3405 クラレ 2020-02-13 11:00:00
2019年12月期 決算短信[日本基準](連結) [pdf]
2019年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
2020年2月13日
上 場 会 社 名 株式会社クラレ 上場取引所 東
コ ー ド 番 号 3405 URL https://www.kuraray.co.jp
代 表 者
(役職名) 代表取締役社長 (氏名) 伊藤 正明
経営企画室
問合せ先責任者 (役職名) (氏名) 植垣 文雄 (TEL) 03-6701-1070
IR・広報部長
定時株主総会開催予定日 2020年3月26日 配当支払開始予定日 2020年3月27日
有価証券報告書提出予定日 2020年3月26日
決算補足説明資料作成の有無 : 有
決算説明会開催の有無 : 有 (証券アナリスト、機関投資家向け)
(百万円未満切捨て)
1.2019年12月期の連結業績(2019年1月1日~2019年12月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は対前期増減率)
親会社株主に帰属する
売上高 営業利益 経常利益
当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2019年12月期 575,807 △4.5 54,173 △17.7 48,271 △21.1 △1,956 -
2018年12月期 602,996 16.3 65,794 △13.8 61,167 △17.6 33,560 △38.4
(注) 包括利益 2019年12月期 △8,137百万円( -%) 2018年12月期 16,285百万円( △73.2%)
潜在株式調整後
1株当たり 自己資本 総資産 売上高
1株当たり
当期純利益 当期純利益率 経常利益率 営業利益率
当期純利益
円 銭 円 銭 % % %
2019年12月期 △5.66 - △0.4 5.0 9.4
2018年12月期 96.05 95.86 6.0 7.1 10.9
(参考) 持分法投資損益 2019年12月期 361百万円 2018年12月期 333百万円
(2)連結財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2019年12月期 991,149 538,545 53.0 1,527.79
2018年12月期 947,095 567,033 58.6 1,592.96
(参考) 自己資本 2019年12月期 525,151百万円 2018年12月期 555,438百万円
(注)「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首
から適用しており、2018年12月期の連結財政状態については、当該会計基準を遡って適用した後の数値となってい
ます。
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2019年12月期 95,577 △89,369 △1,517 75,967
2018年12月期 75,171 △186,982 114,088 71,345
2.配当の状況
年間配当金 純資産
配当金総額 配当性向
配当率
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 (合計) (連結)
(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2018年12月期 - 20.00 - 22.00 42.00 14,644 43.7 2.6
2019年12月期 - 20.00 - 22.00 42.00 14,486 - 2.7
2020年12月期(予想)
- 21.00 - 21.00 42.00 41.2
3.2020年12月期の連結業績予想(2020年1月1日~2020年12月31日)
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
親会社株主に帰属 1株当たり
売上高 営業利益 経常利益
する当期純利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
第2四半期(累計) 290,000 0.9 28,000 0.3 26,000 5.3 16,000 20.7 46.55
通 期 590,000 2.5 60,000 10.8 56,000 16.0 35,000 - 101.82
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 無
新規 -社 (社名) 、 除外 -社 (社名)
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 有
② ①以外の会計方針の変更 : 無
③ 会計上の見積りの変更 : 有
④ 修正再表示 : 無
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2019年12月期 354,863,603株 2018年12月期 354,863,603株
② 期末自己株式数 2019年12月期 11,130,834株 2018年12月期 6,179,578株
③ 期中平均株式数 2019年12月期 345,819,930株 2018年12月期 349,424,058株
(参考) 個別業績の概要
1.2019年12月期の個別業績(2019年1月1日~2019年12月31日)
(1)個別経営成績 (%表示は対前期増減率)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2019年12月期 236,315 △4.8 32,180 △23.1 32,719 △25.0 24,007 14.7
2018年12月期 248,149 2.3 41,861 △5.6 43,606 △6.0 20,931 △48.7
1株当たり 潜在株式調整後
当期純利益 1株当たり当期純利益
円 銭 円 銭
2019年12月期 69.42 69.32
2018年12月期 59.90 59.79
(2)個別財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2019年12月期 789,923 387,653 49.0 1,125.84
2018年12月期 722,242 384,667 53.2 1,101.51
(参考) 自己資本
2019年12月期 386,989百万円 2018年12月期 384,080百万円
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
(将来に関する記述等についてのご注意)
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると
判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想
の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、決算短信(添付資料)4ページ
「1.経営成績等の概況(4)今後の見通し」をご覧ください。
(2020年2月13日開催予定の決算説明会資料の入手方法)
