3405 クラレ 2021-02-10 11:00:00
2020年12月期 決算短信[日本基準](連結) [pdf]
2020年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年2月10日
上 場 会 社 名 株式会社クラレ 上場取引所 東
コ ー ド 番 号 3405 URL https://www.kuraray.co.jp
代 表 者
(役職名) 代表取締役社長 (氏名) 川原 仁
経営企画室
問合せ先責任者 (役職名) (氏名) 植垣 文雄 (TEL) 03-6701-1070
IR・広報部長
定時株主総会開催予定日 2021年3月25日 配当支払開始予定日 2021年3月26日
有価証券報告書提出予定日 2021年3月25日
決算補足説明資料作成の有無 : 有
決算説明会開催の有無 : 有 (証券アナリスト、機関投資家向け)
(百万円未満切捨て)
1.2020年12月期の連結業績(2020年1月1日~2020年12月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は対前期増減率)
親会社株主に帰属する
売上高 営業利益 経常利益
当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2020年12月期 541,797 △5.9 44,341 △18.1 39,740 △17.7 2,570 -
2019年12月期 575,807 △4.5 54,173 △17.7 48,271 △21.1 △1,956 -
(注) 包括利益 2020年12月期 △11,430百万円( -%) 2019年12月期 △8,137百万円( -%)
潜在株式調整後
1株当たり 自己資本 総資産 売上高
1株当たり
当期純利益 当期純利益率 経常利益率 営業利益率
当期純利益
円 銭 円 銭 % % %
2020年12月期 7.48 7.47 0.5 3.9 8.2
2019年12月期 △5.66 - △0.4 5.0 9.4
(参考) 持分法投資損益 2020年12月期 257百万円 2019年12月期 361百万円
(2)連結財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2020年12月期 1,051,584 515,481 47.4 1,450.32
2019年12月期 991,149 538,545 53.0 1,527.79
(参考) 自己資本 2020年12月期 498,798百万円 2019年12月期 525,151百万円
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2020年12月期 79,947 △64,025 91,508 182,084
2019年12月期 95,577 △89,369 △1,517 75,967
2.配当の状況
年間配当金 純資産
配当金総額 配当性向
配当率
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 (合計) (連結)
(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2019年12月期 - 20.00 - 22.00 42.00 14,486 - 2.7
2020年12月期 - 21.00 - 19.00 40.00 13,756 535.1 2.7
2021年12月期(予想)
- 20.00 - 20.00 40.00 45.9
3.2021年12月期の連結業績予想(2021年1月1日~2021年12月31日)
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
親会社株主に帰属 1株当たり
売上高 営業利益 経常利益
する当期純利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
第2四半期(累計) 280,000 6.9 25,000 27.5 22,500 27.6 13,500 47.4 39.25
通 期 570,000 5.2 55,000 24.0 50,000 25.8 30,000 - 87.23
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 無
新規 -社 (社名) 、 除外 -社 (社名)
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 無
② ①以外の会計方針の変更 : 無
③ 会計上の見積りの変更 : 有
④ 修正再表示 : 無
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2020年12月期 354,863,603株 2019年12月期 354,863,603株
② 期末自己株式数 2020年12月期 10,940,270株 2019年12月期 11,130,834株
③ 期中平均株式数 2020年12月期 343,879,649株 2019年12月期 345,819,930株
(参考) 個別業績の概要
1.2020年12月期の個別業績(2020年1月1日~2020年12月31日)
(1)個別経営成績 (%表示は対前期増減率)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2020年12月期 220,812 △6.6 27,973 △13.1 30,476 △6.9 15,762 △34.3
2019年12月期 236,315 △4.8 32,180 △23.1 32,719 △25.0 24,007 14.7
1株当たり 潜在株式調整後
当期純利益 1株当たり当期純利益
円 銭 円 銭
2020年12月期 45.84 45.80
2019年12月期 69.42 69.32
(2)個別財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2020年12月期 946,036 387,496 40.9 1,125.74
2019年12月期 789,923 387,653 49.0 1,125.84
(参考) 自己資本
2020年12月期 387,167百万円 2019年12月期 386,989百万円
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
(将来に関する記述等についてのご注意)
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると
判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想
の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、決算短信(添付資料)6ページ
「1.経営成績等の概況(4)今後の見通し」をご覧ください。
(2021年2月10日開催予定の決算説明会資料の入手方法)
決算補足説明資料及び説明会の動画を、開催後、可及的速やかに当社ホームページに掲載する予定です。
株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………5
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………5
