下「当社前中期経営計画」
といいます。 )においては、
「変革と挑戦で更なる飛躍へ~新たな成長への事業構造改革~」を全社
方針として掲げ、 「基幹事業の競争力強化」 「拡大・成長分野での事業拡大」 「グループ連携の強化
による事業拡大」 「海外展開の推進」 「経営基盤の変革」の5つの基本戦略のもと、各種施策の遂行
に努め、より強靭で、収益力のある企業グループを目指し、中核事業や周辺事業の強化を推進する
とともに、 財務体質の向上に努めるなど、 これまで一定の成果を出してきました。 これを受け、2020
年度(2020 年4月1日~2021 年3月 31 日)を初年度とする中期経営計画を策定し、取り組む予定
でしたが、 新型コロナウイルスの感染拡大による経営環境や事業環境の大きな変化が想定されるた
め、 社内における経営基盤の抜本的な見直しを最優先の課題として中期経営計画の策定を延期して
いる状況となっております。
当社グループを取り巻く経営環境としては、 当社グループの主力事業である染色加工事業が属し
ている染色整理(注1)業界、そして繊維販売事業が属している繊維業界は、衣料品市場の低迷や
安価な輸入製品の増加により国内市場が縮小しており、 経済産業省の工業統計 (産業編) によると、
両業界の製造品出荷額合計は、 1998 年(暦年ベース) の1兆 5,769 億円から 2018 年(暦年ベース)
の 6,414 億円へと半分以下にまで落ち込んでおります。更に、少子高齢化の進行等により、全体的
な国内需要が減少している昨今において、 このような国内市場規模の縮小は今後も継続することが
想定されます。加えて、2018 年度以降は米中間の貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大によ
り国内外の経済に与える影響が懸念されており、 今後の国内経済の先行きは予断を許さない極めて
不透明な状況にあります。 外出自粛要請や休業要請による衣料品をはじめとした繊維製品の販売低
迷は、 当社のような繊維加工事業者の受注数量に影響を及ぼすことが当分の間見込まれるとともに、
10
原材料価格や物流コストの慢性的な上昇は継続しており、当社グループを取り巻く環境は、更に厳
しさを増すことが予想されます。特に、新型コロナウイルスの感染拡大が国内外の経済に与える影
響は大きく、当社グループの主力業界である繊維業界は、長期的な消費の低迷やサプライチェーン
の寸断による生産供給活動の停滞、コスト増など、甚大な影響を受ける可能性があります。
当社グループにおいても、染色加工事業は 2021 年3月期の累計売上高が前年同期比 17.4%の減
収、繊維販売事業は 2021 年3月期の累計売上高が前年同期比 36.9%の減収と、如実にその影響を
受けております。特に、染色加工事業は当社グループの全体の売上高の約 46.1%を占めることか
ら、早急に対応を迫られる状況にあります。また、制御機器事業におきましては、業績は堅調に推
移しているものの、当社グループの全体の売上高に占める割合は約 15.8%と少なく、当社グルー
プの主力事業とは言い難い状況であります。 染色加工事業及び繊維販売事業が伸び悩む現状におい
ては、制御機器事業を当社グループの主力事業へ成長させる必要があります。
このような厳しい経営環境の中で、当社グループは、市場や事業構造の変化を踏まえた事業戦略
や事業資産構成の再構築に取り組むとともに、 経営の効率化やサプライチェーンの最適化などに努
めております。一方、持続的な成長を図るため、優位性を最大限に発揮できる領域の拡大と強みを
活用できる成長事業の創出を更に進め、企業競争力の強化に取り組むとともに、中長期的な視点で
のモノづくり力を高めるため、高品質でコスト競争力をもった生産販売体制の構築に注力し、災害
や感染症などへのリスク管理やクライシスマネジメント体制の整備を進めております。
(注1)「染色整理」とは、糸や生地などの繊維・繊維製品に付着している天然不純物、汚れ、
油剤などをアルカリ類と界面活性剤を用いて除去・溶解・分解する「精練」と呼ばれる前
工程を経て、糸や生地などの繊維 繊維製品に染色加工などの処理を行うことをいいます。
・
当社グループでは、こうした経営環境の中、以下のような経営課題に取り組んでいく必要がある
と考えております。
(ⅰ)染色加工事業
顧客である繊維販売業者との関係を更に深化させることで、顧客ニーズの主導的な掘り起し
や提案営業による製品開発を加速させ、事業の安定的な成長を図るとともに、改善改良活動に
地道に取り組むことで、現場力の向上を更に進め、最適な品質、コスト、納期を実現し、生産
体制の基盤強化に努めていくこと。
(ⅱ)繊維販売事業
競争力のある市場への拡販を更に強力に推進するほか、テキスタイル(注2)、アパレル両事
業の連携をより高度化し、企画機能を付加した当社独自のサプライチェーンを再構築するこ
とで、商流の多様化や販路拡大に努めるとともに、海外生産拠点の最大活用を図ることで、コ
スト低減や為替変動の影響を受けにくい体制を整え、収益構造の抜本的な改善を図ること。
(注2)「テキスタイル」とは、当社グループが営む織布、染色事業から生産される布製品を製
造する事業のことをいいます。
(ⅲ)制御機器事業
社会インフラ基盤の構築を支える事業として、機械の自動制御装置及びFAシステム(生産工
程の自動化を図るシステム)の設計・製造、電力工事等の顧客開拓に注力する一方、新たな事
業エリアの拡大に向けて営業体制を再構築するなど、更なる規模の拡大を目指すこと。
また、事業展開を推進する中核人材の育成や多能な人材が活躍できる風土の醸成を行うほか、設
備投資、M&Aなどの事業投資にも注力し、成長戦略を着実に推進し、更に、人員構成の適正化に
取り組み、収益力の抜本的な改善に取り組んでいく必要があると考えております。
11
③ 前回公開買付けの実施に至る経緯
上記「② 当社を取り巻く事業環境、当社の経営課題等」に記載のとおり、こうした状況下、松
木氏は、既に成熟産業となってしまっている染色加工事業や繊維販売事業をコアとする当社グルー
プの事業内容に鑑み、当社前中期経営計画がスタートした 2017 年頃から、市場縮小に比例する形
で当社グループの事業規模も縮小する事態を避け、工場の生産効率・稼働率を維持する観点からも
新規取引先の獲得のみならず既存取引先からの売上を増加させることは漠然とした経営課題とし
て認識していたとのことですが、当社前中期経営計画が終了する直前の 2020 年1月から2月にか
けて新型コロナウイルス感染症の感染拡大による上記事業への経済的悪影響が顕在化したことか
ら抜本的な事業構造改革の必要性を再認識し、当社グループの組織体制・経営体制などに対する問
題意識を高めていたところ、2020 年4月下旬から、当社グループの今後の中長期的な企業価値向
上策について検討を開始したとのことです。
松木氏において、代表取締役社長として当社の事業を管掌する立場から、当該検討を進めていた
ところ、2020 年 11 月中旬、当社は、NAVF(2020 年 11 月 17 日提出の大量保有報告書によれば
所有株式数は 321,900 株で、所有割合にすると 5.20%)の投資顧問であるRSMより、当社の事