決算補足説明資料及び説明会の動画を、開催後、可及的速やかに当社ホームページに掲載する予定です。
株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………3
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………3
(4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………4
2.経営方針 ………………………………………………………………………………………………5
(1)会社の経営の基本方針 …………………………………………………………………………5
(2)目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略及び会社が対処すべき課題 …………5
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………5
4.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………6
(1)連結貸借対照表 …………………………………………………………………………………6
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………8
(3)連結株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………10
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………12
(5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………14
(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………14
(会計方針の変更) …………………………………………………………………………………14
(表示方法の変更) …………………………………………………………………………………14
(会計上の見積りの変更) …………………………………………………………………………14
(セグメント情報等) ………………………………………………………………………………15
(1株当たり情報) …………………………………………………………………………………20
(重要な後発事象) …………………………………………………………………………………20
-1-
株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
当連結会計年度における世界経済は、長期化する米中貿易戦争と各地域における地政学的リスクの顕在化に伴い、
期を追うごとに不確実性が増大し、減速の傾向が浮き彫りになりました。かかる状況下、当社グループの業績におい
ても、売上高は前年同期比27,188百万円(4.5%)減の575,807百万円、営業利益は11,620百万円(17.7%)減の
54,173百万円、経常利益は12,896百万円(21.1%)減の48,271百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,956百
万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益33,560百万円)と前年同期を下回る結果となりました。なお、当
連結会計年度において、2018年5月に米国子会社で発生した火災事故に対する訴訟に関し、和解費用を含む合理的に
見積りが可能な損失など(50,590百万円)を特別損失に、受取保険金(10,360百万円)を特別利益に計上しました。
当社グループは2018年度より中期経営計画「PROUD 2020」をスタートさせました。最終年度となる2020年度におい
ても、ありたい姿である「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を目指
して、「PROUD 2020」で掲げた主要経営戦略の具体的施策を順次実施し、中長期的な視点に基づく、新たな事業ポー
トフォリオ構築に継続して取り組んでまいります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年
度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年
度との比較・分析を行っています。
[ビニルアセテート]
当セグメントの売上高は266,105百万円(前年同期比4.8%減)、営業利益は47,368百万円(同13.5%減)となりま
した。
① ポバール樹脂は景気減速により販売量が減少しました。光学用ポバールフィルムは、液晶パネルの在庫調整の影
響を受け、出荷が減少しました。なお、倉敷事業所の設備増強工事は第4四半期連結会計期間に完了しました。
PVBフィルムは、建築用途でアイオノマーガラス中間膜<セントリグラス>の需要が伸長しましたが、自動車
用途は苦戦しました。一方、水溶性ポバールフィルムは個包装洗剤用途の販売が拡大しました。
② EVOH樹脂<エバール>は、ガソリンタンク用途で自動車生産台数減少の影響を受けました。食品包材用途
は、第3四半期以降、徐々に販売の回復が進みましたが、年度では数量が減少しました。
[イソプレン]
当セグメントの売上高は53,276百万円(前年同期比6.9%減)、営業利益は4,232百万円(同41.8%減)となりまし
た。
① イソプレン関連では、景気減速の影響を受け、熱可塑性エラストマー<セプトン>の販売量が減少しました。
② 耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>は、電気・電子デバイス向けの需要が停滞しました。一方、車載用コネク
タ向けの新規採用が進みました。
[機能材料]
当セグメントの売上高は125,982百万円(前年同期比4.2%減)、営業利益は3,836百万円(同12.7%減)となりま
した。
① メタクリルは、樹脂の販売が減少したことに加え、市況悪化の影響を受けました。
② メディカルは、歯科材料の審美修復関連製品を中心に堅調に推移しました。
③ カルゴン・カーボンは、北米での需要は底堅く推移しましたが、欧州は需要停滞に伴い伸び悩みました。炭素材
料は高付加価値品の販売が拡大しました。
[繊維]
当セグメントの売上高は64,513百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は5,654百万円(同9.9%減)となりまし
た。
① 人工皮革<クラリーノ>は、ラグジュアリー商品用途が引き続き堅調に推移しましたが、靴用途は苦戦しまし
た。
② 繊維資材は、ビニロンでセメント補強用が低調に推移し、ゴム資材向けも自動車生産台数減少の影響を受けまし
た。一方、<ベクトラン>は輸出を中心に拡大しました。
③ 生活資材は、<クラフレックス>で汎用品の数量が減少しましたが、高付加価値品の販売が拡大しました。
[トレーディング]
繊維関連事業は、スポーツ衣料用途などの縫製品販売が堅調に推移し、高機能原糸の輸出も拡大しました。一方、
樹脂・化成品関連事業は中国向けを中心に輸出が苦戦しました。その結果、売上高は130,911百万円(前年同期比5.7
%減)、営業利益は4,224百万円(同0.2%増)となりました。