(4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………6
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 …………………………………………6
2.経営方針 ………………………………………………………………………………………………7
(1)会社の経営の基本方針 …………………………………………………………………………7
(2)目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略及び会社が対処すべき課題 …………7
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………7
4.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………8
(1)連結貸借対照表 …………………………………………………………………………………8
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………10
(3)連結株主資本等変動計算書 ……………………………………………………………………12
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………14
(5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………16
(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………16
(表示方法の変更) …………………………………………………………………………………16
(会計上の見積りの変更) …………………………………………………………………………16
(セグメント情報等) ………………………………………………………………………………16
(1株当たり情報) …………………………………………………………………………………20
(重要な後発事象) …………………………………………………………………………………20
-1-
株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の長期化や各地域における地政学的リスクの影響により世界貿
易が縮小するなか、年初より新型コロナウイルス感染症が全世界に広がった結果、急速に落ち込みました。
かかる環境下、当社グループは、産業のサプライチェーンを支えるべく、安全の確保、感染防止策の徹底を行った
上で事業活動を継続してまいりました。
当社グループは長期ビジョン「Kuraray Vision 2026」のありたい姿である「独自の技術に新たな要素を取り込み、
持続的に成長するスペシャリティ化学企業」の実現を目指し、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画
「PROUD 2020」で掲げた主要経営戦略の具体的施策を実行し、中長期的な視点に基づく、新たな事業ポートフォリオ
構築への取り組みを進めてきました。
当連結会計年度においては、電気・電子用途や食品包材用途はコロナ禍においても順調に推移したものの、自動車
や建築用途の需要は大きく落ち込み、年後半より緩やかに回復しましたが、通期では前年を大きく下回りました。そ
の結果、売上高は前年同期比34,009百万円(5.9%)減の541,797百万円、営業利益は9,831百万円(18.1%)減の
44,341百万円、経常利益は8,530百万円(17.7%)減の39,740百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,570百万
円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,956百万円)となりました。
なお、当連結会計年度において、2018年5月に米国子会社で発生した火災事故などに関し、23,196百万円を訴訟関
連損失として特別損失に計上しました。
(単位:百万円)
2019年度 2020年度 増減
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益
ビニルアセテート 266,105 47,368 257,114 40,779 △8,991 △6,589
イソプレン 53,276 4,232 50,390 3,808 △2,885 △423
機能材料 125,982 3,836 124,980 2,994 △1,002 △841
繊維 64,513 5,654 54,408 2,155 △10,104 △3,499
トレーディング 130,911 4,224 124,438 3,606 △6,472 △618
その他 51,128 649 41,707 214 △9,421 △435
消去又は全社 △116,110 △11,793 △111,242 △9,217 4,868 2,576
合計 575,807 54,173 541,797 44,341 △34,009 △9,831
[ビニルアセテート]
当セグメントの売上高は257,114百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益は40,779百万円(同13.9%減)となりま
した。
① ポバール樹脂は、世界的な需要の低迷により販売が減少し、それに伴う生産調整を行ったため低調となりまし
た。光学用ポバールフィルムは、大型ディスプレイ向けを中心に需要が回復したことにより、販売量が増加しま
した。PVBフィルムは、建築向け、自動車向けともに需要低迷の影響を受けましたが、第3四半期以降は需要
が徐々に回復しました。水溶性ポバールフィルムは、個包装洗剤向けの販売が拡大しました。
② EVOH樹脂<エバール>は、ガソリンタンク用途が低調でしたが、食品包材用途は巣ごもり消費により販売量
が増加しました。
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
[イソプレン]
当セグメントの売上高は50,390百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益は3,808百万円(同10.0%減)となりまし
た。
① イソプレン関連は、ファインケミカル、熱可塑性エラストマー<セプトン>ともに、主に中国、アジアにおいて
需要低迷の影響を受けましたが、第4四半期より回復基調となりました。
② 耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>は、電気・電子デバイス向けが好調に推移しました。
[機能材料]
当セグメントの売上高は124,980百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は2,994百万円(同21.9%減)となりま
した。
① メタクリルは、飛沫飛散防止用仕切板やディスプレイ向けの販売が増えましたが、事業全体では原料高と市況悪
化の影響を受け低調でした。
② メディカルは、歯科材料において、感染蔓延に伴う歯科医の休診により、年度前半には、主に欧米で苦戦し、販
売が減少しました。
③ カルゴン・カーボン、炭素材料ともに、コロナ禍においても生活を支える製品として、水処理用途への販売を中
心に堅調に推移しました。なお、高機能活性炭の需要拡大に合わせ第2四半期にCalgon Carbon Corporation米