業戦略に関する議論を目的とした面談の申入れを受け、 同社とのビデオ会議形式による面談を実施
しました。当社は、同面談においてRSMからMBOが当社にとって検討しうる戦略になると考え
ている旨のコメントを受領しましたが、この際、RSMよりNAVFが保有する当社株式の買取り
を求められた事実はありません。
松木氏は、2020 年4月下旬以降に検討を進めていた今後の中長期的な企業価値向上策の検討に
加え、RSMとの上記面談を契機に、経営戦略としてMBOによる当社株式の非公開化の有効性の
検討に着手し、2020 年 11 月中旬、当社グループを取り巻く厳しい経営環境に対応するためには、
現在の経営方針を実現しつつ、 既に成熟産業である染色加工事業や繊維販売事業の激化する事業環
境にも対応し、 中長期的な視点で当社の事業構造の改革を推進していくことは避けられないとの認
識を持つに至ったとのことです。当社の事業構造の改革については、当社前中期経営計画に基づき
事業構造の充実と転換に現在取り組んでいるものの、松木氏としては、当社は短期的な収益の悪化
やそれに伴う株価の下落等の悪影響の回避を意識するあまり、 大規模な設備投資や一時的な利益の
悪化を伴う施策を避ける保守的な戦略を取ってきており、上場会社においては、四半期ごとに業績
の開示が義務付けられているため、 顧客に対して受託者責任を負う機関投資家を含む幅広い株主か
ら、中長期的な企業価値向上とともに短期的な利益確保を求められる側面もあるところ、その要求
に応えながらこれらの事業構造の改革に取り組むことには限界があることから、 短期的な収益や株
価動向にとらわれることなく、 一定の事業リスクを伴う当社の事業構造の抜本的な改革を実施する
必要があるとの認識を持つに至ったとのことです。また、松木氏は、相応のプレミアムを付した価
格で公開買付けを実施することにより、 当社の少数株主に当社株式を一定の価格で売却する機会を
設けることで、少数株主の利益を図ることができると判断したとのことです。そして、事業構造の
改革の具体策として、以下の施策(以下「本事業構造改革策」といいます。 )を実施する必要があ
るとの認識を持つに至ったとのことです。なお、公開買付者によれば、本日現在、公開買付者は、
前回公開買付けが公表された 2021 年2月9日時点において実施する必要があると認識していた事
業構造の改革の具体策以外に、具体的に検討している内容及び案件はないとのことです。
(ⅰ)染色加工事業及び繊維販売事業における販路拡大と新規海外生産・調達拠点の設置
当社グループは、 染色加工事業において、 中国に東レとの合弁会社である東麗酒伊織染(南通)
有限公司を 2000 年 12 月に設立し、繊維販売事業において、酒伊貿易(上海)有限公司を 2011
年8月に設立するなど、これまで積極的な中国進出策を進めておりましたが、特に酒伊貿易
(上海)有限公司においては、 現地における新規取引先の開拓に苦戦している状況にあります。
松木氏は、国内市場が縮小傾向にある昨今においては海外販路の拡大は急務であると認識し
ているとのことです。したがって、当社グループには、現地企業に対するM&Aによる事業拡
大等も視野に入れた、抜本的な販売力強化策を実施する必要があると考えているとのことで
す。
また、中国が急速な経済発展を遂げ、同国の給与水準が上昇している昨今においては、海外生
12
産・調達拠点を東南アジアに移す企業が増えており、 それに伴い東南アジア地域における市場
規模は急速に拡大しつつあります。したがって、これらの拡大する市場の需要を掴むためにも、
タイやベトナムを始めとした東南アジアにおいて生産・販売拠点の新設を検討すべきと考え
ているとのことです。
(ⅱ)染色加工事業及び繊維販売事業における研究開発の促進
当社グループの染色加工事業及び繊維販売事業が属する繊維業界では、新興国からの安価な
輸入製品の増加などにより競争環境が激化しております。また、環境意識の高まりを受け、S
DGs(Sustainable Development Goals の略で持続可能な開発目標)に配慮した生産設備や
生産工程を遵守する企業との取引を優先的に検討する企業が増加しつつあります。松木氏は、
今後、激化する市場環境の中で競争優位性を保つためには、 SDGsに配慮しつつも従前以上
の品質を達成するため、研究職職員の採用や二酸化炭素を排出せずに染色加工ができるSD
Gsに対応した設備の導入を含めた研究開発を積極的に促進し、高い技術力を維持する必要
があると認識しているとのことです。
(ⅲ)繊維販売事業におけるPBブランドの販売促進
当社グループの繊維販売事業では、商品企画から参画し、素材調達、パターン作成、縫製、在
庫、納品までの全工程を網羅する「ソフト付きOEM(他社ブランドの製品製造)」を展開し
ており、そのノウハウを活用し、売上を増加させていくためには、テキスタイル分野による自
社ブランドの立ち上げが必要だと考えているとのことです。新型コロナウイルスの感染拡大
の影響によりOEM製造の需要が減少している昨今においては、EC(電子商取引)サイトで
の流通拡大、広告宣伝の強化を通じて、立ち上げた自社ブランド認知度や売上を向上させる必
要があると考えているとのことです。
(ⅳ)制御機器事業におけるM&A等による成長促進
当社グループの制御機器事業は、業績は堅調に推移しているものの、当社グループ全体の業績
に占める割合は依然として低く、主力事業とは言い難い状況にあります。また、同事業に属す
るサカイエルコム及び攝津電機工業については、大型プラント向け制御装置の設計及びシス
テム構築を主業とするサカイエルコム、公共向け及び小型プラント向け制御装置の製造・施工
を主業とする攝津電機工業と、得意とする事業領域が異なっており、両社のシナジーが発現さ
れにくい状況にあります。染色加工事業及び繊維販売事業が伸び悩み、早急に制御機器事業を
主力事業へ成長させる必要がある当社グループにおいては、子会社2社間のギャップを解消
できるような企業に対してM&A等を実施し、未実現のシナジーを発現させ、制御機器事業の
成長を促進させる必要があると考えているとのことです。
(ⅴ)積極的な人材育成と採用への投資
松木氏は、昨今のサービス重視の潮流を踏まえると、今後も当社グループの競争力を維持して
いくためには、扱う製品の製造技術に明るい営業人材が必要となると想定しているとのこと
です。そのため、社内の教育・人事制度を刷新し、現在の営業人材に、製造技術を習得させる
機会を提供する必要があると考えているとのことです。
また、採用においては、当社グループは、一般的には染色加工事業を営む企業とも認知されて
いることもあり、化学系の技術に精通した人材からの応募が多く、他方で、工場の保守や制御
機器事業に必要な電気系・機械系の技術に深い知識をもつ人材が不足しております。したがっ
て、求人サイトを始め様々な広告媒体を通じて情報発信を行う等の積極的な採用戦略を採る
必要があると考えているとのことです。
本事業構造改革策を並行して実施することについて、松木氏は、多額の初期投資や継続的な投資
によるキャッシュ・フローの悪化により、短期的には当社グループの財務状況や業績に大きな影響
を与えるリスクがあることに加え、期待される収益を生むかどうかは不明確であり、資本市場から
13