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
[その他]
その他事業は、国内関連会社の販売が低調であったことにより、売上高は51,128百万円(前年同期比11.9%減)、
営業利益は649百万円(同44.9%減)となりました。
(2)当期の財政状態の概況
総資産は、有形固定資産の増加57,381百万円等の一方、無形固定資産の減少14,215百万円等により前連結会計年度
末比44,053百万円増の991,149百万円となりました。負債は、コマーシャル・ペーパーの発行24,000百万円、未払費
用の増加38,289百万円及びその他固定負債の増加17,087百万円等の一方、短期借入金の減少11,675百万円等により前
連結会計年度末比72,541百万円増の452,604百万円となりました。有形固定資産及びその他固定負債増加の要因は、
主として当連結会計年度より一部の海外関係会社について「リース」(IFRS第16号)を適用したため、使用権資産と
リース負債がそれぞれ増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末比28,488百万円減少し、538,545百万円となりました。自己資本は525,151百万円とな
り、自己資本比率は53.0%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純利益2,893百万円に対して、減価償却費58,158百万円、未払いの訴訟関連損失39,394百万円、
売上債権の減少5,724百万円及び法人税等の支払額19,308百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは
95,577百万円の収入となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
定期預金の増加4,984百万円及び有形及び無形固定資産の取得87,105百万円等の支出により、投資活動によるキャ
ッシュ・フローは89,369百万円の支出となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
コマーシャル・ペーパーの純増額24,000百万円及び長期借入れ7,744百万円等の収入に対して、長期借入金の返済
12,050百万円及び配当金の支払い額14,595百万円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは1,517百万
円の支出となりました。
以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物
の残高は、前連結会計年度末より4,621百万円増加して、75,967百万円となりました。
2018年12月期 2019年12月期
営業活動によるキャッシュ・フロー 75,171 95,577
投資活動によるキャッシュ・フロー △186,982 △89,369
財務活動によるキャッシュ・フロー 114,088 △1,517
現金及び現金同等物に係る換算差額 △1,210 △70
現金及び現金同等物の増減額 1,065 4,620
現金及び現金同等物の期首残高 70,234 71,345
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 45 1
現金及び現金同等物の期末残高 71,345 75,967
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
2015年12月期 2016年12月期 2017年12月期 2018年12月期 2019年12月期
自己資本比率(%) 70.7 70.7 71.7 58.6 53.0
時価ベースの自己資本
73.7 85.1 96.0 57.1 46.2
比率(%)
キャッシュ・フロー対
0.6 0.6 0.7 2.9 2.5
有利子負債比率(年)
インタレスト・カバレ
128.7 127.1 116.0 62.7 68.5
ッジ・レシオ(倍)
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値により計算しています。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを
使用しています。
4.有利子負債は短期借入金、コマーシャル・ペーパー、長期借入金及び社債の合計額を使用していま
す。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
5.2018年12月期より、たな卸資産の評価方法を変更しています。当該会計方針の変更は遡及適用される
ため、2017年12月期の数値は遡及適用後を記載しています。
(4)今後の見通し
次期の世界経済は、米中通商交渉の第一段階の合意や英国EU離脱決定に伴い、欧州、中国において底入れへの期
待が出始めてきたものの、米国で継続する保護主義政策や大統領選挙の行方、中東情勢の変化に伴う原燃料価格の
動向など、世界的にリスクはさらに高まると考えられます。これらの状況を踏まえた次期の見通しは以下のとおり
です。なお、感染拡大が続いている新型コロナウイルスの影響については織り込んでいません。
また、米国子会社で発生した火災事故の訴訟に関し、2019年度に特別損失を計上しましたが、今後、新たに発生
する可能性のある損失については、その金額を合理的に見積ることが困難であるため含めていません。引き続き、
早期解決に向け努力してまいります。
(単位:億円、単位未満四捨五入)
前期比
2019年度 2020年度予想
(増減率)
売 上 高 5,758 5,900 2.5%
営 業 利 益 542 600 10.8%
経 常 利 益 483 560 16.0%
親会社株主に
帰属する当期純利益 △20 350 -
又は損失(△)
次期の業績予想にあたり、前提としている平均為替は1米ドル105円、1ユーロ120円、国産ナフサ43千円/ kl
です。
<ご参考>2020年度 セグメント別業績予想
(単位:億円、単位未満四捨五入)
売上高 営業利益
2019年度 2020年度予想 2019年度 2020年度予想
ビニルアセテート 2,661 2,780 474 505
イソプレン 533 550 42 50
機能材料 1,260 1,310 38 50
繊維 645 670 57 60
トレーディング 1,309 1,350 42 45
その他 511 510 6 10
消去又は全社 △1,161 △1,270 △118 △120
合計 5,758 5,900 542 600
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
2.経営方針
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは使命である「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」に基づき、創立100周年と
なる2026年に向けて長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』を策定しました。『Kuraray Vision 2026』で掲げたあり
たい姿である「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を目指し、社会と