国既存工場における設備増強を決定しました。また、ベルギー子会社では工業用途の需要拡大に合わせ第3四半
期に再生活性炭の設備増強を決定しました。
-3-
株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
[繊維]
当セグメントの売上高は54,408百万円(前年同期比15.7%減)、営業利益は2,155百万円(同61.9%減)となりま
した。
① 人工皮革<クラリーノ>は、アジアのシューズ用途や欧州のラグジュアリー商品用途を中心に需要減退の影響を
受け、販売量が減少しました。
② 繊維資材は、ビニロンでセメント補強向け、ゴム資材向けともに販売量が減少しました。
③ 生活資材は、<クラフレックス>でマスク用途の数量は増えましたが、自動車用途やコスメティック用途が低迷
し、販売量が減少しました。
[トレーディング]
繊維関連事業は、スポーツ衣料は堅調に推移しましたが、資材分野を含むその他の用途は需要低迷の影響を受けた
ことに加え、ポリエステル繊維の生産調整を行ったため低調に推移しました。一方、樹脂・化成品関連事業は年度後
半の中国の需要回復により前年並みとなりました。その結果、売上高は124,438百万円(前年同期比4.9%減)、営業
利益は3,606百万円(同14.6%減)となりました。
[その他]
その他事業は、国内関連会社の販売が低調であったことにより、売上高は41,707百万円(前年同期比18.4%減)、
営業利益は214百万円(同67.0%減)となりました。
-4-
株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(2)当期の財政状態の概況
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による資金リスクに備えるため、手元流動性を高めました。具体的には社
債の発行30,000百万円や長期借入金の増加額78,875百万円などで有利子負債が104,524百万円増加したこと等により、
現金及び預金と有価証券を合わせた手元流動性は86,888百万円増加しました。これを主因として、資産合計は前連結
会計年度末比60,435百万円増の1,051,584百万円となりました。負債合計は、上記有利子負債の増加のほか、未払費
用の減少32,534百万円等により前連結会計年度末比83,499百万円増の536,103百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末比23,064百万円減少し、515,481百万円となりました。自己資本は498,798百万円
となり、自己資本比率は47.4%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純利益9,127百万円に対して、減価償却費62,459百万円、たな卸資産の減少16,731百万円、法人
税等の支払額9,624百万円及び訴訟関連損失の支払い37,543百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは
79,947百万円の収入となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
有価証券の減少14,625百万円等に対して、有形及び無形固定資産の取得による支出83,490百万円等により、投資活
動によるキャッシュ・フローは64,025百万円の支出となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入れ79,274百万円及び社債の発行収入30,000百万円等の収入に対して、コマーシャル・ペーパーの減少
4,000百万円及び配当金の支払額14,784百万円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは91,508百万円
の収入となりました。
以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物
の残高は、前連結会計年度末より106,116百万円増加して、182,084百万円となりました。
(単位:百万円)
2019年12月期 2020年12月期
営業活動によるキャッシュ・フロー 95,577 79,947
投資活動によるキャッシュ・フロー △89,369 △64,025
財務活動によるキャッシュ・フロー △1,517 91,508
現金及び現金同等物に係る換算差額 △70 △1,541
現金及び現金同等物の増減額 4,620 105,888
現金及び現金同等物の期首残高 71,345 75,967
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 1 228
現金及び現金同等物の期末残高 75,967 182,084
<ご参考> キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年12月期 2017年12月期 2018年12月期 2019年12月期 2020年12月期
自己資本比率(%) 70.7 71.7 58.6 53.0 47.4
時価ベースの自己資本
85.1 96.0 57.1 46.2 35.9
比率(%)
キャッシュ・フロー対
0.6 0.7 2.9 2.5 4.3
有利子負債比率(年)
インタレスト・カバレ
127.1 116.0 62.7 68.5 57.0
ッジ・レシオ(倍)
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値により計算しています。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを
使用しています。
4.有利子負債は短期借入金、コマーシャル・ペーパー、長期借入金及び社債の合計額を使用していま
す。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
5.2018年12月期より、たな卸資産の評価方法を変更しています。当該会計方針の変更は遡及適用される
ため、2017年12月期の数値は遡及適用後を記載しています。
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(4)今後の見通し
次期の世界経済は、各国が新型コロナウイルスの感染拡大抑止と経済活動維持の両立を模索することにより、徐々
に回復に向かうことが見込まれますが、地域や産業ごとに回復状況が異なることが予想され、本格的な回復は年度後
半以降になると見込んでいます。また、米国新大統領による政策の転換が対中通商問題や実体経済に与える影響につ
いて予測することが困難であり、次期においても、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。こうした状況を
踏まえた次期の業績予想は以下のとおりです。
なお、米国子会社で発生した火災事故の訴訟に関し、2020年度に特別損失を計上しましたが、本訴訟は現在も係属
中です。
(単位:億円、単位未満四捨五入)
前期比
2020年度 2021年度予想
(増減率)
売 上 高 5,418 5,700 5.2%
営 業 利 益 443 550 24.0%
経 常 利 益 397 500 25.8%
親会社株主に
26 300 1,067.0%
帰属する当期純利益
次期の業績予想にあたり、前提としている平均為替は1米ドル105円、1ユーロ125円、国産ナフサ35千円/ klで
