3302 帝繊維 2020-02-14 15:30:00
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]
2020 年2月 14 日
各 位
上場会社名 帝 国 繊 維 株 式 会 社
代 表 者 代 表 取 締 役 会 長 飯田 時 章
(コード番号 3302)
問 合 せ 先 常務取締役経営企画部長 岡村 建
(TEL.03-3281-3022)
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ
当社は、当社の株主である BRITISH EMPIRE TRUST PLC 及び AVI JAPAN OPPORTUNITY TRUST PLC(以下、
総称して「提案株主」といいます。)より、2020 年3月 27 日開催予定の第 94 期定時株主総会における
議案について株主提案(以下「本株主提案」といいます。)を行う旨の書面(以下「本株主提案書」と
いいます。)を 2020 年1月 23 日付で受領しておりましたが、本日開催の当社取締役会において、本株
主提案について反対することを決議いたしましたので、下記のとおり、お知らせいたします。
記
Ⅰ. 本株主提案の内容および理由
1. 議題
(1) 剰余金の処分の件
(2) 自己株式の取得の件
2.議案の要領および提案の理由
別紙に記載のとおりです。なお、提案株主から提出された本株主提案書の該当記載を原文のまま
掲載したものであります。
Ⅱ. 本株主提案に対する当社取締役会の意見
1. 剰余金の処分の件
(1)当社取締役会の意見
取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
(2)反対の理由
企業の存続・発展のために、内部留保の拡充は不可欠であると考えております。
多発化する自然災害および気候変動は、社会および環境の大きな脅威となっております。さらに、
世界的規模で人の移動が活発化する中、テロやパンデミックなど特殊災害のリスクも大きな高まり
を見せています。環境は激変し、多様化・多発化・激甚化する災害が世界各地で甚大な被害を発生
させています。
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我が国でも、首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震の脅威はますます高まり、毎年相次ぐ
記録的な大雨や暴風は、洪水や高潮などによる被害をもたらし、国民生活や企業活動に大きな混乱
を生じさせています。
テ イ セ ン
当社は、本年度からスタートする第五次中期経営計画「帝国繊維2022」において、「先進的防災
事業を確立・発展させ 多発化・激甚化する自然災害・気候変動による脅威から社会や事業の安
心・安全を守る!」を目標として掲げ、災害への対策・備えに積極的に貢献することを通じ、当社
の防災事業を持続的に成長させてまいります。
ご指摘いただいている現金同等物(約 210 億円)は、事業継続のための手許資金(月商 3 ヶ月分
程度として約 90 億円)のほか、新中期経営計画を実行に移すために本年度中の稼働開始を予定し
ている新システムの開発(約 15 億円)、車輌工場用地の取得(約 20 億円)、設備新設・移転(約
25 億円)、鹿沼におけるホース工場の増設(約 15 億円)並びに、今後の事業拡大に向けた車輌・
ホース工場の設備投資(数十億円規模)に活用する予定です。さらには、持続的成長のための海外
の最新鋭・最先端の商材獲得、人材の確保、M&A および保有不動産の再開発などにも活用してまい
ります。
当社の事業活動により災害に対する対策・備えに貢献するためには、長期に亘る永続的な設備投
資等の取り組みが必須となります。当社は内部留保を長期的な視点に立ち活用し、事業を深化・充
実・拡大させることで、社会の安心・安全に貢献し、今後とも企業としての持続的な成長を目指し
てまいります。
こうした状況からしますと、当社が過大な内部留保を有するとか、資産を有効に活用できていな
いということには当たらないと考えております。
当社は、これまで収益力を持続的に強化させ、長期安定的に業績を伸長させていくため、そのよ
うな今後の展望も踏まえた配当を行うことを基本方針としてまいりました。その都度の業績に応じ
て直ちに配当額を変動させるのではなく、業績の上下が生じたとしても安定的に配当を引き上げて
いくことを方針としており、過去 10 年の間に普通配当を 15 円から 40 円に順次引き上げ、この間
2 回の記念配当・特別配当も実施し、株主還元に努め、株主の皆さまのご期待に応えてまいりまし
た。このような方針の下、第 94 期定時株主総会に対しては、会社提案として、第四次中期経営計
テ イ セ ン
画「帝国繊維2019」が、成功裡に完遂できたことを踏まえ、特別配当金 5 円を実施し、当社普通株
式1株につき金 45 円(うち、普通配当金 40 円、特別配当金 5 円)とする剰余金処分議案を提出さ
せていただく予定です。
2. 自己株式の取得の件
(1)当社取締役会の意見