の価値共創を図りながら、他社と一味違うスペシャリティ製品及びサービスを世界に提供する企業であり続けます。
(2)目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略及び会社が対処すべき課題
当社グループは長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』の実現に向けて、2018年度よりスタートした中期経営計画
「PROUD 2020」(2018年度~2020年度)において以下の4つの主要経営戦略を推進しています。
① 競争優位の追求
顧客ニーズに基づく高付加価値製品・用途の開発推進や、今後、更に存在感が増す新興国・地域を、新たな機
会創出の場として捉え、戦略的に取り組みを強化することや、IoTを活用した生産・業務プロセスの革新・改善を
行うことで競争力の強化を行っていきます。
② 新たな事業領域の拡大
独自技術の研鑽と外部技術の取り組みによる新事業の創出やM&A・アライアンスによる新領域の獲得、技術とサ
ービスを組み合わせたビジネスモデルの確立を行うことで事業領域を拡大していきます。
③ グループ総合力強化
ビジネスの拡大に合わせたグローバル経営基盤の構築、世界の多様な優秀人材を惹きつける働きがいのある職
場づくり、クラレグループの更なる一体感の醸成を行っていくと同時に、コンプライアンス徹底の取り組みを強
化していきます。
④ 環境への貢献
上記3つの経営戦略に基づく具体的施策の実施において、事業活動における環境負荷の低減、地球環境や社会
問題の解決に貢献する製品やサービスの提供の拡大を通じ、自然環境や生活環境の向上に貢献します。
中期経営計画「PROUD 2020」におけるこれまでの2年間は、イソプレンにおけるタイ新工場の投資決定や、世界最
大の活性炭メーカーであるカルゴン・カーボン社の買収と統合シナジーの発現など、将来の安定したポートフォリオ
の構築への取り組みを強化してきました。また、光学用ポバールフィルムや水溶性ポバールフィルムの設備増強な
ど、成長に向けた戦略の具体的施策についても着実に実行しました。一方、業績面では世界景気減速の影響を受け、
当社の主要用途である、自動車、ディスプレイ、電気・電子デバイス産業が調整局面に入り、需要が減退したため、
計画を下回る結果となりました。「PROUD 2020」の最終年度となる2020年度の世界経済は成長がさらに鈍化し、当社
事業を取り巻く環境も向かい風が続くことを想定しており、「PROUD 2020」に掲げた業績目標の達成は困難な状況で
す。このような状況の中、主要経営戦略の具体的施策を確実に実行していくとともに、設備投資を行った事業におけ
る早期の業績貢献化や、買収した活性炭事業におけるシナジー発現の加速など、キャッシュフローの創出に一層注力
します。また、市場環境の変化などにより見直しが必要な事業においては戦略の修正を行い、2021年から新たに始ま
る次期中期経営計画に繋げていく所存です。
当社グループは創立100周年に向かって持続的に成長するスペシャリティ化学企業として、大きく飛躍するために
今後も挑戦し続けます。
当社は2019年11月22日に公正取引委員会から活性炭の製造・販売に関し、排除措置命令を受けました。2017年3月
にも防衛装備庁が発注する特定ビニロン製品の入札に関して同委員会から排除措置命令を受けています。二度にわた
る独占禁止法違反の排除措置命令に関し、事態の重大性を厳粛かつ真摯に受け止め、独占禁止法の遵守を経営上の最
重点課題の一つとし、再発防止に向けた諸施策に全力で取り組んでいます。
また、前述の火災事故に関し、当社の米国子会社は160名超の外部委託業者の作業員等から身体的または精神的傷
害に対する損害賠償等を求める民事訴訟を提起されています。一部の原告と和解に至っていますが、現在も訴訟は係
属中です。同工場は既に再発防止の諸施策を講じた上で運転を再開していますが、二度とこのような火災事故を起こ
さないために、2019年度よりクラレ本社による海外プラントの安全監査を実施し、抽出した改善点に順次対処してお
ります。2020年度以降も、国内外プラントにおける安全に関する設備面の強化、および管理システムやマニュアル見
直し・改善、社員教育の充実などソフト面の強化を継続的に取り組んでまいります。
今後も、企業ステートメントの行動原則に掲げた「安全はすべての礎」の考えのもと、「安心して働ける会社、事
故の起こらない安全な会社」の実現をグローバルで目指してまいります。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、日本基準を適用しています。国際財務報告基準(IFRS)の適用等については、国内外の諸
情勢を考慮しながら検討を進めています。
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
4.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年12月31日) (2019年12月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 67,022 72,014
受取手形及び売掛金 128,107 121,166
有価証券 32,921 33,341
商品及び製品 101,081 101,628
仕掛品 15,221 15,679
原材料及び貯蔵品 36,667 34,696
その他 14,315 16,661
貸倒引当金 △426 △455
流動資産合計 394,910 394,732
固定資産
有形固定資産
建物及び構築物(純額) 74,182 79,629
機械装置及び運搬具(純額) 204,215 205,974
土地 22,707 22,062
建設仮勘定 49,468 82,071
その他(純額) 6,837 25,055
有形固定資産合計 357,411 414,793
無形固定資産
のれん 66,485 61,357
顧客関係資産 36,263 33,062
その他 41,400 35,514
無形固定資産合計 144,150 129,934
投資その他の資産
投資有価証券 29,509 28,770
長期貸付金 218 189
退職給付に係る資産 1,101 1,977
繰延税金資産 12,993 13,506
その他 6,840 7,272
貸倒引当金 △40 △28
投資その他の資産合計 50,622 51,688
固定資産合計 552,184 596,416
資産合計 947,095 991,149
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2018年12月31日) (2019年12月31日)
負債の部
流動負債
支払手形及び買掛金 45,408 39,883
短期借入金 46,540 34,864
コマーシャル・ペーパー - 24,000
未払費用 12,201 50,491
未払法人税等 8,474 4,307
賞与引当金 6,681 6,578
その他の引当金 266 226
その他 25,212 41,317
流動負債合計 144,785 201,670
固定負債
社債 50,000 50,000
長期借入金 120,049 128,001
繰延税金負債 24,951 13,743
役員退職慰労引当金 237 347
環境対策引当金 5,716 3,692