す。
<ご参考> 2021年度 セグメント別業績予想
(単位:億円、単位未満四捨五入)
売上高 営業利益
2020年度 2021年度予想 2020年度 2021年度予想
ビニルアセテート 2,571 2,700 408 480
イソプレン 504 550 38 50
機能材料 1,250 1,300 30 50
繊維 544 570 22 30
トレーディング 1,244 1,300 36 40
その他 417 430 2 5
消去又は全社 △1,112 △1,150 △92 △105
合計 5,418 5,700 443 550
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
当社は株主に対する利益配分を経営の重要課題と位置付け、持続的な業績向上を通じた利益配分の増加を基本方針
とし、「PROUD 2020」(2018年度~2020年度)期間中においては、親会社株主に帰属する当期純利益に対する総還元
性向35%以上、かつ1株につき年間配当金40円以上を基本方針としていました。
この方針のもと、2020年度の中間配当金は1株につき21円、期末配当金は19円とさせていただく予定であり、当期
の配当金は1株につき40円となります。
2021年度は「PROUD 2020」期間の方針を踏襲し、親会社株主に帰属する当期純利益に対する総還元性向35%以上、
かつ1株につき年間配当金40円以上を基本方針とします。この方針のもと、2021年度の配当につきましては、親会社
株主に帰属する当期純利益300億円を前提に、中間配当20円、期末配当20円とし、年間配当40円(配当性向45.86%)
とする予定です。
-6-
株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
2.経営方針
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは使命である「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」に基づき、創立100周年と
なる2026年に向けて長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』を策定しました。『Kuraray Vision 2026』で掲げたあり
たい姿である「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を目指し、社会と
の価値共創を図りながら、他社と一味違うスペシャリティ製品及びサービスを世界に提供する企業であり続けます。
(2)目標とする経営指標と中長期的な会社の経営戦略及び会社が対処すべき課題
当社グループは、長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』において、以下3つの基本方針を定めています。
① 競争優位の追求
顧客ニーズに基づく高付加価値製品・用途の開発推進や、今後、さらに存在感が増す新興国・地域を、新たな
機会創出の場として捉え、戦略的に取り組みを強化することや、ITを活用した生産・業務プロセスの革新・改善
を行うことで競争力の強化を行っていきます。
② 新たな事業領域の拡大
独自技術の研鑽と外部技術の取り込みによる新事業の創出やM&A・アライアンスによる新領域の獲得、技術とサ
ービスを組み合わせたビジネスモデルの確立を行うことで事業領域を拡大していきます。
③ グループ総合力強化
ビジネスの拡大に合わせたグローバル経営基盤の構築、世界の多様な優秀人材を惹きつける働きがいのある職
場づくり、クラレグループのさらなる一体感の醸成を行っていくと同時に、コンプライアンス徹底の取り組みを
強化していきます。
上記基本方針に基づく具体的な施策の実施を通して、コアセグメントであるビニルアセテート関連事業のさらなる
強化と、それに次ぐ第2、第3の柱の確立、将来に向けた新事業の創出を行い、持続的な成長に向けた新しいポート
フォリオの構築を目指しています。
2018年にスタートした中期経営計画「PROUD 2020」期間において、世界最大の活性炭メーカーであるCalgon
Carbon Corporationを買収し、さらなる事業拡大を目指して米国での活性炭設備増強を決定しました。また、イソプ
レンにおけるタイ新工場建設の投資を決定しました。さらに、光学用ポバールフィルムや水溶性ポバールフィルムの
設備増強など、成長に向けた戦略の具体的施策についても着実に実行し、将来の安定したポートフォリオ構築への取
り組みを行いました。
最終年度である2020年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で経済活動が停滞し、多くの産業で需要が
大きく減退しました。第3四半期連結会計期間より中国や米国を中心に需要の回復が見られたものの、通期では計画
を下回る結果となりました。
新型コロナウイルス感染拡大による影響が不透明であることに鑑み、次期中期経営計画を2022年から当社の創立
100周年となる2026年までの5か年計画とし、2021年は単年度経営計画とします。2021年は『PROUD 2020』で投資決
定をしたイソプレンのタイ新工場建設の着実な推進や、環境ソリューション事業(活性炭事業)におけるCalgon
Carbon Corporationとの統合シナジー発現の加速とともに、ビニルアセテート関連事業のより一層の拡大に注力しま
す。また、グループ全社のデジタル戦略を進め、業務プロセス改革や迅速な事業戦略の構築を可能にするとともに、
デジタル人材の育成にも注力します。このように競争優位性を強化しつつ、次期中期経営計画に繋げていく所存で
す。
また、2018年5月に米国子会社で外部委託業者の作業員に負傷を伴う火災事故が発生し、損害賠償を求める民事訴
訟が提起されています。一部の原告とは和解に至りましたが、現在も訴訟は係属中です。二度とこのような事故を起
こさないために、2019年より本社主導で海外主要化学プラントの安全監査を実施し、安全対策の見直し・強化を図っ
ています。2020年は欧州の2工場、米国の2工場で安全監査を実施し、2019年に抽出した課題の改善状況の確認とと
もに、新たな課題の抽出を行いました。今後も新たに抽出した課題に対処するとともに、プラントにおける安全に関
する設備面の強化、及び管理システムやマニュアル見直し・改善、社員教育の充実などソフト面の強化を継続的に取
り組んでまいります。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、日本基準を適用しています。国際財務報告基準(IFRS)の適用等については、国内外の諸情
勢を考慮しながら検討を進めています。
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
4.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年12月31日) (2020年12月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 72,014 184,319
受取手形及び売掛金 121,166 117,172
有価証券 33,341 7,924
商品及び製品 101,628 86,555
仕掛品 15,679 14,105
原材料及び貯蔵品 34,696 31,968
その他 16,661 19,596