十分な評価が得られない可能性があるため、当社株式の株価の下落が生じ、当社の株主の皆様に対
して利益を還元することができないおそれがあると考えているとのことです。しかしながら、現在
の当社グループの状況に鑑みれば、 本事業構造改革策をはじめとする多額の初期投資や継続的な投
資を要する施策を行わずに、当社グループの中長期的な企業価値の向上を図ることは困難であり、
かつ、本事業構造改革策の実施にあたっては、その短期的な効果に捉われず、中長期的な視点から
抜本的かつ機動的な意思決定を迅速かつ果敢に実践することが必要であるとともに、 そのような意
思決定を可能とする経営体制を構築する必要があると考えているとのことです。
更に、松木氏は、近年、当社における株式の上場を維持するために必要なコスト(有価証券報告
書等の継続的な情報開示に要する費用、 株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費
用等)は増加しており、今後当該コストは当社グループの経営上のさらなる負担となる可能性があ
ると考えているとのことです。 当社グループは、1949 年の東京・大阪両証券取引所市場第一部への
上場以来、知名度の向上による優れた人材の確保、社会的な信用の向上等、上場会社として様々な
メリットを享受してきました。他方、松木氏は、当面の通常の営業活動を行うために必要な資金が
確保できている現在の当社グループの財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境において
は、当面は当社グループにおけるエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要
性は高くなく、また、近年はブランド力や社会的な信用も事業活動を通じて維持・獲得される部分
がより大きくなっていることから、 今後も継続して当社株式の上場を維持することの意義を見出し
にくい状況にあると考えているとのことです。
以上のような検討を踏まえ、松木氏は、本事業構造改革策を通じて当社グループの企業価値向上
を図るためには、当社株式を非公開化することで、当社の株主の皆様に対して発生する可能性があ
る本事業構造改革策の実行に伴う株価の下落等の悪影響を回避しつつ、 中長期的な視点から抜本的
かつ機動的な意思決定を迅速かつ果敢に実践することを可能とする経営体制を構築することが適
切であり、また、松木氏が当社グループの事業内容を最も熟知していることからすれば、そのよう
な経営体制を構築するためには、松木氏の主導によりマネジメント・バイアウト(MBO)を実施
し、当社グループの所有と経営を一定の範囲で一致させ、松木氏がその経営を担うことが最も有効
な手段であると考えるに至り、2020 年 11 月中旬、当社に、前回本取引の実施に向けた協議・交渉
の申入れを行ったとのことです。
一方、2020 年 11 月 26 日、金融関係のニュースが配信されるホームページ上で、RSMが、N
AVFの一部出資を含む支援のもとで当社の経営陣によるMBOを検討する旨の打診を同日付で
当社に送付した旨の記事が配信されました。当該配信後、松木氏は、2020 年 11 月 27 日に、RS
Mより、 デュー ディリジェンスの完了及び資金の確保等を条件に、
・ RSMが招聘する他の投資家、
NAVFの一部出資を含む支援のもとで当社の経営陣によるMBOを検討する旨の打診(以下「M
BO検討に係る打診 (RSM) といいます。 を受領したとのことです。
」 ) MBO検討に係る打診 (R
SM)は、当社株式の非公開化を目的とし、その条件は当社株式1株あたり 2,350 円とするものと
のことです。なお、これは 2020 年 11 月 25 日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終
値 2,100 円に対して 11.90%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において
同じとします。 )のプレミアムを加えた価格です。2020 年 12 月8日、松木氏はRSMよりMBO
検討に係る打診 (RSM) に関連する新たな書簡を受領したとのことですが、 2020 年4月下旬以降
に検討を進めてきた施策を進めるべく、当社に対して、2020 年 12 月9日付で、松木氏自身が主導
するマネジメント・バイアウト (MBO)に関する正式な提案書を提出したとのことです。 他方で、
2020 年 12 月 18 日、松木氏はRSMに対して、今後の当社の事業戦略や経営戦略に資する情報が
得られる可能性にも着目し、RSMが打診するMBOを検討する前提として、RSMへの理解を深
める目的でRSMの過去のMBO又は類似案件の実績、 RSMの当社と同一又は類似の事業を営む
企業への投資実績、RSMの日本国内で事業を営む企業への投資実績、RSMの考えるMBO検討
に係る打診(RSM)の目的・理由、当社の経営環境に対する考え、RSMがMBO後に想定する
当社の事業上の施策等を記載した質問状を送付したとのことです。その後、2021 年1月 15 日、松
木氏は前回公開買付けによる当社株式及び本新株予約権の取得及び所有を主たる目的として、 公開
買付者を設立したとのことです。
2021 年1月 20 日、松木氏はRSMと秘密保持契約を締結し、2021 年1月 22 日に実施したRS
14
Mとの面談を通じて 2020 年 12 月 18 日に送付した質問状に対する回答を口頭で受けたとのことで
す。同面談で、松木氏は、RSMから、RSMは 2019 年 10 月に設立されたケイマン諸島法人の投
資顧問業者であり、NAVFの投資顧問であるためRSM自身は投資実績を有しないものの、国内
外のコンサルティング会社やプライベート・エクイティファンド等に幅広いネットワークを持ち、
それら専門家の紹介を含む経営・財務アドバイスを行うことが可能であり、RSMを投資顧問とし
て起用しているNAVFにおいては、日本国内の上場会社 20 社程度に投資した実績を持ち、資本
政策や企業ガバナンス改善を通じた経営改善に関する知見を有している旨の説明を受けたとのこ
とです。これに対し、松木氏は、同面談で、自身が考える当社の事業環境や経営環境、MBOの目
的をRSMに伝え、MBO検討に係る打診(RSM)については一旦留保し、松木氏自身が主導す
るMBOを進めるべく、 NAVFが所有する当社株式の全てを前回公開買付けに応募することを要
請したところ、RSMからは、当該要請について検討することは可能である旨の回答を得た上、更
に、RSMから、NAVFが所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募するか否かの検討とは
別個の協議事項として、 NAVFが、 2020 年3月以降、当社が属する業界や当社の事業環境の分析
を通じ、当社の財務面や事業面の潜在的な成長余地に着目してきたことから、前回公開買付け後も
当社又は公開買付者に対する出資を実施し、 中長期的な投資を通じた当社との関係を維持したいと
の希望を有している旨、 及び当社への財務政策や企業ガバナンス改善アドバイス等の提供により中