退職給付に係る負債 18,065 22,203
資産除去債務 5,070 4,671
その他 11,185 28,273
固定負債合計 235,276 250,933
負債合計 380,062 452,604
純資産の部
株主資本
資本金 88,955 88,955
資本剰余金 87,207 87,197
利益剰余金 364,841 348,289
自己株式 △9,746 △16,286
株主資本合計 531,257 508,156
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金 7,822 7,922
繰延ヘッジ損益 1 △263
為替換算調整勘定 20,382 14,575
退職給付に係る調整累計額 △4,025 △5,238
その他の包括利益累計額合計 24,181 16,995
新株予約権 587 663
非支配株主持分 11,007 12,729
純資産合計 567,033 538,545
負債純資産合計 947,095 991,149
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自2018年1月1日 (自2019年1月1日
至2018年12月31日) 至2019年12月31日)
売上高 602,996 575,807
売上原価 410,453 395,125
売上総利益 192,542 180,682
販売費及び一般管理費
販売費 34,150 33,658
一般管理費 92,598 92,850
販売費及び一般管理費合計 126,748 126,508
営業利益 65,794 54,173
営業外収益
受取利息 388 346
受取配当金 1,382 660
持分法による投資利益 333 361
その他 1,678 1,551
営業外収益合計 3,783 2,919
営業外費用
支払利息 1,280 1,398
為替差損 2,139 2,090
固定資産廃棄損 1,038 1,012
その他 3,951 4,320
営業外費用合計 8,409 8,822
経常利益 61,167 48,271
特別利益
受取保険金 - 11,374
投資有価証券売却益 - 1,723
環境対策引当金戻入額 - 1,009
受取補填金 336 -
特別利益合計 336 14,107
特別損失
訴訟関連損失 - 50,590
減損損失 6,662 3,668
固定資産廃棄損 657 1,397
関係会社整理損 - 1,242
災害損失 1,877 1,003
投資有価証券評価損 - 860
操業休止関連費用 1,224 722
買収関連費用 1,039 -
特別損失合計 11,461 59,484
税金等調整前当期純利益 50,041 2,893
法人税、住民税及び事業税 19,361 15,054
法人税等調整額 △3,919 △11,243
法人税等合計 15,441 3,810
当期純利益又は当期純損失(△) 34,599 △916
非支配株主に帰属する当期純利益 1,038 1,039
親会社株主に帰属する当期純利益又は
33,560 △1,956
親会社株主に帰属する当期純損失(△)
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
連結包括利益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自2018年1月1日 (自2019年1月1日
至2018年12月31日) 至2019年12月31日)
当期純利益又は当期純損失(△) 34,599 △916
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金 △5,186 100
繰延ヘッジ損益 604 △445
為替換算調整勘定 △13,544 △5,661
退職給付に係る調整額 △188 △1,213
その他の包括利益合計 △18,314 △7,220
包括利益 16,285 △8,137
(内訳)
親会社株主に係る包括利益 15,247 △9,142
非支配株主に係る包括利益 1,037 1,004
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(3)連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 88,955 87,219 344,653 △6,110 514,718
当期変動額
剰余金の配当 △14,691 △14,691
親会社株主に帰属する
33,560 33,560
当期純利益
新規連結による変動額 14 14
持分法の適用範囲の変動 1,303 1,303
自己株式の取得 △3,735 △3,735
自己株式の処分 △12 98 86
その他 △0 △0
株主資本以外の項目の
-
当期変動額(純額)
当期変動額合計 - △12 20,187 △3,636 16,539
当期末残高 88,955 87,207 364,841 △9,746 531,257
その他の包括利益累計額
その他 退職給付 その他の 非支配
繰延ヘッジ 為替換算 新株予約権 純資産合計
有価証券 に係る 包括利益 株主持分
損益 調整勘定
評価差額金 調整累計額 累計額合計
当期首残高 13,007 △603 33,681 △3,836 42,248 539 7,980 565,487
当期変動額
剰余金の配当 - △14,691
親会社株主に帰属する
- 33,560
当期純利益
新規連結による変動額 - 14
持分法の適用範囲の変動 - 1,303
自己株式の取得 - △3,735
自己株式の処分 - 86
その他 - △0
株主資本以外の項目の
△5,184 604 △13,299 △188 △18,067 47 3,026 △14,993
当期変動額(純額)
当期変動額合計 △5,184 604 △13,299 △188 △18,067 47 3,026 1,545
当期末残高 7,822 1 20,382 △4,025 24,181 587 11,007 567,033
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 88,955 87,207 364,841 △9,746 531,257
当期変動額
剰余金の配当 △14,595 △14,595
親会社株主に帰属する
△1,956 △1,956
当期純損失(△)
自己株式の取得 △6,617 △6,617
自己株式の処分 △9 78 68
その他 △0 △0
株主資本以外の項目の
-
当期変動額(純額)
当期変動額合計 - △9 △16,551 △6,539 △23,101
当期末残高 88,955 87,197 348,289 △16,286 508,156
その他の包括利益累計額
その他 退職給付 その他の 非支配
繰延ヘッジ 為替換算 新株予約権 純資産合計
有価証券 に係る 包括利益 株主持分
損益 調整勘定
評価差額金 調整累計額 累計額合計
当期首残高 7,822 1 20,382 △4,025 24,181 587 11,007 567,033
当期変動額
剰余金の配当 - △14,595
親会社株主に帰属する
- △1,956
当期純損失(△)
自己株式の取得 - △6,617
自己株式の処分 - 68
その他 - △0
株主資本以外の項目の
99 △265 △5,806 △1,213 △7,185 76 1,722 △5,386