貸倒引当金 △455 △439
流動資産合計 394,732 461,202
固定資産
有形固定資産
建物及び構築物(純額) 79,629 84,604
機械装置及び運搬具(純額) 205,974 200,152
土地 22,062 22,204
建設仮勘定 82,071 97,451
その他(純額) 25,055 24,978
有形固定資産合計 414,793 429,391
無形固定資産
のれん 61,357 51,105
顧客関係資産 33,062 28,800
その他 35,514 31,143
無形固定資産合計 129,934 111,049
投資その他の資産
投資有価証券 28,770 25,477
長期貸付金 189 140
退職給付に係る資産 1,977 2,097
繰延税金資産 13,506 14,652
その他 7,272 7,597
貸倒引当金 △28 △24
投資その他の資産合計 51,688 49,941
固定資産合計 596,416 590,382
資産合計 991,149 1,051,584
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年12月31日) (2020年12月31日)
負債の部
流動負債
支払手形及び買掛金 39,883 36,161
短期借入金 34,864 34,509
コマーシャル・ペーパー 24,000 20,000
1年内償還予定の社債 - 20,000
未払費用 50,491 17,956
未払法人税等 4,307 6,621
賞与引当金 6,578 6,745
その他の引当金 226 202
その他 41,317 52,856
流動負債合計 201,670 195,053
固定負債
社債 50,000 60,000
長期借入金 128,001 206,881
繰延税金負債 13,743 11,218
役員退職慰労引当金 347 375
環境対策引当金 3,692 3,364
退職給付に係る負債 22,203 25,449
資産除去債務 4,671 4,383
その他 28,273 29,376
固定負債合計 250,933 341,050
負債合計 452,604 536,103
純資産の部
株主資本
資本金 88,955 88,955
資本剰余金 87,197 87,178
利益剰余金 348,289 336,050
自己株式 △16,286 △16,006
株主資本合計 508,156 496,177
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金 7,922 6,847
繰延ヘッジ損益 △263 △376
為替換算調整勘定 14,575 1,470
退職給付に係る調整累計額 △5,238 △5,321
その他の包括利益累計額合計 16,995 2,620
新株予約権 663 328
非支配株主持分 12,729 16,354
純資産合計 538,545 515,481
負債純資産合計 991,149 1,051,584
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自2019年1月1日 (自2020年1月1日
至2019年12月31日) 至2020年12月31日)
売上高 575,807 541,797
売上原価 395,125 376,386
売上総利益 180,682 165,411
販売費及び一般管理費
販売費 33,658 31,464
一般管理費 92,850 89,604
販売費及び一般管理費合計 126,508 121,069
営業利益 54,173 44,341
営業外収益
受取利息 346 208
受取配当金 660 568
持分法による投資利益 361 257
その他 1,551 1,516
営業外収益合計 2,919 2,550
営業外費用
支払利息 1,398 1,442
為替差損 2,090 514
固定資産廃棄損 1,012 997
その他 4,320 4,198
営業外費用合計 8,822 7,152
経常利益 48,271 39,740
特別利益
受取保険金 11,374 1,642
投資有価証券売却益 1,723 937
新株予約権戻入益 - 285
環境対策引当金戻入額 1,009 -
特別利益合計 14,107 2,866
特別損失
訴訟関連損失 50,590 23,196
事業整理損 - 5,189
操業休止関連費用 722 4,460
固定資産廃棄損 1,397 632
減損損失 3,668 -
関係会社整理損 1,242 -
災害損失 1,003 -
投資有価証券評価損 860 -
特別損失合計 59,484 33,479
税金等調整前当期純利益 2,893 9,127
法人税、住民税及び事業税 15,054 8,367
法人税等調整額 △11,243 △2,551
法人税等合計 3,810 5,815
当期純利益又は当期純損失(△) △916 3,311
非支配株主に帰属する当期純利益 1,039 740
親会社株主に帰属する当期純利益又は
△1,956 2,570
親会社株主に帰属する当期純損失(△)
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連結包括利益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自2019年1月1日 (自2020年1月1日
至2019年12月31日) 至2020年12月31日)
当期純利益又は当期純損失(△) △916 3,311
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金 100 △1,075
繰延ヘッジ損益 △445 △269
為替換算調整勘定 △5,661 △13,314
退職給付に係る調整額 △1,213 △82
その他の包括利益合計 △7,220 △14,741
包括利益 △8,137 △11,430
(内訳)
親会社株主に係る包括利益 △9,142 △11,804
非支配株主に係る包括利益 1,004 374
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(3)連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 88,955 87,207 364,841 △9,746 531,257
当期変動額
剰余金の配当 △14,595 △14,595
親会社株主に帰属する
△1,956 △1,956
当期純損失(△)
自己株式の取得 △6,617 △6,617
自己株式の処分 △9 78 68
その他 △0 △0
株主資本以外の項目の
-
当期変動額(純額)
当期変動額合計 - △9 △16,551 △6,539 △23,101
当期末残高 88,955 87,197 348,289 △16,286 508,156
その他の包括利益累計額
その他 退職給付 その他の 非支配
繰延ヘッジ 為替換算 新株予約権 純資産合計
有価証券 に係る 包括利益 株主持分
損益 調整勘定
評価差額金 調整累計額 累計額合計
当期首残高 7,822 1 20,382 △4,025 24,181 587 11,007 567,033
当期変動額
剰余金の配当 - △14,595
親会社株主に帰属する
- △1,956
当期純損失(△)
自己株式の取得 - △6,617
自己株式の処分 - 68
その他 - △0
株主資本以外の項目の