取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
(2)反対の理由
企業の存続・発展のために、内部留保の拡充は不可欠であると考えております。
当社は、今後の防災事業への需要拡大や進展に積極的に対応を進めることはもとより、防災市場の
特殊性として需要家から求められる当社自身の供給等の安定性と社会的信用の維持に努め、長期的
な視点に立ち、当社の防災事業を持続的に成長させることを目指してまいります。
盤石な財務基盤は、このような防災事業を中核に据えて成長を目指す当社にとって、事業活動の展
開や社会的信用の維持の観点からして不可欠の裏付けとなるものです。
ヒューリック株式の時価は、同社経営陣の経営の成果によって株価が大きく伸長したことによるも
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ので、当社の事業を通じ獲得された資金を投入した投資は行っておりません。当社にとって、危機
対応時の備えとして、また今後の成長への事業展開に活用することを予定しています。
現在、同社をパートナーとして、当社保有不動産にかかわる大規模再開発プロジェクトを進行させ
ております。同社の不動産に関する知見を活かし、事業化を目指しております。
本プロジェクトは、当社にとり長期安定的な収益が期待でき、また防災機能を備える等の構想から、
当社の新たな事業領域獲得の布石と期待しており、当社の企業価値向上に資するものと考えており
ます。本プロジェクトの資金としても、同社株式は活用できるものと考えております。
さらに、同社が都心部を中心に展開する不動産物件等への防災対策への取組みから不動産事業の
BCP 対策への取組みを推進し、新たな事業展開を図ってまいります。
こうした取り組みについては、短期的に成果が現れるという性質のものではなく、長期視点に立っ
て評価をすることが必要です。
当社は、益々重要性が増してきている防災事業において、新たな市場開拓、事業領域拡大により、
持続的な収益力拡大を通じ、長期安定的な企業価値向上を目指してまいります。当社には、25 年
前の阪神淡路大震災以降、防災事業を中核として企業価値を拡大させてきた歴史と実績があります。
当社は、自然災害および気候変動の脅威が高まる今日、さらなる発展を果たすことで、株主をはじ
めとする皆様のご期待に応えて参りたいと考えております。
以 上
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【別紙】
※提案株主から提出された本株主提案書の該当記載を原文のまま掲載しております。
1 剰余金の処分の件
(1) 議案の要領
剰余金の処分を以下のとおりとする。
本議案は、第94期定時株主総会において当社取締役会が剰余金の処分の件を提案する場合には、同
提案とは独立して追加で提案するものである。
①配当財産の種類
金銭
②1株当たり配当額
金76円から本定時株主総会に当社取締役会が提案し同定時株主総会において承認された当社普通
株式1株当たりの剰余金配当額を控除した金額(同定時株主総会において当社取締役会が剰余金の処
分の件を提案しない場合には金76円)
③配当財産の割当てに関する事項及びその総額
当社普通株式1株につき上記②の1株当たり配当額(配当総額は、1株当たり配当額に2019年12月31
日現在の当社発行済普通株式総数(自己株式を除く)を乗じて算出した金額)
④剰余金の配当が効力を生ずる日
本定時株主総会の日の翌営業日
⑤配当金支払開始日
本定時株主総会の日の翌営業日から起算して7営業日後の日
(2) 提案の理由
当社の連結貸借対照表上の現金及び預金並びに有価証券の合計額は、過去5年間で年間平均約14%増加
しており、2019年9月30日時点では、当社の連結貸借対照表上の現金及び預金並びに有価証券の合計額
は資産合計の約37%に相当します。このように、多額の現金を設備又は事業への投資等に活用せず、過
大な内部留保を有することは、当社が資産を有効に活用できていないことを示しています。
当社は、豊富なフリー・キャッシュ・フロー(当期純利益+減価償却費-運転資本の増加額-減価償
却費から推計される事業維持のための設備投資額により計算されます。)を生み出す、強固で収益性の
高いコア事業を有していますが、事業により獲得したフリー・キャッシュ・フローは以下の4つの使途
に活用することが可能です。①資本投資又はM&Aなどの成長投資、②有利子負債の返済、③配当又は自
己株式取得による株主還元、④現預金として内部留保を蓄積する。
当社が選択してきたのは④ですが、これは、バランスシートを肥大化させ、企業価値を失う選択である
といえます。
提案者は、直近の5年間で当社が約150億円のフリー・キャッシュ・フローを創出したと推計していま
すが、当社では、この5年間で、約30億円を成長投資に、また約40億円を株主への配当に用いており、
約80億円が価値を生み出さないまま現預金として保有されています。このように、過去5年間のフ
リー・キャッシュ・フローの44%しか生産的な使途に配分されておらず、残額は価値を生み出さないま
ま、貸借対照表上に計上されています。