長期的な企業価値向上を支援したいとの意向が伝えられるとともに、更に、公開買付者からの要請
があれば、事業戦略やM&Aに関し豊富な経験を持つ専門家の当社への取締役としての派遣も含む
サポート体制の構築を手助けする用意がある旨を松木氏は確認したとのことです。
その間、松木氏は、前回公開買付価格を含む前回本取引の諸条件等の検討を進め、当社に対して
2020 年 12 月中旬から 2021 年1月中旬まで実施したデュー・ディリジェンスを踏まえ、2021 年1
月 14 日、当社に対して前回公開買付価格を 2,500 円とする初回提案を行ったとのことです。公開
買付者の設立後である、2021 年1月 19 日、公開買付者は、当社から前回公開買付価格を再検討す
るよう要請を受けました。他方で、本新株予約権については、権利行使の条件として当社の取締役
又は理事の地位を喪失した日の翌日以降、 割当てを受けた新株予約権を行使することができるとさ
れており、 公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解さ
れることから、2021 年1月 19 日、公開買付者は、前回本新株予約権買付価格を1円とする提案を
当社に対して実施したとのことです。
また、公開買付者は、上記当社との交渉と並行して、2021 年1月 22 日付のRSMとの面談後、
NAVFに対しても、前回公開買付けにおける当社株式の売却の打診を行っており、NAVFとの
間で前回本応募契約(NAVF)締結に向けて前回公開買付価格を含む契約条件についての協議を
継続したとのことです。そして、2021 年1月 26 日に、公開買付者が、NAVFに対し、NAVF
のMBO検討に係る打診(RSM)として提示した買付価格 2,350 円を上回る水準の買付価格であ
る 2,850 円を前回公開買付価格(前回公開買付けの買付け等の期間中である 2021 年3月8日に、
当該買付価格は前回公開買付価格である 3,000 円に変更されたため、 変更前の前回公開買付価格を
以下「変更前前回公開買付価格」といいます。 )とすることを検討している旨伝えたところ、NA
VFより当該金額であれば前回公開買付けに応募する余地があるとの回答を得、また、2021 年1
月 27 日において、前回公開買付けに応募することを決定した場合はMBO検討に係る打診(RS
M)を撤回する旨の回答、公開買付価格を 2,850 円とする前回公開買付けに係る前回本応募契約
(NAVF)の締結に応じる方向で検討する旨の回答、及び当該回答は、公開買付者への再出資を
前提としない旨の回答を得たとのことです。更に、同日、公開買付者は、NAVFから再度、NA
VFが希望している当社又は公開買付者に対する中長期的な投資を通じた当社との関係維持や、 当
社への財務政策や企業ガバナンス改善アドバイス等の提供により中長期的な企業価値向上の支援
を実現するスキームとして、 前回公開買付け後にNAVFが公開買付者へ出資する提案を受領した
とのことです。なお、当該提案は、NAVFによる当社株式の応募とは全く別の協議事項であり、
変更前前回公開買付価格を 2,850 円とする前回公開買付けに係る前回本応募契約(NAVF)の締
結に応じる方向で検討することとは関連しない旨の回答を得ていたとのことです。 そして、 2021 年
1月 28 日、公開買付者は、NAVFから、変更前前回公開買付価格が 2,850 円以上であれば、前
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回公開買付けに係る前回本応募契約(NAVF)を締結する意向である旨の回答を得たとのことで
す。なお、当該回答において、NAVFの公開買付者への再出資は条件とされていなかったとのこ
とです。
また、同日、公開買付者は検討を重ね、RSM及びNAVFが持つ経営改善に関する知見、専門
性の高いネットワークは、松木氏が考えるMBOの目的を阻害するものでなく、公開買付者及び当
社が保有していない経営資源の提供を受けることができるという意味において、 NAVFが公開買
付者へ出資することは、 むしろ事業構造改革を加速させるに資するものであると判断するに至った
とのことです。
一方、2021 年1月 29 日、公開買付者は、当社に対して変更前前回公開買付価格を 2,850 円とす
る旨の最終提案を実施したところ、2021 年2月4日、公開買付者は、当社から、変更前前回公開買
付価格の妥当性に関して、当社における協議を継続している旨の連絡を受領したとのことです。ま
た、当該交渉と並行して、公開買付者は、NAVFとの間で、当社の企業価値向上に係る施策につ
いての協議を継続しており、NAVFが松木氏の経営方針に賛同し、当社の企業価値向上を支援す
る旨、及び公開買付者又は当社の事業運営に関するNAVFへの事前通知事項・事前承諾事項は定
めない方針であることを、2021 年2月4日に確認し、NAVFに無議決権株式を割当てることを
内容とする前回本投資契約(NAVF)を締結する方向で正式検討するに至ったとのことです。
以上の経緯及び協議を経て、公開買付者は、2021 年2月9日、前回本取引の一環として、変更前
前回公開買付価格を 2,850 円、 前回本新株予約権買付価格を1円として前回公開買付けを実施する
ことを決定し、2021 年3月 24 日までを買付け等の期間とする前回公開買付けを実施したとのこと
です。また、2021 年2月8日、公開買付者は、NAVFとの間で、NAVFが所有する当社株式の
全て(389,800 株)について前回本応募契約(NAVF)を締結し、また、同日、NAVFに対し、
当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続の完了をもって、 前回本投資契約 (NAVF)
を締結したとのことです。
なお、公開買付者は、前回本投資契約(NAVF)を締結し、B種種類株式をNAVFに割当て
る行為は、公開買付価格の均一性(法第 27 条の2第3項)の趣旨に抵触しないと考えていたとの
ことです。
また、公開買付者は、当社が開示している財務情報等の資料、当社に対して 2020 年 12 月中旬か
ら 2021 年1月中旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果、及び直近 10 年間に実施された非
公開化を目的としたMBO案件におけるプレミアム率の実例、当社との協議・交渉を踏まえ、変更
前前回公開買付価格を決定したことから、 第三者算定機関からの株式価値算定書は取得していなか
ったとのことです。また、公開買付者は、前回本新株予約権買付価格の決定にあたり、第三者算定
機関からの算定書は取得していなかったとのことです。
④ 前回公開買付けの結果並びに本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定
の過程
2021 年2月9日に公開買付者が提出した前回公開買付けに係る公開買付届出書(2021 年2月 10
日及び同年3月8日に公開買付者が提出した前回公開買付けに係る公開買付届出書の訂正届出書
を含みます。 )における記載のとおり、公開買付者は、2021 年2月9日から前回公開買付けを開始