99 △265 △5,806 △1,213 △7,185 76 1,722 △5,386
当期変動額(純額)
当期変動額合計 99 △265 △5,806 △1,213 △7,185 76 1,722 △28,488
当期末残高 7,922 △263 14,575 △5,238 16,995 663 12,729 538,545
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
当連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 88,955 87,197 348,289 △16,286 508,156
当期変動額
剰余金の配当 △14,784 △14,784
親会社株主に帰属する
2,570 2,570
当期純利益
新規連結による変動額 △24 △24
自己株式の取得 △2 △2
自己株式の処分 △19 281 262
その他 △0 △0
株主資本以外の項目の
-
当期変動額(純額)
当期変動額合計 - △19 △12,238 279 △11,978
当期末残高 88,955 87,178 336,050 △16,006 496,177
その他の包括利益累計額
その他 退職給付 その他の 非支配
繰延ヘッジ 為替換算 新株予約権 純資産合計
有価証券 に係る 包括利益 株主持分
損益 調整勘定
評価差額金 調整累計額 累計額合計
当期首残高 7,922 △263 14,575 △5,238 16,995 663 12,729 538,545
当期変動額
剰余金の配当 - △14,784
親会社株主に帰属する
- 2,570
当期純利益
新規連結による変動額 - △24
自己株式の取得 - △2
自己株式の処分 - 262
その他 - △0
株主資本以外の項目の
△1,075 △112 △13,104 △82 △14,375 △335 3,624 △11,085
当期変動額(純額)
当期変動額合計 △1,075 △112 △13,104 △82 △14,375 △335 3,624 △23,064
当期末残高 6,847 △376 1,470 △5,321 2,620 328 16,354 515,481
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年1月1日 (自 2020年1月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益 2,893 9,127
減価償却費 58,158 62,459
貸倒引当金の増減額(△は減少) 22 △3
投資有価証券売却損益(△は益) △1,723 △937
訴訟関連損失 50,590 23,196
事業整理損 - 5,189
減損損失 3,668 -
固定資産廃棄損 1,397 632
投資有価証券評価損益(△は益) 860 -
為替差損益(△は益) 513 463
受取利息及び受取配当金 △1,006 △777
支払利息 1,398 1,442
売上債権の増減額(△は増加) 5,724 2,637
たな卸資産の増減額(△は増加) △781 16,731
仕入債務の増減額(△は減少) △5,182 △3,224
賞与引当金の増減額(△は減少) △76 274
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) 2,201 2,524
退職給付に係る資産の増減額(△は増加) △524 △383
その他 8,183 8,244
小計 126,318 127,596
利息及び配当金の受取額 1,158 921
利息の支払額 △1,396 △1,402
法人税等の支払額又は還付額(△は支払) △19,308 △9,624
訴訟関連損失の支払額 △11,195 △37,543
営業活動によるキャッシュ・フロー 95,577 79,947
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の純増減額(△は増加) △4,984 4,624
有価証券の純増減額(△は増加) 4,176 14,625
投資有価証券の取得による支出 △956 △95
投資有価証券の売却及び償還による収入 2,658 2,760
有形及び無形固定資産の取得による支出 △87,105 △83,490
有形及び無形固定資産の除去による支出 △1,838 △1,425
有形及び無形固定資産の売却による収入 587 69
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の
△134 -
売却による支出
その他 △1,773 △1,095
投資活動によるキャッシュ・フロー △89,369 △64,025
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年1月1日 (自 2020年1月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額(△は減少) 490 △351
コマーシャル・ペーパーの純増減額
24,000 △4,000
(△は減少)
長期借入れによる収入 7,744 79,274
長期借入金の返済による支出 △12,050 △34
社債の発行による収入 - 30,000
自己株式の取得による支出 △6,617 △2
自己株式の売却による収入 55 105
配当金の支払額 △14,595 △14,784
非支配株主からの払込みによる収入 1,017 3,559
非支配株主への配当金の支払額 △300 △308
その他 △1,260 △1,949
財務活動によるキャッシュ・フロー △1,517 91,508
現金及び現金同等物に係る換算差額 △70 △1,541
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 4,620 105,888
現金及び現金同等物の期首残高 71,345 75,967
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 1 228
現金及び現金同等物の期末残高 75,967 182,084
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(表示方法の変更)
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、独立掲記していた「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「受取保険金」及び「保険
金の受取額」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しています。この
表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の
「受取保険金」に表示していた△11,374百万円及び「保険金の受取額」に表示していた11,374百万円は、「その他」
として組み替えています。
(会計上の見積りの変更)
訴訟関連損失
当社米国子会社において2018年5月に発生した火災事故に関連し、当該米国子会社を含む複数の会社に対して提起
されている損害賠償請求訴訟について、前連結会計年度にその一部を見積り計上していましたが、その後の訴訟及び
和解交渉の進展に伴い、改めて合理的な損失の見積りを行いました。その結果、見積りの変更を行い、従来の見積額
との差額を特別損失に計上しています。