当期変動額(純額)
当期変動額合計 99 △265 △5,806 △1,213 △7,185 76 1,722 △28,488
当期末残高 7,922 △263 14,575 △5,238 16,995 663 12,729 538,545
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益 50,041 2,893
減価償却費 56,698 58,158
貸倒引当金の増減額(△は減少) △207 22
受取保険金 - △11,374
投資有価証券売却損益(△は益) - △1,723
訴訟関連損失 - 50,590
減損損失 6,662 3,668
固定資産廃棄損 657 1,397
投資有価証券評価損益(△は益) - 860
為替差損益(△は益) 704 513
受取利息及び受取配当金 △1,771 △1,006
支払利息 1,280 1,398
売上債権の増減額(△は増加) △1,001 5,724
たな卸資産の増減額(△は増加) △9,096 △781
仕入債務の増減額(△は減少) △2,082 △5,182
賞与引当金の増減額(△は減少) 181 △76
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) △737 2,201
退職給付に係る資産の増減額(△は増加) △259 △524
その他 △4,831 8,183
小計 96,238 114,943
利息及び配当金の受取額 1,936 1,158
利息の支払額 △1,199 △1,396
法人税等の支払額又は還付額(△は支払) △21,804 △19,308
保険金の受取額 - 11,374
訴訟関連損失の支払額 - △11,195
営業活動によるキャッシュ・フロー 75,171 95,577
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の純増減額(△は増加) 1,709 △4,984
有価証券の純増減額(△は増加) △1,345 4,176
投資有価証券の取得による支出 △150 △956
投資有価証券の売却及び償還による収入 625 2,658
有形及び無形固定資産の取得による支出 △65,957 △87,105
有形及び無形固定資産の除去による支出 △1,525 △1,838
有形及び無形固定資産の売却による収入 99 587
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の
△119,814 -
取得による支出
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の
- △134
売却による支出
その他 △624 △1,773
投資活動によるキャッシュ・フロー △186,982 △89,369
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額(△は減少) 26,715 490
コマーシャル・ペーパーの純増減額
- 24,000
(△は減少)
長期借入れによる収入 90,000 7,744
長期借入金の返済による支出 △25,860 △12,050
社債の発行による収入 40,000 -
自己株式の取得による支出 △3,735 △6,617
自己株式の売却による収入 59 55
配当金の支払額 △14,691 △14,595
非支配株主からの払込みによる収入 2,254 1,017
非支配株主への配当金の支払額 △265 △300
その他 △388 △1,260
財務活動によるキャッシュ・フロー 114,088 △1,517
現金及び現金同等物に係る換算差額 △1,210 △70
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 1,065 4,620
現金及び現金同等物の期首残高 70,234 71,345
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 45 1
現金及び現金同等物の期末残高 71,345 75,967
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(会計方針の変更)
(会計基準等の改正等に伴う会計方針の変更)
当連結会計年度より一部の海外関係会社について「リース」(IFRS第16号)を適用しています。これにより、IAS
第17号におけるオペレーティング・リース(借手)については、適用開始日に使用権資産及びリース負債を認識して
います。当該会計基準の適用にあたり、当社グループは経過措置として認められている累積的影響を適用開始日に認
識する方法を採用しました。
この結果、当連結会計年度の連結貸借対照表は有形固定資産のその他17,920百万円、流動負債のその他1,161百万
円及び固定負債のその他17,025百万円が増加しています。
なお、この変更による当連結会計年度の損益及び1株当たり情報に与える影響は軽微です。
また、当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書は、営業活動によるキャッシュ・フローが884百万円増加
し、財務活動によるキャッシュ・フローが同額減少しています。
(表示方法の変更)
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首
から適用しており、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示してい
ます。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」3,794百万円及び「固定
負債」の「繰延税金負債」のうちの20百万円を「投資その他の資産」の「繰延税金資産」12,993百万円に含めて表示
し、「固定負債」の「繰延税金負債」は24,951百万円として表示しています。
なお、同一納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債を相殺して表示しており、変更前と比べて総資産が20百万円減
少しています。
(会計上の見積りの変更)
環境対策引当金
当連結会計年度において、従来から固定資産より除去し、保管しているポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の処分
に係わる支出に備えるため、その処理費用見積額を環境対策引当金として計上していましたが、廃棄処理の進捗に伴
い、より精緻な見積りが可能となったことから見積りの変更を行い、従来の見積額との差額を特別利益に計上してい
ます。
これにより、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益が1,009百万円増加しています。
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(セグメント情報等)
(セグメント情報)
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締
役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は、カンパニー制を導入しており、各カンパニーは取り扱う製品等について国内及び海外の包括的な戦略を