しましたが、前回公開買付けの開始以降、当社株式の市場株価が変更前前回公開買付価格である
2,850 円を上回って推移している状況、当社の株主の皆様による前回公開買付けへの応募状況及び
今後の応募の見通しを総合的に勘案し、慎重に検討した結果、当社の株主の皆様に変更前前回公開
買付価格より高い金額での売却機会を提供し、前回公開買付けの成立の確度を高めるため、前回公
開買付けの買付け等の期間中である 2021 年3月8日、前回公開買付価格を 2,850 円から 3,000 円
に変更すること、前回本新株予約権買付価格を1円のまま据え置くことを決定したとのことです。
なお、公開買付者は、前回公開買付価格を最終的なものとし、今後、前回公開買付価格を一切変更
しないことの決定も行ったとのことです。
しかしながら、公開買付者が前回公開買付価格を 3,000 円に引き上げた以降も、東京証券取引所
市場第一部における当社株式の市場株価は 2021 年3月 10 日及び 2021 年3月 18 日から前回公開
買付けの買付け等の期間の末日である 2021 年3月 24 日までの期間を除いて終値ベースで前回公
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開買付価格(3,000 円)を上回って推移(注1)したこともあり、2021 年3月 25 日に公開買付者
が提出した公開買付報告書における記載のとおり、前回公開買付けは、買付予定数の下限である
4,127,800 株に対し、前回公開買付けに応募された株券等の数の合計は 3,939,239 株となり買付予
定数の下限(4,127,800 株)に満たなかったため、不成立となりました。前回本応募契約(NAV
F)は、前回公開買付けの不成立により失効し(ただし、上記「① 本公開買付けの概要」の(注
7) に記載しているNAVFの損害等の補償義務及び秘密保持義務並びに合意管轄条項に係る規定
は、効力が存続しているとのことです。、また前回本投資契約(NAVF)については、同契約に
)
基づくB種種類株式の発行は、 前回公開買付けの成立及びその他一定の事項の充足を前提条件とし
ていたとのことですが、前回公開買付けが不成立となったことにより、その条件が成就しないこと
となったため、公開買付者が、NAVFに対してB種種類株式を発行することはなくなったとのこ
とです(ただし、NAVFの損害等の補償義務、秘密保持義務、合意管轄条項に係る規定は、効力
が存続しているとのことです。。 )
(注1)当社株式の市場株価の推移は、株式会社 Quick が提供する当社株式に係る株価情報を参
照しております。
また、当社は、前回公開買付けの買付け等の期間中である 2021 年3月 18 日及び翌 19 日に、当
社の株主(なお、下記の連絡を受けた時点においては、株券等保有割合にして5%弱の株主である
旨のみが示され、その所有する株式数及び株券等保有割合の詳細については連絡を受けていませ
ん。)であるシティインデックスイレブンス並びに同社の親会社である株式会社レノ及び株式会社
ATRAの株主である村上世彰氏(以下「村上氏」といいます。 )から、前回公開買付価格は、当
社の既存株主への利益還元が十分になされたと評価することはできないことから、 シティインデッ
クスイレブンスとしては前回公開買付けには応募しないものの、 前回公開買付けが成立した場合に
は、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続に応じる旨の意向(以下「シティインデ
ックスイレブンスの意向」 といいます。 の連絡を受けました。
) なお、 公開買付者は、 当社から 2021
年3月 18 日及び翌 19 日にシティインデックスイレブンスの意向について情報の共有を受けまし
たが、前回公開買付けの買付け等の期間中には、村上氏及びシティインデックスイレブンスから何
らの連絡を受けておらず、また、前回公開買付価格を含む前回公開買付けの条件に関する交渉は一
切行っていないとのことです。
その後、前回公開買付けが終了した後の 2021 年3月 25 日、当社は、前回公開買付けの結果が不
成立となったことから、当社の上場が維持されるため、当社が今後どのように企業価値を向上して
いく考えかを議論したいというシティインデックスイレブンスからの要請を受けて、 株主との建設
的な対話を行う観点から、2021 年3月 26 日に村上氏及びシティインデックスイレブンスとの間で
電話会議を行い(以下「2021 年3月 26 日電話会議」といいます。、村上氏及びシティインデック
)
スイレブンスより、 当社として上場維持を志向するのであれば当社株式の市場株価の上昇を含めた
当社の企業価値及び株主価値の向上に努めていくべきであり、 そうでないのであれば再度のMBO
の実施も選択肢になるのではないかとの考え方が示されました。また、同日付でシティインデック
スイレブンスより提出された大量保有報告書により、 シティインデックスイレブンスが前回公開買
付けの買付け等の期間中である 2021 年2月 24 日から当社株式の取得を開始し、2021 年3月 19 日
時点で当社株式 399,200 株 (株券等保有割合は 6.20%)を所有していたことが判明するとともに、
その後の 2021 年3月 29 日付の変更報告書 No.1 により、2021 年3月 22 日時点で当社株式 510,300
株(株券等保有割合は 7.93%)を所有していたことが判明しました。
公開買付者は、前回公開買付けが不成立に終わった後も、上記「② 当社を取り巻く事業環境、
当社の経営課題等」に記載のとおり、当社が抱える以下の経営課題を解決するためには本事業構造
改革策の実施が必要と考えており、 その有効な手段としてMBOを継続して検討していたとのこと
です。なお、公開買付者の代表取締役である松木氏は、前回公開買付け以降も当社代表取締役とし
て業務に取り組む中で、当社を取り巻く環境に変更は生じておらず、当社が取り組むべき経営課題
等も変更がないことから、 実施すべき本事業構造改革策の内容については前回公開買付け時と同様
であると認識していたとのことです。
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(ⅰ)染色加工事業
顧客である繊維販売業者との関係を更に深化させることで、顧客ニーズの主導的な掘り起し
や提案営業による製品開発を加速させ、事業の安定的な成長を図るとともに、改善改良活動に
地道に取り組むことで、現場力の向上を更に進め、最適な品質、コスト、納期を実現し、生産
体制の基盤強化に努めていくこと。
(ⅱ)繊維販売事業
競争力のある市場への拡販を更に強力に推進するほか、テキスタイル、アパレル両事業の連携
をより高度化し、企画機能を付加した当社独自のサプライチェーンを再構築することで、商流
の多様化や販路拡大に努めるとともに、海外生産拠点の最大活用を図ることで、コスト低減や
為替変動の影響を受けにくい体制を整え、収益構造の抜本的な改善を図ること。
(ⅲ)制御機器事業
社会インフラ基盤の構築を支える事業として、機械の自動制御装置及びFAシステム(生産工
程の自動化を図るシステム)の設計・製造、電力工事等の顧客開拓に注力する一方、新たな事