これにより、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益が5,212百万円減少しています。
(セグメント情報等)
(セグメント情報)
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締
役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は、カンパニー制を導入しており、各カンパニーは取り扱う製品等について国内及び海外の包括的な戦略を
立案し、事業活動を展開しています。また、子会社のうち、クラレトレーディング株式会社は、当社グループ製品
の加工販売や他社製品の取り扱いを含め、独自に企画・販売する事業を主体的に行っています。
したがって、当社グループは、カンパニーを基礎とした製品別のセグメントと、トレーディングセグメントで構
成されており、「ビニルアセテート」、「イソプレン」、「機能材料」、「繊維」及び「トレーディング」の5つ
を報告セグメントとしています。
「ビニルアセテート」は、ポバール、PVB、<エバール>等の機能樹脂、フィルムを生産・販売しています。
「イソプレン」は熱可塑性エラストマー<セプトン>、イソプレン関連製品、<ジェネスタ>を生産・販売してい
ます。「機能材料」はメタクリル樹脂、メディカル関連製品、炭素材料を生産・販売しています。「繊維」は、合
成繊維、人工皮革<クラリーノ>、不織布等を生産・販売しています。「トレーディング」は、合成繊維、人工皮
革等を加工・販売している他、その他の当社グループ製品及び他社製品の企画・販売を行っています。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成において採用している会計処理の方法と
同一です。セグメントの利益は、営業利益であり、セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいて
います。
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) (単位:百万円)
報告セグメント 連結
調整額
その他 財務諸表
合計 (注)2
ビニルア イソプ トレーデ (注)1 計上額
機能材料 繊維 計 (注)4
セテート レン ィング (注)3
売上高
外部顧客への売上高 225,127 29,058 107,020 50,816 128,139 540,162 35,644 575,807 - 575,807
セグメント間の内部
売上高又は振替高 40,978 24,217 18,961 13,697 2,772 100,626 15,484 116,110 △116,110 -
計 266,105 53,276 125,982 64,513 130,911 640,789 51,128 691,917 △116,110 575,807
セグメント利益 47,368 4,232 3,836 5,654 4,224 65,317 649 65,967 △11,793 54,173
セグメント資産 423,596 90,648 219,125 74,500 44,276 852,147 48,471 900,619 90,529 991,149
その他の項目
減価償却費
32,361 2,779 11,883 3,125 93 50,242 931 51,174 2,819 53,993
(のれん以外)
減損損失 3,356 170 - - - 3,526 60 3,586 81 3,668
のれんの償却額 1,591 - 2,572 - - 4,163 0 4,164 - 4,164
のれんの当期末残高 16,536 - 44,821 - - 61,357 - 61,357 - 61,357
持分法適用会社への
- - - 2,302 - 2,302 - 2,302 - 2,302
投資額
有形固定資産及び無
41,467 25,692 11,460 10,729 526 89,875 2,512 92,387 4,978 97,366
形固定資産の増加額
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、アクア事業、エンジニアリン
グ事業を含んでいます。
2.セグメント利益の調整額△11,793百万円には、セグメント間取引消去1,888百万円及び各報告セグメントに
配分していない全社費用△13,682百万円を含んでいます。全社費用の主なものは、提出会社の基礎研究費
です。
3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整しています。
4.セグメント資産の調整額90,529百万円には、セグメント間取引消去△36,506百万円及び各報告セグメント
に配分していない全社資産127,036百万円を含んでいます。なお、全社資産の主なものは、提出会社の余資
運用資金、長期投資資金、基礎研究・本社管理部門に係わる資産等です。
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
当連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) (単位:百万円)
報告セグメント 連結
調整額
その他 財務諸表
合計 (注)2
ビニルア イソプ トレーデ (注)1 計上額
機能材料 繊維 計 (注)4
セテート レン ィング (注)3
売上高
外部顧客への売上高 215,702 26,943 106,650 40,872 122,012 512,180 29,617 541,797 - 541,797
セグメント間の内部
売上高又は振替高 41,412 23,447 18,330 13,536 2,426 99,152 12,089 111,242 △111,242 -
計 257,114 50,390 124,980 54,408 124,438 611,332 41,707 653,039 △111,242 541,797
セグメント利益 40,779 3,808 2,994 2,155 3,606 53,344 214 53,559 △9,217 44,341
セグメント資産 391,914 108,852 205,673 70,378 43,422 820,241 48,168 868,410 183,173 1,051,584
その他の項目
減価償却費
35,436 3,058 12,395 3,768 97 54,756 1,085 55,842 2,850 58,693
(のれん以外)
減損損失 - - 4,475 - - 4,475 - 4,475 - 4,475
のれんの償却額 1,244 - 2,521 - - 3,766 - 3,766 - 3,766
のれんの当期末残高 14,741 - 36,363 - - 51,105 - 51,105 - 51,105
持分法適用会社への
- - - 2,472 - 2,472 - 2,472 - 2,472
投資額
有形固定資産及び無
21,656 26,615 11,323 8,228 314 68,139 2,563 70,702 5,997 76,700
形固定資産の増加額
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、アクア事業、エンジニアリン
グ事業を含んでいます。