立案し、事業活動を展開しています。また、子会社のうち、クラレトレーディング株式会社は、当社グループ製品
の加工販売や他社製品の取り扱いを含め、独自に企画・販売する事業を主体的に行っています。
したがって、当社グループは、カンパニーを基礎とした製品別のセグメントと、トレーディングセグメントで構
成されており、「ビニルアセテート」、「イソプレン」、「機能材料」、「繊維」及び「トレーディング」の5つ
を報告セグメントとしています。
「ビニルアセテート」は、ポバール、PVB、<エバール>等の機能樹脂、フィルムを生産・販売しています。
「イソプレン」は熱可塑性エラストマー<セプトン>、イソプレン関連製品、<ジェネスタ>を生産・販売してい
ます。「機能材料」はメタクリル樹脂、メディカル関連製品、炭素材料を生産・販売しています。「繊維」は、合
成繊維、人工皮革<クラリーノ>、不織布等を生産・販売しています。「トレーディング」は、合成繊維、人工皮
革等を加工・販売している他、その他の当社グループ製品及び他社製品の企画・販売を行っています。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成において採用している会計処理の方法と
同一です。セグメントの利益は、営業利益であり、セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいて
います。
(IFRS第16号「リース」の適用)
「会計方針の変更」に記載のとおり、当連結会計年度より一部の海外関係会社について「リース」(IFRS第16
号)を適用しています。これにより、IAS第17号におけるオペレーティング・リース(借手)については、適用開始
日に使用権資産を認識しています。
(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の適用に伴う変更)
「表示方法の変更」に記載のとおり、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号
2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度のセグメント資産については、当該
会計基準等を遡って適用した後の数値を記載しています。
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) (単位:百万円)
報告セグメント 連結
調整額
その他 財務諸表
合計 (注)2
ビニルア イソプ トレーデ (注)1 計上額
機能材料 繊維 計 (注)4
セテート レン ィング (注)3
売上高
外部顧客への売上高 233,214 30,144 111,969 47,287 136,109 558,726 44,269 602,996 - 602,996
セグメント間の内部
売上高又は振替高 46,164 27,062 19,563 17,429 2,739 112,959 13,755 126,714 △126,714 -
計 279,379 57,207 131,533 64,716 138,848 671,685 58,025 729,710 △126,714 602,996
セグメント利益 54,739 7,272 4,396 6,279 4,215 76,904 1,178 78,082 △12,288 65,794
セグメント資産 416,191 62,682 226,542 67,035 46,282 818,733 42,643 861,376 85,718 947,095
その他の項目
減価償却費
31,477 2,506 12,563 2,584 58 49,190 892 50,082 2,204 52,287
(のれん以外)
減損損失 6,311 - 189 - - 6,500 161 6,662 - 6,662
のれんの償却額 1,804 - 2,603 - - 4,408 2 4,410 - 4,410
のれんの当期末残高 18,468 - 48,016 - - 66,485 0 66,485 - 66,485
持分法適用会社への
- - - 2,290 - 2,290 - 2,290 - 2,290
投資額
有形固定資産及び無
38,034 4,038 7,341 7,633 53 57,102 2,890 59,993 6,832 66,825
形固定資産の増加額
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、アクア事業、エンジニアリン
グ事業を含んでいます。
2.セグメント利益の調整額△12,288百万円には、セグメント間取引消去1,622百万円及び各報告セグメントに
配分していない全社費用△13,910百万円を含んでいます。全社費用の主なものは、提出会社の基礎研究費
です。
3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整しています。
4.セグメント資産の調整額85,718百万円には、セグメント間取引消去△39,349百万円及び各報告セグメント
に配分していない全社資産125,068百万円を含んでいます。なお、全社資産の主なものは、提出会社の余資
運用資金、長期投資資金、基礎研究・本社管理部門に係わる資産等です。
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) (単位:百万円)
報告セグメント 連結
調整額
その他 財務諸表
合計 (注)2
ビニルア イソプ トレーデ (注)1 計上額
機能材料 繊維 計 (注)4
セテート レン ィング (注)3
売上高
外部顧客への売上高 225,127 29,058 107,020 50,816 128,139 540,162 35,644 575,807 - 575,807
セグメント間の内部
売上高又は振替高 40,978 24,217 18,961 13,697 2,772 100,626 15,484 116,110 △116,110 -
計 266,105 53,276 125,982 64,513 130,911 640,789 51,128 691,917 △116,110 575,807
セグメント利益 47,368 4,232 3,836 5,654 4,224 65,317 649 65,967 △11,793 54,173
セグメント資産 423,596 90,648 219,125 74,500 44,276 852,147 48,471 900,619 90,529 991,149
その他の項目
減価償却費
32,361 2,779 11,883 3,125 93 50,242 931 51,174 2,819 53,993
(のれん以外)
減損損失 3,356 170 - - - 3,526 60 3,586 81 3,668
のれんの償却額 1,591 - 2,572 - - 4,163 0 4,164 - 4,164
のれんの当期末残高 16,536 - 44,821 - - 61,357 - 61,357 - 61,357
持分法適用会社への
- - - 2,302 - 2,302 - 2,302 - 2,302
投資額
有形固定資産及び無
41,467 25,692 11,460 10,729 526 89,875 2,512 92,387 4,978 97,366