業エリアの拡大に向けて営業体制を再構築するなど、更なる規模の拡大を目指すこと。
更に、MBOを成立させるためには、多数の株主の皆様にMBO実施の意義についてご賛同いた
だいたうえで公開買付けに応募していただけるよう、 より多くの株主の皆様が納得する当社株式の
非公開化の手法や公開買付価格等の条件を検討する必要があると考えていたとのことです。
かかる検討の過程において、公開買付者は、当社より、2021 年3月 26 日電話会議において、村
上氏及びシティインデックスイレブンスより再度のMBOの実施という選択肢を示された旨の情
報の共有を同日に受けたことを踏まえ、2021 年4月6日に、シティインデックスイレブンスから
要請を受け、 公開買付者の考える経営方針に関する意見交換を目的として、2021 年4月8日に、 シ
ティインデックスイレブンス、同社の親会社である株式会社ATRAの代表者である野村絢氏(以
下「野村氏」といいます。、村上氏(以下、シティインデックスイレブンス、野村氏及び村上氏を
)
総称して「シティインデックスイレブンスら」といいます。 )との間で電話会議を行い、公開買付
者が考える当社の事業環境や経営課題について幅広く意見交換する中で、公開買付者は、シティイ
ンデックスイレブンスらから、当社の企業価値及び株主価値向上に資する様々な意見・提言を受け
たとのことです。当該電話会議を通じて、公開買付者とシティインデックスイレブンスらは、当社
が営む染色加工、繊維販売の業界は、上記「② 当社を取り巻く事業環境、当社の経営課題等」に
記載のとおり、市場規模が縮小傾向にある成熟産業であり、当社を取り巻く厳しい環境の中、公開
買付者が考える当社の抱える経営課題を解決し、 事業改善のためには本事業構造改革策を含む抜本
的改革が必要であり、そのためには、当社株式を非公開化することによって当社の企業価値の向上
が実現できるという点について共通認識を有するに至ったとのことです。
一方、2021 年4月9日、公開買付者は、NAVFからも、公開買付者が再度のMBOを早急に実
施し、NAVFとしては前回本投資契約(NAVF)と同様の契約を締結し、前回公開買付けが不
成立となったため発行されなかった公開買付者のB種種類株式の割当てを受けつつ、 当社株式の非
公開化後における当社の企業価値向上をサポートしていきたい旨の要請を受けたとのことです。 公
開買付者は、当該時点で、シティインデックスイレブンスとNAVFより、当社株式を非公開化す
る考え方につき意向が確認できたことから、 公開買付者が主導して当社株式を非公開化する取引を
本格的に進めることを、改めて決断いたしたとのことです。
その後、公開買付者は、2021 年4月 26 日付でシティインデックスイレブンスとの間で秘密保持
契約を締結し、2021 年4月 30 日及び 2021 年5月7日、シティインデックスイレブンスらとのビ
デオ会議において、 前回公開買付け後に公開買付者が予定していた会社法第 180 条に基づく当社株
式の併合について、 公開買付けを実施せずに当社の株主総会に付議する手法によって当社株式を非
公開化する提案を受け、協議したとのことです。公開買付者としては、前回公開買付けの公表日で
ある 2021 年2月9日から 2021 年4月 30 日までに2ヶ月以上が経過し、前回公開買付けの公表以
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降に当社株式を市場で売買した株主も存在すると考えられ、 前回公開買付け公表時より株主構成が
変化している可能性があることから、 再び公開買付けを実施して当社の株主の皆様の応募をいただ
き、公開買付け後の公開買付者及び公開買付者による当社株式の非公開化に賛同いただける株主に
おける当社株式に係る議決権数の合計が、 当社の総議決権数の3分の2を超えていることを確認し、
株主の皆様の意思を重視した上で、株主総会への付議を行うべきであると考え、2021 年5月7日
にその旨をシティインデックスイレブンスらに対して提案したとのことです。その結果、公開買付
者は、公開買付者が公開買付けを実施し、公開買付者、シティインデックスイレブンス、NAVF
及びその他当社株式の非公開化後も株主として存続することを希望する当社の取引先や従業員等
が存在する場合には当該株主(以下「残留希望株主」といいます(注2))が公開買付け後に所有
。
する当社株式に係る議決権数の合計が、当社の総議決権数の3分の2を超え、公開買付者、シティ
インデックスイレブンス、残留希望株主が当社の普通株主として残る手法で、当社株式を非公開化
する手法(以下「シティインデックスイレブンス提案」といいます。 )につきシティインデックス
イレブンスから提案を受け、公開買付者の上記方針と合致していることから、上記提案を基本方針
とすることについて合意したとのことです。当該ビデオ会議において、シティインデックスイレブ
ンスらからは、公開買付価格についての具体的な提案はなされておらず、また、シティインデック
スイレブンスが所有する当社株式 515,600 株を本公開買付けに応募せず、 事業面では当社の経営陣
に当社の経営を任せたいとの意向が示され、 シティインデックスイレブンスらが有する多数の企業
に対するこれまでの投資経験、上場及び非上場会社の双方の経営に携わってきた経験から、財務、
金融戦略の面で当社をサポートしつつ、更に、公開買付者が必要とすれば公開買付者に対してエク
イティ・ファイナンスやデット・ファイナンスの提供も可能である等の提案を受け、双方で引き続
き建設的な議論を行うことを確認したとのことです。 なお、現時点において、公開買付者は、財務、
金融戦略の面で当社をサポートすることに関してシティインデックスイレブンスから具体的な提
案は受けていないとのことです。また、本取引においては、本公開買付け後に、シティインデック
スイレブンスの所有する本不応募合意株式(515,600 株、所有割合:8.33%)と同数以上の当社株
式を所有する株主が存在しない限り、 当社の株主を公開買付者及びシティインデックスイレブンス
のみとすることを予定しているとのことですが、本日現在まで、シティインデックスイレブンスを
除く当社の株主から、当社株式の非公開化後も、当社の株主として存続することを希望する旨の連
絡を受けておりません。
(注2)シティインデックスイレブンス以外の株主から、公開買付者に対して本取引後も当社の
普通株主として存続したいとの意向は伝えられなかったため、公開買付者として残留希望
株主として具体的に想定している第三者は存在しておらず、公開買付者、シティインデッ
クスイレブンス(及びシティインデックスイレブンスと同数以上の当社株式を所有する株
主がいる場合は当該株主)以外の株主を対象としたスクイーズアウトを実施するスキーム
になったとのことです。
2021 年5月 13 日、14 日、19 日及び 20 日において、公開買付者は、シティインデックスイレブ
ンス提案に関してNAVFと協議し、 NAVFが当社株式の非公開化後も当社の株主として存続す
ることを希望するかを確認したとのことです。NAVFからは、前回公開買付けと同様にNAVF
が所有する当社株式の全てを公開買付けに応募する旨の基本的な考え方が提示され、 前回本投資契