2.セグメント利益の調整額△9,217百万円には、セグメント間取引消去2,017百万円及び各報告セグメントに
配分していない全社費用△11,234百万円を含んでいます。全社費用の主なものは、提出会社の基礎研究費
です。
3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整しています。
4.セグメント資産の調整額183,173百万円には、セグメント間取引消去△32,157百万円及び各報告セグメント
に配分していない全社資産215,331百万円を含んでいます。なお、全社資産の主なものは、提出会社の余資
運用資金、長期投資資金、基礎研究・本社管理部門に係わる資産等です。
5.「機能材料」の減損損失4,475百万円は、特別損失の事業整理損に含めて表示しています。
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(関連情報)
前連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報 (単位:百万円)
ビニル
イソプレン 機能材料 繊維 その他 合計
アセテート
外部顧客への売上高 261,241 53,244 125,301 92,986 43,032 575,807
(注) 各セグメントの主な製品は以下のとおりです。
ビニルアセテート:ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、<エバール>樹脂他
イソプレン :熱可塑性エラストマー<セプトン>、イソプレン、耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>他
機能材料 :メタクリル樹脂、メディカル製品、炭素材料他
繊維 :ビニロン、人工皮革<クラリーノ>、乾式不織布<クラフレックス>、
面ファスナー<マジックテープ>、ポリエステル他
その他 :アクア事業、エンジニアリング事業他
2.地域ごとの情報
(1)売上高 (単位:百万円)
日本 米国 中国 欧州 アジア その他の地域 合計
184,491 98,776 68,161 127,299 70,913 26,164 575,807
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2)有形固定資産 (単位:百万円)
日本 米国 タイ その他海外 合計
176,998 127,875 29,256 80,662 414,793
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載していません。
当連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報 (単位:百万円)
ビニル
イソプレン 機能材料 繊維 その他 合計
アセテート
外部顧客への売上高 254,180 50,341 124,899 76,078 36,297 541,797
(注) 各セグメントの主な製品は以下のとおりです。
ビニルアセテート:ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、<エバール>樹脂他
イソプレン :熱可塑性エラストマー<セプトン>、イソプレン、耐熱性ポリアミド樹脂<ジェネスタ>他
機能材料 :メタクリル樹脂、メディカル製品、炭素材料他
繊維 :ビニロン、人工皮革<クラリーノ>、乾式不織布<クラフレックス>、
面ファスナー<マジックテープ>、ポリエステル他
その他 :アクア事業、エンジニアリング事業他
2.地域ごとの情報
(1)売上高 (単位:百万円)
日本 米国 中国 欧州 アジア その他の地域 合計
157,973 100,300 72,568 118,641 68,058 24,254 541,797
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2)有形固定資産 (単位:百万円)
日本 米国 タイ その他海外 合計
186,522 114,684 50,484 77,700 429,391
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めて表示していた「タイ」の有形固定資産の額は、重要性が増したた
め、当連結会計年度より区分掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組
替えを行っています。
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載していません。
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株式会社クラレ(3405) 2020年12月期 決算短信
(報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報)
前連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報)
前連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報)
前連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年1月1日 (自 2020年1月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
1株当たり純資産額 1,527.79円 1,450.32円
1株当たり当期純利益又は
△5.66円 7.48円
1株当たり当期純損失(△)
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 -円 7.47円
(注) 1.前連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当た
り当期純損失であるため記載していません。
2.1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎
は、以下のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
項目 (自 2019年1月1日 (自 2020年1月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)
親会社株主に帰属する当期純利益又は
△1,956 2,570
親会社株主に帰属する当期純損失(△)(百万円)
普通株主に帰属しない金額(百万円) - -
普通株式に係る親会社株主に帰属する
当期純利益又は親会社株主に帰属する △1,956 2,570
当期純損失(△)(百万円)
普通株式の期中平均株式数(千株) 345,819 343,879
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益調整額(百万円) - -
普通株式増加数(千株) 513 284
(うち新株予約権)(千株) (513) (284)
希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1株当
たり当期純利益の算定に含まれなかった潜在株式の -
概要
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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