形固定資産の増加額
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、アクア事業、エンジニアリン
グ事業を含んでいます。
2.セグメント利益の調整額△11,793百万円には、セグメント間取引消去1,888百万円及び各報告セグメントに
配分していない全社費用△13,682百万円を含んでいます。全社費用の主なものは、提出会社の基礎研究費
です。
3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整しています。
4.セグメント資産の調整額90,529百万円には、セグメント間取引消去△36,506百万円及び各報告セグメント
に配分していない全社資産127,036百万円を含んでいます。なお、全社資産の主なものは、提出会社の余資
運用資金、長期投資資金、基礎研究・本社管理部門に係わる資産等です。
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(関連情報)
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報 (単位:百万円)
ビニル
イソプレン 機能材料 繊維 その他 合計
アセテート
外部顧客への売上高 273,307 53,255 130,951 88,930 56,551 602,996
(注) 各セグメントの主な製品は以下のとおりです。
ビニルアセテート:ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、<エバール>樹脂他
イソプレン :熱可塑性エラストマー<セプトン>、イソプレン、耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>他
機能材料 :メタクリル樹脂、メディカル製品、炭素材料他
繊維 :ビニロン、人工皮革<クラリーノ>、乾式不織布<クラフレックス>、
面ファスナー<マジックテープ>、ポリエステル他
その他 :アクア事業、エンジニアリング事業他
2.地域ごとの情報
(1)売上高 (単位:百万円)
日本 米国 中国 欧州 アジア その他の地域 合計
192,940 100,736 70,528 136,122 75,144 27,524 602,996
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2)有形固定資産 (単位:百万円)
日本 米国 その他海外 合計
146,011 133,303 78,096 357,411
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載していません。
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報 (単位:百万円)
ビニル
イソプレン 機能材料 繊維 その他 合計
アセテート
外部顧客への売上高 261,241 53,244 125,301 92,986 43,032 575,807
(注) 各セグメントの主な製品は以下のとおりです。
ビニルアセテート:ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、<エバール>樹脂他
イソプレン :熱可塑性エラストマー<セプトン>、イソプレン、耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>他
機能材料 :メタクリル樹脂、メディカル製品、炭素材料他
繊維 :ビニロン、人工皮革<クラリーノ>、乾式不織布<クラフレックス>、
面ファスナー<マジックテープ>、ポリエステル他
その他 :アクア事業、エンジニアリング事業他
2.地域ごとの情報
(1)売上高 (単位:百万円)
日本 米国 中国 欧州 アジア その他の地域 合計
184,491 98,776 68,161 127,299 70,913 26,164 575,807
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2)有形固定資産 (単位:百万円)
日本 米国 その他海外 合計
176,998 127,875 109,919 414,793
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載していません。
(報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報)
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報)
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報)
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
該当事項はありません。
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株式会社クラレ(3405) 2019年12月期 決算短信
(1株当たり情報)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
1株当たり純資産額 1,592.96円 1,527.79円
1株当たり当期純利益又は
96.05円 △5.66円
1株当たり当期純損失(△)
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 95.86円 -円
(注) 1.当連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当た
り当期純損失であるため記載していません。
2.1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎
は、以下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
項目 (自 2018年1月1日 (自 2019年1月1日
至 2018年12月31日) 至 2019年12月31日)
1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)
親会社株主に帰属する当期純利益又は
33,560 △1,956
親会社株主に帰属する当期純損失(△)(百万円)
普通株主に帰属しない金額(百万円) - -
普通株式に係る親会社株主に帰属する
当期純利益又は親会社株主に帰属する 33,560 △1,956
当期純損失(△)(百万円)
普通株式の期中平均株式数(千株) 349,424 345,819
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益調整額(百万円) - -
普通株式増加数(千株) 677 513
(うち新株予約権)(千株) (677) (513)
希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1株当
たり当期純利益金額の算定に含まれなかった潜在株 -
式の概要
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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