約(NAVF)と同様の契約を締結し公開買付者のB種種類株式の割当てを受けつつ、当社株式の
非公開化後における当社の企業価値向上をサポートしていきたい旨の考え方が示されたとのこと
です。
上記の協議を経て、2021 年5月 27 日、公開買付者は、当社に対して本公開買付けを通じたマネ
ジメント・バイアウト (MBO) に関する提案書 (以下「2021 年5月 27 日付提案書」といいます。)
を提出したとのことです。2021 年5月 27 日付提案書において、前回公開買付け時に公開買付者と
NAVFが予定していた前回本投資契約(NAVF)と同様に、NAVFにおける前回公開買付け
が不成立となったため発行されなかった公開買付者のB種種類株式の引受けを伴う手法を想定し
ていたところ、 2021 年6月7日、 シティインデックスイレブンスから公開買付者に対し、 公開買付
19
者とNAVFとの間で想定するB種種類株式に関する投資契約は、 取引スキームの透明性の確保の
観点から、一般株主の納得感を得るためにも、再考を検討すべきではないかとの指摘を受けたとの
ことです。 同日、 公開買付者が当社に対し確認したところ、 前回公開買付けの買付け等の期間中に、
前回本投資契約(NAVF)に関して、当社の株主から、投資金額の規模や内容等に関して複数回
の問い合わせを受けた事実があることが判明したとのことです。公開買付者としては、シティイン
デックスイレブンス、NAVF、その他株主からより多くの理解を得て公開買付けを進めるべく、
同日、公開買付者から改めてNAVFに対し、公開買付者のB種種類株式の引受けに関して、内容
の見直し等を含む協議を申し入れ、2021 年6月 10 日にも再度協議をしたとのことです。また、シ
ティインデックスイレブンスによれば、シティインデックスイレブンスからも、NAVFに対し、
B種種類株式の引受けに関しては取引スキームの透明性確保の観点等から、 避けるべきである旨の
考え方が 2021 年6月7日から 2021 年6月9日にかけて少なくとも3回にわたって直接伝えられ
たとのことです。
公開買付者とNAVF、シティインデックスイレブンスとの間で実施された 2021 年4月8日か
ら 2021 年6月 10 日の間における上記の協議の結果、2021 年6月 11 日、NAVFから公開買付者
に対し、 当社株式の非公開化後における公開買付者のB種種類株式の引受けを通じた当社の企業価
値向上をサポートしていきたい考えはあるものの、 公開買付者のB種種類株式の割当てを受けつつ、
当社株式の非公開化後における当社の企業価値向上をサポートする提案については撤回する旨の
連絡があったとのことです。公開買付者としては、当社株式の非公開化後のNAVFからの経営改
善に関する知見、専門性の高いネットワークの提供を期待していたものの、公開買付者が考えるM
BO後の事業構造改革を、当社のリソース及びシティインデックスイレブンスらから受ける財務・
金融戦略に係るサポートにより推進することで実現を目指すことも可能であると考え、 これを受け
入れることとしたとのことです。2021 年6月 18 日、シティインデックスイレブンスとNAVF間
の協議を経て、NAVFとしては、当社株式の非公開化後に当社の株主として残ることは想定して
いないことを、公開買付者は改めて確認したとのことです。
これを受け、2021 年6月 21 日、公開買付者は、上記のNAVFによるB種種類株式の引受けの
中止を反映し、2021 年5月 27 日付提案書と同様にシティインデックスイレブンスが当社株主とし
て存続しつつ、公開買付者と共に当社の企業価値向上をサポートしていくことを内容とする、本公
開買付けを通じてのマネジメント・バイアウト(MBO)に関する提案書(以下「2021 年6月 21
日付提案書」といいます。 )を当社に対して提出したとのことです。
その後、公開買付者は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本
公開買付価格」といいます。 )を含む本取引の諸条件等の検討を進め、当社に対して 2021 年6月上
旬から 2021 年6月下旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果を踏まえ、 2021 年6月 22 日、
NAVFに対して本公開買付価格を 3,600 円とした本公開買付けに関する応募の要請を行い、 2021
年7月2日、NAVFから、NAVFが所有する当社株式の全て(所有株式数:389,800 株、所有
割合:6.30%)について本公開買付けに応募することを前向きに検討する旨の回答を得たとのこと
です。
また、公開買付者は、前回公開買付けが不成立に終わったことに鑑み、2021 年7月5日以降、本
公開買付けの成立の確度をより高めるべく、 本公開買付けに係る資金の提供を受ける予定の金融機
関であるみずほ事業承継ファンド、福井銀行及びみずほ銀行と資金調達に関する協議を重ね、公開
買付価格に関する検討を行うにあたり、前回公開買付けの終了日の翌営業日である 2021 年3月 25
日から本公開買付けの公表日の前営業日である 2021 年7月 26 日までの 82 営業日の期間の東京証
券取引所市場第一部における当社株式の市場株価の終値の推移において、 変更前前回公開買付価格
(2,850 円)及び前回公開買付価格(3,000 円)を超えて推移した日がそれぞれ 81 営業日及び 51
営業日存在している状況(注3)並びに直近の当社の財務情報や当社の1株当たり純資産額(BP
S)である 3,794 円(小数点以下を四捨五入。以下、1株当たり純資産額(BPS)の計算におい
て同じとします。 )を考慮した上で、2021 年7月 16 日、当社に対し、本公開買付価格を 3,810 円
とした提案を行ったとのことです。2021 年7月 21 日、公開買付者は、当社から、本公開買付価格
を引き上げる余地の有無を尋ねられたため、同日、公開買付者において検討した結果、3,810 円を
最終提案とする旨の回答を公開買付者から当社に行い、2021 年7月 26 日、当社より、本公開買付
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価格を 3,810 円とする提案について 2021 年7月 27 日に開催予定の当社取締役会で協議予定であ
る旨の連絡を受けたとのことです。他方で、本新株予約権については、権利行使の条件として当社
の取締役又は理事の地位を喪失した日の翌日以降、 割当てを受けた新株予約権を行使することがで
きるとされており、 公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができな
いと解されることから、2021 年7月 16 日、公開買付者は、本新株予約権買付価格を1円とする提
案を当社に対して実施したとのことです。
また、公開買付者は、2021 年7月 16 日に東レに対して、当社に対して提案した本公開買付価格
として 3,810 円での検討を進めている旨を伝え、2021 年7月 19 日に福井銀行に対しても同様の内
容を伝えたとのことです。その後、公開買付者は、2021 年7月 21 日、東レから、本公開買付価格