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提案者と当社の間で事前に行われた株主還元に関する協議における当社の消極的な反応は、資本効率
に対する当社の戦略性の欠如及び誤解があることを示しています。「企業の存続・発展のために、内部
留保の拡充は不可欠」、「盤石な財務基盤は、防災事業を中核に据えて成長を目指す当社にとって、事
業展開への活用や社会的信用の維持についての貴重な裏付け」等の根拠のない曖昧な反応は、当社が貸
借対照表を適切に管理するという原則を実行することを保証するものではありませんし、また、当社の
最適な現金残高の水準を明確にするものでもありません。
提案者は、当社による成長分野への投資や付加価値を生み出すM&Aの実施に賛同しており、当社は、
それを実行するための健全な財務基盤を構築してきたと考えています。しかし、キャッシュの蓄積をこ
れ以上継続する正当な理由はなく、当社の強固な財務状況からしても、株主に対してより高いリターン
をもたらすように活用されるべきです。
当社の配当は1株当たり40円、配当性向は26%と予想されていますが、この配当では上記の問題を深刻
化させるだけです。そこで、当社の企業価値がこれ以上失われる前にキャッシュの比率を下げるため、
提案者は、1株当たり76円、配当性向を50%とする剰余金の処分の実施を提案します。
2 自己株式の取得の件
(1) 議案の要領
会社法第156条第1項の規定に基づき、本定時株主総会終結の時から1年以内に、当社普通株式を株式
総数1,200,000株、取得価額の総額金2,000,000,000円(ただし、会社法により許容される取得価額の
総額(会社法461条に定める「分配可能額」)が、当該金額を下回るときは、会社法により許容される
取得額の上限額)を限度として、金銭の交付をもって取得することとする。
(2) 提案の理由
当社が2019年9月30日時点で保有する現金及び預金並びに有価証券並びに当社が保有するヒューリッ
ク株式等の投資有価証券の合計額は、当社の総資産の約70%に相当する額に達します(連結貸借対照表
上の資産合計に対して、ヒューリックの株式は約30%、現金及び預金並びに有価証券は約37%、その他
の投資有価証券は約3%を占めています。)。提案者は、これらの資産が1%という極めて低いROC(資本
利益率)の原因になっていると推測しています。また、これらの資産は、当社のROE(自己資本利益
率)を7%に引き下げており、このROEは、2014年8月に公表されたいわゆる「伊藤レポート」が最低限
コミットすべきであるとした8%のROEを下回り、提案者が推定した当社の資本コストを下回っています。
当社の低いROEは企業価値を損なっており、当社が質の高い事業を有しているにもかかわらず、PBR
(株価純資産倍率)が1.2倍でしかない理由を端的に示しています。当社は15%を超えるROEを達成する
ことができ、その場合にはPBRが劇的に改善することになると考えられます。
なぜ、当社が連結貸借対照表上の資産の30%に相当する資産を、関連性のない非中核的な「戦略的投
資」であるヒューリック株式に配分してきたのか大いに疑問であると言わざるを得ません。当社は、
これまで、取引関係が企業価値を高めること、当社の不動産を共同で開発する可能性があること、
ヒューリックが開発した不動産に当社が防災設備を導入することを促進できることなどを曖昧に説明
するにとどまり、説得力のある正当な理由を提示してきませんでした。想定される利益とリスクある
いは資本コストに関連するリターンを定量化しないことは、「取締役会で、個別の政策保有株式につ
いて、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を具体的に精査
し、保有の適否を検証するとともに、そうした検証の内容について開示すべきである」と規定する
コーポレートガバナンス・コードの原則1-4.を無視するものです。
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定量的な根拠がない場合、ヒューリックとの取引関係から得られる利益が2019年12月31日時点の当
社のヒューリック株式の価値に相当する230億円の資本配分を正当化するとは考えられません。当社は、
取引関係からの利益を維持しながらも、保有するヒューリックの株式の数を大幅に減少することが可
能です。
提案者は、貸借照表上の資産の不適切な配分を減らし、ROEを改善するため、株式総数1,200,000株、
取得価額の総額金2,000,000,000円を限度(2020年1月17日の当社株式の終値で換算すると、発行済株
式の3.3%に相当)とする自己株式の取得を提案します。この取得資金の調達方法については取締役会
が適切に検討の上で判断すべきですが、2,000,000,000円の自社株式の取得に必要な資金は、当社が保
有するヒューリック株式のわずか10%を売却することにより調達可能です。
以 上
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