を 3,810 円とする本応募契約(東レ)の締結につき社内承認手続が完了した旨の連絡を受け、また
同日、福井銀行からも本公開買付価格を 3,810 円とする本応募契約(福井銀行)の締結につき応諾
する旨の連絡を受けたとのことです。
以上の経緯及び協議を経て、 公開買付者は、 2021 年7月 26 日、福井銀行との間で本応募契約 (福
井銀行)を締結し、2021 年7月 27 日、当社から、同日開催の当社取締役会において、下記「⑥ 当
社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」 に記載された本公開買付けに賛同
する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の
決議を実施するとの連絡を受けたことを踏まえ、 本取引の一環として、 本公開買付価格を 3,810 円、
本新株予約権買付価格を1円として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。また、
2021 年7月 27 日、公開買付者は、シティインデックスイレブンスが当社の経営方針に関心を持っ
ており、非公開化後も現在と同様に当社の株主として存続し、当社の現経営陣による現行の経営体
制を最大限尊重しつつ、株式併合後も、当社代表取締役であり公開買付者の代表取締役である松木
氏をサポートすること、及び当社の企業価値の向上に向けた支援・サポートを最大限行う意向を有
しており、公開買付者としても、かかる意向を持ち、複数の投資実績を有するシティインデックス
イレブンスの財務的知見を活用したサポートを享受することは、 当社の企業価値向上に資するもの
と判断したため、シティインデックスイレブンスとの間で本不応募契約を締結し、また東レとの間
で本応募契約(東レ)を締結したとのことです。
なお、公開買付者は、本公開買付けの実施及び上記の本不応募契約の締結にあたり、シティイン
デックスイレブンス及びNAVFとの間でそれぞれ個別に独立して協議・交渉を行っており、公開
買付者、 シティインデックスイレブンス及びNAVFの3者間で協議した事実や合意事項はないと
のことです。また、公開買付者は、当社が開示している財務情報等の資料、当社に対して 2021 年
6月上旬から 2021 年6月下旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果及び直近 10 年間に実施
された非公開化を目的としたMBO案件におけるプレミアム率の実例(約5%~約 135%) 、当社
との協議・交渉を踏まえ、本公開買付価格を決定したことから、第三者算定機関からの株式価値算
定書は取得していないとのことです。 また、 公開買付者は、 本新株予約権買付価格の決定にあたり、
第三者算定機関からの算定書は取得していないとのことです。
(注3)変更前前回公開買付価格(2,850 円)を超えて推移した日は以下のとおりです。なお、
括弧書きの数値は、 該当期間又は該当日当日における当社株式の市場株価の終値の最低値
及び最高値を記載しています。
(ⅰ)2021 年3月 25 日の1営業日(2,986 円)
(ⅱ)2021 年3月 29 日から 2021 年7月 26 日までの 80 営業日(2,879 円~3,130 円)
また、前回公開買付価格(3,000 円)を超えて推移した日は以下のとおりです。
(ⅰ)2021 年3月 29 日から 2021 年4月 20 日までの 17 営業日(3,005 円~3,050 円)
(ⅱ)2021 年4月 22 日の1営業日(3,005 円)
(ⅲ)2021 年4月 26 日の1営業日(3,005 円)
(ⅳ)2021 年5月7日から 2021 年5月 11 日までの3営業日(3,005 円~3,080 円)
(ⅴ)2021 年6月2日から 2021 年6月 10 日までの7営業日(3,020 円~3,070 円)
(ⅵ)2021 年6月 14 日の1営業日(3,005 円)
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(ⅶ)2021 年6月 16 日から 2021 年6月 17 日までの2営業日(3,005 円~3,045 円)
(ⅷ)2021 年6月 22 日から 2021 年6月 29 日までの6営業日(3,005 円~3,075 円)
(ⅸ)2021 年7月2日から 2021 年7月7日までの4営業日(3,035 円~3,080 円)
(ⅹ)2021 年7月 12 日から 2021 年7月 26 日までの9営業日(3,035 円~3,130 円)
⑤ 本公開買付け後の経営方針
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、松木氏は当社の代表取締役
社長として本公開買付け終了後も継続して当社の経営にあたることを予定しており、上記「③ 前
回公開買付けの実施に至る経緯」 に記載の経営を推進することを検討しているとのことです。なお、
公開買付者と当社のその他の取締役(監査等委員を含みます。 )との間には、本公開買付け後の役
員就任について特段の合意はなく、 本公開買付け実施後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細に
ついては、公開買付者は、当社の現行の経営体制を維持していくことを含め、本公開買付けの成立
後、当社と協議しながら決定していく予定とのことです。また、公開買付者は、本投資契約(みず
ほ事業承継ファンド)及び本投資契約(福井銀行)において、公開買付者又は当社の事業運営に関
するみずほ事業承継ファンド及び福井銀行への事前通知事項・事前承諾事項を定めているとのこと
ですが、みずほ事業承継ファンド及び福井銀行は、公開買付者又は当社の経営に積極的に関与する
ことは予定されておらず、 松木氏の経営方針に賛同いただける予定である旨を口頭で確認している
とのことです。
一方で、公開買付者は、シティインデックスイレブンスに対し、今後必要に応じて当社の企業価
値向上のための助言及び支援を求める予定とのことですが、本不応募契約において、シティインデ
ックスイレブンスは、当社の現経営陣による現行の経営体制を最大限尊重し、株式併合後も、公開
買付者又は当社の求めに応じて、当社の株主として、当社の企業価値の向上に向けた支援・サポー
トを最大限行うものとし、 当社の現経営陣が定める経営方針について異議を述べないことについて
合意しており、当該合意事項以外に、シティインデックスイレブンスが当社の経営に対する関与方
針として公開買付者との間で明示的に合意している事項はないとのことです。また、シティインデ
ックスイレブンスによれば、同社は、当社の企業価値向上に向けた支援を実行し、当社の企業価値
向上に一定の目途が立ったタイミングで当社株式の売却を考える可能性がある一方で、 中長期的に
当社株式の保有を継続する可能性も存在するとのことです。公開買付者は、シティインデックスイ
レブンスとの間で、同社が当社株式の売却を行うこととなった場合を想定して、本公開買付価格が
株式併合の効力発生直後の時点(以下「MBO完了時点」